夏になると、蚊やアブ、ハチなどに刺されて肌が赤くなる経験をする方は多いのではないでしょうか。虫刺されによる赤みはほとんどの場合、時間が経てば自然に治まりますが、なかには強い腫れやかゆみが続いたり、全身症状が現れたりと、注意が必要なケースもあります。また、虫の種類によって症状の出方や対処法が異なるため、正しい知識を持っておくことが大切です。この記事では、虫刺されで肌が赤くなるメカニズムから、種類別の症状の特徴、自宅でできるケア方法、そして医療機関を受診すべきタイミングまでを詳しく解説します。
目次
- 虫刺されで赤くなるメカニズム
- 虫の種類別に見る赤みの特徴
- 虫刺されの症状チェック|軽症・中等症・重症の見分け方
- 子どもに多い「虫刺され過敏症」とは
- 赤みが長引く・ひどくなる原因
- 自宅でできる応急処置とケア方法
- 市販薬の選び方と使い方
- 病院を受診すべきタイミング
- 虫刺されを予防するための対策
- まとめ
この記事のポイント
虫刺されの赤みは免疫反応が原因で、虫の種類により症状が異なる。軽症は市販薬で対応可能だが、アナフィラキシー症状やマダニ刺傷後の発熱は速やかに医療機関を受診すること。
🎯 虫刺されで赤くなるメカニズム
虫に刺されると、なぜ肌が赤くなったり腫れたりするのでしょうか。これには私たちの免疫システムが大きく関わっています。
蚊などの虫が皮膚を刺す際、唾液腺から分泌液(タンパク質などを含む物質)が体内に注入されます。この物質が体にとって「異物」と認識されると、免疫細胞が反応を起こします。具体的には、マスト細胞(肥満細胞)からヒスタミンをはじめとした炎症性物質が放出され、それが血管を拡張させたり、血管の透過性を高めたりします。その結果として皮膚が赤くなり、腫れやかゆみが生じるのです。
この一連の反応はアレルギー反応の一種であり、医学的には「即時型反応」と「遅延型反応」の2種類があります。
即時型反応は刺されてから数分以内に起こり、赤みやじんましん様の膨疹、かゆみとして現れます。これはIgE抗体を介したアレルギー反応で、比較的早く出現するのが特徴です。一方、遅延型反応は刺されてから数時間後〜数日後に現れ、赤みの拡大や硬結(皮膚が硬くなること)、かゆみの増悪などとして現れます。こちらはT細胞が関与する細胞性免疫によるもので、長引きやすい傾向があります。
虫刺されの反応の強さや持続時間は、個人の体質や免疫状態、これまでの虫との接触歴などによって大きく異なります。虫刺されの経験が少ない子どもは遅延型反応が出やすく、大人でも初めて刺される種類の虫に対しては強く反応することがあります。
Q. 虫刺されで肌が赤くなる仕組みを教えてください
虫が皮膚を刺す際に注入される唾液成分を体が異物と認識し、マスト細胞からヒスタミンなどの炎症性物質が放出されます。これにより血管が拡張して透過性が高まり、赤み・腫れ・かゆみが生じます。刺直後の即時型と数時間〜数日後の遅延型の2種類があります。
📋 虫の種類別に見る赤みの特徴
虫刺されによる赤みは、刺した虫の種類によって見た目や症状が大きく異なります。それぞれの特徴を知っておくと、適切な対処がしやすくなります。
🦠 蚊(カ)
最もよく見られる虫刺されです。刺された直後から赤みと膨疹(盛り上がった発疹)が現れ、強いかゆみを伴います。多くの場合、数時間以内に症状は軽減しますが、体質によっては翌日以降も赤みや硬結が続くことがあります。蚊に刺された部位は境界がはっきりしており、中央に刺し口が確認できることもあります。
👴 ブユ(ブヨ・ブト)
ブユは山間部や渓流近くに多い虫で、蚊と違ってかみちぎるように刺すため、症状が強く出やすいのが特徴です。刺された直後はそれほど痛みを感じないことも多いですが、数時間後から強い赤みと腫れが現れ、1〜2週間ほど症状が続くことがあります。かゆみも非常に強く、掻きこわして二次感染を起こしやすいため注意が必要です。
🔸 アブ
