「口の端が切れて痛い」「何度も同じ場所が荒れる」「食事のたびに口を開けるのが辛い」――こうしたお悩みを持つ方は意外に多く、特に季節の変わり目や体調不良のときに悩まされやすい症状です。口の端が切れる状態は「口角炎(こうかくえん)」と呼ばれ、一見するとただの乾燥や荒れのように見えますが、その背景には栄養不足・ウイルス感染・カンジダ菌・免疫力の低下などさまざまな原因が潜んでいることがあります。この記事では、口角炎の原因から症状の特徴、自分でできるケア方法、そして繰り返す・なかなか治らない場合の受診の目安まで、医療的な観点から詳しく解説します。
目次
- 口の端が切れる「口角炎」とはどんな状態?
- 口角炎の主な原因を詳しく解説
- 口角炎になりやすい人の特徴
- 口角炎の症状と進行のパターン
- 自分でできるケア・対処法
- 口角炎に効果的な栄養素と食事
- 病院・クリニックを受診するべき目安
- 口角炎の治療法
- 口角炎を繰り返さないための予防策
- まとめ
この記事のポイント
口角炎はビタミンB群不足・カンジダ感染・ヘルペスウイルスなど多様な原因で発症する。保湿や栄養補給などセルフケアが有効だが、2週間以上改善しない場合や繰り返す場合はアイシークリニックなど医療機関での原因特定と適切な治療が重要。
🎯 口の端が切れる「口角炎」とはどんな状態?
口角炎とは、口の両端または片端(口角)の皮膚や粘膜が炎症を起こし、亀裂・ただれ・かさぶたなどが生じる状態を指します。医学的には「angular stomatitis(アンギュラー・ストマタイティス)」とも呼ばれ、口角部分に特有の病変が現れるのが特徴です。
症状としては、口の端が赤くなる・裂けて切れる・かさぶたができる・ジクジクとした滲出液が出るなどが挙げられます。口を開けるたびに亀裂部分が引っ張られて痛みを感じることが多く、食事や会話に支障をきたすこともあります。
多くの場合、数日から1週間程度で自然に改善しますが、体の免疫力が低下しているときや適切なケアができていないときは、2週間以上長引いたり、同じ場所を繰り返し繰り返し傷めたりすることがあります。また、口角炎は単独で起こることもありますが、口の中の粘膜炎(口内炎)を伴う「口角口内炎」として現れることも珍しくありません。
見た目が似ているものに「口唇ヘルペス」があります。こちらはヘルペスウイルスによる感染症で、水ぶくれ(水疱)が特徴的に現れます。口角炎との見分けが難しいこともあるため、自己判断だけに頼らず、症状が長引く場合や再発を繰り返す場合は専門医に相談することが大切です。
