水虫になると、足の皮がポロポロと剥けてきて「これは剥がしてしまったほうがいいのだろうか」と迷ってしまう方は少なくありません。見た目が気になるうえに、かゆみや違和感もあるため、ついつい剥がしたくなる気持ちはよくわかります。しかし、水虫の皮を自分で剥がすことは、実は症状を悪化させたり、感染を広げたりするリスクがあります。この記事では、水虫で皮が剥ける原因から、皮を剥がすことのリスク、正しいケアの方法、そして適切な治療法まで、詳しく解説していきます。水虫にお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
- 水虫とはどんな病気?基本を押さえよう
- 水虫で皮が剥ける理由
- 水虫の皮を剥がしたほうがいいと思う理由と実際のリスク
- 水虫の皮を剥がしてはいけない理由を詳しく解説
- 水虫の種類と症状の違い
- 水虫の正しいセルフケアの方法
- 市販薬と処方薬の違い──どちらを選ぶべきか
- 病院に行くべきタイミングとは
- 水虫の治療にかかる期間と再発防止のポイント
- まとめ
この記事のポイント
水虫の皮を自己判断で剥がすと、細菌感染(蜂窩織炎)や炎症悪化・菌拡散のリスクがある。正しい対処は抗真菌薬を2〜3ヶ月継続使用し、足を清潔・乾燥に保つことで、改善しない場合は皮膚科受診が推奨される。
🎯 水虫とはどんな病気?基本を押さえよう
水虫は「白癬(はくせん)」とも呼ばれ、白癬菌(はくせんきん)というカビの一種(真菌)が皮膚に感染することで起こる皮膚疾患です。正式には「足白癬(あしはくせん)」といい、日本では非常にポピュラーな疾患で、成人の約4〜5人に1人が感染しているとも言われています。
白癬菌は高温多湿な環境を好む菌です。足は靴や靴下で覆われることが多く、汗をかきやすいため、白癬菌にとって非常に繁殖しやすい環境といえます。公衆浴場やスポーツジムのシャワールーム、プールサイドなど、不特定多数の人が素足で歩く場所は特に感染リスクが高い場所です。
白癬菌が皮膚に付着しても、すぐに感染が成立するわけではありません。皮膚のバリア機能が正常であれば、菌が付着しても数時間以内に洗い流せば感染を防ぐことができます。しかし、皮膚に小さな傷があったり、長時間湿った状態が続いたりすると、菌が角質層に侵入しやすくなり、感染が起こりやすくなります。
白癬菌は足だけでなく、爪や頭皮、体の他の部位にも感染することがあります。足に感染したものを足白癬(水虫)、爪に感染したものを爪白癬(爪水虫)と呼びます。足から体の他の部位に感染が広がることもあるため、早めの対処が重要です。
Q. 水虫で皮が剥ける原因は何ですか?
水虫(足白癬)で皮が剥ける主な原因は、白癬菌が角質層のケラチンを栄養源に増殖し、皮膚の正常なターンオーバーが乱れることです。炎症によって水疱が形成され、それが破れて皮が剥けるケースもあります。剥けた皮には白癬菌が多く含まれ、感染源となります。
📋 水虫で皮が剥ける理由
水虫になると皮が剥けてくることがありますが、これはなぜなのでしょうか。その仕組みを理解しておくことが、正しいケアをするうえで非常に大切です。
白癬菌は皮膚の角質層に含まれるケラチンというタンパク質を栄養源にして増殖します。菌が角質層に侵入して増殖することで、皮膚の正常なターンオーバー(新陳代謝)が乱れ、古い角質が異常に剥がれやすくなります。これが、水虫で皮が剥ける主な原因です。
また、白癬菌が増殖する過程で、皮膚に炎症反応が起こります。この炎症によって皮膚が赤くなったり、かゆみが生じたり、水疱(みずぶくれ)ができたりすることがあります。水疱が破れて皮が剥けてくることも、水虫の症状としてよく見られます。
