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大宮でわきが治療を受けたい方へ:保険適用の条件と治療法を徹底解説

はじめに

わきがは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれる疾患で、多くの方が悩みを抱えています。大宮エリアでわきが治療を検討されている方の中には、「保険適用で治療できるのか」という疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。

結論から申し上げると、わきがは一定の条件を満たせば保険適用での治療が可能です。本記事では、大宮でわきが治療を受けたい方に向けて、保険適用の条件、治療法の種類、費用、クリニック選びのポイントなど、知っておくべき情報を網羅的に解説します。

わきがとは何か:基礎知識を理解する

わきがのメカニズム

わきがは、脇の下に存在する「アポクリン汗腺」から分泌される汗が原因で発生します。人間の汗腺には2種類あり、エクリン汗腺とアポクリン汗腺に分類されます。

エクリン汗腺から分泌される汗は、主に体温調節のためのもので、ほぼ無臭です。一方、アポクリン汗腺から分泌される汗には、タンパク質や脂質、アンモニアなどが含まれており、これらが皮膚表面の常在菌によって分解されることで、独特の臭いが発生します。

わきがの方は、このアポクリン汗腺の数が多い、または活動が活発であるという特徴があります。そのため、通常よりも強い臭いが発生しやすくなるのです。

わきがの有病率と遺伝性

日本人におけるわきがの有病率は約10〜15%程度とされています。これは欧米諸国と比較すると低い数値ですが、決して珍しい疾患ではありません。

わきがには強い遺伝性があることが知られています。両親ともにわきがの場合、子どもがわきがになる確率は約80%、片親のみの場合でも約50%と報告されています。これは、アポクリン汗腺の数や活動性が遺伝的に決定されるためです。

わきがの発症時期と症状

わきがの症状は、思春期以降に現れることが一般的です。これは、アポクリン汗腺が思春期のホルモンの影響で活発化するためです。具体的には、男性では中学生頃から、女性では小学校高学年から中学生頃にかけて症状が出始めることが多いです。

主な症状としては以下が挙げられます:

  • 脇の下からの強い臭い
  • 衣服の脇部分の黄ばみ(アポクリン汗腺からの分泌物による)
  • 脇の下の湿り気や汗の量の多さ
  • 耳垢が湿っている(アポクリン汗腺は外耳道にも存在するため)

わきががもたらす心理的影響

わきがは身体的な疾患であると同時に、患者さんの生活の質(QOL)に大きな影響を与える問題でもあります。臭いへの不安から対人関係に消極的になったり、社会活動を制限したりするケースも少なくありません。

特に思春期から若年成人期にかけては、他者からの評価を気にする時期でもあり、わきがによる心理的ストレスは深刻になることがあります。これらの心理社会的な影響も含めて、わきがは治療対象となる疾患として認識されています。

わきが治療における保険適用の条件

保険適用の基本的な考え方

わきがの治療において保険が適用されるかどうかは、多くの患者さんにとって最も重要な関心事の一つです。日本の健康保険制度では、医学的に必要と認められる治療について保険適用が認められています。

わきがの場合、医師が「腋臭症」という診断名で、症状が日常生活に支障をきたすレベルであると判断した場合に、保険適用での治療が可能になります。

保険適用される具体的な条件

保険適用でわきが治療を受けるためには、以下の条件を満たす必要があります:

  1. 医師による腋臭症の診断

医療機関を受診し、医師による診察を受けて「腋臭症」と診断されることが前提となります。この診断では、臭いの程度、アポクリン汗腺の発達状況、症状による生活への影響などが総合的に評価されます。

  1. 症状の重症度

保険適用となるのは、基本的に中等度以上の症状がある場合です。軽度の症状の場合は、まず制汗剤や生活習慣の改善などの保存的治療が推奨され、それでも改善しない場合に手術が検討されます。

  1. 治療法の選択

保険適用されるのは、主に「剪除法(せんじょほう)」または「皮弁法(ひべんほう)」と呼ばれる手術方法です。これらは確実性の高い根治的治療法として認められています。

  1. 医療機関の要件

保険適用での手術を行うためには、適切な施設基準を満たした医療機関である必要があります。大宮エリアにも、保険適用でのわきが手術を実施できる医療機関が複数存在します。

保険適用外となるケース

以下のような場合は、保険適用外となる可能性があります:

  • 症状が軽度であると判断された場合
  • 美容目的での治療を希望する場合
  • ミラドライやボトックス注射など、保険適用外の治療法を選択する場合
  • 再手術を希望する場合(条件によっては保険適用される場合もあります)

保険適用の可否については、実際の診察を受けて医師と相談することが重要です。

保険適用される治療法:剪除法(皮弁法)について

剪除法の概要

剪除法は、わきがの保険適用治療として最も一般的に行われている手術方法です。この方法は、脇の下の皮膚を切開し、皮膚の裏側に存在するアポクリン汗腺を医師が直接目で確認しながら除去していく手術です。

手術の具体的な流れは以下の通りです:

  1. 脇の下のしわに沿って3〜5cm程度切開します
  2. 皮膚を裏返し、アポクリン汗腺を露出させます
  3. はさみや専用器具を使って、アポクリン汗腺を丁寧に切除します
  4. 出血を確認し、必要に応じて止血処置を行います
  5. 皮膚を元に戻し、縫合します
  6. ドレーン(排液管)を留置する場合もあります
  7. 圧迫固定を行います

剪除法の効果と成功率

剪除法は、直視下でアポクリン汗腺を確実に除去できるため、わきが治療の中で最も効果が高い方法とされています。適切に行われた場合、90%以上の患者さんで症状の大幅な改善が得られると報告されています。

この方法の最大の利点は、医師が直接目で確認しながらアポクリン汗腺を除去できることです。そのため、取り残しが少なく、確実な治療効果が期待できます。

手術時間と入院の必要性

剪除法の手術時間は、片側で約1〜1.5時間、両側で2〜3時間程度が一般的です。手術は局所麻酔または全身麻酔で行われます。

入院の必要性については、医療機関によって方針が異なります。日帰り手術として実施する施設もあれば、1〜2泊程度の入院を推奨する施設もあります。大宮エリアでも、患者さんの状態や希望に応じて柔軟に対応している医療機関が多く見られます。

術後の経過と注意点

手術後は以下のような経過をたどります:

手術当日から数日間:

  • 手術部位を圧迫固定します
  • 腕の動きに制限があります(腕を上げる動作を避ける)
  • 痛みについては、処方された鎮痛薬で管理します

1週間後:

  • 抜糸を行います(縫合方法によっては不要な場合もあります)
  • 圧迫固定を除去します

2〜3週間後:

  • 日常生活にほぼ復帰できます
  • 激しい運動はまだ控える必要があります

1〜3ヶ月後:

  • 完全に通常の生活に戻れます
  • 傷跡は時間とともに目立たなくなっていきます

術後の合併症としては、以下のようなものが報告されていますが、適切な手術と術後管理により、多くは予防または最小限に抑えることができます:

  • 血腫(血が溜まる)
  • 感染
  • 皮膚の壊死(まれ)
  • 傷跡の肥厚
  • 色素沈着
  • 腕の動きの制限(一時的)

保険適用での費用

剪除法を保険適用で受ける場合の費用は、3割負担の場合で両脇合わせて約5万円前後が目安となります。ただし、これは手術費用のみの概算であり、診察料、検査料、薬剤費などが別途かかります。また、医療機関によって多少の差がありますので、事前に確認することをお勧めします。

1割負担の場合は約1.5万円、2割負担の場合は約3万円が目安となります。高額療養費制度の対象にもなりますので、該当する方はさらに負担が軽減される可能性があります。

保険適用外の治療法

わきが治療には、保険適用される剪除法以外にも、さまざまな治療法が存在します。これらは保険適用外となるため、全額自費での治療となりますが、それぞれに特徴やメリットがあります。

ボトックス注射

ボトックス注射は、ボツリヌストキシンという成分を脇の下に注射することで、エクリン汗腺からの発汗を抑制する治療法です。

特徴:

  • 治療時間が短い(10〜15分程度)
  • ダウンタイムがほとんどない
  • 傷跡が残らない

効果の持続期間は4〜9ヶ月程度で、効果が切れたら再度注射が必要になります。主に多汗症の治療に効果的ですが、発汗を抑えることで二次的にわきがの症状も軽減される場合があります。

費用は医療機関によって異なりますが、両脇で5〜10万円程度が一般的です。

ミラドライ

ミラドライは、マイクロ波を照射して汗腺を破壊する治療法です。

特徴:

  • 切らない治療のため、傷跡が残らない
  • ダウンタイムが比較的短い
  • 1回の治療で効果が期待できる
  • アポクリン汗腺とエクリン汗腺の両方に効果がある

