はじめに
顔や首、手などにできるイボは、見た目が気になるだけでなく、増えてしまうこともあり多くの方が悩まれています。イボの治療方法には液体窒素による冷凍凝固療法や外科的切除などさまざまな選択肢がありますが、近年注目されているのが炭酸ガスレーザーによる治療です。
「炭酸ガスレーザーでイボを取りたいけれど、保険は適用されるの?」「治療費はどのくらいかかるの?」といった疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。本記事では、イボの炭酸ガスレーザー治療における保険適用の有無、治療の詳細、費用の目安などについて、アイシークリニック大宮院の視点から詳しく解説していきます。
イボとは?基礎知識を知る
イボの定義と特徴
イボは医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれる皮膚の良性腫瘍です。ウイルス感染が原因で発生するものと、加齢などによって生じる非ウイルス性のものがあります。表面がざらざらとしていたり、盛り上がっていたりするのが特徴で、色は肌色から褐色、黒色までさまざまです。
イボは放置しておくと自然に消えることもありますが、逆に数が増えたり大きくなったりすることもあるため、気になる場合は早めの治療をおすすめします。
イボの種類
イボにはいくつかの種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、最も一般的なイボです。ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じ、手足や顔など全身のどこにでもできる可能性があります。表面がざらざらとして硬く、灰白色や褐色を呈することが多いのが特徴です。小さな傷口からウイルスが侵入することで発症し、接触によって他の部位や他人にうつる可能性があります。
足底疣贅(そくていゆうぜい)は、足の裏にできるイボで、体重がかかるため内側に食い込むように成長します。魚の目やタコと間違えやすいですが、イボの場合は削ると小さな黒い点(血管の断面)が見えることがあります。歩行時の痛みを伴うこともあり、日常生活に支障をきたすケースもあります。
扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)は、若い女性の顔や手の甲に多く見られる平らで小さなイボです。肌色から褐色で、表面は滑らかです。青年性扁平疣贅とも呼ばれ、数個から数十個まとまってできることが特徴です。
老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)は、脂漏性角化症とも呼ばれ、加齢とともに生じる非ウイルス性のイボです。中高年以降に顔や体幹部に多発し、褐色から黒褐色の盛り上がりとして現れます。ウイルス性ではないため感染の心配はありませんが、紫外線や皮膚の老化が原因とされています。
尖圭コンジローマは、性器やその周辺にできるイボで、性感染症の一種です。HPVの6型や11型などによって引き起こされ、特殊な治療が必要となるため、専門医の診察を受けることが重要です。
イボができる原因
ウイルス性のイボは、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染が原因です。このウイルスは100種類以上の型があり、型によってできるイボの種類が異なります。
HPVは非常に小さな皮膚の傷から侵入し、皮膚の基底細胞に感染します。感染した細胞が異常増殖することでイボが形成されます。プールや公衆浴場の床、タオルの共用などを通じて感染することがあるため、予防には足の小さな傷に注意することや、他人とタオルを共用しないことが大切です。
一方、老人性疣贅などの非ウイルス性イボは、紫外線の蓄積的なダメージや加齢による皮膚の変化が主な原因です。遺伝的な要因も関係していると考えられています。
免疫力の低下もイボの発生に関係しています。疲労やストレス、基礎疾患などで免疫が低下すると、ウイルスに感染しやすくなったり、感染したウイルスを排除できなくなったりするため、イボができやすくなります。
炭酸ガスレーザー治療とは
炭酸ガスレーザーの仕組み
