頭を洗っているときやブラッシングの際に、ふと気づいた頭皮のイボ。「これは何だろう?」「放っておいても大丈夫?」と不安に感じていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。
頭皮は髪の毛に覆われているため、自分では確認しづらい部位です。しかし、頭皮も皮膚の一部である以上、顔や体と同様にイボができることがあります。シャンプー時に爪で引っかいてしまったり、帽子をかぶるときに違和感があったりと、日常生活でストレスを感じることも少なくありません。
本記事では、頭にできるイボの種類や原因、良性と悪性の見分け方、そして除去方法について詳しく解説いたします。大宮エリアで頭のイボ除去をお考えの方は、ぜひ参考になさってください。
目次
- 頭にイボができる仕組みとは
- 頭皮にできるイボの主な種類
- 頭のイボができる原因
- 良性と悪性の見分け方
- 頭のイボを放置するリスク
- 頭のイボの除去方法
- 治療後のケアと注意点
- 頭のイボを予防するために
- 受診の目安とクリニック選びのポイント
- まとめ
- 参考文献
1. 頭にイボができる仕組みとは
イボとは、皮膚から盛り上がった小さなできものを指す俗称です。医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、良性腫瘍から悪性腫瘍まで、さまざまな種類のものが含まれます。
皮膚は表面から順に、表皮、真皮、皮下組織という3つの層で構成されています。表皮はさらに細かく分かれており、一番外側に角質層、その下に顆粒層、有棘層、そして一番深いところに基底層があります。イボが形成されるのは、この表皮を構成する角化細胞(ケラチノサイト)が何らかの原因で過剰に増殖したときです。
頭皮は毛穴が密集しており、皮脂分泌が非常に多い部位です。この特性から、「脂漏(しろう)」という皮脂分泌が過剰な状態になりやすく、脂漏性角化症というイボが特にできやすい場所でもあります。また、頭頂部は紫外線を浴びやすいことから、紫外線の影響を受けたイボが発生しやすい部位でもあります。
2. 頭皮にできるイボの主な種類
頭皮にできるイボには、大きく分けてウイルス性のものと非ウイルス性のものがあります。それぞれの特徴を詳しく見ていきましょう。
脂漏性角化症(老人性イボ)
頭皮にできるイボの中で最も多いのが脂漏性角化症です。「老人性イボ」「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」とも呼ばれますが、30代頃から出現し始め、加齢とともに増加する傾向があります。
脂漏性角化症の特徴は以下の通りです。
見た目としては、境界がはっきりした褐色から黒褐色のイボで、表面がざらざらしていることが多いです。最初は平坦でシミのように見えることもありますが、時間の経過とともに徐々に盛り上がってきます。大きさは数ミリから数センチとさまざまで、肌色から茶色、黒色まで色調も個人差があります。
脂漏性角化症は良性腫瘍であり、がん化することは基本的にありません。ただし、衣服や帽子にこすれて炎症を起こしたり、かゆみや赤みを伴ったりすることがあります。また、見た目が気になるという理由で除去を希望される方も多くいらっしゃいます。
尋常性疣贅(ウイルス性イボ)
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚に感染することで発生するイボです。「尋常性」とは「一般的な」という意味であり、最もよく見られるタイプのウイルス性イボを指します。
HPVは150種類以上の型が確認されており、感染するウイルスの型によってイボの見た目や発生しやすい部位が異なります。尋常性疣贅は主にHPV2型、4型、7型、27型、57型などが原因となります。
頭皮にできる尋常性疣贅の特徴としては、表面がざらざらして硬く、肌色から灰白色をしていることが多いです。頭をぶつけて傷ができたり、爪で引っかいたりした箇所からウイルスが侵入して発症することがあります。また、顔面や頭部では花びらが開いたような形態をとったり、糸のように細く突き出した糸状疣贅と呼ばれる形態になることもあります。
ウイルス性イボの厄介な点は、感染性があることです。イボを触った手で他の部位を触ると、そこにも新たなイボができる可能性があります(自家接種)。また、他の人にうつしてしまう可能性もあるため、早めの治療が推奨されます。
軟性線維腫(アクロコルドン・スキンタッグ)
軟性線維腫は、首や脇の下によくみられる柔らかい皮膚の突起物ですが、頭皮にできることもあります。アクロコルドンやスキンタッグとも呼ばれ、ウイルス感染ではなく加齢に伴って出現する良性腫瘍です。
