「ミラドライって本当に効果があるの?」「どのくらい汗やにおいが減るの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。ミラドライは、マイクロ波を用いて汗腺を破壊する革新的なワキガ・多汗症治療法として注目を集めています。2018年には厚生労働省から重度の原発性腋窩多汗症の治療機器として薬事承認を取得しており、その効果と安全性は科学的に証明されています。本記事では、ミラドライの効果について、治療のメカニズムから期待できる改善率、効果の持続期間、他の治療法との比較まで、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。ワキガや多汗症でお悩みの方が、治療を検討する際の参考にしていただければ幸いです。
目次
- ミラドライとは?治療の基本を理解しよう
- ミラドライの効果を生み出すメカニズム
- ミラドライで期待できる具体的な効果
- ミラドライの効果はいつから実感できる?
- ミラドライの効果はどのくらい持続するのか
- ミラドライが効果を発揮しやすいケース
- ミラドライの効果を最大化するためのポイント
- ミラドライと他の治療法の効果を比較
- ミラドライの副作用とダウンタイム
- よくある質問
- まとめ
ミラドライとは?治療の基本を理解しよう
ミラドライは、2006年にアメリカのMiramar Labs社によって開発され、2010年に日本に導入されたワキガ・多汗症治療機器です。従来のワキガ治療では皮膚を切開する手術が主流でしたが、ミラドライはマイクロ波を用いて皮膚を切らずに汗腺を破壊できる画期的な治療法として登場しました。
厚生労働省とFDAの承認を取得
ミラドライは、日本の厚生労働省から2018年6月4日に重度の原発性腋窩多汗症の治療機器として薬事承認を取得しています(医療機器承認番号:23000BZX00161000)。これは、マイクロ波を用いたワキ汗治療機器として国内初の承認となりました。また、開発国であるアメリカでもFDA(アメリカ食品医薬品局)から2011年に承認を受けており、腋窩多汗症・腋臭症・減毛の3つの適応で認可されています。FDAの承認を取得するためには膨大な症例データと厳格な安全性試験をクリアする必要があり、ミラドライの効果と安全性が科学的に証明されていることを示しています。
ワキガと多汗症の原因となる2種類の汗腺
ミラドライの効果を理解するためには、まずワキガと多汗症の原因を知ることが重要です。人間の皮膚には、エクリン汗腺とアポクリン汗腺という2種類の汗腺が存在します。
エクリン汗腺は全身に分布しており、主に体温調節のために汗を分泌します。この汗腺から出る汗は約98%が水分で、残りはごくわずかな塩分です。無色透明でサラサラしており、ほとんど臭いはありません。多汗症の原因となるのはこのエクリン汗腺からの過剰な発汗です。
一方、アポクリン汗腺は脇の下、外陰部、乳輪、外耳道など限られた部位にのみ存在します。アポクリン汗腺から分泌される汗には、脂肪酸、タンパク質、糖質、アンモニア、鉄分などの成分が含まれており、少し白く濁ってベタベタしているのが特徴です。この汗自体は無臭ですが、皮膚表面の常在菌によって分解されることで、ワキガ特有の臭いが発生します。日本皮膚科学会によると、ワキガの人はアポクリン腺が大きく、その数も多く分泌量が多い傾向があるとされています。
ミラドライの効果を生み出すメカニズム
