「ミラドライの費用はどのくらいかかるの?」「クリニックによって料金が違うのはなぜ?」「保険は適用されるの?」ワキガや多汗症の治療としてミラドライを検討されている方の多くが、こうした費用に関する疑問を抱えていらっしゃいます。ミラドライは、皮膚を切らずにマイクロ波で汗腺を破壊する画期的な治療法であり、厚生労働省からも承認を受けた安全性の高い医療機器です。しかし、保険適用外の自由診療であるため、クリニックごとに費用設定が異なり、どこで治療を受けるべきか迷われる方も少なくありません。本記事では、ミラドライの費用相場から料金に差が生じる理由、医療費控除の活用方法、そしてクリニック選びのポイントまで、費用に関するすべての疑問にお答えします。ミラドライ治療を検討されている方が、納得のいく選択ができるよう、詳しく解説してまいります。
目次
- ミラドライとは?治療の仕組みと特徴
- ミラドライの費用相場と内訳
- クリニックによって費用が異なる理由
- ミラドライは保険適用される?他の治療法との比較
- 医療費控除でミラドライ費用を節約する方法
- 費用だけで選んではいけない理由
- ミラドライのクリニック選びで確認すべきポイント
- ミラドライの副作用とダウンタイム
- よくある質問
- まとめ
ミラドライとは?治療の仕組みと特徴
ミラドライの基本的な仕組み
ミラドライは、2006年にアメリカのMiramar Labs社が開発し、2010年に日本に導入されたワキガ・多汗症治療機器です。電子レンジと同じ原理であるマイクロ波を利用して、ワキの汗腺を破壊する革新的な治療法として注目されています。2018年6月には、日本の厚生労働省から「マイクロ波による腋窩多汗症治療機器」として正式に薬事承認を取得しました。また、アメリカのFDAからも腋窩多汗症、腋臭症、減毛の適応で承認を受けており、世界40か国以上で累計20万症例以上の実績があります。
マイクロ波には「水分に吸収されると熱を発生する」という性質があります。ワキガの原因となるアポクリン汗腺と多汗症の原因となるエクリン汗腺は、皮下2から3ミリメートルの層に集中しており、水分を多く含んでいます。ミラドライはこの汗腺に向けてマイクロ波を照射し、約60から70度の熱を加えることで汗腺を焼灼・凝固させます。皮下脂肪層はマイクロ波に対して抵抗を持つため、熱エネルギーは汗腺が存在する層に集中し、それより深い組織へのダメージを防ぎます。
ミラドライの冷却システム
ミラドライには「ハイドロセラミック・クーリング」という特殊な冷却システムが搭載されています。マイクロ波の照射中にこの冷却システムが作動し、表皮から真皮にかけての浅い層を冷却して熱から保護します。これにより、皮膚表面に重度の火傷が生じることを防ぎながら、汗腺が存在する深部では効果的に熱破壊を行うことができます。この二重の安全設計により、身体への負担を最小限に抑えつつ高い治療効果を実現しています。
ミラドライの主な特徴とメリット
ミラドライの最大の特徴は、皮膚を切らずに治療できることです。従来のワキガ手術(剪除法)では皮膚を切開して汗腺を直接取り除くため、傷跡が残るリスクや術後の固定・安静期間が必要でした。一方、ミラドライは非侵襲的な治療であるため、傷跡が残らず、ダウンタイムも短いのが大きなメリットです。また、一度破壊された汗腺は再生しないため、1回の治療で半永久的な効果が期待できます。施術時間は両ワキで約1時間から1時間半程度であり、基本的に翌日から日常生活に戻ることが可能です。ボトックス注射のように効果が一時的ではなく、繰り返し治療する必要がない点も、長期的に見るとコストパフォーマンスに優れているといえます。
ミラドライの費用相場と内訳
全国的な費用相場
ミラドライは保険適用外の自由診療であるため、費用はクリニックによって大きく異なります。一般的な費用相場は、地域やクリニックの施術内容によって15万円から45万円程度と幅広く設定されています。東京都内のクリニックでは、17万円から45万円程度が相場となっており、大阪では15万円から40万円程度となっています。この価格差は、単なる地域差だけでなく、施術内容や使用する機器、施術者の資格などによって生じています。
費用の内訳
