「ダニに刺された」と気づいたとき、何に刺されたのかをすぐに判断するのは難しいものです。ダニの中でも「イエダニ」は、家の中に潜んで人を刺すことがあるため、特に注意が必要な存在です。刺されると強いかゆみや赤い発疹が現れ、かき壊してしまうと皮膚炎に発展することもあります。本記事では、イエダニとはどのような生き物なのか、刺された時にどのような症状が出るのか、そして対処法や予防策について詳しく解説します。イエダニに関する正しい知識を持つことで、被害を最小限に抑えましょう。
目次
- イエダニとはどのような生き物か
- イエダニが発生しやすい環境
- イエダニに刺された時の症状
- イエダニと他のダニの違い
- イエダニに刺された場合の応急処置
- 医療機関を受診すべき目安
- 皮膚科での治療方法
- イエダニの駆除方法
- イエダニの予防策
- まとめ
この記事のポイント
イエダニはネズミ・鳥を宿主とし、夜間に人を刺して強いかゆみと赤い発疹を引き起こす。応急処置は患部を洗浄・冷却し市販薬を使用。症状が長引く場合は皮膚科でステロイド外用薬等による治療を受け、ネズミ対策・室内清潔維持で再発を予防することが重要。
🎯 1. イエダニとはどのような生き物か
イエダニ(家ダニ)は、学名を「Ornithonyssus bacoti」または「Dermanyssus gallinae」といい、日本の住宅内で問題となることが多い吸血性のダニです。体長はおよそ0.6〜1ミリメートルほどで、肉眼でも確認できる大きさではありますが、非常に小さいため気づきにくいのが特徴です。
イエダニはネズミや鳥などの動物に寄生して血を吸いながら生きています。本来の宿主はネズミ(クマネズミやドブネズミなど)であり、ネズミが近くにいる環境では特に発生しやすいといわれています。ネズミが死んだり、巣を離れたりすると、宿主を失ったイエダニが人間に向かって移動し、刺すことがあります。
イエダニは卵・幼虫・前若虫・後若虫・成虫という段階を経て成長します。成虫になると活発に動き回り、宿主の血を吸います。吸血するのは主に夜間であるため、朝起きたら体に発疹やかゆみができていたという形で被害に気づくケースが多くみられます。
また、イエダニは高温多湿の環境を好み、繁殖力が非常に高いという特徴があります。気温が25〜30度程度の夏場は特に活発になるため、夏から秋にかけてイエダニによる被害が増加する傾向があります。
Q. イエダニはどのような生き物で、なぜ人を刺すのか?
イエダニは体長0.6〜1ミリの吸血性ダニで、本来はネズミや鳥に寄生して血を吸います。宿主のネズミが死んだり巣を離れたりすると、代わりに人間を刺すことがあります。吸血は主に夜間に行われるため、朝起きると発疹に気づくケースが多い特徴があります。
📋 2. イエダニが発生しやすい環境
イエダニが発生しやすい環境を理解しておくことは、予防の観点からとても重要です。まず最も大きな要因となるのは、家の中や周辺にネズミが生息していることです。ネズミはイエダニの主な宿主であり、ネズミが住み着いている家では必然的にイエダニが増殖しやすくなります。
ネズミが侵入しやすい場所としては、台所や床下、屋根裏、倉庫などが代表的です。特に古い木造住宅はネズミが入り込みやすく、イエダニの発生リスクが高いといえます。ネズミの糞や足跡、食べ物のかじり跡などが見つかった場合は、イエダニも発生している可能性を念頭に置いておく必要があります。
