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わきが手術は保険適用で受けられる?上手な医師の選び方と成功のポイント

わきがの悩みを根本から解決したいと考えたとき、手術治療は有効な選択肢の一つです。しかし、費用の心配や、どの医療機関で受ければよいのかという不安を抱える方も多いのではないでしょうか。実は、条件を満たせばわきが手術は健康保険の適用を受けることができます。

本記事では、わきが手術の保険適用条件や費用、そして上手な医師を見極めるポイントについて、医療の観点から詳しく解説します。アイシークリニック大宮院は、患者様お一人おひとりの悩みに寄り添い、確実な治療を提供することを心がけています。

わきが(腋臭症)とは何か

わきが(腋臭症)は、医学的には腋窩部から特有の強い臭いを発する状態を指します。日本人の約10~16%がこの体質を持つとされており、思春期以降に症状が現れることが一般的です。

わきがの原因とメカニズム

人間の皮膚には、エクリン腺とアポクリン腺という2種類の汗腺が存在します。エクリン腺は全身に分布し、主に体温調節のためのサラサラした汗を分泌します。この汗は約99%が水分で、蒸発しやすく、拭き取ればにおいはあまり気になりません。

一方、アポクリン腺はわきの下、耳の穴、乳輪、陰部など限られた部位にのみ存在し、タンパク質や脂質を多く含むベタベタした汗を分泌します。このアポクリン腺から分泌される汗そのものは無臭ですが、皮膚表面の常在菌がこの汗に含まれる成分(低級脂肪酸、タンパク質、糖質、アンモニアなど)を分解することで、わきが特有の強い臭いが発生します。

わきが体質の方は、アポクリン腺の数が多い、または一つ一つの汗腺が大きく活発に働く傾向があります。この体質は遺伝的な要素が強く、ABCC11遺伝子が関与していることが研究で明らかになっています。両親のどちらかがわきが体質の場合、子供に遺伝する可能性が高いことも知られています。

参考:日本医科大学武蔵小杉病院 形成外科

わきがのセルフチェック項目

自分がわきが体質かどうかを判断するには、以下のポイントをチェックしてみましょう。

  • 耳垢が湿っている(軟耳垢)
  • 家族にわきが体質の人がいる
  • 衣服のわき部分に黄色いシミができやすい
  • わき毛が濃く、白い粉状のものが付着することがある
  • わきの下の汗が多い
  • 自分でわきの臭いが気になる、または他人から指摘されたことがある

特に耳垢が湿っている方は、約80%にわきがの症状があるとされています。これは、耳の穴にもアポクリン腺が分布しているためです。

参考:済生会

わきがと多汗症の違い

わきがと混同されやすいのが多汗症ですが、両者は異なる状態です。多汗症はエクリン腺から過剰に汗が分泌される状態で、主に体温調節機能の亢進が原因です。汗の量は多いものの、わきが特有の強い臭いは伴いません。

ただし、実際にはわきがと多汗症を併発している方も多く見られます。両方の症状がある場合は、それぞれに適した治療を組み合わせることで、より高い効果が期待できます。

わきが手術が保険適用される条件

わきが治療には様々な方法がありますが、その中で健康保険が適用されるのは特定の手術法のみです。保険適用を受けるためには、医師による明確な診断と適切な基準を満たす必要があります。

保険適用の基準

わきが手術が保険適用となるためには、医師が「腋臭症」と診断することが必須条件です。厚生労働省が定める保険適用の基準は、「悪臭が著しく他人の就業に支障を生じる事実が明確で、客観的に見て医療に委ねる必要がある場合」とされています。

具体的には、以下のような状態が保険適用の対象となります。

  • 鼻を近づけなくても臭いが分かるレベルの臭い
  • 日常生活や社会生活に明らかな支障をきたしている
  • ガーゼテストで中等度以上の臭いが認められる

診断は医師の裁量に委ねられていますが、多くの医療機関では「ガーゼテスト」を実施します。これは、わきの下にガーゼを挟んで数分間軽い運動をした後、医師やスタッフがガーゼの臭いを確認して重症度を判定する方法です。

保険適用される手術法

現在、日本の健康保険が適用されるわきが手術は以下の2つの方法に限られています。

  1. 皮弁法(剪除法、反転剪除法)
  2. 有毛部皮膚切除法

このうち、最も広く行われているのが皮弁法です。わきの下の皮膚を数センチ切開し、皮膚を裏返してアポクリン腺を医師が目で直接確認しながら一つずつ除去していく方法です。直視下で確実に汗腺を除去できるため、効果が高く、日本形成外科学会のガイドラインでも標準的な治療法として位置づけられています。