ミラドライは、5.8GHzの周波数のマイクロ波を使用します。この特定の周波数が選ばれた理由は、コンピューターシミュレーションによる詳細な検証の結果、汗腺が存在する真皮深層から皮下脂肪の境界部分に最も効率的に熱エネルギーを集中させることができる周波数として5.8GHzが最適であることが科学的に証明されているためです。
マイクロ波による汗腺破壊の仕組み
ミラドライの治療は、「吸引」「マイクロ波エネルギーの照射」「冷却」の3つの要素で構成されています。まず、ハンドピースに装着されたバイオチップで皮膚と脂肪領域を吸引して持ち上げ、ターゲット領域を固定します。次に、マイクロ波を照射すると、皮膚の細胞内などの水分子が振動・回転することで熱が発生します。
マイクロ波が皮膚に照射されると、組織内の水分子が電磁波と同じ速度で振動を始めます。5.8GHzでは、水分子が1秒間に約58億回という高速振動を起こし、この分子間の摩擦により熱が発生します。これを「誘電加熱」と呼びます。汗腺は水分を多く含む組織であるため、マイクロ波のエネルギーが効率的に吸収され、汗腺の温度が約60〜70℃まで上昇します。十分な高温に達した汗腺は、タンパク変性により機能を失い、永続的に活動を停止します。
真皮を含む皮膚は高含水組織で、皮下脂肪は低含水組織であり、異なる伝導性・誘電率を持つため、マイクロ波は皮下組織で反射します。これにより、汗腺が多く存在する真皮深層から皮下組織浅層に温度の高いヒートゾーンを形成し、エクリン汗腺とアポクリン汗腺の両方を焼灼・凝固させることができます。
ハイドロセラミック・クーリングシステムによる安全性
ミラドライの安全性を支える重要な技術が、ハイドロセラミック・クーリングシステムです。このシステムにより、皮膚表面から真皮にかけて持続的に冷却が行われ、表皮や真皮浅層の熱損傷を防ぎます。冷却により表皮から真皮の電気抵抗が低下するため、マイクロ波エネルギーがより深部の汗腺まで効率的に到達します。同時に、皮下脂肪層の異なる誘電特性により、エネルギーが汗腺のある層に集中し、それより深い組織への影響を最小限に抑えます。この冷却システムにより、患者さんは治療中に激しい痛みを感じることなく安全に施術を受けることができます。
ミラドライで期待できる具体的な効果
ミラドライによる治療では、1回の施術で約70〜80%の汗腺が破壊され、汗や臭いが施術前の約20〜30%程度にまで減少するとされています。ただし、効果には個人差があることを理解しておくことが重要です。
ワキガ(腋臭症)への効果
ワキガの原因となるアポクリン汗腺は、真皮深層から皮下組織浅層に存在しています。ミラドライのマイクロ波はこの層をターゲットにして照射されるため、アポクリン汗腺を効果的に破壊することができます。アポクリン汗腺が破壊されることで、臭いの原因となる汗の分泌が大幅に減少し、ワキガ特有の臭いを軽減する効果が期待できます。多くの患者さんが、施術直後から臭いの軽減を実感されています。
多汗症への効果
多汗症の原因となるエクリン汗腺も、ミラドライのマイクロ波によって効果的に破壊されます。水分含有量の多いエクリン汗腺は、マイクロ波エネルギーを効率的に吸収するため、確実な破壊効果が期待できます。施術後は、脇汗の量が大幅に減少し、衣服の汗じみや汗による不快感から解放される方が多くいらっしゃいます。
脱毛効果
ミラドライには、副次的な効果として脱毛効果もあります。マイクロ波のエネルギーは汗腺だけでなく、毛根にもダメージを与えるため、施術後に脇毛が減少することがあります。ただし、脱毛を主目的とした治療ではないため、脱毛効果の程度には個人差があります。
ミラドライの効果はいつから実感できる?
