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水いぼが手のひらにできることはある?原因・症状・治療法を解説

水いぼは、子どもに多く見られるウイルス性の皮膚感染症です。プールや皮膚の接触を通じて広がることが知られており、お子さんを持つ保護者の方であれば一度は耳にしたことがあるかもしれません。一般的には体幹や脇の下、首まわりなどに現れやすいとされていますが、「手のひらに水いぼができることはあるの?」と疑問を持つ方も少なくありません。水いぼは手のひらにはできないとする説明も多いですが、実際のところはどうなのでしょうか。本記事では、水いぼの基礎知識から、手のひらへの発症の可能性、正しい治療法や予防方法まで、わかりやすくご説明します。


目次

  1. 水いぼとはどんな病気?
  2. 水いぼが発症しやすい部位
  3. 水いぼは手のひらにできるのか
  4. 手のひらに似た症状が現れる別の皮膚疾患
  5. 水いぼの感染経路と広がり方
  6. 水いぼの症状と見分け方
  7. 水いぼの治療法
  8. 水いぼを放置するとどうなる?
  9. 水いぼの予防方法
  10. 病院を受診するタイミングと診療科
  11. まとめ

この記事のポイント

水いぼは角質層の厚い手のひらへの発症は極めてまれ。手のひらに似た症状がある場合は疣贅や汗疱など別の皮膚疾患の可能性があり、自己判断せず皮膚科を受診することが重要。

🎯 水いぼとはどんな病気?

水いぼ(伝染性軟属腫)は、伝染性軟属腫ウイルス(Molluscum contagiosum virus:MCV)というポックスウイルスの一種に感染することで生じる皮膚疾患です。医学用語では「伝染性軟属腫」と呼ばれ、その名のとおり、皮膚への接触を通じて他の人に感染する可能性があります。

見た目は直径1〜5mm程度の、白色〜真珠色の半球状のぶつぶつで、中央がへこんでいるのが特徴です。内部には白いかたまり(軟属腫小体)が詰まっており、これを触ったり潰したりすることでウイルスが周囲に広がり、新しい病変が増えることがあります。

水いぼは主に幼少期(1〜12歳)の子どもに多く発症しますが、免疫機能が低下した大人にも生じることがあります。かゆみや痛みを伴わないことが多いですが、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が低下している場合には、かゆみを感じたり、患部が炎症を起こすこともあります。

免疫が正常に働いている子どもの場合、時間をかけながら自然に治癒することもありますが、その過程で数が増えたり、ほかの部位に広がったりすることがあります。治癒までの期間は個人差があり、6ヶ月〜2年以上かかることも珍しくありません。

Q. 水いぼは手のひらにできることはありますか?

手のひらや足の裏は角質層が非常に厚く、水いぼウイルスが侵入しにくい構造のため、発症は極めてまれです。「手に水いぼができた」と感じる場合、実際には手の甲や指の間など角質層が薄い部分に発症していることがほとんどです。

📋 水いぼが発症しやすい部位

水いぼは皮膚のどこにでも生じる可能性がありますが、特に発症しやすい部位があります。一般的に以下のような箇所に多く見られます。

まず、体幹部(お腹や背中など)は非常に多く見られる場所です。子ども同士がプールや浴場でタオルや浮き輪を共有したときなどに感染し、体幹に多発するケースが報告されています。次に、脇の下(腋窩)も発症しやすい部位です。皮膚同士が密着しやすく、湿気も多いため、ウイルスが増殖しやすい環境が整っています。首まわりや顔、特に目のまわりにも生じることがあります。目のまわりに生じた場合は、角膜炎を合併するリスクがあるため、注意が必要です。

また、股部(そけい部)や太もも内側など、皮膚がこすれ合う部分にも発症しやすいとされています。大人では性的接触によって陰部周辺に感染することもあります。

このように、水いぼは皮膚のバリア機能が弱い部分や、皮膚同士が接触しやすい部分を中心に発症します。では、手のひらについてはどうでしょうか。

💊 水いぼは手のひらにできるのか

結論から述べると、手のひらや足の裏に水いぼができることは、極めてまれとされています。これには皮膚の構造が深く関わっています。

手のひらや足の裏は、体の他の部位と比べて角質層がとても厚くなっています。角質層は皮膚の最も外側に位置する層で、外部からの刺激や病原体に対するバリアとして機能しています。水いぼウイルスは、皮膚の表面に微小な傷があることで侵入しやすくなりますが、手のひらや足の裏は角質層が分厚いため、ウイルスが侵入しにくい環境になっています。