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、波長10,600nmの赤外線を発生させる医療用レーザーです。この波長は水分に強く吸収される性質があり、人体の組織(約70%が水分)に照射すると、組織内の水分が瞬間的に蒸散します。
レーザーを照射された部分の細胞は熱エネルギーによって蒸散・炭化し、イボの組織を削り取ることができます。同時にレーザーの熱によって血管が凝固するため、出血が最小限に抑えられるという利点があります。
照射の深さや強さを細かく調整できるため、イボの大きさや深さに応じた治療が可能です。また、周囲の正常な組織へのダメージを最小限に抑えながら、病変部分だけを正確に除去できるのが特徴です。
炭酸ガスレーザー治療のメリット
炭酸ガスレーザー治療には多くのメリットがあります。
まず、治療時間が短いことが挙げられます。小さなイボであれば数分程度で治療が完了するため、患者さんの負担が少なくて済みます。
出血が少ないことも大きな利点です。レーザーの熱で血管が凝固されるため、従来のメスによる切除と比較して出血がほとんどありません。
傷跡が目立ちにくいという点も重要です。レーザーは非常に精密な治療が可能なため、必要最小限の組織だけを除去でき、周囲の正常な皮膚へのダメージを抑えることができます。適切なアフターケアを行えば、傷跡が目立たずに治癒することが期待できます。
痛みが比較的少ないことも患者さんにとって安心材料となります。局所麻酔を使用するため治療中の痛みはほとんどなく、治療後の痛みも従来の方法と比べて軽減されることが多いです。
再発率が低いことも炭酸ガスレーザーの特徴です。イボの根元からしっかりと除去できるため、液体窒素治療などと比較して再発のリスクが低いとされています。
炭酸ガスレーザー治療のデメリット
一方で、デメリットや注意点もあります。
保険適用の制限があることは重要なポイントです。後述しますが、炭酸ガスレーザーによるイボ治療は、条件によっては保険適用外となる場合があります。
治療後の色素沈着のリスクがあります。レーザー治療後は一時的に赤みが出たり、その後色素沈着が生じたりすることがあります。特に日焼けした肌や色黒の肌質の方は注意が必要です。
アフターケアが重要です。治療後は傷の保護や紫外線対策など、適切なケアが必要となります。これを怠ると、傷の治りが悪くなったり、色素沈着が残ったりする可能性があります。
すべてのイボに適応できるわけではありません。イボの種類や大きさ、できている場所によっては、他の治療法の方が適している場合もあります。
炭酸ガスレーザー治療の保険適用について
保険適用の基本的な考え方
炭酸ガスレーザーによるイボ治療の保険適用については、多くの方が混乱されるポイントです。実は、炭酸ガスレーザー自体が保険適用外というわけではなく、条件によって保険適用となる場合と自費診療となる場合があります。
日本の医療保険制度では、厚生労働省が定めた診療報酬点数表に基づいて保険適用の可否が決まります。炭酸ガスレーザーを使用した治療については、平成20年度の診療報酬改定で一定の条件下での保険適用が認められました。
保険適用となるケース
炭酸ガスレーザーによるイボ治療が保険適用となるのは、主に以下のような条件を満たす場合です。
難治性のウイルス性疣贅で、液体窒素などの従来の治療法では効果が不十分だった場合、炭酸ガスレーザーの保険適用が認められることがあります。厚生労働省の定める基準では、他の治療法による十分な治療効果が得られない場合に限り、レーザー治療が保険診療として認められています。
具体的には、液体窒素による冷凍凝固療法を複数回(一般的には4〜6回以上)行っても改善が見られない場合や、イボが深く根を張っていて従来の治療では除去が困難な場合などが該当します。
ただし、保険適用となるためには医師が医学的必要性を認め、診療録に治療経過や他の治療法を試みた記録などを適切に記載する必要があります。
保険適用外(自費診療)となるケース
一方、以下のような場合は保険適用外となり、自費診療となります。
美容目的での治療は基本的に保険適用外です。医学的な治療の必要性がなく、見た目の改善のみを目的とする場合は、自費診療となります。例えば、痛みや機能障害がなく、単に美容上の理由でイボを除去したい場合などが該当します。
