夏場や汗をかきやすい季節になると、ブラジャーのワイヤー部分やストラップの当たる場所に赤みやかゆみが出てきた経験はありませんか。胸の下やわきの下、肩の線に沿って出てくるあせもは、多くの女性が抱える悩みのひとつです。ブラジャーと皮膚の間は蒸れやすく、摩擦も加わることで、あせもが生じやすい環境が整ってしまいます。本記事では、ブラジャーによるあせもがなぜ起こるのか、どのような症状があるのか、そして日常生活でできる予防と対処法を詳しく説明していきます。正しい知識を持つことで、肌トラブルをできるだけ防ぎながら快適に過ごしましょう。
目次
- あせもとはどんな症状か
- ブラジャーがあせもを引き起こしやすい理由
- ブラジャーによるあせもが出やすい場所
- あせもとほかの皮膚トラブルを見分けるポイント
- ブラジャーによるあせもを悪化させる要因
- 日常ケアでできる予防策
- ブラジャー選びで気をつけたいポイント
- あせもができてしまったときの対処法
- 医療機関を受診する目安
- まとめ
この記事のポイント
ブラジャーによるあせもは蒸れ・摩擦・長時間着用が主因で、胸下やわきに赤みやかゆみが現れる。吸湿速乾素材の選択・こまめな汗の処理・適切なサイズ着用が予防の基本。1週間以上改善しない場合はアイシークリニックへ受診を。
🎯 1. あせもとはどんな症状か
あせも(汗疹:かんしん)は、汗の出口が詰まることによって起こる皮膚のトラブルです。人の皮膚には無数の汗腺があり、体温が上がると汗腺から汗を分泌して体温を調節しています。ところが、汗が出る管(汗管)が閉塞してしまうと、汗が皮膚の内部や表面に溜まり、炎症を引き起こします。これがあせもの正体です。
あせもは大きく分けて3つの種類があります。まず「水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)」と呼ばれるタイプは、皮膚の最表面で詰まりが生じるもので、透明や白っぽい水ぶくれのように見えます。かゆみや痛みはほとんどなく、自然に改善することが多いです。次に「紅色汗疹(こうしょくかんしん)」は、より深い層で詰まりが起こるもので、赤みを帯びた小さなブツブツとかゆみが特徴です。一般的に「あせも」と呼ばれるときはこのタイプを指すことが多く、ブラジャーによって引き起こされるあせももほとんどがこの紅色汗疹に当たります。そして「深在性汗疹(しんざいせいかんしん)」は、皮膚の深い部分で詰まりが生じるもので、皮膚が白っぽく盛り上がったような見た目になります。かゆみは少ないものの、汗の分泌が妨げられることで体温調節に支障が出ることもあります。
あせもは子どもに多いイメージがありますが、大人でも決して珍しくありません。とくに女性の場合、ブラジャーを着用することで生じる特有の環境が、あせもを引き起こしやすくします。日本の夏のように高温多湿な環境では、年齢を問わず誰でも発症する可能性があります。
