ふと背中を鏡で確認したとき、「あれ、こんなところにほくろがあったっけ?」と気づいて不安になった経験はないでしょうか。
- ✅ 危険なほくろの見分け方(ABCDEルール)
- ✅ 自宅でできる月1回の自己チェック法
- ✅ すぐ受診すべき」サインとは?
- ✅ 除去・治療の方法と費用感
背中は自分で見えにくい分、変化に気づくのが遅れがちな部位。ほくろの多くは良性ですが、中には悪性黒色腫(メラノーマ)が隠れているケースも。早期発見・早期治療が命取りになる前に、正しい知識を身につけておきましょう。
目次
- そもそもほくろとは何か
- 背中にほくろができる主な原因
- 背中にほくろができやすい理由
- 注意が必要なほくろの特徴「ABCDEルール」
- 悪性黒色腫(メラノーマ)との見分け方
- 自己チェックの方法と頻度
- こんな変化があったら受診を検討しよう
- ほくろの診断方法
- ほくろの治療法と除去方法
- ほくろを予防するためのケア
- まとめ
📋 この記事のポイント
背中のほくろは紫外線・遺伝・加齢などで生じ、大半は良性だが悪性黒色腫の可能性もある。ABCDEルール(非対称・境界・色・大きさ・変化)を用いた月1回の自己チェックと、変化を感じたら早めの皮膚科受診が重要。
💡 そもそもほくろとは何か
ほくろは医学的に「色素性母斑(しきそせいぼはん)」または「母斑細胞母斑(ぼはんさいぼうぼはん)」と呼ばれます。皮膚の中に存在するメラノサイト(色素細胞)が変化した母斑細胞と呼ばれる細胞が集まって、皮膚の一部に色素が沈着した状態です。
ほくろの色は褐色から黒褐色のものが一般的ですが、ピンク色や皮膚色に近いものもあります。大きさも直径1ミリ以下の小さなものから、1センチを超える大きなものまでさまざまです。形状も、皮膚と同じ高さで平らなものから、盛り上がってイボ状になったものまで種類があります。
ほくろは生まれつき存在する「先天性母斑」と、生後から徐々に現れる「後天性母斑」に分けられます。後天性のほくろは、思春期以降に増えやすい傾向があり、成人になっても新しくできることがあります。一般的な成人では、全身に20〜30個程度のほくろがあるとされていますが、個人差が大きく、体中に数十〜100個以上ある方もいます。
ほくろ自体は基本的に良性のものですが、加齢や紫外線などの影響で変化することがあります。また、稀ではありますが、悪性化したり、最初から悪性の腫瘍(悪性黒色腫)と見誤るケースもあるため、自己チェックや定期的な観察が大切です。
Q. 背中にほくろができやすい主な原因は何ですか?
背中にほくろができる主な原因は、紫外線・遺伝・ホルモンバランスの変化・加齢・皮膚への摩擦の5つです。背中は日焼け止めが塗りにくく紫外線対策が不十分になりやすい部位であり、慢性的な紫外線ダメージがほくろの増加につながりやすいとされています。
📌 背中にほくろができる主な原因
背中にほくろができる原因にはいくつかの要因が考えられます。主なものを順に見ていきましょう。
✅ 紫外線の影響
ほくろができる原因として最も広く知られているのが紫外線です。紫外線(UV)はメラノサイトを刺激してメラニン色素の生成を促進します。紫外線を長期間にわたって浴び続けることで、メラノサイトが増殖しやすくなり、ほくろが新たにできたり、既存のほくろが濃くなったりすることがあります。
背中は夏の海水浴やプールでの日焼け、スポーツ時の露出などで紫外線を浴びやすい部位です。日焼け止めを塗っても、背中は自分で塗りにくい部位のため、紫外線対策が不十分になりがちです。こうした慢性的な紫外線ダメージの蓄積が、背中のほくろ増加につながることがあります。
📝 遺伝的要因
ほくろの数や種類には遺伝的な要因も関与していることがわかっています。家族にほくろの多い人がいる場合、子どもも多くのほくろを持つ傾向があります。「家族性異型母斑症候群(FAMS)」という遺伝的な体質では、非常に多くのほくろが全身にでき、そのうちの一部が悪性化するリスクが高まることも知られています。
🔸 ホルモンバランスの変化