Q. 口角炎の主な原因にはどのようなものがありますか?
口角炎の原因は多岐にわたります。最も多いのはビタミンB2・B6などビタミンB群や鉄分の不足です。また、カンジダ菌(真菌)や細菌感染、単純ヘルペスウイルス、免疫力の低下や過度なストレス・疲労も発症に関与します。複数の要因が重なって起こることも多いのが特徴です。
📋 口角炎の主な原因を詳しく解説
口の端が切れる原因は一つではなく、複数の要因が重なって発症することも多いです。代表的な原因を一つひとつ見ていきましょう。
🦠 ビタミン・ミネラル不足
口角炎の最もよく知られた原因のひとつが、ビタミンB群(特にビタミンB2・B6)や鉄分などの栄養素不足です。これらの栄養素は皮膚や粘膜の健康を保つために欠かせないものであり、不足すると口の端だけでなく口の中や舌にも炎症が起きやすくなります。
ダイエットや偏食、高齢者の食事量低下などにより摂取量が不足するケースがよく見られます。また、ビタミンB群は水溶性であるため体内に蓄積されにくく、意識して毎日補給する必要があります。
👴 カンジダ(真菌)感染
カンジダ・アルビカンスというカビの一種(真菌)が原因となる口角炎も多く見られます。カンジダ菌は健康な人の口の中にも常在していますが、免疫力の低下・抗菌薬の長期使用・ステロイド薬の使用などによって菌が過剰に増殖し、炎症を引き起こします。
カンジダ性口角炎は、白っぽいかさぶたや付着物が口の端に見られることが特徴的です。一般的な保湿クリームや市販薬では改善しにくく、抗真菌薬が必要となるため、疑わしい場合は医療機関での診断が重要です。
🔸 細菌感染
黄色ブドウ球菌などの細菌が口角に感染し、炎症を引き起こすことがあります。特に口角が濡れやすい環境(よだれが多い乳幼児・高齢者・入れ歯を使用している方など)では、湿潤な状態が続くことで細菌が繁殖しやすくなります。
💧 乾燥・物理的刺激
空気の乾燥する冬場や、マスクの着用による摩擦なども口角炎の引き金となります。口元が乾燥すると、無意識のうちに舌で口の端をなめる行為が増えますが、唾液には消化酵素などが含まれており、繰り返し口の端につくことで皮膚を刺激し、炎症を悪化させてしまうのです。
✨ ストレス・疲労・免疫力の低下
過度なストレスや睡眠不足、慢性的な疲労は免疫機能を低下させ、感染への抵抗力を弱めます。その結果、常在菌であるカンジダや細菌が増殖しやすくなり、口角炎が発症しやすくなります。「体が疲れると口の端が切れる」という経験をされた方は、このパターンに当てはまることが多いです。
📌 口唇ヘルペスとの関連
単純ヘルペスウイルス(HSV-1)が口角に感染した場合、口角部分に水疱が形成され、それが破れた後に切れたような状態になることがあります。ヘルペスウイルスは一度感染すると体内に潜伏し、免疫力が低下したときに再活性化する特性があります。口角周辺に小さな水ぶくれや痒みが先行する場合は、口唇ヘルペスを疑う必要があります。
▶️ 全身疾患が背景にある場合
口角炎を繰り返す場合は、糖尿病・貧血・炎症性腸疾患(クローン病など)・免疫不全(HIV感染など)といった全身疾患が背景にある可能性も考えられます。これらの疾患は免疫機能や栄養吸収に影響を与えることがあり、口角炎が症状の一つとして現れることがあります。
💊 口角炎になりやすい人の特徴
口角炎は誰にでも起こりうるものですが、特に発症しやすい傾向がある方のグループがあります。以下に当てはまる方は注意が必要です。
まず、食生活が偏っている方や極端なダイエットをしている方は、ビタミンB群・鉄分・亜鉛などが不足しがちで、皮膚や粘膜の防御力が低下しやすくなります。次に、高齢の方も注意が必要です。加齢に伴い唾液の分泌量が変化したり、入れ歯の合いが悪くなることで口角に継続的な刺激が加わったりするため、口角炎が起きやすくなります。
乳幼児もよだれの多さから口角が湿潤な状態になりやすく、カンジダや細菌感染を起こしやすい傾向があります。また、抗菌薬(抗生物質)を長期間服用している方は、正常な口内フローラのバランスが乱れることでカンジダが増殖しやすくなります。ステロイド薬(吸入薬含む)を使用している方も同様です。
さらに、糖尿病の方は高血糖の環境が感染に対する抵抗力を弱め、真菌や細菌が繁殖しやすい状態を作ります。鉄欠乏性貧血がある方も粘膜が弱くなりやすいため、口角炎のリスクが高まります。ストレスを抱えがちな方や慢性的な睡眠不足がある方も、免疫機能の低下を通じて口角炎を発症しやすくなります。
