「手のひらの汗がひどくて握手ができない」「脇汗で服に染みができて恥ずかしい」「足の裏の汗でサンダルが滑る」このような悩みを抱えている方は、多汗症の可能性があります。多汗症は体温調節に必要な量を超えて異常に発汗する疾患で、日本人の約5〜7%が罹患しているとされています。多汗症にはいくつかの種類があり、その中でも特定の原因がなく発症する「原発性多汗症」は、多くの方が悩まされている疾患です。本記事では、アイシークリニック大宮院の医師が、多汗症の種類や原発性多汗症の特徴、診断基準、治療法について詳しく解説します。
目次
- 📌 多汗症とは?基本的な定義と概要
- 🔍 多汗症の種類|原発性と続発性の違い
- 💡 原発性多汗症の特徴と発症メカニズム
- 🏥 原発性多汗症の発症部位別の症状
- 📋 原発性多汗症の診断基準
- ⚠️ 原発性多汗症と続発性多汗症の見分け方
- 💊 原発性多汗症の治療法
- 📝 原発性多汗症と日常生活への影響
- 🎯 多汗症の種類に関するよくある質問
🎯 多汗症とは?基本的な定義と概要
このセクションでは、多汗症の基本的な仕組みと、単なる「汗かき」との違いを詳しく解説します。
多汗症とは、体温調節に必要な量を超えて異常に多くの汗をかく疾患です。通常、人間は体温が上昇すると汗をかいて体温を下げようとしますが、多汗症の方は体温調節に必要のない状況でも大量の汗をかいてしまいます。
汗は皮膚にある汗腺から分泌されます。汗腺にはエクリン汗腺とアポクリン汗腺の2種類があり、多汗症に関わるのは主にエクリン汗腺です。エクリン汗腺は全身に分布しており、特に手のひら、足の裏、脇の下、額などに多く存在しています。
💡 ポイント
多汗症は単なる「汗っかき」とは異なります!汗っかきは体質的に汗をかきやすい状態を指しますが、多汗症は医学的に診断される疾患であり、日常生活や社会生活に支障をきたすレベルの発汗が認められます。
厚生労働省の調査によると、日本人の約5〜7%が多汗症に罹患しているとされ、決して珍しい疾患ではありません。
多汗症の症状は、暑い季節だけでなく寒い季節にも現れることがあります。また、運動時だけでなく、安静時や睡眠中にも発汗することがあり、生活の質を大きく低下させる要因となっています。
🔍 多汗症の種類|原発性と続発性の違い
多汗症は治療方針を決める上で重要な2つのタイプに分類されます。正しい分類が適切な治療への第一歩です!
多汗症は大きく分けて「原発性多汗症」と「続発性多汗症」の2種類に分類されます。この分類は治療方針を決定する上で非常に重要であり、それぞれ原因や特徴が異なります。
🦠 原発性多汗症とは
原発性多汗症は、特定の原因となる疾患がないにもかかわらず、局所的に異常な発汗が見られる状態です。「特発性多汗症」や「原発性局所多汗症」とも呼ばれます。原発性多汗症は多汗症全体の約90%以上を占めており、最も一般的なタイプです。
原発性多汗症の特徴として、手のひら、足の裏、脇の下、顔面など、特定の部位に限局して発汗が見られることが挙げられます。また、思春期前後に発症することが多く、遺伝的な要因が関与していることも明らかになっています。
👴 続発性多汗症とは
続発性多汗症は、他の疾患や薬剤の影響によって二次的に発症する多汗症です。原因となる疾患としては、甲状腺機能亢進症、糖尿病、更年期障害、感染症、悪性腫瘍、神経障害などが挙げられます。
続発性多汗症の場合、全身性の発汗が見られることが多く、原発性多汗症のように特定の部位に限局しないことが特徴です。また、発症年齢が比較的高いことや、夜間の発汗(寝汗)が顕著であることも続発性多汗症を疑うポイントとなります。
🔸 原発性と続発性の主な違い
原発性多汗症と続発性多汗症には、いくつかの明確な違いがあります。まず、発汗の範囲が異なります。原発性多汗症は手のひらや脇の下など特定の部位に限局するのに対し、続発性多汗症は全身に発汗が見られることが多いです。
発症年齢にも違いがあります。原発性多汗症は10代から20代前半に発症することが多いですが、続発性多汗症は原因疾患の発症時期に応じて、どの年齢でも発症する可能性があります。
⚠️ 治療アプローチの違いに注意!
