顔の赤みが気になり、人前に出るのがつらいと感じていませんか。頬や鼻のあたりがいつも赤い、寒暖差で顔が火照りやすい、細い血管が透けて見える——こうした「赤ら顔」の症状でお悩みの方は少なくありません。
赤ら顔は単なる体質と思われがちですが、実は医療機関で治療が可能です。さらに、原因となる疾患によっては健康保険が適用され、自己負担を抑えながら治療を受けられるケースもあります。
本記事では、大宮エリアで赤ら顔治療をお考えの方に向けて、赤ら顔の原因や保険適用の条件、具体的な治療法について詳しく解説します。正しい知識を持つことで、ご自身に合った治療への第一歩を踏み出しましょう。
赤ら顔とは
赤ら顔とは、顔面の皮膚が慢性的に赤みを帯びている状態を指します。医学的には「顔面紅斑」と呼ばれることもあり、一時的な赤面とは異なり、持続的に赤みが続くのが特徴です。
特に頬、鼻、額、あごなど顔の中心部に赤みが現れやすく、人によっては毛細血管が透けて見えたり、ほてり感を伴ったりすることもあります。中年以降の女性に多く見られる傾向がありますが、男性や若年層でも発症することがあります。
赤ら顔の主な症状としては、次のようなものが挙げられます。
- 顔全体または部分的(頬・鼻・額など)に赤みがある
- 細い血管が皮膚表面に透けて見える
- 顔がほてりやすい、熱を持ちやすい
- ヒリヒリ感やかゆみを伴うことがある
- 赤みが自然に消えない
赤ら顔にはさまざまな原因があり、それぞれ適切な治療法が異なります。まずは専門医による正確な診断を受けることが、改善への近道です。
赤ら顔の主な原因
赤ら顔を引き起こす原因は一つではなく、複数の要因が複雑に関わっていることがほとんどです。ここでは、赤ら顔の代表的な原因について詳しく解説します。
毛細血管拡張症
毛細血管拡張症は、赤ら顔の最も代表的な原因の一つです。皮膚の浅い層(真皮)にある毛細血管が拡張したまま元に戻らなくなり、皮膚表面から赤く透けて見える状態をいいます。
通常、毛細血管は肌の表面からは見えませんが、何らかの要因によって拡張すると血流量が増加し、肌の赤みとなって目視できる状態になります。特に毛細血管が密集している鼻や頬に発生しやすい傾向があります。
毛細血管拡張症の特徴として、炎症を伴わない赤みがあること、拡張した状態が持続していること、自然治癒しないことが挙げられます。これらすべての特徴が当てはまる場合、毛細血管拡張症である可能性が高くなります。
毛細血管拡張症を引き起こす要因としては、次のようなものが考えられています。
遺伝的な体質として、生まれつき皮膚が薄い方や血管が太い方は、毛細血管が透けて見えやすい傾向があります。また加齢によって皮膚の脂肪量が減少し、肌状態が変化することで症状が出ることもあります。
紫外線や寒暖差も大きな要因です。長年にわたり日光を浴び続けると毛細血管が拡張しやすくなります。また、寒い場所と暖かい場所を行き来することで血管の拡張と収縮が繰り返され、血管が拡張したまま戻らなくなることがあります。
女性ホルモンの影響も指摘されており、妊娠中は顔や首、胸などに症状が現れやすくなります。この場合、出産後に症状が改善することがほとんどです。
飲酒やアルコール摂取、香辛料などの刺激物も血管拡張を促進するため、症状を悪化させる可能性があります。
酒さ(しゅさ)
酒さは、赤ら顔を引き起こす代表的な皮膚疾患の一つです。鼻や頬、額、あごなどに慢性的な赤みが生じ、ニキビのような赤いブツブツや膿疱を伴うこともあります。30〜50歳代に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。
酒さの原因は完全には解明されていませんが、遺伝的な要因、環境因子、皮膚に常在するニキビダニ(毛包虫)の関与などが複雑に関係していると考えられています。