Q. カンジダ性口角炎はどのような症状が特徴ですか?
カンジダ性口角炎では、口の端に白っぽい偽膜状の付着物(白い苔のようなもの)が見られるのが特徴です。拭き取ると下の皮膚が赤くただれています。一般的な保湿クリームや市販薬では改善しにくく、医療機関で処方される抗真菌薬による治療が必要となります。
🏥 口角炎の症状と進行のパターン
口角炎の症状は、原因によって若干異なりますが、共通して見られる症状と特徴的な症状があります。
初期の症状としては、口の端がヒリヒリとした違和感や軽いかゆみを伴うことから始まることが多いです。その後、皮膚が赤みを帯びて乾燥し、小さな亀裂が入り始めます。この段階で適切なケアをすれば比較的早く回復しますが、放置したり悪化要因が続いたりすると、より深い亀裂が生じ、出血・かさぶた・浸出液(ジクジクした分泌物)が現れてきます。
カンジダが原因の場合は、白っぽい偽膜状の付着物(白い苔のようなもの)が口の端に見られ、拭き取ると下が赤くただれていることがあります。細菌感染の場合は、膿を伴う湿った状態になりやすい傾向があります。ヘルペスウイルスが原因の場合は、炎症の前後に小さな水疱が集まって現れ、それが破れてびらん状になることが特徴です。
痛みの程度は人によって異なりますが、特に口を大きく開けるとき(食事・あくび・笑うなど)に亀裂が広がって鋭い痛みを感じることが多いです。ひどい場合は食事を摂ることが困難になったり、口元を動かすたびに出血したりすることもあります。
⚠️ 自分でできるケア・対処法
軽度の口角炎であれば、日常的なセルフケアで改善できることがあります。ここでは、自分でできる対処法を紹介します。
🔹 保湿を徹底する
ワセリンやリップクリームなどを口の端に塗ることで、乾燥からの保護と亀裂の悪化防止に役立ちます。特に就寝前に塗布しておくと、就寝中の乾燥を防ぐ効果が期待できます。ただし、カンジダや細菌感染が疑われる場合は、これだけでは改善しないため注意が必要です。
📍 舌でなめるのをやめる
乾燥が気になって口の端を舌でなめてしまう習慣がある方は、できるだけその行為を控えるようにしましょう。唾液が繰り返し口角に付着することで、皮膚への刺激が増し炎症が悪化するリスクがあります。保湿ケアをこまめに行い、舌でなめたくなる衝動を抑えるようにしましょう。
💫 市販薬を活用する
ビタミンB2・B6を含むビタミン剤(チョコラBBなど)は薬局で購入でき、栄養性の口角炎には有効な場合があります。また、抗炎症成分を含む口内炎用の軟膏(ケナログなど)が口角炎に使われることもありますが、カンジダが原因の場合は悪化する可能性があるため、原因が不明な場合は安易に使用しないことが大切です。
🦠 刺激物を避ける
辛い食べ物・塩分の濃い食べ物・酸っぱい食べ物などは口角に当たると痛みや刺激を与え、回復を遅らせる原因になります。また、硬い食品や口を大きく開けることが必要な食べ物(バーガーや大きなサンドイッチなど)も、亀裂を広げる可能性があるため、症状が落ち着くまで避けるのが賢明です。
👴 口周りの清潔を保つ
食後は口の周りをやさしく拭き、汚れが残らないようにしましょう。ただし、患部をゴシゴシとこすることは炎症を悪化させるため、やわらかいティッシュやガーゼでそっと拭くようにします。また、使いかけのリップクリームなどを家族と共有することは感染リスクを高めるため避けましょう。
🔸 十分な睡眠と休養をとる
免疫力の回復には、質の良い睡眠と適切な休養が不可欠です。睡眠中は成長ホルモンが分泌されて組織の修復が行われるため、口角炎の回復を助ける効果があります。慢性的な睡眠不足が続いている場合は、生活リズムを見直すことが根本的な予防・改善につながります。