また、鳥の巣が建物の軒下やベランダに作られている場合にも注意が必要です。鳥も宿主となるため、ヒナが巣立った後や鳥が死んだ後に、宿主を失ったイエダニが室内に侵入してくることがあります。
さらに、湿気の多い環境もイエダニにとって好ましい条件となります。換気が不十分な部屋や、結露が発生しやすい場所はイエダニが潜みやすい環境です。特に梅雨の時期から夏にかけては湿度が高くなるため、注意が必要です。
住宅密集地や古い集合住宅では、隣の部屋からイエダニが侵入してくるケースもあるため、自分の家だけの問題ではないこともあります。建物全体での対策が必要になる場合もあります。
💊 3. イエダニに刺された時の症状
イエダニに刺された場合の症状について、具体的に説明します。症状の特徴を把握しておくと、原因の特定や適切な対処につながります。
🦠 かゆみと発疹
イエダニに刺されると、刺された部位に強いかゆみが生じます。これはイエダニが吸血する際に唾液を注入するためで、唾液に含まれる成分に対するアレルギー反応として皮膚に炎症が起こります。かゆみは刺されてすぐに現れる場合もあれば、数時間後から始まる場合もあります。
発疹は赤い点状のものが多く、刺し跡の中央に小さな赤い点(刺し口)が見られることもあります。発疹の周囲が腫れて赤くなり、丘疹(ぽつぽつした盛り上がり)や膨疹(蕁麻疹様の腫れ)が現れることもあります。複数の箇所を刺されることも多く、複数の発疹がまとまって出現することがあります。
👴 刺される部位の特徴
イエダニが刺す部位にはある程度の傾向があります。衣服で覆われていない露出した部分を刺すことが多く、腕や足、首筋、腹部などが刺されやすいとされています。ただし、衣服の隙間から入り込んで刺すこともあるため、衣服で覆われた部分に発疹が出ることもあります。
また、同じ場所に集中して刺されるケースと、体のあちこちにまばらに刺されるケースがあります。寝ている間に刺されることが多いため、体の接地面(背中や腰など)に発疹が集中することもあります。
🔸 症状の経過
かゆみと発疹のピークは刺されてから数時間から1〜2日後に現れることが多く、適切なケアを行えば1〜2週間程度で症状が治まるのが一般的です。しかし、かきむしってしまうと皮膚のバリア機能が低下し、細菌感染(とびひなど)を引き起こすリスクがあります。かゆみが強くても、できる限りかかないように注意することが大切です。
💧 アレルギー反応が強い場合
体質によっては、イエダニに刺されることで強いアレルギー反応が出ることがあります。広範囲に蕁麻疹が出たり、患部が大きく腫れたりする場合があります。通常、呼吸困難や意識消失といった重篤なアナフィラキシー反応はまれですが、症状が急激に悪化する場合は速やかに医療機関を受診することが必要です。
✨ 感染症のリスク
イエダニは吸血性であるため、感染症を媒介する可能性があります。日本では、イエダニが「ネズミを宿主とするリケッチア」などを媒介するリスクが指摘されています。リケッチア症は発熱や発疹などの症状を引き起こす感染症ですが、日本国内での発生は比較的まれです。ただし、刺された後に高熱や倦怠感、全身症状が現れた場合は、感染症の可能性も視野に入れて医療機関を受診することが重要です。
