手の乾燥やひび割れは、多くの人が日常的に悩まされる皮膚トラブルです。特に冬の寒い時期や、水仕事・消毒が多い職種の方に多く見られます。「ハンドクリームを塗っているのになかなか治らない」「ひび割れが深くなって痛い」といった声も少なくありません。手の乾燥やひび割れは、単なる美容上の問題ではなく、皮膚のバリア機能が低下しているサインでもあります。適切なケアを知ることで、症状を改善し、再発を防ぐことができます。この記事では、手の乾燥・ひび割れの原因から、自宅でできる治し方、クリニックでの治療法まで幅広く解説します。
目次
- 手の乾燥・ひび割れとはどのような状態か
- 手が乾燥・ひび割れを起こす主な原因
- 乾燥やひび割れを悪化させる生活習慣
- 自宅でできる手の乾燥・ひび割れの治し方
- ハンドクリームの正しい選び方と使い方
- 市販薬・外用薬を使ったケア
- 手荒れが治らないときはクリニックへ
- クリニックで受けられる治療法
- 手の乾燥・ひび割れを予防するためのポイント
- まとめ
この記事のポイント
手の乾燥・ひび割れは乾燥や頻繁な手洗い、皮膚疾患が原因で、保湿の習慣化と生活習慣の見直しが基本ケアとなる。2週間のセルフケアで改善しない場合は皮膚科への受診が重要。
🎯 1. 手の乾燥・ひび割れとはどのような状態か
手の皮膚は、顔などと比べて皮脂腺が少なく、もともと乾燥しやすい部位です。皮膚の表面は「角質層」と呼ばれる薄い層で覆われており、この層が適切な水分と脂分を保つことで、外部刺激から体を守るバリア機能を果たしています。
乾燥が進むと、角質層の水分が失われ、皮膚がかさついたり、ざらざらとした質感になったりします。さらに乾燥が進行すると、皮膚の表面に細かい亀裂が生じ、これが「ひび割れ(亀裂)」と呼ばれる状態です。ひび割れが深くなると出血を伴うこともあり、日常動作のたびに痛みを感じるようになります。
医学的には、手の乾燥・ひび割れは「皮脂欠乏症(乾燥肌)」や「手荒れ(手湿疹)」の一種として捉えられます。単純な乾燥によるものから、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などの皮膚疾患が関与しているケースまで、その原因はさまざまです。自己判断で対処し続けても改善しない場合は、皮膚科や専門クリニックへの受診が重要です。
Q. 手の乾燥・ひび割れが起きやすい主な原因は?
手の乾燥・ひび割れの主な原因は、空気の乾燥や気温低下による皮脂分泌の減少、頻繁な手洗い・アルコール消毒による皮脂の喪失、洗剤を使う水仕事、摩擦などです。加齢による皮膚機能の低下や、アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎などの皮膚疾患が背景にある場合もあります。
📋 2. 手が乾燥・ひび割れを起こす主な原因
手の乾燥やひび割れには、さまざまな原因が絡み合っています。主なものを詳しく見ていきましょう。
🦠 空気の乾燥と気温の低下
秋から冬にかけて空気中の湿度が下がると、皮膚から水分が蒸発しやすくなります。また、気温が低下することで皮脂の分泌量も減少し、皮膚表面を守る油分が不足します。暖房器具の使用によって室内がさらに乾燥することも、手荒れを悪化させる要因の一つです。
