唇がカサカサと乾く、皮がむける、ひび割れがなかなか治らない――そんな経験は誰しも一度はあるのではないでしょうか。多くの場合は季節の変わり目や空気の乾燥が原因ですが、なかには何らかの病気のサインとして唇の乾燥が現れることがあります。市販のリップクリームを使っても改善しない、繰り返し同じ症状が出るという場合は、背景にある疾患を見逃していないか確認することが大切です。この記事では、唇が乾く原因として考えられる病気の種類や特徴、日常生活でできるケア方法、そして医療機関を受診すべきタイミングについてわかりやすく解説します。
目次
- 唇が乾くとはどういう状態か
- 唇が乾く一般的な原因
- 唇の乾燥が病気のサインとなるケース
- 唇の乾燥に関連する主な疾患
- 唇の乾燥を引き起こしやすい全身疾患
- 薬の副作用として起こる唇の乾燥
- 唇の乾燥と口唇炎の違い
- 唇の乾燥に伴うその他の症状と見分け方
- 唇の乾燥への日常的なケアと対処法
- 医療機関を受診すべきタイミング
- まとめ
この記事のポイント
唇の乾燥が2週間以上続く場合や、水疱・腫れ・白い病変・全身症状を伴う場合は、口唇炎・シェーグレン症候群・糖尿病・川崎病などの病気のサインの可能性があり、皮膚科や内科への受診が推奨される。
🎯 唇が乾くとはどういう状態か
唇は皮膚と粘膜の移行部にあたる、体の中でも特殊な構造をもつ部位です。一般的な皮膚と異なり、唇の表面には汗腺や皮脂腺がほとんどなく、自ら水分や油分を補う機能が非常に限られています。また、角質層が薄く外部の刺激を受けやすいという特徴もあります。
こうした構造的な理由から、唇はもともと乾燥しやすい部位です。健康な状態でも少しの環境の変化や生活習慣の乱れで乾燥が生じることがありますが、ひどい乾燥が長く続く場合や、他の症状が伴う場合には注意が必要です。
唇が乾いている状態とは、単に水分が不足してカサカサしているだけでなく、皮がむける、ひび割れる、赤くなる、腫れる、かゆみが出る、痛みが出るといった症状が組み合わさることもあります。これらの症状の程度や組み合わせによって、背景にある原因が異なる可能性があります。
Q. 唇の乾燥が病気のサインとなる見分け方は?
保湿ケアを2週間以上続けても改善しない場合や、腫れ・赤み・水疱・白い病変を伴う場合は病気のサインの可能性があります。目や口腔内の乾燥など他部位の症状、発熱・倦怠感・体重減少などの全身症状を伴う場合も早めに医療機関を受診することが重要です。
📋 唇が乾く一般的な原因
まず、病気とは関係なく唇が乾く一般的な原因についておさえておきましょう。これらの要因は非常に多くの人に当てはまるものであり、日常生活の中でよく見られます。
🦠 気候・環境の影響
冬場の乾燥した空気や、エアコンなどによる室内の低湿度環境は、唇の乾燥を引き起こしやすい代表的な要因です。湿度が低い環境では唇の表面から水分が蒸発しやすくなり、乾燥が進みます。また、強い紫外線も唇にダメージを与える原因のひとつです。
👴 水分不足
体全体の水分が不足している状態(脱水)でも、唇が乾燥しやすくなります。日常的に水分摂取が少ない人や、運動・発汗後に十分な水分補給をしていない場合などは注意が必要です。
🔸 口呼吸の習慣
鼻ではなく口で呼吸する習慣があると、唇が常に外気にさらされて乾燥しやすくなります。睡眠中に口が開いてしまう人も、朝目覚めたときに唇がひどく乾いていることが多いです。
💧 舌なめずりの癖
唇が乾くと舌でなめる人が多いですが、これは逆効果です。唾液が蒸発する際に唇の水分も一緒に奪われてしまい、乾燥をさらに悪化させます。また、唾液に含まれる酵素が唇の粘膜に刺激を与えることもあります。
✨ 栄養の偏り