原発性多汗症は発汗そのものを抑える治療が中心となりますが、続発性多汗症は原因となる疾患の治療が優先されます。原因疾患が改善すれば、多汗の症状も軽減することが期待できます。

💡 原発性多汗症の特徴と発症メカニズム
なぜ原発性多汗症が起こるのか?その謎に迫る!遺伝から自律神経まで、発症の背景を徹底解説します。
原発性多汗症は、明確な原因疾患がないにもかかわらず発症する多汗症ですが、その発症メカニズムについてはいくつかの要因が考えられています。
🔸 遺伝的要因
原発性多汗症には遺伝的な要因が強く関与していることがわかっています。研究によると、原発性多汗症の患者さんの約30〜50%に家族歴があるとされています。両親のどちらかが多汗症の場合、子どもが多汗症を発症する確率は通常よりも高くなります。
遺伝形式については、常染色体優性遺伝のパターンが示唆されていますが、複数の遺伝子が関与する多因子遺伝の可能性も指摘されています。ワキガの原因と遺伝について詳しく知りたい方は「ワキガの原因は遺伝?遺伝する確率や体質改善の方法を医師が解説」もご参照ください。
💧 自律神経系の過活動
原発性多汗症の発症には、自律神経系、特に交感神経の過活動が関与していると考えられています。通常、発汗は交感神経によって制御されていますが、原発性多汗症の方では、この交感神経の活動が過剰になっている可能性があります。
特に、精神的なストレスや緊張によって交感神経が刺激されると、通常以上の発汗反応が引き起こされます。この点について詳しく知りたい方は「多汗症の原因はストレス?自律神経との関係や対処法を医師が解説」をご覧ください。
✨ 汗腺の構造的特徴
原発性多汗症の方の汗腺は、構造的には正常な人と変わりません。汗腺の数や大きさに明らかな違いは認められていません。しかし、汗腺の機能的な反応性が亢進していることが示唆されています。つまり、同じ刺激に対してより多くの汗を分泌してしまう状態にあると考えられています。
📌 発症時期と経過
原発性多汗症は、多くの場合、思春期前後(10〜20歳頃)に発症します。これは、思春期におけるホルモンバランスの変化や、精神的なストレスの増加が関係していると考えられています。
🚨 注意!経過について
一度発症すると、多汗症の症状は長期間にわたって持続することが多いです。ただし、加齢とともに症状が軽減する場合もあります。また、妊娠や更年期など、ホルモンバランスが変化する時期に症状が変動することもあります。
🏥 原発性多汗症の発症部位別の症状
どこに汗をかくかで日常生活の困りごとも変わってきます!部位別の特徴を詳しくチェックしましょう。
原発性多汗症は、発汗が見られる部位によっていくつかのタイプに分類されます。それぞれの部位で特徴的な症状や日常生活への影響が異なります。
🔸 手掌多汗症(手のひらの多汗症)
手掌多汗症は、原発性多汗症の中で最も頻度が高いタイプの一つです。手のひらに過剰な発汗が見られ、軽度の場合は手のひらが湿っている程度ですが、重度になると汗が滴り落ちるほどになります。
手掌多汗症の方は、📌 書類や本が汗で濡れてしまう、📌 スマートフォンやパソコンの操作がしにくい、📌 握手をためらってしまうなど、日常生活や仕事において多くの不便を感じます。特に、仕事で書類を扱う機会が多い方や、接客業で握手をする機会がある方にとっては、大きな悩みとなります。
⚡ 腋窩多汗症(脇の下の多汗症)
腋窩多汗症は、脇の下に過剰な発汗が見られるタイプです。脇汗による衣服の染みや臭いが気になり、人前に出ることに抵抗を感じる方も少なくありません。
腋窩多汗症の方は、✅ グレーや淡い色の服を避ける、✅ 常に替えの服を持ち歩く、✅ 汗脇パッドを使用するなど、日常的に様々な対策を講じています。また、脇汗と同時にワキガの症状がある場合は、臭いの問題も加わり、より深刻な悩みとなることがあります。ワキガのセルフチェック方法について知りたい方は「ワキガのセルフチェック方法|自分で確認できる10の項目と対処法」をご参照ください。