アブも皮膚をかみ切るように刺すため、刺された瞬間に強い痛みを感じます。刺された部位は赤く腫れ上がり、腫れが広範囲に及ぶこともあります。症状の持続時間はブユと同様に長く、数日〜1週間以上続くことがあります。
💧 ハチ(蜂)
ハチに刺された場合は、刺された直後から激しい痛みと赤み、腫れが現れます。特にミツバチに刺された場合は針が皮膚に残ることがあるため、早急に取り除く必要があります。ハチ毒はアレルギー反応を起こしやすく、過去に刺されたことがある人は特に注意が必要です。アナフィラキシーショック(全身の重篤なアレルギー反応)を起こす危険性があるため、刺された後に呼吸困難や意識障害などが現れた場合は直ちに救急対応が必要です。
✨ ダニ
ダニによる刺し傷は、マダニとイエダニ・ツメダニなど種類によって異なります。マダニは野外に生息しており、草むらなどで皮膚に付着して長時間吸血します。刺された部位に赤みと腫れが生じるほか、マダニは感染症(日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群など)を媒介する可能性があるため、発熱などの全身症状が現れた場合は医療機関の受診が必須です。一方、イエダニやツメダニによる刺し傷は比較的小さく、強いかゆみを伴う赤い発疹が複数箇所に見られることが多いです。
📌 ノミ
ノミに刺された場合、小さな赤い点状の発疹が複数できることが多く、強いかゆみを伴います。ペットを飼っている家庭でよく見られ、足首やふくらはぎなど下半身に多く現れる傾向があります。
▶️ 毛虫・チョウ・ガの幼虫
毛虫の毒毛に触れると、接触した部位に赤みとかゆみが現れます。チャドクガやドクガなどの毒毛は非常に細かく、衣服を通して刺さることもあります。症状は数日〜数週間続くことがあり、広範囲に広がることも珍しくありません。
💊 虫刺されの症状チェック|軽症・中等症・重症の見分け方
虫刺されの症状は重症度によって対処法が変わります。自分の症状がどの程度なのかを正しく判断することが重要です。

🔹 軽症の症状
刺された部位に限定した赤みとかゆみ、軽い腫れが見られるものの、日常生活への支障が少ない状態です。発疹の大きさは1〜2センチ程度で、数時間〜数日で症状が軽減します。かゆみがあっても掻かずにいられる程度であれば、市販薬や自宅でのケアで十分対応できることがほとんどです。
📍 中等症の症状
刺された部位の赤みや腫れが強く、患部が直径5センチ以上に及ぶ場合や、症状が1週間以上続く場合は中等症と考えられます。強いかゆみで夜眠れない、掻きすぎて皮膚が傷ついているなどの状態も中等症に含まれます。このような場合は医療機関を受診し、適切な薬を処方してもらうことをおすすめします。
💫 重症・緊急を要する症状
以下の症状が現れた場合は重症と判断し、速やかに医療機関を受診するか、救急対応を取る必要があります。
- 刺された部位以外に全身に蕁麻疹や発疹が広がる
- 顔や喉が腫れて呼吸がしにくい
- めまいや意識の混濁がある
- 血圧低下や脈拍の異常がある
- 嘔吐・下痢・腹痛などの消化器症状がある
- 刺された部位が壊死するように黒ずんでくる
- 高熱・関節痛など全身症状が現れる
これらの症状はアナフィラキシーショックや感染症の可能性があり、命に関わる場合もあるため、迷わず救急車を呼ぶなど緊急対応を取ってください。
Q. ハチに刺された後に救急車を呼ぶべき症状は何ですか
ハチに刺された後、全身に蕁麻疹が広がる、喉が締め付けられる感じがする、呼吸困難・めまい・意識混濁が生じた場合はアナフィラキシーショックの可能性があり、ためらわず救急車を呼ぶ必要があります。数分〜数十分で重篤化するため迅速な対応が命を救います。
🏥 子どもに多い「虫刺され過敏症」とは
子どもが虫に刺された際、大人と比べて極端に赤みや腫れが強く出たり、高熱を伴ったりすることがあります。これは「虫刺され過敏症」と呼ばれる状態で、特にEBウイルス(エプスタイン・バーウイルス)感染との関連が指摘されています。
