水虫(白癬菌感染症)は日本人の約5人に1人が罹患しているといわれる、非常に身近な感染症です。足の痒みや皮むけに悩まされている方も多いですが、「自分が履いた靴下を洗濯するとき、家族のものと一緒に洗っても大丈夫なのか」「洗濯したからといって菌は本当に死ぬのか」と不安に感じている方も少なくないのではないでしょうか。また、同居する家族が水虫であれば、靴下の洗濯を通じて自分にも感染するのではないかと心配されている方もいるはずです。今回は、水虫の人が履いた靴下の洗濯方法について、感染の仕組みや白癬菌の特性を踏まえながら詳しく解説します。正しい知識を持って対策をとることが、家族全員の健康を守る第一歩となります。
目次
- 水虫(白癬菌)とは何か?靴下への付着について
- 水虫は靴下の洗濯で感染するのか?感染経路を理解する
- 白癬菌は洗濯で死滅するのか?菌の生存能力を知る
- 水虫の人の靴下を洗濯するときの基本的な注意点
- 一緒に洗濯してよいのか?分けるべきケースとそうでないケース
- より確実に菌を除去するための洗濯方法のポイント
- 乾燥・保管時に気をつけること
- 洗濯以外で感染リスクを減らすための日常的な対策
- 水虫の治療を受けることが根本的な解決策
- まとめ
この記事のポイント
水虫の靴下は通常洗濯(30〜40℃)では白癬菌を完全除去できないため、60℃以上の乾燥機使用・漂白剤浸け置き・天日干しの併用が有効。ただし根本解決には抗真菌薬による3〜6ヶ月の継続治療が最重要。
🎯 1. 水虫(白癬菌)とは何か?靴下への付着について
水虫とは、白癬菌(はくせんきん)と呼ばれる真菌(カビの一種)が皮膚に感染することによって起こる皮膚疾患です。正式には「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれ、足の指の間や足の裏、かかとなどに発症します。白癬菌はケラチンというタンパク質を好んで栄養源とするため、皮膚や爪、毛髪などに感染しやすい特徴があります。
白癬菌の種類としては、トリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)やトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)などが足白癬の主な原因菌として知られています。これらの菌は、感染した皮膚からはがれ落ちた角質(皮膚の垢)の中に多く含まれており、この角質が環境中に落下・付着することで感染が広がっていきます。
靴下についていえば、水虫に感染している人が靴下を履くと、足の皮膚からはがれた白癬菌を含む角質が靴下の繊維の中に取り込まれます。靴下の内側はもちろん、脱いだ後の靴下の外側にも菌が付着している可能性があります。特に足の指の間に発症するタイプの水虫(趾間型)や足の裏全体に発症するタイプ(小水疱型・角化型)では、皮膚のはがれが多く、靴下への菌の付着量も多くなる傾向があります。
また、白癬菌は温度や湿度が高い環境を好むため、靴の中のような高温多湿な環境では菌が増殖しやすくなります。長時間靴を履いて過ごした後の靴下は、白癬菌にとって非常に繁殖しやすい条件を満たしていることも覚えておきましょう。