水虫の部位によって皮の剥け方も異なります。足の指の間が白くふやけて皮が剥ける「趾間型(しかんがた)」は、最もよく見られるタイプです。足の裏全体がカサカサして皮が粉のように剥けていく「角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)」は、かゆみが少ないために水虫と気づきにくいことがあります。足の裏や側面に水疱ができてかゆみを伴う「水疱型(すいほうがた)」は、水疱が破れた後に皮が剥けてきます。
このように、皮が剥ける原因や状態は水虫のタイプによって異なります。どのタイプであっても、剥けてくる皮の中には白癬菌が多く含まれており、感染源となりえます。
💊 水虫の皮を剥がしたほうがいいと思う理由と実際のリスク
水虫の皮を剥がしたほうがいいと考える方には、いくつかの理由があります。「薬が患部に浸透しやすくなるのでは」「菌が含まれている皮を取り除けば治りが早くなるのでは」「見た目が気になるから」などがよく挙げられます。これらの気持ちはごく自然なものですが、実際には水虫の皮を自分で剥がすことには多くのリスクが伴います。
まず「薬が浸透しやすくなるから剥がしたほうがいい」という考えについてです。確かに、厚くなった角質を除去することで抗真菌薬の浸透を助けるという考え方はあります。しかし、これは医師の指示のもと、適切な方法で行われるべきものです。自己判断で皮を強引に剥がすことは、皮膚を傷つけることになります。
次に「菌を除去できるから剥がすべき」という考えについてです。剥けてくる皮の中に菌が含まれているのは事実ですが、感染の中心は角質層の中にあります。表面の皮を剥がしても、角質層の中にいる白癬菌を除去することはできません。むしろ、菌が含まれた皮膚片が周囲に散らばることで、家族や自分自身の他の部位への感染リスクが高まります。
自分で皮を剥がすことの最大のリスクは、皮膚のバリア機能を損傷させてしまうことです。皮膚には外部からの刺激や病原体の侵入を防ぐバリア機能があります。自分で皮を無理やり剥がすと、この防御機能が壊れ、細菌などの二次感染が起こりやすくなります。
Q. 水虫の皮を自分で剥がすとどんなリスクがありますか?
水虫の皮を自己判断で剥がすと、皮膚バリアが損傷し細菌が侵入する二次感染リスクが高まります。重症化すると足全体が腫れ高熱を伴う蜂窩織炎を発症し、入院が必要になるケースもあります。また剥がした皮に含まれる白癬菌が周囲に拡散し、家族への感染や自身の爪白癬につながる危険もあります。
🏥 水虫の皮を剥がしてはいけない理由を詳しく解説
水虫の皮を剥がすことのリスクについて、さらに具体的に説明していきます。これを理解することで、なぜ剥がしてはいけないのかがより明確になるはずです。
一つ目のリスクは、細菌感染(二次感染)です。皮膚を自分で剥がすと、傷ができます。特に水虫が進行して皮膚が脆くなっている状態では、少し剥がすだけでも出血したり、深い傷になったりすることがあります。このような傷口から細菌が侵入し、細菌性皮膚炎(蜂窩織炎など)を起こすことがあります。蜂窩織炎は足全体が赤く腫れ、高熱が出ることもある重篤な感染症で、入院治療が必要になるケースもあります。
二つ目のリスクは、炎症の悪化です。水虫による炎症がすでに起きている状態で皮膚を傷つけると、炎症がさらに悪化することがあります。かゆみがひどくなったり、痛みが出たり、皮膚が赤くただれたりする可能性があります。炎症が強くなると、水虫の治療薬が使えなくなる場合もあります。
三つ目のリスクは、感染の拡大です。剥がした皮には白癬菌が大量に含まれています。この皮が床に落ちたり、手に付いたりすることで、菌が広がります。自分の爪や手に菌が付着すれば爪白癬や手白癬に発展することもありますし、家族が素足で歩いてその皮を踏めば感染するリスクもあります。
