二の腕や太もも、頬などにぶつぶつとした小さな突起が多数できて、なんとなくざらざらした肌触りが気になっている方は少なくないかもしれません。この症状は「毛孔性角化症」と呼ばれるもので、皮膚科を受診する患者さんの中でも比較的多く見られる皮膚の状態です。見た目のコンプレックスになりやすい一方で、正しい知識を持ち、適切なケアや治療を継続することで症状を改善できる場合もあります。この記事では、毛孔性角化症の基本的な情報から、セルフケアの方法、そして医療機関で受けられるさまざまな治療法まで、わかりやすく解説していきます。
目次
- 毛孔性角化症とはどんな皮膚の状態か
- 毛孔性角化症の主な原因とメカニズム
- 毛孔性角化症の症状と好発部位
- 毛孔性角化症と間違えやすい皮膚の状態
- 毛孔性角化症のセルフケア・日常でできるケア方法
- 皮膚科・クリニックで受けられる治療法
- 毛孔性角化症の治療における注意点
- 毛孔性角化症を悪化させないための生活習慣
- まとめ
この記事のポイント
毛孔性角化症は毛穴に角質が詰まる遺伝的体質に起因する皮膚状態で、完治は難しいが保湿・外用薬・ケミカルピーリング・レーザー治療の継続により症状改善が可能。アイシークリニックでは個別の肌状態に応じた治療プランを提案している。
🎯 毛孔性角化症とはどんな皮膚の状態か
毛孔性角化症(もうこうせいかくかしょう)は、英語では「Keratosis Pilaris(ケラトーシス・ピラリス)」とも呼ばれます。毛穴の出口に角質が詰まることで、皮膚の表面に小さなぶつぶつが密集して見える皮膚の状態です。医学的には皮膚疾患の一つとして分類されていますが、健康上の問題をもたらすものではなく、炎症がなければかゆみや痛みを伴わないことがほとんどです。
一般的に、思春期の頃に発症または目立ち始めることが多く、特に成長に伴うホルモンバランスの変化が関与しているとも言われています。成人になるにつれて自然と改善するケースもありますが、体質的に長期にわたって続く方も多く、完全に消えることなく成人以降も続く場合があります。日本人の肌にも比較的よく見られる状態であり、特に乾燥しやすい季節に症状が目立ちやすいとされています。
外見上のコンプレックスになりやすいことから、薄着になる夏や肌を見せる機会が増える時期に悩みが深まる方が多いのが実情です。治療が困難とされてきた時代もありましたが、現在では皮膚科学や美容皮膚科学の進歩により、症状を和らげたり、改善を促したりするための選択肢が増えてきています。
Q. 毛孔性角化症の原因と遺伝との関係は?
毛孔性角化症は、毛穴の出口でケラチン(角質タンパク質)が過剰に産生・蓄積されることで起こります。遺伝的要因が強く関与しており、常染色体優性遺伝のパターンで遺伝することが多いとされています。アトピー性皮膚炎など乾燥肌を伴う疾患がある方にも合併しやすい傾向があります。
📋 毛孔性角化症の主な原因とメカニズム
毛孔性角化症は、毛穴の周囲でケラチン(角質タンパク質)が過剰に産生され、毛穴の出口を塞いでしまうことで起こります。このケラチンの蓄積が皮膚表面から小さな突起として見えるのが、いわゆる「ぶつぶつ」の正体です。
遺伝的な要因が強く関係しており、親や兄弟など近親者に毛孔性角化症がある場合、発症しやすいとされています。具体的には、常染色体優性遺伝のパターンで遺伝することが多いと報告されており、家族に同じ症状を持つ人がいる場合には体質的なものと捉えることができます。
また、アトピー性皮膚炎やイクチオーシス(魚鱗癬)などの乾燥肌を伴う皮膚疾患がある方に合併しやすい傾向があります。皮膚のバリア機能が低下している状態では、角質の代謝がうまく進まず、毛穴に角質が詰まりやすくなるためと考えられています。
さらに、乾燥した環境、季節の変化(特に冬季)、ホルモンバランスの変動なども症状に影響を与えます。妊娠中や思春期など、ホルモンが大きく変化する時期に症状が悪化しやすいと言われているのも、これらの要因が複合的に絡み合っているためです。
