足がかゆい、皮がむける、水ぶくれができる……そんな症状を「水虫かもしれない」と思いながらも、市販薬で対処しようとしていませんか?水虫は日本人の約5人に1人が悩んでいるとされる非常に一般的な感染症ですが、自己判断や不適切な治療によって長年悩み続けているケースも少なくありません。皮膚科を受診することで正確な診断を受け、適切な治療を行えば、多くの場合は改善が期待できます。この記事では、水虫の原因や症状の種類から皮膚科での治療の流れ、再発を防ぐためのポイントまでを詳しく解説します。
目次
- 水虫とはどんな病気か
- 水虫の原因となる白癬菌について
- 水虫の種類と症状の違い
- 水虫が起こりやすい部位
- 水虫と間違えやすい皮膚トラブル
- 皮膚科での水虫の診断方法
- 皮膚科での水虫の治療方法
- 市販薬との違いと皮膚科受診のメリット
- 水虫治療に必要な期間の目安
- 水虫の再発を防ぐための生活習慣
- 家族への感染を防ぐためのポイント
- まとめ
この記事のポイント
水虫(足白癬)は白癬菌による感染症で、皮膚科での顕微鏡検査による確定診断と抗真菌薬治療が重要。爪白癬や角質増殖型は市販薬では不十分なため皮膚科受診が必須。治療中断は再発の主因となる。
🎯 水虫とはどんな病気か
水虫は医学的に「足白癬(あしはくせん)」と呼ばれる皮膚の感染症です。「虫」という名前がついていますが、実際には虫が原因ではありません。白癬菌(はくせんきん)と呼ばれるカビの一種(真菌)が皮膚の角質層に侵入・増殖することで引き起こされます。
水虫が広く知られるようになったのは比較的近代のことで、靴を長時間履く文化が広まったことで感染が増えたとも言われています。靴の中は高温多湿になりやすく、白癬菌が繁殖するのに適した環境が整いやすいため、現代人が水虫になりやすい背景のひとつとなっています。
水虫は単なる「かゆい病気」と思われがちですが、適切に治療しなければ慢性化し、爪に感染したり、家族に感染を広げたりするリスクがあります。また、糖尿病などの基礎疾患がある方の場合は、二次感染(細菌感染)が起こるリスクもあるため、軽視せずに適切な対処を行うことが重要です。
Q. 水虫の原因となる白癬菌はどのように感染するのか?
白癬菌は感染者の皮膚から剥がれた角質片の中で長期間生存し、銭湯・プール・ジムなどの共用施設の床やバスマット・スリッパを介して感染する。ただし接触しただけで必ず感染するわけではなく、皮膚への数時間以上の付着やバリア機能の低下が感染成立に関係している。
📋 水虫の原因となる白癬菌について
水虫の原因菌である白癬菌は、皮膚の角質に含まれるケラチンというタンパク質を栄養源として増殖する真菌の一種です。代表的なものとしてはトリコフィトン・ルブルム(Trichophyton rubrum)やトリコフィトン・メンタグロフィテス(Trichophyton mentagrophytes)などがあります。
白癬菌は非常に環境耐性が強く、感染者の皮膚から剥がれ落ちた角質片の中でも長期間生存できると言われています。銭湯やプール、スポーツジムなどの共用施設の床、スリッパやバスマットなどを介して感染が広がることが多いです。
ただし、白癬菌が皮膚に触れただけで必ず感染するわけではありません。感染が成立するには一定時間(数時間以上)菌が皮膚に留まることや、皮膚のバリア機能が低下していることなどが関係していると言われています。足の蒸れや小さな傷、皮膚の乾燥などがあると感染リスクが高まります。