ミラドライの効果は、施術直後から実感できるのが大きな特徴です。汗腺を焼灼・破壊するメカニズムのため、治療直後から汗の量や臭いが減少したことを実感される方がほとんどです。
施術直後から数か月後までの経過
施術直後から数か月間は、最も効果を実感しやすい期間です。多くの場合、施術直後から80〜100%の改善を感じられます。これは、ミラドライによって約70〜80%の汗腺が破壊されるだけでなく、破壊されなかった汗腺もダメージを受けて一時的に活動が停止するためです。
施術から1〜3か月程度経過すると、ダメージを受けた汗腺が徐々に回復し始め、一部の汗腺が活動を再開します。そのため、「施術直後よりも汗が少し増えてきた」「臭いを感じるようになった」と感じる方もいらっしゃいます。しかし、これは「再発」ではなく、どなたにでも起こり得る正常な経過です。破壊された汗腺は再生しないため、施術前の状態に戻ることはありません。
効果が安定するまでの期間
ミラドライの効果が安定するのは、施術から約半年後とされています。この時点で残りの汗腺のほとんどが活動を再開しており、その後は大きな変化はありません。つまり、半年後の状態が「半永久的に持続する効果」ということになります。一般的に、半年以降は70〜80%の改善を維持できるとされています。
ミラドライの効果はどのくらい持続するのか
ミラドライの最大の特徴の一つが、効果の持続性です。ミラドライによって破壊された汗腺は再生しないため、治療効果は半永久的に持続すると考えられています。
汗腺が再生しない理由
人間の汗腺は、成人になると新たに生成されることがありません。ミラドライのマイクロ波によって十分な高温で加熱された汗腺は、タンパク変性を起こして機能を完全に失います。一度破壊された汗腺は元に戻らないため、治療効果が長期間持続するのです。海外臨床試験のフォローアップデータにおいては、最長2年間の効果持続が確認されています。
1回の治療で十分な効果が得られる
ボトックス注射のように定期的に繰り返す必要がある治療とは異なり、ミラドライは基本的に1回の施術で十分な効果が期待できます。ただし、重度のワキガや多汗症の方、または1回目の施術でさらなる効果を希望される方は、3か月以上の間隔をあけて2回目の治療を受けることも可能です。
ミラドライが効果を発揮しやすいケース
ミラドライは多くの方に効果を発揮しますが、特に以下のようなケースでは高い効果が期待できます。
重度の腋窩多汗症
エクリン汗腺からの過剰な発汗による多汗症は、ミラドライの最も適した適応です。水分含有量の多いエクリン汗腺は、マイクロ波エネルギーを効率的に吸収し、確実な破壊効果が期待できます。厚生労働省の薬事承認も、重度の原発性腋窩多汗症に対して取得されています。
成人での治療
思春期を過ぎて汗腺の発達が完了している成人では、新たな汗腺の発達リスクがないため、長期間の効果が期待できます。成長期の間はアポクリン腺の活動が盛んなため、効果が持続しにくい場合があります。効果的な治療を望む場合は、身体の発育が安定してくる高校生以降が目安となりますが、小学生や中学生であっても、保護者の同意があれば施術を受けることは可能です。
適切な施術を受けた場合
経験豊富な医師による広範囲のダブル照射、最大出力での治療を受けた場合、高い効果が期待できます。ミラドライ公式認定医による治療であれば、より安全で効果的な施術が可能です。照射範囲が狭い場合や、出力が不十分な場合は、打ち漏れが生じて効果が減弱してしまう可能性があります。
ミラドライの効果を最大化するためのポイント
ミラドライの効果は、施術を行う医師の技術や治療方法によって大きく左右されます。効果を最大化するためのポイントを理解しておきましょう。
広範囲照射の重要性
ミラドライの治療では、テンプレートを用いて照射範囲を決定します。テンプレートの大きさは横幅60〜80mm、縦幅100〜140mm程度が一般的ですが、脇毛の有毛部をしっかりカバーする広範囲の照射を行うことで、打ち漏れを防ぎ、効果を高めることができます。治療範囲が狭い場合は、脇の中央部は治療できても辺縁部分が打ち漏れとなり、そこから汗や臭いが出続けて全体としての効果が減弱してしまう可能性があります。