四つ目のリスクは、治りが遅くなることです。皮膚のバリア機能が損なわれた状態では、水虫の薬を塗っても刺激が強すぎてかぶれることがあります。また、二次感染が起こると水虫の治療を中断しなければならない場合もあります。結果的に、余計に治療が長引くことになりかねません。
五つ目のリスクは、痛みを伴うことです。特に趾間型水虫では、皮膚がふやけてデリケートな状態になっています。この状態で強引に皮を剥がすと激しい痛みを伴うことがあります。また、痛みがあると歩行が困難になることもあります。
以上のことから、水虫の皮は自分で剥がすべきではありません。自然に剥がれてくる皮は無理に取り除こうとせず、清潔に保つことが大切です。
⚠️ 水虫の種類と症状の違い
水虫にはいくつかの種類があり、それぞれ症状が異なります。自分がどのタイプの水虫なのかを把握することで、適切なケアや治療を選びやすくなります。
趾間型(しかんがた)は、最も多く見られるタイプです。足の指の間、特に薬指と小指の間に発症することが多く、皮膚が白くふやけてジュクジュクしたり、皮が剥けてかゆみを伴ったりします。蒸れた環境で悪化しやすく、夏に症状が出やすいのが特徴です。皮膚が赤くただれてくることもあります。
水疱型(すいほうがた)は、足の裏や土踏まず周辺、足の側面などに小さな水疱(水ぶくれ)ができるタイプです。強いかゆみを伴うことが多く、水疱が破れた後に皮が剥けてきます。春から夏にかけて発症・悪化しやすい傾向があります。水疱の中には白癬菌がいることが多く、破れた水疱から菌が広がりやすいため注意が必要です。
角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)は、足の裏全体の角質が厚く硬くなり、カサカサと粉のように皮が剥けるタイプです。かゆみがほとんどない場合も多く、「単なる乾燥肌」と思って水虫と気づかないことがあります。このタイプは市販の抗真菌薬が浸透しにくく、治療に時間がかかる傾向があります。また、かかとのひび割れを伴うこともあります。
混合型として、複数のタイプが同時に出ることもあります。例えば趾間型と水疱型が混在するケースや、趾間型から角質増殖型へと移行するケースなどがあります。
なお、足の症状が必ずしも水虫とは限りません。接触性皮膚炎(かぶれ)、湿疹、掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)など、水虫と似た症状を示す皮膚疾患は複数あります。これらは水虫の治療薬では改善せず、むしろ悪化することがあります。自己判断で市販薬を使い続けても改善しない場合は、必ず皮膚科を受診して正確な診断を受けることが大切です。
Q. 水虫の治療はいつまで薬を使えばいいですか?
水虫の治療は、かゆみや皮剥けなどの症状が改善しても薬をやめてはいけません。症状消失後も角質層に白癬菌が残存しているためです。一般的に症状改善後さらに1〜2ヶ月の継続塗布が必要で、総治療期間の目安は2〜3ヶ月程度です。自己判断で中断すると再発の原因となるため、医師の指示に従うことが重要です。
🔍 水虫の正しいセルフケアの方法
皮を剥がすことはNGですが、水虫のセルフケアとして正しく行うべきことはたくさんあります。薬の治療と並行して適切なセルフケアを行うことで、治療効果を高め、再発を防ぐことができます。
まず、足を清潔に保つことが最も基本的なセルフケアです。毎日入浴やシャワーの際に、石けんを使って足の指の間や足の裏をていねいに洗いましょう。ただし、ゴシゴシと強くこすりすぎると皮膚を傷つけてしまいます。泡立てた石けんで優しくなでるように洗い、しっかりとすすぐのがポイントです。