🦶 足蹠多汗症(足の裏の多汗症)
足蹠多汗症は、足の裏に過剰な発汗が見られるタイプです。靴の中が蒸れやすく、足の臭いの原因となることがあります。また、汗で靴の中が滑りやすくなり、歩行に支障をきたすこともあります。
足蹠多汗症の方は、🔸 素足でサンダルを履くと滑って歩きにくい、🔸 靴下がすぐに湿ってしまう、🔸 水虫などの足の感染症にかかりやすいといった問題を抱えることがあります。
😅 頭部・顔面多汗症
頭部・顔面多汗症は、額や頭皮、顔面に過剰な発汗が見られるタイプです。人前で話すときや緊張する場面で顔から汗が流れ落ち、周囲の目が気になるという悩みを抱える方が多いです。
顔面多汗症は、⚡ メイクが崩れやすい、⚡ 眼鏡が滑る、⚡ 髪の毛が汗で濡れてしまうといった問題を引き起こします。特に接客業や営業職など、人と接する機会が多い職業の方にとっては、仕事上の大きな障害となることがあります。
🌀 複合型多汗症
複数の部位に同時に多汗症の症状が現れることもあります。例えば、手のひらと足の裏の両方に多汗症がある場合や、脇の下と顔面の両方に症状がある場合などです。複合型の多汗症は、単一部位の多汗症と比べて日常生活への影響が大きくなる傾向があります。
📋 原発性多汗症の診断基準
あなたの症状は原発性多汗症?専門医が使用する正式な診断基準をわかりやすく解説します!
原発性多汗症の診断は、主に問診と臨床症状に基づいて行われます。日本皮膚科学会のガイドラインでは、以下の診断基準が示されています。
📌 原発性局所多汗症の診断基準
原発性局所多汗症と診断されるためには、まず「局所的に過剰な発汗が6ヶ月以上続いていること」が必要条件となります。その上で、以下の6項目のうち2項目以上を満たす場合に、原発性局所多汗症と診断されます。
✅ 診断基準の6項目チェックリスト
📌 最初に症状が出たのが25歳以下であること
📌 左右対称性に発汗が見られること
📌 睡眠中は発汗が止まっていること
📌 1週間に1回以上、多汗のエピソードがあること
📌 家族歴があること
📌 日常生活に支障をきたすこと
多汗症のセルフチェックについて詳しく知りたい方は「多汗症のセルフチェック方法|症状の見分け方と受診の目安を解説」もご覧ください。
🔍 重症度の評価
原発性多汗症の重症度は、Hyperhidrosis Disease Severity Scale(HDSS)という指標で評価されることがあります。HDSSは4段階で評価され、以下のように分類されます:
- 🔸 スコア1:発汗は全く気にならず、日常生活に支障がない
- 🔸 スコア2:発汗は我慢できるが、時々日常生活に支障がある
- 🔸 スコア3:発汗はほとんど我慢できず、頻繁に日常生活に支障がある
- 🔸 スコア4:発汗は我慢できず、常に日常生活に支障がある
一般的に、HDSSスコア3または4の場合に治療の対象となります。ただし、スコア2であっても、患者さんの希望や生活への影響を考慮して治療を行うことがあります。
🔬 検査について
原発性多汗症の診断において、特別な検査は必ずしも必要ではありません。しかし、続発性多汗症を除外するために、血液検査で甲状腺機能や血糖値をチェックすることがあります。
発汗量を客観的に評価するための検査として、ヨウ素デンプン反応(Minor法)があります。これは、発汗部位にヨウ素溶液を塗布し、デンプン粉をまぶすことで、汗をかいた部位が青紫色に変色する反応を利用した検査です。この検査により、発汗の範囲や程度を視覚的に確認することができます。
⚠️ 原発性多汗症と続発性多汗症の見分け方
間違えやすい2つのタイプ!正しい区別が適切な治療への鍵となります。見分けるポイントを詳しく解説!