Q. 白癬菌は通常の洗濯で死滅しますか?
日本の洗濯機で一般的な30〜40℃の水温では、白癬菌を完全に死滅させることは難しいとされています。白癬菌は60℃以上の高温で数分以内に死滅するため、乾燥機の高温乾燥・漂白剤による浸け置き・天日干しを組み合わせることで、より確実に菌を除去できます。
📋 2. 水虫は靴下の洗濯で感染するのか?感染経路を理解する
水虫の感染経路を正確に理解することは、適切な対策をとるうえで非常に重要です。白癬菌は、感染者の皮膚からはがれた角質の中に潜んでおり、この角質が他の人の皮膚に付着し、一定時間接触することで感染が成立します。
洗濯という行為を通じた感染について考えると、理論上は白癬菌を含む角質が他の衣類に移る可能性はあります。しかし、実際に感染が成立するには、菌が新たな宿主の皮膚に直接接触し、その状態が約24時間以上継続する必要があるとされています。洗濯後の靴下を素足で長時間履き続けるといった状況でなければ、洗濯を介した感染リスクは比較的低いと考えられています。
むしろ感染のリスクが高いのは、以下のような状況です。銭湯や温泉、スポーツジムなどの共用脱衣所や浴室の床を素足で歩くこと、感染者が素足で歩いたフローリングやカーペットを他の人が素足で歩くこと、感染者と同じタオルを使用することなどが主な感染経路として挙げられます。家庭内においては、特にバスマットや浴室の床が最大の感染源となることが多く、靴下の洗濯よりも浴室やバスマットの管理の方が感染予防として重要度が高い場合もあります。
ただし、だからといって「靴下の洗濯は気にしなくてよい」ということにはなりません。白癬菌が含まれた靴下と他の衣類を一緒に洗濯することで、菌が拡散する可能性はゼロではありません。特に、免疫力が低下している方や皮膚に傷や湿疹がある方は、少量の菌でも感染しやすいため、より慎重な対応が求められます。
💊 3. 白癬菌は洗濯で死滅するのか?菌の生存能力を知る
白癬菌がどのような条件で死滅するのかを理解することは、効果的な洗濯方法を選ぶうえで非常に役立ちます。白癬菌の生存能力について、いくつかの重要なポイントを整理してみましょう。
まず、温度による影響についてです。白癬菌は熱に比較的弱く、60℃以上の高温では数分以内に死滅するとされています。一方で、常温では乾燥した角質の中で数ヶ月から場合によっては1年以上も生存できるという研究報告があります。これが、銭湯やプールの脱衣所などで感染リスクが高い理由の一つです。落下した角質の中の菌が長期間生存し続けるため、直接接触した人に感染する機会が増えるわけです。
洗濯の温度に関していえば、日本の一般的な洗濯機では洗濯時の水温が30〜40℃程度であることが多く、この温度だけでは白癬菌を完全に死滅させるのは難しいとされています。通常の洗濯では菌の数を大幅に減少させることはできますが、100%除去できるわけではないという点を認識しておく必要があります。
次に、洗剤による影響についてです。一般的な洗濯洗剤には白癬菌に対する殺菌効果は限定的ですが、界面活性剤の作用によって菌を物理的に洗い流す効果があります。抗菌・除菌効果をうたう洗濯洗剤や洗濯槽クリーナーを使用することで、より効果的に菌を減少させることができます。
乾燥については、高温での乾燥が非常に効果的です。乾燥機を使って60℃以上の高温で乾燥させることで、白癬菌を効果的に死滅させることができます。一方、日陰干しや部屋干しでは、菌が完全に除去されない可能性があります。直射日光による天日干しも紫外線の殺菌効果があるため、ある程度の菌の減少が期待できます。
また、塩素系漂白剤については強力な殺菌効果があり、白癬菌に対しても有効とされています。ただし、色物の靴下には使用できないため、用途が限られます。酸素系漂白剤については塩素系ほどの強力な殺菌効果はありませんが、色落ちのリスクが低く、幅広い衣類に使用できます。