白癬菌は足だけでなく、手・爪・頭皮・股間・体幹など全身の角質のある部位に感染します。それぞれ部位によって病名が異なり、足であれば「足白癬(水虫)」、爪であれば「爪白癬」、股間であれば「股部白癬(いんきんたむし)」、体であれば「体部白癬(たむし)」などと呼ばれます。
💊 水虫の種類と症状の違い
足白癬(水虫)は大きく分けて3つのタイプに分類されます。症状の現れ方が異なるため、それぞれの特徴を正しく理解することが早期対応につながります。
🦠 趾間型(しかんがた)
最も一般的なタイプで、足の指と指の間に発症します。皮膚がふやけて白く柔らかくなったり、皮が剥けたりする症状が特徴です。強いかゆみを伴うことが多く、症状が進むと皮膚が赤くただれたり、亀裂が入ったりすることもあります。特に第4・第5趾(薬指と小指)の間に起こりやすいとされています。
趾間型は高温多湿の環境で悪化しやすく、夏場に症状が強くなる傾向があります。蒸れた靴を長時間履く方や、足を洗った後によく拭かない習慣がある方に起こりやすいです。
👴 小水疱型(しょうすいほうがた)
土踏まずや足の縁、足指の周辺などに小さな水ぶくれ(水疱)が多数できるタイプです。水疱はかゆみを伴い、破れると皮が剥けます。趾間型と同様に夏に悪化しやすく、冬場は症状が落ち着くこともあります。
小水疱型は見た目が他の皮膚疾患と似ているため、自己判断が難しく、皮膚科での確認が特に重要です。汗疱(かんぽう)と呼ばれる汗の貯留によるものや、湿疹と間違えやすいため注意が必要です。
🔸 角質増殖型(かくしつぞうしょくがた)
足の裏全体の皮膚が分厚く硬くなり、ひび割れが起こるタイプです。かゆみはほとんどなく、「乾燥肌」や「かかとのひび割れ」と勘違いして気づかないことも多いです。慢性化した水虫に多く見られ、高齢者に多いとされています。
角質増殖型は市販の塗り薬だけでは有効成分が角質層に十分浸透しにくいことがあり、皮膚科での治療が特に重要なタイプです。症状が目立たないため放置されやすく、長期間かけて爪白癬に進展するケースも見られます。
Q. 水虫の3つのタイプとそれぞれの特徴は?
水虫には3タイプある。「趾間型」は足指の間に皮むけやただれが生じる最も一般的なタイプ。「小水疱型」は土踏まずや足の縁に水ぶくれができるタイプで汗疱と混同されやすい。「角質増殖型」は足裏全体が硬くなるタイプで、かゆみが少なく乾燥肌と誤解されやすい。
🏥 水虫が起こりやすい部位
白癬菌は足以外にも全身の様々な部位に感染します。それぞれの部位における水虫(白癬)の特徴を理解しておくことで、見落としを防ぐことができます。
💧 爪(爪白癬)
足の爪に白癬菌が感染した状態を爪白癬と言います。爪が白・黄・茶色に変色したり、爪が厚く脆くなったり、爪の端から崩れていくような変化が現れます。爪白癬は塗り薬だけでは治療が難しく、飲み薬(内服薬)や特殊な塗り薬を使用した長期的な治療が必要になります。
爪白癬は足白癬から続発することが多く、足の水虫を放置していると爪にも感染が広がるリスクがあります。また、爪白癬が再感染の源になることもあるため、足の水虫を治しても爪白癬が残っている場合は治療を継続する必要があります。
✨ 股間・内もも周辺(股部白癬・いんきんたむし)
股間や太ももの内側、臀部に白癬菌が感染したものを股部白癬(いんきんたむし)と言います。境界がはっきりした環状の赤みが広がり、強いかゆみを伴うことが多いです。足の水虫から自分でタオルなどを介して感染させてしまうケースが多く見られます。
📌 体幹・四肢(体部白癬・たむし)