👴 頻繁な手洗い・アルコール消毒
手を洗うたびに、皮膚表面の皮脂や天然保湿因子(NMF)が洗い流されます。特に感染症対策として手洗いや消毒の頻度が増えた近年、手荒れを訴える方が急増しています。アルコール系の消毒液は殺菌効果が高い一方で、皮膚の脂分を溶かしやすく、繰り返し使用することで乾燥が急速に進みます。
🔸 水仕事・洗剤の使用
食器洗いや掃除など、日常的に水や洗剤に触れる機会が多い方は手荒れになりやすい傾向があります。洗剤の界面活性剤は汚れを落とす一方で、皮膚の脂分や水分も奪ってしまいます。長時間水に浸かることで皮膚が膨潤(ふやける)し、その後急速に乾燥が進むというメカニズムも関係しています。
💧 摩擦や物理的刺激
手袋なしでの作業や、荒いタオルでの拭き取りなど、繰り返しの摩擦も皮膚バリアを傷つける原因となります。パソコンのキーボードやスマートフォンの操作で特定の指に負担がかかることも、部分的な乾燥・ひび割れにつながることがあります。
✨ 皮膚疾患・アレルギー
アトピー性皮膚炎の素因がある方や、特定の物質にアレルギーを持つ方は、接触性皮膚炎(かぶれ)を起こしやすく、これが手荒れの原因となる場合があります。ゴムや金属、特定の植物、化粧品成分などが原因物質(アレルゲン)となることがあります。
📌 加齢による皮膚機能の低下
年齢を重ねると、皮膚の水分保持能力や皮脂分泌量が低下します。また、ターンオーバー(皮膚の新陳代謝)も遅くなるため、ダメージを受けた皮膚の回復に時間がかかるようになります。そのため、中高年の方に乾燥やひび割れが多く見られます。
▶️ 全身疾患・内服薬の影響
糖尿病や甲状腺機能低下症などの全身疾患が皮膚の乾燥に影響することがあります。また、一部の降圧薬や利尿薬、抗がん剤なども皮膚の乾燥を引き起こす副作用を持つことが知られています。原因不明の乾燥がひどい場合は、内科的な疾患も念頭に置く必要があります。
💊 3. 乾燥やひび割れを悪化させる生活習慣
手の乾燥やひび割れは、日常的な習慣によって知らないうちに悪化していることがあります。以下のような行動に心当たりがある方は注意しましょう。
🔹 お湯での手洗い
熱いお湯で手を洗うと、皮脂が溶け出して皮膚の保護膜が失われやすくなります。適度なぬるま湯(38℃前後)を使うことが理想的です。
📍 ハンドケアをしない・後回しにする
手を洗った後すぐに保湿しないと、皮膚の水分が急激に蒸発してしまいます。「後でやればいい」という気持ちが積み重なると、乾燥が慢性化します。
💫 タオルで強く拭く
手洗い後にタオルで強くこすって拭くと、皮膚表面に摩擦ダメージを与えます。水分を押さえるようにやさしく拭くことが大切です。
🦠 ゴム手袋・素手での長時間作業
水仕事でゴム手袋を使う場合でも、長時間着用すると内部に汗がたまり、蒸れによる皮膚トラブルが起きることがあります。一方、素手での水仕事も乾燥を悪化させます。内側に綿の手袋を重ねるなどの工夫が有効です。
👴 睡眠不足・栄養不足
皮膚の修復は睡眠中に活発に行われます。睡眠不足が続くとターンオーバーが乱れ、皮膚の回復力が低下します。また、ビタミンA・C・Eや必須脂肪酸などの栄養素が不足すると、皮膚の健康が損なわれやすくなります。