Q. ブラジャーであせもが起きやすい理由は何ですか?
ブラジャーによるあせもは、蒸れ・摩擦・長時間着用の3要因が重なって生じます。カップやバンドが皮膚に密着すると空気が滞り汗が蒸発しにくくなります。さらにストラップやワイヤーの摩擦が皮膚のバリア機能を低下させ、汗管が詰まりやすくなることで炎症が起きます。
📋 2. ブラジャーがあせもを引き起こしやすい理由
ブラジャーがあせもを生じさせやすい背景には、いくつかの要因が重なっています。
まず、蒸れやすい構造という点が挙げられます。ブラジャーはカップやバンド部分が皮膚に密着するため、その下の空間は空気の流れが滞ります。汗をかいても蒸発しにくく、皮膚が常に湿った状態になりがちです。汗が皮膚にとどまり続けると、汗管が詰まるリスクが高まります。
次に、摩擦の問題があります。ブラジャーのストラップ、ワイヤー、アンダーバンドは体の動きに合わせて皮膚と擦れ合います。この摩擦が皮膚のバリア機能を低下させ、汗管や皮膚表面を傷つけやすくします。バリア機能が落ちると、汗の成分が皮膚に刺激を与えやすくなり、炎症が起きやすくなります。
また、着用時間の長さも関係しています。多くの方が起床後から就寝前まで長時間ブラジャーを着け続けます。蒸れと摩擦にさらされる時間が長ければ長いほど、皮膚への負担は積み重なります。
さらに、素材の問題も無視できません。化学繊維素材は吸湿性が低く、汗を吸っても乾きにくいため、皮膚の蒸れを促進します。フィット感を高めるために使われるゴムやパッドの素材も、通気性が悪いことがあります。
サイズが合っていないブラジャーを着用していると、皮膚への圧迫や摩擦が増し、あせもだけでなく接触性皮膚炎や色素沈着を招くことにもなります。自分の体型に合ったサイズのブラジャーを選ぶことが、皮膚トラブルを防ぐ基本です。
💊 3. ブラジャーによるあせもが出やすい場所
ブラジャーによるあせもには、特定の部位に集中して現れる傾向があります。どこに出やすいかを知っておくと、日常ケアのポイントも絞りやすくなります。
最も多いのが胸の下(アンダーバスト)の部分です。ブラジャーのアンダーバンドが当たる位置は、皮膚同士が折り重なるように接している場合もあり、汗が溜まりやすい環境です。バンドの圧迫と摩擦が重なるため、あせもが出やすく、かゆみや赤みが強く出ることがあります。
次にわきの下も要注意です。ブラジャーのサイドやストラップの付け根付近はわきの下に近く、発汗量が多い部位でもあります。体の動きで生じる摩擦も加わり、あせもが生じやすいです。
肩のストラップが当たる部分も、長時間の着用によって摩擦が蓄積します。食い込みやすいストラップの幅が細いデザインのものは、特に注意が必要です。
胸のカップとの境界線付近や、背中のホック部分も摩擦が起きやすい場所です。とくに背中のホック周辺は目が届きにくいため、かゆみが出ても気づくのが遅れることがあります。
バストの谷間にも汗が溜まりやすく、カップの内側の素材との接触でかゆみが出ることがあります。バストの大きい方はとくにこの部分に注意が必要です。
Q. ブラジャーによるあせもが出やすい部位はどこですか?
ブラジャーによるあせもはアンダーバンドが当たる胸の下(アンダーバスト)に最も多く現れます。次いでわきの下、肩のストラップが当たる部位、背中のホック周辺、バストの谷間にも出やすいです。これらの部位は汗が溜まりやすく摩擦も集中するため、日常ケアで重点的に注意が必要です。
🏥 4. あせもとほかの皮膚トラブルを見分けるポイント
ブラジャーを着用する部位に出てくる皮膚トラブルは、あせもだけとは限りません。似たような症状でも、原因が異なる場合があります。適切なケアのためにも、症状の違いを知っておきましょう。