Q. イエダニと疥癬・ツメダニの症状の違いは?
イエダニ・ツメダニ・疥癬はいずれも強いかゆみと赤い発疹が現れるため、見た目での自己判断は困難です。疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生する感染症で、線状発疹と夜間の激しいかゆみが特徴的であり、人から人へ感染します。症状が気になる場合は皮膚科で適切な診断を受けることが重要です。
🏥 4. イエダニと他のダニの違い
ダニによる皮膚症状は種類によって異なります。イエダニと混同されやすいダニについて比較してみましょう。
📌 ツメダニとの違い
ツメダニはイエダニと同様に住宅内に生息するダニですが、本来はチリダニなどの小さなダニを捕食して生きています。人間に対して積極的に吸血するわけではなく、間違って刺すことが多いとされています。刺された時の症状はイエダニとよく似ており、かゆみと赤い発疹が現れます。ツメダニはカーペットや畳の中に多く潜んでいるため、床で過ごす時間が長い人や乳幼児が刺されやすい傾向があります。
▶️ チリダニ(ヒョウヒダニ)との違い
チリダニ(ヒョウヒダニ)は最も一般的な室内ダニで、人の皮膚のフケや垢を食べて生きています。直接人を刺すことはなく、その死骸や糞がアレルギーの原因物質(アレルゲン)となり、アトピー性皮膚炎や気管支喘息、アレルギー性鼻炎などを引き起こすことで知られています。皮膚を直接刺すイエダニとは作用する仕組みが異なります。
🔹 マダニとの違い
マダニは主に野外(森林、草むらなど)に生息する大型のダニで、体長は約2〜3ミリメートル(吸血後は10ミリメートル以上になることも)あります。マダニはSFTS(重症熱性血小板減少症候群)やライム病など、重篤な感染症を媒介することで知られています。アウトドアや農作業後に体に貼り付いているのが見つかることが多く、イエダニとは生息環境や見た目が大きく異なります。
📍 疥癬(カイセンダニ)との違い
疥癬はヒゼンダニが皮膚に寄生することで引き起こされる感染症です。皮膚の角質層に穴を掘って寄生するため、激しいかゆみ(特に夜間)と独特の発疹(疥癬トンネルと呼ばれる線状の発疹)が現れます。イエダニによる症状と混同されることがありますが、疥癬は人から人へ感染するため、感染経路や対処法が異なります。疥癬が疑われる場合は皮膚科での診断が必須です。
⚠️ 5. イエダニに刺された場合の応急処置
イエダニに刺されたと気づいた際の応急処置について説明します。正しい対処を行うことで、症状の悪化を防ぐことができます。
💫 患部を清潔にする
まず、刺された部分を流水で丁寧に洗い流します。石鹸を使って優しく洗うことで、ダニの唾液成分や汚れを除去します。ゴシゴシと強く洗うと皮膚を傷つけてしまうため、優しく泡立てて洗い流すようにしましょう。
🦠 冷やしてかゆみを和らげる
かゆみが強い場合は、清潔なタオルに包んだ保冷剤や冷たいタオルを患部に当てることで、かゆみを一時的に和らげることができます。冷やすことで炎症反応を抑え、かゆみの感覚を鈍らせる効果が期待できます。ただし、直接氷を当て続けると凍傷になる可能性があるため注意が必要です。
👴 市販薬を使用する
かゆみに対しては、市販の虫刺され用クリームや抗ヒスタミン成分を含む外用薬が有効です。ステロイド成分が含まれているものは炎症を抑える効果がありますが、使用上の注意をよく読んでから使用してください。症状が改善しない場合や悪化する場合は、自己判断での市販薬の使用を続けずに医療機関を受診することをお勧めします。
🔸 かかないようにする
かゆみが強くてもかき壊すことは避けましょう。かいてしまうと皮膚のバリア機能が壊れ、細菌が侵入しやすくなります。とびひ(伝染性膿痂疹)や蜂窩織炎(ほうかそうえん)などの二次感染を引き起こすリスクがあります。特にお子さんの場合は、就寝中に無意識にかいてしまうことがあるため、爪を短く切っておくことも一つの方法です。
