デリケートゾーンの臭いが気になるけれど、誰にも相談できずに悩んでいる方は少なくありません。「すそわきが」は、陰部周辺に特有の臭いが生じる状態で、日常生活や人間関係に大きな影響を与えることがあります。気になりはじめたとき、多くの方がまず足を運ぶのはドラッグストアではないでしょうか。手軽に購入できるケア用品で何とかしたいという気持ちはよく理解できます。しかし、すそわきがは一般的な体臭とはメカニズムが異なるため、市販品でのケアには限界があることも知っておく必要があります。この記事では、すそわきがの原因や特徴から、ドラッグストアで購入できる対策グッズの効果と限界、そして根本的な改善を目指すための治療法まで、幅広く解説していきます。
目次
- すそわきがとは何か?通常のわきがとの違い
- すそわきがの原因を知ろう
- すそわきがの主な症状と見分け方
- ドラッグストアで購入できる対策グッズの種類
- 市販品の効果と限界について
- 自宅でできる日常的なケア方法
- 生活習慣の改善で臭いを軽減する方法
- 医療機関での根本的な治療法
- すそわきがに関するよくある誤解
- いつクリニックを受診すべきか
この記事のポイント
すそわきがはアポクリン腺由来の遺伝的体質であり、ドラッグストアの市販品は一時的な臭い軽減に有効だが根本治療にはならない。完全な改善にはミラドライ・レーザー・手術・ボトックス等の医療的治療が必要であり、日常生活に支障がある場合は早期の専門医受診が推奨される。
🎯 すそわきがとは何か?通常のわきがとの違い
すそわきがとは、陰部(外陰部)周辺から発生する特有の臭いを指す言葉です。医学的には「外陰部のアポクリン腺由来の臭気」として説明されることが多く、わきの下に生じるわきが(腋臭症)と基本的なメカニズムは同じです。
人間の皮膚には汗を分泌する腺が二種類あります。一つはエクリン腺と呼ばれるもので、体温調節のために全身から水分の多いサラサラした汗を出します。もう一つがアポクリン腺で、こちらはたんぱく質や脂質を多く含む粘度の高い汗を分泌します。アポクリン腺は主に腋の下、陰部、乳輪周辺などに集中して分布しており、分泌された汗が皮膚表面の常在菌によって分解されるときに独特の臭いが生じます。これがわきがやすそわきがの正体です。
腋の下のわきがと、すそわきがの根本的なメカニズムは共通していますが、いくつかの点で異なります。陰部は衣類で覆われており蒸れやすく、また粘膜に近い部位でもあるため、常在菌の種類や密度が腋の下とは異なります。さらにデリケートゾーンは尿道や腟の分泌物など、他の要因による臭いが混在しやすい部位でもあります。このため、すそわきがのケアは腋のわきがとは少し異なるアプローチが必要になります。
また、すそわきがは男性よりも女性に多く見られるとされていますが、男性でも陰嚢周辺のアポクリン腺が活発な場合には同様の症状が現れることがあります。性別に関わらず、臭いに悩んでいる方は決して珍しくないという点を、まず理解していただきたいと思います。