実際、皮膚科学の教科書や医学文献でも「水いぼは手のひら・足の裏には生じない」と記されていることが多いです。これは手足の掌蹠(しょうせき)部分の皮膚が、体幹や顔などの皮膚と比べて構造的に異なるためです。

ただし、手の甲(手背)や指の間(指間部)、指の根元付近には水いぼができることがあります。これらの部分は手のひらほど角質層が厚くなく、皮膚が薄いため、ウイルスが侵入しやすい条件が整っています。「手に水いぼができた」と感じる場合、実際には手の甲や指のあたりに発症していることがほとんどです。

また、アトピー性皮膚炎などで皮膚のバリア機能が著しく低下している場合や、免疫抑制状態にある場合には、通常では感染しにくい部位にも水いぼが生じる可能性はゼロではありません。しかしそのような例外的なケースを除けば、手のひらへの水いぼの発症はほぼないと考えてよいでしょう。

もし手のひらにブツブツや丸みを帯びた小さな皮疹が現れている場合、それは水いぼではなく、別の皮膚疾患の可能性があります。次のセクションでは、手のひらに現れる可能性がある他の皮膚疾患について解説します。

Q. 手のひらに水いぼに似た症状が出た場合、何が疑われますか?

手のひらに水いぼのような症状が現れた場合、ヒトパピローマウイルスによる尋常性疣贅(いぼ)、小さな水疱が生じる汗疱(異汗性湿疹)、膿疱が繰り返し現れる掌蹠膿疱症、ヒゼンダニが寄生する疥癬などが考えられます。原因や治療法が異なるため、皮膚科専門医を受診して正確な診断を受けることが重要です。

🏥 手のひらに似た症状が現れる別の皮膚疾患

手のひらに水いぼのような見た目の症状が現れた場合、以下のような皮膚疾患が考えられます。それぞれ原因や治療方法が異なるため、自己判断せずに皮膚科を受診することが重要です。

🦠 尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)/いぼ

一般的に「いぼ」と呼ばれる尋常性疣贅は、ヒトパピローマウイルス(HPV)への感染によって生じます。水いぼと同様にウイルス性ですが、原因となるウイルスが異なります。手のひらや手の指などにもできやすく、表面がざらざらしていることが多い点が特徴です。硬くて表面が不整な皮疹であれば、尋常性疣贅の可能性が高いと言えます。

👴 汗疱(かんぽう)・異汗性湿疹

汗疱は、手のひらや足の裏に小さな水疱(水ぶくれ)が多数現れる疾患です。かゆみを伴うことが多く、季節の変わり目や発汗が増える時期に悪化しやすい傾向があります。水いぼのように丸い形のぶつぶつではなく、水ぶくれのような見た目であることが多いです。アトピー性皮膚炎や金属アレルギーと関連していることもあります。

🔸 多形滲出性紅斑(たけいしんしゅつせいこうはん)

手のひらを含む体全体に、的(まと)のような同心円状の皮疹が現れる疾患です。ウイルス感染(特に単純ヘルペスウイルス)や薬剤への反応として生じることがあります。発熱や全身倦怠感を伴うこともあるため、早急な医療機関への受診が必要です。

💧 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)

手のひらや足の裏に膿をもった小さな膿疱(のうほう)が多数現れる皮膚疾患です。原因は完全には解明されていませんが、扁桃炎や歯科的な感染病巣(病巣感染)、喫煙などが関与しているとされています。慢性的に繰り返すことが多く、専門的な治療が必要です。

✨ 疥癬(かいせん)

ヒゼンダニという非常に小さなダニが皮膚に寄生することで生じる皮膚疾患です。指の間や手首などに特徴的な皮疹(疥癬トンネル)が現れ、強いかゆみを伴います。感染力が強く、施設内での集団感染が問題となることもあります。