思春期や妊娠中、更年期など、ホルモンバランスが大きく変化する時期にほくろが増えたり、色が濃くなったりすることがあります。これは女性ホルモンや成長ホルモンがメラノサイトの活動に影響を与えるためです。特に妊娠中は、既存のほくろが大きくなったり色が変わったりすることがあり、この時期は特に注意が必要です。
⚡ 加齢
年齢を重ねるとともに、新しいほくろができることがあります。これは加齢によって皮膚細胞のターンオーバーが乱れ、メラノサイトが異常に増殖しやすくなるためと考えられています。40〜50代以降に背中など体幹部に新しいほくろが現れることは珍しくありません。ただし、高齢になってから急に現れたほくろは、良性のものだけでなく、悪性のものが含まれる可能性もあるため注意が必要です。
🌟 皮膚への摩擦・刺激
衣類や下着、ベルトなどが皮膚に継続的に摩擦を与える部位にほくろができやすいという報告もあります。背中は衣類が常に触れている部位であることから、こうした物理的刺激も一因になることがあります。また、アトピー性皮膚炎などで慢性的に皮膚に炎症が起きている部位も、色素沈着が生じやすい環境になることがあります。
✨ 背中にほくろができやすい理由
全身の中でも背中はほくろができやすい部位のひとつです。その理由として、まず紫外線への暴露量が挙げられます。夏場に外出するとき、顔や腕は日焼け止めを塗っても背中まで念入りにケアする人は少なく、紫外線を受け続けることになります。また、ラッシュガードや長袖を着ないスポーツや海水浴などでは、背中が長時間紫外線にさらされます。
さらに、背中は自分では見えにくい部位であるため、ほくろの変化に気づきにくく、長期間見逃されることがあります。日本皮膚科学会の統計でも、悪性黒色腫が発見されるまでの期間は体幹部(背中や胸)で特に長くなりやすいことが指摘されています。
加えて、背中は皮膚が広い面積を持つ部位であり、その分だけメラノサイトが存在するエリアも広いため、ほくろができる可能性が高くなるという物理的な理由もあります。
Q. ほくろの悪性判断に使う「ABCDEルール」とは?
ABCDEルールとは、ほくろの悪性リスクを自己チェックする国際的な指標です。A(非対称)・B(境界のギザギザ)・C(複数色の混在)・D(直径6mm以上)・E(大きさ・色・形の変化)の5項目で確認します。ただし、最終診断は皮膚科医によるダーモスコピー検査や病理組織検査で行われます。
🔍 注意が必要なほくろの特徴「ABCDEルール」
ほくろが良性か悪性かを素人が完全に判断することはできませんが、「ABCDEルール」と呼ばれる自己チェックの基準が世界的に広く活用されています。これは皮膚科学の分野で、悪性黒色腫(メラノーマ)を早期に疑うための指標として用いられているものです。
💬 A:Asymmetry(非対称性)
ほくろを縦または横に半分に分けたとき、左右・上下が対称でないものは要注意です。良性のほくろは全体的に均一で対称的な形をしていることが多いですが、悪性のものは不規則な形をしていることがよくあります。
✅ B:Border(境界)
良性のほくろは境界がくっきりしていて、周囲の皮膚との境目がはっきりしています。一方、悪性のほくろは境界がギザギザしていたり、ぼんやりしていたり、不規則な形をしていることが多いです。ほくろの縁がにじんでいるように見える場合も注意が必要です。
📝 C:Color(色)
良性のほくろは全体的に均一な色(褐色〜黒色)をしていることが多いですが、悪性のほくろは1つのほくろの中に複数の色が混在していることがあります。黒・茶色・赤・白・青・グレーなど、複数の色が混ざっているほくろは注意が必要です。
🔸 D:Diameter(大きさ)
一般的に直径6ミリ以上のほくろは注意が必要とされています。6ミリは鉛筆の消しゴムほどの大きさです。ただし、6ミリ未満でも悪性の場合がありますし、6ミリ以上でも良性のことも多くあります。あくまでひとつの目安として参考にしてください。
⚡ E:Evolution(変化)
