📌 包丁で手を切った、転倒して深く皮膚を傷つけてしまった…そんな経験、ありませんか?
💬 「この傷、病院に行くべき?」「いつになったらふさがるの?」と不安なまま放置していませんか?
⚠️ 深い切り傷を適切に処置しないと、感染・傷跡・治癒遅延のリスクがあります。
🚨 この記事を読むと…
✅ 深い切り傷がふさがるまでの正確な時間の目安がわかる
✅ 今すぐ病院に行くべきかどうかの判断基準がわかる
✅ 傷跡を残さないための正しいケア方法がわかる
読まないまま放置すると、取り返しのつかない傷跡や感染症につながることも。
目次
- 切り傷の深さによる分類と特徴
- 深い切り傷がふさがるまでの時間の目安
- 傷が治る仕組み(創傷治癒のメカニズム)
- 深い切り傷の応急処置の手順
- 病院を受診すべき切り傷のサイン
- 傷のケアで知っておきたい「湿潤療法」
- 傷跡を残さないためのポイント
- 治癒を遅らせる要因と注意すべき習慣
- 子どもや高齢者の切り傷ケアの注意点
- まとめ
💡 この記事のポイント
深い切り傷(真皮到達)がふさがるまで1〜4週間、傷跡成熟には数か月〜2年かかる。治癒は止血・炎症・増殖・成熟の4段階で進み、湿潤療法が有効。出血が止まらない・傷口が開いている・感染サインがある場合は速やかに医療機関を受診すること。
💡 切り傷の深さによる分類と特徴
切り傷と一口に言っても、その深さや状態によって適切な対処法は大きく異なります。まずは切り傷の深さによる分類を理解しておきましょう。
✅ 表皮のみの浅い切り傷
皮膚の最も外側にある表皮層だけが傷ついた状態です。出血はわずかであったり、ほとんど見られないこともあります。ヒリヒリとした痛みを感じることが多く、日常生活ではよく見られる軽微なケガです。適切なケアを行えば、数日から1週間程度で自然にふさがることがほとんどです。
📝 真皮に達する深い切り傷
表皮の下にある真皮層まで達した傷です。真皮には血管や神経が多く通っているため、出血量が多くなりやすく、強い痛みを感じることがあります。傷口が開いた状態になることも多く、自然にふさがるまでには時間がかかります。場合によっては縫合処置が必要となることもあります。
🔸 皮下組織・筋肉・腱に達する深い切り傷
真皮よりさらに深い皮下組織や、筋肉、腱にまで達した状態です。このような傷は家庭での応急処置だけでは対応が困難であり、速やかに医療機関を受診する必要があります。神経や血管が損傷している可能性もあり、放置すると後遺症が残るリスクもあります。
切り傷の深さを正確に自分で判断することは難しい場合もありますが、出血が多い、傷口が大きく開いている、脂肪組織のような黄色いものが見えているなどの場合は、深い傷である可能性が高いと考えてください。