多汗症の治療を行う上で、原発性多汗症と続発性多汗症を正確に見分けることは非常に重要です。以下に、両者を区別するためのポイントを解説します。
📌 発汗の範囲
原発性多汗症は、手のひら、足の裏、脇の下、顔面など、特定の部位に限局して発汗が見られます。一方、続発性多汗症は全身性の発汗が見られることが多く、特定の部位に限局しないことが特徴です。
ただし、続発性多汗症でも局所的な発汗が見られることがあるため、発汗の範囲だけで判断することは難しい場合があります。
🎂 発症年齢
原発性多汗症は、多くの場合、思春期前後(10〜25歳頃)に発症します。25歳以降に初めて多汗症の症状が現れた場合は、続発性多汗症の可能性を考慮する必要があります。
🌙 睡眠中の発汗
原発性多汗症では、睡眠中は発汗が止まるか著しく軽減します。一方、続発性多汗症、特に感染症や悪性腫瘍が原因の場合は、夜間の発汗(寝汗)が顕著に見られることがあります。寝汗がひどい場合は、続発性多汗症を疑う必要があります。
↔️ 左右対称性
原発性多汗症では、両手のひら、両足の裏、両脇など、左右対称に症状が現れます。片側だけに発汗が見られる場合は、神経障害などによる続発性多汗症の可能性があります。
🤒 随伴症状の有無
🚨 こんな症状があったら要注意!
続発性多汗症の場合、原因疾患に伴う症状が見られることがあります:
⚡ 甲状腺機能亢進症:動悸や体重減少
⚡ 糖尿病:口渇や多尿
⚡ 感染症:発熱などの症状
👨👩👧👦 家族歴
原発性多汗症には遺伝的要因が関与しており、約30〜50%の患者さんに家族歴があります。家族に多汗症の方がいる場合は、原発性多汗症の可能性が高くなります。
💊 原発性多汗症の治療法
多汗症は治療できる疾患です!外用薬からボトックス注射、最新のミラドライまで、豊富な治療選択肢をご紹介します。
原発性多汗症の治療法は、外用療法、ボツリヌス毒素注射、イオントフォレーシス、内服療法、手術療法など、様々な選択肢があります。治療法の選択は、多汗症の部位や重症度、患者さんの希望などを考慮して決定されます。
🧴 外用療法(塗り薬)
外用療法は、原発性多汗症の治療において最初に試みられることが多い方法です。主に使用されるのは塩化アルミニウム製剤で、汗腺の出口を物理的に塞ぐことで発汗を抑制します。
塩化アルミニウム外用薬は、夜寝る前に患部に塗布し、朝洗い流すという使い方が一般的です。効果が現れるまでには通常1〜2週間かかり、継続的な使用が必要です。副作用として、皮膚の刺激やかゆみが生じることがあります。
また、2020年には腋窩多汗症に対して、ソフピロニウム臭化物外用薬(エクロックゲル)が保険適用となりました。これは抗コリン作用により発汗を抑制する薬剤で、1日1回の塗布で効果が期待できます。
💉 ボツリヌス毒素注射(ボトックス注射)
ボツリヌス毒素注射は、A型ボツリヌス毒素を発汗部位に注射することで、汗腺への神経伝達を遮断し、発汗を抑制する治療法です。腋窩多汗症に対しては保険適用となっており、効果的な治療法として広く行われています。
💡 ボトックス注射のポイント
✅ 効果の持続期間:通常4〜9ヶ月程度
✅ 効果が減弱してきたら再度注射が必要
✅ 副作用:注射部位の痛み、内出血、一時的な筋力低下(いずれも一過性)
ボトックス注射について詳しく知りたい方は「多汗症にボトックスは効果ある?持続期間や治療の流れを医師が解説」をご覧ください。
⚡ イオントフォレーシス
イオントフォレーシスは、水を満たした容器に手や足を浸し、微弱な電流を流すことで発汗を抑制する治療法です。主に手掌多汗症や足蹠多汗症に対して行われます。
治療は週に数回、1回あたり20〜30分程度行い、効果が現れるまでには通常2〜4週間かかります。効果を維持するためには、継続的な治療が必要です。自宅で行える機器も販売されており、通院が難しい方でも継続しやすい治療法です。
💊 内服療法
内服療法では、抗コリン薬が使用されることがあります。抗コリン薬は、汗腺を刺激するアセチルコリンの作用を遮断することで、発汗を抑制します。
