唇がカサカサする、皮がむけてしまう、ひび割れて痛い…そんな悩みを抱えている方は非常に多くいらっしゃいます。唇の乾燥は季節を問わず起こりうる症状ですが、原因を正しく理解せずにいると、なかなか改善しないばかりか悪化してしまうこともあります。この記事では、唇が乾燥するメカニズムから、日常生活で見落としがちな原因、そして適切なケアの方法まで、医療的な観点を交えながらわかりやすくご説明します。
目次
- 唇の皮膚が乾燥しやすい理由
- 唇の乾燥を引き起こす主な原因
- 生活習慣と唇の乾燥の関係
- 病気や薬が原因になることもある
- 唇の乾燥を悪化させるNG行動
- 唇の乾燥を防ぐための正しいケア方法
- 唇の乾燥がひどい場合は医療機関へ
- まとめ
この記事のポイント
唇は皮脂腺がなく角質層が薄いため乾燥しやすく、口呼吸・水分不足・ビタミン不足・紫外線などが主な原因。唇をなめる・皮をむく行為は悪化を招くNG行動。保湿ケア・水分補給・栄養改善が有効で、改善しない場合は皮膚科受診を推奨。
🎯 1. 唇の皮膚が乾燥しやすい理由
唇は顔の中でも特に乾燥しやすい部位の一つです。その理由を理解するために、まず唇の皮膚の構造について少し詳しく見ていきましょう。
私たちの皮膚は外側から順に、表皮、真皮、皮下組織という3層構造になっています。表皮の最も外側には「角質層」と呼ばれる層があり、これが皮膚のバリア機能を担っています。また、皮脂腺から分泌される皮脂が表面を覆うことで、水分の蒸発を防ぐ役割も果たしています。
ところが、唇の皮膚は通常の皮膚と比較していくつかの大きな違いがあります。まず、唇には皮脂腺がほとんど存在しません。皮脂腺は毛穴に付随した構造物ですが、唇の粘膜部分には毛穴がなく、そのため皮脂の分泌がほぼ行われないのです。皮脂による油分の膜がないということは、それだけ水分が蒸発しやすい状態にあるということを意味します。
さらに、唇の角質層は通常の皮膚と比較してとても薄くなっています。唇は顔の中でも外部の刺激に敏感な粘膜に近い部位であり、バリア機能そのものが弱い構造をしているのです。汗腺もほとんどないため、体温調節による水分補給も期待できません。
また、唇は口という動く部位に隣接しており、食事・会話・表情の変化など1日を通じて頻繁に動かされます。これが継続的な摩擦や刺激となり、乾燥をさらに助長する要因になります。