Q. 深い切り傷がふさがるまでの期間はどのくらいですか?
真皮に達する深い切り傷は、縫合処置を行った場合で傷口がふさがるまで約1〜2週間、縫合なしの自然治癒では2〜4週間が目安です。ただし傷跡が目立たなくなるまでにはさらに3か月〜2年程度かかる場合があります。
📌 深い切り傷がふさがるまでの時間の目安
深い切り傷がふさがるまでの時間は、傷の深さや大きさ、処置の方法、個人の体質などによって大きく異なります。ここでは一般的な目安を解説しますが、あくまでも参考値であり、実際の回復には個人差があることをご理解ください。
⚡ 真皮に達する切り傷の場合
真皮に達する深い切り傷で、縫合処置を行った場合、傷口自体がふさがる(閉じる)までには通常1〜2週間程度かかります。縫合糸が抜糸されるのも、この1〜2週間後が目安となることが多いです。ただし、傷口がふさがったからといって完全に治癒したわけではなく、内部の組織が十分に修復されるにはさらに時間が必要です。
🌟 縫合せずに自然治癒する場合
傷が比較的浅く、縫合が必要でないと判断された場合でも、深い切り傷であれば完全にふさがるまでに2〜4週間程度かかることがあります。湿潤療法などの適切なケアを行うことで、治癒を促進させることができます。
💬 傷跡が目立たなくなるまでの時間
傷口がふさがってからも、傷跡が完全に成熟して目立たなくなるまでにはさらに時間がかかります。一般的には傷口閉鎖後から3〜6か月、場合によっては1〜2年かかることもあります。この期間中は、傷跡が赤みを帯びていたり、盛り上がっていたりすることがありますが、徐々に落ち着いていくのが通常の経過です。
✅ 治癒を左右する主な要因
切り傷がふさがる時間には、以下のような要因が大きく関係しています。まず、年齢は重要な要素の一つです。若い人ほど細胞の再生能力が高く、治癒が早い傾向があります。次に、栄養状態も影響します。タンパク質やビタミンCなど、傷の修復に必要な栄養素が不足していると治癒が遅れることがあります。また、基礎疾患の有無も大きく関わります。糖尿病や血液疾患がある方は、健康な人と比べて傷の治りが遅くなることが知られています。さらに、感染の有無も重要です。傷口が細菌に感染すると、治癒が著しく遅れるだけでなく、全身に影響が及ぶ可能性もあります。
✨ 傷が治る仕組み(創傷治癒のメカニズム)
深い切り傷がふさがるまでの過程を理解するために、皮膚の傷が治る仕組みについて詳しく見ていきましょう。創傷治癒は大きく4つの段階に分けることができます。
📝 第1段階:止血期(受傷直後〜数時間)
傷を負った直後、まず体は出血を止めようとします。血小板が傷口に集まり、血液凝固因子とともに血栓(血の塊)を形成して出血を止めます。これが止血の仕組みです。この段階では、傷口が乾燥して「かさぶた」の元となる組織が形成され始めます。
🔸 第2段階:炎症期(受傷後数時間〜3日程度)
止血が完了すると、次に炎症反応が起こります。白血球や免疫細胞が傷口に集まり、細菌などの異物や損傷した組織を除去します。この時期には傷口の周囲が赤くなり、腫れたり熱を持ったり、痛みが増したりすることがあります。これらは感染のサインではなく、正常な治癒反応の一部です。ただし、症状が強すぎたり長引いたりする場合は感染の可能性も考えられます。
⚡ 第3段階:増殖期(受傷後3日〜3週間程度)
炎症が落ち着いてくると、今度は新しい組織を作る段階に入ります。線維芽細胞と呼ばれる細胞がコラーゲンを産生し、新しい結合組織(肉芽組織)を形成します。また、血管新生と呼ばれる新しい血管の形成も進みます。表皮細胞が傷の端から中心に向かって移動し、傷口を覆っていきます。この段階で傷口が「ふさがる」状態に近づいていきます。
🌟 第4段階:成熟・リモデリング期(受傷後3週間〜数年)
傷口がふさがった後も、内部の組織の改造・成熟が続きます。コラーゲン繊維が整列して組織が強化され、傷跡が徐々に白くなっていきます。この段階は非常に長く、数か月から数年にわたって続くことがあります。傷跡が赤みを帯びている時期はまだこの過程の途中であり、時間とともに改善していくことがほとんどです。