⚠️ 内服薬の注意点
抗コリン薬は全身に作用するため、口渇、便秘、排尿困難、視力調節障害などの副作用が生じることがあります。また、緑内障や前立腺肥大症のある方には使用できません。
🏥 手術療法
保存的治療で十分な効果が得られない場合や、重症の多汗症に対しては、手術療法が検討されることがあります。代表的な手術法として、胸腔鏡下交感神経遮断術(ETS手術)があります。
ETS手術は、胸腔鏡を用いて交感神経節を切断または焼灼することで、発汗を抑制する手術です。手掌多汗症に対して高い効果が期待できますが、代償性発汗(手術部位以外の発汗が増加する現象)が起こる可能性があります。手術について詳しく知りたい方は「多汗症の手術の種類とは?ETS手術やミラドライなど治療法を徹底解説」をご参照ください。
🌟 ミラドライ
ミラドライは、マイクロ波を利用して汗腺を破壊する治療法で、主に腋窩多汗症に対して行われます。切開を伴わないため、傷跡が残らず、ダウンタイムも比較的短いことが特徴です。
ミラドライは1〜2回の治療で長期的な効果が期待でき、汗腺が再生することはないため、永続的な効果が得られる可能性があります。ミラドライの仕組みについて詳しく知りたい方は「ミラドライの仕組みと原理を徹底解説|わきが・多汗症治療の効果とメカニズム」をご覧ください。
💰 保険適用について
原発性多汗症の治療において、保険適用となる治療法があります。腋窩多汗症に対するボツリヌス毒素注射や、一部の外用薬は保険適用で受けることができます。保険適用の条件や費用について詳しく知りたい方は「多汗症の治療は保険適用される?適用条件と治療法を専門医が解説」をご参照ください。
📝 原発性多汗症と日常生活への影響
多汗症は見た目だけの問題ではありません!心の健康から人間関係まで、幅広い影響について詳しく解説します。
原発性多汗症は、身体的な症状だけでなく、精神的・社会的な面でも大きな影響を及ぼします。
💼 仕事への影響
多汗症は仕事の効率や職業選択に影響を与えることがあります。手掌多汗症の方は、書類を扱う仕事やパソコン作業に支障をきたすことがあります。また、接客業や営業職の方は、握手をためらったり、汗染みを気にして人前に出ることに抵抗を感じたりすることがあります。
腋窩多汗症の方は、📌 スーツやワイシャツの汗染みが目立ちやすく、📌 ビジネスシーンでの印象に影響を与える可能性があります。このため、服装選びに制限が生じたり、こまめに着替える必要が出てきたりします。
👥 人間関係への影響
多汗症は対人関係にも影響を及ぼすことがあります。握手やスキンシップを避けるようになったり、人との距離を置くようになったりすることで、人間関係が希薄になる可能性があります。
また、汗や臭いを気にするあまり、人前に出ることを避けるようになり、社会的な活動が制限されることもあります。これは、社会不安障害やうつ症状につながるリスクがあります。
🧠 精神的な影響
🚨 精神的な悪循環に注意
多汗症の方は、自分の汗について常に意識し、不安やストレスを感じていることが多いです。この精神的なストレスがさらに発汗を促進するという悪循環に陥ることもあります。
研究によると、多汗症の患者さんは、そうでない人と比べて不安障害やうつ病の有病率が高いことが報告されています。多汗症は見た目の問題だけでなく、精神的な健康にも大きな影響を与える疾患であることを理解することが重要です。
✨ 生活の質(QOL)への影響
多汗症は、全体的な生活の質(QOL)を低下させることが明らかになっています。⚡ 服装の選択肢が限られる、⚡ 外出を控えるようになる、⚡ 趣味や運動を楽しめなくなるなど、日常生活の様々な場面で制限が生じます。
💡 希望のメッセージ
適切な治療を受けることで、これらの問題は大きく改善する可能性があります!多汗症でお悩みの方は、一人で抱え込まずに、専門の医療機関に相談することをお勧めします。