接触性皮膚炎は、ブラジャーの素材や洗剤の成分に触れることでアレルギー反応が起き、赤みやかゆみが生じる状態です。あせもと非常に似た見た目になることがありますが、汗の量に関係なく発症する点が違います。ブラジャーを変えたタイミングや、洗剤を替えた後から症状が出た場合は接触性皮膚炎を疑ってみてください。
カンジダ症は、カンジダというカビの一種が皮膚に繁殖することで起こります。蒸れた環境を好むため、あせもと同じ場所に発症することがあります。皮膚が赤くただれ、端の方に小さなブツブツが出ているのが特徴です。かゆみが強く、市販のあせも薬を使っても改善しない場合はカンジダ症の可能性があるため、医療機関への受診が必要です。
毛包炎は、毛穴に細菌が入り込んで炎症を起こした状態です。毛穴を中心とした赤いブツブツが特徴で、触ると痛みを感じることもあります。あせもとは異なり、抗菌薬での治療が必要になる場合があります。
湿疹や皮膚炎は、より広い範囲で皮膚が赤くただれ、浸出液が出たり皮がむけたりすることもあります。慢性化すると皮膚が厚くなることもあり、セルフケアだけでは対処しきれないケースがあります。
これらの症状はいずれも見た目が似通っていることがあるため、自己判断が難しい場合は皮膚科や美容皮膚科を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。
⚠️ 5. ブラジャーによるあせもを悪化させる要因
あせもができてしまったとき、知らず知らずのうちに症状を悪化させる行動をとっていることがあります。以下に代表的な悪化要因を挙げます。
まずかいてしまうことです。かゆみがあると、ついつい引っかいてしまいたくなりますが、爪で皮膚を傷つけることで細菌が入り込み、感染症を起こすことがあります。引っかくと症状が広がることもあるため、かゆみをこらえることが大切です。
汗をかいたままにしておくことも悪化につながります。汗をかいたら早めに拭くか、シャワーで流すことが重要です。汗の成分には塩分や老廃物が含まれており、皮膚への刺激になります。
通気性の悪い衣類をブラジャーの上に着ることも蒸れを加速させます。外出時に厚手のインナーや化学繊維のトップスを着ると、ブラジャー周辺の蒸れが増します。とくに夏は通気性の良い素材を選ぶことが大切です。
洗濯時の洗剤や柔軟剤も影響します。香料や防腐剤を多く含む洗剤や柔軟剤は、敏感になった皮膚にとって刺激になることがあります。低刺激・無香料タイプの洗剤を使用し、すすぎをしっかり行うことを心がけましょう。
ブラジャーを毎日替えずに連続して使用することも衛生的に問題があります。ブラジャーには汗や皮脂が付着しており、雑菌が繁殖しやすい環境になります。できれば毎日洗って清潔に保つことが理想的です。
また、体重の増加や妊娠・授乳期などの体型変化に合わせてブラジャーのサイズを見直さないまま着け続けることも、皮膚への圧迫が強まり炎症を悪化させることがあります。
Q. あせも予防に適したブラジャーの選び方を教えてください。
あせも予防には吸湿速乾性に優れたコットンや機能性素材(ポリエステル・ナイロン系)のブラジャーが適しています。サイズはアンダーバンドに指2本が入る程度が目安で、きつすぎると摩擦や圧迫が増します。縫い目のないシームレスタイプや幅広ストラップも皮膚への刺激を減らす効果があります。
🔍 6. 日常ケアでできる予防策
ブラジャーによるあせもを防ぐためには、毎日のケアが非常に重要です。以下に実践しやすい予防策を具体的に紹介します。
汗をこまめに拭く習慣を持ちましょう。汗をかいたらそのままにせず、清潔なタオルやウェットティッシュでやさしく押さえるように拭き取ることが大切です。ゴシゴシこすると摩擦で皮膚を傷めるため、あくまでも「押さえる」感覚で行ってください。