Q. 切り傷の治癒はどのような段階で進みますか?
切り傷の治癒は4段階で進みます。受傷直後の「止血期」、白血球が異物を除去する「炎症期(〜3日)」、コラーゲンが産生され新組織が形成される「増殖期(〜3週間)」、そして組織が成熟・強化される「成熟期(数か月〜数年)」の順に進行します。
🔍 深い切り傷の応急処置の手順
深い切り傷を負った際の適切な応急処置は、その後の回復に大きく影響します。正しい手順を身につけておきましょう。
💬 ステップ1:まず手を洗う
処置を行う前に、まず自分の手を石けんと流水でしっかりと洗います。処置者の手からの二次感染を防ぐために重要なステップです。可能であれば使い捨て手袋を使用することが望ましいです。
✅ ステップ2:出血を止める
清潔なガーゼや布を傷口に当て、指で圧迫します。これを「直接圧迫止血法」と言います。5〜10分程度、しっかりと圧迫し続けることが大切です。途中で傷口を確認するためにガーゼを取り外すと、せっかく形成された血栓が剥がれて出血が再開することがあるため、できるだけ圧迫し続けてください。
📝 ステップ3:傷口を洗浄する
出血が落ち着いたら、傷口を流水(できれば水道水)でしっかりと洗い流します。傷口に砂や異物が入っている場合は、優しく洗い流してください。昔は消毒液(オキシドールやイソジンなど)を使うことが一般的でしたが、現在は消毒液が傷口の正常な細胞も傷つける可能性があるとして、流水での洗浄が推奨されています。
🔸 ステップ4:傷口を保護する
洗浄後は、清潔なガーゼや創傷被覆材で傷口を覆います。近年では湿潤環境を保てる創傷被覆材(ハイドロコロイドドレッシングなど)が市販されており、治癒を促進する効果が期待できます。
⚡ ステップ5:医療機関への受診を検討する
応急処置を行った後は、傷の深さや状態を評価して医療機関への受診が必要かどうかを判断します。次のセクションで受診の目安について詳しく説明します。
💪 病院を受診すべき切り傷のサイン
すべての切り傷が医療機関の受診を必要とするわけではありませんが、以下のような場合は速やかに医療機関を受診することをお勧めします。
🌟 すぐに受診すべき状態
出血が10分以上圧迫しても止まらない場合は、早急に医療機関を受診してください。また、傷口が大きく開いている(目安として1センチ以上の幅)場合も、縫合処置が必要な可能性があります。傷口の底に黄色っぽい脂肪組織や白い腱のようなものが見える場合は、深い傷である可能性が高く、専門医の評価が必要です。
さらに、手や足の指に傷を負い、その指の感覚がなくなったり動かしにくくなったりしている場合は、神経や腱が損傷している可能性があります。このような場合は特に早急な受診が必要です。ガラスや金属など、異物が傷口に残っている場合も、自分で取り出そうとせずに医療機関で処置してもらいましょう。
💬 感染が疑われる場合
応急処置を行った後、数日経過してから傷口の状態が悪化している場合は感染が疑われます。具体的には、傷口の周囲が強く赤くなってきた、腫れが増している、傷口から膿(黄色や緑色の分泌物)が出てきた、傷口に強い臭いがある、発熱が出てきたなどの症状が見られる場合は、感染の可能性が高いため医療機関を受診してください。
✅ 特殊な状況での受診
動物(ペットを含む)に噛まれた際の傷は、通常の切り傷とは異なる細菌が入り込む可能性があるため、必ず医療機関を受診してください。また、さびた釘や刃物などで傷を負った場合は、破傷風の予防接種が必要かどうかを確認するためにも受診することをお勧めします。糖尿病や免疫不全などの基礎疾患をお持ちの方も、軽微な傷でも慎重に対処し、早めに医療機関へ相談することが大切です。
Q. 湿潤療法とはどのような傷ケアですか?
湿潤療法とは、傷口を乾燥させず適度な湿り気を保つことで自然治癒を促す方法です。滲出液に含まれる成長因子を活用でき、治癒促進・痛みの軽減・傷跡の軽減が期待できます。ただし感染が疑われる傷や深い傷には適さず、必ず医療機関で評価を受けてから行うことが重要です。

🎯 傷のケアで知っておきたい「湿潤療法」
近年、傷のケアの方法として「湿潤療法(モイストヒーリング)」が広く認知されるようになりました。従来の「傷を乾かす」という考え方から大きく変わったこの方法について解説します。