特に蚊に刺されることで強い局所反応(赤み・腫れ・水疱形成など)とともに、発熱やリンパ節腫脹などの全身症状が現れる「蚊アレルギー」は、EBウイルスの感染との関連が明らかになっています。この病態は「EBウイルス関連T細胞・NK細胞リンパ増殖症」の一部として分類されており、重篤な場合は血液疾患に発展することもあるため、専門医による診断と管理が必要です。
子どもが蚊に刺されるたびに以下のような症状を繰り返す場合は、小児科や皮膚科を受診することをおすすめします。
- 刺された部位が毎回大きく腫れ、水疱ができる
- 高熱(38度以上)が出る
- リンパ節が腫れる
- 倦怠感が強く長引く
一般的な虫刺され過敏症(蚊アレルギーとは別に)は、子どもの免疫システムがまだ発達途上にあるため、虫の唾液成分に対して過剰反応を起こしやすいことで生じます。成長とともに免疫が成熟するにつれて反応が軽減されることが多いですが、症状が強い場合や繰り返す場合は医療機関での評価が必要です。
⚠️ 赤みが長引く・ひどくなる原因
虫刺されによる赤みがなかなか治まらない、あるいは時間が経つにつれてひどくなる場合、いくつかの原因が考えられます。
🦠 掻きすぎによる皮膚バリア機能の低下
かゆみに負けて患部を掻いてしまうと、皮膚が傷ついて炎症がさらに強まり、赤みが悪化します。また、皮膚のバリア機能が低下することで外部からの刺激や細菌に対する防御力が下がり、症状が長引く原因となります。アトピー性皮膚炎などの肌トラブルを抱えている方は特に悪化しやすいため注意が必要です。
👴 二次感染(とびひなど)
掻き傷から細菌(黄色ブドウ球菌や連鎖球菌など)が侵入すると、二次感染を起こすことがあります。いわゆる「とびひ(伝染性膿痂疹)」は子どもに多く見られ、患部から黄色い液が出る、かさぶたができる、周囲に広がるなどの症状が現れます。二次感染を起こした場合は抗菌薬による治療が必要です。
🔸 強いアレルギー反応
体質によっては虫の唾液成分に対するアレルギー反応が強く、患部の腫れや赤みが数週間続くことがあります。特にブユやアブに刺された場合はこの傾向が強く現れます。このような場合はステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬による治療が有効です。
💧 リンパ管炎・蜂窩織炎
虫刺されの傷口から細菌が侵入し、周囲の組織や皮下組織に感染が広がると、蜂窩織炎(ほうかしきえん)を起こすことがあります。皮膚が赤く熱を持ち、広範囲に腫れが広がる場合や、皮膚から赤い線が伸びているように見える場合(リンパ管炎)は、速やかに医療機関を受診してください。抗菌薬による治療が必要です。
✨ 虫刺されによる感染症
マダニに刺された場合は特に注意が必要で、ライム病、日本紅斑熱、重症熱性血小板減少症候群(SFTS)などの感染症を媒介することがあります。刺されてから数日後に発熱、発疹、倦怠感などが現れた場合は、マダニに刺された可能性を医師に伝えて診察を受けることが重要です。
Q. マダニに刺された場合、自分で取り除いてもよいですか
マダニを自分で無理に引き抜こうとすると、口器が皮膚内に残ったり体液が逆流して感染リスクが高まるため推奨されません。できるだけ早く医療機関で除去してもらうことが重要です。刺された後に発熱・発疹・倦怠感が現れた場合は感染症の疑いがあるため速やかに受診してください。
🔍 自宅でできる応急処置とケア方法
虫刺されの軽症〜中等症の場合、適切な自宅ケアによって症状を軽減することができます。以下の方法を参考にしてみてください。
📌 刺された直後の応急処置
まず、流水で患部をよく洗い流します。これにより虫の唾液成分や毒素の一部を取り除くことができます。ハチに刺された場合で針が残っているときは、ピンセットや爪を使って横に払うようにして取り除きます(針を押しつぶすようにすると毒液が押し出されてしまうため注意が必要です)。