Q. 水虫の靴下は家族のものと分けて洗うべきですか?
健康な成人が家族にいる場合、洗濯物を介した感染リスクは比較的低いとされています。ただし、免疫力が低下している高齢者・糖尿病患者・皮膚に傷や湿疹がある方がいる場合は別洗いを強くおすすめします。洗濯ネットの活用と高温乾燥の併用でリスクをさらに低減できます。
🏥 4. 水虫の人の靴下を洗濯するときの基本的な注意点
水虫の人が履いた靴下を洗濯する際に守っておきたい基本的な注意点をまとめます。これらの点を意識するだけで、感染リスクを大幅に減らすことができます。
まず、靴下を脱いだ後の取り扱いについてです。水虫の人が靴下を脱いだ後、その靴下を床の上に直接置くのは避けましょう。床に白癬菌が含まれた角質が落下し、家族が素足で踏んでしまうリスクがあります。脱いだ靴下はすぐに洗濯カゴや洗濯機に入れるか、ビニール袋に入れておくことをおすすめします。
次に、洗濯前の浸け置きについてです。洗濯前に水虫の人の靴下を抗菌・除菌効果のある洗剤や漂白剤に浸け置きすることで、菌の数を事前に大幅に減らすことができます。特に角化型の水虫(かかとが分厚くなるタイプ)の場合は皮膚のはがれが多いため、浸け置き洗いを習慣にするとよいでしょう。
洗濯ネットの活用も有効な対策の一つです。水虫の人の靴下を洗濯ネットに入れて洗うことで、他の衣類への菌の移行を物理的に抑制することができます。特に感染リスクの高い家族がいる場合は、この方法を取り入れることをおすすめします。
洗濯後の洗濯槽の管理も忘れてはなりません。白癬菌が洗濯槽の内部に付着・残存する可能性があるため、定期的な洗濯槽の清掃・除菌が重要です。市販の洗濯槽クリーナーを使って月に1回程度クリーニングする習慣をつけましょう。また、洗濯後は洗濯機のふたを開けて内部を乾燥させることで、菌やカビの繁殖を防ぐことができます。
洗濯した靴下を取り出す際の手洗いも重要です。水虫の靴下を洗濯機から取り出した後は、必ず石鹸で手を洗うようにしましょう。完全に菌が除去されていない靴下を触ることで、手から感染する可能性は低いですが、念のための対策として習慣化しておくことをおすすめします。
⚠️ 5. 一緒に洗濯してよいのか?分けるべきケースとそうでないケース
「水虫の人の靴下は他の洗濯物と分けて洗うべきか」というのは、多くの方が疑問に思う点です。結論からいえば、できれば分けて洗うのが理想的ですが、必ずしも常に分けなければならないわけではありません。状況に応じて判断することが大切です。
分けて洗うことを強くおすすめするケースとしては、まず家族の中に免疫力が低下している人がいる場合が挙げられます。高齢者、糖尿病患者、抗がん剤治療中の方、ステロイド薬を長期使用している方などは、免疫力が低下しており、少量の菌でも感染しやすいため、より慎重な対応が必要です。次に、家族の中に皮膚の傷や湿疹、アトピー性皮膚炎がある人がいる場合も分けて洗うことをおすすめします。皮膚のバリア機能が低下している場合、白癬菌が侵入しやすくなるためです。また、水虫の症状が重く、皮膚のはがれや水疱がひどい状態の場合も、菌の量が多いため分けて洗う方が安心です。
一方で、通常の洗濯で問題ないと考えられるケースもあります。水虫の治療が進んでおり、症状がほぼ改善している場合は、菌の量も大幅に減少しているため、通常通りの洗濯でも大きなリスクはないと考えられます。また、健康な成人が家族にいる場合は、皮膚のバリア機能が正常に機能しているため、洗濯物を介した感染のリスクは比較的低いとされています。
いずれの場合も、高温乾燥(乾燥機の使用)や天日干しを組み合わせることで感染リスクをさらに下げることができます。完璧な対策を求めて過度に神経質になるよりも、できる範囲の対策をしっかりと継続することが重要です。
Q. 家庭内で水虫が最も感染しやすい場所はどこですか?
家庭内での水虫感染は、靴下の洗濯よりもバスマットや浴室の床が最大の感染源となることが多いです。白癬菌を含む角質が床に落下し、他の家族が素足で踏むことで感染が広がります。バスマットの毎日交換または専用化と、浴室床の定期的な除菌清掃が重要な予防策です。
🔍 6. より確実に菌を除去するための洗濯方法のポイント