Q. すそわきがの原因は不衛生な生活習慣ですか?
すそわきがの原因は不衛生ではなく、遺伝的体質によるものです。陰部周辺に集中するアポクリン腺が分泌した汗を皮膚の常在菌が分解する際に独特の臭いが生じます。家族にわきがの傾向がある場合、すそわきがになりやすい傾向があります。
📋 すそわきがの原因を知ろう
すそわきがの直接的な原因は、アポクリン腺から分泌される汗と皮膚常在菌の相互作用ですが、その背景にはいくつかの要因が関係しています。
まず、遺伝的な要因が大きく関わっています。アポクリン腺の数や大きさ、活動性は遺伝的に決まる部分が多く、両親や家族にわきががある場合、すそわきがになりやすい傾向があります。これは個人の清潔さや生活習慣とは無関係であり、遺伝的体質として理解することが重要です。
次に、ホルモンバランスの変化も重要な要因です。アポクリン腺はホルモンの影響を受けやすく、思春期以降に活発になります。女性の場合は月経周期に伴うホルモン変動によって臭いが強まる時期があり、妊娠中や更年期にも変化が生じることがあります。また、ストレスや精神的な緊張もホルモン分泌に影響を与えるため、緊張したときに臭いが強まると感じる方も多いようです。
食生活も臭いに影響を与えます。動物性脂肪やたんぱく質を多く含む食事をとると、アポクリン腺からの分泌物の組成が変化し、臭いが強まることがあります。ニンニクや玉ねぎ、スパイスなど刺激の強い食品も一時的に体臭を強くすることが知られています。
衛生状態と蒸れも重要な要因です。陰部は構造上蒸れやすく、汗や分泌物が溜まりやすい部位です。適切なケアが行き届かない状態が続くと、常在菌が増殖して臭いが強くなります。一方で過度な洗浄も問題で、必要な常在菌のバランスを崩し、かえって臭いや炎症の原因になることもあります。
下着の素材や形状も見逃せません。通気性の悪い素材や、ぴったりとした形状の下着は蒸れを促進し、細菌の繁殖しやすい環境を作ります。また、ナイロンなどの合成繊維は臭いを吸着しやすく、臭いを感じやすくなる一因となります。
💊 すそわきがの主な症状と見分け方
すそわきがかどうかを自分で判断することは難しいですが、いくつかの特徴的なサインがあります。ただし、デリケートゾーンの臭いにはすそわきが以外の原因もあるため、正確な診断は医師に委ねることが重要です。
すそわきがの臭いは、発酵したような、あるいは独特の動物的な臭いとして表現されることが多いです。これはアポクリン腺の分泌物が細菌によって分解される際に生じる脂肪酸やアンモニアなどの物質に由来します。臭いは一日中持続することが多く、入浴後すぐに臭いが戻るという特徴があります。
下着への着色も一つの目安になります。すそわきがの場合、アポクリン腺の分泌物に含まれる色素が下着に黄色や茶色のシミとして残ることがあります。これは腋のわきがでも同様の現象が見られます。
一方、すそわきがと混同しやすい他の臭いの原因としては、カンジダ症や細菌性腟症などの感染症、性感染症、尿漏れなどがあります。これらは臭いの質が異なり、かゆみや分泌物の増加、色の変化などの症状を伴うことが多いです。また、月経血の臭いや、おりものの臭いをすそわきがと誤解しているケースも少なくありません。
自己チェックの方法として、家族や親しい人にわきがの傾向があるか確認することも一つの手がかりになります。また、腋の下にわきがの傾向がある方は、すそわきがも持っている可能性が高いとされています。耳垢の状態も関連があるとされており、湿った耳垢(軟耳垢)の方はアポクリン腺が発達している傾向があり、わきがやすそわきがになりやすいといわれています。
Q. ドラッグストアの市販品はすそわきがに効果がありますか?
ドラッグストアのデリケートゾーン専用洗浄料やデオドラントシートは、臭いを一時的に軽減するケアとして有効です。ただし、臭いの根本原因であるアポクリン腺そのものにはアプローチできないため、根本的な治療にはなりません。症状が強い場合は医療機関への相談が推奨されます。
🏥 ドラッグストアで購入できる対策グッズの種類
すそわきがの悩みを抱える方がドラッグストアで購入できる商品には、いくつかのカテゴリーがあります。それぞれの特徴と使い方を理解しておくことが、効果的なケアにつながります。
デリケートゾーン専用の洗浄料は、最も基本的なケアアイテムです。通常のボディソープは陰部の粘膜に刺激が強すぎる場合があるため、pHが中性から弱酸性に調整された専用の洗浄料を使用することが推奨されています。泡立てて優しく洗い流すことで、過剰な常在菌の増殖を抑えながら必要な皮膚環境を保つことができます。デリケートゾーン専用のフォームタイプやジェルタイプの洗浄料が多数販売されています。