洗い流した後は清潔なタオルで水気を拭き取り、患部を冷やします。冷やすことでかゆみや腫れを一時的に抑える効果があります。ただし、氷を直接当てると凍傷になる恐れがあるため、保冷剤などを薄いタオルに包んで使用してください。
▶️ かゆみへの対処
かゆみは非常につらいですが、できるだけ掻かないことが大切です。掻くことで皮膚が傷つき、炎症が悪化して症状が長引く原因となります。患部を冷やしたり、抗ヒスタミン成分入りの市販薬を使用したりすることでかゆみを抑えられます。
特に就寝中に無意識に掻いてしまう場合は、包帯などで覆って直接掻けないようにする工夫が有効です。子どもの場合は爪を短く切っておくことも大切です。
🔹 毛虫の毒毛が付いた場合
毛虫の毒毛に触れた場合は、擦ったり掻いたりせずに、粘着テープで毒毛を剥ぎ取るようにして除去します。その後は流水でよく洗い流します。洗う際は擦らずに水をかけるだけにとどめてください。
📍 マダニが刺さっている場合
マダニが皮膚に刺さって吸血している場合、自分で無理に引き抜こうとすると、マダニの口器が皮膚内に残ったり、マダニの体液が逆流して感染リスクが高まったりする可能性があります。できるだけ早めに医療機関を受診して取り除いてもらうことをおすすめします。
📝 市販薬の選び方と使い方
ドラッグストアなどで購入できる虫刺され向けの市販薬は大きく以下の種類に分けられます。自分の症状に合ったものを選ぶことが重要です。
💫 抗ヒスタミン薬(外用)
ジフェンヒドラミンやクロルフェニラミンなどの成分が配合された塗り薬です。ヒスタミンの働きを抑えることでかゆみを軽減します。虫刺されの基本的なかゆみ止めとして広く使用されており、刺されてすぐに塗ることで効果的にかゆみを抑えることができます。
🦠 ステロイド外用薬(市販)
ヒドロコルチゾンなど弱いランクのステロイドが配合された市販薬もあります。炎症を抑える効果があり、赤みや腫れにも有効です。ただし、市販のステロイド薬は効果が比較的弱いため、症状が強い場合は医療機関で適切な強さのステロイド薬を処方してもらうことをおすすめします。また、顔や陰部などへの使用、乳幼児への使用は医師や薬剤師に相談してから使用してください。
👴 抗ヒスタミン薬(内服)
かゆみが広範囲に及ぶ場合や、塗り薬だけでは対応しきれない場合は、抗ヒスタミン成分を含む内服薬が効果的です。市販の抗アレルギー薬の中には虫刺されのかゆみにも使用できるものがあります。使用前に必ず添付文書を確認し、用法用量を守って使用してください。
🔸 市販薬使用上の注意点

市販薬は症状が軽〜中程度の場合の一時的な対処法として有用ですが、使用しても症状が改善しない場合や悪化する場合は医療機関を受診してください。特に妊娠中・授乳中の方、乳幼児、持病のある方は使用前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。また、薬の使用期間の目安として、1週間程度使用しても改善が見られない場合は受診を検討してください。
Q. 子どもが蚊に刺されるたびに高熱が出るのは問題ですか
蚊に刺されるたびに大きな腫れや水疱、38度以上の発熱、リンパ節腫脹を繰り返す場合は「虫刺され過敏症(蚊アレルギー)」の可能性があります。EBウイルス感染との関連が指摘されており、重篤な血液疾患に発展するケースもあるため、皮膚科または小児科への受診をおすすめします。
💡 病院を受診すべきタイミング
虫刺されのほとんどは自宅ケアや市販薬で対応できますが、以下の状況では速やかに医療機関を受診することが重要です。
💧 緊急に受診が必要なケース
ハチに刺された後、全身に蕁麻疹が出る、喉が締め付けられるような感じがする、呼吸困難になるなどのアナフィラキシー症状が現れた場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。アナフィラキシーショックは数分〜数十分で重篤な状態に陥ることがあり、迅速な対応が命を救います。エピペン(アドレナリン自己注射薬)を持っている方は速やかに使用してください。