🔸 水分摂取が少ない
体内の水分が不足すると、皮膚の水分量も低下します。1日あたり1.5〜2リットルを目安に、こまめに水分を摂取することが皮膚の保湿にも役立ちます。
Q. 手荒れを悪化させる日常習慣にはどんなものがある?
手荒れを悪化させる習慣として、熱いお湯での手洗い、洗後の保湿を後回しにすること、タオルで強くこすって拭くことが挙げられます。また、睡眠不足や水分・栄養不足も皮膚の回復力を低下させます。室内湿度が低い環境も乾燥を加速させるため、50〜60%を目安に管理することが重要です。
🏥 4. 自宅でできる手の乾燥・ひび割れの治し方
軽度〜中程度の手の乾燥・ひび割れであれば、日常的なセルフケアで改善できることが多いです。以下の方法を実践してみましょう。
💧 こまめな保湿を習慣化する
最も基本的で効果的なケアは、保湿を習慣化することです。手を洗ったら毎回ハンドクリームや保湿剤を塗る習慣をつけましょう。特に就寝前のケアは重要で、夜間の保湿が日中のケアよりも高い効果を発揮することがあります。
✨ 就寝前のハンドパック(コットンパック)
就寝前に保湿クリームをたっぷり塗り、綿の手袋をはめて寝る方法は「ハンドパック」とも呼ばれ、乾燥が強い時期に効果的です。クリームが皮膚にじっくりと浸透し、朝起きたときにしっとりとした肌になりやすいです。ひび割れが深い場合は、ワセリンを厚く塗った上から綿手袋をはめると、保護効果が高まります。
📌 水仕事の前後に手袋を使う
食器洗いや掃除の際は、必ずゴム手袋を使用してください。ゴムアレルギーがある方はニトリル製のものを選びましょう。水仕事後は、水分をやさしく拭き取ってから保湿剤を塗ることを忘れずに。
▶️ 手洗い後の保湿を徹底する
手洗いのたびに保湿することが理想です。職場や外出先でも使いやすいよう、携帯サイズのハンドクリームをバッグに常備しておくと実践しやすくなります。
🔹 ひび割れ部分の保護
深いひび割れ(亀裂)がある部分は、液体絆創膏や医療用テープで保護することで、外部刺激から守ると同時に痛みを軽減できます。液体絆創膏は水にも強く、亀裂の回復を助けます。ただし、傷が深くなっている場合や炎症が強い場合は、自己処置よりも医療機関の受診を優先してください。
📍 室内の湿度を保つ
室内湿度が低いと皮膚からの水分蒸発が加速します。加湿器を使用したり、洗濯物を室内に干したりして、湿度50〜60%程度を目安に維持することが理想的です。
⚠️ 5. ハンドクリームの正しい選び方と使い方
ハンドクリームはたくさんの種類がありますが、乾燥やひび割れの状態に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。
💫 保湿成分をチェックする
ハンドクリームの保湿成分は大きく3種類に分けられます。
ひとつ目は「ヒューメクタント(水分を引きつける成分)」で、グリセリン、ヒアルロン酸、尿素などが代表的です。角質層に水分を引き込み、保水する働きがあります。
ふたつ目は「エモリエント(皮膚を柔らかくする成分)」で、セラミド、スクワラン、ホホバオイルなどが挙げられます。角質層の隙間を埋め、しなやかな肌へと整えます。
三つ目は「オクルーシブ(水分の蒸発を防ぐ成分)」で、ワセリン、ラノリン、シアバターなどが代表例です。皮膚表面に膜を作って水分の蒸発を防ぎます。
乾燥がひどい場合は、これらの成分が組み合わさったリッチなテクスチャーのクリームを選ぶと効果的です。
🦠 尿素配合クリームは厚くなった角質に有効
尿素はNMF(天然保湿因子)の構成成分であり、角質を柔らかくする「角質溶解作用」を持ちます。かさかさが強い部分や、厚く硬くなった角質には尿素10〜20%配合のクリームが有効です。ただし、ひび割れが深く傷になっている部分に使うと刺激を感じることがあるため、傷がある場合は傷が治ってから使用するか、別の保湿剤を選びましょう。
👴 香料・添加物が少ないものを選ぶ
肌が敏感になっているときは、香料や防腐剤、着色料などが少ないシンプルな処方のものを選ぶことをおすすめします。「敏感肌用」「無香料」「アレルギーテスト済み」などの表示を参考にしてください。
🔸 ハンドクリームの正しい使い方
ハンドクリームは手を清潔にしてから使うことが基本です。量はやや多めに取り、手全体だけでなく、指の間や爪の周囲、手首にも丁寧になじませましょう。塗った後は、こすらずにやさしく押さえ込むようにするとより浸透します。水仕事の多い方は、1日に5〜10回程度の頻度での塗り直しを目標にするとよいでしょう。