ミラドライの施術費用には、一般的に以下の項目が含まれます。まず、施術費用として基本的な照射に関わる費用があります。次に、使い捨てチップ代としてミラドライの施術に使用するコンピューター制御された使い捨てのチップや、マーキング用の転写シートなどの消耗品費用が含まれます。また、麻酔代として施術時に使用する局所麻酔の費用、初診料・カウンセリング料として事前の診察や相談の費用が挙げられます。さらに、薬代として術後に処方される痛み止めや抗生剤の費用、アフターケア代として術後の経過観察や再診の費用が含まれることがあります。クリニックによっては、これらすべてを含んだ総額表示をしているところもあれば、基本料金に追加オプションとして別途費用がかかるところもあります。ホームページに表示されている価格が最低限の金額である場合もあるため、事前にトータルでいくらかかるのかを確認することが重要です。
2回目以降の費用
ミラドライは基本的に1回の施術で十分な効果が得られますが、重度のワキガや多汗症の方、または1回目の施術で満足な結果が得られなかった方は、2回目の施術を検討することがあります。2回目の施術費用は、多くのクリニックで1回目よりも割引価格が設定されています。保証制度を設けているクリニックでは、一定期間内であれば2回目の施術を割引価格または無料で受けられる場合もあります。クリニック選びの際には、こうした保証制度の有無も確認しておくと安心です。
クリニックによって費用が異なる理由
照射範囲の違い
ミラドライの費用が異なる大きな理由のひとつが、照射範囲の違いです。ミラドライの施術では、テンプレートと呼ばれる照射範囲を決めるシートを使用します。テンプレートの大きさは横幅60から80ミリメートル、縦幅100から140ミリメートルのものが一般的に使用されています。「広範囲照射」を謳っているクリニックでも、実際に使用するテンプレートのサイズはクリニックによって異なります。横幅60ミリメートルのテンプレートでも「広範囲」と表記しているクリニックがある一方で、横幅80ミリメートルを標準としているクリニックもあります。照射範囲が狭いと、ワキの中心部は治療できても辺縁部に打ち漏れが生じ、汗やニオイが残ってしまう可能性があります。価格が安いクリニックでは、狭い範囲での照射になっているケースがあるため注意が必要です。
照射回数の違い(シングル照射とダブル照射)
照射回数も費用に影響する重要な要素です。同じ部位に1回だけ照射する「シングル照射」と、2回照射する「ダブル照射」があります。ダブル照射は、同じ範囲に重ねて照射することで、より多くの汗腺を破壊することができ、高い効果が期待できます。シングル照射の施術時間は約1時間程度ですが、ダブル照射では2.5時間から3時間ほどかかります。当然、ダブル照射のほうが施術時間が長く、消耗品の使用量も増えるため、費用も高くなる傾向があります。価格が安いクリニックでは、シングル照射のみの場合や、照射出力が抑えられている場合があります。
施術者の違い(医師と看護師)
誰が施術を行うかによっても費用は変動します。ミラドライの施術は、医師が担当するクリニックもあれば、看護師が実施するクリニックもあります。一般的に、医師が施術を行う場合は人件費が高くなるため、費用も高額になる傾向があります。一方、看護師が施術を担当する場合は人件費が抑えられるため、比較的安価な価格設定が可能となります。ただし、ミラドライは施術者の技量によって効果や副作用に差が生じるため、経験豊富な施術者による施術を受けることが重要です。
ミラドライ公式認定医の有無
ミラドライの開発元であるMiramar Labs社から認定証を発行された「ミラドライ公式認定医」の在籍も、費用に影響する要素のひとつです。公式認定医は、ミラドライの適切な治療技術と知識を持ち、一定数のミラドライ治療の実績が必要とされています。公式認定医が在籍するクリニックは、認定を受けていないクリニックと比較して費用が高くなる傾向がありますが、より安全で効果的な施術が期待できます。
ミラドライは保険適用される?他の治療法との比較
ミラドライの保険適用について
ミラドライは厚生労働省から薬事承認を受けていますが、現時点では健康保険の適用対象ではありません。したがって、施術費用は全額自己負担となります。保険適用されない理由としては、ミラドライが比較的新しい治療法であることや、美容目的と治療目的の境界が曖昧であることなどが挙げられます。今後、保険適用の範囲が拡大される可能性はありますが、現時点では自由診療として扱われています。
保険適用されるワキガ・多汗症治療
ワキガや多汗症の治療で保険適用されるものとしては、剪除法(せんじょほう)と呼ばれる手術療法があります。剪除法は、皮膚を切開してアポクリン汗腺を直接取り除く手術で、重度の腋臭症と診断された場合に保険が適用されます。保険適用の場合、自己負担額は数万円程度に抑えられます。また、原発性腋窩多汗症に対しては、塗り薬(エクロックゲル、ラピフォートワイプなど)やボトックス注射が保険適用で受けられる場合があります。