酒さは症状によって大きく4つのタイプに分類されます。
紅斑毛細血管拡張型(第1度酒さ)は、顔が赤くなり毛細血管の広がりが見られるタイプです。鼻、頬、眉間、額に赤みが出現し、次第に毛細血管拡張と脂漏を伴うようになります。寒暖差や飲酒で症状が強くなり、かゆみやほてりの症状が出ることもあります。
丘疹膿疱型(第2度酒さ)は、第1度の症状が進行し、ニキビのような赤い丘疹や膿疱が現れるタイプです。顔全体に症状が広がり、脂漏が強くなります。
瘤腫型(第3度酒さ、鼻瘤)は、丘疹が合わさって腫瘤状になり、特に鼻が凸凹に盛り上がって赤紫色になるタイプです。
眼型は、目の周りに症状が現れ、充血、異物感、かゆみ、乾燥、まぶしさを感じるタイプです。
酒さの症状を悪化させる因子としては、紫外線、心理的ストレス、高気温・低気温、風、激しい運動、アルコール摂取、熱い風呂、香辛料の摂取などが挙げられます。
脂漏性皮膚炎
脂漏性皮膚炎は、皮脂分泌が多い部位に発生する湿疹の一種で、顔面では特に鼻の周りや眉間、眉毛部に赤みやフケのような鱗屑(りんせつ)が見られます。かゆみを伴うこともあり、症状がひどくなると皮膚が赤く腫れ上がったり、黄色いかさぶたができたりすることもあります。
脂漏性皮膚炎の原因は、皮膚に常在するマラセチア菌というカビの一種が関与していると考えられています。皮脂を栄養源とするこの菌が増殖し、皮膚に炎症を引き起こすとされています。
生活習慣の乱れ、ストレス、睡眠不足、脂質の多い食事、ビタミンB群の不足なども発症や悪化に関係しているといわれています。
脂漏性皮膚炎は再発しやすい疾患であり、一度治ったと思っても薬をやめると再び症状が現れることがあります。継続的な治療とスキンケアが必要です。
その他の原因
ニキビの炎症が広範囲に及ぶ場合や、ニキビ跡の赤みが残っている場合も赤ら顔の原因となります。また、アトピー性皮膚炎に伴う赤み、接触皮膚炎(かぶれ)による赤み、ステロイド外用薬の長期使用による酒さ様皮膚炎なども赤ら顔を引き起こす要因です。
特にステロイド外用薬の長期使用は、皮膚が薄くなり毛細血管が目立つようになる原因となります。自己判断でステロイドを長期間使用することは避け、必ず医師の指示に従って使用することが大切です。
赤ら顔治療で保険が適用される条件
赤ら顔の治療には、健康保険が適用されるものと適用されないもの(自由診療)があります。治療を検討する際には、まずどのような条件で保険適用となるかを理解しておくことが重要です。
保険適用となる疾患
赤ら顔に関連する疾患のうち、以下の疾患については保険適用で治療を受けることができます。
毛細血管拡張症は、医師によって「原因不明の原発性毛細血管拡張症」と診断された場合、色素レーザー(Vビーム)による治療が保険適用となります。頬や鼻周りなどに線状の血管が透けて見えている状態が典型的です。
単純性血管腫は、いわゆる「赤あざ」と呼ばれる良性の腫瘍で、生まれつき存在することが多い疾患です。Vビームレーザーによる治療が保険適用となります。
乳児血管腫(いちご状血管腫)は、生後数週以内に現れる赤いあざで、こちらもVビームレーザー治療が保険適用です。
酒さについては、外用薬のロゼックスゲル(メトロニダゾール)が2022年5月より保険適用となりました。レーザー治療については、酒さに伴う毛細血管拡張がある場合は保険適用となる可能性がありますが、酒さ単独では自由診療となることが多いです。
保険適用外となる疾患
以下の症状や目的でVビームレーザー治療を受ける場合は、保険適用外(自由診療)となります。
老人性血管腫、ニキビ跡の赤み、傷跡の赤み、ステロイド長期使用による毛細血管拡張、シミやくすみの改善、肌のハリやツヤの改善、小じわの改善などは保険適用外です。
酒さに伴う赤ら顔でも、Vビームレーザー治療は基本的に自由診療となる傾向があります。ただし、毛細血管拡張症と診断される場合は保険適用となることもあるため、医師の診断が必要です。