ビタミンB群(特にB2、B6)や亜鉛、鉄分などの栄養素が不足すると、皮膚や粘膜の状態が悪化しやすくなります。偏食や食事制限をしている人は、唇の乾燥が起きやすい傾向があります。
📌 リップクリームの成分による影響
市販のリップクリームに含まれる成分(香料、防腐剤、着色料など)がアレルギー反応を引き起こし、かえって唇の状態を悪化させることがあります。特定の成分に敏感な人は注意が必要です。
💊 唇の乾燥が病気のサインとなるケース
一般的な乾燥対策をしても改善しない、繰り返す、他の症状を伴うといった場合は、病気が背景にある可能性を考えることが大切です。以下のような状態が見られる場合は、単純な乾燥ではなく何らかの疾患が関係しているかもしれません。
・リップクリームや保湿ケアを続けているのに改善しない ・唇の乾燥が数週間以上続いている ・乾燥とともに腫れ、赤み、かゆみ、痛みなどの症状がある ・口の周囲や体の他の部位にも皮膚症状がある ・口の中の乾燥(口渇)や目の乾燥など他の部位の乾燥も感じる ・発熱、倦怠感、体重減少など全身症状を伴っている ・服用中の薬がある
このような状況では、皮膚科や内科など医療機関への受診を検討することが重要です。
Q. 唇の乾燥に関連する全身疾患にはどんなものがある?
唇の乾燥に関連する全身疾患として、唾液腺が免疫異常により攻撃されるシェーグレン症候群、高血糖により口腔乾燥が起きる糖尿病、粘膜維持に必要な鉄分が不足する鉄欠乏性貧血、皮膚全体が乾燥しやすくなる甲状腺機能低下症などが挙げられます。
🏥 唇の乾燥に関連する主な疾患
▶️ 口唇炎(こうしんえん)
口唇炎は、唇に炎症が生じる状態の総称です。唇の乾燥、皮むけ、赤み、腫れ、かゆみ、ひび割れなどの症状が現れます。口唇炎にはいくつかの種類があり、原因によって分類されます。
接触性口唇炎は、リップクリームや歯磨き粉、食べ物、金属(歯科材料など)などに含まれる特定の物質に接触することで起こるアレルギー性または刺激性の口唇炎です。原因となる物質との接触を避けることで症状が改善します。
剥離性口唇炎は、唇の表面の角質が慢性的にはがれ続ける状態で、唇の乾燥と皮むけが繰り返されるのが特徴です。精神的なストレスや舌なめずりの癖が関係しているとも言われますが、原因が明確でないことも多く、治療が難しいケースもあります。
光線性口唇炎は、紫外線によって引き起こされる口唇炎で、長期間紫外線にさらされることで起こります。唇が乾燥し、白っぽくなったり、ただれたりすることがあります。
🔹 口角炎(こうかくえん)
口角炎は口の両端(口角)に炎症が生じる状態で、赤み、腫れ、かさぶた、ひび割れなどの症状が現れます。唇全体の乾燥と合わせて現れることが多く、食事のときに口を開けると痛みが走ることもあります。
口角炎の原因としては、ビタミンB2やB6の不足、カンジダ菌(真菌)や細菌による感染、免疫力の低下などが挙げられます。糖尿病の患者さんや免疫を抑制する薬を服用している方に起こりやすいことも知られています。
📍 口唇ヘルペス
口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス(HSV-1)の感染によって引き起こされる疾患です。初期症状としてかゆみやピリピリした感覚が現れ、その後に水疱(小さな水ぶくれ)が集まって現れます。水疱が破れると潰瘍になり、かさぶたを経て回復します。
一度感染すると体内にウイルスが潜伏し、疲労、発熱、ストレス、紫外線など体の抵抗力が低下したときに再発することがあります。唇の乾燥から始まることが多いため、乾燥と区別がつきにくいこともありますが、水疱が現れれば口唇ヘルペスと判断できます。感染力があるため、症状がある間は他の人との接触(キスや食器の共用など)を避けることが重要です。
💫 多形性紅斑(たけいせいこうはん)