一方、ミラドライやボトックス注射などの「切らない治療」は、現在のところ保険適用の対象外となっています。ただし、重度の多汗症の場合、ボツリヌス製剤の注射が保険適用となることがあります。

参考:形成外科診療ガイドライン|日本形成外科学会

保険適用の際の費用

健康保険3割負担の場合、わきが手術(剪除法)の費用は以下のようになります。

  • 片側:約21,000円~26,000円
  • 両側:約42,000円~50,000円

これらは手術代のみの金額で、術前の血液検査(約3,000~5,000円)、術後の通院費(1回あたり約1,000~2,000円)、処方薬代が別途必要となります。通院は3~5回程度が一般的です。

1割負担の方の場合は、片側約6,870円、両側でも約14,000円程度となり、経済的負担をかなり抑えることができます。

また、生活保護受給者やひとり親家庭の方で、医師が保険適用の要件を満たすと判断した場合には、他の疾患と同様に自治体からの医療扶助を受けることができます。

さらに、医療保険に加入されている方は、保険診療でわきが手術を受けた場合、手術給付金の支給対象となることがあります。ご加入の保険会社に確認されることをお勧めします。

参考:浜口クリニック

保険適用と自費診療の違い

保険適用のわきが手術と自費診療の手術には、いくつかの違いがあります。

保険適用手術のメリットとデメリット

メリット:

  • 費用負担が少ない
  • 確実性の高い標準的な治療法が受けられる
  • 合併症が起きた場合も保険診療内で対応できる

デメリット:

  • 切開を伴うため傷跡が残る(3~5cm程度)
  • ダウンタイムが必要(1~2週間は日常生活に制限)
  • 片側ずつの手術を推奨される場合が多い

自費診療のメリットとデメリット

メリット:

  • 傷跡が小さい、または全く残らない方法を選べる
  • ダウンタイムが短い治療法がある
  • 美容的な配慮がより重視される

デメリット:

  • 費用が高額(20万円~50万円程度)
  • 効果の持続性や確実性が保険適用手術に劣る場合がある
  • 再発時の追加治療も自費となる

どちらを選ぶかは、患者様のライフスタイルや優先順位によって異なります。確実性と費用を重視するなら保険適用手術、傷跡や社会復帰の早さを重視するなら自費診療の選択肢も検討する価値があります。

上手な医師を見極めるポイント

わきが手術は医師の技術力によって結果に大きな差が出る治療です。上手な医師を選ぶことが、手術の成功に直結します。

経験と実績の確認

わきが手術を検討する際、最も重要なのは医師の経験と実績です。以下のポイントを確認しましょう。

  • 年間の手術件数:年間100例以上の手術を行っている医師が望ましい
  • 形成外科専門医の資格:日本形成外科学会認定の専門医資格を持っているか
  • 術後の経過観察体制:手術後のフォローアップをしっかり行っているか
  • 再発手術の経験:他院で手術後に再発した患者の治療実績があるか

都市部以外の地域では、わきが手術の症例数が少ないため、この治療を得意とする医師が限られているのが現状です。可能であれば、症例数の多い医療機関を選ぶことをお勧めします。

手術方針と説明の丁寧さ

優れた医師は、患者様の状態を正確に診断し、適切な治療方針を提示します。

  • カウンセリングの時間を十分に取ってくれるか
  • 手術のメリットだけでなく、リスクや合併症についても明確に説明するか
  • 術後の生活制限や通院スケジュールについて詳しく教えてくれるか
  • 患者の質問に丁寧に答えてくれるか
  • 保険適用の可否について正直に判断してくれるか

中には、保険適用の基準を満たしていても自費診療を強く勧める医療機関もあります。患者様の状態や希望を優先し、公平な情報を提供してくれる医師を選ぶことが大切です。

手術の技術力を示す指標

わきが手術の技術力は、以下のポイントで判断できます。

  1. アポクリン腺の除去率について明言できるか

技術の高い医師は、「アポクリン腺を80~90%以上除去できる」と具体的な数値を示せます。また、「わき毛がほぼ全て無くなるまで取る」と約束してくれる医師は信頼できます。なぜなら、アポクリン腺は毛根の近くに位置するため、十分にアポクリン腺を除去すると、わき毛も同時に減少するからです。

