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インフルエンザの熱が1日で下がる理由と注意点:早期回復の背景を医師が解説

はじめに

冬になると流行するインフルエンザ。高熱や全身の倦怠感など、つらい症状に悩まされる方も多いでしょう。一般的にインフルエンザの発熱は数日間続くことが知られていますが、中には「熱が1日で下がった」という経験をお持ちの方もいらっしゃいます。

熱が早く下がることは一見良いことのように思えますが、実は注意が必要なケースもあります。本記事では、インフルエンザの熱が1日で下がる理由、その背景にあるメカニズム、そして注意すべきポイントについて、アイシークリニック大宮院の医師が詳しく解説します。

インフルエンザの基礎知識

インフルエンザとは

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる急性呼吸器感染症です。一般的な風邪とは異なり、突然の高熱や全身症状を特徴とします。

厚生労働省によれば、インフルエンザウイルスにはA型、B型、C型の3種類があり、流行の中心となるのはA型とB型です。特にA型インフルエンザは変異しやすく、世界的な大流行(パンデミック)を引き起こすこともあります。

インフルエンザの感染経路

インフルエンザは主に以下の経路で感染します。

飛沫感染が最も一般的な感染経路です。感染者のくしゃみや咳によって飛び散ったウイルスを含む飛沫を、周囲の人が口や鼻から吸い込むことで感染します。飛沫は1~2メートル程度飛散すると言われています。

接触感染も重要な感染経路です。ウイルスが付着したドアノブや手すり、電車のつり革などを触った手で、自分の口や鼻、目などの粘膜に触れることで感染します。

国立感染症研究所のデータによれば、インフルエンザウイルスの潜伏期間は通常1~3日程度で、感染力が最も強いのは発症前日から発症後3~7日間とされています。

インフルエンザの典型的な症状

インフルエンザの主な症状は以下の通りです。

突然の高熱が最も特徴的な症状です。38度以上、多くの場合39度から40度の高熱が急激に出現します。この高熱は通常3~4日間続くことが一般的です。

全身症状も顕著に現れます。強い倦怠感、頭痛、関節痛、筋肉痛などが全身に及びます。これらの症状は風邪よりも強く現れることが特徴です。

呼吸器症状としては、咳、のどの痛み、鼻水などが見られます。これらの症状は発熱とともに、あるいは解熱後に強くなることもあります。

消化器症状が現れることもあります。特に小児では、吐き気、嘔吐、下痢などの症状を伴うことがあります。

インフルエンザの熱が下がるまでの一般的な経過

通常の発熱パターン

インフルエンザの発熱は、一般的に以下のような経過をたどります。

発症初日は、突然38度以上の高熱が出現します。多くの場合、朝は平熱だったのに、夕方から夜にかけて急激に体温が上昇します。この急激な発熱とともに、悪寒や倦怠感などの全身症状が強く現れます。

2~3日目には、熱が最も高い時期を迎えます。39度から40度の高熱が持続し、全身の倦怠感や関節痛、筋肉痛などの症状も強くなります。この時期が最もつらい時期といえるでしょう。

4~5日目になると、徐々に熱が下がり始めます。解熱剤を使用していない場合でも、自然に体温が下がってきます。ただし、一度下がった熱が再び上がる「二峰性発熱」のパターンを示すこともあります。

日本感染症学会のガイドラインでは、インフルエンザの発熱期間は通常3~5日程度とされており、1週間程度で大半の症状が軽快するとされています。

解熱後の注意点

熱が下がったからといって、すぐに通常の生活に戻れるわけではありません。解熱後も以下の点に注意が必要です。

ウイルスの排出が続いている可能性があります。熱が下がってからも2日間程度は、まだウイルスを排出している可能性が高いとされています。そのため、厚生労働省は、学校保健安全法に基づき、「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」を出席停止期間としています。

体力の回復には時間がかかります。発熱による体力の消耗は想像以上に大きく、解熱後も倦怠感が残ることがあります。無理をすると症状が長引いたり、合併症のリスクが高まったりする可能性があります。