上記のように、手のひらに生じる皮膚疾患にはさまざまな種類があります。見た目だけでは判断が難しいことも多いため、症状が気になる場合は皮膚科専門医を受診して正確な診断を受けることが大切です。

⚠️ 水いぼの感染経路と広がり方

水いぼがどのように感染し、広がるのかを理解しておくことは、予防の観点から非常に重要です。主な感染経路は以下のとおりです。

まず、直接接触感染です。感染した皮膚に直接触れることで感染します。子ども同士がプールや公衆浴場などで肌を触れ合ったとき、あるいは家族間での接触によって広がるケースが典型的です。次に、間接接触感染です。タオル、浮き輪、ビート板、衣服、バスタオルなどを共有することによっても感染が成立することがあります。水いぼのウイルスは一定期間、皮膚の外でも生存できると考えられています。また、自己接種(自家感染)も起こります。患者自身が水いぼを触って白い中身を潰し、その手で別の皮膚部位を触れることで感染が広がります。かゆくて引っ掻いてしまう子どもは特にこのルートで広がりやすくなります。

水いぼは感染力が比較的強く、集団生活を送る幼稚園・保育園・小学校などで流行することがあります。ただし、プールに入ることを禁止するほどの感染予防策は必要ないとされており、日本皮膚科学会のガイドラインでも「プールへの参加を制限する必要はないが、ビート板や浮き輪などの共有は避けることが望ましい」とされています。

感染してから症状が現れるまでの潜伏期間は、2週間〜6ヶ月程度とされており、非常に幅があります。これが水いぼの感染源を特定しにくくしている一因でもあります。

🔍 水いぼの症状と見分け方

水いぼの典型的な見た目は以下のとおりです。正確に把握することで、類似した疾患と区別する助けになります。

形状については、直径1〜5mm程度の半球形〜ドーム状の丸いぶつぶつです。色は白色〜淡い肌色〜真珠色で、光沢があります。最大の特徴は中央のへこみ(臍窩:さいか)で、中心部が少し落ちくぼんでいる点が水いぼに特徴的な所見です。数は1個の場合もあれば、数十個以上に多発することもあります。かゆみや痛みはないことが多いですが、アトピー性皮膚炎がある子どもでは強いかゆみを感じることがあります。

水いぼを潰すと中から白い粥状(かゆじょう)のかたまりが出てきます。これが軟属腫小体と呼ばれるもので、大量のウイルスを含んでいます。手で潰すと周囲に感染が広がる原因になるため、自分で処置しようとしないことが大切です。

水いぼと間違えられやすい皮膚疾患には、前述の尋常性疣贅(いぼ)のほか、毛孔性苔癬(けなしきたいせん)、稗粒腫(はいりゅうしゅ、ミリア)、皮膚線維腫などがあります。いずれも見た目が似ていることがあるため、皮膚科での診断が確実です。

Q. 水いぼの主な治療法を教えてください。

水いぼの治療法には、専用ピンセットで一つひとつ除去する摘除法、液体窒素で組織を凍結する凍結療法、ハトムギ由来の漢方薬ヨクイニンの内服、外用療法などがあります。免疫機能が正常であれば数ヶ月〜2年で自然治癒することもあります。水いぼの数や患者の年齢・状態に応じて医師と相談しながら最適な方法を選びます。

📝 水いぼの治療法

水いぼの治療方法にはいくつかの選択肢があります。「自然治癒を待つ」という選択もあれば、積極的に治療を行う方法もあります。それぞれの特徴を理解した上で、医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが重要です。

📌 経過観察(自然治癒を待つ)

水いぼは免疫系がウイルスを認識すると、自然に消えていく疾患です。免疫機能が正常であれば、数ヶ月〜2年程度で自然治癒することが多いとされています。痛みやかゆみが少なく、数も多くない場合には、経過観察を選ぶこともあります。ただし、自然治癒を待つ間に数が増えたり、接触感染で他の人に広がったりするリスクがあることを念頭に置く必要があります。

▶️ 摘除法(ピンセット法)