食生活との関連については明確なエビデンスはありませんが、ビタミンAの不足が角質代謝に影響を与える可能性があるとする研究もあり、栄養バランスが皮膚の状態に影響を及ぼすことは否定できません。
💊 毛孔性角化症の症状と好発部位
毛孔性角化症の症状は、主に毛穴の出口に角質が詰まることで生じる小さな突起(丘疹)が皮膚の表面に多数現れるというものです。これらの突起は直径1〜2mm程度で、白色から肌色、もしくはやや赤みを帯びた色を呈することがあります。皮膚を触ると「サメ肌」や「鶏肌」のようにざらざらとした感触があるのが特徴で、目視でも肌表面の凹凸がはっきりとわかる場合が多いです。
好発部位としては、上腕の外側面(いわゆる二の腕)が最も典型的です。二の腕の後ろ側から外側にかけてぶつぶつが広がるケースが多く、患者さんが最初に気づくのもこの部位であることが多いです。その他にも、大腿部(太もも)の外側、臀部(お尻)、背中の上部、頬などにも見られます。
顔に症状が出る場合は、頬のくすみやざらつきとして現れることがあり、特に子どもや若年者に多く見られます。顔の症状は他の皮膚の状態と混同されやすく、丁寧な鑑別診断が必要になることもあります。
炎症を伴う場合には、毛穴の周囲が赤くなったり(毛孔性紅斑と呼ばれることもあります)、かゆみを感じたりすることがあります。炎症が強い場合は色素沈着を起こすこともあり、ぶつぶつが治まった後も茶色や黒ずんだ跡が残ることがあります。
症状の程度には個人差があり、肌が乾燥しやすい冬に悪化し、夏に改善するという季節的な変動を経験する方も少なくありません。
Q. 毛孔性角化症のセルフケアで最も重要なことは?
毛孔性角化症のセルフケアで最も基本かつ重要なのは保湿です。入浴後すぐに、尿素・セラミド・ヒアルロン酸などを含む保湿剤を十分に塗布することが効果的です。また、ナイロン製タオルで強くこする洗浄は皮膚のバリア機能を低下させるため避け、低刺激性の洗浄料を使用することが推奨されます。
🏥 毛孔性角化症と間違えやすい皮膚の状態
毛孔性角化症は、見た目の特徴から他の皮膚の状態と混同されることがあります。自己判断で誤ったケアを続けてしまうこともあるため、正しい診断を受けることが大切です。
まず、ニキビ(尋常性ざ瘡)と間違えられることがあります。毛孔性角化症の突起はニキビのような炎症を伴う膿疱ではなく、角質が詰まった硬い突起であるため、ニキビ用の治療薬を使用しても改善しないことがほとんどです。また、毛孔性角化症は顔以外にも広範囲に現れる点がニキビとは異なります。
次に、汗疹(あせも)との混同があります。汗疹は汗管が閉塞することで起こり、特に夏場の高温多湿な環境で悪化します。一方、毛孔性角化症は乾燥する季節に悪化することが多く、好発する部位や季節性にも違いがあります。
脂漏性角化症も見た目が似ていることがありますが、脂漏性角化症は中高年以降に現れやすく、色素を含んだやや褐色の隆起として見られることが多い点で異なります。
また、毛嚢炎(もうのうえん)との区別も重要です。毛嚢炎は毛穴に細菌が感染して起こる炎症であり、痛みや膿を伴うことが多いのに対し、毛孔性角化症は感染症ではありません。
皮膚科専門医による視診や問診を通じて、これらの疾患との鑑別を行うことが適切な治療への第一歩です。自己判断でケアを続けても改善しない場合や症状が悪化している場合は、早めに専門医を受診することをおすすめします。
⚠️ 毛孔性角化症のセルフケア・日常でできるケア方法
毛孔性角化症に対するセルフケアは、症状を完全に治すことは難しいものの、日常的に続けることで症状の改善や悪化の予防に役立ちます。正しいケアの方法を習慣化することが大切です。
🦠 保湿を徹底する
毛孔性角化症の改善において、最も基本的かつ重要なケアは保湿です。皮膚の乾燥は角質の代謝を乱し、毛穴に角質が詰まりやすくする要因になります。入浴後やシャワー後など皮膚が清潔で水分を含んでいるうちに、保湿剤を十分に塗布することが効果的です。
保湿成分としては、尿素(ウレア)、セラミド、ヒアルロン酸、グリセリンなどを含む製品が皮膚のバリア機能を補助し、角質を柔らかくする効果が期待できます。特に尿素を含むボディクリームやローションは、角質を軟化させる効果があり、毛孔性角化症のケアに向いているとされています。ただし、傷や炎症がある部位への使用には注意が必要です。
