太ももの内側にいつの間にかしこりができていた…そんな経験はありませんか?
🗨️ 「痛くないし、そのうち消えるだろう…」
👆 この判断、実はとても危険です。
しこりの原因はさまざまで、なかには早めの対処が必要なケースもあります。この記事を読めば、
- ✅ しこりの正体と原因が分かる
- ✅ 受診すべきタイミングが分かる
- ✅ 悪性腫瘍の見分け方が分かる
🚨 こんな症状はすぐ読んで!
しこりが急に大きくなった・硬い・1か月以上続いている…該当するなら放置NGです。
目次
- 太もも内側のしこりとは?まず知っておきたい基礎知識
- 痛くないしこりの主な原因①:脂肪腫(リポーマ)
- 痛くないしこりの主な原因②:リンパ節の腫れ
- 痛くないしこりの主な原因③:粉瘤(アテローム)
- 痛くないしこりの主な原因④:ガングリオン
- 痛くないしこりの主な原因⑤:血管腫・静脈瘤
- 気をつけるべきしこり:悪性腫瘍の可能性
- しこりを自己判断するのが難しい理由
- 病院を受診すべきタイミングと目安
- 何科を受診すればよいか
- 受診時に伝えるべきポイント
- しこりの診断に用いられる検査方法
- 日常生活での注意点
- まとめ
この記事のポイント
太もも内側の痛くないしこりは、脂肪腫・粉瘤・リンパ節腫脹などが主な原因で多くは良性だが、急速な増大・硬さ・全身症状がある場合は悪性腫瘍の可能性があり、1か月以上続く場合は皮膚科や外科への受診が推奨される。
💡 太もも内側のしこりとは?まず知っておきたい基礎知識
「しこり」とは、皮膚の下や組織の中にできた硬い塊や膨らみのことを指します。太ももの内側は、皮下脂肪組織・リンパ管・血管・筋肉・神経など、さまざまな組織が密集している部位です。そのため、さまざまな原因からしこりが生じやすい場所でもあります。
しこりがあっても痛みがない場合、多くの方が「大したことではないのかもしれない」と判断してしまいます。しかし、痛みがないこと自体は必ずしも安全性の証明にはなりません。むしろ、悪性の腫瘍は初期段階で痛みを伴わないケースが多く、無痛性のしこりが重篤な疾患のサインである可能性もゼロではないのです。
一方で、太もも内側のしこりの多くは良性のものであり、過度に心配する必要がない場合も多々あります。大切なのは、しこりの性質を正確に把握して、必要に応じて適切な医療機関を受診することです。ここからは、太もも内側に痛くないしこりができる主な原因を一つずつ丁寧に見ていきましょう。
Q. 太もも内側にできる痛くないしこりの主な原因は?
太もも内側の痛くないしこりには、脂肪腫(リポーマ)・粉瘤(アテローム)・鼠径リンパ節の腫れ・ガングリオン・血管腫や静脈瘤などが主な原因として挙げられます。多くは良性ですが、原因によって対処法が異なるため、1か月以上続く場合は医療機関への受診が推奨されます。
📌 痛くないしこりの主な原因①:脂肪腫(リポーマ)
太ももの内側にできる痛くないしこりとして、最も多く見られるのが「脂肪腫(リポーマ)」です。脂肪腫とは、皮下脂肪組織にある脂肪細胞が異常増殖してできた良性の腫瘍です。脂肪の塊がそのまま皮膚の下に固まったものとイメージするとわかりやすいかもしれません。
脂肪腫の特徴としては、以下のような点が挙げられます。まず、触ったときに柔らかく、ぶよぶよとした質感があります。また、指で押すと少し動かせることが多く、皮膚の下を滑るような感覚があります。表面の皮膚は通常通りの色をしており、見た目には大きな変化がないことがほとんどです。