白癬菌をより効果的に除去するための洗濯方法のポイントを具体的に解説します。これらの方法を組み合わせることで、靴下に付着した白癬菌を最大限に減少させることができます。
高温での洗濯については、可能であれば60℃以上の高温で洗濯するのが最も効果的です。ただし、現在の日本の洗濯機の多くは60℃以上の高温設定が難しく、また衣類への影響(縮みや傷み)も心配されます。素材の耐熱性を確認したうえで、できる範囲で高めの温度設定を選ぶようにしましょう。洗濯前に熱湯(70〜80℃程度)に数分間浸してから洗う「煮沸の代替法」も一定の効果が期待できます。ただし、靴下の素材によっては傷みやすいため、取り扱い表示を必ず確認してください。
漂白剤の活用については、白い靴下であれば塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)を使用することで非常に高い殺菌効果が得られます。使用量は製品の指示に従い、規定量を守ることが大切です。漂白剤を洗濯桶に溶かして靴下を30分程度浸け置きした後、通常通り洗濯します。色物の靴下には酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウムなど)を使用しましょう。酸素系漂白剤は塩素系ほどの強力な殺菌効果はありませんが、定期的に使用することで菌の量を着実に減らすことができます。40〜50℃のお湯に溶かすと効果が高まります。
除菌・抗菌効果のある洗剤の選択も有効です。市販の洗濯洗剤の中には、除菌・抗菌効果をうたった製品があります。これらの洗剤を使用することで、通常の洗剤よりも高い菌の除去効果が期待できます。特に部屋干し用の除菌洗剤は、菌の増殖を防ぐ成分が含まれているものが多く、おすすめです。
柔軟剤については殺菌効果はありませんが、繊維を滑らかにすることで汚れや菌が付きにくくなる効果が期待できます。柔軟剤自体に除菌効果を求めるのではなく、洗剤や漂白剤と組み合わせて使用するとよいでしょう。
すすぎの回数についても工夫が必要です。すすぎの回数を通常より1〜2回多くすることで、洗濯後の靴下に残存する菌や汚れをより確実に除去することができます。特に洗濯機の「念入りコース」や「しっかりすすぎコース」などを活用するとよいでしょう。
📝 7. 乾燥・保管時に気をつけること
洗濯後の乾燥方法も、白癬菌対策において非常に重要な工程です。いくら丁寧に洗濯しても、乾燥が不十分であれば菌が残存したり、乾燥後に再び菌が繁殖したりする可能性があります。
乾燥機の使用については、最も確実に白癬菌を除去する方法の一つです。乾燥機を60℃以上の高温設定で使用することで、洗濯後に残存していた白癬菌をほぼ確実に死滅させることができます。電気代や衣類への影響を考慮する必要はありますが、感染予防という観点では非常に効果的な方法です。靴下の素材によっては乾燥機が使えないものもあるため、洗濯表示を確認してから使用してください。
天日干しについては直射日光に含まれる紫外線に殺菌効果があるため、天日干しも有効な乾燥方法です。できれば太陽光が直接当たる場所で、長時間(最低でも数時間)干すことをおすすめします。ただし、紫外線の強さは季節や天気、時間帯によって異なるため、乾燥機ほど確実な殺菌効果は保証できません。天日干しの場合も、両面にまんべんなく日光が当たるよう靴下を裏返して干すと効果的です。
部屋干しや陰干しについては白癬菌の観点から見ると最も望ましくない乾燥方法です。湿度が高い室内での乾燥は、菌が残存するだけでなく、他のカビや細菌の繁殖を招く可能性もあります。どうしても部屋干しが必要な場合は、除湿機やエアコンの除湿機能を活用して湿度を下げることが大切です。また、部屋干し専用の除菌洗剤を使用することで、乾燥中の菌の繁殖をある程度抑制することができます。
乾燥後の保管についても注意が必要です。完全に乾燥した靴下は、湿気の少ない清潔な引き出しや棚に保管しましょう。湿気の多い環境で保管すると、再び菌やカビが繁殖するリスクがあります。また、水虫の人の靴下と他の家族の靴下を同じ場所に収納する場合は、完全に治療が完了するまでは分けて収納することをおすすめします。