Q. ハンドクリームの保湿成分はどう選べばよい?
ハンドクリームの保湿成分は3種類に分類されます。グリセリンやヒアルロン酸などの「水分を引きつける成分」、セラミドやホホバオイルなど「角質を柔らかくする成分」、ワセリンやシアバターなど「水分蒸発を防ぐ成分」です。乾燥がひどい場合はこれらが組み合わさったリッチなテクスチャーのクリームが効果的です。
🔍 6. 市販薬・外用薬を使ったケア
ハンドクリームだけでは改善が難しい場合、市販の外用薬を活用することも選択肢の一つです。
💧 ヘパリン類似物質配合外用薬
ヘパリン類似物質は医薬品としても認可されている保湿成分で、角質層の水分保持能力を高める作用があります。クリームやローションタイプの市販品が多く販売されており、乾燥による皮膚炎(皮脂欠乏性皮膚炎)に対して効果が認められています。ドラッグストアで購入でき、比較的高い保湿効果が期待できます。
✨ ステロイド外用薬
市販の弱めのステロイド(ヒドロコルチゾン配合など)は、炎症を伴う手荒れに使用されることがあります。かゆみや赤みがある場合に効果を発揮しますが、長期連用は皮膚の菲薄化(薄くなること)などの副作用が生じる可能性があるため、医師や薬剤師の指導のもとで使用することが望ましいです。
📌 液体絆創膏・皮膚保護剤
ひび割れに直接使える液体絆創膏は、亀裂を塞いで痛みを和らげ、外部刺激からの保護に有効です。薬局で手軽に購入でき、水仕事中も使えるタイプが多いです。ただし、刺激感が出ることもあるため、傷が深い場合は注意が必要です。
▶️ ワセリンの活用
白色ワセリンは非常に安全性が高く、刺激が少ない保湿・保護剤です。成分がシンプルなためアレルギーリスクが低く、乳幼児や敏感肌の方にも使われています。ただし、油分だけで水分保持成分が少ないため、水分を補ってからワセリンで蓋をするイメージで使うと効果的です。
📝 7. 手荒れが治らないときはクリニックへ
セルフケアや市販薬を続けても改善が見られない場合、または以下のような症状がある場合は、皮膚科やクリニックへの受診を検討してください。
受診を検討すべき症状としては、2週間以上セルフケアを続けても改善しない、ひび割れが深く出血や強い痛みがある、患部に水ぶくれ・膿・ただれがある、かゆみや赤みが強く広がっている、左右非対称の皮疹がある(片手だけに症状がある場合など)、特定の物質に触れた後に症状が出る、全身の他の部位にも皮膚症状がある、といったものが挙げられます。
これらは、単純な乾燥ではなく、接触性皮膚炎(アレルギー性・刺激性)、アトピー性皮膚炎、乾癬(かんせん)、白癬(水虫の一種)などの皮膚疾患が原因である可能性があります。原因を正確に診断し、適切な治療を受けることが、長引く手荒れを根本から改善するために重要です。