保険適用の判断は医師の診断による
自分の症状が保険適用になるかどうかは、医師の診断結果に基づきます。同じような症状に見えても、原因や状態によって保険適用の可否が異なることがあります。
保険適用で治療を受けたい場合は、まず皮膚科専門医の診察を受け、正確な診断を受けることが重要です。保険適用かどうか確認したい場合は、遠慮なく医師に相談しましょう。
保険適用される代表的な治療法
ここでは、赤ら顔治療で保険が適用される代表的な治療法について詳しく解説します。
Vビームレーザー治療
Vビームは、赤ら顔や血管腫の治療に広く使用されている色素レーザーです。595nm(ナノメートル)という波長のレーザー光を照射し、血液中のヘモグロビン(赤い色素)に選択的に吸収されることで効果を発揮します。
ヘモグロビンがレーザーの光エネルギーを吸収すると熱に変換され、血管の内壁が破壊されて血管が閉塞します。これにより、拡張した毛細血管が収縮・消失し、赤みが改善されます。
正常な組織にはレーザー光がほとんど吸収されないため、周囲の皮膚へのダメージが少なく、安全性の高い治療とされています。また、最新のVビーム機器には冷却機能が搭載されており、照射直前に表皮を冷却することで痛みや皮膚へのダメージを最小限に抑えることができます。
保険適用でVビーム治療を受けられる疾患は、毛細血管拡張症、単純性血管腫、乳児血管腫(いちご状血管腫)の3つです。
治療の流れ
まず医師による診察を受け、症状の確認と診断を行います。保険適用の対象かどうかを判断し、治療内容やリスクについて説明を受けます。
治療当日は、メイクや肌の汚れを落とした後、必要に応じて局所麻酔を行い、レーザーを照射します。照射時間は範囲によりますが、5〜10分程度で終了することがほとんどです。
治療間隔と回数
保険適用でVビーム治療を受ける場合、3か月に1回の照射間隔を守る必要があります。前回の施術から3か月経過していない場合は、保険適用での治療を受けることができません。
治療回数は症状や経過によって異なりますが、一般的に3〜5回程度の照射で効果を実感できることが多いです。症状によっては5回以上の照射が必要となる場合もあります。
自由診療の場合は、1か月程度の間隔で治療を受けることができるため、より短期間で治療を終えたい方は自由診療を選択することも可能です。
ダウンタイムと副作用
治療後は、一時的に赤みや腫れ、ヒリヒリした痛みが生じることがありますが、数時間から数日で落ち着きます。
紫斑(内出血のような跡)が現れることがありますが、通常1〜2週間程度で消退します。まれに水疱やかさぶたができることもありますが、これも2週間程度で治まります。
治療後は紫外線対策が重要です。日焼けをすると色素沈着を起こしやすくなるため、日焼け止めを塗るなどの対策を心がけてください。
保険適用のVビーム治療費用
Vビーム治療の保険適用料金は国で定められており、クリニックによって料金が変わることはありません。機器の種類(Vビーム2、VビームPrimaなど)によって料金が変わることもありません。
令和6年度の診療報酬改定により、色素レーザー照射療法の点数は2,712点となりました。
保険適用(3割負担)の場合の目安は以下のとおりです。
照射面積10㎠以下の場合、約6,500〜8,500円程度です。これに10㎠ごとに約1,500円が加算されていきます。
保険適用で治療可能な最大面積は180㎠で、3割負担の場合は約33,000〜34,000円が上限となります。
ただし、毛細血管拡張症の多くは180㎠を超えることはほとんどありません。
酒さに対する外用薬治療(ロゼックスゲル)
