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立ちくらみの原因を徹底解説|突然のめまい・ふらつきはなぜ起こる?

はじめに

立ち上がった瞬間にクラッとする、目の前が暗くなる、ふらついて倒れそうになる―。このような「立ちくらみ」を経験したことがある方は少なくないでしょう。多くの場合は一時的なもので心配ありませんが、頻繁に起こる場合や症状が強い場合は、何らかの病気のサインである可能性もあります。

本記事では、立ちくらみが起こるメカニズムから、その原因、対処法、予防法まで、医学的な観点から詳しく解説していきます。日常生活で立ちくらみに悩んでいる方、ご家族に立ちくらみの症状がある方はぜひ参考にしてください。

立ちくらみとは?

立ちくらみの定義

立ちくらみとは、医学的には「起立性低血圧」または「起立性調節障害」に分類される症状の一つです。座った状態や横になった状態から急に立ち上がったときに、一時的に脳への血流が不足することで起こる症状を指します。

主な症状としては以下のようなものがあります:

  • 目の前が暗くなる(眼前暗黒感)
  • ふらつき、めまい感
  • 頭がクラクラする
  • 立っていられなくなる
  • 耳鳴りがする
  • 冷や汗が出る
  • 吐き気を感じる
  • 意識が遠のく感じがする

重症の場合は、失神(意識を失う)に至ることもあります。

立ちくらみとめまいの違い

「立ちくらみ」と「めまい」は混同されることが多いですが、医学的には異なる症状です。

立ちくらみは、主に姿勢の変化(特に立ち上がる動作)に伴って起こり、脳への血流不足が原因です。一時的なもので、数秒から数分で回復することがほとんどです。

一方、めまいは、回転性めまい(自分や周囲がぐるぐる回る感じ)、浮動性めまい(ふわふわする感じ)などがあり、原因も耳の病気、脳の病気、自律神経の問題など多岐にわたります。姿勢の変化に関係なく起こることもあります。

立ちくらみが起こるメカニズム

立ちくらみを理解するには、人間の血液循環の仕組みを知ることが重要です。

正常な血圧調節の仕組み

人間が立ち上がると、重力の影響で血液が下半身(特に脚)に溜まりやすくなります。通常、この変化に対して体は以下のような反応を起こします:

  1. 圧受容器の反応: 首の動脈(頸動脈)や大動脈にある圧受容器(バロレセプター)が、血圧の低下を感知します。
  2. 自律神経系の働き: 圧受容器からの信号を受けて、自律神経系が活性化します。特に交感神経が働き始めます。
  3. 心臓と血管の調整:
    • 心拍数を増やす(1分間の心拍数を上げる)
    • 心臓の収縮力を強める
    • 末梢血管を収縮させる(特に下半身の血管)
    • 静脈の収縮を促し、心臓への血液の戻りを増やす
  4. 血圧の維持: これらの反応により、脳への血流が維持され、立ち上がっても血圧が正常に保たれます。

立ちくらみが起こるとき

しかし、何らかの原因でこの調整機能がうまく働かないと、立ち上がった際に脳への血流が一時的に不足し、立ちくらみが起こります。

具体的には、立ち上がってから3分以内に、収縮期血圧(上の血圧)が20mmHg以上、または拡張期血圧(下の血圧)が10mmHg以上低下する状態を「起立性低血圧」と定義されています。

脳は酸素とブドウ糖を常に必要とする器官で、血流が数秒間途絶えただけでも意識障害を起こす可能性があります。そのため、脳への血流が一時的に減少すると、立ちくらみの症状が現れるのです。

立ちくらみの主な原因

立ちくらみの原因は多岐にわたります。ここでは、主な原因を詳しく見ていきましょう。

1. 生理的な原因(病気ではないもの)

急な立ち上がり

最も一般的な原因の一つが、急激な姿勢の変化です。長時間座っていたり、横になっていた状態から急に立ち上がると、血圧調節が追いつかず、一時的に立ちくらみを起こすことがあります。これは健康な人でも起こりうる現象です。

長時間の立位

じっと立ち続けていると、下半身に血液が溜まりやすくなり、脳への血流が減少することがあります。特に、暑い場所や人混みの中で長時間立っていると、立ちくらみを起こしやすくなります。