多形性紅斑は、皮膚や粘膜に多様な形の発疹が現れる疾患です。唇に症状が出る場合、腫れ、水疱、びらん(皮膚や粘膜が傷んで赤くただれた状態)などが生じることがあります。感染症(特にヘルペスウイルスやマイコプラズマ)や薬剤がきっかけとなることが多く、重症化すると全身の皮膚や粘膜に広がることもあります(スティーブンス・ジョンソン症候群)。
🦠 扁平苔癬(へんぺいたいせん)
扁平苔癬は皮膚や粘膜に生じる炎症性疾患で、口の中や唇にも発症することがあります。唇では乾燥、白い線状または網状のパターン(白色病変)、ただれ、出血などが見られることがあります。原因は完全には解明されていませんが、免疫異常が関与していると考えられています。
👴 アトピー性皮膚炎
アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し、慢性的に皮膚に炎症が生じるアレルギー性疾患です。唇や口の周りにも症状が出ることがあり、乾燥、かゆみ、赤み、皮むけなどが見られます。アトピー性皮膚炎では皮膚の保湿機能が全般的に低下しているため、唇の乾燥も繰り返しやすい傾向があります。
⚠️ 唇の乾燥を引き起こしやすい全身疾患
🔸 シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺が免疫の異常によって攻撃され、涙や唾液の分泌が著しく低下する自己免疫疾患です。口の中の乾燥(口腔乾燥症)や目の乾燥(乾性角結膜炎)が主な症状ですが、唇の乾燥も非常に多く見られます。
中高年の女性に多い疾患ですが、若い人にも発症することがあります。口の乾燥とともに唇もひどく乾燥し、食事や会話が辛くなる場合はシェーグレン症候群を疑う必要があります。血液検査で特異的な抗体(抗SS-A抗体、抗SS-B抗体など)を調べることで診断の手助けになります。
💧 糖尿病
糖尿病の患者さんでは、高血糖状態が続くことで多尿・口渇・口腔乾燥といった症状が現れます。体全体の水分が失われやすいため、唇の乾燥も生じやすくなります。また、糖尿病では免疫機能が低下するため、口唇炎や口角炎、口唇ヘルペスなどのリスクも高まります。
強い口渇や唇の乾燥に加え、頻尿、体重減少、疲労感などがある場合は糖尿病の検査を受けることを考えましょう。
✨ 貧血・鉄欠乏症
鉄欠乏性貧血は女性に多い疾患で、鉄分が不足することで赤血球が十分に作られない状態です。粘膜や皮膚の維持にも鉄分は必要であり、不足すると唇の乾燥や口角炎が起きやすくなります。また、ビタミンB12や葉酸の不足による貧血でも同様の症状が出ることがあります。
唇の乾燥のほかに、倦怠感、息切れ、顔色の悪さ、爪のもろさなどが伴う場合は貧血の検査を受けると良いでしょう。
📌 甲状腺疾患
甲状腺の機能が低下する甲状腺機能低下症では、皮膚や粘膜全体が乾燥しやすくなります。唇の乾燥もその症状のひとつで、体重増加、むくみ、寒がり、疲労感、皮膚の乾燥、髪の毛の抜けなどの症状が伴うことが多いです。逆に甲状腺機能が亢進する場合は、発汗が増えて脱水になりやすく、それが唇の乾燥につながることがあります。
▶️ 川崎病(小児に多い)
川崎病は主に5歳未満の子どもに発症する原因不明の全身性血管炎です。診断基準のひとつに「唇の発赤・ひび割れ・乾燥」が含まれており、唇の乾燥は川崎病の重要なサインのひとつです。発熱が5日以上続く、目の充血、首のリンパ節の腫れ、手足の赤みや腫れ、体の発疹など複数の症状が重なる場合は速やかに受診が必要です。
🔹 腎臓病・腎不全
腎機能が低下すると、体内の水分バランスや電解質のバランスが乱れます。また、透析を受けている患者さんでは水分制限があることも多く、口腔乾燥や唇の乾燥が起きやすくなります。
📍 栄養素の欠乏