2022年5月より、酒さに対する外用薬「ロゼックスゲル(メトロニダゾール)」が保険適用となりました。これは世界80か国以上で酒さの標準治療薬として使用されており、日本でも待望の保険適用となりました。
ロゼックスゲルの有効成分であるメトロニダゾールは、抗炎症作用と免疫抑制作用を持ち、酒さの原因の一つとされるニキビダニ(毛包虫)やニキビ菌、表皮ブドウ球菌などを殺菌する効果があります。
毒性や副作用が少なく、酒さの赤みやブツブツを改善する効果が期待できます。また、再発防止のための維持治療にも有効とされています。
使用量の目安は全顔で1回0.5g(人差し指の第一関節分)で、1日2回全顔に使用した場合は約2週間で1本を使用します。
副作用としては、接触皮膚炎、乾燥、かゆみ、皮膚のつっぱり感、皮脂欠乏症などが報告されています。妊娠中・授乳中の方は使用できないため、該当する方は医師に相談してください。
その他の保険適用治療
脂漏性皮膚炎の治療では、ステロイド外用薬と抗真菌外用薬が保険適用で使用されます。
ステロイド外用薬は炎症を抑える効果があり、症状に合わせて強さを調整します。抗真菌外用薬(ケトコナゾールなど)はマラセチア菌の増殖を抑え、長期使用でも副作用が少ないのが特徴です。
酒さの治療では、炎症が強い場合にテトラサイクリン系の抗菌薬(ミノマイシン、ビブラマイシンなど)の内服が保険適用で行われることがあります。
自由診療で行われる治療法
保険適用外の赤ら顔治療として、以下のような自由診療の選択肢があります。
IPL(光治療)
IPL(Intense Pulsed Light)は、幅広い波長の光を照射することで、赤ら顔だけでなく、くすみ、シミ、毛穴の開きなど複合的な肌悩みに対応できる治療です。
フォトフェイシャルなどの名称で知られ、毛細血管のヘモグロビンに穏やかに反応して血管を収縮させ、赤みを改善します。Vビームレーザーと比べてダウンタイムが少ないのが特徴ですが、効果は穏やかなため、複数回の施術が必要です。
ロングパルスヤグレーザー
ジェントルマックスプロなどのロングパルスヤグレーザーは、Vビームよりも皮膚の深い部分にある血管にアプローチできます。Vビームでは届かない深部の血管に対して効果が期待でき、ダウンタイムも比較的少ないのが特徴です。
1クール5回程度(3週間ごと)の治療が一般的で、赤みの改善だけでなく、肌全体のハリやツヤの改善効果も期待できます。
イベルメクチンクリーム
酒さの治療に使用される外用薬で、ニキビダニを減らして炎症を抑える効果があります。ロゼックスゲルよりも赤いブツブツに対する効果が高いとされており、早ければ2週間程度で改善が見られることもあります。
日本では保険適用外のため自費診療となりますが、ロゼックスゲルで効果が不十分な場合に検討されることがあります。
アゼライン酸外用
アゼライン酸は、皮脂分泌の抑制や抗炎症作用があり、酒さやニキビの赤みに効果があるとされています。日本では保険適用外ですが、海外では酒さの標準治療薬として広く使用されています。
ポテンツァ
ポテンツァは、微細な針を皮膚に刺入し、針先から高周波(RF)を照射する治療です。真皮層に直接熱エネルギーを与え、コラーゲンやエラスチンの生成を促します。酒さや赤ら顔の改善に効果が期待できますが、自由診療となります。
赤ら顔を悪化させないためのセルフケア
医療機関での治療と並行して、日常生活でのセルフケアも赤ら顔の改善には重要です。適切なスキンケアや生活習慣の見直しによって、症状の悪化を防ぎ、治療効果を高めることができます。
正しい洗顔方法
赤ら顔の方は肌が敏感になっていることが多いため、洗顔時には注意が必要です。
洗顔料は敏感肌用の低刺激性のものを選び、よく泡立ててから使用します。泡をクッションにして優しく洗い、肌をこすらないようにしましょう。
洗顔時の水温は32〜36℃程度のぬるま湯が適切です。熱湯を使うと皮脂を落としすぎてしまい、肌のバリア機能が低下します。