洗った後は、十分に乾燥させることが重要です。タオルで水気を拭き取る際は、指の間まで丁寧に行ってください。湿った状態が続くと白癬菌が繁殖しやすくなります。ドライヤーの冷風モードを使って乾燥させるのも効果的です。
靴下は毎日清潔なものに替えましょう。できれば吸湿性の高い素材(綿など)のものを選ぶと足の蒸れを抑えられます。靴も定期的に陰干しして乾燥させることが大切です。複数の靴をローテーションして使うことで、一足の靴を毎日連続して使うことを避けるのも有効な方法です。
靴の中には防菌・消臭スプレーを活用するのも良いでしょう。また、靴の素材としては通気性のよいものを選ぶことで、足の蒸れを防ぎやすくなります。
家の中での感染拡大を防ぐためにも注意が必要です。バスマットやスリッパは感染源になりうるため、家族と共用しないようにしましょう。バスマットは定期的に洗濯し、よく乾燥させてください。フローリングなど床面も定期的に清掃することが大切です。
爪のケアも忘れずに行いましょう。爪が長すぎると白癬菌が繁殖しやすくなります。適切な長さに整えておくことが大切ですが、深爪には注意が必要です。深爪は皮膚を傷つけ、細菌や菌の侵入口になりかねません。
自然に剥けてくる皮については、無理に剥がさずにそのままにしておくのが基本です。どうしても気になる場合は、お風呂後に皮膚が柔らかくなったタイミングで、自然に取れそうな部分だけをハサミで軽く整える程度にとどめ、生きている組織に触れないよう注意してください。取り除いた皮は白癬菌を含んでいるため、ティッシュなどでくるんでビニール袋に入れて捨てましょう。
📝 市販薬と処方薬の違い──どちらを選ぶべきか
水虫の治療薬には大きく分けて、薬局などで購入できる市販薬(OTC薬)と、病院で処方される処方薬の2種類があります。それぞれの特徴を理解して、自分の状態に合った選択をすることが大切です。
市販の抗真菌薬には、クリーム、軟膏、液、スプレーなど様々な剤形があります。主な成分としては、テルビナフィン塩酸塩、ブテナフィン塩酸塩、ラノコナゾール、クロトリマゾールなどがあります。これらはいずれも白癬菌に対する抗真菌作用を持っており、軽症の水虫であれば一定の効果が期待できます。
市販薬を選ぶ際は、剤形の選択も重要です。趾間型でじゅくじゅくしている場合は、液剤よりもクリームや軟膏のほうが刺激が少なく使いやすいことがあります。足の裏全体のカサカサや角質増殖型には、クリームや軟膏タイプが浸透しやすいとされています。
一方、処方薬には内服薬(飲み薬)も含まれます。爪白癬や重症の足白癬では、塗り薬だけでは十分な治療効果が得られない場合があり、内服の抗真菌薬(イトラコナゾール、テルビナフィン、ホスラブコナゾールなど)が使われることがあります。内服薬は塗り薬が届きにくい爪の内部にも作用するため、爪白癬には非常に効果的です。
処方薬の塗り薬は、市販薬と同じ成分のものもありますが、濃度や剤形の種類が豊富で、患者の状態に合わせたきめ細かい処方が可能です。また、爪白癬専用の塗り薬(エフィナコナゾール含有外用薬など)は処方薬にしかなく、爪白癬の場合は病院を受診する必要があります。
市販薬を使用する際の注意点として、正確な診断なしに使い始めることのリスクを理解しておきましょう。水虫に似た皮膚疾患(湿疹、かぶれなど)に抗真菌薬を使用しても効果がなく、むしろ悪化することがあります。特に以下のような場合は、市販薬を自己判断で使わずに皮膚科を受診することをお勧めします。市販薬を2〜4週間使用しても改善しない場合、爪が変形・変色している場合、足の皮膚が赤く腫れて痛みがある場合、糖尿病などの基礎疾患がある場合です。