やわらかく、ぶら下がるような形をしていることが多く、脂漏性角化症と同様に放置しても基本的に問題ありません。ただし、引っかかりやすく、衣服や櫛で傷つけてしまうことがあるため、気になる場合は除去することも可能です。
その他のできもの
頭皮には上記以外にも、粉瘤(アテローム)、ほくろ、脂肪腫などさまざまなできものが発生することがあります。これらはイボとは厳密には異なりますが、一般の方には区別がつきにくいことも多いです。
粉瘤は皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂が溜まったものです。放置すると徐々に大きくなり、細菌感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがあります。
3. 頭のイボができる原因
頭のイボができる原因は、イボの種類によって異なります。主な原因を詳しく見ていきましょう。
加齢と紫外線の影響
脂漏性角化症の主な原因は、加齢による皮膚の老化と紫外線の蓄積です。
人間の皮膚は、一定の周期で細胞が生まれ変わるターンオーバーというサイクルを持っています。平均的なターンオーバーの周期は約28日間とされていますが、年齢を重ねるとこの周期が乱れ、古くなった細胞やメラニン色素が排出されにくくなります。
紫外線を浴びると、肌を守るためにメラノサイトでメラニン色素が作られます。正常なターンオーバーが行われていればメラニン色素は垢となって剥がれ落ちますが、ターンオーバーが乱れるとメラニン色素が皮膚に蓄積してシミとなります。そのシミが盛り上がってくると、脂漏性角化症として認識されるようになります。
頭頂部は帽子をかぶらない限り常に紫外線にさらされる部位であり、顔と同様に脂漏性角化症ができやすい場所です。特に髪の毛が薄くなってきた方は、頭皮への紫外線ダメージが蓄積しやすくなります。
ウイルス感染
尋常性疣贅の原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染です。
HPVは正常な健康な皮膚には感染しにくく、皮膚に小さな傷があるとそこからウイルスが侵入して角化細胞に感染します。感染した角化細胞は活性化して過剰に増殖し、その結果としてイボが形成されます。
頭皮の場合、以下のような状況でウイルス感染が起こりやすくなります。
頭をぶつけて傷ができた場合、シャンプー時に爪で強く引っかいた場合、乾燥によって頭皮のバリア機能が低下している場合、アトピー性皮膚炎などの基礎疾患がある場合などが挙げられます。
また、免疫力が低下している状態ではウイルスに感染しやすく、イボができやすいとされています。
遺伝的要因
脂漏性角化症には遺伝的な要因も関係していると考えられています。両親にイボが多い場合、子どもにも出現しやすい傾向があります。ただし、詳しいメカニズムについてはまだ完全には解明されていません。
摩擦や刺激
帽子やヘルメットを長時間かぶることによる摩擦や、頻繁に頭を触る習慣なども、イボの発生や悪化に関係することがあります。物理的な刺激が繰り返されることで、皮膚細胞の増殖が促進される可能性があります。
4. 良性と悪性の見分け方
頭にできたイボの多くは良性ですが、まれに悪性腫瘍(皮膚がん)であることがあります。自己判断は危険ですが、以下のような特徴がある場合は特に注意が必要です。
悪性を疑う兆候
悪性腫瘍(皮膚がん)を疑うべき特徴として、以下の5つのポイントが挙げられます。
第一に、イボが急に大きくなってきた場合です。良性のイボも少しずつ大きくなることはありますが、短期間で急激に増大する場合は注意が必要です。
第二に、黒くにじんだような見た目をしている場合です。境界がぼやけていたり、色むらがあったりする場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性があります。
第三に、表面がジクジクして血や膿が出る場合です。良性のイボは通常、自然に出血したり膿んだりすることはありません。
第四に、イボから悪臭がする場合です。腫瘍から体液が染み出したり、細菌感染を起こしたりすると悪臭を伴うことがあります。
第五に、かさぶたのような傷が治らない場合です。通常の傷は時間とともに治癒しますが、悪性腫瘍による傷はなかなか治りません。
頭皮に発生しやすい悪性腫瘍
頭皮に発生することがある主な悪性腫瘍について説明します。
有棘細胞癌(ゆうきょくさいぼうがん)は、表皮の有棘層にある細胞ががん化した皮膚がんです。紫外線を浴びやすい顔や頭皮に発生しやすく、通常の肌色から鮮やかな赤色に変化し、皮膚表面は乾燥したように硬くなります。しこりのように盛り上がるため、イボと間違われることがあります。表面がもろく崩れやすく、少しの摩擦で傷になってジクジクしたり、かさぶたのような状態になったりします。