このように、唇はもともと乾燥に対して脆弱な構造を持っているため、少しの環境変化や生活習慣の乱れで乾燥が起こりやすくなります。
Q. 唇が乾燥しやすい構造的な理由は何ですか?
唇には皮脂腺がほとんど存在せず、角質層も通常の皮膚より薄いため、水分が蒸発しやすい構造です。汗腺もないため自力での保湿機能が低く、食事・会話・表情変化による日常的な摩擦も加わり、わずかな環境変化でも乾燥が起こりやすくなっています。
📋 2. 唇の乾燥を引き起こす主な原因
唇の乾燥にはさまざまな原因が絡み合っています。ここでは代表的な原因をひとつひとつ詳しく解説します。
🦠 空気の乾燥
冬になると唇が特に乾燥しやすくなると感じる方は多いと思います。その主な理由は、冬の空気の乾燥です。気温が下がると空気中の水分量(絶対湿度)が低下し、皮膚や粘膜から水分が蒸発しやすくなります。また、暖房器具の使用によって室内の湿度がさらに低下することも、唇の乾燥を促進する大きな要因です。
ただし、夏でも乾燥を感じる方がいます。クーラーによる除湿効果で室内の湿度が下がることや、紫外線の影響が夏の唇乾燥の原因となることがあります。つまり、唇の乾燥は季節を問わず起こりうる問題です。
👴 水分不足(脱水)
体全体の水分が不足すると、唇にも影響が現れます。人間の体の約60%は水分で構成されており、適切な水分量を保つことが全身の健康に欠かせません。忙しい日常の中で水分補給を怠ってしまったり、運動や発汗後に補水が不十分だったりすると、体が水分を節約しようとするため皮膚や粘膜への水分供給が後回しになります。その結果として唇の乾燥が起こりやすくなります。
コーヒーやアルコールには利尿作用があり、飲み過ぎると体内の水分量が減少しやすくなります。「水はあまり飲まないがコーヒーはよく飲む」という方は、唇の乾燥と水分不足の関係を意識してみることが大切です。
🔸 紫外線の影響
顔の中でも下唇は上を向いた形状をしているため、太陽光に当たりやすい部位です。紫外線は皮膚の細胞にダメージを与え、皮膚のバリア機能を低下させる働きがあります。唇に紫外線が継続的に当たると、薄い角質層がさらにダメージを受け、乾燥が悪化しやすくなります。
アウトドアや屋外での活動が多い方は、唇への紫外線ケアも意識することが重要です。顔のスキンケアには日焼け止めを使う方が多いですが、唇に日焼け止め効果のあるリップクリームを使用している方は意外に少ないかもしれません。
💧 口呼吸
鼻が詰まっているときや、無意識のうちに口で呼吸している方は、唇の乾燥が起こりやすくなります。口呼吸をすると、口から直接空気が出入りするため、唇や口腔内が乾燥しやすくなります。また、睡眠中に口が開いてしまうタイプの方は、朝起きたときに唇がひどく乾燥していることが多いです。
口呼吸の原因としては、鼻炎・アレルギー性鼻炎・鼻の構造的な問題(鼻中隔弯曲症など)・扁桃肥大などが考えられます。口呼吸が常習化している場合は、耳鼻科への相談も検討してみてください。
✨ 食生活の乱れとビタミン不足
唇の健康に深く関わっているのが栄養素のバランスです。特に、ビタミンB群(ビタミンB2・B6など)が不足すると、口角炎や口唇炎として現れることが知られています。ビタミンB2はエネルギー代謝に関わり、皮膚や粘膜の健康維持に欠かせない栄養素です。ビタミンB2が不足すると口唇の炎症や亀裂が生じやすくなります。
また、ビタミンCやビタミンEも皮膚の修復や保護に重要な役割を果たしており、これらが不足すると皮膚全体のバリア機能が低下し、唇の乾燥にもつながります。食事が偏りがちな方や、インスタント食品・ジャンクフードが多い食生活を送っている方は特に注意が必要です。
Q. 唇の乾燥を悪化させるNG行動とは何ですか?
唇をなめる行為は一時的に潤った感覚を与えますが、唾液中の消化酵素が皮膚を刺激し、蒸発時に元の水分まで奪うため逆効果です。また、乾燥した皮を無理に剥がすと出血・炎症・感染リスクが生じます。これらのNG行動が乾燥の慢性化を招く主な原因となります。
💊 3. 生活習慣と唇の乾燥の関係
唇の乾燥は、日々の生活習慣とも密接に関係しています。意識していない行動が、唇の乾燥を引き起こしたり悪化させたりしている場合があります。
📌 睡眠不足やストレス