洗い残しがないようにしっかりすすぎ、清潔なタオルで軽く押し当てて水気を取ります。ゴシゴシと擦らないように注意してください。
保湿ケア
肌の乾燥は赤ら顔を悪化させる原因となります。洗顔後はすぐに化粧水、乳液、保湿クリームなどで十分に保湿しましょう。
保湿成分としては、ヒアルロン酸、セラミド、ナイアシンアミドなどが配合されたものがおすすめです。スキンケア用品は刺激となることがあるため、低刺激性のタイプを選びましょう。
紫外線対策
紫外線は毛細血管拡張症や酒さを悪化させる大きな要因です。外出時には日焼け止めを塗り、帽子や日傘を活用して紫外線から肌を守りましょう。
日焼け止めは低刺激性のものを選び、適切なSPF値・PA値のものを使用します。こまめに塗り直すことも大切です。
生活習慣の見直し
赤ら顔の悪化を防ぐためには、生活習慣の見直しも重要です。
アルコールや香辛料などの刺激物は血管を拡張させるため、摂取を控えめにしましょう。熱い飲食物も症状を悪化させる可能性があります。
急激な温度変化は避け、寒暖差の激しい環境には注意が必要です。冬場は暖房で室内が暖かくなりますが、外気との温度差が大きいと血管の拡張・収縮が繰り返され、症状が悪化することがあります。
ストレスや睡眠不足は赤ら顔を悪化させる要因です。十分な睡眠を確保し、ストレスを溜めない生活を心がけましょう。
バランスの良い食事も大切です。ビタミンB2やB6が不足すると脂漏性皮膚炎が悪化しやすくなるため、これらの栄養素を含む食品を意識して摂取しましょう。
セルフケアで改善しない場合は医療機関へ
セルフケアには赤みを治す即効性はありません。生活習慣やスキンケアの見直しによって症状が改善することもありますが、毛細血管拡張症や酒さなどの疾患が原因の場合は、セルフケアだけでは限界があります。
症状が続く場合や悪化している場合は、自己判断でのケアを避け、早めに皮膚科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。
治療を受ける際の注意点
赤ら顔治療を受ける際には、以下の点に注意してください。
治療を受けられない場合がある
以下に該当する方は、Vビームレーザー治療を受けられない場合があります。
- 日焼けをしている方、すぐに日焼けをする予定がある方
- 妊娠している方、妊娠の可能性がある方
- 皮膚に強い炎症や湿疹が起きている方
- てんかん発作の既往がある方(レーザーの光が発作の誘因になる可能性があるため)
- 光線過敏症の方
治療前には必ず医師に現在の健康状態や服用中の薬などを伝え、治療の可否を確認してください。
複数回の治療が必要
赤ら顔治療は、1回の施術で劇的な効果を実感することは難しく、通常は複数回の治療が必要です。保険適用のVビーム治療の場合、3か月に1回の間隔で3〜5回程度の照射が目安となります。
症状の程度や原因によって必要な回数は異なるため、医師と相談しながら治療計画を立てましょう。
再発の可能性
赤ら顔の原因となる毛細血管拡張症や酒さは、慢性的な疾患であり、完治が難しいケースも少なくありません。治療によって症状が改善しても、環境因子や生活習慣によって再発する可能性があります。
治療が終了した後も、日常的なスキンケアや紫外線対策、生活習慣の改善を継続することが大切です。
保険適用と自由診療の選択
同じVビーム治療でも、保険適用と自由診療では治療間隔や費用が異なります。
保険適用の場合は3か月に1回の間隔ですが、費用を抑えることができます。自由診療の場合は2週間〜1か月程度の間隔で治療でき、より短期間で治療を終えることができますが、全額自己負担となります。
ご自身の症状、予算、治療への希望などを考慮して、最適な治療方法を医師と相談して決めましょう。
大宮で赤ら顔治療を受けるなら