✨ 早めに受診を検討すべきケース
- マダニに刺されたと思われる場合(特に野外活動後)
- 刺されてから数日後に発熱・発疹・倦怠感が現れた場合
- 患部が広範囲に腫れ、熱感・痛みが強い場合(蜂窩織炎の疑い)
- 患部から黄色い液が出る、または悪臭がする場合(感染の疑い)
- 子どもが刺された部位に大きな水疱ができ、発熱を伴う場合
- 市販薬を1週間以上使用しても症状が改善しない場合
- 症状が軽快と悪化を繰り返している場合
- かゆみで日常生活や睡眠に支障が出ている場合
📌 受診する診療科
虫刺されで受診する場合は、一般的に皮膚科が適しています。皮膚科では症状に応じてステロイド外用薬や抗ヒスタミン薬の内服、場合によっては抗菌薬などを処方してもらうことができます。感染症が疑われる場合は内科や感染症科への紹介が行われることもあります。また、アナフィラキシーが疑われる場合はまず救急外来を受診してください。
アイシークリニック大宮院では、虫刺されによる皮膚トラブルのご相談にも対応しております。症状が気になる方はお気軽にご相談ください。
✨ 虫刺されを予防するための対策
虫刺されの最善の対策は、そもそも刺されないようにすることです。日常生活でできる具体的な予防策をご紹介します。
▶️ 肌を露出しない
屋外で活動する際は、長袖・長ズボンを着用して肌の露出を最小限にすることが基本的な予防策です。特に山林や草むら、水辺などに行く際は、足首や手首なども覆える服装を心がけましょう。薄い色(白・ベージュなど)の服の方が虫を引き寄せにくいとされています。
🔹 虫よけ剤を活用する
現在市販されている虫よけ剤には、ディート(DEET)やイカリジン(ピカリジン)などの有効成分が含まれているものがあります。これらは蚊だけでなく、ブユやダニなどにも一定の忌避効果があります。
ディートは効果が高く長時間持続しますが、乳幼児への使用制限があります(生後6ヶ月未満は使用不可、6ヶ月〜2歳は1日1回、2〜12歳は1日3回まで)。イカリジンはディートに比べて肌への刺激が少なく、年齢制限がないため子どもにも使いやすい成分です。使用前に必ず添付文書を確認し、適切に使用してください。
📍 屋内の虫対策
自宅では窓や玄関に網戸を設置し、虫の侵入を防ぐことが重要です。蚊取り線香や電気式虫よけ器も有効な手段です。ペットを飼っている場合はノミ・ダニ予防のためのペット用ケアも定期的に行いましょう。
💫 ハチへの対策
ハチは強い匂いに引き寄せられる傾向があるため、屋外では香水や整髪料の使用を控えることが有効です。また、ハチの巣を発見した場合は自分で取り除こうとせず、専門業者に依頼することをおすすめします。過去にハチに刺されてアレルギー反応が出たことがある方は、かかりつけ医に相談し、エピペンの処方を検討してもらうことも重要です。
🦠 マダニへの対策
野外活動の後は全身をよくチェックし、マダニが付いていないか確認することが重要です。特に耳の後ろ、首、わきの下、ひざの裏、陰部などの柔らかい皮膚部分に付着しやすいため、注意して確認してください。帰宅後はすぐに衣服を着替えてシャワーを浴びることも有効な予防策です。
👴 刺されやすい時間帯・場所を知る
蚊は日没前後に活発になることが多く、この時間帯の屋外活動はなるべく避けるか、しっかりと対策をした上で行うことをおすすめします。ブユは渓流周辺、マダニは草むらや森林など、虫の生息環境を事前に把握しておくことも予防に役立ちます。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏場を中心に虫刺されによる皮膚トラブルのご相談を多くいただいており、「市販薬を使っても症状が長引く」「患部がどんどん腫れてきた」といったケースが少なくありません。虫の種類によっては蜂窩織炎やマダニ媒介感染症など、早期の医療対応が必要な状態に発展することもあるため、「たかが虫刺され」と様子を見すぎずに、気になる症状があればお早めにご相談いただくことをおすすめします。正しい診断と適切な治療で、多くの方が速やかに症状を改善されていますので、どうぞ安心してご来院ください。」