受診科について迷われている方は「多汗症は病院の何科を受診すべき?症状別の診療科と治療法を詳しく解説」もご参照ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太医師(当院治療責任者)より
「当院では多汗症でお悩みの患者さんが増加傾向にあり、特に20代から30代の働き盛りの方からのご相談が多く見られます。多汗症の患者さんの約8割が原発性多汗症であり、手のひらや脇の下の症状で来院される方が大半を占めています。最近では在宅勤務からオフィス勤務に戻ったことをきっかけに、改めて汗の悩みを意識されて受診される方も増えています。原発性多汗症は適切な治療により症状をコントロールできる疾患ですので、お一人で悩まずにお気軽にご相談ください。患者さんのライフスタイルや症状の程度に合わせて、最適な治療法をご提案させていただきます。」
🎯 多汗症の種類に関するよくある質問
原発性多汗症が自然に完治することは稀ですが、加齢とともに症状が軽減することがあります。特に50歳以降になると、汗腺の機能が低下するため、発汗量が減少する傾向が見られます。ただし、症状の経過には個人差が大きく、長期間にわたって症状が持続する方も少なくありません。日常生活に支障をきたしている場合は、自然軽快を待つよりも、早めに専門医に相談して適切な治療を受けることをお勧めします。
ある程度の目安として自己判断することは可能ですが、正確な診断は医師の診察が必要です。原発性多汗症の特徴として、25歳以下での発症、左右対称の発汗、睡眠中の発汗停止、家族歴の存在などが挙げられます。一方、25歳以降に初めて症状が現れた場合や、全身性の発汗、夜間の寝汗がひどい場合、体重減少や動悸などの随伴症状がある場合は、続発性多汗症の可能性があります。気になる症状がある場合は、専門医を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。
原発性多汗症には遺伝的な要因が関与しており、家族歴がある方は発症リスクが高くなります。研究によると、原発性多汗症の患者さんの約30〜50%に家族歴があるとされています。遺伝形式については、常染色体優性遺伝のパターンが示唆されていますが、複数の遺伝子が関与する多因子遺伝の可能性もあります。親が多汗症の場合、子どもが多汗症を発症する確率は通常よりも高くなりますが、必ずしも遺伝するわけではありません。
原発性多汗症の治療の一部は保険適用となります。腋窩多汗症に対するボツリヌス毒素注射(ボトックス注射)は、重度の原発性腋窩多汗症に対して保険適用が認められています。また、2020年に承認されたソフピロニウム臭化物外用薬(エクロックゲル)も保険適用で処方を受けることができます。ただし、保険適用となるためには一定の条件を満たす必要があります。ミラドライなどの一部の治療は自由診療となります。詳しい条件については、専門医にご相談ください。
原発性多汗症とワキガ(腋臭症)は異なる疾患です。多汗症は汗の量が異常に多い状態であり、主にエクリン汗腺からの発汗が増加します。一方、ワキガはアポクリン汗腺から分泌される汗に含まれる成分が皮膚の常在菌によって分解され、独特の臭いを発する状態です。ただし、両方の症状を併せ持つ方も少なくありません。脇の汗が多く、臭いも気になるという場合は、多汗症とワキガの両方の治療が必要となることがあります。
原発性多汗症は子どもでも発症することがあります。多くの場合、思春期前後(10〜15歳頃)に症状が現れ始めますが、それ以前から症状が見られることもあります。子どもの多汗症は、学校生活やスポーツ活動に支障をきたすことがあり、自己肯定感の低下につながる可能性もあります。お子さんの汗について気になることがあれば、早めに専門医に相談することをお勧めします。子どもに適した治療法を選択することで、症状を改善することができます。
参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務