適切な出力レベルでの照射
ミラドライには複数の出力レベルがありますが、最大出力である「レベル5」での照射が推奨されます。低い出力での照射では、汗腺が機能を停止するだけの十分な熱損傷を与えることが難しく、効果が不十分になる可能性があります。ただし、最大出力での照射は認定医のみが行えるため、クリニック選びの際には確認が必要です。
経験豊富なクリニックの選択
ミラドライは機械を使った治療であるため、「どこのクリニックで受けても同じ」と思われがちですが、実際には医師の技術力によって効果と副作用に大きな差が生じます。照射を行う人の技術力によって、効果の高さと術後の腫れ・痛みといった副作用の重さが変わってきます。症例数の多いクリニック、ミラドライ認定医が在籍するクリニックを選ぶことが、効果を最大化するための重要なポイントです。
ミラドライと他の治療法の効果を比較
ワキガや多汗症の治療にはさまざまな方法があります。それぞれの治療法とミラドライを比較してみましょう。
ボトックス注射との比較
ボトックス注射は、ボツリヌストキシンという天然のタンパク質を皮膚に注入する治療法です。神経伝達物質であるアセチルコリンの放出を抑制することで、エクリン汗腺への「汗を出す指令」をブロックし、発汗を抑制します。手軽に施術を受けられ、ダウンタイムがほとんどないのがメリットですが、効果の持続期間は4〜9か月程度と限定的で、毎年1〜2回の頻度で繰り返し注射する必要があります。また、ボトックス注射は主にエクリン汗腺に作用するため、ワキガの原因であるアポクリン汗腺への直接的な効果は限定的とされています。長期的な費用や通院の手間を考えると、ミラドライの方が経済的で利便性が高いと言えます。
剪除法(手術)との比較
剪除法は、皮膚を切開して直接汗腺を除去する手術です。ワキガや多汗症に対して高い効果を発揮し、1回の手術でアポクリン汗腺は約80〜90%、エクリン汗腺は約50〜60%を取り除くことができるとされています。効果が半永久的である点は大きなメリットですが、術後の回復に時間がかかり、傷跡が残る可能性があります。また、術後の安静期間や通院が必要で、日常生活への影響が大きいのがデメリットです。一方、ミラドライは皮膚を切開しないため傷跡が残らず、ダウンタイムも比較的短いのが特徴です。なお、剪除法は保険が適用される場合があるため、費用面ではメリットがあります。
外用薬(塩化アルミニウム、エクロックゲルなど)との比較
日本皮膚科学会の原発性局所多汗症診療ガイドラインでは、塩化アルミニウムの外用療法や抗コリン外用薬(エクロックゲル、ラピフォートワイプなど)が治療の第一選択として位置づけられています。これらは毎日塗布する必要があり、効果は一時的です。軽度〜中等度の症状には有効ですが、重度の症状には効果が不十分な場合があります。ミラドライは1回の施術で長期的な効果が期待できるため、外用薬での効果が不十分だった方や、毎日のケアが負担に感じる方に適しています。
ビューホットなど他の機器との比較
ビューホットは、針を患部に刺して針先から高周波を出すことで汗腺を破壊する治療法です。ミラドライと同じく「切らない治療」ですが、照射方法が異なります。ミラドライは広範囲に面で熱を送るため幅広い範囲へ熱を反応させることが可能なのに対し、ビューホットは刺さった針の部分からピンポイントで熱を送るため、反応の幅がより狭くなります。なお、ミラドライは日本の厚生労働省と米国FDAの両方から承認を得ている唯一のワキ汗治療機器であり、その安全性と効果は最も高いエビデンスで裏付けられています。
ミラドライの副作用とダウンタイム
ミラドライは安全性の高い治療ですが、施術後には一定の副作用やダウンタイムが生じます。事前に理解しておくことで、安心して治療を受けることができます。
一般的な副作用