📌 よくある質問
虫が皮膚を刺す際に注入される唾液成分を体が「異物」と認識し、免疫細胞からヒスタミンなどの炎症性物質が放出されることで赤みや腫れ、かゆみが生じます。この反応はアレルギー反応の一種で、刺されてすぐに現れる「即時型」と、数時間〜数日後に現れる「遅延型」の2種類があります。
全身に蕁麻疹が広がる、喉が締め付けられる感じがする、呼吸が困難になる、めまいや意識の混濁が生じるなどのアナフィラキシー症状が現れた場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。アナフィラキシーショックは数分〜数十分で重篤な状態になる可能性があり、迅速な対応が命を救います。
まず流水で患部を洗い流し、保冷剤をタオルで包んで冷やすことでかゆみや腫れを一時的に抑えられます。市販の抗ヒスタミン成分入りの塗り薬や、弱いステロイド外用薬も有効です。掻いてしまうと炎症が悪化して症状が長引くため、できるだけ掻かないことが重要なポイントです。
毎回刺された部位が大きく腫れ、水疱ができる、38度以上の発熱やリンパ節の腫れを繰り返す場合は「虫刺され過敏症(蚊アレルギー)」の可能性があります。EBウイルス感染との関連が指摘されており、重篤な血液疾患に発展するケースもあるため、アイシークリニック大宮院など皮膚科・小児科への受診をおすすめします。
自分で無理に引き抜こうとすると、マダニの口器が皮膚内に残ったり、体液が逆流して感染リスクが高まったりする危険があります。できるだけ早めに医療機関で取り除いてもらうことを推奨します。刺された後、数日以内に発熱・発疹・倦怠感が現れた場合は感染症の可能性があるため、速やかに受診してください。
🎯 まとめ
虫刺されによる赤みは、虫の唾液や毒素に対する免疫反応(アレルギー反応)が原因で起こります。刺した虫の種類によって症状の出方や程度は異なり、蚊による軽度の赤みから、ハチやブユによる強い腫れ・痛み、さらにはアナフィラキシーショックのような重篤な状態まで幅広い症状が現れます。
軽度の症状であれば、冷やす・掻かない・市販の抗ヒスタミン薬やステロイド外用薬を使用するといった自宅ケアで対応できます。しかし、全身症状が現れる場合や症状が長引く・悪化する場合、マダニに刺された可能性がある場合などは速やかに医療機関を受診することが重要です。
特にハチに刺されたあとに呼吸困難や意識障害などのアナフィラキシー症状が出た場合は、ためらわずに救急車を呼んでください。
また、虫刺されを予防するためには、適切な服装・虫よけ剤の使用・屋内外の環境整備などが有効です。正しい知識を持って虫刺されに備えることで、夏のアウトドアも安心して楽しめるようになります。
虫刺されによる皮膚トラブルでお困りの方、症状が気になる方は、アイシークリニック大宮院へお気軽にご相談ください。専門的な診察と適切な治療で、お悩みをサポートいたします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 虫刺されによる皮膚炎(刺咬症)の診断・治療に関するガイドラインおよび即時型・遅延型アレルギー反応、ステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬の使用指針の参照
- 国立感染症研究所 – マダニ媒介感染症(重症熱性血小板減少症候群・日本紅斑熱・ライム病など)の疫学情報、感染経路、予防策および蚊アレルギー(EBウイルス関連リンパ増殖症)に関する情報の参照
- 厚生労働省 – マダニ・蚊などの虫刺されに関連した感染症対策、虫よけ剤(ディート・イカリジン)の使用上の注意、アナフィラキシー対応を含む公衆衛生上の予防指針の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務