各治療法の費用比較
ワキガ・多汗症の主な治療法と費用を比較すると、それぞれに特徴があります。剪除法は保険適用の場合、3割負担で約2万円から5万円程度となりますが、傷跡が残ることや術後の安静期間(2から4週間)が必要であること、皮膚を切開するため心理的な抵抗があることがデメリットです。ボトックス注射は保険適用の場合3割負担で約2万円から3万円、自費の場合は約5万円から10万円程度ですが、効果の持続期間が4から6か月と限られており、繰り返し治療が必要です。塗り薬(エクロックゲル等)は保険適用で月額数千円程度ですが、毎日の塗布が必要で、効果には個人差があります。ミラドライは自費で約15万円から45万円程度と初期費用は高額ですが、1回の治療で半永久的な効果が期待でき、傷跡も残りません。長期的な視点で考えると、ミラドライのコストパフォーマンスは決して悪くないといえます。
医療費控除でミラドライ費用を節約する方法
ミラドライは医療費控除の対象
ミラドライの治療費は、医療費控除の対象となります。医療費控除とは、1年間に支払った医療費が一定額を超えた場合に、所得税や住民税が軽減される制度です。ミラドライ治療は一見すると美容医療のように思えますが、ワキガ(腋臭症)や多汗症(腋窩多汗症)は疾患とみなされており、医師の指示による治療目的の施術と認識されています。そのため、確定申告で医療費控除を申請することで、実質的な費用負担を軽減することができます。
医療費控除の計算方法
医療費控除の控除額は、「1年間に支払った医療費の総額」から「保険金などで補てんされる金額」と「10万円(または総所得金額の5%のいずれか低い方)」を差し引いた金額となります。例えば、ミラドライの治療費が33万円で、他に医療費がなく、所得税率が20%の場合、控除額は「(33万円-10万円)×20%=4.6万円」となります。つまり、約4万6千円が還付されることになります。さらに住民税も軽減されるため、実質的な節約額はさらに大きくなります。また、家族全員の医療費を合算できるため、他の医療費と合わせて申請することで控除額を増やすことも可能です。
医療費控除の申請方法
医療費控除を受けるためには、毎年2月16日から3月15日までの期間に確定申告を行う必要があります。申請に必要なものは、ミラドライ治療費の領収書と医療費控除の明細書です。明細書には、「医療を受けた方の氏名」「病院・薬局などの支払先の名称」「医療費の区分(診療・治療に該当)」「支払った医療費の額」を記入します。最近はe-TAXを利用したオンライン申請も可能ですので、ぜひ活用しましょう。領収書は施術後に必ず受け取り、大切に保管しておくことが重要です。
費用だけで選んではいけない理由
安い施術の落とし穴
ミラドライは同じ機器を使用していても、施術内容やクリニックの方針によって効果に大きな差が生じます。価格が安いからといって安易に選んでしまうと、期待した効果が得られない可能性があります。安価なクリニックでは、照射範囲が狭かったり、出力が抑えられていたり、照射回数が1回のみに制限されていることがあります。このような条件では、ミラドライの本来の効果が十分に得られず、ワキ汗やワキガの症状が改善しない、あるいは数か月後に再発する可能性もあります。
施術者の技量による差
ミラドライは機械を使った治療であるため、どのクリニックで受けても同じだと思われがちですが、実際には施術者の技量によって効果と副作用に大きな差が生じます。経験豊富な医師は、個々の患者の体型や症状に合わせて照射エネルギーを微調整し、最適な治療を提供することができます。照射レベルを過度に上げると火傷のリスクが生じる可能性があり、逆に足りない場合は汗腺が十分に破壊されず、治療効果が不十分となるおそれがあります。安いからといって経験の少ない施術者に当たってしまうと、満足な結果が得られないばかりか、副作用のリスクが高まる可能性もあります。
追加費用の発生
ホームページに表示されている価格が安くても、実際にカウンセリングに行くとオプションを勧められたり、別途麻酔代・薬代・診察代などが必要だったりして、最終的な費用が大幅に高くなるケースがあります。また、1回目の施術で十分な効果が得られず、2回目の施術が必要になった場合、トータルの費用は結果的に高くつくことになります。ミラドライは何度も繰り返しできる施術ではないため、最初から十分な範囲と回数で施術を受けることが重要です。