睡眠不足やストレスは、皮膚全体のターンオーバーを乱す要因となります。皮膚は睡眠中に修復・再生を行うため、睡眠が不足すると肌の再生が追いつかず、乾燥や荒れが起こりやすくなります。唇も同様で、睡眠不足が続くと乾燥が慢性化しやすくなります。
ストレスが高まると自律神経のバランスが崩れ、皮膚への血流が悪化することも知られています。これにより皮膚への栄養や水分の供給が低下し、唇を含む皮膚全体が乾燥しやすくなります。
▶️ 喫煙
タバコに含まれる成分は、皮膚の血行を悪化させるとともに、皮膚を構成するコラーゲンやエラスチンの生成を阻害するという研究結果があります。また、タバコの煙は唇に直接触れる機会が多く、有害な化学物質が唇の粘膜に影響を与えることがあります。喫煙習慣のある方は、非喫煙者と比較して唇の乾燥や色素沈着が起こりやすいとされています。
🔹 マスクの着用
マスクを長時間着用することは、唇に思いがけない影響を与えることがあります。マスクの内側は湿気がこもりやすい環境ですが、外した際に急激に乾燥することや、マスクの布地が唇に摩擦を与えることが乾燥の原因になる場合があります。また、マスクの着用によって口呼吸が増えることも一因として挙げられます。
📍 辛い食べ物・刺激物の摂取
辛い食べ物や酸味の強い食べ物、塩分の多い食べ物を頻繁に摂取することも、唇に刺激を与え乾燥を引き起こす要因となります。これらの食べ物が唇に触れると、唇の粘膜が刺激されてわずかな炎症が起こり、それが繰り返されることで乾燥や荒れが定着してしまうことがあります。
🏥 4. 病気や薬が原因になることもある
唇の乾燥が単なる乾燥ではなく、何らかの疾患や薬の副作用として現れている場合があります。この点は非常に重要で、適切な対処のためには原因の特定が大切です。
💫 口唇炎・口角炎
口唇炎は唇全体や唇の周囲に炎症が起きる状態で、乾燥・皮むけ・ひび割れ・痛みなどの症状を伴います。原因はさまざまで、アレルギー反応・刺激物への接触・感染症(ウイルス・カビなど)・栄養不足などが挙げられます。口角炎は口の端(口角)が切れたり炎症を起こしたりする状態で、ビタミンB2の欠乏や感染症が関与していることが多いです。
🦠 アレルギー性接触皮膚炎
リップクリームや口紅などの化粧品に含まれる成分、歯磨き粉の香料や防腐剤、食品の添加物などがアレルゲンとなり、唇に接触性アレルギーが起こることがあります。この場合、乾燥だけでなく赤みや腫れ、かゆみを伴うことが多く、アレルゲンとなっているものを特定して使用を避けることが治療の基本となります。
👴 シェーグレン症候群
シェーグレン症候群は、涙腺や唾液腺が免疫反応によって攻撃される自己免疫疾患です。唾液の分泌量が著しく低下することで、口腔内全体が乾燥し、唇も非常に乾燥しやすくなります。ドライアイやドライマウスが主症状ですが、唇の慢性的な乾燥も症状のひとつとして見られます。中年女性に多い疾患ですが、男性にも発症することがあります。
🔸 甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは全身の代謝を調整する重要なホルモンです。甲状腺の機能が低下して甲状腺ホルモンの分泌量が減ると、皮膚全体が乾燥しやすくなります。これは代謝が低下することで皮膚の水分保持能力が低下するためです。唇の慢性的な乾燥も甲状腺機能低下症の症状のひとつとして現れることがあります。その他、体重増加・疲労感・むくみ・寒がりなどの症状が同時に現れる場合は、甲状腺機能の検査を受けることをおすすめします。
💧 糖尿病
糖尿病が進行すると、血液の流れが悪化したり、脱水傾向になりやすかったりすることから、口腔内や唇が乾燥しやすくなることがあります。また、糖尿病は免疫機能にも影響を与えるため、口唇部位に感染症が起こりやすくなることも知られています。
✨ 薬の副作用
一部の薬には皮膚や粘膜を乾燥させる副作用があります。代表的なものとして、ニキビ治療に使用されるレチノイン酸系の薬(イソトレチノイン)、高血圧治療薬の一部、抗ヒスタミン薬、利尿薬、抗うつ薬などが挙げられます。これらの薬を服用している方で唇の乾燥が気になる場合は、自己判断で服薬をやめることなく、まず処方した医師に相談してみることが重要です。