逆に、「わき毛とアポクリン腺は関係ない」と言う医師には注意が必要です。手術後にわき毛が多く残っている場合、アポクリン腺の取り残しがあると考えられます。

  1. 手術時間について

片側のみの手術で60分以上、両側で2時間以上かけて丁寧に行う医師が理想的です。短時間で終わらせる手術は、取り残しのリスクが高くなります。

  1. 片側ずつの手術を推奨しているか

経験豊富な医師の多くは、片側ずつの手術を推奨します。理由は以下の通りです。

  • 十分な治療時間をかけられ、確実にアポクリン腺を除去できる
  • 合併症のリスクが低い
  • 生活制限が少なく、仕事や学業への影響が最小限
  • 反対側の腕を自由に使えるため、日常生活が送りやすい

両側同時手術は、一見効率的に見えますが、手術時間の制限や術後の安静度の問題から、結果的に質の低い手術になるリスクがあります。

参考:AYC銀座形成外科

術後の写真を見せてくれるか

信頼できる医師は、手術中にアポクリン腺を除去している様子や、除去したアポクリン腺の写真を撮影し、術後に患者様に見せて説明してくれます。これにより、確実に汗腺が除去されたことを自分の目で確認でき、安心感が得られます。

合併症への対処方針

どんなに技術の高い医師でも、合併症のリスクをゼロにすることはできません。重要なのは、合併症が起きた場合にどう対処するかです。

  • 合併症について率直に説明してくれるか
  • 万が一合併症が起きた場合の対応を明確に示しているか
  • 追加費用なしで対応してくれるか(保険診療の場合)

術後の血腫、感染、皮膚壊死などの合併症について、事前にしっかり説明し、対処法を持っている医師を選びましょう。

参考:日本橋形成外科

わきが手術(剪除法)の詳細

保険適用で受けられる剪除法について、手術の流れや特徴を詳しく見ていきましょう。

手術前の準備

手術を受けることが決まったら、まず術前検査として血液検査を行います。これは肝機能、腎機能、感染症、凝固機能、血球などを調べる一般的な術前スクリーニングです。検査結果は3~4日で出ますので、その後に手術日を予約します。

手術当日は、以下の点に注意してください。

  • 前開きの余裕のある服装で来院する(Tシャツなどは避ける)
  • わき毛を事前に剃ってくる(施設によって指示が異なる場合があります)
  • 抗凝固薬などを服用している場合は、医師と相談の上、1週間前から中断する
  • 当日の車の運転は控える(術後に圧迫固定をするため)

手術の実際の流れ

  1. 麻酔

局所麻酔を使用します。麻酔注射時に少しチクチクとした痛みを感じますが、術中は痛みを感じることはほとんどありません。全身麻酔を希望される場合は、施設によっては対応している場合もあります。

  1. 切開

わきの下のしわに沿って、4~5cm程度切開します。しわに沿って切開することで、傷跡が目立ちにくくなります。

  1. 皮膚の剥離

切開部から皮膚を剥離し、わき毛が生えている範囲より少し広めに皮膚を裏返します。

  1. アポクリン腺の除去

裏返した皮膚の表面に、粒状に並んだアポクリン腺が見えます。医師は専用のハサミを使って、これを一つ一つ丁寧に切除していきます。アポクリン腺は黄白色の粒状の構造物として確認できるため、直視下で確実に除去できます。

経験豊富な医師は、この工程に時間をかけ、取り残しがないよう細心の注意を払います。

  1. エクリン腺の一部除去

わきがの原因となるアポクリン腺だけでなく、多汗の原因となるエクリン腺も一部除去します。これにより、臭いと汗の両方を軽減できます。

  1. 止血と縫合

十分に止血を行った後、皮膚を元の位置に戻して縫合します。血液が溜まらないようにドレーン(血液を排出する細い管)を挿入します。

  1. 圧迫固定

ガーゼや綿で患部をしっかりと圧迫固定します。この固定は、血腫(血液が溜まること)を防ぐために非常に重要です。

手術時間は片側で約60~90分、両側の場合でも合計で約2時間程度が標準的です。

術後の経過と通院スケジュール

手術当日

  • 終了後すぐに帰宅できます(日帰り手術)
  • 抗生剤、鎮痛剤、止血剤などが処方されます
  • 麻酔が切れると痛みが出ますが、鎮痛剤で十分コントロールできる程度です
  • 絶対安静が必要です(最も血腫のリスクが高い時期)