大きさ・形・色・高さなど、何らかの変化が起きているほくろは注意が必要です。「以前より大きくなった」「色が濃くなってきた」「盛り上がってきた」「出血するようになった」「かゆみや痛みが出てきた」といった変化があれば、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。特に数ヶ月の短期間で明らかな変化がある場合は要注意です。
このABCDEルールはあくまで自己チェックの参考基準であり、これに当てはまらなくても悪性である可能性があります。また、当てはまっても良性であることも多くあります。最終的な判断は専門の皮膚科医によるダーモスコピー検査や組織検査によって行われます。
💪 悪性黒色腫(メラノーマ)との見分け方
悪性黒色腫(メラノーマ)は皮膚がんの一種で、メラノサイト(色素細胞)ががん化したものです。日本では年間約2,000〜3,000人が新たに診断されており、他の皮膚がんと比べると転移しやすく、早期発見・早期治療が特に重要です。
悪性黒色腫には大きく分けて4つの病型があります。
🌟 表在拡大型(superficial spreading melanoma)
最も一般的なタイプで、白人に多く見られますが日本人にも発症します。最初は平らで境界不明瞭な褐色〜黒色の病変として現れ、次第に水平方向に広がっていきます。色の不均一さが特徴で、黒・茶・青・赤など複数の色が混在することがあります。背中や体幹部に生じることが多いタイプです。
💬 結節型(nodular melanoma)
比較的急速に隆起してくるタイプです。黒色または青黒い色をした盛り上がりとして現れることが多く、出血しやすい特徴があります。背中などの体幹部にも発症します。
✅ 末端黒子型(acral lentiginous melanoma)
日本人に最も多い病型で、手のひら・足の裏・指、爪の下などに発症します。背中には生じません。
📝 悪性黒子型(lentigo maligna melanoma)
顔や首など日光暴露部位に多いタイプですが、体幹部にも発症することがあります。
悪性黒色腫と良性のほくろを見分けるのは、素人目には非常に難しいです。特に初期段階では見た目が似ていることが多いため、少しでも気になることがあれば皮膚科を受診することが重要です。自己判断で「大丈夫だろう」と放置することが最も危険です。
「ほくろがかゆい」「ほくろから出血した」「ほくろの周りが赤くなった」「ほくろの大きさが急激に変わった」といった症状は、良性のほくろでは通常みられない変化です。これらの症状が現れた場合は、できるだけ早く皮膚科を受診してください。

🎯 自己チェックの方法と頻度
背中は自分では見えにくい部位ですが、定期的に自己チェックを行うことが早期発見につながります。以下に具体的な方法を紹介します。
🔸 鏡を使ったセルフチェック
全身が映る大きな鏡と、手持ちの小さな鏡を組み合わせることで、背中を確認できます。まず全身鏡の前に立ち、手持ち鏡を使って背面を映します。背中全体を上から下まで、左から右までくまなく確認するようにしましょう。明るい照明の下で行うと、ほくろの色や形がよりわかりやすくなります。
⚡ パートナーや家族に見てもらう
最も確実なのは、家族やパートナーに背中を見てもらうことです。「気になるほくろがないか」「前回と比べて変化がないか」を月に1回程度確認し合うだけで、変化の早期発見につながります。
🌟 スマートフォンのカメラを活用する
スマートフォンのカメラで定期的に背中を撮影しておくと、時系列での変化を比較しやすくなります。月に1回程度、同じ条件(照明・距離・角度)で撮影しておくと良いでしょう。写真を見比べることで、ほくろが大きくなっていないか、色が変化していないかを確認できます。
💬 チェックの頻度
月に1回程度のセルフチェックを習慣にすることが推奨されます。特に、日焼けが多い夏の後や、ホルモンバランスが変化しやすい妊娠中・産後・更年期などは、よりこまめに確認することが大切です。また、家族に悪性黒色腫や皮膚がんの既往がある場合は、年に1回程度の皮膚科での定期検診も検討してください。