入浴後

熱いお風呂に入ると、血管が拡張して血圧が下がります。入浴後に急に立ち上がると、立ちくらみを起こしやすくなります。特に高齢者や、長風呂をした後は注意が必要です。

暑い環境

暑い環境では、体温を下げるために皮膚の血管が拡張し、血圧が下がりやすくなります。また、発汗によって体内の水分が失われると、血液量が減少し、さらに血圧が下がりやすくなります。

脱水状態

水分摂取が不足したり、下痢や嘔吐、過度の発汗などで脱水状態になると、血液量が減少し、立ちくらみが起こりやすくなります。

空腹状態

食事を抜いたり、長時間何も食べていない状態では、血糖値が低下し、脳のエネルギー不足から立ちくらみを起こすことがあります。

過度の運動後

激しい運動の直後は、筋肉に血液が集中しており、急に動きを止めると脳への血流が一時的に不足することがあります。

睡眠不足・疲労

睡眠不足や過労の状態では、自律神経の働きが低下し、血圧調節がうまくいかなくなることがあります。

2. 自律神経系の問題

起立性調節障害(OD)

起立性調節障害は、自律神経の働きが未熟、または調節がうまくいかない状態を指します。特に思春期の子どもや若年者に多く見られます。

起立性調節障害では、立ち上がったときの血圧や心拍数の調節がうまくできず、立ちくらみ、めまい、倦怠感、頭痛などの症状が現れます。朝に症状が強く、午後から夕方にかけて楽になることが特徴です。

日本小児心身医学会によると、思春期の約10%に起立性調節障害がみられるとされています。

自律神経失調症

ストレス、不規則な生活、ホルモンバランスの乱れなどによって自律神経の働きが乱れると、血圧調節がうまくいかなくなり、立ちくらみが起こりやすくなります。

3. 循環器系の疾患

不整脈

心臓のリズムが乱れる不整脈があると、心臓から送り出される血液量が不安定になり、立ちくらみを起こすことがあります。特に、徐脈(心拍数が異常に遅い)や頻脈(心拍数が異常に速い)がある場合は注意が必要です。

心臓弁膜症

心臓の弁に異常がある場合、血液の流れが妨げられ、十分な血液が脳に送られなくなることがあります。

心筋症

心臓の筋肉に異常がある場合、心臓のポンプ機能が低下し、立ちくらみの原因となることがあります。

4. 血液の問題

貧血

貧血は、血液中の赤血球やヘモグロビンが不足している状態です。赤血球は酸素を運ぶ役割を担っているため、貧血になると脳への酸素供給が不足し、立ちくらみが起こりやすくなります。

貧血の原因には以下のようなものがあります:

  • 鉄欠乏性貧血(最も多い):月経過多、消化管出血、鉄分摂取不足など
  • ビタミンB12欠乏性貧血
  • 葉酸欠乏性貧血
  • 再生不良性貧血
  • 溶血性貧血

厚生労働省の調査によると、日本人女性の約10%が貧血の状態にあるとされています。

白血病などの血液疾患

白血病などの血液の病気では、正常な血液細胞が作られなくなり、貧血や血小板減少などが起こります。これらも立ちくらみの原因となることがあります。

5. 内分泌系(ホルモン)の疾患

副腎不全(アジソン病)

副腎は、血圧を維持するホルモン(コルチゾールやアルドステロン)を分泌しています。副腎の機能が低下すると、これらのホルモンが不足し、血圧が下がりやすくなります。

甲状腺機能異常

甲状腺ホルモンの分泌が多すぎる(甲状腺機能亢進症)、または少なすぎる(甲状腺機能低下症)場合、心臓や血管の働きに影響が出て、立ちくらみが起こることがあります。

糖尿病

糖尿病が進行すると、自律神経に障害が生じる「糖尿病性神経障害」が起こることがあります。これにより、血圧調節がうまくいかなくなり、起立性低血圧が起こりやすくなります。