手術翌日または翌々日

  • 通院して、血腫がないか確認します
  • ドレーン(血液を排出する管)を抜きます
  • 問題がなければ、圧迫固定を続けます

手術後3~4日目

  • 圧迫固定のガーゼを除去します
  • この日からシャワーで患部を洗うことができます

手術後7~14日目

  • 抜糸を行います
  • 抜糸が済めば入浴も可能になります

手術後1ヶ月目、3ヶ月目

  • 傷跡の状態と臭いの改善度を確認します
  • 問題がなければ、4~5ヶ月で治療終了となります

参考:蔵皮膚科・形成外科

術後の生活で注意すべきこと

わきが手術の成功には、術後の適切なケアと安静が不可欠です。以下の点に十分注意してください。

安静期間の重要性

手術後の安静は、合併症を防ぐために最も重要です。特に術後1~2日間は、出血や血腫のリスクが最も高い時期です。

手術当日から3日間

  • 横になって安静にする必要はありませんが、できるだけ動かない
  • 重いものを持たない、長距離を歩かない
  • 主婦の方は、家事を控える(洗濯物の上げ下ろし、料理、掃除など)
  • 小さな子どもを抱っこしない
  • デスクワークは翌日から可能ですが、極力安静に

手術後1週間

  • 急に腕を上げる動作を避ける
  • 激しい運動は控える
  • 車の運転は慎重に(シートベルトでの圧迫に注意)

手術後2週間

  • 軽い運動は可能になります
  • 肩の可動制限はほぼなくなります

手術後1ヶ月

  • 激しい運動(テニス、水泳など)も可能になります

入浴とシャワー

手術後の清潔管理も重要です。

  • 手術当日:入浴・シャワー共に不可(体を拭く程度)
  • 翌日から3日目まで:患部を濡らさないようにシャワー可能、洗髪も可能
  • 4日目以降:患部も洗える(優しく流す程度)
  • 抜糸後:通常の入浴が可能

現在では、傷を水で洗うことは治癒を促進するという考え方(ハイドロセラピー)が広まっており、早期からのシャワーが推奨されています。

飲酒と喫煙

  • 飲酒:術後1週間は厳禁(出血のリスクが高まるため)
  • 喫煙:術後2週間は控える(傷の治りが遅くなるため)

運動制限

  • 軽い散歩:術後3日目以降
  • デスクワーク:術後翌日から可能
  • 軽い運動:術後1週間以降
  • 激しい上半身の運動:術後2週間以降

参考:武蔵小杉ヒルズクリニック

手術の合併症とリスク

どのような手術にもリスクはつきものです。わきが手術における主な合併症と、その予防法について理解しておきましょう。

術後早期の合併症

血腫(けっしゅ)

最も頻度の高い合併症です。皮膚の下に血液が溜まる状態で、術後1~2日以内に起こることが多いです。原因の多くは、術後の安静不足です。予防には、手術当日から翌日にかけての絶対安静が重要です。

万が一血腫が生じた場合は、麻酔後に血腫を除去する処置が必要になることがあります。

感染

予防的に抗生剤を内服していれば、感染を起こすことは稀です。ただし、糖尿病などの基礎疾患がある方は、感染のリスクが高くなる可能性があります。

漿液腫(しょうえきしゅ)

血液ではなく、リンパ液などの体液が溜まる状態です。血腫ほど問題にはなりませんが、治癒に時間がかかることがあります。

皮膚壊死

アポクリン腺を過剰に取りすぎると、皮膚が薄くなりすぎて血流が悪化し、一部の皮膚が壊死することがあります。経験豊富な医師は、効果とリスクのバランスを考えて適切に汗腺を除去します。

術後後期の合併症

傷跡(瘢痕)

切開手術である以上、傷跡は必ず残ります。通常は3~5cm程度の線状の傷が1~2本残ります。しわに沿って切開し、高い縫合技術を用いることで、術後6ヶ月から1年程度で遠目には分からない程度に目立たなくなることが多いです。

ただし、体質によっては傷が盛り上がり、肥厚性瘢痕やケロイドになることがあります。ケロイド体質の方は、術前に必ず医師に相談してください。

色素沈着

術後、一時的に色素沈着を残すことがありますが、次第に薄れてきます。

拘縮(こうしゅく)

皮膚が収縮し、引きつれることがあります。これを防ぐために、医師は皮膚を薄くしすぎないよう細心の注意を払います。

代償性発汗

エクリン腺を除去したことにより、手術した場所以外の部分(背中、胸、太ももなど)の汗が増える現象です。ただし、わきが手術では主にアポクリン腺を除去し、エクリン腺は一部のみの除去となるため、この症状が起こることは比較的少ないとされています。