胴体や腕・脚などの皮膚に感染したものを体部白癬と言います。環状に広がる赤みとかゆみが特徴で、一般的に「たむし」と呼ばれます。ペットから感染するケースもあるため、動物との接触後に気になる症状が出た場合は注意が必要です。
▶️ 手・指(手白癬)
足の水虫を手でかいて感染したり、爪白癬から広がったりして手や指に白癬菌が感染することがあります。手の平や指の皮が剥けたり、皮膚が硬くなったりする症状が現れます。片手だけに症状が出ることが多いとされています。
⚠️ 水虫と間違えやすい皮膚トラブル
水虫と思って市販の水虫薬を使い続けていたが、なかなか治らなかったという経験をお持ちの方もいるかもしれません。その原因のひとつとして、水虫ではない別の皮膚疾患を水虫と誤解していた可能性があります。
🔹 汗疱(かんぽう・異汗性湿疹)
手のひらや足の裏・指の側面に小さな水疱が多数できる病気で、水虫の小水疱型と非常によく似た見た目をしています。汗疱はアレルギーや汗の貯留が原因で、真菌とは関係がなく、水虫薬は効果がありません。治療にはステロイド外用薬などが使用されます。
📍 接触性皮膚炎(かぶれ)
靴の素材や洗剤、金属などのアレルゲンに接触することで起こる皮膚炎で、赤みや水疱、かゆみが現れます。原因物質との接触を断ち、ステロイド外用薬などで治療します。水虫薬を塗っても改善しないどころか悪化する場合があります。
💫 掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
手のひらや足の裏に膿疱(うみを含んだ水疱)が繰り返しできる慢性の皮膚疾患です。自己免疫が関係していると考えられており、水虫とは全く異なる疾患です。歯周病や扁桃炎などの感染病巣が関与することも知られています。
🦠 乾癬(かんせん)
足の裏や爪の変化が起こる乾癬という疾患も、水虫や爪白癬と間違えられることがあります。乾癬は慢性の炎症性皮膚疾患で、免疫の異常が関与しています。
これらの疾患は見た目が似ていても治療法が全く異なります。皮膚科を受診して正確な診断を受けることが、遠回りせずに改善への近道となります。
🔍 皮膚科での水虫の診断方法
皮膚科では、問診と視診のほかに、顕微鏡検査(直接鏡検法)という簡単な検査を行って水虫かどうかを確定診断します。
👴 顕微鏡検査(KOH法)
病変部の皮膚を少し採取し、水酸化カリウム(KOH)溶液で処理してから顕微鏡で観察します。白癬菌の菌糸(きんし)が確認されれば水虫と診断されます。この検査はその場で結果がわかり、採取時の痛みもほとんどありません。所要時間は数分程度です。
ただし、すでに市販薬を使用していたり、症状が軽い時期には菌が検出されにくいことがあります。検査前に抗真菌薬の使用を一時中断するよう指示されることもあります。
🔸 真菌培養検査
顕微鏡検査で菌が見つからなかった場合や、白癬菌の種類を詳しく調べる必要がある場合には、培養検査が行われることがあります。採取した皮膚や爪の組織を培地で培養して菌を同定する方法で、結果が出るまでに数週間かかることがあります。
💧 ダーモスコープを使った観察
ダーモスコープと呼ばれる皮膚拡大鏡を使い、皮膚の構造を詳しく観察することもあります。水虫に特徴的な所見(毛穴に沿った白癬菌の分布など)を確認し、他の皮膚疾患との鑑別に役立てることがあります。
皮膚科では、検査によって水虫であることを確認した上で治療を始めます。確定診断なしに水虫薬を使い続けることには、治療の遅れや誤った治療による症状の悪化のリスクがあります。
