さいたま新都心エリアは、2000年の街びらき以降、埼玉県を代表する都市拠点として発展を続けています。JRさいたま新都心駅を中心に、さいたまスーパーアリーナやコクーンシティなどの大型商業施設が立ち並び、若いビジネスパーソンやファミリー層が多く暮らす街となりました。大宮駅からわずか1駅という好立地もあり、通勤・通学で忙しい毎日を過ごす方も多いのではないでしょうか。
そんな現代社会において、ニキビは年齢や性別を問わず多くの方を悩ませる肌トラブルのひとつです。「たかがニキビ」と思われがちですが、医学的には「尋常性ざ瘡(じんじょうせいざそう)」という立派な皮膚疾患であり、日本では約90%もの方が一度は経験するといわれています。
ニキビを放置したり、自己流のケアで対処したりすると、炎症が悪化してニキビ跡(クレーター)として残ってしまうことも少なくありません。特に忙しい毎日を送るさいたま新都心・大宮エリアにお住まいの方は、なかなか皮膚科を受診する時間が取れないという声も聞かれます。
本記事では、ニキビの原因から種類、最新の治療法、そして日常生活でできる予防策まで、皮膚科専門医の知見に基づいて詳しく解説いたします。ニキビでお悩みの方が正しい知識を身につけ、適切な治療への第一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。
目次
- ニキビとは?医学的な定義と発症メカニズム
- ニキビの種類と進行段階
- 思春期ニキビと大人ニキビの違い
- ニキビができやすい部位とその原因
- ニキビ治療の基本|保険診療でできること
- ニキビ跡の種類と治療法
- ニキビを予防するためのセルフケア
- 皮膚科を受診すべきタイミング
- さいたま新都心・大宮エリアの方へ
- まとめ
1. ニキビとは?医学的な定義と発症メカニズム
ニキビは「皮膚の病気」です
ニキビは正式には「尋常性ざ瘡」と呼ばれる皮膚疾患です。「青春のシンボル」などと呼ばれることもありますが、単なる成長過程の一時的な現象ではなく、適切な治療が必要な病気として認識されています。
日本皮膚科学会が策定した「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」では、ニキビ治療の標準的な方法が科学的根拠に基づいて示されており、保険診療で使用できる治療薬も近年大きく進歩しています。
ニキビが発症する3つの主要因
ニキビができるメカニズムには、主に以下の3つの要因が関係しています。
第一に「毛穴の詰まり」です。肌のターンオーバー(新陳代謝)の乱れや外部刺激によって角質が厚くなると、毛穴の出口が塞がれてしまいます。この状態を「面皰(めんぽう)」または「コメド」と呼び、ニキビの始まりとなります。
第二に「皮脂の過剰分泌」があります。ホルモンバランスの乱れやストレス、食生活の偏りなどによって皮脂腺の働きが活発になると、毛穴に皮脂が溜まりやすくなります。特に思春期は成長ホルモンの影響で皮脂分泌が増加するため、ニキビができやすい時期といえます。
第三に「アクネ菌の増殖」です。毛穴に溜まった皮脂を栄養源として、アクネ菌(プロピオニバクテリウム・アクネス)が増殖します。アクネ菌は皮膚の常在菌ですが、過剰に増えると炎症を引き起こし、赤く腫れたニキビへと進行していきます。
ニキビが治りにくくなる悪循環
ニキビは一度悪化すると、炎症が周囲の組織にも影響を及ぼし、さらにニキビができやすい環境を作り出してしまいます。この悪循環を断ち切るためには、早期からの適切な治療が重要です。
また、ニキビを潰したり触ったりすることで細菌が入り込み、炎症が悪化するケースも多く見られます。自己処理は避け、皮膚科での適切な治療を受けることが、ニキビ跡を残さずきれいに治すための近道といえるでしょう。
2. ニキビの種類と進行段階
ニキビは進行段階によって見た目や症状が変化していきます。それぞれの段階を理解することで、自分のニキビがどの状態にあるのかを把握し、適切な対処につなげることができます。