咳などの呼吸器症状が残ることもあります。熱が下がった後も、咳や痰などの症状が1~2週間程度続くことは珍しくありません。

インフルエンザの熱が1日で下がるケース

早期の抗インフルエンザ薬使用

インフルエンザの熱が1日で下がる最も一般的な理由は、発症早期に抗インフルエンザ薬を使用した場合です。

オセルタミビル(タミフル)、ザナミビル(リレンザ)、ラニナミビル(イナビル)、バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)などの抗インフルエンザ薬は、ウイルスの増殖を抑える働きがあります。これらの薬剤を発症後48時間以内、できれば24時間以内に服用することで、ウイルスの増殖を早期に抑制し、発熱期間を1~2日短縮できることが報告されています。

特にバロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)は、1回の服用でウイルスの増殖を強力に抑制する新しいタイプの薬剤です。従来の薬剤よりも早期にウイルス量を減少させる効果があり、症状の改善も早いとされています。

発症後すぐに医療機関を受診し、適切な抗インフルエンザ薬を処方してもらうことで、熱が1日程度で下がるケースは珍しくありません。ただし、これは薬剤の効果によるものであり、体内にはまだウイルスが残っている可能性があることに注意が必要です。

軽症のインフルエンザ

個人の免疫力や体力、ウイルスの型によっては、比較的軽症で経過するインフルエンザもあります。

若くて健康な成人では、免疫システムが効率的に働き、ウイルスの増殖を早期に抑制できることがあります。このような場合、高熱が出ても1日程度で下がることがあります。

過去に同じ型のインフルエンザに感染したことがある場合や、ワクチン接種によって部分的な免疫を獲得している場合も、症状が軽く済むことがあります。完全に感染を防ぐことはできなくても、重症化を防ぐ効果が期待できます。

B型インフルエンザは、A型と比べて症状が軽い傾向があります。B型の場合、発熱しても38度台前半程度で、1~2日で解熱することも珍しくありません。

解熱剤の使用

解熱剤を使用することで、一時的に熱が下がることがあります。

アセトアミノフェン(カロナールなど)は、インフルエンザの際に使用できる解熱剤です。体温を下げることで、発熱に伴うつらさを軽減できます。ただし、解熱剤はあくまで対症療法であり、ウイルスそのものを退治する効果はありません。

注意すべき点として、解熱剤の効果が切れると再び熱が上がることが多いということがあります。一時的に熱が下がったからといって、インフルエンザが治ったわけではありません。

また、非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)の一部は、インフルエンザの際には使用を避けるべきとされています。特に小児では、アスピリンやジクロフェナクナトリウムなどの使用により、インフルエンザ脳症やライ症候群のリスクが高まる可能性が指摘されています。

初期の軽度発熱後の急速な免疫応答

まれなケースですが、感染初期の軽度な発熱の後、体の免疫システムが急速に反応してウイルスを抑え込むことがあります。

このような場合、発熱は37度台から38度台前半程度で、本格的な高熱に至る前に免疫システムがウイルスを制圧します。その結果、発熱が1日程度で治まることがあります。

ただし、このようなケースは比較的まれであり、多くの場合は上記の他の要因が関与していると考えられます。

熱が早く下がることの注意点

ウイルスはまだ体内に残っている

熱が1日で下がったとしても、インフルエンザウイルスはまだ体内に残っている可能性が高いことを理解しておく必要があります。

抗インフルエンザ薬を使用した場合でも、ウイルスの増殖を抑えているだけで、完全にウイルスを排除したわけではありません。体内からウイルスが完全に排出されるまでには、数日間を要します。

国立感染症研究所の研究によれば、抗インフルエンザ薬を使用した場合でも、発症後5日間程度はウイルスの排出が続くとされています。

そのため、熱が下がったからといってすぐに外出したり、人と接触したりすると、他の人に感染を広げてしまう可能性があります。

二峰性発熱のリスク

インフルエンザでは、一度熱が下がった後、再び熱が上がる「二峰性発熱」というパターンを示すことがあります。

二峰性発熱は、初回の発熱から1~2日後に再び発熱するパターンです。これは、ウイルスの再増殖や、二次的な細菌感染などが原因で起こることがあります。

特に解熱剤のみを使用して熱を下げた場合や、抗インフルエンザ薬の効果が不十分だった場合に、二峰性発熱が見られることがあります。

一度熱が下がったからといって安心せず、数日間は様子を見ることが重要です。再び熱が上がったり、症状が悪化したりした場合は、速やかに医療機関を受診する必要があります。