シャワーや入浴で清潔を保つことも基本です。1日1回以上シャワーを浴び、ブラジャーが当たる部位を丁寧に洗いましょう。ただし、洗いすぎは皮膚のバリア機能を低下させるため、刺激の少ないボディソープを使い、やさしく洗うことを意識してください。
入浴後は皮膚をしっかり乾燥させてからブラジャーを着けるようにしましょう。湿った皮膚にブラジャーを着用すると、初めから蒸れやすい状態になります。
保湿ケアも意外と重要です。乾燥した皮膚はバリア機能が低下しており、汗の刺激や摩擦に対して弱くなっています。入浴後に低刺激の保湿剤を薄く塗ることで、皮膚を守る膜を補うことができます。ただし、あせもができてしまった部分に油分の多いクリームを使うと蒸れを助長することがあるため、さっぱりとしたローションタイプが適しています。
室温や衣環境を整えることも有効です。自宅にいるときはエアコンや扇風機で室温を調整し、発汗を最小限に抑えましょう。寝るときはノンワイヤーブラやブラトップ、または着けない選択をすることで、夜間の蒸れを減らせます。
ブラジャーを着けない時間を意識的に作ることも肌の休息になります。在宅時や就寝時など、必要のない場面では着用を控えることで皮膚への負担を軽減できます。
あせも予防のためのスプレーやパウダーを活用する方法もあります。市販のあせも予防パウダーをブラジャーの内側や皮膚に塗布することで、余分な水分を吸収し摩擦を軽減する効果があります。ただし、パウダーが汗で固まって毛穴を詰まらせることがあるため、使いすぎには注意しましょう。
📝 7. ブラジャー選びで気をつけたいポイント
あせも対策において、ブラジャーそのものの選び方は非常に重要です。素材・サイズ・デザインの3つの観点から解説します。
素材については、吸湿性・速乾性に優れたものを選ぶことが基本です。コットン(綿)素材は肌触りが良く、汗を吸収しやすいですが、乾きが遅いというデメリットもあります。近年は機能性素材として、吸汗速乾性に優れたポリエステルやナイロン系の素材が使われたスポーツブラも多く出ています。自分の生活スタイルや汗のかき方に合わせて選ぶと良いでしょう。シルクは肌触りが良いですが価格が高く、洗濯の手間もあります。
カップの裏地やアンダーバンドの素材も確認しましょう。肌に直接触れる部分が合成繊維だけの場合、蒸れやすくなることがあります。コットンや機能素材の裏地が使われているものを選ぶと快適さが増します。
サイズについては、定期的に見直すことが大切です。体重の変化や加齢によってバストの形は変わります。アンダーバンドがゆるすぎると安定せず動きやすくなり、きつすぎると食い込んで血行不良や摩擦の原因になります。目安として、アンダーバンドは指が2本入る程度のゆとりがあるサイズが適切です。専門店でフィッティングしてもらうと、自分に合ったサイズを正確に把握できます。
ワイヤーの有無も選択肢のひとつです。ワイヤーブラはバストを整える効果が高い反面、皮膚への当たりが強く、あせもや色素沈着の原因になりやすいです。症状が出ているときや、自宅にいる時間帯にはノンワイヤーブラやブラトップを活用することで皮膚への負担を減らせます。
ストラップの太さも考慮しましょう。細いスパゲッティストラップタイプは肩への圧力が集中しやすく、肩の皮膚に摩擦が起きやすいです。幅広のストラップの方が圧力が分散されるため、あせも予防につながります。
シームレス(縫い目なし)タイプのブラジャーは、縫い目による摩擦が少なく、皮膚トラブルを起こしやすい方に向いています。縫い目が皮膚に当たり続けることで生じる刺激を軽減できます。
汗をかく季節や活動内容に合わせて複数のブラジャーを使い分けることも一つの対策です。日常使い、スポーツ時、就寝時と目的に合ったものを揃えると、皮膚への負担を最小限に抑えられます。