Q. 水虫と間違えやすい皮膚疾患にはどんなものがある?
水虫と症状が似た疾患として、手足に水疱ができる「汗疱(異汗性湿疹)」、アレルゲン接触が原因の「接触性皮膚炎」、膿疱が繰り返しできる「掌蹠膿疱症」、爪や皮膚に変化が現れる「乾癬」がある。これらは治療法が全く異なるため、皮膚科で顕微鏡検査による確定診断を受けることが重要だ。
📝 皮膚科での水虫の治療方法
水虫の治療では、抗真菌薬(白癬菌を殺菌・増殖抑制する薬)を使用します。病状の種類や重症度、患者さんの状態に応じて外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)を使い分けます。
✨ 外用抗真菌薬(塗り薬)
足の水虫(足白癬)の多くは、外用抗真菌薬で治療します。処方される外用薬の主な成分には以下のようなものがあります。
テルビナフィン塩酸塩はラミシールなどの商品名で知られる抗真菌成分で、白癬菌の細胞膜の合成を阻害することで殺菌作用を発揮します。角質への浸透性が高く、広く使用されています。
ルリコナゾールはルリコンという商品名で知られるイミダゾール系の抗真菌薬で、テルビナフィンよりも角質への浸透性が高いとされており、1日1回の塗布で効果が期待できます。
ラノコナゾール(アスタット)やリラナフタート(ゼフナート)なども処方される外用抗真菌薬のひとつです。
外用薬は症状がある部分だけでなく、足の裏全体・指の間・かかとまで広めに塗ることが重要です。症状がなくなったと感じた後も、医師に指示された期間は塗り続けることが再発防止の鍵となります。
📌 内服抗真菌薬(飲み薬)
爪白癬や角質増殖型の水虫、広範囲に広がった水虫などでは、塗り薬だけでは十分な効果が得にくいため、内服薬(飲み薬)が使用されます。
テルビナフィン(ラミシール錠)は爪白癬の治療に広く用いられており、1日1回6か月間の服用が標準的な治療期間です。肝機能への影響があるため、定期的な血液検査が必要になります。
イトラコナゾール(イトリゾール)はパルス療法(1週間服用して3週間休む方法を繰り返す)と呼ばれる方法で使用されることが多く、爪白癬の治療に効果的です。こちらも肝機能の確認が必要です。
ホスラブコナゾール(ネイリン)は比較的新しい内服抗真菌薬で、1日1回12週間の服用で爪白癬の治療を行います。服用期間が他の薬より短くて済む点が特徴のひとつです。
内服薬は薬物相互作用があるものも多いため、現在服用中の薬がある方は必ず医師に伝えることが重要です。
▶️ 爪白癬専用の外用薬
内服薬が難しい場合(肝機能障害がある方や他の薬との相互作用がある場合など)には、爪専用の外用抗真菌薬が使用されます。
エフィナコナゾール(クレナフィン)やルリコナゾール(ルコナック)は爪に浸透しやすく設計された外用薬で、1日1回患部に塗布します。治療期間は1年程度になることが多く、内服薬に比べると治癒率はやや低めですが、内服が難しい方にとって有用な選択肢です。
💡 市販薬との違いと皮膚科受診のメリット
ドラッグストアでも水虫の市販薬が多数販売されており、「わざわざ皮膚科に行かなくてもよいのでは」と思う方もいるかもしれません。しかし、皮膚科を受診することには様々なメリットがあります。
🔹 正確な診断が受けられる
市販薬を使う場合、あくまで自己判断での使用になります。先述のとおり、水虫と似た症状を示す疾患は複数あります。水虫でない疾患に水虫薬を使い続けることは、治療の遅れや余分なコストにつながります。皮膚科では顕微鏡検査によって水虫かどうかを確定した上で治療を行えるため、無駄がありません。
📍 症状に合った薬が処方される
市販薬は成分の種類や濃度に一定の制限があります。皮膚科では患者さんの症状や皮膚の状態に合った薬剤を選択して処方できるため、より高い効果が期待できます。特に爪白癬や角質増殖型には処方薬が必須と言えます。
💫 合併症や二次感染に対応できる
水虫の症状がひどくなると、皮膚がただれて細菌感染が起こることがあります(二次感染)。この場合は抗菌薬の処方も必要になりますが、皮膚科ではこうした状態にも適切に対応できます。
🦠 治療経過の確認と再発防止の指導が受けられる
皮膚科では定期的な診察によって治療の効果を確認しながら進めることができます。また、再発しないための生活上の注意点についても専門的なアドバイスを受けることができます。
👴 健康保険が適用される
皮膚科での水虫の診断・治療は健康保険の対象となります。処方薬は保険診療での処方になるため、市販薬を何度も購入するよりも経済的な場合があります。
✨ 水虫治療に必要な期間の目安
水虫の治療期間は、症状の種類・重症度・治療法によって大きく異なります。治療を中断してしまうと再発のリスクが高まるため、自覚症状がなくなってからも医師の指示に従って治療を続けることが重要です。
🔸 足の水虫(足白癬)の場合
趾間型や小水疱型では、外用抗真菌薬を使用した場合、症状の改善が感じられるまでに2週間〜1か月程度かかることが多いです。ただし、症状がなくなっても白癬菌が残っている可能性があるため、処方された期間(一般的に1〜3か月程度)は塗り続ける必要があります。
角質増殖型は角質が厚いため薬の浸透に時間がかかり、より長期の治療が必要です。場合によっては内服薬が選択されることもあります。
💧 爪白癬の場合

爪白癬は治療に時間がかかる代表的な疾患のひとつです。内服薬を使用した場合、治療期間は6か月〜1年程度が目安になります。爪は新しく生え変わるのに時間がかかるため(足の爪は約1年で完全に生え替わるとされます)、治療後も健康な爪が生えてくるまでには時間がかかります。