Q. 唇の乾燥に関係する病気にはどんなものがありますか?
唇の慢性的な乾燥は、シェーグレン症候群・甲状腺機能低下症・糖尿病などの疾患が原因となる場合があります。また、イソトレチノインや抗ヒスタミン薬など一部の薬の副作用として現れることもあります。倦怠感・体重変化など全身症状を伴う場合は、内科での検査も検討してください。
⚠️ 5. 唇の乾燥を悪化させるNG行動
唇が乾燥すると、無意識のうちに行ってしまいがちな行動が、実は乾燥をさらに悪化させてしまうことがあります。以下に代表的なNG行動を挙げます。
📌 唇をなめる
唇が乾燥してくると、潤いを補うために唇をなめてしまう方は非常に多いです。確かに一瞬は潤った感じがしますが、これは逆効果です。唾液には消化酵素が含まれており、唇に繰り返し接触することで皮膚が荒れてしまいます。また、唾液が蒸発する際に唇の元々の水分まで奪ってしまうため、なめた後はなめる前よりも乾燥が悪化してしまいます。これを繰り返すことで乾燥が慢性化する悪循環に陥りやすくなります。
▶️ 唇の皮をむく・こする
乾燥によって浮き上がった皮が気になってつい引っ張ってしまう方がいますが、これは非常に危険な行為です。まだ下の層の皮膚と繋がっている状態で皮を無理やり剥がすと、出血や炎症が起こり、傷跡が残ってしまうこともあります。また、傷から細菌が侵入すると感染症のリスクも高まります。タオルや指で唇を強くこするのも同様に皮膚を傷つける可能性があるため避けるべきです。
🔹 リップクリームを塗りすぎる・依存する
保湿のためにリップクリームを使用すること自体は適切なケアですが、塗りすぎることで唇本来の保湿機能が低下してしまうという考え方もあります。また、特定の成分(香料、着色料、防腐剤など)に対するアレルギーがある場合、リップクリームを使い続けることで口唇炎が悪化することもあります。リップクリームを使っても乾燥がなかなか改善しない場合は、成分の見直しも検討してみましょう。
📍 熱いお湯で唇を洗う
洗顔の際に熱いお湯を使うと、皮膚の油分や水分が流れ出てしまい乾燥が進みます。唇も同様で、熱いお湯での洗顔や入浴後に唇が特に乾燥する場合は、温度が高すぎることが一因かもしれません。洗顔はぬるま湯程度が適切です。
🔍 6. 唇の乾燥を防ぐための正しいケア方法
唇の乾燥を予防・改善するためには、正しいケアを継続することが大切です。ここでは効果的なアプローチを詳しくご紹介します。
💫 十分な水分補給を心がける
1日を通じてこまめに水分を補給する習慣をつけましょう。成人が1日に必要とする水分量は約2〜2.5リットルとされていますが、食事から摂取する水分も含まれるため、飲料からの摂取目標は約1〜1.5リットルが一般的な目安です。のどが渇いてから飲むのではなく、喉が渇く前に意識的に飲む習慣を心がけることが重要です。特に冬は汗をかきにくいため水を飲むことを忘れがちですが、空気が乾燥している分、皮膚や粘膜からの水分蒸発は増えていることを意識しましょう。
🦠 適切なリップケアを行う

リップクリームや口唇用の保湿製品を活用して、唇の乾燥を防ぎましょう。リップクリームを選ぶ際は、ワセリン・シアバター・ホホバオイルなどの保湿成分が含まれているものを選ぶと効果的です。香料や着色料が少ないシンプルな成分のものを選ぶことで、アレルギーのリスクも低減できます。
リップクリームを塗るタイミングは、外出前・就寝前・洗顔後などが特に効果的です。また、就寝前に厚めに塗ることで、夜間の乾燥を防ぎ翌朝の唇の状態を改善する効果が期待できます。ワセリンは純粋な保湿剤として刺激が少なく、赤ちゃんの肌にも使われるほど安全性が高いため、敏感な唇にも使いやすい選択肢です。
👴 室内の湿度を適切に保つ
室内の湿度を40〜60%程度に保つことが、唇を含む皮膚全体の乾燥予防に効果的です。加湿器の使用や、室内に洗濯物を干すことで湿度を上げることができます。デスクワークが多い方は、デスクに小型の加湿器を置くだけでも乾燥対策になります。