白ニキビ(閉鎖面皰)
ニキビの初期段階です。毛穴の出口が塞がり、皮脂が毛穴の中に溜まった状態で、皮膚の表面に小さな白いポツポツとして現れます。炎症はまだ起きておらず、痛みやかゆみもほとんどありません。
この段階で適切なケアを行えば、炎症を起こすことなく改善できる可能性が高いです。しかし、見た目が目立たないため放置されがちで、気づかないうちに次の段階へ進行してしまうことも少なくありません。
黒ニキビ(開放面皰)
白ニキビの毛穴が開き、溜まった皮脂が空気に触れて酸化することで黒く見える状態です。メラニン色素の影響もあり、小さなホクロやシミのように見えることがあります。
この段階でもまだ炎症は起きていませんが、毛穴が開いた状態のため、細菌が入り込みやすくなっています。不潔な手で触ったり、無理に押し出そうとしたりすると、炎症を引き起こす原因となります。
赤ニキビ(炎症性皮疹)
毛穴の中でアクネ菌が増殖し、炎症を起こした状態です。皮膚が赤く腫れ、痛みやかゆみを伴うこともあります。この段階になると、免疫反応によって炎症がさらに進行しやすくなります。
赤ニキビは見た目にも目立ちやすく、多くの方がこの段階で初めて「ニキビができた」と認識します。しかし、実際にはすでに炎症が進んでいる状態であり、ニキビ跡を残さないためには早急な治療が必要です。
黄ニキビ(膿疱)
赤ニキビがさらに悪化し、毛穴の中に膿が溜まった状態です。皮膚の表面に黄色や白っぽい膿が透けて見え、触れると痛みを感じます。
この段階まで進行すると、真皮層にまでダメージが及んでいる可能性が高く、治った後もニキビ跡として残りやすくなります。絶対に自分で潰さず、皮膚科で適切な処置を受けることが重要です。
紫ニキビ・しこりニキビ
炎症がさらに深部に及び、皮膚の下に血液や膿が溜まった状態です。触ると固いしこりのように感じられ、治癒に時間がかかります。ケロイドや肥厚性瘢痕といったニキビ跡になりやすい傾向があります。
3. 思春期ニキビと大人ニキビの違い
「思春期ニキビ」と「大人ニキビ」は、どちらも尋常性ざ瘡という同じ皮膚疾患ですが、発症する原因や部位、ケアの方法に違いがあります。それぞれの特徴を理解して、適切な対処を行いましょう。
思春期ニキビの特徴
思春期ニキビは、一般的に10代(小学校高学年から高校生頃)に多く見られます。主な原因は、成長期におけるホルモンバランスの変化です。
第二次性徴期には成長ホルモンや性ホルモンの分泌が急激に増加し、それに伴って皮脂腺の働きが活発になります。過剰に分泌された皮脂が毛穴に詰まりやすくなることで、ニキビが発生します。女性でも男性ホルモンは分泌されるため、思春期のニキビは男女を問わず起こります。
思春期ニキビができやすい部位は、皮脂腺が多いTゾーン(額から鼻にかけて)や頬骨のあたりです。額に広範囲にわたってニキビができることも特徴のひとつです。
20歳前後になるとホルモンバランスが安定し、皮脂分泌が落ち着いてくるため、自然と治まっていくことが多いです。ただし、適切なケアを行わないと炎症が長引き、ニキビ跡として残ってしまうこともあります。
大人ニキビの特徴
大人ニキビは、20歳以降にできるニキビを指します。思春期ニキビとは異なり、皮脂の過剰分泌だけでなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。
大人ニキビの主な原因としては、ストレスによるホルモンバランスの乱れ、睡眠不足や不規則な生活習慣、偏った食生活、乾燥による肌のバリア機能の低下、不適切なスキンケアやメイク、女性の場合は生理周期によるホルモン変動などが挙げられます。
大人ニキビができやすい部位は、頬やあご、口周りなどのUゾーンや、首、デコルテなどです。皮脂腺が少なく乾燥しやすい部位にもできるのが特徴で、これは肌の乾燥によって角質が厚くなり、毛穴が詰まりやすくなるためです。