Q. ブラジャーによるあせもはいつ病院に行くべきですか?
1週間以上セルフケアを続けても改善しない場合は、皮膚科やアイシークリニックへの受診をお勧めします。患部が腫れて熱感・痛みが強まった場合や、膿・浸出液が出ている場合は細菌感染の可能性があり早急な受診が必要です。あせもと似た症状の接触性皮膚炎やカンジダ症では治療法が異なるため、自己判断は避けましょう。
💡 8. あせもができてしまったときの対処法
すでにあせもができてしまった場合は、症状を悪化させないための対処と、早期回復のためのケアが必要です。
まず、患部を清潔に保つことが最優先です。シャワーで汗を流し、患部をやさしく洗いましょう。石けんや洗浄剤は低刺激のものを使い、泡立てた泡で洗うようにします。お湯の温度が高すぎると皮膚への刺激になるため、ぬるめのお湯(38〜40℃程度)が適しています。
洗った後はやさしくタオルで水気を押さえて取り、しっかり乾燥させてからブラジャーを着用します。患部が湿ったまま布地を当てると、蒸れと摩擦で症状が続きます。
かゆみが強いときは、冷たいタオルや保冷剤をタオルで包んで患部に当てる「冷却」が一時的なかゆみ緩和に役立ちます。直接保冷剤を皮膚に当てると凍傷の原因になるため、必ずタオル越しに使用してください。
市販のあせも薬を使用することも選択肢です。ステロイドを含む外用薬は炎症を鎮める効果があります。軽度のあせもであれば、市販の弱いステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン酢酸エステル含有製品など)が効果的です。ただし、長期間の使用や広範囲への使用は避け、説明書に従って使用してください。また、感染を伴うあせもやカンジダ症には使用してはいけないため、症状が不確かな場合は医師への相談が優先です。
かゆみ止め成分(抗ヒスタミン薬配合)の外用薬やローションも、かゆみの緩和に役立ちます。市販のあせも・かゆみ用のローションやスプレータイプの薬は、広い範囲に使いやすく、さっぱりした使用感でかゆみを落ち着かせます。
患部を乾燥させるために亜鉛華(酸化亜鉛)を配合した製品が使われることもあります。亜鉛華軟膏は皮膚を保護しながら余分な水分を吸収する効果があり、じゅくじゅくしたあせもに適しています。
あせもが出ている間は、できるだけブラジャーを着用する時間を短くするか、ノンワイヤーや素材の柔らかいものに変えることをお勧めします。症状が回復するまでの間、皮膚への刺激を最小限にすることが最短での改善につながります。
✨ 9. 医療機関を受診する目安

軽度のあせもであれば、日常的なケアや市販薬で改善することも多いですが、以下のような状況が見られたときは、早めに皮膚科や美容皮膚科を受診することをお勧めします。
1週間以上ケアを続けても症状が改善しない場合、あせも以外の疾患が隠れている可能性があります。自己判断でのケアを続けるよりも、専門家に診てもらうことが安心です。
患部が赤く腫れ、熱感・痛みが強くなってきた場合は、細菌感染(毛包炎や蜂窩織炎など)に移行している可能性があります。このような状態は抗菌薬による治療が必要になることがあるため、早急な受診が必要です。
患部から液体(浸出液や膿)が出ている場合も感染のサインである可能性があります。とくに膿が出ている場合は細菌感染が疑われるため、すぐに医療機関を受診してください。
広範囲に症状が広がっている場合や、体の複数箇所に同時に症状が出ている場合も、医師の診断が必要です。あせもではなく、全身的な皮膚疾患やアレルギー疾患が原因となっている可能性があります。
繰り返しあせもができる体質の方も、医療機関での相談をお勧めします。毎年同じ場所に繰り返しあせもができる方は、皮膚科で適切な外用薬の処方を受けたり、体質改善のためのアドバイスを得たりすることで、症状をコントロールしやすくなります。
また、市販のステロイド薬では改善しない場合は、より強いステロイドや別の種類の薬が必要なこともあります。処方薬は市販薬よりも強力で効果的なものが多いため、症状が長引く場合は医師に相談して処方してもらいましょう。
皮膚科では問診と視診を行い、必要に応じて培養検査(菌の検出)やパッチテスト(アレルギー検査)などを実施します。正確な診断に基づいて、外用薬や内服薬が処方されます。あせもと見分けがつきにくいカンジダ症の場合は、ステロイド薬ではなく抗真菌薬を使用します。治療法が異なるため、自己判断での薬の使用は注意が必要です。