参考:神成美容外科

合併症を防ぐために患者様ができること

合併症の多くは、術後の安静度や患者様自身のセルフケアが大きく影響します。

  • 手術当日から翌日は絶対安静を守る
  • 処方された薬を指示通りに服用する
  • 飲酒、喫煙を控える
  • 圧迫固定を勝手に外さない
  • 指定された通院日を守る
  • 異常を感じたらすぐに連絡する

合併症が起きないよう予防することが最も重要ですが、万が一起きた場合も、早期に適切な対応をすれば、ほとんどの場合は問題なく治癒します。

再発のリスクと対策

わきが手術を受けた後、「再発するのではないか」という不安を持つ方も多いでしょう。再発のメカニズムと、それを防ぐ方法について理解しておきましょう。

再発とは何か

適切に行われたわきが手術であれば、除去されたアポクリン腺が再生することはありません。では、なぜ「再発」と感じる方がいるのでしょうか。

実は、多くの場合、これは再発ではなく「取り残し」です。手術時にアポクリン腺を完全に除去できていなかった部分から、再び臭いが発生するのです。

取り残しが起こる原因

手術時間が短すぎる

片側30分程度の短時間手術では、十分にアポクリン腺を除去することは困難です。

手術範囲が狭い

わき毛の生えている範囲より広めに手術を行わないと、周辺部のアポクリン腺が残ってしまいます。

技術不足

直視下で丁寧に除去する技術がない場合、多くの取り残しが生じます。

再発を防ぐために

手術前に確認すべきこと

  • 医師に「わき毛はどの程度残りますか」と質問する
  • 「わき毛がほぼ全てなくなるまで取る」と約束してくれる医師を選ぶ
  • 十分な手術時間をかけてくれる医師を選ぶ

手術後にチェックすべきこと

  • 術後、わき毛がほとんど生えてこなくなっているか確認する
  • わき毛が多く残っている場合は、アポクリン腺の取り残しの可能性がある

もし他院で手術を受けた後に臭いが気になる場合は、再手術を行っている医療機関に相談することをお勧めします。再手術では、取り残されたアポクリン腺を確実に除去することができます。

参考:浜口クリニック

未成年の方の手術について

思春期以降、わきがの症状は発現しますが、アポクリン腺の発達が完全に終わっていない未成年の方が手術を受けた場合、その後にアポクリン腺がさらに発達し、新たに臭いが出現することがあります。

これは厳密な意味での「再発」ではなく、「新たな発症」と言えます。そのため、多くの医師は思春期前の手術を推奨していません。手術を受ける場合は、第二次性徴が完全に終了してから(女性なら初潮から2~3年後、男性なら16歳以降)が望ましいとされています。

わきが手術のよくある質問

手術は痛いですか?

局所麻酔を使用しますので、手術中の痛みはほとんど感じません。麻酔注射時に少しチクチクする程度です。術後は痛みが出ますが、処方される鎮痛剤で十分コントロールできる程度です。個人差はありますが、中学生の方でも十分耐えられる程度の痛みです。

手術の傷跡は残りますか?

切開手術である以上、傷跡は残ります。通常3~5cm程度の線状の傷が1~2本残りますが、わきのしわに沿って切開するため、時間が経つと目立ちにくくなります。術後6ヶ月から1年程度で、遠目には分からない程度になる方が多いです。
ただし、体質(特にケロイド体質)によっては、傷が盛り上がることがあります。心配な方は術前に医師に相談してください。

手術後、仕事や学校は休む必要がありますか?

デスクワークであれば、翌日から仕事に復帰できます。ただし、体を使う仕事の場合は、1週間程度休むことをお勧めします。

片側ずつの手術であれば、反対側の腕を自由に使えるため、日常生活への影響を最小限に抑えることができます。

わき毛はなくなりますか?

アポクリン腺は毛根の近くに位置するため、アポクリン腺を除去する際に一緒に毛根も除去されることが多く、わき毛は大幅に減少します。個人差はありますが、まばらに生える程度になることが一般的です。

臭いは完全になくなりますか?

適切に手術が行われれば、わきが特有の強い臭いはほぼ気にならなくなります。ただし、「100%無臭になる」というわけではありません。

わきが手術の目的は、「制汗スプレーなど、一般の人が行っているケアで十分に臭いが気にならなくなるレベルにする」ことです。通常の体臭レベルになると考えてください。

保険適用外と言われましたが、なぜですか?