外用の爪専用薬を使用する場合は、さらに長期(1年以上)の治療が必要になる場合があります。
「治った」と自己判断して治療を中断することが再発の大きな原因となります。必ず医師の判断に従って治療を継続することが重要です。
Q. 爪白癬の治療薬と治療期間の目安は?
爪白癬の内服薬には、1日1回6か月服用するテルビナフィン、パルス療法で用いるイトラコナゾール、12週間服用のホスラブコナゾールがある。内服が難しい場合はエフィナコナゾールなど爪専用外用薬を使用するが治療期間は1年以上になる。いずれも肝機能確認など医師の管理のもとで治療を進める必要がある。
📌 水虫の再発を防ぐための生活習慣
水虫は治療後も生活習慣によっては再感染しやすい病気です。再発を防ぐためには、日常生活での予防対策が欠かせません。
✨ 足を清潔に保ち、よく乾かす
毎日入浴・シャワーの際に足の指の間まで丁寧に洗いましょう。石けんを使ってしっかり洗うことで、白癬菌を物理的に洗い流す効果が期待できます。洗った後は、足の指の間まで丁寧にタオルで拭いて水分を除去することが重要です。白癬菌は湿った環境を好むため、乾燥させることが予防に直結します。
📌 靴下・靴の選び方に気をつける
吸水性・通気性の良い素材(綿や機能性繊維)の靴下を着用することが推奨されます。また、同じ靴を毎日履き続けず、複数の靴を交互に使うことで靴の中を乾燥させましょう。革靴やブーツなど通気性の低い靴は特に蒸れやすいため、着用後は靴の中を乾かす工夫をすることが大切です。
▶️ 公共施設では素足を避ける
銭湯・温泉・スイミングプール・ジムのシャワールームなど、不特定多数の人が素足で歩く場所は感染リスクが高いです。これらの施設を利用する際はサンダルを履くなどして、床への直接接触を避けましょう。
🔹 スリッパやバスマットの管理
水虫の方が使用したバスマットやスリッパには白癬菌が付着していることがあります。バスマットは定期的に洗濯し、乾燥させましょう。家族間での使い回しを避け、個人専用のものを使用することが望ましいです。
📍 足の保湿ケアも重要
皮膚のバリア機能が低下していると白癬菌が侵入しやすくなります。特に角質増殖型水虫の治療後は、尿素クリームなどを用いた足の保湿ケアも再発予防に有効です。ただし、保湿剤の選択については皮膚科医に相談することをお勧めします。
💫 免疫力の維持
過労や睡眠不足、栄養バランスの乱れは免疫力を低下させ、感染しやすい状態を作ります。バランスの良い食事・十分な睡眠・適度な運動を心がけて全身の健康を維持することも水虫の予防につながります。
🎯 家族への感染を防ぐためのポイント
水虫は人から人へ感染する病気です。自分が水虫になった場合、家族への感染を防ぐための対策も重要です。
🦠 バスマット・タオルは個人専用のものを使う
水虫の方と共有するバスマットやタオルからの感染リスクがあります。家族それぞれが個人専用のバスマットとタオルを使用するようにしましょう。バスマットは毎日洗濯するか、乾燥させることが理想的です。
👴 スリッパの共有を避ける
家の中でも共用のスリッパは感染の媒介になることがあります。水虫治療中は個人専用のスリッパを用意し、家族が使用するものとは分けて管理しましょう。
🔸 床の清潔を保つ
水虫の方の皮膚から剥がれ落ちた角質には白癬菌が含まれています。特に浴室の床、脱衣所、リビングの床など素足で歩く場所はこまめに掃除・消毒することが推奨されます。
💧 家族も定期的に足をチェックする
家族に水虫の方がいる場合は、他の家族も定期的に足の状態を確認し、気になる症状が現れた際には早めに皮膚科を受診することが大切です。早期発見・早期治療が感染拡大の防止につながります。
✨ 治療を中断しない