サイズは数ミリのものから数センチのものまでさまざまで、ゆっくりと年単位で大きくなることがあります。痛みがないため、気づかないうちにかなり大きくなっているケースも珍しくありません。太もも、背中、肩、腕など体のさまざまな部位にできますが、太もも内側は特にできやすい部位の一つとされています。
脂肪腫は基本的に悪性化することは極めてまれですが、大きくなって神経や血管を圧迫したり、日常生活に支障をきたしたりする場合は外科的に摘出します。摘出手術は局所麻酔で行えることが多く、比較的負担の少ない処置です。
なお、脂肪腫と似た名前で「脂肪肉腫」という悪性腫瘍がありますが、これは外見だけでの鑑別が困難なため、専門医による診断が必要です。特に急速に大きくなるしこりや硬さがある場合は、早めに受診することが重要です。
✨ 痛くないしこりの主な原因②:リンパ節の腫れ
太ももの内側(鼠径部付近)には、「鼠径リンパ節」と呼ばれるリンパ節が集まっています。リンパ節は免疫機能を担う重要な器官で、細菌やウイルスなどの異物が体内に侵入した際に活発に働きます。感染症や炎症が起きたとき、このリンパ節が腫れ、しこりのように感じられることがあります。
通常、リンパ節の腫れは感染症が原因であることが多く、足や下半身の感染・炎症が治まれば自然に縮小します。たとえば、足の傷や爪周囲炎(陥入爪)、性感染症などが引き金になることがあります。
リンパ節の腫れが痛みを伴わない場合は、慢性的な炎症や腫瘍性疾患(リンパ腫など)の可能性も考えられます。特に、1か月以上しこりが縮小しない、複数か所でリンパ節が腫れている、発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴うといった場合には、悪性リンパ腫などの可能性も否定できないため、速やかな受診が必要です。
鼠径部のリンパ節腫脹は、下肢の表在リンパ系のドレナージの要所であるため、足先から腹部にかけての広い範囲の異常を反映している場合があります。単なる感染症の反応か、それとも全身疾患のサインかを見極めるためにも、専門家の診察が重要です。
🔍 痛くないしこりの主な原因③:粉瘤(アテローム)
「粉瘤(ふんりゅう)」あるいは「アテローム」とも呼ばれるこの疾患は、毛穴や汗腺が詰まることで、皮膚の下に老廃物(皮脂や角質)が袋状に蓄積したものです。体のどこにでもできますが、太もも内側のように摩擦が起きやすい部位にも発生します。
粉瘤の特徴として、触るとやや硬めで丸みのある形をしていることが多く、中心部に小さな開口部(黒い点)が見えることがあります。匂いのある白いチーズ状の内容物を含んでおり、押すと出てくることもあります。
通常は痛みがなく、長期間かけてゆっくりと大きくなります。しかし、細菌感染を起こすと急速に赤く腫れ上がり、激しい痛みを伴う「炎症性粉瘤」になることがあります。この状態になると、切開排膿が必要になる場合もあるため、感染前に摘出しておくことが理想的です。
粉瘤は自然に消えることはなく、内容物を絞り出しただけでは再発します。根治するためには袋ごと完全に摘出する手術が必要です。局所麻酔での日帰り手術で対応できることが多く、炎症がない状態のほうが手術はしやすいとされています。