また、糖尿病の治療薬によって低血糖状態になった場合も、立ちくらみの原因となります。

6. 神経系の疾患

パーキンソン病

パーキンソン病では、自律神経の働きが障害され、起立性低血圧が起こることがあります。

多系統萎縮症

脳の複数の部位が障害される神経変性疾患で、起立性低血圧が主要な症状の一つです。

7. 薬剤の副作用

様々な薬剤が立ちくらみの原因となることがあります:

降圧薬(血圧を下げる薬)

高血圧の治療に使われる薬は、血圧を下げる作用があるため、立ちくらみを起こすことがあります。特に、利尿薬、ACE阻害薬、ARB、カルシウム拮抗薬などが該当します。

向精神薬

抗うつ薬、抗精神病薬、抗不安薬などは、自律神経に影響を与え、立ちくらみを起こすことがあります。

狭心症・不整脈の治療薬

硝酸薬、β遮断薬などは、血圧や心拍数に影響を与えるため、立ちくらみの原因となることがあります。

パーキンソン病の治療薬

パーキンソン病の治療に使われるドパミン作動薬は、起立性低血圧を引き起こすことがあります。

その他の薬剤

利尿薬、前立腺肥大症の治療薬(α遮断薬)、ED治療薬なども立ちくらみの原因となることがあります。

複数の薬剤を服用している場合は、薬剤の相互作用により立ちくらみが起こりやすくなることもあります。

8. 年齢による変化

高齢者

加齢とともに、血圧調節機能が低下し、起立性低血圧が起こりやすくなります。また、高齢者は複数の薬を服用していることが多く、それも立ちくらみの一因となります。

国立循環器病研究センターによると、65歳以上の高齢者の約20%に起立性低血圧がみられるとされています。

思春期

思春期は、体の成長に自律神経の発達が追いつかず、血圧調節がうまくいかないことがあります。これが起立性調節障害の原因となります。

9. 妊娠

妊娠中は、ホルモンの影響や、子宮の増大による血管への圧迫などにより、血圧が変動しやすくなります。特に妊娠初期や中期に立ちくらみが起こりやすくなります。

10. その他の要因

出血

外傷や消化管出血、月経過多などによる出血があると、血液量が減少し、立ちくらみが起こりやすくなります。

血管迷走神経反射

痛み、恐怖、排尿・排便時の力み、長時間の立位などが引き金となって、迷走神経が過剰に反応し、血圧や心拍数が急激に低下することがあります。これを「血管迷走神経反射」といい、失神の原因となることもあります。

食後低血圧

食事をすると、消化管に血液が集中します。通常は血圧調節機能が働いて問題ありませんが、高齢者や自律神経の働きが低下している人では、食後に血圧が下がり、立ちくらみが起こることがあります。

立ちくらみの診断

立ちくらみが頻繁に起こる場合や、症状が強い場合は、医療機関を受診して原因を調べることが重要です。

問診

医師は、以下のような質問をして、症状の詳細や原因を探ります:

  • いつから症状があるか
  • どのような状況で起こるか
  • 症状の頻度や持続時間
  • 他にどのような症状があるか
  • 服用している薬
  • 既往歴(今までにかかった病気)
  • 家族歴

診察

  • 血圧測定:座位と立位での血圧を測定し、起立性低血圧の有無を確認します。
  • 心音・呼吸音の聴診
  • 神経学的診察

検査

立ちくらみの原因を調べるために、以下のような検査が行われることがあります:

血液検査

  • 貧血の有無(ヘモグロビン、赤血球数など)
  • 電解質(ナトリウム、カリウムなど)
  • 血糖値
  • 甲状腺ホルモン
  • 腎機能、肝機能

心電図

不整脈や心臓の異常を調べます。必要に応じて、24時間記録するホルター心電図が行われることもあります。

心エコー検査(心臓超音波検査)

心臓の構造や機能、弁の状態などを調べます。

ヘッドアップティルト試験

ベッドを傾斜させて、起立時の血圧や心拍数の変化を詳しく調べる検査です。起立性調節障害や神経調節性失神の診断に有用です。

シェロング試験

臥位(横になった状態)と立位での血圧・脈拍を測定し、起立性低血圧を診断する簡便な検査です。

脳画像検査(CT、MRI)