Q. クリニックではどんな手荒れ治療が受けられる?
クリニックでは、市販品より高濃度なヘパリン類似物質クリームの処方や、炎症の重症度に応じたステロイド外用薬の処方が受けられます。アレルギーが疑われる場合はパッチテストで原因物質を特定でき、難治性の場合は光線療法や生物学的製剤も選択肢となります。
💡 8. クリニックで受けられる治療法
クリニックでは、手の乾燥・ひび割れの原因に応じた専門的な治療を受けることができます。
🔹 保湿外用薬の処方

皮膚科では、市販品より高濃度・高効果な保湿外用薬が処方されます。ヘパリン類似物質クリーム(ヒルドイドなど)は、保険適用でも処方される代表的な処方保湿剤です。乾燥がひどい場合は、医師の判断のもと適切な保湿療法が組まれます。
📍 ステロイド外用薬の処方
炎症を伴う手湿疹(接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎など)には、症状の重症度に応じたランクのステロイド外用薬が処方されます。手のひらは皮膚が厚いため、比較的強めのステロイドが必要になることもあります。医師の指導のもとで適切に使用することで、副作用を最小限にしながら炎症を鎮めることができます。
💫 タクロリムス外用薬
アトピー性皮膚炎などに使われる非ステロイド系の免疫調節薬で、ステロイドを長期使用したくない場合や、ステロイドだけでは改善しない場合に用いられます。炎症を抑える効果があり、再発予防にも使用されます。
🦠 パッチテスト(接触アレルギーの検査)
特定の物質によるアレルギー性接触皮膚炎が疑われる場合は、パッチテストを行うことがあります。背中に検査用のアレルゲンを貼付して反応を見る検査で、原因物質を特定することができます。原因物質を避けることで、再発を防ぐことにつながります。
👴 光線療法(ナローバンドUVB療法など)
難治性の手湿疹や乾癬による手荒れには、紫外線を用いた光線療法が選択されることがあります。特定の波長の紫外線を照射することで免疫反応を調節し、皮膚の炎症を抑える治療法です。
🔸 生物学的製剤・内服薬
重症のアトピー性皮膚炎や乾癬などが手荒れの原因である場合、外用薬での治療に限界がある場合には、生物学的製剤(注射製剤)や免疫抑制薬の内服が検討されることがあります。これらは専門の皮膚科医の管理のもとで行われる治療です。
💧 美容クリニックでのスキンケア治療
乾燥やひび割れが皮膚炎や感染を伴わない美容的なケアの段階であれば、美容クリニックで行われる保湿治療や肌再生系の施術も選択肢の一つです。プラセンタ注射や点滴による栄養補給、ビタミン点滴など、体の内側から皮膚環境を整えるアプローチもあります。お肌全体の状態を見ながら、担当医に相談してみましょう。
✨ 9. 手の乾燥・ひび割れを予防するためのポイント
治療と並行して、再発を防ぐための予防ケアも欠かせません。日常生活の中で実践できるポイントをまとめました。
✨ 保湿を日課にする
手荒れが治った後も、保湿ケアを継続することが再発防止の基本です。「症状が出たらケアする」ではなく、「毎日のルーティンとしてケアする」という意識の転換が大切です。朝の身支度の一環として、就寝前のスキンケアの一部として保湿を組み込むと習慣化しやすくなります。
📌 季節の変わり目にケアを強化する
秋から冬にかけての乾燥シーズンが始まる前から、保湿ケアを強化しておくことが予防につながります。気温が下がり始める10月頃からケアをワンランクアップさせる意識を持ちましょう。
▶️ 手袋の活用
冬の外出時は防寒手袋を使用することで、外気による乾燥と冷気による血行不良を防げます。水仕事・掃除の際もゴム手袋や綿手袋を活用しましょう。
🔹 洗い方を見直す
手洗いはぬるま湯を使い、刺激の少ない洗浄剤を選ぶようにしましょう。泡タイプや低刺激のものを選ぶことで、必要以上に皮脂を落とすことを避けられます。また、洗った後はやさしく水分を押さえながら拭き、すぐに保湿をする流れを徹底しましょう。
📍 バランスの取れた食事と十分な睡眠
ビタミンA(皮膚の修復に関与)、ビタミンC(コラーゲン合成に必要)、ビタミンE(抗酸化作用)、亜鉛(皮膚の再生を助ける)、必須脂肪酸(細胞膜の構成成分)などを意識して摂取することで、皮膚の健康を内側から支えることができます。また、7〜8時間の質のよい睡眠を確保し、皮膚のターンオーバーを促しましょう。
💫 ストレス管理
過度なストレスは免疫機能に影響し、皮膚トラブルを引き起こしたり悪化させたりする要因になることが知られています。適度な運動、趣味の時間、リラクゼーションなどでストレスを発散させることも、手荒れ予防の一環として意識してみましょう。