大人ニキビは思春期ニキビと比べて治りにくく、同じ場所に繰り返しできやすいという特徴があります。根本的な改善のためには、スキンケアだけでなく、生活習慣全体の見直しが必要になることも多いです。
ケア方法の違い
思春期ニキビの場合は、余分な皮脂や汚れを取り除いて肌を清潔に保つことが基本です。ニキビケア専用の洗顔料を使い、優しく洗顔することで、毛穴の詰まりを防ぎましょう。ただし、皮脂を取りすぎると肌が乾燥して逆効果になることもあるため、洗顔後の保湿も忘れずに行います。
大人ニキビの場合は、清潔を保つことに加えて、しっかりとした保湿ケアが重要です。肌の乾燥を防いでバリア機能を維持することで、毛穴の詰まりを予防できます。また、ストレス管理や十分な睡眠、バランスの良い食事など、生活習慣の改善も欠かせません。
4. ニキビができやすい部位とその原因
ニキビは体のさまざまな部位にできますが、部位によって原因が異なることがあります。それぞれの部位の特徴を理解して、効果的な予防と対策を行いましょう。
額・おでこ
額は皮脂腺が多く、ニキビができやすい部位のひとつです。特に思春期には、ホルモンの影響で額全体に大量のニキビができることがあります。
額のニキビの原因としては、前髪による刺激や蒸れ、シャンプーや洗顔料の洗い残し、スタイリング剤(ワックスやオイルなど)の付着などが挙げられます。前髪がある方は、ニキビがひどい時期は前髪をあげるなどの工夫が有効です。
頬
頬は顔の中でも比較的皮脂分泌が少ない部位ですが、大人になってからニキビができやすい場所です。主な原因は、ホルモンバランスの乱れや乾燥による肌のバリア機能の低下です。
また、枕やシーツなど寝具との接触、頬杖をつく癖、スマートフォンを頬に当てて通話するなどの外的要因も影響します。メイクが合わない場合や、クレンジング不足による汚れの残留もニキビの原因となります。
鼻・小鼻
鼻は皮脂腺が多く、毛穴が深いため皮脂が溜まりやすい部位です。黒ニキビ(毛穴の黒ずみ)ができやすいのも特徴です。
手で触れたり、紫外線を浴びたりすると症状が悪化しやすいので注意が必要です。また、花粉症の時期は鼻をかむ回数が増え、必要な皮脂まで拭き取ってしまうことでニキビができやすくなることがあります。
あご・口周り
あごや口周りは、大人ニキビが特にできやすい部位です。ホルモンバランスの影響を受けやすく、女性の場合は生理前に悪化することが多いです。
この部位のニキビは、ストレスや睡眠不足、疲労の蓄積とも関連があるといわれています。また、マスクの着用による蒸れや摩擦も、近年増加しているニキビの原因のひとつです。
フェイスライン
フェイスライン(頬からあごにかけてのライン)は、大人ニキビの好発部位です。乾燥しやすく、かつマスクや髪の毛による刺激を受けやすい場所でもあります。
男性の場合は、髭剃りによる刺激がニキビの原因になることもあります。シェービング後は保湿をしっかり行いましょう。
背中
背中は顔と同様に皮脂腺が多く、ニキビができやすい部位です。自分では見えにくいため、気づいたときには症状が進行していることも少なくありません。
背中ニキビの原因としては、シャンプーやコンディショナーの洗い残し、汗による蒸れ、衣類の摩擦、不規則な生活習慣などが挙げられます。体を洗う順番を工夫し、シャンプー後に体を洗うようにすると、洗い残しを防ぐことができます。
なお、背中にできるブツブツの中には、アクネ菌ではなく「マラセチア菌」というカビの一種が原因の「マラセチア毛包炎」もあります。ニキビと似ていますが治療法が異なるため、なかなか治らない場合は皮膚科で正確な診断を受けることが大切です。
5. ニキビ治療の基本|保険診療でできること
ニキビは皮膚科で保険診療を受けることができます。近年は治療薬も進歩しており、早期から適切な治療を行えば、ニキビ跡を残さずにきれいに治すことが可能です。
外用薬(塗り薬)による治療
ニキビ治療の基本は外用薬です。日本皮膚科学会のガイドラインでは、ニキビの症状に応じて以下のような外用薬が推奨されています。