ミラドライの主な副作用としては、「腫れ」「痛み」「内出血」「しびれ」「つっぱり感」「一時的な感覚鈍麻」などが挙げられます。いずれも施術直後および術後2〜3日の間に見られる一時的なもので、一生続くような重い副作用はありません。皮膚を切らない治療ですので、傷跡が残ることもありません。
ダウンタイムの期間と経過
施術直後は麻酔が効いているため、痛みはほとんど感じません。麻酔が切れる施術後3〜4時間頃から、強い日焼けをしたようなヒリヒリする痛みや腫れを感じることがあります。痛みのピークは施術当日の夜から翌日までで、その後は徐々に落ち着いていきます。腫れや内出血は個人差がありますが、1週間前後でかなり軽減されます。
ほとんどの方は施術翌日から日常生活を送ることができます。一般的なデスクワークであれば問題なく勤務可能です。ただし、激しい運動は1週間程度控えていただく必要があります。入浴については、施術当日はシャワーのみとし、翌日から湯船に浸かることができますが、長時間の入浴は腫れや痛みを悪化させる可能性があるため控えめにすることをおすすめします。
感覚鈍麻について
ミラドライは真皮深層から皮下組織浅層のあたり一帯を焼灼する治療のため、汗腺だけでなく、汗腺付近にある感覚神経の末端にもダメージを与えます。そのため、施術後は脇や脇周囲の感覚が一時的に鈍くなることがあります。ただし、末梢神経は再生するため、新しい神経が伸びてきて感覚は徐々に回復します。多くの場合、3か月前後で感覚が戻ります。
「効果がない」と感じる原因と対策
インターネット上では「ミラドライ 効果なし」といった声を目にすることがありますが、その多くには明確な原因があります。
期待値と実際の効果のギャップ
ミラドライは約70〜80%の汗腺を破壊しますが、すべての汗腺を完全に除去できるわけではありません。施術後も20〜30%程度の汗や臭いは残る可能性があります。「汗や臭いが完全にゼロになる」という期待をお持ちの場合、「効果が足りない」と感じてしまうことがあります。事前のカウンセリングで、現実的な効果についてしっかり理解しておくことが大切です。
施術方法による差
前述の通り、照射範囲が狭い場合や出力が不十分な場合は、期待通りの効果が得られないことがあります。クリニックによって治療方法が異なるため、広範囲照射、最大出力での治療を行っているかどうかを事前に確認することが重要です。
術後の一時的な変化を「再発」と誤解
施術から数か月後に「汗や臭いが戻ってきた」と感じる方がいますが、これは再発ではなく、ダメージを受けていた汗腺が回復して活動を再開しただけです。破壊された汗腺は再生しないため、施術前の状態に戻ることはありません。半年後の状態が安定した効果ですので、その時点で改善を実感できていれば、長期的にその効果が持続します。
ミラドライがおすすめな方
以下のような方には、ミラドライによる治療が特におすすめです。
まず、手術に抵抗がある方です。皮膚を切開する手術は傷跡が残る可能性があり、術後の回復期間も長くなります。ミラドライは切らない治療のため、これらのデメリットを避けることができます。次に、仕事や学校を長期間休めない方です。ミラドライはダウンタイムが比較的短く、多くの方が翌日から日常生活に復帰できます。また、ボトックス注射の繰り返しが面倒な方にも適しています。ボトックスは数か月ごとに再施術が必要ですが、ミラドライは基本的に1回の施術で長期的な効果が期待できます。さらに、外用薬では効果が不十分だった方にもおすすめです。塗り薬での治療で満足な効果が得られなかった場合、ミラドライによるより根本的な治療を検討されるとよいでしょう。

まとめ
ミラドライは、マイクロ波を用いて汗腺を破壊することで、ワキガと多汗症の両方に効果を発揮する革新的な治療法です。厚生労働省とFDAの承認を取得しており、その効果と安全性は科学的に証明されています。1回の施術で約70〜80%の汗腺が破壊され、効果は半永久的に持続します。切開を伴う手術と比較してダウンタイムが短く、傷跡も残りません。