Q. 口角炎の回復を助ける栄養素と食品を教えてください
口角炎の改善には、皮膚・粘膜の健康を維持するビタミンB2(レバー・卵・納豆)、ビタミンB6(マグロ・バナナ)、傷の修復を促すビタミンC(ピーマン・キウイ)、粘膜を強化する鉄分(ほうれん草・赤身肉)、免疫機能を助ける亜鉛(牡蠣・チーズ)を積極的に摂取することが効果的です。
🔍 口角炎に効果的な栄養素と食事
栄養面から口角炎にアプローチすることも重要です。特に注目すべき栄養素と、それを多く含む食品を紹介します。
💧 ビタミンB2(リボフラビン)
皮膚や粘膜を正常に保つために欠かせないビタミンです。不足すると口角炎・舌炎・口内炎などの症状が現れやすくなります。レバー・うなぎ・乳製品(牛乳・チーズ)・卵・納豆・アーモンドなどに豊富に含まれています。
✨ ビタミンB6(ピリドキシン)
タンパク質の代謝に関わり、皮膚や粘膜の健康維持に働きます。マグロ・カツオ・鶏のささみ・バナナ・じゃがいも・ニンニクなどに多く含まれています。
📌 ビタミンC
コラーゲンの合成を助け、傷の修復を促進します。また免疫機能のサポートにも重要な役割を果たします。ピーマン・ブロッコリー・柑橘類・イチゴ・キウイフルーツなどに豊富に含まれています。熱に弱いため、できるだけ生で摂るか加熱時間を短くする工夫が大切です。
▶️ 鉄分
鉄欠乏性貧血がある場合は、粘膜が特に傷つきやすくなります。レバー・赤身肉・牡蠣・ほうれん草・小松菜・ひじきなどから積極的に摂取しましょう。ビタミンCと一緒に摂ると吸収率が上がります。
🔹 亜鉛
細胞の新生や免疫機能に深く関わっています。牡蠣・豚レバー・牛赤身肉・チーズ・大豆製品などに多く含まれています。亜鉛不足は皮膚や粘膜のターンオーバーを遅らせるため、回復が遅くなることがあります。
日々の食事でこれらの栄養素を意識して摂ることが理想的ですが、食生活がどうしても偏りがちな場合や消化吸収の問題がある場合は、栄養補助食品(サプリメント)を利用することも選択肢のひとつです。
📝 病院・クリニックを受診するべき目安
軽度の口角炎はセルフケアで改善することも多いですが、以下のような場合は早めに医療機関を受診することを検討してください。
まず、2週間以上経過しても改善が見られない場合は受診をすることをお勧めします。適切なケアをしているにもかかわらず長引く場合は、カンジダや細菌などの感染が関与していたり、全身的な疾患が背景にある可能性があります。
次に、同じ場所を繰り返し繰り返し傷める場合も注意が必要です。口角炎が月に何度も繰り返される場合は、根本的な原因(栄養不足・免疫低下・全身疾患など)にアプローチする必要があります。
また、水疱(水ぶくれ)が先行して現れる場合は、単純ヘルペスウイルスによる口唇ヘルペスの可能性があります。ヘルペスは早期に抗ウイルス薬を使用するほど治療効果が高いため、症状の初期段階での受診が望ましいです。
さらに、白っぽい付着物が口の端にある、周囲に膿のようなものが見られるといった場合は、カンジダや細菌感染が疑われます。これらは自己判断での市販薬使用で悪化することもあるため、医療機関での診断が重要です。
糖尿病・貧血・免疫疾患などの持病がある方が口角炎を発症した場合も、早めに主治医または専門医に相談することが安心です。
受診する診療科としては、皮膚科・口腔外科・耳鼻咽喉科・歯科などが挙げられます。特に原因不明の場合や全身疾患との関連が疑われる場合は、内科を受診して血液検査を行い、栄養状態や血糖値・貧血の有無などを確認してもらうのも有効です。