「アダパレン」は、毛穴の詰まりを改善する効果があり、白ニキビや黒ニキビの段階から使用できます。皮膚の角化(角質が厚くなること)を調整し、新しいニキビの発生を予防する維持療法にも用いられます。使い始めは皮膚の乾燥やヒリヒリ感が出ることがありますが、徐々に慣れてくることが多いです。
「過酸化ベンゾイル(BPO)」は、殺菌作用と角質剥離作用を持つ薬剤です。アクネ菌を殺菌しながら毛穴の詰まりも改善できるため、炎症性のニキビにも効果があります。抗生物質とは異なり、耐性菌が発生しにくいという特徴があります。
「抗菌薬の外用剤」としては、クリンダマイシン、オゼノキサシン、ナジフロキサシンなどがあります。赤ニキビなど炎症を起こしているニキビに対して使用され、炎症を抑える効果があります。
また、「配合剤」として、アダパレンと過酸化ベンゾイルの配合剤、クリンダマイシンと過酸化ベンゾイルの配合剤なども保険適用となっています。複数の成分が同時に作用するため、単剤よりも高い治療効果が期待できます。
内服薬(飲み薬)による治療
炎症が強い場合や、外用薬だけでは改善が難しい場合には、内服薬が処方されることがあります。
「抗生物質の内服」は、中等症から重症のニキビに対して使用されます。ミノサイクリン、ドキシサイクリン、ロキシスロマイシンなどが処方されますが、長期使用による耐性菌の問題があるため、原則として3か月以内を目安に使用し、症状が落ち着いたら外用薬による維持療法に移行します。
「ビタミン剤」として、ビタミンB群やビタミンCが処方されることがあります。皮脂分泌のコントロールや肌の健康維持に役立ちます。
「漢方薬」は、ホルモンバランスを整えたり、体質改善を目的として処方されることがあります。荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などが代表的です。
治療の流れと期間
ニキビ治療は、「急性炎症期」と「維持期」の2段階に分けて考えます。
急性炎症期では、炎症を起こしているニキビを早く鎮静化することが目標です。外用薬を中心に、必要に応じて抗生物質の内服を併用します。この時期は2〜3か月程度を目安とします。
炎症が落ち着いた後は、維持療法に移行します。抗生物質の内服は中止し、アダパレンや過酸化ベンゾイルなどの外用薬を継続することで、新しいニキビの発生を予防します。
ニキビは慢性的な疾患であり、治療をやめるとまた悪化することが多いです。ニキビのできにくい肌を維持するためには、症状が良くなっても外用薬を続けることが重要です。研究によると、維持療法を続けることで約75%の方がニキビの再発を防げたというデータもあります。
6. ニキビ跡の種類と治療法
ニキビを放置したり、自己流のケアで悪化させたりすると、治った後もニキビ跡として残ってしまうことがあります。ニキビ跡にはいくつかの種類があり、それぞれ適切な治療法が異なります。
赤み(炎症後紅斑)
ニキビの炎症が治まった後も、赤みが残っている状態です。これは炎症によって毛細血管が拡張したままになっているためです。
比較的軽度のニキビ跡で、時間の経過とともに自然に薄くなることが多いです。ただし、完全に消えるまでには数か月から1年以上かかることもあります。日焼けによって悪化することがあるため、紫外線対策をしっかり行いましょう。
自然治癒を待てない場合は、IPL(光治療)やレーザー治療などで改善を早めることができます。
色素沈着(炎症後色素沈着)
ニキビの炎症によってメラノサイト(色素細胞)が刺激され、メラニン色素が沈着した状態です。茶色や褐色のシミのように見えます。
こちらも時間の経過とともに薄くなっていきますが、半年から1年程度かかることがあります。美白成分を含むスキンケア製品や、ビタミンC内服、ケミカルピーリングなどで改善を促すことができます。紫外線を浴びると悪化するため、日焼け止めの使用は必須です。