治療時間は1〜1.5時間程度で、局所麻酔下で行われます。効果は永続的とされていますが、個人差があります。

費用は30〜40万円程度と高額ですが、切開を伴わないことから、傷跡を心配する方や、仕事などの都合で長期の休みが取れない方に選ばれることが多い治療法です。

ビューホット

ビューホットは、高周波(RF波)を照射して汗腺を破壊する治療法です。

特徴:

  • ミラドライと同様、切らない治療
  • 治療時間は30分〜1時間程度
  • ダウンタイムが比較的短い

費用は20〜35万円程度です。ミラドライよりも費用を抑えられることが多いですが、効果の持続性や確実性については個人差があります。

レーザー治療

レーザー治療は、脇の下に小さな穴を開け、そこからレーザーファイバーを挿入して汗腺を破壊する方法です。

特徴:

  • 傷跡が小さい(数mm程度)
  • ダウンタイムが比較的短い
  • 手術と切らない治療の中間的な位置づけ

費用は20〜30万円程度が一般的です。

電気凝固法

電気凝固法は、毛根に電気針を刺し、電流によってアポクリン汗腺を破壊する方法です。

特徴:

  • 傷跡が残らない
  • 複数回の治療が必要
  • 時間がかかる

効果には個人差があり、現在はあまり主流の治療法ではありません。

各治療法の比較

治療法保険適用費用目安ダウンタイム効果の確実性傷跡
剪除法5万円程度2〜3週間高い3〜5cm
ボトックス×5〜10万円ほぼなし一時的なし
ミラドライ×30〜40万円数日〜1週間中〜高なし
ビューホット×20〜35万円数日〜1週間なし
レーザー治療×20〜30万円1〜2週間小さい

大宮エリアでのわきが治療の特徴

大宮エリアの医療機関の充実度

大宮は埼玉県の中心都市の一つであり、医療機関が充実しているエリアです。わきが治療についても、保険適用での治療を行う医療機関から、自費診療専門のクリニックまで、さまざまな選択肢があります。

大宮駅周辺には、形成外科、皮膚科、美容外科などの専門クリニックが集中しており、アクセスの良さも大きなメリットです。JR線、東武線、埼玉新都市交通の結節点である大宮駅は、埼玉県内はもちろん、東京方面からもアクセスしやすい立地となっています。

大宮で治療を受けるメリット

大宮エリアでわきが治療を受けるメリットとしては、以下が挙げられます:

  1. 医療機関の選択肢が豊富

保険適用での治療を希望する場合も、自費診療を希望する場合も、複数の医療機関から選択できます。それぞれの医療機関で得意とする治療法や費用が異なるため、自分に合った医療機関を見つけやすいでしょう。

  1. 通院の利便性

大宮駅周辺の医療機関であれば、公共交通機関でのアクセスが良好です。手術後の通院も含めて、通いやすさは重要なポイントとなります。

  1. 周辺施設の充実

大宮駅周辺には商業施設も多く、診察の前後に買い物や食事をすることもできます。また、待ち時間を有効活用できる環境が整っています。

大宮エリアの保険診療対応医療機関の特徴

大宮エリアで保険適用でのわきが手術を行っている医療機関には、以下のような特徴があります:

  • 形成外科専門医が在籍している
  • 日帰り手術に対応している施設が多い
  • 術後のフォローアップ体制が整っている
  • 診察から手術までの待機期間が比較的短い

ただし、保険適用での手術は予約が混み合うことも多いため、早めの相談が推奨されます。

診断から治療までの流れ

わきが治療を受けるまでの一般的な流れを説明します。医療機関によって多少の違いはありますが、基本的な流れは以下の通りです。

1. 初診・カウンセリング

まず、医療機関を受診して初診を受けます。この際、以下のような内容が確認されます:

  • 症状の程度と期間
  • 日常生活への影響
  • 過去の治療歴
  • 家族歴
  • 現在の健康状態
  • 手術への希望や不安

医師は実際に脇の下を診察し、臭いの程度、アポクリン汗腺の発達状況、耳垢の状態などを確認します。また、衣服の黄ばみの有無なども参考にします。

2. 診断

診察結果に基づいて、医師が「腋臭症」の診断を行います。この診断により、保険適用での治療が可能かどうかが判断されます。

診断の際には、以下のような基準が参考にされることがあります:

  • 自分で臭いを自覚できる
  • 他人から臭いを指摘されたことがある
  • 衣服の脇部分に黄色い汗染みができる
  • 耳垢が湿っている
  • 家族にわきがの人がいる

これらの項目に該当する数が多いほど、わきがである可能性が高いと判断されます。

3. 治療方法の選択

診断後、治療方法について相談します。保険適用での手術を希望する場合、剪除法が提案されます。保険適用外の治療法についても説明を受け、自分の状況や希望に合った方法を選択します。

選択の際に考慮すべきポイント:

  • 費用(保険適用か自費か)
  • ダウンタイム(仕事や学校を休める期間)
  • 効果の確実性と持続性
  • 傷跡の有無や大きさ
  • 手術への不安の程度

医師とよく相談し、納得した上で治療方法を決定することが重要です。

4. 術前検査

手術を受けることが決まったら、術前検査を行います。検査内容は医療機関によって異なりますが、一般的には以下のような検査が行われます:

  • 血液検査
  • 心電図
  • 胸部レントゲン(必要に応じて)
  • 感染症検査

これらの検査により、手術を安全に行えるかどうかを確認します。

5. 手術日の決定と説明

術前検査の結果に問題がなければ、手術日を決定します。手術の1〜2週間前には、改めて手術の説明を受け、同意書にサインします。

この際、以下の点について確認しておきましょう:

  • 手術当日の注意事項(食事、服薬など)
  • 術後の経過と注意点
  • 起こりうる合併症
  • 費用の詳細
  • キャンセルポリシー

6. 手術当日

手術当日は、予約時間の30分〜1時間前に来院します。手術の流れは前述の通りですが、当日の大まかなスケジュールは以下のようになります:

  • 受付・着替え
  • 術前確認
  • 手術(2〜3時間程度)
  • 術後の休息
  • 説明と帰宅(日帰りの場合)

日帰り手術の場合でも、術後1〜2時間程度は医療機関で休息します。

7. 術後フォロー

手術後は、定期的に通院してフォローアップを受けます。一般的なスケジュールは以下の通りです:

  • 翌日または2〜3日後:創部チェック
  • 1週間後:抜糸(縫合方法による)
  • 2週間後:経過観察
  • 1ヶ月後:経過観察
  • 3ヶ月後:最終確認(必要に応じて)

何か異常を感じた場合は、予定外でも早めに受診することが重要です。

わきが治療に関するよくある質問

Q1. わきがは自然に治ることはありますか?

わきがは、アポクリン汗腺の発達が原因で起こる体質的なものであり、自然に治癒することは基本的にありません。ただし、年齢とともにアポクリン汗腺の活動が低下するため、高齢になると症状が軽減することはあります。
若い時期に症状が強く出ている場合、根本的な改善を望むのであれば、治療を検討することが推奨されます。

Q2. 手術を受ければ完全に臭いはなくなりますか?

剪除法による手術は、アポクリン汗腺を直視下で除去するため、高い効果が期待できます。多くの患者さんで症状は大幅に改善しますが、完全に無臭になるとは限りません。

わずかにアポクリン汗腺が残存する場合や、再生する場合もあります。ただし、手術前と比較すれば日常生活に支障がない程度まで改善することがほとんどです。

Q3. 再発の可能性はありますか?

適切に行われた剪除法では、再発率は5〜10%程度とされています。再発の原因としては、アポクリン汗腺の取り残しや再生が考えられます。

完全に取り除くことが難しい部位や、若年で手術を受けた場合には、まだ発達していなかったアポクリン汗腺が後から発達する可能性もあります。

Q4. 両脇同時に手術できますか?

両脇同時に手術を行うことは可能ですが、術後の日常生活への影響を考えて、片側ずつ手術することを勧める医師もいます。両腕の動きが制限されると、日常生活に支障が出やすいためです。

ただし、1回で済ませたいという希望があれば、両脇同時の手術も選択肢となります。医師とよく相談して決めましょう。

Q5. 手術後、仕事や学校はいつから復帰できますか?

デスクワークであれば、手術後1週間程度で復帰できることが多いです。ただし、腕を大きく動かす仕事や、重い物を持つ仕事の場合は、2〜3週間程度休む必要があります。

学生の場合は、夏休みや春休みなどの長期休暇を利用して手術を受ける方が多いです。

Q6. 未成年でも手術を受けられますか?