Q. 口角炎で病院を受診すべき目安はいつですか?
適切なセルフケアを行っても2週間以上改善しない場合、同じ場所を繰り返し傷める場合、水疱が先行して現れる場合、口の端に白い付着物や膿が見られる場合は早めの受診が必要です。アイシークリニックでも口の端の症状や繰り返す口角炎についてご相談を受け付けております。
💡 口角炎の治療法
医療機関での口角炎の治療は、原因に応じて適切な方法が選択されます。
📍 カンジダ(真菌)感染の場合
抗真菌薬の外用剤(クリームまたは液体)が処方されます。代表的なものにはミコナゾール・クロトリマゾールなどがあります。重症の場合は内服の抗真菌薬が使われることもあります。治療期間は通常1〜2週間程度ですが、免疫力の状態によっては長くかかることもあります。
💫 細菌感染の場合
抗菌薬(抗生物質)の外用剤が処方されます。ムピロシンやフシジン酸などが使用されることがあります。感染が広範囲に及んでいる場合は、内服薬が追加されることもあります。
🦠 ヘルペスウイルスの場合

抗ウイルス薬(アシクロビル・バラシクロビルなど)が内服または外用で処方されます。症状の初期段階での使用が最も効果的です。ヘルペスは完治せず潜伏感染が続くため、再発した場合も早期に医療機関を受診することが重要です。
👴 栄養不足の場合
ビタミンB群や鉄分などを補うための栄養補給が行われます。医薬品のビタミン剤が処方されたり、必要に応じて点滴で補給されることもあります。また、食事指導が行われることで、根本的な栄養改善を図ります。
🔸 炎症のコントロール
炎症が強い場合は、ステロイド外用剤が短期間使用されることがあります。ただし、カンジダが関与している場合はステロイドにより悪化することがあるため、原因の特定が先決です。また、保湿効果のある外用剤(亜鉛含有クリームやワセリン)が処方されて、患部の保護と回復促進に役立てられます。
💧 歯科・口腔外科的対応
入れ歯(義歯)の不適合が口角炎の原因となっている場合は、義歯の調整や再作成が必要になることがあります。噛み合わせの問題が口角への継続的な刺激となっている場合も同様に、歯科的な対応が口角炎の根本的な改善につながります。
✨ 口角炎を繰り返さないための予防策
一度口角炎を発症した方は再発しやすい傾向があります。繰り返さないためには、日常的な予防習慣を身につけることが大切です。
✨ バランスの取れた食生活を心がける
ビタミンB群・鉄分・亜鉛・ビタミンCを意識して摂取することが、粘膜の健康維持に直結します。「主食・主菜・副菜」を揃えた食事を基本とし、加工食品や外食に偏らないようにしましょう。特に極端なダイエット(カロリー制限・特定食品の除去など)は栄養不足を招きやすいため注意が必要です。
📌 口元の保湿習慣をつける
乾燥しやすい季節は特に、リップクリームやワセリンで口元の保湿をこまめに行いましょう。乾燥した室内では加湿器を使用して湿度を50〜60%程度に保つことも効果的です。
▶️ 口腔衛生を整える
歯磨きやうがいを習慣的に行い、口の中の細菌・真菌のバランスを保つことが大切です。舌苔(舌の汚れ)が多い方は舌クリーナーを使うことも有効です。また、入れ歯(義歯)を使用している方は、毎日の洗浄・管理を徹底し、定期的に歯科で義歯の適合確認をしてもらいましょう。
🔹 免疫力を維持するライフスタイルを作る
規則的な睡眠・適度な運動・ストレスのコントロールが免疫力の維持に重要です。仕事や育児で忙しい方も、週に数回30分程度のウォーキングや軽い体操を取り入れることで、体の自然治癒力と免疫機能を底上げすることができます。
📍 薬を適切に使用する
抗菌薬やステロイド薬を長期間使用する必要がある場合は、カンジダが増殖しやすくなるリスクがあることを意識しておきましょう。特に吸入ステロイドを使用している方は、吸入後に必ずうがいをすることで口腔内のカンジダ増殖を抑制することができます。
💫 持病のコントロールを怠らない
糖尿病・貧血・自己免疫疾患などの持病がある方は、主治医の指示に従って病状を安定させることが口角炎の予防にも間接的につながります。定期的な血液検査で栄養状態や血糖値を把握し、異常があれば早めに対処することが大切です。