老人性疣贅(脂漏性角化症)の治療も、多くの場合は自費診療となります。これは加齢による皮膚の変化であり、ウイルス感染症ではないため、医学的緊急性が低いと判断されることが多いためです。
初回から炭酸ガスレーザーを希望する場合も、保険適用外となることがあります。保険適用の条件として「他の治療法で効果が得られなかった場合」という要件があるため、まず液体窒素などの標準的な治療を試みる必要があります。
患者さんが希望する数のイボを一度に治療する場合も、医学的必要性を超える部分については自費扱いとなることがあります。
医療機関による違い
保険適用の判断は、医療機関や医師によっても異なる場合があります。これは、イボの状態や治療経過の評価、医学的必要性の判断が医師の裁量に委ねられている部分があるためです。
大学病院や総合病院などの大規模医療機関では、保険診療のガイドラインに厳格に従う傾向があります。一方、美容皮膚科やクリニックでは、自費診療を前提としたメニューとして炭酸ガスレーザー治療を提供していることも多くあります。
治療を受ける際は、事前に医療機関に保険適用の可否を確認することをおすすめします。
治療費用の目安
保険適用の場合の費用
保険適用で炭酸ガスレーザー治療を受ける場合、診療報酬点数に基づいた費用となります。
レーザー治療の技術料は、診療報酬点数表の「K008 皮膚腫瘍冷凍凝固摘出術」や関連する項目で算定されることがありますが、具体的な点数は治療する範囲や個数によって異なります。
3割負担の場合、小さなイボ1個あたりの治療費は概ね数千円程度となることが多いですが、初診料や再診料、処方箋料なども含めると、トータルで5,000円〜15,000円程度かかることもあります。
ただし、これはあくまでも目安であり、イボの大きさや数、治療の難易度によって費用は変動します。
自費診療の場合の費用
自費診療の場合、医療機関が自由に価格を設定できるため、施設によって費用に大きな差があります。
一般的な相場としては、イボ1個あたり5,000円〜20,000円程度が多いですが、イボの大きさによって価格が変わることもあります。直径5mm以下の小さなイボであれば5,000円程度、1cm以上の大きなイボでは20,000円以上かかることもあります。
複数のイボをまとめて治療する場合は、個数に応じた料金設定や、範囲に応じたパッケージ料金を設定している医療機関もあります。
また、初診料や麻酔代、術後の軟膏代などが別途かかる場合もあるため、事前に総額を確認しておくことが大切です。
費用を抑えるためのポイント
炭酸ガスレーザー治療の費用を抑えるためには、いくつかのポイントがあります。
まず、保険適用の可能性を探ることです。すぐにレーザー治療を希望するのではなく、まずは液体窒素治療などの保険適用の標準治療を試み、それでも改善しない場合にレーザー治療を検討するという方法です。
複数の医療機関で見積もりを取ることも有効です。自費診療の場合、医療機関によって価格設定が異なるため、比較検討することで費用を抑えられる可能性があります。
ただし、価格だけでなく、医師の経験や技術、アフターケアの充実度なども重要な選択基準となります。安いからという理由だけで選ぶのではなく、総合的に判断することをおすすめします。
炭酸ガスレーザー治療の流れ
カウンセリングと診察
治療の第一歩は、医師によるカウンセリングと診察です。
医師は、イボの種類や大きさ、数、できている場所などを詳しく診察します。ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)を使用して、イボが本当にウイルス性疣贅なのか、それとも他の皮膚疾患なのかを確認することもあります。
患者さんの希望や懸念点を丁寧に聞き取り、炭酸ガスレーザー治療が最適な選択肢かどうかを判断します。他の治療法との比較説明も行われます。
保険適用の可否についても、この段階で説明があります。過去の治療歴や現在の症状を考慮し、保険診療として治療できるか、自費診療となるかが判断されます。
治療のリスクや副作用、術後のケア方法についても詳しく説明を受けます。不明な点や不安な点があれば、この時点で遠慮なく質問することが大切です。
治療当日の準備
治療当日は、メイクを落とし、治療部位を清潔にした状態で来院します。顔のイボを治療する場合は、ノーメイクで来院するか、クリニックでメイクを落とすことになります。