📝 湿潤療法とは
湿潤療法とは、傷口を乾燥させるのではなく、適度な湿り気を保つことで傷の自然治癒力を高める治療法です。傷から分泌される滲出液(しんしゅつえき)には、細胞の成長を促進するさまざまな成長因子が含まれており、この滲出液を保持することで治癒が促進されます。
🔸 湿潤療法のメリット
湿潤療法には以下のようなメリットがあります。まず、傷の治癒速度が速まる傾向があります。湿潤環境では細胞が移動しやすく、新しい組織の形成が促進されます。次に、痛みが少ないという点があります。傷口が乾燥してかさぶたが形成されると、それが剥がれるときに痛みを感じますが、湿潤環境では傷口の保護がスムーズに行われるため痛みが軽減されます。また、傷跡が残りにくいというメリットも報告されています。かさぶたが大きく形成されるよりも、湿潤環境で徐々に上皮化が進む方が、傷跡が目立ちにくい場合があります。
⚡ 湿潤療法の注意点
湿潤療法は正しく行えば効果的ですが、いくつかの注意点があります。まず、感染が疑われる傷には適していません。湿潤環境は細菌の増殖にも適しているため、感染した傷に湿潤療法を行うと感染が悪化する可能性があります。また、深い傷や大きな傷は、必ず医療機関で評価を受けてから行うようにしてください。市販の湿潤療法用創傷被覆材を使用する際は、製品の使用方法をよく読んで正しく使用することが大切です。定期的に傷の状態を観察し、悪化のサインがあればすぐに医療機関を受診するようにしましょう。
🌟 市販の創傷被覆材の種類
ドラッグストアなどで購入できる創傷被覆材にはさまざまな種類があります。ハイドロコロイドドレッシングは、傷から出る滲出液を吸収してゲル状になり、傷口に湿潤環境を提供します。フィルムドレッシングは透明なフィルム状の被覆材で、傷口の状態を確認しながらケアができます。これらの製品は薬局や医療器材店などで購入可能ですが、使用前に薬剤師や医療専門家に相談することをお勧めします。
💡 傷跡を残さないためのポイント
深い切り傷の後に傷跡が残るかどうかは、傷の深さや受けた処置、その後のケアによって大きく左右されます。傷跡を最小限に抑えるためのポイントを解説します。
💬 適切な初期処置を行う

傷を負った直後の処置が後の傷跡に大きく影響します。特に深い傷の場合は、早期に医療機関を受診し、縫合などの適切な処置を受けることが大切です。縫合によって傷口を適切に合わせることで、治癒後の傷跡が最小限になります。受傷から数時間以内であれば、縫合が可能なことが多いため、迷った場合は早めの受診を心がけましょう。
✅ 傷口がふさがるまでの適切なケア
傷口がふさがるまでの間は、乾燥を防ぎながら清潔を保つことが基本です。定期的に被覆材を交換し、傷口の状態を観察します。感染のサインがあればすぐに医療機関を受診してください。また、傷口を不必要に触ったり、かさぶたを剥がしたりしないよう注意することも大切です。
📝 傷口がふさがった後のケア
傷口がふさがった後も、傷跡のケアを続けることで目立ちを軽減することができます。特に紫外線対策は非常に重要です。傷跡は紫外線の影響を受けやすく、色素沈着が起こりやすいため、傷跡部分には日焼け止めを塗るか、衣類などで保護するようにしましょう。傷跡が完全に成熟するまでの間(通常1〜2年)は継続的な紫外線対策が望ましいとされています。
傷跡のマッサージも有効とされています。傷口がしっかりとふさがった後(縫合した場合は抜糸後)、保湿クリームなどを使いながら優しくマッサージすることで、コラーゲン繊維の配列が整いやすくなると言われています。ただし、傷口が完全に閉じる前や感染している場合には行わないでください。
🔸 肥厚性瘢痕やケロイドへの対処
傷跡が赤く盛り上がった状態を肥厚性瘢痕(ひこうせいはんこん)と言い、さらに傷の範囲を超えて広がるものをケロイドと言います。これらの傷跡は一般的なケアだけでは改善が難しく、医療機関での治療が必要となることがあります。治療法としては、シリコンジェルシート、ステロイド剤の注射や外用、レーザー治療、外科的切除などがあります。このような状態が気になる場合は、形成外科や皮膚科に相談されることをお勧めします。