合併症のリスク

熱が早く下がった場合でも、インフルエンザの合併症のリスクはあります。

肺炎は、インフルエンザの最も一般的な合併症の一つです。インフルエンザウイルスによる肺炎(ウイルス性肺炎)や、細菌の二次感染による肺炎(細菌性肺炎)が起こることがあります。特に高齢者や基礎疾患のある方では、肺炎のリスクが高くなります。

インフルエンザ脳症は、主に小児に見られる重篤な合併症です。発症後1~2日以内に、意識障害やけいれん、異常行動などの症状が現れます。早期の対応が重要であり、このような症状が見られた場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。

心筋炎や心外膜炎などの循環器系の合併症も報告されています。胸痛や息切れ、動悸などの症状が現れた場合は注意が必要です。

中耳炎や副鼻腔炎などの合併症も、特に小児では起こりやすいとされています。

これらの合併症は、熱が下がった後に発症することもあります。そのため、解熱後も体調の変化に注意を払い、新たな症状が現れた場合は医療機関を受診することが重要です。

職場や学校への復帰時期

熱が1日で下がったとしても、すぐに職場や学校に復帰することは避けるべきです。

学校保健安全法では、インフルエンザの出席停止期間を「発症後5日を経過し、かつ解熱後2日(幼児は3日)を経過するまで」と定めています。これは、この期間中はまだ感染力が残っている可能性が高いためです。

社会人の場合、法的な規定はありませんが、同様の基準を適用することが推奨されます。職場での感染拡大を防ぐためにも、十分な期間の自宅療養が必要です。

熱が早く下がったからといって早期に復帰すると、周囲に感染を広げるだけでなく、自分自身の回復も遅れる可能性があります。

インフルエンザの診断と治療

診断方法

インフルエンザの診断には、いくつかの方法があります。

迅速抗原検査キットが最も一般的に用いられる診断方法です。鼻腔や咽頭から採取した検体を用いて、10~15分程度で結果が判明します。感度は比較的高いですが、発症後12~24時間以内では偽陰性(実際は感染しているのに陰性と出る)の可能性もあります。

臨床診断も重要です。流行期に典型的な症状(突然の高熱、全身症状など)がある場合、迅速検査が陰性でもインフルエンザと診断し、治療を開始することがあります。

PCR検査や遺伝子検査は、より正確な診断が可能ですが、結果が出るまでに時間がかかるため、一般的な臨床現場ではあまり用いられません。重症例や特殊なケースで使用されることがあります。

抗インフルエンザ薬

現在、日本で使用できる抗インフルエンザ薬には以下のものがあります。

オセルタミビル(タミフル)は、内服薬として広く使用されています。1日2回、5日間服用します。発症後48時間以内に服用を開始することで、発熱期間を約1日短縮する効果があります。

ザナミビル(リレンザ)は、吸入薬です。1日2回、5日間吸入します。効果はオセルタミビルと同等とされています。

ラニナミビル(イナビル)も吸入薬ですが、1回の吸入で治療が完了するという特徴があります。服薬管理が容易であるため、特に小児や高齢者に適しています。

バロキサビル マルボキシル(ゾフルーザ)は、最も新しいタイプの抗インフルエンザ薬です。1回の内服で治療が完了し、従来の薬剤とは異なるメカニズムでウイルスの増殖を抑制します。ウイルス量の減少が早いという特徴があります。

これらの薬剤は、発症後できるだけ早く、理想的には24時間以内、遅くとも48時間以内に使用を開始することが重要です。それ以降に使用した場合、効果が十分に得られない可能性があります。