なお、美容皮膚科では皮膚の状態を整えるためのスキンケア指導や、ニキビ・色素沈着などを含めたトータルな肌トラブルへの対応も行っています。あせもが繰り返すことによってできた色素沈着(黒ずみ)に悩む方にとっても、専門的なケアを受けることができます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏場を中心にブラジャーによるあせもや皮膚トラブルのご相談が増える傾向にあり、多くの方が「かゆいけれど市販薬で様子を見ていた」とおっしゃって受診されます。あせもと思っていた症状が接触性皮膚炎やカンジダ症であるケースも珍しくなく、原因によって治療法が大きく異なるため、セルフケアで1週間以上改善しない場合は早めにご相談いただくことをお勧めします。毎日身につけるブラジャーだからこそ、素材やサイズの見直しといった小さな工夫が肌への負担を大きく減らしますので、気になる症状があればどうぞお気軽にご来院ください。」
📌 よくある質問
ブラジャーによるあせもは、アンダーバンドが当たる胸の下(アンダーバスト)に最も多く出ます。次いで、発汗量が多いわきの下、肩のストラップ部分、背中のホック周辺、バストの谷間にも出やすいです。これらの部位は蒸れや摩擦が集中しやすいため、日常ケアで重点的にチェックしましょう。
見た目は似ていますが、接触性皮膚炎は汗の量に関係なく、ブラジャーの素材や洗剤の成分へのアレルギー反応として起こります。新しいブラジャーに替えた後や洗剤を変えた後から症状が出た場合は接触性皮膚炎が疑われます。自己判断が難しい場合は、皮膚科での正確な診断をお勧めします。
吸湿速乾性に優れたコットンや機能性素材(吸汗速乾タイプのポリエステル・ナイロン系)がおすすめです。サイズはアンダーバンドに指が2本入る程度のゆとりが目安です。きつすぎると摩擦・圧迫が増し、あせもだけでなく色素沈着の原因にもなるため、定期的なサイズ見直しが大切です。
軽度のあせもには、弱いステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン酢酸エステル含有製品など)が有効です。ただし、長期使用や広範囲への使用は避けてください。カンジダ症や細菌感染を伴う場合はステロイド薬が逆効果になることもあるため、1週間以上改善しない場合はアイシークリニックへご相談ください。
以下の場合は早めに皮膚科を受診することをお勧めします。①1週間以上ケアしても改善しない、②患部が腫れて熱感・痛みが強くなった、③膿や浸出液が出ている、④症状が広範囲に広がっている。これらはあせも以外の疾患や細菌感染のサインである可能性があり、適切な治療が必要です。
🎯 まとめ
ブラジャーによるあせもは、蒸れ・摩擦・長時間の着用といった条件が重なることで起こりやすい皮膚トラブルです。胸の下やわきの下、肩のストラップ周辺に赤みやかゆみとして現れることが多く、症状が似ている接触性皮膚炎やカンジダ症と見分けることが大切です。
予防のためには、汗をこまめに拭く習慣をつける、入浴後に皮膚を乾かしてからブラジャーを着ける、吸湿速乾性の高い素材のブラジャーを選ぶ、自分に合ったサイズのものを使う、といった日々の積み重ねが重要です。あせもができてしまった場合は、清潔を保ちながら患部を冷やしたり、市販の外用薬を適切に使うことで多くのケースでは改善します。
しかし、1週間以上改善しない、腫れや痛みが強くなる、膿が出るといった場合は迷わず医療機関を受診しましょう。自己判断でのケアを続けることで悪化するケースもあるため、異変を感じたら早めに専門家に相談することが大切です。
毎日使うブラジャーだからこそ、皮膚への影響を意識したケアと選択が大切です。日頃から皮膚の状態に気を配り、少しでも気になる変化があれば早めに対処することで、快適な毎日を過ごせるよう心がけましょう。アイシークリニック大宮院では、肌トラブルに関するご相談も承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – あせも(汗疹)の種類(水晶様汗疹・紅色汗疹・深在性汗疹)の定義、症状、および接触性皮膚炎・カンジダ症・毛包炎との鑑別診断に関する医学的根拠
- 厚生労働省 – 市販のステロイド外用薬(ヒドロコルチゾン酢酸エステル含有製品など)および抗ヒスタミン薬配合外用薬の適正使用・使用上の注意に関する情報
- PubMed – ブラジャー着用に伴う汗疹・接触性皮膚炎の発症メカニズム、素材・サイズの影響、および予防・治療に関する国際的な査読済み臨床研究文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務