ビタミンB2(リボフラビン)、ビタミンB6、ナイアシン、亜鉛などが不足すると、口腔周囲の粘膜や皮膚にさまざまな症状が出ることが知られています。唇の乾燥や口角炎、舌炎などが同時に見られる場合には、栄養の欠乏が背景にある可能性を考える必要があります。厳格な食事制限、吸収不良症候群(クローン病、セリアック病など)がある場合も栄養欠乏が起きやすいです。
🔍 薬の副作用として起こる唇の乾燥
唇の乾燥は、服用している薬の副作用として起こることがあります。薬の種類によっては唾液腺の分泌を抑制したり、粘膜に直接影響を与えたりするものがあります。
抗ヒスタミン薬(花粉症や蕁麻疹の薬)は、唾液分泌を抑える作用があるため、口や唇の乾燥を引き起こしやすいことが知られています。抗うつ薬や抗不安薬、睡眠薬なども同様の作用をもつものがあります。降圧薬(利尿剤を含む)は体内の水分を排出するため、全身の乾燥につながることがあります。痤瘡(ニキビ)治療薬のイソトレチノインは皮脂腺の分泌を強力に抑える薬で、唇の乾燥・ひび割れが非常に高頻度に起こる副作用として知られています。
また、抗がん剤による化学療法中も、口腔粘膜炎や口腔乾燥が起きやすく、唇の乾燥やただれが現れることがあります。
現在服用中の薬がある場合は、その薬の添付文書を確認するか、処方した医師や薬剤師に相談してみましょう。
Q. 薬の副作用で唇が乾燥することはありますか?
唇の乾燥は薬の副作用として起こることがあります。抗ヒスタミン薬や抗うつ薬は唾液分泌を抑制し、利尿剤を含む降圧薬は体内水分を排出して乾燥を招きます。ニキビ治療薬のイソトレチノインは唇の乾燥・ひび割れを高頻度に引き起こす副作用として特に知られています。
📝 唇の乾燥と口唇炎の違い
唇の乾燥と口唇炎はしばしば混同されますが、厳密には異なります。
唇の乾燥とは、唇の水分が不足した状態を指し、多くの場合は環境要因や生活習慣が原因です。適切な保湿ケアで改善することがほとんどです。
一方、口唇炎は唇に炎症が起きている状態で、乾燥に加えて赤み、腫れ、かゆみ、皮むけ、水疱、びらん、かさぶたといった症状を伴います。炎症が起きている原因(アレルギー、感染、自己免疫疾患など)を特定して治療する必要があります。
保湿ケアだけでは改善しない唇の乾燥や、上記のような炎症症状が伴う場合は口唇炎の可能性があり、皮膚科への受診が勧められます。
💡 唇の乾燥に伴うその他の症状と見分け方
唇の乾燥に加えてどのような症状が見られるかによって、考えられる原因が絞られてきます。それぞれの組み合わせについて整理しておきましょう。
💫 唇の乾燥+目の乾燥+口腔内の乾燥
三つの乾燥症状(唇・目・口の乾燥)が重なる場合は、シェーグレン症候群の可能性があります。特に食事のときに水がないと飲み込みにくい、目がゴロゴロするといった症状を伴う場合は、リウマチ膠原病内科や眼科、歯科口腔外科への受診を検討しましょう。
🦠 唇の乾燥+口角のただれ
口角炎を伴う場合は、ビタミンB群の不足、カンジダ感染、免疫力の低下などが考えられます。繰り返す場合は糖尿病や血液疾患の検査も必要になることがあります。
👴 唇の乾燥+水疱(水ぶくれ)
水疱を伴う場合は口唇ヘルペス、多形性紅斑、天疱瘡(たんぱくしつ)などの可能性があります。発熱や全身症状を伴う場合は特に早急な受診が必要です。
🔸 唇の乾燥+白い病変

唇に白い病変(白板、白色網状パターンなど)が見られる場合は、扁平苔癬や白板症(はくばんしょう)などが考えられます。白板症はまれに悪性化することがあるため、専門医による診断が重要です。
💧 唇の乾燥+腫れが長続きする
唇の腫れが数週間以上続く場合は、クロンカイト・カナダ症候群やオロフェイシャル・グラニュローマ(ミッシャー肉芽腫など)、肉芽腫性口唇炎などが考えられます。これらは比較的まれな疾患ですが、慢性的な唇の腫れは専門的な検査が必要です。