Q. 水虫の治療はどのくらいの期間続ける必要がありますか?
見た目の症状が改善しても皮膚の深部に白癬菌が残存している可能性があるため、外用薬は通常3〜6ヶ月の継続使用が必要です。途中でやめることが再発の主な原因となります。アイシークリニックでは、医師が治療経過を定期確認しながら適切な治療期間をご案内しています。
💡 8. 洗濯以外で感染リスクを減らすための日常的な対策
靴下の洗濯対策だけでなく、日常生活全般における感染予防対策も合わせて実践することが重要です。家族への感染を防ぐための総合的なアプローチについて解説します。
バスマットの管理は家庭内感染を防ぐうえで最も重要な対策の一つです。バスマットは水虫菌の温床になりやすく、感染者が使用した後に他の家族が素足で踏むことで感染が広がります。水虫の人が使用したバスマットは毎日交換するか、水虫の人専用のバスマットを用意することをおすすめします。交換したバスマットも、靴下と同様の方法(高温洗濯+乾燥機または天日干し)で洗濯しましょう。
浴室や洗面所の床については、定期的な清掃と除菌が感染予防につながります。白癬菌を含む角質が床に落下し、そこから他の家族に感染する可能性があります。抗菌・防カビ効果のある浴室用洗剤を使って定期的に床を清掃し、浴室を使用後はしっかり水気を拭き取って乾燥させることが大切です。
足を清潔に保つことも重要な予防策です。水虫の人は毎日丁寧に足を洗い、指の間までしっかり乾燥させることが治療と感染予防の両方に有効です。足の湿度を下げることで白癬菌の繁殖を抑制できます。水虫でない人も、足を清潔に保ち、皮膚のバリア機能を維持することで感染リスクを低下させることができます。
靴の管理も見逃せない対策です。水虫の人が使用した靴の内部にも白癬菌が繁殖していることがあります。靴の中は高温多湿になりやすく、菌が繁殖しやすい環境です。靴を複数足用意してローテーションすること、靴の中に除菌・消臭スプレーを使用すること、使用後は靴の内部をよく乾燥させることが有効な対策です。靴乾燥機を使用することで、より効果的に靴の内部を乾燥・除菌することができます。
爪の管理についても注意が必要です。水虫が爪に感染した「爪白癬」の場合、爪の中に菌が住み着いており、足白癬と比べて治療が難しく再感染の原因にもなります。爪を清潔に保ち、定期的に切ることが大切です。爪切りは水虫の人専用のものを使用し、使用後はアルコール消毒をしましょう。
家族全員が素足で歩く共用スペース(リビングのカーペット、フローリングなど)の管理も重要です。カーペットは菌が潜みやすいため、定期的に掃除機をかけるとともに、できれば天日干しや高温洗濯を行うことをおすすめします。フローリングは水拭きや除菌シートで定期的に拭くことで、落下した角質を取り除き感染リスクを低下させることができます。
✨ 9. 水虫の治療を受けることが根本的な解決策

靴下の洗濯方法や日常的な衛生管理は感染予防において重要ですが、家族全員を水虫の感染リスクから守るための根本的な解決策は、水虫の本人がしっかりと治療を受けて菌を完全に除去することです。
水虫の治療法としては、抗真菌薬の外用薬(塗り薬)が一般的です。テルビナフィン、ラノコナゾール、ルリコナゾールなどの成分を含む塗り薬が主に使用されます。これらの薬は白癬菌の細胞膜の合成を阻害することで菌を死滅させる働きがあります。外用薬での治療は、症状が改善した後も少なくとも1〜2ヶ月は継続して使用することが重要です。なぜなら、見た目の症状がなくなっても皮膚の深部に菌が残存している可能性があるからです。治療を途中でやめてしまうことが再発の大きな原因となっています。
爪白癬(爪の水虫)が合併している場合は、内服薬(飲み薬)による治療が有効です。イトラコナゾールやテルビナフィンなどの内服薬が使用されますが、これらは医師による処方が必要です。爪白癬の治療は足白癬の再感染源となるため、足白癬と同時に適切に治療することが重要です。
セルフケアと市販薬だけでは治らない場合や、症状が重い場合、爪白癬が疑われる場合は、皮膚科専門医への受診を強くおすすめします。医師による正確な診断と適切な治療を受けることで、より確実に水虫を治すことができます。また、水虫に似た症状でも別の皮膚疾患(接触性皮膚炎、掌蹠膿疱症など)である場合もあり、自己判断での治療が効果がないだけでなく悪化を招く可能性もあります。
治療中の注意点として、症状が改善しても処方された期間は薬を使い続けることが大切です。医師から指示された治療期間(外用薬の場合は通常3〜6ヶ月)を守り、定期的に受診して治療の経過を確認することをおすすめします。また、治療中も靴下の適切な洗濯管理や日常的な衛生管理を継続することで、家族への感染リスクをできるだけ低く保つことができます。