制汗・デオドラント成分を含む商品も存在します。腋のわきが向けに開発された制汗剤とは異なりますが、デリケートゾーン専用をうたったデオドラントシートや、スプレータイプの商品がドラッグストアでも見かけられるようになりました。これらは臭いを一時的に抑制したり、汗の分泌をある程度コントロールしたりする効果を期待できます。
デオドラントシートやウェットティッシュタイプの商品は、外出先でのケアに便利です。トイレに行ったタイミングでさっとふき取ることで、臭いを一時的に抑える効果があります。デリケートゾーン対応とされているものはアルコールや刺激の強い成分を避けた処方になっていることが多いですが、粘膜への使用は控えるべきです。
吸湿・防臭効果のある下着やライナーも、ドラッグストアやショッピングセンターで購入できます。消臭素材を使用した下着や、吸湿性の高いコットン素材の商品は、蒸れを軽減することで臭いを抑えるのに役立ちます。また、消臭効果のあるサニタリーライナーを使用することで、下着への臭いの付着を軽減できます。
内側からのケアとして、体臭対策のサプリメントもドラッグストアで販売されています。クロロフィル(葉緑素)、ポリフェノール、乳酸菌などを含むサプリメントが体臭全般を軽減するとされており、すそわきがへの効果も期待できる場合があります。ただし、これらのサプリメントの効果には個人差があります。
⚠️ 市販品の効果と限界について
ドラッグストアで購入できる商品は、すそわきがの症状を一時的に和らげたり、日常的なケアをサポートしたりするうえで役立ちます。しかし、その効果には明確な限界があることを理解しておく必要があります。
市販品の最大の限界は、臭いの根本原因であるアポクリン腺そのものにアプローチできないという点です。すそわきがの根本的な原因はアポクリン腺が分泌物を出すことにあり、その分泌を完全に止めるためにはアポクリン腺自体に対する治療が必要です。市販の洗浄料や制汗剤は、分泌された後の臭いを一時的に洗い流したり、細菌の増殖を抑制したりすることはできますが、アポクリン腺の活動を根本的に変えることはできません。
また、デリケートゾーンは皮膚の中でも特に敏感な部位であり、粘膜が近いため、腋の下と同様の制汗成分(塩化アルミニウムなど)を使用した製品を使うと、かぶれや炎症を引き起こすリスクがあります。このため、陰部専用の商品以外を使用する際には十分な注意が必要です。
さらに、市販品を使用しても臭いが改善しない場合、その臭いがすそわきが以外の原因(感染症など)によるものである可能性があります。感染症による臭いは適切な治療が必要であり、市販品でのケアを続けることで診断が遅れることにもなりかねません。
臭いの程度が軽度から中程度であれば、市販品と適切な生活習慣の改善で日常生活に支障がない程度にコントロールできる場合もあります。しかし、臭いが強く日常生活や人間関係に影響を与えているレベルであれば、医療機関での相談を検討することを強くお勧めします。
🔍 自宅でできる日常的なケア方法
ドラッグストアの商品を上手に活用しながら、日常的なセルフケアを丁寧に行うことで、すそわきがの臭いをある程度コントロールすることができます。以下に具体的なケア方法を紹介します。
洗浄の方法と頻度について、まず正しい洗い方を実践することが基本です。デリケートゾーン専用の洗浄料を使用し、ぬるま湯でよく泡立てて、指の腹を使って優しく洗います。ゴシゴシと強くこすると皮膚を傷め、炎症の原因になります。また、洗いすぎも問題です。一日に一度、入浴時にしっかりと洗うことが基本で、それ以上の頻度で洗浄液を使用することは推奨されません。
洗浄後は、清潔なタオルで優しく押さえるようにして水分を拭き取ることが大切です。こすり取るような動作は避けてください。しっかりと乾燥させてから下着をはくことで、蒸れによる細菌の増殖を抑えることができます。ドライヤーの冷風を使って乾燥させる方法も有効です。
外出先でのケアには、デリケートゾーン対応のウェットシートやデオドラントシートが役立ちます。トイレを利用した際に、粘膜部分を避けてそっと拭くことで、汗や分泌物を除去し臭いを軽減できます。ただし、アルコール入りの一般的なウェットティッシュは刺激が強いため避けてください。
陰毛の処理も臭いに影響します。陰毛は汗や分泌物を吸収し、細菌が繁殖しやすい環境を作ります。完全に除去するかどうかは個人の選択ですが、適度にトリミングするだけでも臭いを軽減できるといわれています。処理には陰部専用のシェーバーやトリマーを使用し、皮膚を傷つけないよう注意してください。
下着の選択も重要なセルフケアの一つです。コットン素材の通気性の良い下着を選ぶことで、蒸れを軽減できます。合成繊維の下着は汗を吸収しにくく、蒸れを促進するため、できれば避けたほうが良いでしょう。また、下着は毎日取り替え、清潔を保つことが基本です。