👴 適切な洗浄を行う
皮膚を清潔に保つことは大切ですが、強くこすったり、刺激の強い洗浄料を使用したりすることは逆効果になります。皮膚のバリア機能が低下し、乾燥や炎症を引き起こす原因になりかねません。低刺激性で保湿成分を含む洗浄料を使い、手や柔らかいタオルで優しく洗うようにしましょう。
ナイロン製のボディタオルや硬いスポンジで力強くこする行為は、角質を傷つけて炎症を促す可能性があるため避けることが望ましいです。
🔸 ピーリング成分を含む製品の活用
サリチル酸やグリコール酸、乳酸などのAHA(アルファヒドロキシ酸)を含む市販のスキンケア製品は、古い角質を落とし、毛穴の詰まりを改善する効果が期待できます。ただし、使用頻度や濃度を誤ると皮膚への刺激が強くなりすぎることがあるため、使用量や頻度を守りながら徐々に慣らしていくことが大切です。
肌への刺激を感じた場合や赤みが強くなった場合は、使用を一時中断し、医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
💧 生活習慣の見直し
室内の湿度管理や十分な水分摂取も、皮膚の乾燥を防ぐ上で重要です。特に冬場はエアコンや暖房器具の使用で室内が乾燥しやすいため、加湿器の活用を検討するとよいでしょう。また、バランスの良い食事を心がけ、ビタミンAやビタミンCなど皮膚の健康維持に関わる栄養素を意識して摂取することも、皮膚のターンオーバーを正常に保つために有用と考えられています。
Q. 毛孔性角化症と似た皮膚疾患の見分け方は?
毛孔性角化症はニキビ・汗疹・毛嚢炎などと混同されやすい皮膚の状態です。ニキビと異なり膿疱を伴わず、汗疹と異なり乾燥する冬に悪化しやすい特徴があります。毛嚢炎は細菌感染による炎症で痛みや膿を伴いますが、毛孔性角化症は感染症ではありません。正確な診断には皮膚科専門医による視診・問診が不可欠です。
🔍 皮膚科・クリニックで受けられる治療法
セルフケアで十分な改善が得られない場合や、症状が気になる場合は、皮膚科や美容皮膚科クリニックでの専門的な治療を検討することが有効です。毛孔性角化症に対して行われる主な治療法を紹介します。
✨ 外用薬による治療
皮膚科では、症状に応じていくつかの外用薬が処方されます。代表的なものとして、尿素製剤があります。尿素には角質を軟化・溶解する作用があり、毛穴に詰まった角質を柔らかくすることで症状の改善が期待できます。市販品よりも高濃度の製品が処方されることもあります。
次に、レチノイド(ビタミンA誘導体)の外用薬も使用されます。レチノイドは皮膚のターンオーバーを正常化し、角質の過剰な産生を抑制する効果があります。トレチノインなどが代表例として挙げられますが、初期に皮膚が赤くなったりむけたりすることがあるため、医師の指導のもとで使用することが重要です。
また、ステロイド外用薬が炎症を伴う場合に短期間使用されることもあります。ただし、長期使用は副作用のリスクがあるため、医師の指示に従って適切に使用する必要があります。
サリチル酸を含む外用薬も、角質溶解作用を持ち、毛穴の詰まりを改善するために処方されることがあります。
📌 ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、グリコール酸や乳酸などの酸性溶液を皮膚に塗布し、古い角質を化学的に除去する治療法です。毛孔性角化症に対しても、毛穴の詰まりを解消し、皮膚表面を滑らかにする効果が期待されています。
治療後は皮膚が赤くなったり、乾燥したりすることがありますが、多くの場合は数日以内に落ち着きます。効果を実感するためには複数回の治療が必要となることが多く、継続的なケアと組み合わせることでより良い結果が得られやすいとされています。
クリニックで行うケミカルピーリングは、市販のホームケア製品よりも高濃度の薬剤を使用するため、専門スタッフのもとで安全に行われます。治療後は紫外線への注意と十分な保湿が不可欠です。