クレーター(陥凹性瘢痕)
ニキビの炎症が真皮層にまで及び、皮膚組織が破壊された結果、肌の表面に凹みができた状態です。医学的には「萎縮性瘢痕」と呼ばれます。
クレーターは、真皮層がターンオーバーによる再生を行わないため、自然治癒は期待できません。セルフケアで改善することも難しく、医療機関での治療が必要です。
クレーターは形状によって3つのタイプに分類されます。「アイスピック型」は、開口部は小さいが奥に深いタイプで、最も治療が難しいとされています。「ボックスカー型」は、水疱瘡の跡のような円形や楕円形で、辺縁がはっきりして垂直に凹んでいるタイプです。「ローリング型」は、なだらかで波打つような凹みが特徴で、比較的治療がしやすいタイプです。
クレーターの治療法としては、フラクショナルレーザー(皮膚に微細な穴を開けて再生を促す)、ダーマペン(極細の針で皮膚に穴を開け、コラーゲン生成を促す)、サブシジョン(凹みの下にある瘢痕組織を針で切り離す)、ケミカルピーリング、TCA CROSS(クロス法)、皮膚移植などがあります。
クレーターの状態によって適切な治療法が異なるため、皮膚科専門医に相談して、自分に合った治療を選択することが大切です。
ケロイド・肥厚性瘢痕
ニキビの炎症によって皮膚が赤く盛り上がった状態です。傷が治る過程でコラーゲンが過剰に生成されることで起こります。
ケロイドは体質的になりやすい方がおり、特にフェイスラインや背中、胸などにできやすいです。治療にはステロイドの局所注射やリザベンの内服などが行われます。
ニキビ跡を残さないために
ニキビ跡を残さないためには、とにかく早期治療が重要です。炎症を起こす前の白ニキビや黒ニキビの段階で治療を始めれば、ニキビ跡になるリスクを大幅に減らせます。
炎症を起こしてしまった場合でも、早く炎症を鎮静化することで、真皮層へのダメージを最小限に抑えることができます。ニキビを見つけたら、自己流のケアで悪化させる前に、皮膚科を受診しましょう。
7. ニキビを予防するためのセルフケア
ニキビの予防には、日々のスキンケアと生活習慣の見直しが欠かせません。皮膚科での治療と併せて、以下のセルフケアを実践することで、ニキビのできにくい肌を目指しましょう。
正しい洗顔方法
洗顔は1日2回(朝と夜)を基本とし、ぬるま湯で行います。熱いお湯は必要な皮脂まで洗い流してしまい、肌の乾燥を招きます。
洗顔料はしっかり泡立て、泡で優しく洗うようにします。ゴシゴシこすると肌を刺激してしまうため、泡を転がすようなイメージで洗いましょう。洗顔後は十分にすすぎ、洗顔料が残らないようにします。特に髪の生え際やフェイスラインは洗い残しが起きやすいので注意が必要です。
タオルで拭くときも、こすらずに押さえるように水分を取ります。清潔なタオルを使用することも大切です。
保湿ケア
「ニキビ肌だから保湿は不要」と思っている方もいるかもしれませんが、それは誤解です。肌が乾燥すると、それを補おうとして皮脂分泌が増えたり、角質が厚くなって毛穴が詰まりやすくなったりします。
洗顔後は化粧水で水分を補い、乳液やクリームで適度な油分を与えて水分の蒸発を防ぎましょう。ニキビ肌向けに開発されたノンコメドジェニック(毛穴を詰まらせにくい処方)の製品を選ぶのもおすすめです。
紫外線対策
紫外線はニキビを悪化させる要因のひとつです。また、ニキビ跡の色素沈着を悪化させる原因にもなります。
日焼け止めは年間を通じて使用しましょう。ニキビ肌の方は、油分の少ないサラッとしたタイプや、ノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶと良いでしょう。
食生活の見直し
バランスの良い食事は、肌の健康を維持するために欠かせません。特に以下の栄養素を意識して摂取しましょう。
ビタミンB群(B2、B6など)は、皮脂分泌をコントロールし、肌の新陳代謝を促す働きがあります。レバー、納豆、卵、緑黄色野菜などに多く含まれています。