効果を最大化するためには、広範囲照射、最大出力での治療、経験豊富なクリニックでの施術が重要です。個人差はありますが、多くの方が施術直後から汗や臭いの軽減を実感し、半年後には安定した効果を維持できています。
ワキガや多汗症でお悩みの方は、まずは専門のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身の症状や希望に合った治療法を検討されることをおすすめします。アイシークリニック大宮院では、ミラドライの無料カウンセリングを実施しております。経験豊富なスタッフが、患者さま一人ひとりの状態を丁寧にお伺いし、最適な治療プランをご提案いたします。
よくある質問
はい、基本的には1回の施術で十分な効果が期待できます。1回の施術で約70〜80%の汗腺が破壊され、汗や臭いが大幅に軽減されます。ただし、重度のワキガや多汗症の方、またはさらなる効果を希望される方は、3か月以上の間隔をあけて2回目の治療を受けることも可能です。
ミラドライによって破壊された汗腺は再生しないため、効果は半永久的に持続すると考えられています。施術直後から数か月間は最も効果を実感しやすい期間ですが、半年後以降は70〜80%の改善を維持できるとされています。海外の臨床試験では、最長2年間の効果持続が確認されています。
はい、ミラドライはワキガと多汗症の両方に効果があります。ミラドライのマイクロ波は、ワキガの原因となるアポクリン汗腺と多汗症の原因となるエクリン汗腺の両方を同時に破壊することができます。そのため、1回の施術で臭いと汗の量の両方を改善することが可能です。
ミラドライの施術前には局所麻酔を行うため、照射中に痛みを感じることはほとんどありません。ただし、麻酔注射を打つ際に軽い痛みを感じる方もいらっしゃいます。施術後、麻酔が切れてくると、ヒリヒリした痛みや腫れを感じることがありますが、痛み止めの服用と患部の冷却で対処できます。痛みのピークは施術当日の夜から翌日までで、その後は徐々に落ち着いていきます。
ほとんどの方は施術翌日から日常生活を送ることができます。デスクワークなどの軽作業であれば問題なく勤務可能です。ただし、激しい運動は1週間程度控えていただく必要があります。入浴については、施術当日はシャワーのみとし、翌日から湯船に浸かることができます。
人間の体全体には約400万もの汗腺があり、脇の下にあるのはそのうちの約2%に過ぎません。この2%の汗腺をなくしても、体の機能や汗による体温調整に影響することはありませんのでご安心ください。
ミラドライは保険適用外の自費診療となります。ワキガ治療で保険が適用される治療法は剪除法(手術)のみです。ただし、剪除法は皮膚を切開する手術のため、術後のケアが必要で傷跡が残る可能性があります。ミラドライは自費診療ですが、メスを使用しないため傷が残らず、厚労省やFDAから承認を受けた安全性の高い施術です。
ミラドライには明確な年齢制限は設けられておらず、保護者の同意があれば小学生や中学生でも施術を受けることは可能です。ただし、成長期の間はアポクリン腺の活動が盛んなため、効果が持続しにくい場合があります。効果的な治療を望む場合は、身体の発育が安定してくる高校生以降が目安とされています。また、局所麻酔を使用するため体重制限がありますので、詳しくは医師にご相談ください。
参考文献
- 日本皮膚科学会「汗の病気―多汗症と無汗症― Q5」
- 日本皮膚科学会「汗の病気―多汗症と無汗症― Q7」
- 日本皮膚科学会雑誌「原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版」
- 株式会社ジェイメック「国内初 切らないワキ汗治療器『miraDry(ミラドライ)®システム』薬事承認取得に関するご案内」
- 株式会社ジェイメック「miraDry(ミラドライ)製品情報」
- GSKpro「ボトックス 原発性腋窩多汗症 診断・治療」
- マルホ株式会社「診断・検査(原発性腋窩多汗症)」
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務