✨ 乳幼児・子どもの唇の乾燥+発熱・全身症状
川崎病では唇の乾燥・ひび割れが診断基準のひとつとなっています。5日以上続く発熱、目の充血、発疹、手足の腫れなどが重なる場合は小児科へ速やかに受診しましょう。
Q. 唇の乾燥を悪化させないセルフケアの方法は?
唇の乾燥対策として、香料・着色料の少ないリップクリームやワセリンでこまめに保湿すること、十分な水分摂取、室内湿度を50〜60%に保つことが有効です。舌なめずりの癖は乾燥を悪化させるため避け、ビタミンB2・B6や鉄分を含む食品で栄養バランスを整えることも重要です。
✨ 唇の乾燥への日常的なケアと対処法
疾患が背景にない場合や、治療を受けながら日常のケアとして取り組める対策について紹介します。
📌 適切な保湿を行う
唇の保湿には、香料や着色料が少ないシンプルな成分のリップクリームや、ワセリンなどを使うことが勧められます。特定の成分にアレルギーがある場合はその成分を避けましょう。保湿は就寝前や外出前など、こまめに行うことが効果的です。
▶️ 水分をしっかり摂る
1日を通じてこまめに水分を摂取することで、体全体の水分量を維持し、唇の乾燥を防ぎやすくなります。特に運動後や入浴後、空調の効いた室内にいる時間が長い場合は意識して水分補給をしましょう。
🔹 室内の湿度を保つ
加湿器を使ったり、洗濯物を室内に干したりして、室内の湿度を50〜60%程度に保つと唇の乾燥を予防しやすくなります。特に冬場やエアコンが強い季節は意識して加湿しましょう。
📍 舌なめずりをやめる
無意識に舌で唇をなめる癖がある場合は意識してやめるようにしましょう。唇が乾いたと感じたらリップクリームを塗ることを習慣にすると、舌なめずりの代わりになります。
💫 栄養バランスを整える
ビタミンB2が豊富な食品(レバー、乳製品、卵、納豆など)、ビタミンB6が豊富な食品(鶏肉、魚、バナナなど)、鉄分が豊富な食品(赤身肉、ほうれん草など)を意識して摂るようにしましょう。偏食が続いている場合はサプリメントを活用することも一つの方法です。
🦠 紫外線対策をする
外出時にUVカット成分が入ったリップクリームを使ったり、帽子や日傘で直接日光が唇に当たらないようにしたりすることで、光線によるダメージを防げます。
👴 口呼吸を改善する
口呼吸の習慣がある場合は、鼻呼吸を意識的に練習することが助けになることがあります。鼻炎やアレルギーが原因で鼻が詰まりやすい場合は、耳鼻咽喉科で治療を受けることで改善することもあります。
🔸 皮をむかない
乾燥してむけかけた皮を無理にはがすと、傷がついて出血したり、炎症が起きたりすることがあります。蒸しタオルなどで唇を温めてから保湿する方法が、皮を安全に落とすのに役立ちます。
📌 医療機関を受診すべきタイミング
唇の乾燥がどのような場合に医療機関を受診すべきかについて、以下に整理します。
日常的なケアを2週間以上続けても唇の乾燥や症状が改善しない場合は、専門家に相談することを勧めます。また、乾燥に加えて水疱、びらん、潰瘍、白い病変、長引く腫れなどが見られる場合も早めに受診しましょう。
全身症状(発熱、体重減少、倦怠感、強い口渇、頻尿など)を伴う場合は内科または専門科への受診が必要です。子どもで発熱が5日以上続いており、唇の乾燥・ひび割れ・赤みがある場合は川崎病を除外するために小児科を急いで受診しましょう。
受診する診療科としては、唇の症状が皮膚・粘膜に関するものであれば皮膚科が適しています。口腔内や唇の病変については口腔外科や歯科口腔外科、全身疾患が疑われる場合は内科(リウマチ・膠原病内科、内分泌内科など)が適切です。小児の場合は小児科が窓口となります。