ミラドライのクリニック選びで確認すべきポイント
施術実績と公式認定医の在籍
クリニック選びで最も重要なのは、施術実績の豊富さです。ミラドライの症例数が多いクリニックは、様々なケースに対応した経験があるため、より適切な治療を提供できます。また、ミラドライ公式認定医が在籍しているかどうかも重要な判断基準となります。公式認定医は、Miramar Labs社から認定証を発行された医師であり、ミラドライの適切な治療技術と知識を持ち、一定数の治療実績が必要とされています。公式認定医による施術であれば、安心して治療を受けることができます。
施術内容の詳細確認
施術内容について詳しく確認することも大切です。照射範囲(テンプレートのサイズ)、照射回数(シングルかダブルか)、照射出力(最大出力かどうか)、施術者(医師か看護師か)などを事前に確認しましょう。「広範囲照射」や「ダブル照射」を謳っているクリニックでも、その具体的な内容はクリニックによって異なります。カウンセリング時に詳しく質問し、納得した上で施術を受けることが重要です。
総費用の確認
費用については、基本料金だけでなく、トータルでいくらかかるのかを必ず確認しましょう。麻酔代、薬代、アフターケア代、再診料などが別途必要かどうか、2回目の施術が必要になった場合の費用、保証制度の有無なども確認しておくと安心です。見積もりを書面でもらい、追加費用が発生しないかどうかを明確にしておきましょう。
アフターフォロー体制
術後のアフターフォロー体制も重要なポイントです。経過観察の診療が無料で受けられるか、術後に問題が生じた場合の対応はどうか、保証制度はあるかなどを確認しましょう。ミラドライは施術後に腫れや痛みが生じることがありますが、適切なアフターフォローがあれば安心して治療を受けることができます。
カウンセリングの質
カウンセリング時の対応も、クリニック選びの重要な判断材料となります。症状の確認、治療の説明、リスクの説明、費用の説明などが丁寧に行われているか、質問に対して誠実に回答してくれるか、無理な勧誘がないかなどをチェックしましょう。納得がいくまで説明を受け、信頼できると感じたクリニックを選ぶことが大切です。
ミラドライの副作用とダウンタイム
施術直後から翌日までの症状
ミラドライは手術と比べてダウンタイムが少ない治療法ですが、一定期間は腫れや痛みが生じます。施術中は麻酔が効いているため痛みを感じませんが、施術後3から4時間で麻酔が切れると、ヒリヒリとした痛みや皮膚のつっぱり感、赤みや腫れを感じることがあります。痛みのピークは施術当日の夜から翌朝までで、強い日焼けをしたような感覚が続きます。翌日には痛みはかなり落ち着きますが、ワキの腫れや違和感は残ります。
1週間から1か月の経過
施術後1週間ほど経つと、痛み、腫れ、内出血などの症状はほぼ落ち着き、ワキに触れると皮膚が硬く、軽い痛みを感じる程度になります。ただし、しびれ、しこり、むくみなどの軽い症状が1か月以上続くこともあります。施術後1か月が経過すると、痛みや腫れはほとんど気にならなくなり、日常生活にも支障がなくなります。ワキの硬さが若干残る方もいますが、徐々に改善していきます。
半年後の状態と効果の安定
ミラドライの治療効果として汗や臭いの程度が安定するのは、施術から約半年後です。施術直後は高い効果を実感できますが、1か月ほど経過すると、破壊しきれなかった汗腺が回復し始め、施術直後よりも汗の量や臭いが少し戻ったように感じることがあります。これは再発ではなく、どなたにでも起こり得る正常な経過です。最終的には、施術前と比べて7から8割程度の汗腺が破壊され、汗の量や臭いが大幅に減少した状態が半永久的に持続します。
主な副作用
ミラドライの主な副作用としては、腫れ、痛み、赤み、内出血、しびれ、しこり、感覚の鈍さなどがあります。これらはほとんどの場合一時的なもので、数日から数か月で改善します。重篤な副作用は報告されておらず、一生涯残るような後遺症はありません。ただし、施術後数日以降に感染症が生じる可能性がごく稀にあるため、異常を感じた場合は速やかにクリニックに相談することが重要です。また、ワキの感覚が一時的に鈍くなることがありますが、末梢神経は再生するため、3か月前後で元に戻ることがほとんどです。
施術後の注意事項