現在、日本で最も一般的に行われている治療法です。先端が細い専用のピンセット(摘除鉗子)を用いて、水いぼを一つひとつ摘まんで除去する方法です。処置は速やかに終わりますが、痛みを伴うため、特に小さな子どもには負担になることがあります。処置前に麻酔テープ(リドカイン含有テープ)を1〜2時間程度貼付して痛みを和らげてから行うクリニックも多くあります。

🔹 液体窒素による凍結療法

液体窒素(マイナス196℃)を患部に当てて組織を凍結・壊死させる治療法です。いぼ(尋常性疣贅)の治療としてよく用いられ、水いぼにも適用されることがあります。ピンセット法よりも痛みが少ないとされる一方で、凍結による水ぶくれや色素沈着が生じることがあります。数回の通院が必要になることが多いです。

📍 外用療法

サリチル酸絆創膏やトリクロロ酢酸などを用いた外用療法が行われることがあります。また、近年では免疫賦活作用を持つイミキモドクリーム(商品名:ベセルナクリーム)が水いぼの治療に使われることもありますが、保険適用外(自費診療)となる場合があります。感作療法(スクアリン酸ジブチルエステルを用いてアレルギー反応を誘発する方法)も一部のクリニックで行われています。

💫 カンタリジンによる治療

カンタリジン(カンタリジン溶液)は、アオカミキリモドキなどの昆虫から得られる物質で、水いぼの病変部に塗布することで水ぶくれを形成させ、皮膚ごと病変を除去する方法です。日本ではあまり普及していませんが、海外では一部使用されています。

🦠 漢方薬(ヨクイニン)の内服

ヨクイニン(薏苡仁)はハトムギの種皮を除いた種子で、漢方薬として皮膚疾患に用いられてきた歴史があります。水いぼや尋常性疣贅に対してある程度の効果が認められており、保険診療として処方可能です。痛みを伴わない治療法であるため、処置を怖がる子どもに対して選ばれることがあります。効果が出るまでに数ヶ月かかることがあります。

どの治療法を選ぶかは、水いぼの数や大きさ、患者の年齢、生活環境、本人・保護者の希望などを総合的に考慮して決定します。一つの方法にこだわらず、複数の方法を組み合わせることもあります。担当医と十分に相談することが大切です。

💡 水いぼを放置するとどうなる?

水いぼを治療せずに放置した場合、どのような経過をたどるのでしょうか。

前述のように、免疫機能が正常に働いている子どもであれば、水いぼは自然に治癒する傾向があります。しかし、その過程で以下のような問題が生じる可能性があります。

まず数の増加です。放置している間に、自己接種(引っ掻きによる自家感染)や皮膚同士の接触によって病変の数が増えることがあります。数十個から数百個に及ぶ場合もあり、そうなるとますます治療が大変になります。次に他者への感染リスクです。感染力があるため、放置している間は兄弟や友人、クラスメートに感染させてしまう可能性があります。また、炎症・二次感染の問題もあります。かゆみで引っ掻いた部分が細菌に感染して膿んだり、炎症を起こしたりすることがあります。これを「とびひ(伝染性膿痂疹)」と呼び、こちらはさらに強い感染力を持つため注意が必要です。さらに、アトピー性皮膚炎の悪化という点も懸念されます。アトピー性皮膚炎を持つ子どもが水いぼに感染すると、皮膚のバリア機能がさらに低下し、アトピー性皮膚炎自体が悪化する悪循環に陥ることがあります。

「自然に治るから放置してよい」という考え方もありますが、上記のリスクを考えると、早期に皮膚科を受診して治療方針を決めることが推奨されます。特にアトピー性皮膚炎を合併している場合や、水いぼの数が多い場合は積極的な治療を検討すべきでしょう。

Q. 水いぼを放置するとどうなりますか?

水いぼを放置すると、引っ掻きによる自己接種で病変数が数十〜数百個に増えたり、他者への感染リスクが高まったりします。患部を掻き壊すと細菌感染(とびひ)を引き起こす恐れもあります。アトピー性皮膚炎を合併している場合は症状がさらに悪化することもあるため、早めに皮膚科を受診して治療方針を決めることが推奨されます。