大宮エリアには、赤ら顔治療に対応している皮膚科・美容皮膚科が多数あります。治療を検討される際には、以下のポイントを参考にしてください。
専門医がいるクリニックを選ぶ
赤ら顔は、毛細血管拡張症、酒さ、脂漏性皮膚炎など、さまざまな原因で起こります。正確な診断を受けるためには、専門医が在籍しているクリニックを選ぶことが重要です。
日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医は、5年以上の診療経験や研究実績などの条件をクリアし、認定試験に合格した医師です。専門的な知識と経験に基づいた的確な診断と治療を受けることができます。
保険診療と自由診療の両方に対応しているか確認する
赤ら顔の原因によって、保険適用となる治療法が異なります。保険診療と自由診療の両方に対応しているクリニックであれば、症状に合わせた最適な治療を提案してもらえます。
また、保険診療の範囲では扱えない問題についても、自由診療の選択肢を提示してもらえるため、より幅広い治療が可能です。
複数の治療法を組み合わせられるか
赤ら顔の改善には、レーザー治療だけでなく、外用薬や内服薬、スキンケア指導などを組み合わせた総合的なアプローチが効果的なことがあります。
複数の治療法を提供しているクリニックであれば、一人ひとりの症状に合わせた治療計画を立てることができます。
まずは相談から
赤ら顔の症状が気になる方は、まずは皮膚科を受診して相談することをおすすめします。医師による診察を受けることで、自分の症状の原因が明らかになり、保険適用の可否や最適な治療法がわかります。
多くのクリニックでは、カウンセリングや初診相談を行っていますので、気軽に相談してみてください。

まとめ
赤ら顔は、毛細血管拡張症、酒さ、脂漏性皮膚炎などさまざまな原因によって引き起こされます。原因によって適切な治療法が異なるため、まずは専門医による正確な診断を受けることが大切です。
医師によって毛細血管拡張症、単純性血管腫、乳児血管腫と診断された場合は、Vビームレーザー治療が保険適用となります。酒さの場合は、外用薬のロゼックスゲルが保険適用で処方可能です。
保険適用のVビーム治療は3か月に1回の間隔で受けることができ、3割負担の場合は照射面積に応じて約6,500円〜33,000円程度の費用がかかります。
治療と並行して、正しいスキンケアや紫外線対策、生活習慣の見直しなどのセルフケアを行うことで、治療効果を高め、再発を防ぐことができます。
赤ら顔は体質だからと諦めずに、適切な治療を受けることで症状の改善が期待できます。大宮エリアで赤ら顔にお悩みの方は、ぜひ一度専門医にご相談ください。
参考文献
- 厚生労働省「令和6年度診療報酬改定の概要」 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00045.html
- 日本皮膚科学会「尋常性ざ瘡・酒さ治療ガイドライン2023年」日皮会誌: 133(3), 407-450, 2023
- マルホ株式会社「脂漏性皮膚炎とはどんな病気?」 https://www.maruho.co.jp/kanja/shirouseihifuen/about.html
- 持田ヘルスケア株式会社「酒さ(しゅさ)とは?赤ら顔の症状や原因、治療方法について」 https://hc.mochida.co.jp/skincare/atopic/atopic23.html
- 池田模範堂「脂漏性皮膚炎 原因・症状・治療法|肌トラブル情報館」 https://www.ikedamohando.co.jp/study/skin-trouble-info/seborrheic-dermatitis.html
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務