基底細胞癌(きていさいぼうがん)は、表皮の最下層である基底層の細胞ががん化したものです。ほくろに似ていますが、青黒く表面に光沢があり、より硬い隆起した病変として現れます。中央部分が崩れてへこんでくることもあります。転移することは極めてまれですが、確実に切除しないと局所再発を繰り返し、周囲の組織を破壊していきます。
悪性黒色腫(メラノーマ)は、メラノサイトががん化した最も悪性度の高い皮膚がんです。ほくろやシミに似た褐色や黒色の色素斑として現れます。非対称で不規則な形、大きさが6mm以上、色むらがある、境界が不明瞭、大きさや硬さが変化するなどの特徴があります。
早期発見の重要性
悪性腫瘍は早期発見・早期治療が最も重要です。早期に完全切除を行えば、多くの場合で根治が期待できます。一方、放置して進行すると、転移のリスクが高まり、治療が困難になることがあります。
頭皮は自分では確認しづらい部位ですので、ご家族や美容院・理容院のスタッフに確認してもらうか、気になる症状がある場合は早めに皮膚科や形成外科を受診することをおすすめします。
5. 頭のイボを放置するリスク
頭のイボは良性であることがほとんどですが、放置することにはいくつかのリスクがあります。
肥大化のリスク
良性のイボであっても、放置しておくと少しずつ大きくなることがあります。イボが大きくなると、帽子をかぶるときや頭を洗うとき、ブラッシングをするときなど、日常生活でより不便を感じるようになります。
また、イボが大きくなればなるほど、除去した後の傷跡も大きくなりやすく、きれいに治すことが難しくなる傾向があります。
ウイルス性イボの拡大リスク
尋常性疣贅の場合、放置することでイボが増える可能性があります。イボを触った手で他の部位を触ると、そこにも新たなイボができる自家接種が起こります。また、家族など身近な人にうつしてしまうリスクもあります。
特にお子さんの場合、無意識にイボを触ってしまうことが多く、手足に広がってしまうケースも見られます。
炎症や感染のリスク
イボが引っかかって傷ついたり、無理に取ろうとしたりすると、炎症を起こしたり細菌感染を起こしたりすることがあります。感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴い、治療がより複雑になってしまいます。
悪性腫瘍の見逃しリスク
良性のイボだと思い込んで放置していたものが、実は悪性腫瘍だったというケースもあります。悪性腫瘍は早期発見・早期治療が極めて重要ですので、自己判断で放置することは避けるべきです。
6. 頭のイボの除去方法
頭のイボを除去する方法はいくつかあります。イボの種類や大きさ、患者さんの希望などを考慮して、最適な治療法を選択します。
液体窒素による凍結療法(冷凍凝固療法)
液体窒素による凍結療法は、イボ治療で最も広く行われている方法です。日本皮膚科学会の「尋常性疣贅診療ガイドライン」でも、推奨度A(行うよう強く勧められる)とされています。
治療方法は、マイナス196度の液体窒素を綿棒やスプレーでイボに当てて凍結させます。凍結と解凍を3〜4回繰り返すことで、イボの組織を壊死させます。
治療後1〜2日は痛みを伴うことがあり、水ぶくれや血豆ができることもあります。2〜3週間ほどでかさぶたになり、イボが脱落していきます。
メリットとしては、保険適用で治療できるため費用を抑えられること、特別な設備がなくても実施できること、広く普及している標準的な治療法であることが挙げられます。
デメリットとしては、1回の治療で完治することは少なく、通常は複数回の通院が必要になること、治療時に痛みを伴うこと、炎症後色素沈着(治療後にシミのような色素沈着が残ること)が起こる可能性があることが挙げられます。
頭皮の場合、髪の毛があるため液体窒素を当てにくい場合がありますが、髪を剃らずに治療することが可能です。
炭酸ガス(CO2)レーザーによる治療
炭酸ガスレーザーは、水に吸収されやすい波長の光を照射することで、イボの組織を蒸散させて除去する方法です。
局所麻酔を行ってからレーザーを照射するため、治療中の痛みはほとんどありません。治療後は1〜2週間程度、皮膚を保護する必要があります。
メリットとしては、1回の治療で除去できることが多いこと、削る深さを細かく調節できるため、きめ細かい治療が可能なこと、液体窒素よりも炎症後色素沈着が起こりにくく、美しく仕上がりやすいことが挙げられます。
デメリットとしては、美容目的の場合は保険適用外となり、自費診療になることが多いこと、設備のある医療機関でしか受けられないこと、処置の仕方によっては傷跡(瘢痕)が残る可能性があることが挙げられます。