治療前に、再度治療部位の確認と最終的な説明が行われます。同意書にサインをし、治療に進みます。
麻酔
炭酸ガスレーザー治療では、局所麻酔を使用することが一般的です。小さなイボの場合は、麻酔クリームを塗布するだけで済むこともあります。
注射による局所麻酔を行う場合は、非常に細い針を使用して治療部位とその周辺に麻酔薬を注入します。この注射の際にチクッとした痛みがありますが、麻酔が効けば治療中の痛みはほとんど感じません。
麻酔が十分に効いたことを確認してから、レーザー治療に移ります。
レーザー照射
炭酸ガスレーザーをイボに照射します。レーザーの照射時間は、イボの大きさにもよりますが、1個あたり数秒から数分程度です。
医師は、イボの組織だけを正確に除去するよう、照射の深さや強さを調整しながら慎重に治療を進めます。イボの根元までしっかりと除去することが、再発を防ぐために重要です。
レーザー照射中は、焦げたような臭いがすることがあります。これはイボの組織が蒸散・炭化している際の臭いで、正常な反応です。
複数のイボを治療する場合は、同様の手順を繰り返します。
治療後の処置
レーザー照射後は、治療部位を消毒し、軟膏を塗布します。その上から保護テープやガーゼで覆い、傷を保護します。
治療直後は、治療部位が少し窪んだ状態になっていますが、時間とともに新しい皮膚が再生され、平らになっていきます。
医師から、術後のケア方法や注意事項について詳しい説明を受けます。処方された軟膏や内服薬がある場合は、指示通りに使用します。
通院とアフターケア
治療後は、傷の経過を確認するために定期的な通院が必要です。一般的には、治療の1週間後、2週間後などに経過観察を行います。
傷の治り具合を確認し、問題があれば適切な処置を行います。色素沈着や瘢痕のリスクを最小限に抑えるためのケア方法についても指導があります。
傷が完全に治癒するまでには、通常2〜4週間程度かかります。傷の治り方には個人差があり、イボの大きさや深さ、治療部位によっても異なります。
治療後のケアと注意点
当日から数日間のケア
治療当日は、できるだけ安静にし、治療部位に負担をかけないようにします。入浴は短時間のシャワーにとどめ、治療部位を濡らさないようにします。
保護テープやガーゼは、医師の指示があるまで自分で剥がさないことが大切です。通常は翌日の診察時に交換します。
痛みがある場合は、処方された痛み止めを服用します。市販の痛み止めを使用する場合は、事前に医師に相認してください。
傷のケア
治療後の傷は、清潔に保つことが最も重要です。医師の指示に従い、1日1〜2回、傷を優しく洗浄し、処方された軟膏を塗布します。
傷が完全に塞がるまでは、保護テープや絆創膏で覆っておきます。湿潤環境を保つことで、傷の治りが早くなり、傷跡も目立ちにくくなります。
かさぶたができた場合は、無理に剥がさないようにします。自然に取れるまで待つことが、きれいな仕上がりにつながります。
紫外線対策
治療後の皮膚は非常にデリケートで、紫外線の影響を受けやすい状態です。紫外線を浴びると、色素沈着のリスクが高まります。
外出時は必ず日焼け止めを塗り、帽子や日傘などを使用して紫外線を避けます。SPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを使用することをおすすめします。
治療後少なくとも3〜6ヶ月間は、しっかりとした紫外線対策を続けることが大切です。
日常生活での注意点
治療部位をこすったり、掻いたりしないように注意します。刺激を与えると、傷の治りが遅くなったり、色素沈着や瘢痕の原因となったりします。
顔の治療を行った場合は、メイクは傷が完全に塞がってから再開します。通常は1〜2週間程度が目安ですが、医師の許可を得てから行うようにします。
運動や入浴などで汗をかく場合は、治療部位を清潔に保つよう心がけます。汗が傷に入ると、感染のリスクが高まります。
飲酒や喫煙は、傷の治癒を遅らせる可能性があるため、少なくとも治療後数日間は控えることをおすすめします。
トラブルが起きた場合
治療後に以下のような症状が現れた場合は、すぐに医療機関に連絡してください。
- 強い痛みが続く
- 治療部位が大きく腫れる
- 発熱がある
- 治療部位から膿が出る
- 強い赤みや熱感が広がる