Q. イエダニに刺されたときの応急処置の手順は?
イエダニに刺されたら、まず患部を石鹸と流水で優しく洗い流します。次に保冷剤などで患部を冷やしてかゆみを和らげ、市販の抗ヒスタミン成分入り虫刺され薬を塗布します。かき壊すととびひなどの二次感染リスクが高まるため、かゆくても極力触れないことが大切です。
🔍 6. 医療機関を受診すべき目安
イエダニに刺された後、どのような場合に医療機関を受診すべきかを判断するための目安を解説します。
まず、かゆみや発疹が市販薬を使用しても改善しない場合や、1週間以上症状が続く場合は皮膚科を受診することをお勧めします。症状が軽度であれば市販薬で対処できることもありますが、症状が長引く場合は適切な治療薬が必要になります。
次に、患部が大きく腫れたり、赤みが広がったりしている場合は、細菌感染の可能性があります。発赤の拡大、患部の熱感、膿の形成などが見られる場合は、速やかに医療機関を受診してください。抗菌薬による治療が必要になることがあります。
また、刺された後に発熱、倦怠感、リンパ節の腫れなどの全身症状が現れた場合は、感染症の可能性を考慮して医療機関を受診することが重要です。特に高熱が続く場合はリケッチア症などの感染症の可能性があるため、早めに受診してください。
さらに、広範囲に蕁麻疹が出たり、呼吸困難やのどの締め付け感などが現れた場合はアナフィラキシーの可能性があり、緊急の対応が必要です。このような場合はすぐに救急車を呼ぶか、救急医療機関を受診してください。
乳幼児や高齢者、免疫機能が低下している方は症状が悪化しやすいため、早めに医療機関を受診することを検討してください。
📝 7. 皮膚科での治療方法
イエダニに刺されて皮膚科を受診した場合、どのような診断・治療が行われるのかを説明します。
💧 診断
皮膚科での診断は、主に発疹の形状、分布、かゆみの特徴、発症の経緯などを問診して行われます。イエダニによる皮膚炎は「虫刺症」として診断されることが多く、発疹の見た目や患者さんの生活環境(ネズミの存在、鳥の巣の有無など)も診断の参考になります。
疥癬やアレルギー性皮膚炎など、似たような症状を引き起こす疾患との鑑別も重要です。必要に応じて皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察したり、アレルギー検査を行ったりすることもあります。
✨ 外用薬(塗り薬)による治療
イエダニによる皮膚炎の主な治療法は、ステロイド外用薬(副腎皮質ホルモン)の塗布です。ステロイド外用薬には炎症を抑えてかゆみを和らげる効果があり、症状の程度や患部の部位に応じて強さの異なる薬剤が使用されます。顔や首など皮膚が薄い部位には弱いステロイドが、体幹や四肢には中程度のステロイドが使用されることが多いです。
ステロイドを使用したくない場合や軽症の場合は、非ステロイド系の抗炎症薬(NSAIDs含有外用薬)が処方されることもあります。ただし、ステロイド外用薬と比べると炎症を抑える効果はやや劣ります。
📌 内服薬による治療
かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン薬の内服が処方されることがあります。抗ヒスタミン薬はアレルギー反応を抑えてかゆみを軽減する効果があり、飲み薬として服用します。眠くなる副作用があるものと少ないものがあり、患者さんの状況に合わせて処方されます。
二次感染(細菌感染)が起きている場合は、抗菌薬の内服や外用が行われます。感染の程度によって適切な抗菌薬が選択されます。
▶️ 治療期間の目安
適切な治療を行えば、多くの場合1〜2週間程度で症状は改善します。ただし、かきむしって皮膚のバリアが壊れている場合や、二次感染が起きている場合は治療期間が長くなることがあります。また、イエダニの駆除を行わずにいると再び刺されてしまうため、治療と並行して環境対策も必要です。
Q. イエダニの再発を防ぐための予防策は何か?
イエダニの再発予防には、宿主であるネズミの侵入経路となる外壁の隙間をパテや金属メッシュで塞ぐことが最重要です。加えて週2回以上の掃除機がけ、室内湿度60%以下の維持、シーツの週1回洗濯による寝具管理も効果的です。軒下に鳥の巣がある場合は、ヒナの巣立ち後に撤去し防鳥ネットの設置も検討しましょう。
💡 8. イエダニの駆除方法
イエダニによる被害を繰り返さないためには、環境からイエダニを駆除することが不可欠です。具体的な駆除方法を解説します。