頭皮のイボに対しても炭酸ガスレーザーは有効であり、特に脂漏性角化症の除去に適しています。
電気メス(電気焼灼法)による除去
電気メスを使用してイボを焼灼(焼き取る)する方法です。局所麻酔を行ってから治療するため、痛みはほとんどありません。
比較的小さなイボに適しており、治療時間も短く済みます。炭酸ガスレーザーと同様に、1回の治療で除去できることが多いです。
切開法(外科的切除)
メスを使ってイボを切除する方法です。直径6mm以上の大きなイボや、悪性腫瘍が疑われる場合に選択されます。
局所麻酔を行い、イボとその周辺組織を切除し、周囲の皮膚を縫い合わせます。切除した組織は病理検査に提出することで、良性か悪性かを確定診断することができます。
メリットとしては、大きなイボでも確実に除去できること、病理検査による確定診断ができること、イボの取り残しがないため再発リスクが低いことが挙げられます。
デメリットとしては、縫合が必要なため抜糸のための再診が必要なこと、線状の傷跡が残ること(時間とともに目立たなくなります)、頭皮の場合は髪の毛の一部を剃ることがあること(剃らずに治療できる場合もあります)が挙げられます。
内服薬による治療
ウイルス性イボの場合、ヨクイニン(ハトムギエキス)の内服が行われることがあります。ヨクイニンはイボのウイルスに対する免疫を活性化させる作用があるとされ、日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度B(行うよう勧められる)とされています。
ヨクイニンの利点は、液体窒素のような痛みを伴わないこと、お子さんでも内服可能なことです。ただし、効果が現れるまでに時間がかかり、数ヶ月の継続が必要になることがあります。液体窒素療法と併用して行われることも多いです。
治療法の選択
イボの治療法は、イボの種類、大きさ、数、発生部位、患者さんの年齢や希望などを総合的に考慮して選択します。一つの治療法だけでなく、複数の治療法を組み合わせることもあります。
頭皮のイボの場合、髪の毛があることや傷跡が見えにくいことから、液体窒素による凍結療法が第一選択となることが多いです。ただし、見た目をきれいに仕上げたい場合や、1回で除去したい場合は、炭酸ガスレーザーや切開法が選択されることもあります。
7. 治療後のケアと注意点
イボを除去した後は、適切なケアを行うことで、傷跡をきれいに治すことができます。
治療直後の注意点
液体窒素による治療後は、患部をこすったり刺激を与えたりしないように注意しましょう。水ぶくれができた場合は、自分で潰さないでください。潰してしまうと細菌感染のリスクが高まります。
シャンプーは通常、翌日から可能です。ただし、患部を強くこすらないように優しく洗いましょう。
レーザーや切開法による治療後は、医師の指示に従って軟膏を塗布したり、必要に応じてガーゼで保護したりします。頭皮の場合はテープやガーゼを貼りにくいため、止血を確認してからそのままお帰りいただくことが多いです。
傷跡を目立たなくするために
治療後は、患部を紫外線から守ることが大切です。紫外線を浴びると炎症後色素沈着が悪化する可能性があります。帽子や日傘を活用して、頭皮への紫外線を防ぎましょう。
炎症後色素沈着は多くの場合、数ヶ月から1年程度で徐々に薄くなっていきます。色素沈着が気になる場合は、医師に相談してください。
再発した場合
イボは治療しても再発することがあります。特にウイルス性イボは完全にウイルスを除去することが難しく、再発しやすい傾向があります。
再発した場合は、早めに再治療を受けましょう。放置すると大きくなったり数が増えたりする可能性があります。
8. 頭のイボを予防するために
イボの発生を完全に防ぐことは難しいですが、日常生活でできる予防策があります。
紫外線対策
脂漏性角化症の予防には、紫外線対策が重要です。頭皮は顔や腕のように日焼け止めを塗ることが難しいため、帽子や日傘で紫外線を防ぐことがポイントです。
特に紫外線が強い季節や時間帯(10時〜14時頃)は、できるだけ帽子を着用するようにしましょう。つばの広い帽子を選ぶと、顔や首も同時に保護できます。
頭皮の保湿ケア
頭皮が乾燥すると、肌のバリア機能が低下します。バリア機能が低下すると、紫外線の刺激を受けやすくなったり、ウイルスに感染しやすくなったりします。
頭皮用のオイルやローションを使って、適度な保湿ケアを行いましょう。シャンプー後に頭皮が突っ張る感じがある場合は、保湿が不足しているサインかもしれません。
頭皮を傷つけない
ウイルス性イボの予防には、頭皮に傷を作らないことが大切です。
シャンプー時は爪を立てずに、指の腹で優しく洗いましょう。頭皮が痒いときでも、強く引っかかないように注意してください。