水虫の治療を途中でやめると白癬菌が残存し、家族への感染源になり続けます。自覚症状がなくなっても、医師の指示に従って治療を最後まで継続することが家族への感染防止にもなります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「市販薬を数ヶ月使っても治らない」とご相談いただく患者様が多く、診察すると水虫ではなく汗疱や湿疹だったというケースも少なくありません。水虫は顕微鏡検査で確定診断ができる病気ですので、自己判断で対処を続けるよりも、まず皮膚科でしっかり原因を確かめることが、遠回りのないいちばんの近道です。特に爪の変色や足裏全体の硬化が気になる方は、内服薬が必要なケースもありますので、お気軽にご相談ください。」
📋 よくある質問
皮膚科では「顕微鏡検査(KOH法)」という検査を行います。病変部の皮膚を少量採取し、顕微鏡で白癬菌の菌糸を確認することで確定診断が可能です。痛みはほとんどなく、その場で結果がわかります。市販薬を使用中の場合、菌が検出されにくいことがあるため、受診前に使用を中断するよう指示されることもあります。
主な理由として、①水虫ではなく汗疱や湿疹など別の皮膚疾患だった、②爪白癬や角質増殖型など塗り薬では有効成分が十分浸透しにくいタイプだった、③症状が改善したと感じた段階で使用をやめてしまい菌が残存した、などが考えられます。当院でも市販薬で改善しないとご相談いただくケースが多くあります。まず皮膚科で正確な診断を受けることをお勧めします。
症状の種類によって異なります。趾間型や小水疱型の足白癬では、外用薬を1〜3か月程度継続するのが目安です。爪白癬は治療に時間がかかり、内服薬で6か月〜1年程度が標準的です。症状がなくなっても白癬菌が残っている場合があるため、自己判断で治療を中断せず、必ず医師の指示に従って継続することが重要です。
水虫は人から人へ感染する病気です。感染予防のために、バスマットやタオル・スリッパは個人専用のものを使用し、浴室や脱衣所の床をこまめに清潔に保ちましょう。家族に水虫の方がいる場合は、他の家族も定期的に足の状態を確認し、気になる症状が出た際には早めに皮膚科を受診することが感染拡大の防止につながります。
水虫と間違えやすい疾患として、手足に小さな水疱ができる「汗疱(異汗性湿疹)」、アレルゲンへの接触が原因の「接触性皮膚炎(かぶれ)」、膿疱が繰り返しできる「掌蹠膿疱症」、爪や皮膚に変化が現れる「乾癬」などがあります。これらは治療法が全く異なるため、水虫薬を使っても改善しない場合は、皮膚科を受診して正確な診断を受けることが大切です。
💊 まとめ
水虫は白癬菌という真菌による感染症で、適切な治療を行えば改善が期待できる病気です。しかし、自己判断による誤った対処や治療の中断によって慢性化・再発を繰り返してしまうケースも少なくありません。
皮膚科を受診することで、顕微鏡検査による確定診断を受けた上で、症状に合った適切な薬剤を処方してもらうことができます。市販薬では対応が難しい爪白癬や角質増殖型には特に、皮膚科での治療が重要です。
また、治療と並行して日常生活での予防習慣(足の清潔・乾燥・靴の管理など)を取り入れることで、再発リスクを下げることができます。家族への感染を防ぐためにも、バスマットやスリッパの共有を避けるなどの対策を日ごろから実践しましょう。
「もしかして水虫かも?」と感じたら、自己判断で市販薬を使い続けるよりも、まずは皮膚科を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会が公式に提供する白癬(水虫・爪白癬)の診断基準・治療ガイドライン・外用・内服抗真菌薬の使用方針に関する情報
- 厚生労働省 – 抗真菌薬(テルビナフィン・イトラコナゾール・ホスラブコナゾール等)の承認・安全性情報および水虫治療薬の適正使用に関する公式情報
- PubMed – 足白癬・爪白癬の原因菌(Trichophyton rubrum・Trichophyton mentagrophytes)の特性、感染機序、各種抗真菌薬の有効性・治癒率に関する国際的な査読済み臨床研究論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務