ビタミンCは、抗酸化作用があり、コラーゲンの生成を助けます。柑橘類、キウイ、ブロッコリー、パプリカなどに豊富です。
ビタミンEは、血行を促進し、肌のターンオーバーを正常化する働きがあります。ナッツ類、アボカド、植物油などに含まれています。
一方、糖質や脂質の摂りすぎは皮脂分泌を増加させる原因になります。甘いものや脂っこい食事はほどほどにしましょう。「チョコレートがニキビの原因になる」という話がありますが、これはチョコレートに含まれる糖分の影響であり、カカオ自体が悪いわけではありません。
十分な睡眠
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、肌のターンオーバーを妨げます。できるだけ規則正しい睡眠を心がけ、1日6〜8時間程度の睡眠時間を確保しましょう。
成長ホルモンは睡眠中に分泌され、肌の修復を促します。夜更かしを避け、質の良い睡眠を取ることがニキビ予防につながります。
ストレス管理
ストレスは男性ホルモンの分泌を増加させ、皮脂の過剰分泌を引き起こします。また、自律神経のバランスを乱し、肌のターンオーバーにも悪影響を与えます。
完全にストレスをなくすことは難しいですが、適度な運動、趣味の時間、リラクゼーションなど、自分なりのストレス発散法を見つけておくことが大切です。
その他の注意点
ニキビには触らないことが基本です。手には多くの細菌がついており、触ることで炎症を悪化させたり、潰してニキビ跡の原因になったりします。
寝具(枕カバー、シーツなど)は定期的に洗濯し、清潔な状態を保ちましょう。直接顔に触れるものなので、雑菌の繁殖はニキビの悪化につながります。
髪の毛が顔に触れると刺激になることがあります。ニキビがひどい時期は、髪を顔にかからないようにまとめるなどの工夫も有効です。
8. 皮膚科を受診すべきタイミング
「ニキビくらいで皮膚科に行くのは大げさでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、ニキビは立派な皮膚疾患であり、早期に適切な治療を受けることで、重症化やニキビ跡を防ぐことができます。
こんな場合は早めに受診を
炎症を起こした赤ニキビや黄ニキビができている場合は、できるだけ早く受診しましょう。炎症が長引くほど、ニキビ跡が残るリスクが高まります。
市販薬を2週間以上使用しても改善しない場合も、皮膚科の受診をおすすめします。市販薬は効果が穏やかであり、中等症以上のニキビには処方薬が必要なことが多いです。
同じ場所に繰り返しニキビができる場合は、何らかの原因が解決されていない可能性があります。皮膚科で原因を特定し、適切な治療を受けましょう。
ニキビがなかなか治らないと感じる場合、それはニキビではなく「酒さ(しゅさ)」や「毛嚢炎」など別の皮膚疾患かもしれません。これらはニキビと見た目が似ていますが、治療法が異なります。自己判断でニキビ用の薬を使い続けると、かえって悪化することがあるため、正確な診断を受けることが大切です。
皮膚科選びのポイント
ニキビ治療を受ける際は、日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医が在籍するクリニックを選ぶと安心です。専門医はニキビの状態を正確に診断し、ガイドラインに基づいた標準的な治療を提供してくれます。
また、治療の継続性も重要です。ニキビは一度の受診で完治することは少なく、定期的な通院が必要になることが多いです。通いやすい立地のクリニックを選ぶことで、治療を続けやすくなります。
受診時に伝えると良いこと
皮膚科を受診する際は、以下のような情報を伝えると、より適切な治療を受けやすくなります。
ニキビがいつ頃からできているか、どの部位にできやすいか、これまでに試したケアや薬、女性の場合は生理周期との関係、生活習慣(睡眠時間、食生活、ストレスの有無など)、アレルギーの有無などを事前に整理しておくと良いでしょう。