🦠 原因物質を特定して避ける
アレルギー性接触皮膚炎が原因の場合は、パッチテストで特定したアレルゲンを日常生活から排除することが最も重要な予防策です。洗剤の種類を変える、ゴム製品を避けてニトリル製品に切り替えるなど、具体的な対策を講じましょう。
👴 定期的なクリニックでのフォロー
慢性的な手荒れや皮膚疾患を持つ方は、症状が落ち着いている時期も定期的にクリニックを受診し、現状の皮膚状態を確認してもらうことが再発予防につながります。皮膚科や専門クリニックでの定期フォローで、治療方針を適宜見直すことが大切です。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「ハンドクリームを毎日塗っているのに一向に良くならない」というお悩みでご来院される方が非常に多く、丁寧に診察してみると、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎が背景にあるケースが少なくありません。手の乾燥やひび割れは、単なる乾燥肌として見過ごされがちですが、原因を正確に見極めた上で、適切な保湿剤やステロイド外用薬を組み合わせることで、多くの方が早期に改善を実感されています。セルフケアを2週間続けても症状が改善しない場合や、痛みやかゆみが強い場合は、どうか一人で悩まずにお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
主な原因として、空気の乾燥や頻繁な手洗い・消毒、洗剤による皮脂の喪失、摩擦などが挙げられます。また、アトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などの皮膚疾患、加齢による皮膚機能の低下、糖尿病などの全身疾患が背景にあるケースもあります。ハンドクリームを使っても改善しない場合は、こうした原因が隠れている可能性があります。
手を洗うたびに塗ることが理想的です。特に就寝前のケアが重要で、保湿クリームをたっぷり塗って綿手袋をはめて寝る「ハンドパック」は乾燥が強い時期に高い効果を発揮します。職場や外出先でも実践できるよう、携帯サイズのハンドクリームを常備しておくとよいでしょう。
市販品と比べ、クリニックで処方される外用薬は保湿成分の濃度が高く、症状に合わせた処方が受けられます。代表的なヘパリン類似物質クリーム(ヒルドイドなど)は保険適用で処方可能です。また、炎症を伴う場合は症状の重症度に応じたステロイド外用薬など、より専門的な治療薬が処方されます。
2週間以上セルフケアを続けても改善しない、ひび割れが深く出血や強い痛みがある、水ぶくれや膿・ただれがある、かゆみや赤みが強い、特定の物質に触れた後に症状が出るといった場合は受診をおすすめします。アイシークリニックでも、長引く手荒れに関するご相談を承っております。
症状が治まった後も保湿ケアを毎日のルーティンとして継続することが最も重要です。水仕事の際はゴム手袋を使用し、手洗いはぬるま湯と低刺激な洗浄剤を選びましょう。また、ビタミンA・C・Eや亜鉛を意識した食事、十分な睡眠、室内の湿度管理(50〜60%目安)も再発予防に効果的です。
🎯 まとめ
手の乾燥やひび割れは、多くの方が経験する身近なトラブルですが、放置すれば慢性化し、日常生活に大きな支障をきたすこともあります。まずは日々の保湿ケアや生活習慣の見直しから始め、症状が改善しない場合は早めに皮膚科やクリニックを受診することが重要です。
手荒れの原因は乾燥だけでなく、アレルギーや皮膚疾患、全身疾患が隠れているケースもあります。自己判断でケアを続けるよりも、専門家に診てもらうことで、より早く・より確実に改善につなげることができます。
日々のちょっとした習慣を積み重ねることが、健やかな手肌を守る一番の近道です。今日からできるケアを一つずつ実践して、乾燥・ひび割れのない快適な手肌を取り戻しましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 手湿疹・接触性皮膚炎・アトピー性皮膚炎など手の乾燥・ひび割れに関連する皮膚疾患の診断基準や治療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – 皮脂欠乏症や手荒れの予防・ケアに関する公式情報、および医療機関受診の目安に関する参照
- PubMed – 手の乾燥・ひび割れ(hand eczema)に対する保湿剤・ステロイド外用薬・ヘパリン類似物質などの治療効果に関する国際的な臨床研究論文の参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務