Q. 背中のほくろの自己チェックはどう行えばよいですか?
背中のほくろチェックには、全身鏡と手持ち鏡を組み合わせる方法や、スマートフォンで定期撮影して変化を比較する方法が有効です。家族やパートナーに確認してもらうのも確実です。月1回を目安に習慣化し、リスクの高い方は年1〜2回の皮膚科での定期検診もご検討ください。
💡 こんな変化があったら受診を検討しよう
背中のほくろについて、以下のような変化や特徴が見られる場合は、皮膚科を受診することを強くおすすめします。「様子を見よう」と思っていても、悪性のほくろであれば時間が経つほど治療が難しくなることがあります。
まず、短期間(数ヶ月以内)に明らかに大きくなったり、色が濃くなったり、形が変わったりしたほくろは要注意です。また、直径6ミリを超える大きなほくろ、複数の色が混ざっているほくろ、境界がギザギザしていたりぼんやりしているほくろも受診の目安になります。
症状としては、ほくろがかゆい、痛い、触るとジクジクする、出血する、潰瘍(ただれ)ができているといった場合も速やかに受診してください。これらは通常の良性ほくろでは見られない症状です。
さらに、新たにできたほくろが上記のABCDEルールのいずれかに当てはまる場合や、以前から気になっていたほくろが最近変化してきたと感じる場合も受診の良いタイミングです。
「病院に行くほどでもないかな」と迷っている方も、皮膚科での診察は基本的に保険適用で受けられ、ダーモスコピー検査も一般的な保険診療です。「念のため見てもらう」という気軽な気持ちで受診することをおすすめします。
📌 ほくろの診断方法
皮膚科を受診した際、ほくろの診断にはいくつかの方法が用いられます。
✅ 視診
まず医師が肉眼でほくろを観察します。大きさ・形・色・境界の状態・隆起の程度などを確認します。経験豊富な皮膚科医であれば、視診だけでもかなりの情報が得られます。
📝 ダーモスコピー検査
ダーモスコープと呼ばれる拡大鏡を使って、皮膚の表面と表皮〜真皮の浅い層を拡大観察する検査です。肉眼では見えない色素のパターンや構造を確認することができ、良性・悪性の判断精度が大幅に向上します。痛みや放射線被曝はなく、患者さんへの負担が少ない検査です。現在ではほくろの診断に広く用いられており、多くの皮膚科クリニックで実施されています。
🔸 病理組織検査(生検)
ダーモスコピー検査などで悪性が疑われる場合、ほくろの一部または全体を外科的に切除し、顕微鏡で細胞を詳しく観察する検査です。これが最も確実な診断方法であり、良性・悪性の確定診断はこの検査で行われます。局所麻酔を使用して行うため、手術中の痛みはほとんどありません。
⚡ 全身皮膚検査
家族歴がある方や多発性母斑がある方は、全身の皮膚を系統的に診てもらう全身皮膚検査が有効です。体の隅々まで専門医に確認してもらうことで、見落としを防ぐことができます。