ダウンタイムを短くするためには、施術後の適切なケアが重要です。施術当日から数日間は、患部をアイスパックでしっかり冷やすことで痛みや腫れを軽減できます。施術当日は入浴、サウナ、激しい運動、飲酒を控え、シャワー浴にとどめましょう。翌日からは入浴も可能ですが、長時間の入浴は体温が上がり血流が良くなるため、痛みや腫れを悪化させる可能性があります。激しい運動は1週間程度控え、腕を大きく動かす作業も避けるようにしましょう。

よくある質問
多くのクリニックでは、クレジットカードによる分割払いや医療ローンに対応しています。医療ローンを利用すれば、月々数千円から数万円程度の支払いで治療を受けることが可能です。分割払いの可否や支払い条件はクリニックによって異なるため、カウンセリング時に確認することをおすすめします。金利や手数料がかかる場合もあるため、総支払額も確認しておきましょう。
基本的には1回の施術で十分な効果が得られます。ミラドライで破壊された汗腺は再生しないため、1回の治療で7から8割程度の汗腺が破壊され、半永久的な効果が期待できます。ただし、重度のワキガや多汗症の方、または1回目の施術で満足な結果が得られなかった方は、医師と相談の上、2回目の施術を検討することがあります。
それぞれにメリット・デメリットがあり、患者様の状況や優先事項によって最適な選択は異なります。剪除法は保険適用で費用を抑えられますが、傷跡が残ることや術後2から4週間の安静期間が必要です。ミラドライは自費診療で費用は高くなりますが、傷跡が残らず、翌日から日常生活に戻れるというメリットがあります。仕事や学校を長期間休めない方、傷跡を残したくない方にはミラドライが適しています。費用を重視する方で、長期休暇が取れる場合は剪除法も選択肢となります。
多くの方は施術の翌日から仕事に復帰できます。ただし、施術当日は腫れや痛みがあるため、できれば翌日も休みを取ることをおすすめします。デスクワークなど体をあまり動かさない仕事であれば問題ありませんが、重い荷物を持つ仕事や腕を大きく動かす仕事の場合は、1週間程度は軽減勤務や休暇を検討したほうがよいでしょう。激しい運動を伴う仕事は、1週間程度控えることをおすすめします。
ミラドライで破壊された汗腺は再生しないため、半永久的に効果が持続すると考えられています。長期追跡研究では、治療から3年から5年後も高い満足度が維持されることが報告されています。ただし、すべての汗腺を完全に破壊できるわけではないため、全く汗が出なくなるわけではありません。一般的には、治療前と比べて汗の量や臭いが7から8割程度減少した状態が長期的に維持されます。
未成年の方でもミラドライを受けることは可能です。ただし、局所麻酔を使用するため体重制限があり、医師の診察のもとで適応が判断されます。また、成長期でホルモンバランスが変わりやすい時期は、汗腺が再生してしまう可能性も考えられます。未成年の方の場合は、必ず保護者の同意が必要となります。詳しくはクリニックにお問い合わせください。
まとめ
ミラドライは、皮膚を切らずにワキガや多汗症を治療できる画期的な方法です。費用は15万円から45万円程度と幅がありますが、これは照射範囲、照射回数、施術者の違いなどによるものです。保険適用外の自由診療ではありますが、医療費控除を活用することで実質的な負担を軽減することができます。
クリニック選びの際には、費用だけでなく、施術実績、公式認定医の有無、施術内容の詳細、アフターフォロー体制なども総合的に検討することが重要です。安いからという理由だけで選んでしまうと、期待した効果が得られなかったり、追加費用が発生したりする可能性があります。
ミラドライは1回の治療で半永久的な効果が期待でき、傷跡も残らないため、長期的な視点で見るとコストパフォーマンスに優れた治療法といえます。ワキガや多汗症でお悩みの方は、まずは専門のクリニックでカウンセリングを受け、ご自身の症状や生活スタイルに合った治療法を相談されることをおすすめします。
アイシークリニック大宮院では、経験豊富な医師によるミラドライ治療を提供しております。最大出力での広範囲照射を行い、高い治療効果を追求しています。また、経過観察の診療は無料で行っており、メールでの遠隔フォローにも対応しております。ミラドライの治療についてご不明な点がございましたら、お気軽にご相談ください。
参考文献
- 独立行政法人 医薬品医療機器総合機構(PMDA)
- 日本皮膚科学会
- 原発性局所多汗症診療ガイドライン2023年改訂版(日本皮膚科学会雑誌)
- 株式会社ジェイメック ミラドライ薬事承認取得プレスリリース
- 兵庫医科大学病院 原発性腋窩多汗症
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務