Q. 切り傷で病院をすぐに受診すべきサインは何ですか?
以下の場合は速やかに医療機関を受診してください。10分以上圧迫しても出血が止まらない、傷口が1センチ以上開いている、黄色い脂肪組織や白い腱が見える、指の感覚や動きに異常がある、膿・発熱など感染のサインがある場合です。アイシークリニックでもこれらの症状に対応しています。
📌 治癒を遅らせる要因と注意すべき習慣
深い切り傷の回復を遅らせる要因を知っておくことで、治癒を促進させるための対策を取ることができます。
⚡ 喫煙の影響
喫煙は傷の治癒に大きな悪影響を与えることが知られています。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、傷口への血流を減少させます。血流が減ると、傷の修復に必要な酸素や栄養素が傷口に届きにくくなります。また、タバコには傷の治癒に必要なコラーゲンの産生を阻害する成分も含まれています。傷を負った際は禁煙することが望ましく、少なくとも傷が完全にふさがるまでの間は喫煙を控えることをお勧めします。
🌟 栄養不足
傷の修復には多くの栄養素が必要です。特に重要なのがタンパク質で、コラーゲンや新しい組織を作るための基本材料となります。ビタミンCもコラーゲン合成に欠かせない栄養素です。亜鉛は細胞の増殖と免疫機能をサポートします。また、十分なカロリーを摂取することも大切です。極端なダイエットや食事制限は傷の治癒を遅らせる可能性があります。
💬 傷口の乾燥
傷口が過度に乾燥すると、細胞の移動が妨げられ治癒が遅れることがあります。湿潤環境を保つことが現代の傷ケアの基本となっています。エアコンなどで室内が乾燥しやすい季節には、特に意識して傷口の保護と保湿を行うようにしましょう。
✅ 傷口への過度な刺激
傷口を頻繁に触ったり、かさぶたを無理に剥がしたりすることは治癒を妨げます。また、傷口が完全にふさがる前に激しい運動などで傷口に負担をかけることも好ましくありません。傷口の位置によっては、治癒中は該当部位の動きを制限することが必要な場合もあります。
📝 基礎疾患の影響
前述のように、糖尿病は傷の治癒を著しく遅らせる可能性があります。糖尿病では血糖値が高い状態が続くことで、白血球の機能低下や血流障害が生じ、感染リスクが高まるとともに治癒が遅れます。免疫抑制剤を服用している方や、長期にわたってステロイド剤を使用している方も、傷の治癒が遅れる傾向があります。このような基礎疾患をお持ちの方は、傷を負った際には特に注意して早めに医療機関を受診することをお勧めします。
✨ 子どもや高齢者の切り傷ケアの注意点
子どもや高齢者の切り傷は、成人と同じようにケアするだけでは不十分な場合があります。それぞれの特性に合わせた注意点を理解しておきましょう。
🔸 子どもの切り傷ケア
子どもは大人に比べて皮膚が薄く柔らかいため、同じ衝撃でも深い傷になりやすい場合があります。一方で、子どもは組織の再生能力が高く、一般的に傷の治癒が早いという特徴があります。
子どもの場合、痛みやパニックで正確な状態の評価が難しいことがあります。落ち着かせながら傷の状態を確認し、深い傷が疑われる場合は迷わず小児科や救急外来を受診してください。また、破傷風ワクチンの接種状況も確認しておくとよいでしょう。子どもが傷口を気にして触ったりかさぶたを剥がそうとしたりする場合は、傷口の保護に注意を払いましょう。
⚡ 高齢者の切り傷ケア
高齢者は加齢に伴い皮膚が薄くなり、わずかな刺激でも裂傷(皮膚が裂ける傷)が生じやすくなります。また、細胞の再生能力が低下しているため、傷の治癒が遅くなる傾向があります。さらに、抗血小板薬や抗凝固薬(血液をさらさらにする薬)を服用している場合は、出血が止まりにくくなることがあります。
高齢者の傷は、一見軽微に見えても皮膚の脆弱性から実際には深い損傷が生じていることがあります。また、感染に対する抵抗力も低下しているため、小さな傷でも感染が重症化するリスクがあります。高齢者の方が切り傷を負った場合は、早めに医療機関に相談することをお勧めします。