▶️ レーザー治療
レーザー治療は、毛孔性角化症の症状、特に赤みを伴うタイプ(毛孔性紅斑)に対して一定の効果が期待できる治療法です。使用されるレーザーの種類はクリニックによって異なりますが、血管に作用するレーザー(Vビーム等)が赤みの改善に用いられることがあります。
また、フラクショナルレーザーや炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、皮膚の表面を微細に照射することで角質の産生を抑制したり、肌のターンオーバーを促したりする効果が期待されています。治療後のダウンタイムとして、赤みや腫れ、皮むけが生じることがあるため、スケジュールに余裕を持って治療計画を立てることが大切です。
レーザー治療は1回で劇的な効果が出るものではなく、複数回の照射を重ねることで改善が見込まれるケースが多いです。医師と相談の上、自分の症状に合った治療計画を立てることが重要です。
🔹 光治療(IPL)
IPL(インテンス・パルスト・ライト)は、特定の波長域の光を皮膚に照射する治療法で、赤みや色素沈着の改善に効果が期待できます。毛孔性角化症による赤みが気になる方に対して、フォトフェイシャルなどの名称でIPL治療が行われることがあります。
施術は比較的ダウンタイムが少なく、日常生活への影響が少ない点がメリットの一つです。ただし、日焼けした皮膚への照射はリスクが高まるため、日焼けのない時期に行うことが勧められます。
📍 ハイドラフェイシャル(ウォータージェットピーリング)
ハイドラフェイシャルは、水流と吸引を組み合わせて毛穴の汚れや角質を除去しながら、同時に美容成分を皮膚に浸透させる施術です。皮膚への刺激が比較的少なく、敏感肌の方にも対応できるケースがあります。毛穴の詰まりを物理的に除去しながら保湿も行えるため、毛孔性角化症のケアの一環として取り入れるクリニックもあります。
💫 マイクロニードル治療
マイクロニードル治療(ダーマペン等)は、微細な針で皮膚に多数の極小の穿刺孔を作ることで、皮膚の自己治癒力を高め、コラーゲン産生を促進する治療法です。毛孔性角化症に直接的な作用をもたらすというよりは、皮膚のテクスチャー全体を改善する効果が期待されており、ケミカルピーリングや外用薬との組み合わせで使用されることがあります。
📝 毛孔性角化症の治療における注意点
毛孔性角化症の治療にあたっては、いくつかの重要な注意点があります。治療の効果を最大限に引き出し、副作用やトラブルを防ぐためにも、事前にしっかりと理解しておくことが大切です。
まず、毛孔性角化症は一度の治療で完全に治るものではなく、継続的なケアが必要な状態であることを認識しておくことが重要です。多くの場合、治療は症状を和らげたり、見た目を改善したりすることを目的としており、体質そのものを根本から変えることは難しいとされています。治療を始める際には、現実的な期待値を持ちながら取り組むことが、長く続けるためのモチベーション維持にもつながります。
次に、皮膚への過剰な刺激を避けることが大切です。症状が気になるあまり、ぶつぶつを爪でつぶしたり、強くこすったりする行為は、皮膚に炎症を引き起こし、色素沈着や瘢痕(きずあと)を残すリスクがあります。症状が悪化することにもつながりかねないため、自己処理は控えるようにしましょう。
また、紫外線対策も忘れてはなりません。特にケミカルピーリングやレーザー治療後は皮膚が敏感な状態になっており、紫外線の影響を受けやすくなっています。日焼け止めを適切に使用し、不必要な日焼けを避けることが、色素沈着の予防にも重要です。
外用薬については、自己判断で使用量を増やしたり、指示された使用部位以外に使用したりすることは避けてください。特にレチノイド系の薬剤や高濃度の酸性製品は、使用方法を誤ると皮膚に強い刺激を与えることがあります。
治療を受ける医療機関を選ぶ際には、皮膚科専門医や経験豊富な医師が在籍しているクリニックを選ぶことが安心です。自分の症状や肌の状態を丁寧に診てもらい、治療のリスクやメリットについて十分な説明を受けた上で治療を始めることが大切です。