✨ 水いぼの予防方法

水いぼへの感染を完全に防ぐことは難しいですが、感染リスクを下げるためのいくつかの予防策があります。

タオルや衣類の共有を避けることが基本です。感染者と同じタオルや着替えを共有しないようにしましょう。特にプールや大浴場での使用後のタオルなどには注意が必要です。プールや銭湯では、水いぼの患部をラッシュガードや水着で覆うことで、直接接触による感染を防ぎやすくなります。また、水いぼを触らない・引っ掻かないことも重要です。患部を手で触ったり引っ掻いたりすると、手を介して他の部位に感染が広がります。かゆみがある場合は医師に相談し、適切なかゆみ止めを処方してもらうとよいでしょう。

皮膚のバリア機能を維持することも予防に役立ちます。皮膚が乾燥したり傷ついたりしていると、ウイルスが侵入しやすくなります。保湿ケアを日常的に行い、皮膚を健康な状態に保つことが大切です。特にアトピー性皮膚炎のある方は、スキンケアと治療を適切に続けることが感染予防につながります。

早期発見・早期治療も有効な予防策です。感染した場合でも早期に治療を開始することで、感染の広がりを最小限に抑えることができます。皮膚に気になる変化が生じたら、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。

なお、現時点では水いぼに対するワクチンは存在しません。そのため、上述のような日常的な予防策が感染を防ぐ主な手段となります。

📌 病院を受診するタイミングと診療科

水いぼが疑われる場合、あるいは手のひらを含む皮膚に気になる変化が生じた場合は、皮膚科を受診することをお勧めします。自己判断で市販薬を使用したり、自分で潰そうとすることは、症状の悪化や感染拡大につながるリスクがあります。

以下のような状況では、早めの受診が特に重要です。皮疹の数が急速に増えている場合、患部を掻き壊してじゅくじゅくとした状態になっている場合(とびひの可能性)、目のまわりに皮疹がある場合(角膜炎のリスク)、発熱や全身症状を伴っている場合、アトピー性皮膚炎が悪化している場合、手のひらや足の裏など通常と異なる部位に皮疹が生じている場合は、水いぼではない別の疾患の可能性も考慮して診断を受けることが大切です。

子どもの水いぼは小児科でも診療してもらえますが、皮膚に関する専門的な診断・治療を受けるためには皮膚科を受診するのがよいでしょう。大人の場合も同様に皮膚科が専門となります。

受診時には、皮疹がいつごろから現れたか、どのような経過をたどっているか、アレルギーや持病の有無、現在使用している薬などを医師に伝えると診断がスムーズになります。

クリニックを選ぶ際には、皮膚科専門医が在籍しているかどうかを確認することもポイントです。水いぼの治療方針はクリニックによっても多少異なることがあるため、疑問点や不安があれば遠慮なく質問するようにしましょう。アイシークリニック大宮院でも、水いぼをはじめとする皮膚疾患についてご相談をお受けしています。お子さんの皮膚のことで気になることがあれば、ぜひご来院ください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、「手のひらに水いぼができている気がする」とご相談いただくケースも少なくありませんが、診察してみると実際には手の甲や指の間に発症していることがほとんどです。手のひらは角質層が厚いためウイルスが侵入しにくく、水いぼが生じることは極めてまれですが、見た目が似た別の皮膚疾患(尋常性疣贅や汗疱など)が原因であることもあるため、自己判断せずにご相談いただくことをお勧めします。お子さんの皮膚の変化はご家族にとって心配なことと思いますので、気になる症状があれば早めにご来院いただき、一緒に適切な対応を考えてまいります。」

🎯 よくある質問

水いぼは手のひらにできることはありますか?

手のひらや足の裏は角質層が非常に厚いため、水いぼウイルスが侵入しにくく、発症することは極めてまれです。「手に水いぼができた」と感じる場合、実際には手の甲や指の間など角質層が薄い部分に発症していることがほとんどです。手のひらに似た症状がある場合は、別の皮膚疾患の可能性も考えられるため、皮膚科への受診をお勧めします。

手のひらに水いぼに似た症状が出た場合、何が考えられますか?