症状が軽度の場合、医師が「保険適用の基準を満たさない」と判断することがあります。保険適用の基準は「悪臭が著しく他人の就業に支障を生じる事実が明確」な場合に限られるため、本人が気にしていても、客観的に軽度と判断されれば保険適用外となります。

ただし、医療機関によって判断基準に若干の差があるため、他の医療機関に相談してみるのも一つの方法です。

妊娠中・授乳中でも手術は受けられますか?

多くの医療機関では、妊娠中や授乳中の手術は行っていません。出産・授乳が終わってから手術を受けることをお勧めします。

手術以外の治療法はありますか?

軽度から中等度のわきがの場合、以下のような治療法もあります。

  • 塩化アルミニウム液の外用(保険適用外)
  • ボツリヌス製剤の注射(多汗症を伴う場合、保険適用の可能性あり)
  • レーザー脱毛(汗腺には作用しないが、脱毛により臭いが軽減)
  • ミラドライ(マイクロ波治療、保険適用外)

ただし、重度のわきがを根本から治療するには、手術が最も確実な方法です。

参考:ティーズクリニック

アイシークリニック大宮院でのわきが治療

アイシークリニック大宮院では、保険適用によるわきが手術(剪除法・皮弁法)を実施しています。当院の特徴は以下の通りです。

経験豊富な専門医による治療

形成外科や皮膚外科を専門とする医師が、一人ひとりの患者様の状態を丁寧に診断し、最適な治療法をご提案します。多数の手術実績を持つ医師が、確実な技術で治療を行います。

片側ずつの手術を推奨

当院では、確実性と安全性を重視し、片側ずつの手術を基本としています。これにより、以下のメリットがあります。

  • 十分な治療時間をかけ、確実にアポクリン腺を除去できる
  • 合併症のリスクが少ない
  • 生活への制限が最小限(反対側の腕を自由に使える)
  • 仕事や学業への影響が少ない

丁寧なカウンセリングと説明

初診時には十分な時間をかけてカウンセリングを行い、患者様の悩みや希望をしっかりとお伺いします。手術の方法、リスク、術後の経過について、分かりやすく丁寧に説明いたします。

無料相談も実施しておりますので、まずはお気軽にご相談ください。

術後のフォローアップ体制

手術が終わってからが本当のお付き合いの始まりと考えています。術後の経過を定期的に確認し、万が一トラブルが起きた場合も迅速に対応いたします。

日帰り手術が可能

当院では日帰りでわきが手術が可能です。ただし、遠方の方や術後の安静をより確保したい方には、当院周辺で1泊していただくことをお勧めする場合もあります。

参考:アイシークリニック

まとめ:わきが手術で人生の質を向上させる

わきがの悩みは、本人にとって大きな精神的負担となります。人と接することを避けたり、自信を失ったりすることで、日常生活や社会生活に支障をきたすこともあります。

しかし、適切な治療を受けることで、この悩みから解放され、自信を取り戻すことができます。保険適用のわきが手術は、確実性が高く、費用負担も少ない優れた治療法です。

成功のための重要ポイント

  1. 信頼できる医師を選ぶ

経験豊富で、患者様の立場に立って親身に相談に乗ってくれる医師を選びましょう。形成外科専門医の資格を持ち、年間多数の手術実績がある医師が理想的です。

  1. 十分な情報収集と理解

手術のメリットだけでなく、リスクや術後の生活制限についても十分に理解した上で決断しましょう。分からないことは遠慮せず質問してください。

  1. 術後の安静を守る

手術の成功は、術後の患者様自身のケアにかかっています。特に術後1~2日間の絶対安静は、合併症を防ぐために極めて重要です。

  1. 長期的な視点を持つ

傷跡が落ち着き、最終的な効果が分かるまでには6ヶ月から1年程度かかります。焦らず、定期的に医師の診察を受けながら経過を見守りましょう。

わきがの悩みから解放される日へ

わきがは決して恥ずかしい症状ではありません。体質の一つであり、適切な治療で改善できます。一人で悩まず、専門医に相談することが、悩み解決への第一歩です。

アイシークリニック大宮院では、わきがでお悩みの患者様に寄り添い、確実で質の高い治療を提供しています。保険適用での治療をご希望の方も、お気軽にご相談ください。経験豊富な医師が、あなたの悩みを解決するお手伝いをいたします。

わきがの悩みから解放され、自信を持って毎日を過ごせる日を迎えるために、まずは一歩を踏み出してみませんか。

参考文献

本記事は、以下の信頼できる医療情報源を参考に作成しました。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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