Q. 皮膚科やクリニックで受けられる毛孔性角化症の治療法は?
毛孔性角化症に対して皮膚科では、尿素製剤やレチノイド(ビタミンA誘導体)などの外用薬が処方されます。美容皮膚科では、ケミカルピーリング・レーザー治療・光治療(IPL)・ハイドラフェイシャルなど複数の選択肢があります。アイシークリニックでは、個々の肌状態に応じた治療プランを提案しており、継続的な治療により症状改善が期待できます。
💡 毛孔性角化症を悪化させないための生活習慣
治療と並行して、毛孔性角化症を悪化させないための生活習慣を見直すことも症状のコントロールに大きく貢献します。日々の積み重ねが長期的な改善につながります。
🦠 入浴・洗浄の方法を工夫する

熱いお湯での入浴は皮膚の乾燥を招きやすいため、ぬるめのお湯(38〜40度程度)に短時間浸かる入浴法が肌への負担を減らすのに有効です。長時間の入浴も皮膚の油分を必要以上に洗い流してしまうため注意が必要です。入浴後は速やかに保湿剤を塗布することを習慣にしましょう。
👴 衣類の素材を見直す
化学繊維や粗い素材の衣類は、皮膚への摩擦刺激となり、症状を悪化させる可能性があります。肌に直接触れる部分には、綿など天然素材の柔らかい衣類を選ぶとよいでしょう。タイトな服装も皮膚への摩擦を増やすため、ゆとりのある服装を心がけることが望ましいです。
🔸 栄養バランスの良い食事を心がける
皮膚の健康を維持するためには、バランスの取れた食事が基本です。ビタミンA(レチノール・βカロテン)は皮膚の正常な角化を助ける働きがあり、鶏レバー、にんじん、かぼちゃ、ほうれん草などに多く含まれています。ビタミンCはコラーゲンの合成を助け、皮膚のバリア機能維持にも関与します。また、オメガ3脂肪酸を豊富に含む魚介類や亜麻仁油なども、皮膚の炎症を抑える効果が期待できます。
加工食品や糖質の過剰摂取、アルコールの多量摂取は皮膚の状態に悪影響を及ぼす可能性があるため、全体的な食生活の見直しも重要な視点です。
💧 ストレス管理と睡眠
慢性的なストレスは皮膚のバリア機能を低下させ、さまざまな皮膚トラブルを悪化させる原因になることが知られています。毛孔性角化症においても、ストレスが症状に影響を与える可能性があります。適度な運動や趣味の時間、十分な睡眠を確保することで、心身のコンディションを整えることが皮膚の健康にもつながります。
成長ホルモンは睡眠中に多く分泌され、皮膚の修復や再生に関わっています。質の良い睡眠をとることは、皮膚のターンオーバーを正常に保つためにも重要です。
✨ 紫外線対策を徹底する
紫外線は皮膚の老化を促進し、バリア機能を低下させるとともに、色素沈着を引き起こすリスクがあります。毛孔性角化症の赤みや炎症が紫外線によって悪化することもあるため、日焼け止めの使用やUVカット機能のある衣類の活用など、日常的な紫外線対策を習慣にすることをおすすめします。
📌 セルフケア製品の選び方
スキンケア製品を選ぶ際には、アルコールや強い香料、防腐剤などの刺激成分が少ない低刺激性のものを選ぶことが基本です。「敏感肌用」「乾燥肌用」と表示された製品が参考になります。新しい製品を使い始める際は、まず少量を目立たない部位でテストしてから全体に使用することをおすすめします。
また、スクラブ入りのボディウォッシュなど、物理的な摩擦を与える製品は毛孔性角化症のある部位への使用には慎重になりましょう。皮膚への刺激が炎症や悪化につながる可能性があります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「毛孔性角化症は、当院にもお悩みを抱えて来院される患者さんが多い皮膚の状態であり、特に薄着の季節を前に「ずっと気になっていたけれど、どこに相談してよいかわからなかった」とおっしゃる方が少なくありません。体質的な要因が強く関わっているため根本的な完治は難しい場合もありますが、丁寧な保湿ケアと症状に合った外用薬やレーザー・ケミカルピーリングなどの治療を組み合わせることで、多くの方に肌質の改善を実感していただけています。一人で抱え込まず、まずはお気軽にご相談いただければ、お肌の状態を丁寧に診た上で、それぞれの生活スタイルに合ったケアプランをご提案いたします。」