どこを受診すれば良いか迷う場合は、まずかかりつけ医に相談し、適切な診療科を紹介してもらうのが良い方法です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「「リップクリームを使い続けているのになかなか治らない」というお悩みでご来院される患者様が少なくなく、診察の結果、接触性口唇炎やシェーグレン症候群、栄養素の不足といった背景が見つかるケースも決して珍しくありません。唇の乾燥は一見軽微な症状に思えますが、体全体からのサインである可能性もあるため、2週間以上ケアを続けても改善しない場合や、腫れ・水疱・白い病変などを伴う場合はどうぞお早めにご相談ください。」
🎯 よくある質問
リップクリームの成分(香料・防腐剤など)によるアレルギー(接触性口唇炎)や、シェーグレン症候群・糖尿病・貧血などの全身疾患が背景にある可能性があります。アイシークリニックでもこうしたケースは珍しくありません。2週間以上改善しない場合は、医療機関への受診をお勧めします。
以下の場合は病気のサインである可能性があります。①保湿ケアを続けても数週間以上改善しない、②腫れ・赤み・水疱・白い病変を伴う、③目や口腔内の乾燥など他部位の症状もある、④発熱・倦怠感・体重減少など全身症状を伴う。これらに該当する場合は早めに受診しましょう。
主な疾患として、口唇炎・口唇ヘルペス・口角炎・シェーグレン症候群・糖尿病・鉄欠乏性貧血・甲状腺疾患・アトピー性皮膚炎などが挙げられます。また、子どもの場合は川崎病の重要なサインになることもあります。服用中の薬の副作用が原因となるケースもあります。
以下のケアが効果的です。①香料・着色料の少ないリップクリームやワセリンでこまめに保湿する、②1日を通じて十分な水分を摂取する、③室内の湿度を50〜60%に保つ、④舌なめずりの癖をやめる、⑤ビタミンB群・鉄分など栄養バランスを整える、⑥口呼吸を改善する。
唇・皮膚の症状が主であれば皮膚科、口腔内の病変は口腔外科・歯科口腔外科が適しています。糖尿病や自己免疫疾患など全身疾患が疑われる場合は内科(内分泌内科・リウマチ膠原病内科など)へ。お子さんの場合は小児科が窓口です。迷う場合はかかりつけ医やアイシークリニックにご相談ください。
📋 まとめ
唇の乾燥は、多くの場合は環境や生活習慣の問題ですが、口唇炎、口唇ヘルペス、シェーグレン症候群、糖尿病、貧血、甲状腺疾患、川崎病など、さまざまな病気のサインとして現れることがあります。また、服用している薬の副作用が原因となることもあります。
日常的なケア(保湿、水分補給、栄養バランスの改善、口呼吸の改善など)を続けても症状が改善しない場合、あるいは水疱・腫れ・白い病変・全身症状などを伴う場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 口唇炎・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎など唇の乾燥に関連する皮膚疾患の診断基準や治療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – 口腔乾燥や全身疾患(シェーグレン症候群・糖尿病・甲状腺疾患など)に関する疾患情報および受診勧奨に関する公式情報の参照
- 国立感染症研究所 – 口唇ヘルペス(単純ヘルペスウイルス感染症)の感染経路・症状・予防法に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務