水虫の治療を怠ると、症状が慢性化したり爪白癬に進行したりするリスクがあるだけでなく、家族全員が感染リスクにさらされ続けることになります。家族の健康を守るためにも、早めの受診と適切な治療が最も重要な対策であることを覚えておいてください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、水虫の治療を始める際に「家族への感染が心配で靴下の洗濯をどうすればよいか」とご相談いただくケースが非常に多く、日常のケアに対する患者様の不安を強く感じています。記事にもある通り、靴下の適切な洗濯管理や浴室・バスマットの衛生管理は大切な感染予防策ですが、最も重要なのは本人がしっかりと治療を継続し、菌を根本から除去することです。症状が改善してからも油断せず治療を続けることが再発防止と家族全員の健康を守ることに直結しますので、気になる症状があればお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
基本的には分けて洗うことが理想ですが、健康な成人であれば洗濯物を介した感染リスクは比較的低いとされています。ただし、免疫力が低下している方や皮膚に傷・湿疹がある家族がいる場合は、別洗いを強くおすすめします。高温乾燥や漂白剤の活用で感染リスクをさらに下げることができます。
日本の一般的な洗濯機の水温(30〜40℃)では、白癬菌を完全に死滅させることは難しいとされています。白癬菌は60℃以上の高温で死滅するため、乾燥機の高温乾燥や天日干し、漂白剤による浸け置きを組み合わせることで、より確実に菌を除去することができます。
家庭内では靴下の洗濯よりも、バスマットや浴室の床が最大の感染源となることが多いです。感染者が素足で歩いた場所に白癬菌を含む角質が落下し、他の家族が素足で踏むことで感染が広がります。バスマットの毎日交換や浴室の定期的な除菌清掃が重要な予防策です。
色物の靴下には塩素系漂白剤は使用できませんが、酸素系漂白剤(過炭酸ナトリウムなど)であれば色落ちのリスクが低く使用できます。40〜50℃のお湯に溶かすと効果が高まります。塩素系ほどの強力な殺菌効果はありませんが、定期的に使用することで菌の量を着実に減らすことが期待できます。
見た目の症状が改善しても、皮膚の深部に菌が残存している可能性があるため、外用薬の場合は通常3〜6ヶ月の継続使用が必要です。途中でやめてしまうことが再発の大きな原因となります。アイシークリニックでは、医師が治療経過を定期的に確認しながら適切な治療期間をご案内していますので、お気軽にご相談ください。
🎯 まとめ
水虫の人が履いた靴下の洗濯方法と感染予防について、重要なポイントをまとめます。
白癬菌は靴下の繊維に付着し、通常の洗濯だけでは完全に除去できない場合があります。しかし、適切な洗濯方法(高温洗濯、漂白剤の使用、除菌洗剤の活用)と乾燥方法(乾燥機の使用、天日干し)を組み合わせることで、感染リスクを大幅に低下させることができます。
靴下の洗濯においては、脱いだ後すぐに洗濯カゴに入れる、洗濯ネットを活用する、漂白剤による浸け置きを行う、乾燥機や天日干しで高温乾燥させるといった対策が効果的です。また、免疫力が低下している家族や皮膚に傷がある家族がいる場合は、別洗いを心がけることをおすすめします。
洗濯以外の日常的な対策としては、バスマットの毎日交換または専用化、浴室・床の定期的な除菌清掃、靴の管理と乾燥、足の清潔保持と乾燥が重要です。
しかし最も根本的な解決策は、水虫の本人がきちんと治療を受けて菌を完全に除去することです。症状が改善しても、医師から指示された期間は治療を継続し、定期的な受診で治療の経過を確認することが重要です。自己判断での治療中断は再発の大きな原因となります。
水虫の症状でお悩みの方、家族への感染が心配な方は、ぜひお気軽にアイシークリニック大宮院にご相談ください。専門的な診断と適切な治療で、水虫の悩みをしっかり解決するお手伝いをいたします。日常の衛生管理と専門的な治療を組み合わせることで、水虫のない快適な生活を取り戻しましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が策定した皮膚真菌症(白癬・足白癬)の診療ガイドラインに基づく、白癬菌の種類・感染経路・治療法(抗真菌薬の外用・内服)に関する情報
- 国立感染症研究所 – 白癬菌感染症の病原体情報、感染経路、疫学(日本人の罹患率)および予防対策に関する科学的根拠
- PubMed – 白癬菌(Trichophyton rubrum等)の環境中での生存能力、洗濯・高温処理・漂白剤による死滅条件に関する国際的な査読済み研究論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務