神経系の病気が疑われる場合に行われます。

立ちくらみの治療法

立ちくらみの治療は、原因に応じて異なります。

生活習慣の改善

多くの場合、生活習慣を改善することで症状が軽減します:

水分・塩分の適切な摂取

脱水を防ぐために、十分な水分を摂取します。1日1.5〜2リットル程度が目安です。また、医師の指示のもと、塩分をやや多めに摂取することで血液量を増やし、血圧の維持に役立つことがあります(ただし、高血圧や心疾患がある場合は医師に相談してください)。

ゆっくり立ち上がる

急に立ち上がらず、まず座った状態で数秒待ってから、ゆっくりと立ち上がるようにします。

下半身の筋肉を動かす

立ち上がる前に、足首を動かしたり、足の指を曲げ伸ばししたりすることで、下半身の血液循環を促進します。

長時間の立位を避ける

やむを得ず長時間立つ必要がある場合は、時々足踏みをしたり、体重を左右の足に交互にかけたりします。

弾性ストッキングの使用

医療用の弾性ストッキングを着用することで、下半身への血液の滞留を防ぎ、立ちくらみを予防できます。

頭部を高くして寝る

就寝時にベッドの頭側を10〜20度程度高くすると、起立時の血圧低下を軽減できることがあります。

適度な運動

適度な運動は、心肺機能や自律神経の働きを改善します。ただし、激しい運動は避け、ウォーキングなどの軽い有酸素運動を習慣にすることが推奨されます。

規則正しい生活

睡眠時間を確保し、規則正しい生活リズムを保つことで、自律神経の働きが整います。

原因疾患の治療

立ちくらみの原因となる病気がある場合は、その治療を行います:

  • 貧血:鉄剤やビタミンB12などの補充療法
  • 不整脈:抗不整脈薬の服用やペースメーカーの植え込み
  • 甲状腺機能異常:ホルモン補充療法または抗甲状腺薬
  • 糖尿病:血糖コントロールの改善
  • 副腎不全:ホルモン補充療法

薬物療法

生活習慣の改善や原因疾患の治療でも症状が改善しない場合、以下のような薬物療法が検討されます:

昇圧薬

血圧を上げる作用のある薬剤です。ミドドリン、ドロキシドパなどがあります。

血漿増量薬

血液量を増やすことで血圧を維持します。フルドロコルチゾンなどがあります。

漢方薬

補中益気湯(ほちゅうえっきとう)など、体力や気力を補う漢方薬が用いられることがあります。

薬剤の調整

服用している薬が立ちくらみの原因となっている場合は、医師と相談して薬の種類や量を調整します。自己判断で薬を中止することは危険ですので、必ず医師に相談してください。

立ちくらみの予防法

立ちくらみを予防するために、日常生活で以下のことに気をつけましょう:

1. 急な動作を避ける

  • 起床時は、まず布団の中で手足を動かし、次に座った姿勢で数十秒待ってから、ゆっくり立ち上がる
  • 長時間座っていた後も、すぐに立たずに一呼吸置く
  • 入浴後は急に立ち上がらない

2. 水分補給を心がける

  • こまめに水分を摂取する
  • 特に夏場や運動時は意識して水分補給を
  • 起床時や入浴前後にも水分を摂る

3. バランスの良い食事

  • 3食きちんと食べる
  • 特に朝食を抜かない
  • 鉄分、ビタミン、ミネラルをバランスよく摂取する

4. 適度な塩分摂取

  • 低血圧傾向の人は、医師の指導のもと、適度な塩分を摂取する
  • ただし、高血圧や心疾患がある場合は医師に相談

5. 下半身の筋力を鍛える

  • ウォーキング、軽いスクワットなど
  • 筋肉のポンプ作用により、下半身に溜まった血液が心臓に戻りやすくなる

6. 弾性ストッキングの活用

  • 医療用の弾性ストッキングを着用する
  • 特に立ち仕事の多い人におすすめ

7. 生活リズムを整える

  • 十分な睡眠時間を確保する
  • 夜更かしを避ける
  • 規則正しい生活を心がける

8. ストレスを溜めない

  • 適度な休息を取る
  • リラックスできる時間を作る
  • 趣味や運動でストレス解消

9. 暑い場所を避ける

  • 特に夏場は、涼しい場所で過ごす時間を増やす
  • 長時間の炎天下での活動は避ける

10. アルコール・カフェインの摂りすぎに注意

  • 過度のアルコール摂取は血圧を下げる
  • カフェインの摂りすぎは自律神経に影響を与える

いつ医療機関を受診すべきか

以下のような場合は、早めに医療機関(内科、循環器内科、神経内科など)を受診しましょう:

すぐに受診が必要な場合

  • 立ちくらみと同時に、激しい胸痛や動悸がある
  • 意識を失った(失神した)
  • 転倒して怪我をした
  • 呼吸困難がある
  • 激しい頭痛がある
  • ろれつが回らない、手足のしびれがある(脳卒中の可能性)

早めの受診が望ましい場合

  • 立ちくらみが頻繁に起こる(週に何度も)
  • 症状が徐々に悪化している
  • 日常生活に支障をきたしている
  • 他の症状(動悸、息切れ、疲れやすさ、頭痛など)も伴う
  • 新しく薬を始めてから症状が出始めた

高齢者の立ちくらみに注意

高齢者は、加齢による血圧調節機能の低下や、複数の薬の服用などにより、立ちくらみが起こりやすくなります。立ちくらみによる転倒は、骨折などの重大な怪我につながる可能性があるため、特に注意が必要です。

高齢者の立ちくらみ対策

  • 夜間のトイレ時は特に注意:ベッドから起き上がる前に、ベッドの縁に座って数十秒待つ
  • 照明を確保:夜間の移動時は足元灯などを使用
  • 手すりの設置:トイレや廊下に手すりを設置
  • 家族の見守り:立ちくらみが頻繁な場合は、家族の見守りを
  • 定期的な受診:主治医に相談し、薬の調整などを検討

子どもの立ちくらみ(起立性調節障害)

思春期の子どもに多い起立性調節障害は、自律神経の発達が未熟なために起こります。朝起きられない、午前中の体調不良、立ちくらみ、頭痛などが特徴で、不登校の原因となることもあります。

対応のポイント

  • 病気であることを理解する:怠けているわけではありません
  • 生活リズムを整える:早寝早起き、規則正しい食事
  • 水分・塩分の摂取:1日1.5〜2リットルの水分と、塩分9〜12gを目安に
  • 適度な運動:軽い運動を習慣化
  • ストレスへの配慮:学校や家庭でのストレスを減らす工夫を
  • 専門医の受診:小児科、小児循環器科、または小児心療内科を受診

日本小児心身医学会の診療ガイドラインなどを参考に、適切な診断と治療を受けることが大切です。

まとめ

立ちくらみは、多くの場合は一時的で心配ありませんが、頻繁に起こる場合や症状が強い場合は、何らかの病気のサインである可能性があります。

立ちくらみの原因は多岐にわたり、生理的なものから、自律神経の問題、循環器疾患、貧血、ホルモン異常、神経系の病気、薬の副作用など、様々なものがあります。

日常生活では、急な動作を避ける、水分補給を心がける、規則正しい生活を送るなどの予防策が有効です。また、立ちくらみが頻繁に起こる場合や、他の症状を伴う場合は、早めに医療機関を受診して原因を調べることが重要です。

特に高齢者や思春期の子どもは立ちくらみが起こりやすく、それぞれに適した対策が必要です。

立ちくらみでお悩みの方は、一人で悩まず、医療機関にご相談ください。適切な診断と治療により、症状の改善が期待できます。

参考文献

  1. 日本循環器学会「循環器病の診断と治療に関するガイドライン」 https://www.j-circ.or.jp/guideline/
  2. 厚生労働省「e-ヘルスネット:起立性低血圧」 https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/
  3. 国立循環器病研究センター「循環器病情報サービス」 https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/
  4. 日本小児心身医学会「小児起立性調節障害診断・治療ガイドライン」
  5. 日本自律神経学会「自律神経機能検査」
  6. 日本神経学会「神経疾患診療ガイドライン」 https://www.neurology-jp.org/guidelinem/
  7. 日本内科学会「内科診療ガイドライン」

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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