Q. 太もも内側のしこりで悪性腫瘍が疑われる特徴は?
太もも内側のしこりで悪性腫瘍が疑われる特徴は、①数週間〜数か月で急速に大きくなる、②触ると硬く動きにくい、③大きさが5センチを超える、④筋肉内など深部にある、⑤発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴う、の5点です。これらに該当する場合は早急な受診が必要です。
💪 痛くないしこりの主な原因④:ガングリオン
ガングリオンは、関節包や腱鞘から粘液が漏れ出して袋状になったもので、ゼリー状の液体を含んだ嚢胞(のうほう)性のしこりです。手首や足首にできることが多いものの、太ももの内側の関節や腱の近くにも発生することがあります。
触るとぷるぷるとした弾力があり、皮膚の下でやや動きます。多くの場合は無症状ですが、サイズが大きくなって神経を圧迫すると痛みやしびれが生じることもあります。
ガングリオンは自然に消えることもありますが、再発を繰り返すケースもあります。症状がなければ経過観察でよいことが多いですが、大きさが増している場合や症状がある場合は、穿刺(注射器で中の液体を抜く)や手術での摘出が検討されます。ただし穿刺は再発率が高く、根治には手術が有効とされています。
🎯 痛くないしこりの主な原因⑤:血管腫・静脈瘤
血管腫は、血管の異常な増殖によってできる良性の腫瘍です。皮膚の表面に近いものは赤みやあざのように見えますが、深い部位にある場合はしこりとして触れられることがあります。太もも内側の皮下に存在する場合、触ると柔らかく、圧迫すると一時的に小さくなる(血液が移動するため)という特徴があります。
また、太ももの内側は太い静脈が走っており、静脈瘤が生じることもあります。静脈瘤は静脈弁の機能不全により血液が逆流・うっ滞して血管が拡張・蛇行する状態です。見た目には蚯蚓(ミミズ)のように血管が浮き出て見えることがありますが、深い部分では皮膚の上からはわかりにくく、しこりのように感じられることもあります。
静脈瘤は放置していると、むくみ、だるさ、かゆみなどの症状が悪化することがあります。長時間立ち仕事をしている方や、妊娠・出産経験のある女性に多い傾向があります。治療は弾性ストッキングの着用、硬化療法(薬剤注入)、レーザー治療、手術などがあります。
💡 気をつけるべきしこり:悪性腫瘍の可能性
太もも内側のしこりの多くは良性ですが、まれに悪性腫瘍(がん)である可能性があります。代表的なものとして、軟部組織肉腫(脂肪肉腫・滑膜肉腫・横紋筋肉腫など)や悪性リンパ腫などが挙げられます。これらは早期発見・早期治療が予後に大きく影響するため、以下のような特徴が当てはまる場合には注意が必要です。
まず、しこりが短期間(数週間〜数か月)で急速に大きくなっている場合は要注意です。良性腫瘍は一般的にゆっくり成長するため、急速な増大は悪性の可能性を示唆します。次に、触ったときに硬く、周囲の組織との境界が不明確で動きにくいしこりも注意が必要です。良性の腫瘍は比較的境界明瞭で動くことが多いのとは対照的です。
また、5センチを超えるような大きなしこりや、皮膚の深い部位(筋肉の中など)にあると感じられるしこりも、悪性の可能性を考える目安になります。さらに、発熱・体重の急激な減少・夜間の寝汗・倦怠感などの全身症状を伴っている場合も、悪性リンパ腫などの可能性があるため速やかな受診が必要です。
「痛みがないから大丈夫」と自己判断するのは危険です。悪性腫瘍は初期段階では痛みを伴わないことが多く、痛みが出てきた頃にはすでに進行しているケースもあります。気になるしこりがある場合は、自己診断せずに医療機関を受診することを強くお勧めします。