9. さいたま新都心・大宮エリアの方へ
さいたま新都心は、2000年の街びらき以降、官公庁やオフィスビル、大型商業施設が集積する埼玉県の中心的な都市拠点として発展してきました。JR京浜東北線・宇都宮線・高崎線・湘南新宿ラインが乗り入れ、大宮駅からわずか1駅という好アクセスも魅力のエリアです。
駅周辺にはさいたまスーパーアリーナやけやきひろばがあり、コクーンシティには映画館やショッピングモールが入居しています。休日にはイベントやショッピングを楽しむ人々で賑わい、平日はビジネスパーソンが行き交う活気ある街並みが広がっています。
また、2018年にはさいたま新都心公園が開設され、芝生広場やバリアフリー設備を備えた憩いの場として、ファミリー層にも親しまれています。さいたま赤十字病院や埼玉県立小児医療センターといった医療機関も近隣に立地しており、医療へのアクセスも充実しています。
このように発展を続けるさいたま新都心・大宮エリアですが、多忙な日々を送る方が多いことも事実です。通勤・通学で忙しく、なかなか自分の肌の悩みに向き合う時間が取れないという方も少なくないでしょう。
しかし、ニキビは早期に治療を始めるほど、きれいに治る可能性が高まります。仕事や学校の帰りに気軽に立ち寄れるクリニックを見つけて、まずは一度相談してみることをおすすめします。
アイシークリニック大宮院は、大宮駅からアクセス良好な立地にあり、お仕事帰りやお買い物のついでにもご来院いただけます。ニキビでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。専門医が、お一人おひとりの症状に合わせた治療をご提案いたします。

10. まとめ
ニキビは「尋常性ざ瘡」という皮膚疾患であり、日本人の約90%が経験する身近な肌トラブルです。しかし、放置したり自己流のケアで対処したりすると、炎症が悪化してニキビ跡として残ってしまうことがあります。
ニキビの原因は「毛穴の詰まり」「皮脂の過剰分泌」「アクネ菌の増殖」の3つが主要因であり、思春期ニキビと大人ニキビではその背景が異なります。思春期ニキビはホルモンバランスの変化による皮脂分泌の増加が主な原因ですが、大人ニキビはストレスや睡眠不足、乾燥など、さまざまな要因が複雑に絡み合っています。
ニキビ治療は近年大きく進歩しており、保険診療でもアダパレンや過酸化ベンゾイルなど効果の高い外用薬を使用できます。早期から適切な治療を行い、炎症が落ち着いた後も維持療法を続けることで、ニキビのできにくい肌を維持することが可能です。
また、日常生活においても、正しい洗顔と保湿、バランスの良い食事、十分な睡眠、ストレス管理などを心がけることが、ニキビ予防につながります。
ニキビでお悩みの方は、「たかがニキビ」と放置せず、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。専門医による正確な診断と適切な治療を受けることで、ニキビ跡を残さずにきれいな肌を取り戻すことができます。
さいたま新都心・大宮エリアにお住まいの方で、ニキビにお困りの方は、ぜひアイシークリニック大宮院にご相談ください。お一人おひとりの症状やライフスタイルに合わせた治療プランをご提案し、美しい肌づくりをサポートいたします。
参考文献
- 尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023 – Mindsガイドラインライブラリ
- ニキビの原因と種類|ニキビ一緒に治そうProject|製薬会社のマルホ
- にきび Q&A – 公益社団法人日本皮膚科学会
- 令和時代のニキビ治療 – AMR臨床リファレンスセンター(厚生労働省委託事業)
- さいたま新都心 – Wikipedia
- さいたま新都心ってどんなところ? – さいたま市
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務