未成年でも手術を受けることは可能ですが、保護者の同意が必要です。また、思春期はアポクリン汗腺がまだ発達途中であるため、手術後に新たなアポクリン汗腺が発達する可能性があります。

そのため、症状が非常に強い場合を除いては、成人するまで待つことを勧める医師もいます。

Q7. 保険適用と自費診療、どちらを選ぶべきですか?

これは個々の状況や価値観によって異なります。判断のポイントとしては:

保険適用を選ぶべきケース:

  • 費用を抑えたい
  • 確実な効果を重視する
  • ダウンタイムを確保できる
  • 傷跡はある程度許容できる

自費診療を選ぶべきケース:

  • 傷跡を残したくない
  • ダウンタイムを短くしたい
  • 費用よりも利便性を重視する

迷う場合は、複数の医療機関でカウンセリングを受けて、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することをお勧めします。

Q8. 手術以外の方法で症状を軽減できますか?

手術以外でも、以下のような方法で症状を軽減できる場合があります:

  • 制汗剤の使用(医療用の塩化アルミニウム液など)
  • こまめな洗浄と着替え
  • 脇毛の処理
  • 食生活の見直し(脂質の多い食事を控える)
  • ストレス管理

ただし、これらは対症療法であり、根本的な解決にはなりません。症状が強い場合は、やはり治療を検討することが推奨されます。

Q9. 手術の痛みはどの程度ですか?

手術中は麻酔が効いているため、痛みを感じることはほとんどありません。術後は痛みが出ますが、処方される鎮痛薬で管理できる程度です。

痛みの感じ方には個人差がありますが、多くの患者さんは「思ったより痛くなかった」と述べています。術後2〜3日が痛みのピークで、その後徐々に軽減していきます。

Q10. 手術後の傷跡は目立ちますか?

剪除法の場合、3〜5cm程度の傷跡が残りますが、脇の下のしわに沿って切開するため、腕を下ろした状態では目立ちにくいです。

術後3〜6ヶ月程度は傷跡が赤みを帯びていますが、時間の経過とともに白く細い線になり、さらに目立たなくなっていきます。体質によっては傷跡が肥厚する場合もありますが、適切なケアで最小限に抑えることができます。

わきが治療のクリニック選びのポイント

わきが治療を受ける医療機関を選ぶ際には、以下のポイントを確認することをお勧めします。

1. 専門性と実績

形成外科専門医や皮膚科専門医が在籍しているか、わきが手術の実績が豊富かを確認しましょう。経験豊富な医師による手術は、合併症のリスクが低く、良好な結果が期待できます。

医療機関のウェブサイトや口コミなどで、どのような治療を得意としているかを確認することも有用です。

2. カウンセリングの丁寧さ

初診時のカウンセリングで、十分な時間を取って説明してくれるか、質問に丁寧に答えてくれるかは重要なポイントです。

治療を急かされたり、高額な自費診療ばかり勧められたりする場合は注意が必要です。患者の状況や希望を尊重し、複数の選択肢を提示してくれる医療機関が望ましいでしょう。

3. 保険診療の対応

保険適用での治療を希望する場合、その医療機関が保険診療に対応しているかを事前に確認しましょう。また、保険適用の条件についても明確に説明してくれることが重要です。

4. アクセスと通院の利便性

術後は複数回の通院が必要になります。自宅や職場、学校から通いやすい場所にあるか、診療時間が自分のスケジュールに合っているかなども考慮しましょう。

5. アフターケアの体制

術後のフォローアップ体制が整っているか、何か問題が起きた時に迅速に対応してもらえるかも重要なポイントです。

緊急時の連絡先が明示されているか、術後の定期検診がスケジュールに組み込まれているかなどを確認しましょう。

6. 費用の透明性

保険診療の場合も自費診療の場合も、費用について明確に説明してくれることが重要です。追加費用が発生する可能性についても、事前に説明があるべきです。

見積もりを書面でもらうことをお勧めします。

7. 施設の清潔さと設備

実際に医療機関を訪れた際、施設が清潔に保たれているか、必要な医療設備が整っているかも確認しましょう。清潔で整理整頓された環境は、感染症予防の観点からも重要です。

生活習慣でできるわきが対策

わきがは体質的なものであるため、生活習慣の改善だけで完全に治すことはできませんが、症状を軽減することは可能です。治療を受けるまでの間や、軽度の症状の場合には、以下のような対策が有効です。