Q. 背中のほくろはどんな場合に皮膚科を受診すべきですか?
ほくろがかゆい・痛い・出血する・ただれているなどの症状は、良性ほくろでは通常みられない変化です。また、数ヶ月以内に大きさや色・形が変化した場合も受診の目安です。アイシークリニックでは気になるほくろのご相談を承っており、ダーモスコピー検査は保険診療で受けられます。
✨ ほくろの治療法と除去方法

背中のほくろへの対応は、悪性が疑われる場合と、良性であっても除去を希望する場合で異なります。それぞれの治療・除去方法について詳しく解説します。
🌟 悪性黒色腫の場合
悪性黒色腫と診断された場合は、基本的に外科的切除が行われます。がんの深さ(腫瘍の厚さ)に応じて、切除範囲(マージン)が決まります。転移がある場合は、抗がん剤、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬などの全身療法が組み合わされます。近年、免疫療法や分子標的治療の進歩により、転移性悪性黒色腫の治療成績は改善しつつありますが、やはり早期発見・早期治療が最も重要です。
💬 良性ほくろの除去方法
良性と診断されたほくろでも、見た目が気になる、衣類との摩擦で刺激を受けるなどの理由で除去を希望する場合があります。良性ほくろの除去方法には以下のものがあります。
外科的切除(手術による切除)
メスでほくろを切り取り、縫合する方法です。大きなほくろや、根が深いほくろ、悪性が否定できないほくろに適しています。切除したほくろは病理組織検査に提出できるため、確実な診断が行えます。切除後には縫合跡が残りますが、時間が経つにつれて目立ちにくくなります。
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による除去
炭酸ガスレーザーを使って、ほくろ組織を蒸散(焼き取る)する方法です。小さめで浅いほくろに適しています。切開しないため縫合は不要で、傷跡が比較的目立ちにくいという利点があります。ただし、ほくろの深さによっては再発することがあり、組織を病理に提出できないため悪性かどうかの確認ができません。事前に悪性でないことを十分確認した上で行う必要があります。
くり抜き法(トレパン)
円形の器具(トレパン)を使ってほくろをくり抜く方法です。比較的小さなほくろに向いており、切除した組織を病理検査に提出できます。縫合が必要な場合と不要な場合があります。
なお、背中のほくろの場合、ケロイド(傷跡が盛り上がってしまう状態)になりやすい部位であることを知っておく必要があります。特に肩甲骨周辺や胸の中央部などはケロイドになりやすい傾向があります。除去方法を選ぶ際には、担当医と十分相談した上で決定することが大切です。
✅ 保険適用と自由診療
悪性が疑われる場合の検査・治療は保険適用となります。良性ほくろの除去は、医学的な治療の必要性がない場合、自由診療(美容目的)となることが多いです。ただし、ほくろが摩擦で繰り返し傷つくなど医療上の理由がある場合には保険適用となることもあります。費用については事前にクリニックに確認することをおすすめします。
🔍 ほくろを予防するためのケア
ほくろを完全に予防することはできませんが、増加を抑えたり、悪性化リスクを下げたりするためのケアは日常的に行うことができます。
📝 日焼け止めを正しく使う
紫外線対策が最も効果的なほくろ予防策です。背中への日焼け止めは自分では塗りにくい部位ですが、スプレータイプの日焼け止めを使うことで比較的簡単に塗布できます。SPF30以上のものを使用し、2〜3時間ごとに塗り直すと効果的です。水着や薄手のシャツでは完全にUVをカットできないため、UVカット機能のある衣類の着用も有効です。
🔸 紫外線の強い時間帯を避ける
紫外線が最も強くなるのは、一般的に午前10時から午後3時の間です。この時間帯に長時間屋外で過ごすことを避けるだけでも、紫外線ダメージを大きく減らすことができます。海水浴やアウトドアスポーツなどでやむを得ない場合は、日焼け止めやUVカット衣類に加えて、帽子やパラソルなども活用しましょう。
⚡ ビタミンCやビタミンEを積極的に摂る
ビタミンCにはメラニン生成を抑制する作用があり、ビタミンEは紫外線によって生じる活性酸素から細胞を守る抗酸化作用を持っています。これらのビタミンを含む食品(ビタミンC:柑橘類、キウイ、ブロッコリーなど。ビタミンE:アーモンド、アボカド、オリーブオイルなど)を日頃からバランスよく摂ることが、皮膚の健康を守ることにつながります。
🌟 定期的な皮膚科受診