Q. 水虫はどんなときに皮膚科を受診すべきですか?
市販の抗真菌薬を2〜4週間使用しても改善しない場合、爪が変色・変形している場合、足が赤く腫れて痛みがある場合は皮膚科への受診が必要です。糖尿病などの基礎疾患がある方は足壊疽などの重篤な合併症リスクがあるため、症状が軽くても早めの受診が推奨されます。皮膚科では顕微鏡検査により正確な診断が可能です。
💡 病院に行くべきタイミングとは
水虫は「市販薬で治る病気」というイメージが強く、病院への受診を後回しにする方が多いのが現状です。しかし、適切なタイミングで受診することで、治療期間を短縮できたり、より重篤な状態への悪化を防いだりすることができます。
皮膚科への受診をお勧めするタイミングとして、まず「症状が初めて出た場合」が挙げられます。初めて水虫の疑いがある症状が出たときは、本当に水虫なのかどうかを確認するために受診することをお勧めします。皮膚科では顕微鏡検査で白癬菌の有無を確認でき、確実な診断が可能です。
「市販薬を使っても改善しない場合」も受診の目安です。一般的に、市販の抗真菌薬を正しく使えば2〜4週間ほどで症状の改善が見られるはずです。それ以上使用しても改善しない場合は、水虫でない可能性や、薬が合っていない可能性が考えられます。
「爪が変色・変形してきた場合」も要注意です。爪が白や黄色、茶色に変色したり、厚くなったり、ボロボロになってきたりしている場合は爪白癬が疑われます。爪白癬は塗り薬だけでの治療が難しく、内服薬が必要になる場合がほとんどです。早めに受診して適切な治療を受けることで、爪の変形を最小限に抑えることができます。
「足が赤く腫れて痛みや熱感がある場合」は緊急性が高い状態です。これは水虫に続発した細菌感染(蜂窩織炎)が疑われます。特に糖尿病などの免疫機能が低下している方では重篤化しやすいため、速やかに受診してください。
「糖尿病などの基礎疾患がある場合」は、水虫を甘く見てはいけません。糖尿病の方は免疫機能が低下しているため、水虫から細菌感染が起こりやすく、足壊疽(そくえそ)などの深刻な合併症につながる危険性があります。水虫の疑いがある時点で早めに受診することが重要です。
「子供や高齢者に症状がある場合」も自己判断での対処よりも受診が望ましいです。子供の場合は水虫以外の皮膚疾患の可能性も考えられますし、高齢者は皮膚が薄くなっているため二次感染のリスクが高く、適切な医療管理が必要です。
皮膚科では、患部の皮膚をわずかに採取して顕微鏡で白癬菌の有無を確認する検査(KOH直接鏡検法)を行います。この検査は数分で結果がわかり、痛みもほとんどありません。正確な診断のもとで適切な薬が処方されるため、治療効果も高まります。
✨ 水虫の治療にかかる期間と再発防止のポイント

水虫の治療で多くの方がつまずくのが、「症状が治まったからといって薬を早めにやめてしまう」ことです。水虫の治療は、見た目上の症状が改善しても完治ではないため、医師の指示に従って継続することが非常に重要です。
足白癬(趾間型・水疱型)の場合、抗真菌薬の外用薬を使うと通常2〜4週間程度で症状(かゆみ、皮剥け、水疱など)は改善することが多いです。しかし、角質層の中に残っている白癬菌が完全に死滅するまでには、さらに時間がかかります。一般的に、症状が改善してからも最低1〜2ヶ月は薬を塗り続けることが必要とされています。総治療期間の目安は2〜3ヶ月程度です。
角質増殖型の場合はさらに時間がかかります。角質が厚い分、薬が浸透しにくいため、外用薬だけでは不十分なことも多く、内服薬を併用することもあります。治療期間は数ヶ月に及ぶこともあります。
爪白癬の場合は特に長期の治療が必要です。爪は非常にゆっくりと成長するため(足の爪は約1〜1.5年で生え変わります)、爪が完全に生え変わって健康な状態になるまで治療を続ける必要があります。内服薬を使用した場合でも、治療期間は半年〜1年以上かかることがあります。
水虫の再発を防ぐためには、完治後も日常生活での予防が欠かせません。公衆浴場やプールを使用した後は、帰宅後すぐに足をよく洗いましょう。外出から帰ったら足を洗って清潔を保つ習慣をつけることも大切です。
靴は通気性のよいものを選び、できる限り長時間の着用を避けましょう。仕事などで長時間靴を履き続ける方は、帰宅後すぐに靴を脱いで足を洗い、乾燥させることを心がけてください。靴下も毎日清潔なものに替えるようにしましょう。
家族に水虫がいる場合は、一緒に治療を受けることが再感染防止のために大切です。本人だけが治療しても、家族に感染源がある状態では再感染してしまいます。バスマットやスリッパの共用を避けることも重要です。
また、免疫力の低下は水虫の再発リスクを高めます。十分な睡眠を取り、バランスの取れた食事を心がけ、過度なストレスを避けるといった生活習慣の改善も、再発予防につながります。