Q. すそわきがを医療機関で治療する方法にはどんな種類がありますか?
すそわきがの主な医療的治療法は4種類あります。マイクロ波でアポクリン腺を破壊する「ミラドライ」、レーザー治療、アポクリン腺を直接除去する外科的手術、汗腺の活動を数か月間抑制する「ボトックス注射」です。患者の症状や生活スタイルに合わせて医師と相談のうえ選択します。
📝 生活習慣の改善で臭いを軽減する方法
すそわきがの臭いは、生活習慣の見直しによってある程度軽減できる可能性があります。日々の生活の中でできることを積み重ねることが、長期的なケアにつながります。
食事内容の見直しは、体臭改善に効果的なアプローチです。動物性脂肪やたんぱく質を多く含む食品(肉類、乳製品など)は、アポクリン腺の分泌物の臭いを強める可能性があります。野菜や果物、魚を中心としたバランスの良い食事を心がけることで、体臭全般を改善できる可能性があります。特に緑黄色野菜に含まれるクロロフィルは消臭効果があるとされており、ほうれん草やブロッコリー、パセリなどを積極的に摂ることをお勧めします。
腸内環境の改善も体臭に影響します。腸内の悪玉菌が増加すると、腸内で発生した有害物質が血液を通じて全身に運ばれ、皮膚からの臭いとして現れることがあります。ヨーグルトや発酵食品、食物繊維を豊富に含む食品を摂取し、腸内環境を整えることで体臭を改善できる場合があります。
十分な水分補給も重要です。一日2リットル程度の水を目安に、こまめに水分を摂るようにしましょう。
ストレス管理も体臭対策において見逃せない要素です。精神的なストレスはアポクリン腺の活動を活発にし、臭いを強める可能性があります。適度な運動、十分な睡眠、リラクゼーションの時間を設けることで、ストレスをコントロールすることが体臭対策にもつながります。
アルコールや喫煙も体臭を悪化させる要因です。アルコールは代謝されてアセトアルデヒドに変わり、これが皮膚から排出されることで独特の臭いを生じます。喫煙も皮膚からのにおいの排出を増加させます。これらを控えることで、体臭全般の改善につながります。
衣類の選択と管理にも気を配りましょう。臭いが衣類に染み付くことで、洗濯後も臭いが残ることがあります。消臭効果のある洗剤を使用したり、衣類をしっかりと乾燥させたりすることで、衣類からの臭いを軽減できます。また、何着かの下着をローテーションで使用することで、一枚あたりの使用頻度を下げることもできます。
💡 医療機関での根本的な治療法
すそわきがを根本的に改善するためには、アポクリン腺そのものに対する医療的なアプローチが必要です。近年は様々な治療法が開発されており、患者さんの状態や希望に合わせて選択できるようになっています。
ミラドライ(マイクロ波治療)は、マイクロ波のエネルギーを使ってアポクリン腺を熱によって破壊する治療法です。もともと腋のわきが治療として開発された方法ですが、陰部周辺への応用も行われています。切開を必要とせず、ダウンタイムが比較的短いことが特徴です。ただし、デリケートゾーンへの適用は部位によって限界があり、医師との十分な相談が必要です。
レーザー治療は、特定の波長のレーザーを使用してアポクリン腺を治療する方法です。皮膚へのダメージを最小限に抑えながら、アポクリン腺に選択的にアプローチできるため、繊細なデリケートゾーンの治療に適している場合があります。複数回の施術が必要な場合もありますが、侵襲性が低く、ダウンタイムが短いことが利点です。
外科的手術による治療は、アポクリン腺を直接取り除く方法です。切開を伴うため、局所麻酔のもとで行われます。根本的な治療効果が高い反面、手術後の回復期間が必要で、部位によっては日常生活への影響が生じることもあります。医師の診察によって適応を判断してもらう必要があります。
ボトックス注射(ボツリヌストキシン注射)は、汗腺の活動を一時的に抑制する効果があります。アポクリン腺そのものを破壊するわけではないため、効果は一時的(数か月程度)ですが、切開を必要とせず、比較的手軽に受けられる治療法です。施術後はすぐに日常生活に戻れることが多く、即効性があるため、特定のイベントに向けて臭いを抑えたい場合にも利用されます。
どの治療法が最も適しているかは、症状の程度、部位、患者さんの体質や生活スタイル、治療に対する希望などによって異なります。医療機関で詳しい検査と診察を受けたうえで、医師と相談しながら治療法を選択することが大切です。