手のひらに水いぼのような症状が現れた場合、尋常性疣贅(いぼ)、汗疱(異汗性湿疹)、掌蹠膿疱症、疥癬などの皮膚疾患が考えられます。それぞれ原因や治療法が異なるため、自己判断で市販薬を使用したり、自分で潰したりせず、皮膚科専門医を受診して正確な診断を受けることが重要です。

水いぼはどのように治療しますか?

主な治療法として、専用ピンセットで除去する摘除法、液体窒素を使った凍結療法、漢方薬(ヨクイニン)の内服、外用療法などがあります。また、免疫機能が正常であれば数ヶ月〜2年程度で自然治癒することもあります。治療法は水いぼの数や患者の年齢・状態によって異なるため、医師と相談しながら最適な方法を選ぶことが大切です。

水いぼを放置するとどうなりますか?

放置すると、自己接種(引っ掻きによる自家感染)によって病変の数が増えたり、他者へ感染させるリスクが高まったりします。また、患部を掻き壊すことで細菌感染(とびひ)を引き起こしたり、アトピー性皮膚炎が悪化する恐れもあります。特に水いぼの数が多い場合やアトピー性皮膚炎を合併している場合は、早めに皮膚科を受診し、治療方針を決めることが推奨されます。

水いぼの感染を防ぐにはどうすればよいですか?

タオルや衣類の共有を避けること、プールでは患部をラッシュガードで覆うこと、患部を触ったり引っ掻いたりしないことが基本的な予防策です。また、日常的な保湿ケアで皮膚のバリア機能を維持することも感染リスクの低減につながります。なお、現時点では水いぼに対するワクチンは存在しないため、これらの日常的な対策が感染予防の主な手段となります。

📋 まとめ

本記事では、水いぼと手のひらの関係を中心に、水いぼの基礎知識から感染経路、治療法、予防法まで詳しく解説してきました。最後に重要なポイントを整理します。

水いぼ(伝染性軟属腫)は、伝染性軟属腫ウイルスによって生じるウイルス性皮膚感染症です。主に子どもに多く発症しますが、大人にも感染することがあります。手のひらや足の裏は角質層が厚く、水いぼウイルスが侵入しにくいため、これらの部位に水いぼが発症することは極めてまれです。「手のひらに水いぼのような症状がある」と感じる場合は、尋常性疣贅(いぼ)、汗疱、掌蹠膿疱症など、他の皮膚疾患の可能性を考慮して皮膚科を受診することが重要です。水いぼの治療法には、経過観察、ピンセットによる摘除、液体窒素凍結療法、外用療法、漢方薬内服などがあり、患者の状態に合わせて選択します。放置すると数が増えたり、他者への感染リスクが高まったりするため、早めの受診と治療開始が推奨されます。日常的な予防策として、タオルや衣類の共有を避け、皮膚のバリア機能を保つスキンケアを継続することが大切です。

手のひらや皮膚のどこかに気になる変化があれば、自己判断せずに専門医への相談をお勧めします。皮膚科専門医による正確な診断と適切な治療を受けることが、水いぼを含む皮膚疾患の早期回復への第一歩です。アイシークリニック大宮院では、お子さんから大人まで、皮膚に関するさまざまなお悩みについて丁寧に対応しています。気になる症状がありましたら、お気軽にご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 水いぼ(伝染性軟属腫)の診断基準・治療法・プール参加制限に関するガイドライン情報。記事中で言及している「プールへの参加制限は不要だがビート板等の共有は避けることが望ましい」という記述の根拠として参照。
  • 国立感染症研究所 – 伝染性軟属腫ウイルス(MCV)の感染経路・潜伏期間・疫学情報。記事中の「潜伏期間2週間〜6ヶ月」「主に1〜12歳の子どもに多い」などの記述の裏付けとして参照。
  • PubMed – 水いぼの治療法(摘除法・凍結療法・イミキモド・カンタリジン・ヨクイニン等)に関する国際的な医学文献。記事中の各治療法の有効性・特徴に関する記述の医学的根拠として参照。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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