Q. 太もも内側のしこりは何科を受診すればよい?
太もも内側のしこりは、まず皮膚科または一般外科の受診が適しています。リンパ節の腫れが疑われる場合は血液内科、静脈瘤が疑われる場合は血管外科が専門です。どの科か迷う場合はかかりつけ医や総合内科に相談すると適切な診療科を紹介してもらえます。アイシークリニックでも皮下のしこりを丁寧に診察しています。

📌 しこりを自己判断するのが難しい理由
しこりの性質は、外見や触感だけで正確に判断することが非常に難しいです。たとえば、脂肪腫と脂肪肉腫は触ってみた感触が似ており、専門家でも超音波検査やMRI検査、さらには病理組織検査(生検)をしなければ確定診断ができないことがあります。
また、インターネット上には多くの健康情報があふれており、自分の症状を検索して「これはきっと脂肪腫だ」「粉瘤だろう」と自己診断してしまう方も多いです。しかし、似た症状でも原因が全く異なることがあり、誤った自己診断によって受診が遅れることは避けたい事態です。
さらに、しこりの大きさや位置は触るだけでは正確に把握できません。皮膚の上から触れているしこりが実際には深部の筋肉内にまで及んでいることもあり、表面から判断できる情報には限界があります。
しこりを正確に評価するためには、問診・視診・触診に加え、超音波検査(エコー検査)やCT・MRIなどの画像検査が必要になることが多く、これらは医療機関でしか実施できません。自己判断で安心するのではなく、専門家の意見を求めることが最も重要です。
✨ 病院を受診すべきタイミングと目安
しこりに気づいたとき、どのタイミングで病院を受診すればよいか悩む方も多いと思います。以下に、受診を検討すべき目安をまとめました。
まず、しこりが1か月以上消えない・縮小しない場合は受診をお勧めします。感染症によるリンパ節の腫れであれば、通常は数週間で落ち着きます。それ以上続く場合は他の原因を疑う必要があります。
次に、しこりが急速に大きくなっている場合も要注意です。数週間〜数か月で明らかにサイズが増している場合は、早めに受診してください。また、しこりが5センチを超えるような場合や、深部にある(筋肉の中にある)ように感じられる場合も精密検査が必要です。
触ったときに硬い・動かない・境界がわかりにくいといった特徴があるしこりも、悪性腫瘍の可能性を考えて受診したほうがよいでしょう。さらに、発熱・体重減少・寝汗・倦怠感などの全身症状を伴っている場合は、早急に受診することが求められます。
逆に、しこりが小さく(1〜2センチ以下)、柔らかく動きやすく、長期間変化がない場合は良性である可能性が高いですが、それでも一度は医師に診てもらうことで安心感を得られます。「こんなことで受診してもいいのか」と心配せずに、気になったら相談する姿勢を持つことが大切です。
🔍 何科を受診すればよいか
太ももの内側にしこりができた場合、どの診療科を受診すればよいかわからない方も多いと思います。基本的には以下の診療科が対応しています。
まず、皮膚科は粉瘤・脂肪腫・血管腫など、皮膚や皮下組織のしこりを得意としています。触診や必要に応じて超音波検査を行い、適切な診断と治療方針を提示してくれます。粉瘤や脂肪腫の摘出手術も皮膚科で対応できることが多いです。
外科(一般外科)は、しこりの種類を問わず幅広く診ることができます。腫瘍の摘出手術が必要な場合もスムーズに対応してもらえます。脂肪腫・粉瘤・ガングリオンの摘出手術は外科でも行っています。