Q. すそわきがでクリニックを受診すべきタイミングはいつですか?
以下の3つのいずれかに該当する場合、早めのクリニック受診が推奨されます。①臭いが原因で日常生活や人間関係に支障が出ている、②2〜3週間セルフケアを継続しても改善しない、③かゆみ・異常な分泌物など臭い以外の症状を伴う場合です。アイシークリニックではデリケートな悩みにも丁寧に対応しています。
✨ すそわきがに関するよくある誤解
すそわきがについては、様々な誤解や思い込みが広まっています。正しい知識を持つことで、不必要な不安を解消したり、適切なケアにつなげたりすることができます。
「清潔にしていないからすそわきがになる」という誤解は非常に多く見られます。実際には、すそわきがはアポクリン腺の活動性によるもので、遺伝的な体質が大きく関係しています。毎日丁寧に洗っていても、アポクリン腺が活発な方はすそわきがになります。逆に言えば、すそわきがの方が不潔というわけではなく、これは体質の問題です。
「臭いは自分だけが気になっていて、他の人には分からない」という思い込みも見られます。これは半分正しく、半分正しくないと言えます。すそわきがの臭いは比較的近距離でなければ分からないことが多く、常に他の人に臭いが伝わっているわけではありません。一方で、症状が強い場合は他の人も気づくことがあります。臭いに対する過度な不安(醜形恐怖症的な傾向)を抱えている方もおり、実際よりも臭いを強く感じている場合もあります。
「市販のデオドランドで完全に治る」という誤解もあります。前述の通り、市販品は一時的な臭いの軽減には役立ちますが、アポクリン腺の活動を根本的に変えることはできません。臭いの完全な改善を目指すならば、医療機関での治療が必要です。
「すそわきがは性感染症や不衛生な性生活の結果だ」という誤解も根強く存在します。これは完全に誤りです。すそわきがは性的活動とは無関係で、遺伝的な体質によるものです。この誤解が、すそわきがに悩む方が相談をためらう一因になっている場合があります。
「すそわきがは治療できない」という誤解を持つ方もいます。実際には、現代医学の進歩により、様々な効果的な治療法が存在します。諦めずに専門家に相談することで、症状を大幅に改善できる可能性があります。
「デリケートゾーンを毎日念入りに洗えば臭いがなくなる」という過剰ケアの誤解も問題です。むしろ、過剰な洗浄は皮膚の常在菌のバランスを崩し、刺激による炎症や感染症のリスクを高める可能性があります。適切な方法での一日一回の洗浄が推奨されます。
📌 いつクリニックを受診すべきか

すそわきがの症状がある場合、どのタイミングで医療機関を受診すべきか迷う方も多いと思います。いくつかの目安として参考にしてください。
日常生活への影響が出ている場合は、早めの受診を検討してください。臭いのせいで人との接触を避けるようになった、仕事や学校でのパフォーマンスが低下した、精神的なストレスが大きくなっているなど、生活の質(QOL)に支障をきたしている場合は、専門家のサポートが必要です。
セルフケアを継続しても改善が見られない場合も、受診の目安となります。適切な洗浄、下着の選択、生活習慣の改善を2〜3週間続けても臭いが変わらない、あるいは悪化している場合は、専門家の診察を受けることをお勧めします。
臭い以外の症状が伴う場合は、感染症や他の疾患の可能性があるため、速やかに受診してください。かゆみ、痛み、異常な分泌物(色や量の変化)、腫れ、発疹などの症状がある場合は、すそわきがではなく婦人科的な疾患や皮膚疾患である可能性があります。これらは適切な治療が必要な状態ですので、放置せずに受診することが大切です。
受診する際は、産婦人科、皮膚科、または美容皮膚科・形成外科が対応できる場合があります。「すそわきが」について相談したいと事前に電話で確認しておくと、スムーズに受診できます。臭いのことを相談することを恥ずかしいと感じる方も多いですが、医師はこのような相談に慣れており、患者さんの悩みを真剣に受け止めてくれます。