これらは感染や炎症の兆候である可能性があります。早めの対処が重要です。
他のイボ治療法との比較
液体窒素による冷凍凝固療法
液体窒素療法は、イボ治療の最も標準的な方法です。マイナス196度の液体窒素をイボに当てて凍らせ、組織を破壊します。
保険適用で治療できることが最大のメリットです。費用も比較的安く、1回あたり数百円〜数千円程度(3割負担の場合)で治療を受けられます。
一方で、治療には複数回の通院が必要で、完治までに数週間から数ヶ月かかることがあります。また、治療時に強い痛みを伴うことが多く、特に小さなお子さんには負担が大きい場合があります。
炭酸ガスレーザーと比較すると、治療回数が多く、痛みが強い一方で、費用が安いという特徴があります。
外科的切除
メスを使ってイボを切除する方法です。大きなイボや根が深いイボに対して行われることがあります。
確実にイボを除去できることがメリットですが、傷跡が残りやすいというデメリットがあります。また、縫合が必要な場合は、抜糸のための通院も必要です。
保険適用で治療できますが、炭酸ガスレーザーと比較すると、傷跡が目立ちやすく、回復期間も長くなる傾向があります。
ヨクイニン(漢方薬)
ヨクイニンは、ハトムギから抽出された生薬で、イボに対する免疫を高める効果があるとされています。
内服薬として長期間服用することで、イボが自然に消えることを期待します。保険適用で処方してもらえることもあります。
効果が現れるまでに時間がかかり(数ヶ月〜1年以上)、すべての方に効果があるわけではありません。他の治療法と併用されることもあります。
モノクロロ酢酸塗布
モノクロロ酢酸という薬品をイボに塗布し、化学的に組織を破壊する方法です。
液体窒素と比べて痛みが少ないことがメリットですが、複数回の治療が必要で、効果が出るまでに時間がかかることがあります。
電気焼灼法
電気メスを使用してイボを焼き切る方法です。炭酸ガスレーザーと似た効果がありますが、周囲の組織へのダメージがやや大きくなる傾向があります。
保険適用で治療できる場合が多く、1回の治療で済むことがメリットです。
各治療法の選択基準
イボの種類や大きさ、できている場所、患者さんの希望などによって、最適な治療法は異なります。
小さなウイルス性疣贅で、費用を抑えたい場合は、まず液体窒素療法を試すのが一般的です。何度か治療しても改善しない場合に、炭酸ガスレーザーや外科的切除を検討します。
顔など目立つ部位のイボで、傷跡を最小限にしたい場合は、炭酸ガスレーザーが適しています。
多発性のイボに対しては、ヨクイニンの内服と他の治療法を併用することもあります。
足底疣贅など、痛みを伴うイボに対しては、確実に除去できる炭酸ガスレーザーや外科的切除が選択されることが多いです。
医師とよく相談し、自分の状況に最も適した治療法を選択することが重要です。

よくある質問
局所麻酔を使用するため、治療中の痛みはほとんどありません。麻酔の注射時にチクッとした痛みがありますが、我慢できる程度です。麻酔が効いてしまえば、レーザー照射中の痛みは感じません。
治療後は、麻酔が切れると多少の痛みを感じることがありますが、通常は数日で落ち着きます。痛み止めを処方してもらえるので、必要に応じて服用できます。
1回の治療で完治しますか?
イボの大きさや深さによって異なりますが、多くの場合、1回の治療で除去できます。ただし、根が深いイボや大きなイボの場合は、複数回の治療が必要になることもあります。
また、治療後に再発することもまれにあります。その場合は追加の治療が必要です。
傷跡は残りますか?
適切な治療とアフターケアを行えば、傷跡は目立たなくなることが多いです。ただし、イボの大きさや深さ、治療部位、個人の体質によっては、多少の傷跡や色素沈着が残る可能性があります。
特に、体質的にケロイドになりやすい方や、色素沈着しやすい方は、事前に医師に相談することをおすすめします。
何歳から治療できますか?
年齢制限は特にありませんが、小さなお子さんの場合、治療中じっとしていられるかどうかが問題となります。一般的には、医師の説明を理解し、協力できる年齢(小学生以上)であれば治療可能です。
幼児の場合は、全身麻酔や鎮静剤を使用することもありますが、これは医療機関によって対応が異なります。
妊娠中や授乳中でも治療できますか?