リンパ節の腫れが疑われる場合は、血液内科や腫瘍内科への受診が必要になることがあります。最初に皮膚科や外科を受診して紹介状をもらうことも多いです。
静脈瘤が疑われる場合は、血管外科や循環器外科(心臓血管外科)が専門です。硬化療法やレーザー治療など、静脈瘤専門の治療が受けられます。
どの科を受診すればよいか迷う場合は、かかりつけ医や総合病院の総合内科に相談し、適切な診療科を紹介してもらうのが一番スムーズです。
Q. 太もも内側のしこりの診断に使われる検査は?
太もも内側のしこりの診断では、まず問診・視診・触診が行われます。次に超音波検査(エコー検査)でしこりの内部構造や深さを確認します。悪性腫瘍が疑われる場合や深部にある場合はMRI検査が実施されます。最終的な確定診断が必要な際は、組織を採取して顕微鏡で調べる生検(バイオプシー)が行われることもあります。
💪 受診時に伝えるべきポイント
受診の際には、医師が正確に診断するために必要な情報を整理して伝えることが大切です。以下のポイントを事前にまとめておくと、スムーズな診察につながります。
しこりに気づいた時期:いつ頃からしこりがあるか、最初に気づいたのはいつかを伝えてください。数日前なのか、数か月前なのかで診断の方向性が変わります。
大きさの変化:最初に気づいたときと比べて、しこりが大きくなっているか、同じ大きさか、小さくなっているかを観察して伝えましょう。
触感・硬さ:柔らかいか硬いか、動くか動かないか、弾力があるかどうかなど、触ってみた感触を言葉で伝えてください。
痛みの有無:今は痛みがなくても、過去に痛みがあったかどうかも重要な情報です。最近少し触ると違和感がある、などの微妙な感覚も伝えましょう。
全身症状の有無:発熱・体重減少・倦怠感・夜間の寝汗などがある場合は必ず伝えてください。
既往歴・家族歴:過去にがんや腫瘍の治療を受けたことがある方、家族にがんの多い方は申告しておくことが重要です。また、現在服用中の薬があれば薬の名前もメモしておきましょう。
生活習慣・職業:長時間立ち仕事をしているか、激しい運動をしているかなども診察の参考になることがあります。
🎯 しこりの診断に用いられる検査方法

しこりの診断には、さまざまな検査が用いられます。どのような検査が行われるかを事前に知っておくと、受診時の不安が軽減されます。
問診・視診・触診は最初に行われる基本的な診察です。しこりの大きさ・形・質感・動きなどを直接確認します。経験豊富な医師であれば、触診だけでもある程度の診断方向性をつけることができます。
超音波検査(エコー検査)は、しこりの内部構造や深さ、周囲の組織との関係を確認するために用いられます。リアルタイムで観察できるうえに放射線被曝がなく、痛みも少ないため非常に多用される検査です。脂肪腫・粉瘤・ガングリオン・リンパ節腫脹などの鑑別に役立ちます。
MRI検査(磁気共鳴画像検査)は、軟部組織の詳細な描出に優れており、しこりの性状・深さ・広がり・周囲組織との関係を詳しく評価するために使われます。特に悪性腫瘍が疑われる場合や深部にある場合は必須の検査です。
CT検査は、しこりと周囲の骨・血管・臓器との関係を把握するために行われることがあります。リンパ節の腫れが広範囲に及ぶ場合や、腫瘍の転移がないかを確認するためにも使われます。
血液検査は、感染症・炎症・腫瘍マーカーなどを調べるために行われます。リンパ腫などの血液疾患が疑われる場合は、白血球の分画(種類別の数)も確認されます。
生検(バイオプシー)は、しこりの一部または全体を取り出して顕微鏡で調べる検査です。画像検査だけでは診断がつかない場合や、悪性腫瘍が疑われる場合に行われます。確定診断を得るための「最終手段」とも言える検査です。
💡 日常生活での注意点
しこりに気づいてから受診するまでの間、また診断を受けてから経過観察が決まった場合など、日常生活で気をつけておきたいことをご紹介します。
まず、しこりを自分で無理やり押しつぶしたり、針で刺したりするのは絶対に避けてください。特に粉瘤の場合、中の内容物を押し出そうとすると、周囲の組織に内容物が漏れ出して炎症を引き起こすことがあります。また、傷口から細菌が入り込んで感染症を起こすリスクもあります。
しこりの変化を定期的に観察することは大切ですが、頻繁に触りすぎることもよくありません。刺激を与え続けることで、炎症を引き起こしたり、周囲組織への影響が出たりすることがあります。観察する際は、週に1回程度を目安に大きさや状態を確認するようにしましょう。
静脈瘤が疑われる場合は、長時間同じ姿勢で立ったり座ったりすることを避け、こまめに足を動かすことが大切です。弾性ストッキングの着用も静脈還流を助けるために有効です。また、足を高くして休む(就寝時に足の下に枕を置くなど)ことで、むくみや静脈のうっ滞を改善できます。