1. 清潔を保つ

脇の下を清潔に保つことは、最も基本的で重要な対策です。

  • 毎日シャワーまたは入浴をする
  • 朝と夜、1日2回脇を洗うのが理想的
  • 抗菌作用のある石鹸を使用する
  • 脇を洗った後は、しっかり乾かす

汗をかいたら、できるだけ早く拭き取ることも効果的です。汗取りシートなどを持ち歩くと便利でしょう。

2. 制汗剤・デオドラントの使用

市販の制汗剤やデオドラント製品を使用することで、症状を軽減できます。ただし、以下の点に注意が必要です:

  • 清潔な肌に使用する
  • 使いすぎると肌荒れの原因になることがある
  • 香りの強い製品は、わきがの臭いと混ざって逆効果になる場合がある

症状が強い場合は、医療機関で処方される医療用制汗剤(塩化アルミニウム液など)の使用を検討しましょう。

3. 衣類の選択

衣類の選び方も重要です:

  • 通気性の良い素材(綿、麻など)を選ぶ
  • ポリエステルなどの化学繊維は、汗を吸収しにくく臭いがこもりやすい
  • 脇の部分に汗取りパッドを使用する
  • こまめに着替える

また、脇汗パッドや汗取りインナーを活用することで、衣服への臭い移りを防ぐことができます。

4. 脇毛の処理

脇毛があると、そこに汗や細菌が付着しやすくなり、臭いが強くなる傾向があります。脇毛を処理することで、清潔を保ちやすくなり、症状の軽減につながります。

ただし、毛抜きでの処理は皮膚を傷つける可能性があるため、電気シェーバーやカミソリでの処理が推奨されます。

5. 食生活の見直し

食生活も体臭に影響を与えます。以下のような食品は、わきがの臭いを強くする可能性があります:

控えめにしたい食品:

  • 動物性脂肪の多い食品(肉類、乳製品など)
  • 辛い食品
  • ニンニク、ニラなど臭いの強い食品
  • アルコール
  • カフェイン

積極的に摂りたい食品:

  • 緑黄色野菜
  • 海藻類
  • 大豆製品
  • 発酵食品(納豆、ヨーグルトなど)
  • 抗酸化作用のある食品

バランスの良い食事を心がけることが大切です。

6. ストレス管理

ストレスや緊張は発汗を促進し、わきがの症状を悪化させる可能性があります。

  • 十分な睡眠をとる
  • 適度な運動をする
  • リラックスできる時間を持つ
  • 趣味や好きなことをする時間を作る

ストレスを完全になくすことは難しいですが、上手に付き合う方法を見つけることが重要です。

7. 適度な運動

適度な運動は、全身の新陳代謝を良くし、汗腺の機能を正常化させる効果があります。ただし、運動後は早めにシャワーを浴びて清潔を保つことが大切です。

まとめ

わきがは、適切な治療によって症状を大幅に改善できる疾患です。大宮エリアには、保険適用での治療を行う医療機関から、最新の自費診療を提供するクリニックまで、さまざまな選択肢があります。

保険適用での治療を希望する場合、剪除法という確実性の高い手術方法を、3割負担で約5万円程度で受けることができます。一方、傷跡やダウンタイムを最小限にしたい場合は、自費診療でミラドライなどの選択肢もあります。

重要なのは、自分の症状や生活状況、希望に合った治療法を選択することです。そのためには、信頼できる医療機関で十分なカウンセリングを受け、納得した上で治療を進めることが大切です。

わきがで悩んでいる方は、一人で抱え込まずに、まずは専門の医療機関に相談してみることをお勧めします。適切な診断と治療により、快適な日常生活を取り戻すことができるでしょう。

アイシークリニック大宮院では、わきが治療に関する相談を受け付けております。保険適用での治療から自費診療まで、患者様一人ひとりの状況に合わせた最適な治療法をご提案いたします。お気軽にご相談ください。

参考文献

わきが(腋臭症)の診断と治療については、以下の信頼できる情報源を参考にしています:

  1. 日本皮膚科学会「皮膚科Q&A」腋臭症(わきが)
    https://www.dermatol.or.jp/qa/qa11/index.html
  2. 日本形成外科学会「形成外科で扱う疾患」
    https://www.jsprs.or.jp/
  3. 厚生労働省「保険診療の理解のために」
    https://www.mhlw.go.jp/
  4. 一般社団法人日本美容外科学会
    https://www.jsaps.com/

※医療情報は常に更新されています。最新の情報については、直接医療機関にご相談ください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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