妊娠中や授乳中の炭酸ガスレーザー治療は、基本的には問題ないとされています。局所麻酔の使用も、適切な薬剤を選択すれば胎児や母乳への影響は最小限です。
ただし、妊娠中はホルモンバランスの変化により、傷の治りが通常と異なる場合があります。また、妊娠中や授乳中であることを医師に必ず伝え、相談の上で治療を受けることが大切です。
顔のイボも治療できますか?
はい、顔のイボも炭酸ガスレーザーで治療できます。むしろ、顔など目立つ部位のイボは、傷跡が残りにくい炭酸ガスレーザーが適しています。
ただし、顔の治療後は特に紫外線対策が重要です。また、メイクは傷が完全に塞がってから再開する必要があります。
治療後、いつから普通の生活ができますか?
治療当日から日常生活は可能ですが、いくつかの制限があります。
激しい運動や長時間の入浴は、治療後数日間は避けるべきです。また、治療部位を保護し、清潔に保つ必要があります。
デスクワークなどであれば翌日から復帰できることが多いですが、治療部位や範囲によっては数日の休養が必要な場合もあります。
顔の治療の場合、保護テープを貼った状態で外出することになるため、人前に出る仕事をされている方は、週末や連休を利用して治療を受けることをおすすめします。
保険適用かどうかは誰が判断しますか?
保険適用の可否は、診察を行う医師が判断します。イボの状態、これまでの治療経過、医学的必要性などを総合的に評価し、保険診療として治療できるかどうかが決定されます。
患者さんが保険適用を希望しても、医学的要件を満たしていない場合は自費診療となります。逆に、自費を覚悟していても、条件によっては保険適用で治療できる場合もあります。
治療前のカウンセリングで、保険適用の可否について明確に説明を受けることが大切です。
再発することはありますか?
炭酸ガスレーザー治療は、イボの根元までしっかりと除去できるため、再発率は比較的低いとされています。しかし、完全に再発しないとは言い切れません。
イボの根が深く、一部が残ってしまった場合や、新たなウイルス感染が起こった場合は再発することがあります。
再発を防ぐためには、治療後の適切なケアと、免疫力を保つための健康管理が重要です。
アイシークリニック大宮院での治療
当院の特徴
アイシークリニック大宮院では、皮膚科専門医による丁寧な診察と、患者さん一人ひとりに合わせた治療を提供しています。
炭酸ガスレーザー機器を完備し、イボ治療の豊富な実績があります。保険適用の可否についても、患者さんの状況を詳しく伺った上で、適切に判断いたします。
治療前のカウンセリングでは、治療方法の選択肢や費用について詳しくご説明し、患者さんが納得された上で治療を進めています。
アクセス
JR大宮駅から徒歩圏内に位置し、通院にも便利です。お仕事帰りやお買い物のついでにもお立ち寄りいただけます。
診療時間
平日・土日ともに診療しておりますので、ご都合に合わせてご来院いただけます。詳しい診療時間については、お電話またはウェブサイトでご確認ください。
まとめ
炭酸ガスレーザーによるイボ治療は、短時間で効果的にイボを除去でき、傷跡も目立ちにくい優れた治療法です。保険適用については、イボの種類や治療経過によって異なるため、まずは医療機関で診察を受け、詳しい説明を聞くことをおすすめします。
イボでお悩みの方は、放置せずに早めに専門医に相談することが大切です。適切な診断と治療により、きれいな肌を取り戻すことができます。
アイシークリニック大宮院では、イボ治療の経験豊富な医師が、患者さん一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。イボでお困りの方は、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A イボとミズイボ」 https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/
- 日本臨床皮膚科医会「ウイルス性疣贅診療ガイドライン」
- 厚生労働省「診療報酬について」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/iryouhoken/iryouhoken01/index.html
- 日本レーザー医学会「レーザー治療について」 https://www.jslsm.or.jp/
- 日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン」(良性腫瘍に関する記載を含む)
- 公益社団法人日本皮膚科学会ガイドライン委員会「疣贅診療ガイドライン2019」
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務