太ももの内側は皮膚が摩擦を受けやすい部位でもあります。しこりがある部分の衣類の摩擦を避けるため、肌にやさしい素材の服を選ぶことも一つの配慮です。特に粉瘤がある方は、摩擦で刺激が加わると炎症を起こしやすくなるため注意が必要です。
生活習慣全般としては、バランスの取れた食事・適度な運動・十分な睡眠・禁煙・節酒など、基本的な健康管理を心がけることが免疫機能の維持に役立ちます。定期的な健康診断の受診も、体全体の変化を早期にキャッチするためにお勧めです。
また、精神的な不安やストレスも健康に影響を与えます。しこりのことが気になって眠れない、日常生活に支障が出ているという場合は、早めに受診して医師に相談することで不安を解消することが最善策です。「これは大丈夫なのだろうか」という不安を抱えたまま過ごすよりも、専門家に判断してもらうことが、精神的にも身体的にも最善の選択です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、太ももの内側にできたしこりを「痛みがないから」と長期間放置された後にご来院される患者さまが少なくありません。脂肪腫や粉瘤など良性のものが多い一方で、触診だけでは脂肪肉腫などの悪性腫瘍との鑑別が難しいケースもあるため、超音波検査などを用いた正確な診断が非常に重要です。気になるしこりがある場合は、「これくらいなら大丈夫」と自己判断せず、まずはお気軽にご相談いただくことで、早期に安心していただける診断と適切な治療方針をご提案できます。」
📌 よくある質問
痛みがないからといって必ずしも安全とは言えません。脂肪腫や粉瘤など良性のケースが多いですが、悪性腫瘍は初期段階で痛みを伴わないことが多いため、1か月以上しこりが消えない場合や、急速に大きくなっている場合は早めに医療機関を受診することをお勧めします。
しこりの種類によって異なりますが、まずは皮膚科または外科(一般外科)の受診が適しています。リンパ節の腫れが疑われる場合は血液内科、静脈瘤が疑われる場合は血管外科が専門です。どこに行けばよいか迷う場合は、かかりつけ医や総合内科に相談すると適切な診療科を紹介してもらえます。
以下の特徴がある場合は注意が必要です。①数週間〜数か月で急速に大きくなっている、②触ると硬く動きにくい、③大きさが5センチを超えている、④筋肉の中など深い部位にある、⑤発熱・体重減少・寝汗などの全身症状を伴っている。これらに当てはまる場合は、早急に医療機関を受診してください。
問診・視診・触診による基本的な診察に加え、超音波検査(エコー検査)でしこりの内部構造や深さを確認します。悪性腫瘍が疑われる場合や深部にある場合はMRI検査が行われます。さらに確定診断が必要な場合は、しこりの組織を取り出して顕微鏡で調べる生検(バイオプシー)が実施されることもあります。
絶対に避けてください。特に粉瘤の場合、内容物を無理に押し出すと周囲の組織に漏れ出して炎症を引き起こす恐れがあります。また、傷口から細菌が侵入し感染症を起こすリスクもあります。しこりへの過度な刺激は症状を悪化させる可能性があるため、気になる場合はアイシークリニックなどの医療機関にご相談ください。
✨ まとめ
太ももの内側にできる痛くないしこりは、脂肪腫・粉瘤・リンパ節の腫れ・ガングリオン・血管腫・静脈瘤など、さまざまな原因が考えられます。多くは良性のものですが、なかには悪性腫瘍が隠れているケースもあるため、自己判断で放置し続けることはお勧めできません。
特に、しこりが急速に大きくなっている・硬くて動かない・全身症状を伴っているといった場合は、早急な受診が必要です。一方で、そのような症状がなくても、しこりが1か月以上続いている場合や、気になって不安が続いている場合も、医師に相談することをお勧めします。
受診の際は、皮膚科・外科・血管外科など、しこりの種類や場所に応じた診療科を選びましょう。どこを受診すればよいか迷う場合は、かかりつけ医や総合内科への相談が助けになります。アイシークリニック大宮院では、皮膚や皮下組織のしこりについても丁寧に診察しておりますので、気になる症状がある方はお気軽にご相談ください。
しこりは「見えない」「痛くない」からこそ、気づかぬうちに変化していることがあります。日頃から自分の体に関心を持ち、異変を感じたら早めに行動することが、健康を守るための最も大切なステップです。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 脂肪腫・粉瘤(アテローム)・血管腫などの皮膚・皮下腫瘍の診断基準や治療ガイドラインの参照
- 日本形成外科学会 – 脂肪腫・ガングリオン・粉瘤などの良性軟部腫瘍の摘出手術の適応や術式に関する情報の参照
- 厚生労働省 – 悪性腫瘍(軟部組織肉腫・悪性リンパ腫など)の早期発見・受診の重要性に関する情報の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務