また、ブラシや櫛は先端が丸いものを選び、頭皮を傷つけないようにしましょう。
生活習慣の改善
免疫力が低下すると、ウイルスに感染しやすくなります。以下のような生活習慣を心がけて、免疫力を維持しましょう。
十分な睡眠をとることは免疫力の維持に欠かせません。睡眠不足は免疫機能を低下させる原因になります。
バランスの取れた食事を心がけ、ビタミンやミネラルを十分に摂取しましょう。特にビタミンCやビタミンEは肌の健康維持に役立ちます。
適度な運動は血行を促進し、新陳代謝を活発にします。ストレス解消にもつながります。
過度のストレスは免疫力を低下させます。趣味の時間を持つなど、ストレス解消を意識しましょう。
イボがある場合の注意
すでにイボがある場合は、イボを触らないようにしましょう。イボを触った手で他の部位を触ると、ウイルスが広がる可能性があります。
タオルやブラシなどの共有も避けましょう。家族間でもイボがうつることがあります。
9. 受診の目安とクリニック選びのポイント
こんな症状があれば早めに受診を
以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科や形成外科を受診することをおすすめします。
イボが急に大きくなってきた場合、イボから出血がある場合、イボが痛む、かゆい場合、イボの色が変化してきた場合、イボから膿や浸出液が出る場合、イボが増えてきた場合、日常生活で不便を感じる場合、見た目が気になる場合などです。
良性のイボであっても、気になる場合は相談して構いません。専門医の診察を受けることで、安心することができます。
クリニック選びのポイント
頭のイボの治療を受ける場合、以下のような点を参考にクリニックを選んでみてください。
皮膚科専門医や形成外科専門医が在籍しているか確認しましょう。専門医は豊富な知識と経験を持っており、適切な診断と治療を受けることができます。
治療方法の選択肢が複数あるかも重要なポイントです。液体窒素だけでなく、レーザーや切開法など、複数の治療法から最適なものを選択できるクリニックが望ましいです。
丁寧な説明をしてくれるかどうかも大切です。治療方法のメリット・デメリット、費用、治療期間などについて、わかりやすく説明してくれるクリニックを選びましょう。
通いやすさも考慮しましょう。イボの治療は複数回の通院が必要になることがあります。通いやすい場所にあるクリニックを選ぶと、継続して治療を受けやすくなります。
保険適用と自費診療
イボの治療には、保険適用になるものと自費診療になるものがあります。
保険適用となる主な治療は、液体窒素による凍結療法、ヨクイニン内服、外科的切除(手術)などです。
自費診療となる主な治療は、美容目的のレーザー治療、電気焼灼法などです。
ただし、イボの種類や状態によっては保険適用の範囲が変わることがあります。詳しくは受診時にご確認ください。

10. まとめ
頭にできるイボについて、種類や原因、治療法などを詳しく解説してまいりました。
頭のイボは多くの場合、脂漏性角化症や尋常性疣贅といった良性のものです。しかし、まれに悪性腫瘍であることもあるため、自己判断で放置することは避け、気になる症状がある場合は早めに専門医を受診することが大切です。
イボの治療法には、液体窒素による凍結療法、炭酸ガスレーザー、切開法などさまざまな選択肢があります。イボの種類や大きさ、患者さんの希望に応じて最適な治療法を選択することで、効果的にイボを除去することができます。
日常生活では、紫外線対策や頭皮の保湿ケア、免疫力の維持などを心がけることで、イボの予防につなげることができます。
大宮エリアで頭のイボ除去をお考えの方は、アイシークリニック大宮院にご相談ください。専門医が丁寧に診察し、患者様一人ひとりに最適な治療法をご提案いたします。
11. 参考文献
- 日本皮膚科学会 尋常性疣贅診療ガイドライン2019(第1版)
- 日本皮膚科学会 一般公開ガイドライン
- 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A イボとミズイボ、ウオノメとタコ
- 国立がん研究センター がん情報サービス 有棘細胞がん
- 国立がん研究センター がん情報サービス 皮膚がんの分類
- 国立がん研究センター 希少がんセンター 有棘細胞がん
- Mindsガイドラインライブラリ 尋常性疣贅診療ガイドライン2019
- クラシエ薬品 おとなのいぼ研 頭(頭皮)のいぼはなぜできる?
- 日本形成外科学会 扁平上皮癌(有棘細胞癌)
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務