🦠 タバコ・過度な飲酒を控える
喫煙は口腔内の環境を悪化させ、粘膜の抵抗力を弱めることがわかっています。また、過度な飲酒はビタミンB群の吸収を妨げ、肝臓の代謝機能にも影響を与えます。口角炎の予防という観点からも、節煙・禁煙と適度な飲酒を心がけることは重要です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「口角炎で悩まれる患者様の中に、「乾燥対策だけしていたのになかなか治らない」とお困りの方が少なくなく、診察するとカンジダ感染が背景にあったというケースも決して珍しくありません。口角炎は原因によって適切な治療法が異なるため、市販薬で改善しない場合や2週間以上症状が続く場合は、自己判断で対処し続けるのではなく、早めに専門医にご相談いただくことをお勧めします。」
📌 よくある質問
軽度の口角炎は、適切なケアを行えば数日から1週間程度で自然に改善することが多いです。ただし、免疫力が低下している場合やカンジダ・細菌感染が関与している場合は、2週間以上長引くこともあります。2週間経過しても改善が見られない場合は、専門医への相談をお勧めします。
栄養不足が原因の場合は、ビタミンB2・B6を含む市販のビタミン剤(チョコラBBなど)が有効なことがあります。ただし、カンジダ感染が原因の場合は市販の軟膏では改善しにくく、悪化する可能性もあります。原因が不明な場合は安易な自己判断を避け、症状が長引く場合は医療機関での診断が重要です。
口角炎を繰り返す場合、ビタミンB群・鉄分などの栄養不足、慢性的な免疫力の低下、カンジダ菌の持続的な増殖、あるいは糖尿病・貧血などの全身疾患が背景に潜んでいる可能性があります。繰り返す場合は自己対処だけでは根本解決が難しいため、早めに専門医に相談することをお勧めします。
皮膚科・口腔外科・耳鼻咽喉科・歯科が主な受診先です。原因が特定できない場合や全身疾患との関連が疑われる場合は、内科で血液検査を受け、栄養状態・血糖値・貧血の有無を確認することも有効です。
口唇ヘルペスは、炎症の前後に小さな水疱(水ぶくれ)が集まって現れるのが特徴で、かゆみを伴うことが多いです。一方、口角炎は水疱を伴わず、亀裂・赤み・かさぶたが主な症状です。両者は見分けにくいこともあるため、水疱が先行して現れる場合は口唇ヘルペスを疑い、早めに医療機関を受診してください。
🎯 まとめ
口の端が切れる「口角炎」は、一見すると軽微なトラブルに見えますが、その背景には栄養不足・カンジダや細菌感染・ヘルペスウイルス・免疫力の低下・全身疾患など、さまざまな原因が関与していることがあります。
軽度の場合はセルフケア(保湿・栄養補給・生活習慣の改善)で対応できることもありますが、2週間以上改善しない・繰り返す・白い付着物がある・水疱が先行するといった場合は、専門の医療機関で適切な診断と治療を受けることが大切です。原因を正確に特定しないまま間違った対処を続けると、症状が長引いたり悪化したりすることがあります。
口角炎は「体が出しているサイン」である場合も多く、疲れ・栄養バランスの乱れ・免疫力の低下を知らせてくれているとも言えます。まずは日々の食生活・睡眠・ストレスケアを見直し、それでも改善しない場合は遠慮なく医療機関に相談してみてください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 口角炎の診断・治療方針(カンジダ感染・細菌感染・ヘルペスウイルス感染の鑑別と各種外用薬・抗真菌薬・抗ウイルス薬の使用基準)に関する皮膚科専門医の見解
- 厚生労働省 – ビタミンB2・B6・ビタミンC・鉄分・亜鉛など口角炎の予防・改善に関わる栄養素の推奨摂取量および食事摂取基準
- 国立感染症研究所 – 単純ヘルペスウイルス(HSV-1)による口唇ヘルペスの感染特性・潜伏感染・再活性化のメカニズムおよび抗ウイルス薬による治療に関する情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務