🔸 栄養バランスの取れた食事を心がける
唇の健康を保つために、特に以下の栄養素を意識した食事を心がけましょう。ビタミンB2は豚肉・レバー・乳製品・納豆・卵などに多く含まれています。ビタミンB6は鶏肉・魚(特にサバやマグロ)・バナナ・ナッツ類などから摂取できます。ビタミンCはパプリカ・キウイフルーツ・ブロッコリー・柑橘類に豊富です。ビタミンEはナッツ類・植物油・アボカドなどに含まれています。
食事からの摂取が難しい場合は、サプリメントを活用することも一つの選択肢ですが、過剰摂取に注意し、必要に応じて医師や栄養士に相談することをおすすめします。
💧 紫外線から唇を守る
日焼け止め効果(SPF・PA)のあるリップクリームを使用することで、唇への紫外線ダメージを防ぐことができます。特に屋外での活動が多い日や、海・山・スキー場など紫外線が強い環境では、唇の紫外線ケアも忘れないようにしましょう。
✨ 鼻呼吸を意識する
日中の活動中は意識的に鼻呼吸を心がけましょう。鼻炎やアレルギーがあって鼻が詰まりやすい場合は、耳鼻科での治療を受けることが口呼吸改善の近道です。また、睡眠中の口呼吸を防ぐために、専用のテープで口を閉じる「口テープ」を活用する方もいますが、使用する際は適切な方法で行ってください。
📌 唇の角質ケア(スクラブ)は慎重に
唇の古い角質を除去するためにリップスクラブを使用することがありますが、頻繁に行うことは逆効果になる場合があります。スクラブは週に1〜2回程度に留め、使用後はしっかりと保湿を行うことが重要です。また、唇に炎症や傷がある状態でのスクラブは避けてください。
Q. 唇の乾燥が改善しない場合はどこに相談すべきですか?
セルフケアを続けても改善しない場合や、赤み・腫れ・かゆみを伴う場合は、口唇炎やアレルギー性接触皮膚炎など治療が必要な状態が考えられるため、皮膚科の受診をおすすめします。アイシークリニックでも唇のお悩みに関するご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
📝 7. 唇の乾燥がひどい場合は医療機関へ
セルフケアを続けても唇の乾燥が改善しない場合や、乾燥以外の症状(赤み・腫れ・かゆみ・ひどいひび割れ・出血など)が伴う場合は、医療機関を受診することをおすすめします。
▶️ 受診する科の目安
唇の乾燥や荒れが主な症状である場合は、皮膚科を受診するのが一般的です。皮膚科では、口唇炎・アレルギー性接触皮膚炎・感染症などの診断と治療を行うことができます。また、全身症状(倦怠感・体重変化・多飲多尿など)が伴う場合は内科での検査も有用です。
🔹 医療機関での治療
医療機関では、症状の原因に応じた治療が行われます。口唇炎の場合は外用ステロイド薬や保湿剤が処方されることがあります。感染が関与している場合は抗菌薬や抗真菌薬が使用されることもあります。アレルギーが疑われる場合はアレルゲン検査を行い、原因物質を特定して除去する治療が行われます。栄養不足が原因の場合はビタミン剤の内服が処方されることもあります。
なお、唇の変化が気になる場合として、白い斑点(白板症)や赤い斑点(紅板症)が現れた場合は、口腔外科や歯科口腔外科を受診することが重要です。これらは口腔がんの前段階となる可能性があるため、早期の診断が大切です。
📍 美容医療によるリップケア
慢性的な唇の乾燥や、乾燥によって生じた縦ジワ・くすみなどが気になる場合には、美容医療によるアプローチも選択肢のひとつです。ヒアルロン酸を唇に注入することで保湿と形の改善を同時に行う方法や、レーザー治療によって唇の色調を整える治療などが行われています。