対症療法

抗インフルエンザ薬以外にも、症状を和らげるための対症療法が重要です。

解熱剤としては、アセトアミノフェンが推奨されます。発熱に伴う不快感を軽減し、休息を取りやすくします。ただし、解熱剤は熱を下げるだけで、ウイルスを退治する効果はないことを理解しておく必要があります。

十分な水分補給が重要です。発熱により体内の水分が失われるため、こまめに水分を摂取する必要があります。経口補水液やスポーツドリンクなども有効です。

安静が基本です。無理をせず、十分な休息を取ることで、体の免疫力を高め、回復を早めることができます。

室内の環境整備も大切です。適度な湿度(50~60%)を保つことで、のどの乾燥を防ぎ、ウイルスの活動も抑制できます。

医療機関の受診タイミング

インフルエンザが疑われる場合、以下のような状況では速やかに医療機関を受診することが推奨されます。

高熱が出た場合、特に38度以上の発熱がある場合は、できるだけ早く受診することが望ましいです。発症後48時間以内に抗インフルエンザ薬を開始することで、最大の効果が期待できます。

高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患(糖尿病、心疾患、呼吸器疾患など)のある方は、重症化のリスクが高いため、早期の受診が特に重要です。

呼吸困難、意識障害、けいれん、異常行動などの重篤な症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診するか、救急車を要請する必要があります。

受診の際は、事前に医療機関に電話で連絡し、インフルエンザの可能性があることを伝えることが推奨されます。これにより、他の患者への感染を防ぐための適切な対応が取られます。

インフルエンザの予防

ワクチン接種

インフルエンザワクチンは、最も有効な予防手段の一つです。

厚生労働省によれば、ワクチンの発症予防効果は約50~60%とされています。完全に感染を防ぐことはできませんが、感染した場合でも重症化を防ぐ効果が期待できます。

ワクチンの効果は、接種後2週間程度で現れ、約5ヶ月間持続するとされています。日本では通常、流行期である12月から3月に備えて、10月から12月上旬頃までにワクチン接種を受けることが推奨されています。

高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患のある方など、重症化のリスクが高い方は、特にワクチン接種が推奨されます。また、医療従事者や高齢者施設の職員など、感染リスクが高い職業の方にも接種が推奨されています。

ワクチン接種後も、手洗いやマスク着用などの基本的な感染予防対策を継続することが重要です。

日常生活での予防対策

ワクチン接種以外にも、日常生活で実践できる予防対策があります。

手洗いは最も基本的で効果的な予防法です。外出から帰った後、食事の前、トイレの後など、こまめに石鹸で手を洗うことで、手についたウイルスを洗い流すことができます。20秒以上かけて、手のひら、手の甲、指の間、爪の間、手首まで丁寧に洗うことが重要です。

マスクの着用も有効です。特に人混みや公共交通機関を利用する際には、マスクを着用することで、飛沫感染のリスクを減らすことができます。また、自分が感染している場合には、他人への感染を防ぐ効果もあります。

うがいも推奨される予防法です。帰宅後にうがいをすることで、のどに付着したウイルスを洗い流すことができます。

人混みを避けることも重要です。特に流行期には、不要不急の外出を控え、人混みを避けることで、感染のリスクを減らすことができます。

室内の換気と湿度管理も大切です。定期的に換気を行い、室内の湿度を50~60%に保つことで、ウイルスの活動を抑制し、のどや鼻の粘膜の防御機能を保つことができます。

十分な睡眠とバランスの取れた食事により、体の免疫力を高めることも予防に役立ちます。

家族内での感染予防

家族の中にインフルエンザ患者が出た場合、家族内での感染拡大を防ぐための対策が重要です。

患者の隔離が可能であれば、専用の部屋を用意し、他の家族との接触を最小限にします。特に高齢者や乳幼児、基礎疾患のある家族がいる場合は、隔離が推奨されます。

看病する人は特定の1人に限定し、その人もマスクを着用するなどの感染防止対策を徹底します。

タオルや食器などの共用を避け、患者専用のものを用意します。

患者が使用した部屋やトイレは、こまめに消毒します。アルコール消毒液や次亜塩素酸ナトリウムを含む消毒液が有効です。

換気を頻繁に行い、室内のウイルス濃度を下げることも重要です。

予防投与として、抗インフルエンザ薬を使用することもあります。特に高リスクの家族がいる場合や、家族内での感染拡大を防ぐ必要がある場合に検討されることがあります。ただし、予防投与は保険適用外となる場合が多いため、医師と相談する必要があります。