🔹 宿主(ネズミ・鳥)への対策
イエダニを根本的に駆除するためには、宿主となるネズミや鳥への対策が最重要です。家の中や周辺にネズミがいる場合は、まずネズミの駆除を行います。ネズミ用の粘着トラップや毒餌を使用するか、専門の害獣駆除業者に依頼することを検討してください。
ネズミが死んでいるのを発見した場合、その死骸にはイエダニが大量に付着している可能性があります。素手では触らず、ゴム手袋やビニール袋を使って処理してください。死骸の周囲には殺虫剤を散布しておくと安心です。
ベランダや軒下に鳥の巣がある場合は、ヒナが巣立った後に撤去します(巣にヒナがいる間は鳥獣保護管理法により撤去ができないため注意が必要です)。巣の撤去後は殺虫剤を使用してダニを駆除してください。
📍 殺虫剤・ダニ忌避剤の使用

イエダニが発生していると疑われる場所(床下、屋根裏、押し入れなど)に殺虫剤を散布することで駆除できます。ダニに効果のある殺虫成分(ピレスロイド系など)を含む市販のスプレー製品が利用できます。燻蒸タイプ(バルサンなど)も有効ですが、使用する際はペットや食品などへの影響に注意してください。
寝具や衣類にイエダニが付いている可能性がある場合は、50度以上の熱処理(乾燥機の使用など)が有効です。ダニは高温に弱いため、熱処理によって死滅させることができます。その後、掃除機でしっかりと吸い取ることで、死骸や糞を除去します。
💫 専門業者への依頼
自分での対処が難しい場合や、被害が広範囲に及ぶ場合は、害虫駆除の専門業者に依頼することをお勧めします。専門業者は適切な薬剤と機材を使用して効果的な駆除を行うことができます。費用はかかりますが、確実に駆除するためには専門家の力を借りることも選択肢の一つです。
🦠 駆除後の清掃
殺虫剤の使用後は、ダニの死骸や糞が残らないようにしっかりと清掃を行います。掃除機を使って丁寧に吸い取り、その後ウェットシートや雑巾で拭き掃除をしましょう。掃除機のフィルターは使用後に交換または洗浄してください。また、駆除後は換気を十分に行うことも大切です。
✨ 9. イエダニの予防策
イエダニによる被害を未然に防ぐための予防策について詳しく説明します。日常的に実践できるものが多いため、ぜひ参考にしてください。
👴 ネズミの侵入を防ぐ
イエダニの発生を根本から防ぐためには、宿主であるネズミが家に侵入しないようにすることが最も重要です。家の外壁や基礎部分のひび割れ、換気口、排水口などの隙間をふさいでネズミの侵入経路を塞ぎましょう。特に1センチメートル程度の小さな隙間でもネズミは通り抜けることができるため、パテや金属メッシュなどを使って丁寧に補修することが大切です。
また、ネズミのエサになるものを家の中に放置しないことも重要です。食品は密閉容器に保管し、ゴミ袋はしっかりと封をしてネズミが侵入できない場所に置きましょう。食べ物のかすやゴミを定期的に片付けることで、ネズミが住み着きにくい環境を作ることができます。
🔸 定期的な掃除と換気
室内を清潔に保ち、定期的に掃除機をかけることでダニの数を減らすことができます。特にカーペットやラグ、布製のソファなどはダニが潜みやすいため、重点的に掃除しましょう。掃除機は週2回以上かけることが推奨されています。
換気を十分に行い、室内の湿度を60%以下に保つことでダニが繁殖しにくい環境を作ることができます。エアコンや除湿機を活用して湿度管理を行いましょう。特に梅雨〜夏の時期は湿度が上がりやすいため、意識的に換気と除湿を心がけてください。
💧 寝具の管理
イエダニは寝ている間に刺すことが多いため、寝具の管理は特に重要です。シーツや枕カバーは週1回程度洗濯し、布団は定期的に天日干しをして清潔に保ちましょう。乾燥機が使用できる場合は、高温乾燥でダニを死滅させることができます。
防ダニカバーや防ダニスプレーの使用も予防に役立ちます。市販の防ダニシートを布団の下に敷いたり、防ダニスプレーを定期的に散布したりすることで、ダニの繁殖を抑制できます。
✨ 建物の定期点検
床下や屋根裏など、ネズミが潜みやすい場所を定期的に点検することも予防に効果的です。ネズミの痕跡(糞、足跡、かじり跡など)が見つかった場合は、早めに対処してください。古い建物では特に定期的な点検が重要です。
ベランダや軒下に鳥が巣を作りやすい場合は、防鳥ネットを設置するなどの対策を講じることで、鳥の巣を作らせないようにすることができます。
📌 防虫グッズの活用