特にリスクの高い方(家族歴あり・ほくろが多い・多発性母斑を持つ方など)は、年に1〜2回の皮膚科での定期チェックを受けることをおすすめします。専門医が全身の皮膚を確認することで、自己チェックでは見落としやすい変化にも気づくことができます。
💬 皮膚への刺激を避ける
ほくろに対して無理に引っ掻いたり、爪でひっかいたりすることは避けましょう。また、衣類によってほくろが常に摩擦を受けている場合は、下着のサイズや素材を見直すことも大切です。ほくろへの慢性的な刺激が変化を引き起こすことがあるとする考え方もあり、日頃から刺激を最小限にするよう心がけることが予防策のひとつとなります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、背中のほくろを「自分では見えないから」と長期間放置した末に受診される患者様が少なくなく、早期発見の大切さを日々実感しております。悪性黒色腫は初期段階では通常のほくろと見分けがつきにくいため、「気になるけれど大丈夫だろう」という自己判断が最も危険です。少しでも変化を感じたら、ためらわずにご相談いただくことが、患者様の大切な健康を守る第一歩になります。」
💪 よくある質問
「ABCDEルール」を活用した自己チェックが有効です。A(非対称)・B(境界のギザギザ)・C(複数の色の混在)・D(直径6mm以上)・E(大きさ・色・形の変化)の5つが判断の目安です。ただし、素人判断には限界があるため、気になる変化があれば皮膚科への受診をおすすめします。
背中は紫外線を浴びやすいうえ、日焼け止めが塗りにくく対策が不十分になりがちです。また、皮膚の面積が広くメラノサイトが多く存在することも一因です。さらに、自分では見えにくい部位のため変化に気づかず放置されやすい特徴もあります。
月に1回程度のセルフチェックを習慣にすることが推奨されます。全身鏡と手持ち鏡を組み合わせるか、スマートフォンで定期的に撮影して変化を比較する方法が効果的です。家族に皮膚がんの既往がある方などリスクの高い方は、年に1〜2回の皮膚科での定期検診もご検討ください。
ほくろがかゆい・痛い・出血する・ただれているといった症状は、良性のほくろでは通常みられない変化です。また、数ヶ月以内に急に大きくなった・色が濃くなった・境界がぼんやりしてきたなどの変化も受診の目安です。当院では気になる症状があればお気軽にご相談いただけます。
最も効果的なのは紫外線対策です。背中にはスプレータイプの日焼け止め(SPF30以上)を使い、2〜3時間ごとに塗り直しましょう。UVカット機能のある衣類の着用も有効です。また、ビタミンCやビタミンEを含む食品を積極的に摂ることや、ほくろへの摩擦・刺激を避けることも予防策として大切です。
🎯 まとめ
背中にほくろができる原因は、紫外線・遺伝・ホルモンバランスの変化・加齢・皮膚への摩擦など複数あり、誰にでも起こりうることです。ほくろの多くは良性ですが、中には悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんのケースもあるため、定期的な自己チェックと必要に応じた皮膚科受診が大切です。
自己チェックにはABCDEルール(非対称・境界・色・大きさ・変化)が有用ですが、素人の判断だけでは限界があります。背中は自分では目が届きにくい部位なので、家族やパートナーと協力してチェックしたり、スマートフォンのカメラを活用したりすることをおすすめします。
「最近ほくろが増えた気がする」「昔からあるほくろが大きくなってきた」「背中にあるほくろの形が気になる」といった場合は、ためらわずに皮膚科へ相談することが大切です。悪性黒色腫は早期発見・早期治療が予後を大きく左右する疾患であり、「念のため受診してみる」という行動が命を守ることにつながります。アイシークリニック大宮院では、皮膚のほくろに関するご相談を承っておりますので、気になることがございましたらお気軽にご受診ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 悪性黒色腫(メラノーマ)の診断基準・ABCDEルール・病型分類・治療指針に関する皮膚科学会公式ガイドライン
- 厚生労働省 – 皮膚がん(悪性黒色腫)の罹患統計・早期発見の重要性・がん対策に関する公式情報
- PubMed – 悪性黒色腫のABCDEルールおよびダーモスコピー診断に関する国際的な査読済み医学文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務