なお、高齢者の皮膚は非常に繊細なため、テープや包帯を剥がす際には皮膚を傷つけないよう十分に注意が必要です。皮膚に優しいシリコン系のテープを使用したり、ぬらしてからゆっくりと剥がすなどの工夫をするとよいでしょう。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「病院に行くべきか迷っている」とためらいながら受診される患者様が多く、そのまま放置して感染や傷跡の悪化につながるケースも少なくありません。深い切り傷は見た目以上に組織の損傷が広がっていることもあるため、傷口が大きく開いている・出血が止まらない・感覚の異常があるといったサインを一つでも感じたら、まず専門家に診ていただくことを強くお勧めします。適切な初期処置と傷跡ケアを早期に始めることが、最終的な治癒の質を大きく左右しますので、些細な不安でもお気軽にご相談ください。」
🔍 よくある質問
真皮に達する深い切り傷の場合、縫合処置を行えば傷口がふさがるまで1〜2週間程度が目安です。縫合なしの自然治癒では2〜4週間かかることもあります。なお、傷跡が目立たなくなるまでにはさらに3か月〜2年程度かかる場合があります。個人の体質や処置方法によって差があります。
以下のいずれかに該当する場合は、速やかに医療機関を受診してください。①10分以上圧迫しても出血が止まらない、②傷口が1センチ以上開いている、③傷口から黄色い脂肪組織や白い腱が見える、④指の感覚がなくなった・動かしにくい、⑤膿や発熱など感染のサインがある、といった状態が目安となります。
現在は消毒液の使用は推奨されていません。オキシドールやイソジンなどの消毒液は、細菌だけでなく傷口の正常な細胞も傷つける可能性があるためです。応急処置では、まず清潔な手で傷口を押さえて止血し、その後は流水(水道水)でしっかり洗い流す方法が適切とされています。
湿潤療法とは傷口を乾燥させず、適度な湿り気を保つことで自然治癒を促す方法です。治癒の促進や痛みの軽減、傷跡が残りにくいなどのメリットがあります。市販のハイドロコロイドドレッシングなどで自宅でも実践できますが、深い傷や感染が疑われる場合は必ず医療機関で評価を受けてから行ってください。
傷跡を最小限に抑えるには、早期の適切な処置と継続的なケアが重要です。具体的には、①深い傷は早めに受診して縫合処置を受ける、②傷口がふさがるまで湿潤環境を保ち清潔を維持する、③ふさがった後は紫外線対策を徹底する(1〜2年継続が望ましい)、④保湿クリームを使った優しいマッサージを行う、といった対策が有効です。肥厚性瘢痕やケロイドが気になる場合は当院へご相談ください。
💪 まとめ
深い切り傷がふさがるまでの時間は、傷の深さや大きさ、処置の方法、個人の体質などによって大きく異なります。一般的に、真皮に達する深い切り傷では傷口がふさがるまでに1〜4週間程度かかり、傷跡が目立たなくなるまでにはさらに数か月から数年かかることもあります。
傷が治る過程は、止血、炎症、増殖、成熟という4つの段階を経て進みます。それぞれの段階を理解することで、適切なケアの重要性がより明確になります。
深い切り傷を負った際には、まず適切な応急処置を行い、受診が必要かどうかを判断することが大切です。特に、出血が止まらない、傷口が大きく開いている、感覚や動きに異常がある、感染のサインがあるなどの場合は、速やかに医療機関を受診してください。
傷跡を最小限に抑えるためには、初期処置を適切に行い、傷口がふさがるまでの間は湿潤環境を保ちながら清潔を維持することが基本です。ふさがった後も、紫外線対策やマッサージなどの継続的なケアが効果的です。
傷の治癒には個人差があり、体の状態や生活習慣も大きく影響します。適切なケアを心がけながら、疑問や不安がある場合には専門の医療機関に相談することを躊躇わないようにしましょう。アイシークリニック大宮院では、切り傷の処置や傷跡のケアについてのご相談を受け付けています。傷のことでお困りの際はお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本形成外科学会 – 創傷治癒のメカニズム、縫合処置、傷跡(肥厚性瘢痕・ケロイド)の治療方針など、深い切り傷の診療に直接関連する専門的情報の参照元として適切
- 日本皮膚科学会 – 湿潤療法(モイストヒーリング)の適応と注意点、皮膚創傷ケアのガイドライン、感染管理に関する皮膚科学的根拠の参照元として適切
- 厚生労働省 – 破傷風予防接種の推奨、糖尿病患者の創傷管理リスク、一般市民向け応急処置の基本指針に関する公的情報の参照元として適切
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務