✨ よくある質問
思春期以降に自然と改善するケースもありますが、体質的な要因が強く、成人以降も長期にわたって続く方も多いです。完全に消えることなく持続する場合もあるため、症状が気になる場合は皮膚科への相談をおすすめします。適切なケアや治療で症状を和らげることは可能です。
最も基本的かつ重要なケアは「保湿」です。入浴後、皮膚が水分を含んでいるうちに、尿素・セラミド・ヒアルロン酸などを含む保湿剤を十分に塗布することが効果的です。また、強いこすり洗いは避け、低刺激性の洗浄料で優しく洗うことも大切です。
皮膚科では、尿素製剤やレチノイド(ビタミンA誘導体)などの外用薬の処方が代表的です。さらに美容皮膚科では、ケミカルピーリング・レーザー治療・光治療(IPL)・ハイドラフェイシャルなど、症状に合わせた治療法を選択できます。アイシークリニックでも個々の肌状態に応じたプランをご提案しています。
自分で潰すことはおすすめできません。爪でつぶしたり強くこすったりすると、皮膚に炎症を引き起こし、色素沈着や傷跡が残るリスクがあります。症状が悪化する可能性もあるため、自己処理は控え、気になる場合は専門医に相談することが大切です。
直接的な因果関係の明確なエビデンスは限られていますが、ビタミンAやビタミンCを含む栄養バランスの良い食事が皮膚の角質代謝を助けるとされています。また、十分な睡眠・ストレス管理・室内の湿度管理なども症状の悪化予防に役立つと考えられており、日々の生活習慣の見直しが重要です。
📌 まとめ
毛孔性角化症は、毛穴に角質が詰まることで皮膚表面に小さなぶつぶつが多数現れる皮膚の状態で、遺伝的な体質が強く関わっています。美容上のコンプレックスになりやすい一方で、適切なケアや治療によって症状を和らげることは十分に可能です。
セルフケアとしては、徹底した保湿と適切な洗浄が最も基本となります。皮膚の乾燥を防ぎ、バリア機能を維持することが、毛孔性角化症の症状改善に向けた土台となります。市販のピーリング成分入りスキンケア製品も、正しく使用することで補助的な効果が期待できます。
医療機関では、尿素製剤やレチノイド外用薬の処方、ケミカルピーリング、レーザー治療、光治療(IPL)など、症状や体質に合わせたさまざまな治療法が提供されています。これらの治療は継続的に行うことで効果が出やすく、自己判断での中断は避けることが望ましいです。
毛孔性角化症は一度完治するものではなく、長期的なケアが必要な状態ですが、正しい知識と適切な治療・ケアを組み合わせることで、肌の状態を大きく改善させることができます。症状が気になる方や、セルフケアを続けても改善が見られない方は、ぜひ皮膚科や美容皮膚科クリニックに相談してみてください。アイシークリニック大宮院では、患者さん一人ひとりの肌の状態や悩みに合わせた治療プランをご提案しています。まずはお気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 毛孔性角化症の診断基準・症状・治療方針に関する皮膚科専門医による解説。外用薬(尿素製剤・レチノイド等)の適応や鑑別診断(ニキビ・毛嚢炎等との区別)についての根拠情報として参照。
- PubMed – 毛孔性角化症(Keratosis Pilaris)の遺伝的要因(常染色体優性遺伝)・病態メカニズム・ケミカルピーリングやレーザー治療の有効性に関する国際的な査読済み臨床研究・エビデンスの参照元として活用。
- 厚生労働省 – レチノイド系外用薬・ステロイド外用薬など処方薬の使用上の注意・副作用情報、および皮膚疾患に対する医薬品の適正使用に関する公的ガイドラインの根拠情報として参照。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務