特殊なケース:インフルエンザの非典型的な経過

無症状や軽症のインフルエンザ

インフルエンザに感染しても、全員が典型的な症状を呈するわけではありません。

無症状感染者も一定数存在します。ワクチン接種を受けている人や、過去に同じ型のインフルエンザに感染したことがある人では、無症状または軽症で経過することがあります。このような場合、本人は気づかないうちに他人に感染を広げてしまう可能性があるため、流行期には注意が必要です。

軽症例では、発熱しても37度台から38度台前半程度で、全身症状も軽度です。このような場合、普通の風邪と区別がつきにくく、インフルエンザと気づかずに通常の生活を続けてしまうことがあります。

高齢者のインフルエンザ

高齢者のインフルエンザは、非典型的な経過をたどることがあります。

高齢者では、発熱が軽度であったり、全身症状が目立たなかったりすることがあります。その一方で、肺炎などの合併症を起こしやすく、重症化のリスクが高いという特徴があります。

食欲不振、活動性の低下、意識レベルの低下などの非特異的な症状のみが現れることもあります。このような症状が見られた場合、インフルエンザの可能性を考慮する必要があります。

高齢者では、インフルエンザをきっかけに基礎疾患が悪化することもあります。心不全や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などの悪化に注意が必要です。

小児のインフルエンザ

小児のインフルエンザも、成人とは異なる特徴があります。

乳幼児では、発熱以外に、不機嫌、哺乳力の低下、呼吸が速いなどの症状が見られます。熱性けいれんを起こすこともあります。

学童期の子供では、典型的なインフルエンザの症状を呈することが多いですが、インフルエンザ脳症などの重篤な合併症のリスクがあります。異常行動や意識障害などの症状が現れた場合は、直ちに医療機関を受診する必要があります。

小児では、消化器症状(嘔吐、下痢など)を伴うことも多く、脱水のリスクがあります。十分な水分補給が重要です。

まとめ

インフルエンザの熱が1日で下がることは、抗インフルエンザ薬の早期使用や個人の免疫力によって起こりえます。しかし、熱が早く下がったからといって、インフルエンザが完全に治ったわけではありません。

体内にはまだウイルスが残っており、他人に感染させる可能性があります。また、二峰性発熱や合併症のリスクもあるため、解熱後も十分な注意が必要です。

学校保健安全法に基づく出席停止期間(発症後5日を経過し、かつ解熱後2日を経過するまで)を守り、職場や学校への早期復帰は避けることが重要です。これは、自分自身の回復を確実にするためだけでなく、周囲への感染拡大を防ぐためにも必要です。

インフルエンザの予防には、ワクチン接種が最も効果的です。加えて、手洗い、マスク着用、人混みを避けるなどの日常的な予防対策を実践することで、感染のリスクを減らすことができます。

もしインフルエンザが疑われる症状が現れた場合は、早期に医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。特に高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患のある方は、重症化のリスクが高いため、早めの受診が推奨されます。

インフルエンザは、適切な対応と十分な療養により、多くの場合は問題なく回復します。しかし、油断せず、正しい知識を持って対処することが重要です。この記事が、インフルエンザについての理解を深め、適切な対応をする一助となれば幸いです。

参考文献

  1. 厚生労働省「インフルエンザQ&A」 https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou01/qa.html
  2. 国立感染症研究所「インフルエンザとは」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/a/flu.html
  3. 日本感染症学会「インフルエンザ診療ガイドライン」 http://www.kansensho.or.jp/guidelines/1711_influenza.html
  4. 日本小児科学会「小児のインフルエンザの診断・治療」 https://www.jpeds.or.jp/
  5. 国立感染症研究所「インフルエンザ流行レベルマップ」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/flu-map.html

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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