アイシークリニック大宮院では、すそわきがをはじめとするデリケートな悩みに対して、丁寧なカウンセリングと適切な治療提案を行っています。一人で悩まず、専門家に相談することが症状改善への第一歩です。プライバシーに十分配慮した環境で診察を受けられますので、気になる方はお気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、すそわきがのご相談にいらっしゃる患者様の多くが、長期間にわたって一人で悩まれた末にご来院されるケースが目立ちます。市販品でのケアには限界があり、アポクリン腺そのものにアプローチできる医療的な治療法と組み合わせることで、症状を大きく改善できる可能性があります。デリケートなお悩みだからこそ、恥ずかしいとためらわずに、ぜひ早めにご相談いただければと思います。」
🎯 よくある質問
いいえ、すそわきがは清潔感とは無関係です。アポクリン腺の数や活動性は遺伝的に決まる部分が大きく、毎日丁寧に洗っていても、アポクリン腺が活発な方は臭いが生じることがあります。体質の問題であり、すそわきがの方が不潔というわけではありません。
市販品は臭いを一時的に軽減するサポートとして役立ちますが、根本的な治療にはなりません。臭いの原因であるアポクリン腺そのものにはアプローチできないためです。臭いが強く日常生活に支障をきたしている場合は、医療機関での治療を検討することをお勧めします。
すそわきがの臭いは発酵したような独特の臭いで、入浴後すぐに戻る傾向があります。一方、感染症(カンジダ症・細菌性腟症など)ではかゆみ・痛み・分泌物の色や量の変化を伴うことが多いです。他の症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
主な治療法として、マイクロ波でアポクリン腺を破壊する「ミラドライ」、レーザー治療、アポクリン腺を直接除去する外科的手術、一時的に汗腺の活動を抑える「ボトックス注射」などがあります。症状の程度や生活スタイルに合わせて、医師と相談しながら最適な方法を選択することが大切です。
以下の場合は早めの受診をお勧めします。①臭いが原因で人との接触を避けるなど日常生活に支障が出ている、②2〜3週間セルフケアを続けても改善しない、③かゆみ・痛み・異常な分泌物など臭い以外の症状を伴う場合です。アイシークリニックでは、デリケートなお悩みにも丁寧に対応しております。
📋 まとめ
すそわきがは、アポクリン腺の分泌物が皮膚の常在菌によって分解されることで生じる臭いで、遺伝的体質が大きく関わっています。清潔感や生活習慣の問題ではなく、体質として理解することが大切です。
ドラッグストアで購入できるデリケートゾーン専用の洗浄料、デオドラントシート、吸湿性の高い下着などは、日常的なケアに役立ちます。これらを正しく使用することで、臭いをある程度コントロールすることが可能です。ただし、市販品はあくまでも一時的な対策であり、根本的な解決にはなりません。
日常ケアとして、デリケートゾーン専用洗浄料を使った一日一回の適切な洗浄、通気性の良いコットン素材の下着の着用、バランスの取れた食事、腸内環境の改善、ストレス管理などを組み合わせることで、症状を軽減できる可能性があります。
臭いが強く日常生活や精神的な健康に影響を与えている場合は、医療機関での治療を検討してください。ミラドライ、レーザー治療、外科的手術、ボトックス注射など、様々な治療法があり、症状の程度や生活スタイルに合わせて選択することができます。一人で悩まずに、まずは専門家に相談することが改善への近道です。デリケートな悩みだからこそ、信頼できる医師に打ち明けることで、適切なサポートを受けることができます。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – アポクリン腺の構造・機能、腋臭症(わきが)の診断基準および治療ガイドラインに関する情報。すそわきがのメカニズムや皮膚常在菌との関係性の根拠として参照。
- 日本美容外科学会 – ミラドライ・レーザー治療・ボトックス注射・外科的手術など、すそわきがの根本的治療法に関する適応・効果・安全性の情報。医療機関での治療法選択の根拠として参照。
- 日本形成外科学会 – 腋臭症を含む体臭関連疾患の外科的治療法(アポクリン腺切除術など)の適応と手術手技に関する情報。すそわきがの外科的治療の根拠および安全なケアの説明として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務