市販のダニ取りシートやダニ忌避剤を活用することも有効な予防策の一つです。これらの製品をカーペットや布団、クローゼットなどに設置することで、ダニの数を減らすことができます。ただし、これらはあくまでも補助的な手段であり、根本的な解決にはネズミや鳥への対策と清潔な環境の維持が不可欠です。
▶️ 肌の保護
ダニが多いと思われる環境で作業する場合は、長袖・長ズボンを着用して肌の露出を最小限にしましょう。ダニ忌避効果のある虫除けスプレーを使用することも一つの手段です。ただし、これらはあくまでも刺されるリスクを減らすためのものであり、完全な予防にはなりません。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏から秋にかけてイエダニによる虫刺症のご相談が増える傾向があり、「朝起きたら体にかゆい発疹ができていた」というお悩みで来院される患者様が多くいらっしゃいます。イエダニによる皮膚症状は疥癬やツメダニによるものと見た目が似ていることもあるため、自己判断が難しいケースも少なくなく、適切な診断のもとで治療を進めることが早期回復への近道です。」
📌 よくある質問
刺された部位に強いかゆみと赤い発疹が現れます。発疹は赤い点状のことが多く、周囲が腫れて丘疹や膨疹が生じることもあります。症状のピークは刺されてから数時間〜1〜2日後で、適切なケアを行えば1〜2週間程度で治まるのが一般的です。かき壊すと細菌感染につながるため注意が必要です。
主にネズミや鳥が生息・侵入しやすい環境でイエダニが発生しやすくなります。特に古い木造住宅や床下・屋根裏への侵入口がある家、軒下に鳥の巣がある建物は注意が必要です。また、換気が不十分で湿気の多い環境もイエダニの繁殖を助長するため、夏場は特に気をつけましょう。
まず患部を石鹸と流水で優しく洗い流してください。その後、保冷剤などで冷やしてかゆみを和らげ、市販の虫刺され用クリームや抗ヒスタミン成分入りの外用薬を使用するのが基本的な応急処置です。かき壊すと二次感染のリスクがあるため、かゆくても極力触れないようにしましょう。
自己判断は難しく、イエダニによる皮膚症状は疥癬やツメダニによるものと見た目が似ているケースがあります。疥癬は線状の発疹と夜間の激しいかゆみが特徴で人から人へ感染します。当院でも自己判断が難しいケースは少なくないため、症状が気になる場合は皮膚科を受診して適切な診断を受けることをお勧めします。
根本的な予防には、宿主となるネズミの侵入経路(外壁の隙間など)を塞ぐことが最重要です。加えて、週2回以上の掃除機がけ、室内湿度60%以下の維持、シーツの週1回洗濯など寝具の清潔管理も効果的です。鳥の巣が建物にある場合はヒナの巣立ち後に撤去し、防鳥ネットの設置も検討しましょう。
🎯 まとめ
イエダニは主にネズミや鳥を宿主とし、住宅内に侵入して人を刺す吸血性のダニです。刺されると強いかゆみや赤い発疹が現れ、かき壊すと二次感染のリスクもあります。他のダニとの違いを理解した上で適切な対処を行うことが大切です。
刺された場合の応急処置として、患部を清潔にして冷やし、市販の虫刺され薬を使用することが基本です。症状が改善しない場合や悪化する場合、全身症状が現れた場合は速やかに皮膚科などの医療機関を受診してください。皮膚科ではステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬などによる適切な治療が受けられます。
また、イエダニによる被害を繰り返さないためには、宿主となるネズミや鳥への対策、室内の清潔と換気の維持、寝具の適切な管理など、総合的な予防策を継続することが重要です。症状や環境の状態に不安を感じた際は、専門の医療機関や害虫駆除業者に相談することをお勧めします。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – イエダニを含む各種ダニの種類・生態・刺された際の症状や予防・対処法に関する公式情報
- 国立感染症研究所 – イエダニが媒介するリケッチア症(発疹熱など)の感染症情報・国内発生状況・症状・診断に関する情報
- 日本皮膚科学会 – 虫刺症(ダニ刺症)の皮膚科的診断・ステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬による治療方針・疥癬など類似疾患との鑑別に関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務