ただし、美容医療を検討する際は、まず現在の唇の乾燥の原因を皮膚科などで診断・治療してもらうことが先決です。炎症がある状態での施術はリスクがあるため、医師との十分な相談のうえで判断することが重要です。アイシークリニック大宮院では、唇のお悩みに関するご相談も承っておりますので、気になる方はぜひお気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、唇の乾燥を主訴にご来院される患者様の多くが、「唇をなめる」「皮をむく」といったNG行動を無意識に繰り返していることが見受けられます。唇は皮脂腺がなく角質層も薄いため、日常のちょっとした習慣が乾燥を慢性化させてしまうことが少なくありません。セルフケアを続けても改善が見られない場合や、赤みや腫れを伴う場合には、口唇炎やアレルギーなど治療が必要な状態が隠れていることもありますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
💡 よくある質問
唇には皮脂腺がほとんどなく、角質層も通常の皮膚より薄いため、水分が蒸発しやすい構造になっています。さらに汗腺もないため自力での保湿機能が低く、食事・会話・表情の変化による摩擦も加わることで、わずかな環境変化でも乾燥が起こりやすくなっています。
唾液に含まれる消化酵素が唇の皮膚を刺激・ダメージし、さらに唾液が蒸発する際に唇本来の水分まで奪ってしまうためです。一時的に潤った感覚があっても、なめた後はなめる前より乾燥が悪化します。この繰り返しが慢性的な乾燥の悪循環を招くため、極力避けることが重要です。
ワセリン・シアバター・ホホバオイルなどの保湿成分が含まれているものを選ぶと効果的です。また、香料・着色料・防腐剤が少ないシンプルな成分のものを選ぶことで、アレルギーによる口唇炎のリスクを減らせます。特に敏感な唇にはワセリンベースの製品が安全性の面でおすすめです。
セルフケアを続けても改善が見られない場合や、赤み・腫れ・かゆみ・ひどいひび割れなどを伴う場合は、口唇炎やアレルギー性接触皮膚炎など治療が必要な状態の可能性があります。まず皮膚科への受診をおすすめします。当院でも唇のお悩みに関するご相談を承っております。
はい、あります。シェーグレン症候群・甲状腺機能低下症・糖尿病などの疾患が慢性的な唇の乾燥として現れることがあります。また、薬の副作用が原因になるケースもあります。倦怠感・体重変化・多飲多尿など他の全身症状を伴う場合は、皮膚科だけでなく内科での検査も検討することをおすすめします。
✨ まとめ
唇の乾燥は、皮脂腺がなく角質層が薄いという唇の構造的な特性から、誰にでも起こりやすい症状です。その原因は空気の乾燥・水分不足・紫外線・口呼吸・栄養不足・生活習慣の乱れなど多岐にわたり、場合によっては疾患や薬の副作用として現れることもあります。
唇の乾燥を防ぐためには、適切な水分補給・保湿ケア・室内環境の整備・栄養バランスの改善・紫外線対策などを組み合わせて取り組むことが大切です。また、唇をなめる・皮を剥くなどのNG行動を避けることも重要です。
セルフケアを続けても改善が見られない場合や、乾燥以外の症状が伴う場合は、皮膚科などの医療機関を受診することをおすすめします。唇の状態は体全体の健康状態を映す鏡でもあります。慢性的な唇の乾燥をそのままにせず、原因を正しく把握して適切なケアを行うことで、健康で潤いある唇を保ちましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 口唇炎・接触性皮膚炎・シェーグレン症候群など唇の乾燥に関連する皮膚疾患の診断基準および治療ガイドラインの参照
- 厚生労働省 – ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンEなど唇の健康維持に関わる栄養素の摂取基準および食事バランスに関する公式情報の参照
- PubMed – 口唇炎・唇の乾燥メカニズム・リップケアの有効成分(ワセリン・シアバターなど)に関する国際的な医学研究論文および臨床エビデンスの参照
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務