水虫を完全に治すことと、再発させないことの両方に取り組むことが、水虫と長期的に付き合わないためのポイントです。特に水虫を繰り返している方は、生活環境の見直しと合わせて、皮膚科で継続的な管理を受けることをお勧めします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「水虫の皮を剥がしたほうが薬が効くのでは」と考えて皮膚を傷つけてしまい、二次感染を起こした状態でご来院される患者様が少なくありません。表面の皮を剥がしても角質層の中にいる白癬菌を除去することはできず、むしろ蜂窩織炎などの重篤な感染症につながるリスクがあるため、自己判断での処置はお控えください。市販薬を使用しても症状が改善しない場合や、爪の変色・変形が気になる場合は、お早めに皮膚科へご相談いただくことで、より確実で安全な治療を受けていただくことができます。」
📌 よくある質問
自分で皮を剥がすことはお勧めしません。表面の皮を取り除いても、感染の中心である角質層の中の白癬菌は除去できません。むしろ皮膚のバリア機能が損なわれ、細菌による二次感染(蜂窩織炎など)を引き起こすリスクがあります。抗真菌薬を正しく塗り続けることが、最も効果的な治療法です。
剥がした皮には白癬菌が多く含まれているため、白癬菌の拡散を防ぐためにティッシュでくるんでビニール袋に入れて処分してください。患部は清潔に保ち、傷や出血がある場合は自己判断での薬の使用を避け、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
市販の抗真菌薬を2〜4週間正しく使用しても改善が見られない場合は、水虫ではなく湿疹やかぶれなど別の皮膚疾患の可能性があります。また、爪白癬の場合は市販薬では対応が難しく、内服薬が必要なケースもあります。アイシークリニック大宮院では顕微鏡検査で正確な診断が可能ですので、お早めにご相談ください。
症状が改善しても、すぐに薬をやめることはお勧めしません。見た目の症状が消えても角質層の中に白癬菌が残っている場合があり、再発の原因となります。一般的に、症状改善後も1〜2ヶ月は薬を塗り続け、総治療期間の目安は2〜3ヶ月程度です。必ず医師の指示に従って治療を継続してください。
はい、糖尿病の方は免疫機能が低下しているため、水虫から細菌感染が起こりやすく、足壊疽などの深刻な合併症につながるリスクがあります。水虫の疑いがある時点で自己判断での対処は避け、早めに皮膚科を受診することが重要です。アイシークリニック大宮院では、基礎疾患をお持ちの方にも適切な治療をご提案しています。
🎯 まとめ
水虫で皮が剥けてくると、ついつい剥がしてしまいたくなりますが、水虫の皮を自分で剥がすことは細菌感染のリスク、炎症の悪化、菌の拡散など多くのデメリットがあり、行うべきではありません。水虫の皮が剥ける原因は白癬菌が角質層で増殖し、正常なターンオーバーが乱れるためです。表面の皮を剥がしても、角質層の中にいる菌を除去することはできず、治療には効果がありません。
正しい対処法は、抗真菌薬を正しく使い続けること、足を清潔に保つこと、足を乾燥させること、靴や靴下を清潔に管理することです。症状が改善しても自己判断で薬をやめずに、医師の指示に従って治療を継続することが完治への近道です。
市販薬で改善しない場合、爪に症状がある場合、足が赤く腫れて痛む場合、糖尿病などの基礎疾患がある場合は、早めに皮膚科を受診してください。正確な診断と適切な治療を受けることで、水虫を確実に治し、再発を防ぐことができます。水虫は決して「大したことのない病気」ではなく、放置すると悪化したり周囲に感染が広がったりするリスクのある疾患です。正しい知識を持って、適切に対処することが大切です。
アイシークリニック大宮院では、水虫をはじめとする皮膚の悩みに関する相談を受け付けています。「市販薬を使っても治らない」「爪の変色が気になる」「水虫かどうか確認したい」という方は、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が公表する「皮膚真菌症診療ガイドライン」に基づき、足白癬・爪白癬の診断基準、治療薬(外用・内服抗真菌薬)の選択、治療期間に関する医学的根拠を参照
- 厚生労働省 – 厚生労働省が提供するOTC医薬品(市販の抗真菌薬)に関する情報および、水虫を含む皮膚感染症の一般向け啓発資料を参照し、市販薬と処方薬の違いや使用上の注意点の根拠として活用
- 国立感染症研究所 – 国立感染症研究所が公開する白癬菌(皮膚糸状菌)の感染経路・疫学データ(成人の感染率など)および公衆浴場・プール等での感染リスクに関する情報を参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務