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グルタチオンの効果を徹底解説:美白・肝機能・アンチエイジングの科学的根拠

はじめに

近年、美容や健康維持の分野で注目を集めているグルタチオン。「白玉点滴」という名前で美容クリニックで提供されていることもあり、その名前を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。しかし、グルタチオンは単なる美容成分ではなく、私たちの体内で生命維持に欠かせない重要な役割を果たしている物質です。

本記事では、グルタチオンとは何か、どのような効果が期待できるのか、そして安全な摂取方法について、科学的な根拠に基づいて詳しく解説していきます。

グルタチオンとは何か

グルタチオンの基本構造

グルタチオンは、グルタミン酸、システイン、グリシンという3つのアミノ酸が結合してできたペプチド化合物です。この3つのアミノ酸が特定の順序でつながることで、グルタチオン特有の生理活性が生まれます。

化学的には、酸化型グルタチオン(GSSG)と還元型グルタチオン(GSH)の2つの形態が存在します。体内では主に還元型グルタチオンとして存在し、0.5~10mMという高い濃度で細胞内に分布しています。この高濃度での存在が、グルタチオンが体内で重要な役割を果たしている証拠といえるでしょう。

体内での分布と生成

グルタチオンは、人間の体内のほとんどすべての細胞に存在しています。特に肝臓に多く含まれており、肝臓での解毒作用や代謝において中心的な役割を担っています。また、皮膚、筋肉、脳などの組織にも広く分布し、各組織で重要な機能を果たしています。

興味深いことに、グルタチオンは体内で自然に合成される物質です。しかし、年齢とともにその生成量は減少していくことが知られています。体内のグルタチオン濃度は20代をピークとして、加齢とともに徐々に低下していきます。この減少が、老化現象や様々な疾患のリスク増加と関連している可能性が指摘されています。

医薬品としてのグルタチオン

グルタチオンは日本において、厚生労働省により医薬品として認可されています。医療用医薬品として40年以上の使用実績があり、妊娠悪阻、慢性肝疾患、放射線による白血球減少、薬物中毒、口腔粘膜の炎症などの治療に用いられてきました。

この長い使用実績により、グルタチオンの安全性についても一定の信頼性が確立されています。ただし、美容目的での使用については保険適用外となり、自由診療での扱いとなります。

グルタチオンの主な効果

1. 強力な抗酸化作用

グルタチオンの最も重要な機能の一つが、強力な抗酸化作用です。私たちの体内では、エネルギーを生み出す過程で必然的に活性酸素が発生します。活性酸素は微量であれば細菌やウイルスを攻撃する有用な働きをしますが、過剰に発生すると正常な細胞まで攻撃してしまい、老化や様々な疾患の原因となります。

グルタチオンは、この活性酸素を還元して無害化する働きを持っています。具体的には、過酸化水素や過酸化脂質といった酸化物質を還元することで、細胞を酸化ストレスから保護します。この抗酸化作用により、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病の予防効果が期待されています。

さらに興味深いのは、グルタチオンが他の抗酸化物質を再生させる働きも持っているという点です。ビタミンCやビタミンEも抗酸化作用を持つ物質ですが、活性酸素と反応すると酸化型に変化し、その抗酸化力が低下してしまいます。グルタチオンは、この酸化型ビタミンCやビタミンEを還元型に戻し、再び活性化させる能力を持っています。このため、グルタチオンとビタミンCやビタミンEを一緒に摂取することで、より高い抗酸化効果が期待できます。

2. 肝機能のサポートと解毒作用

肝臓は体内の解毒を担う重要な臓器であり、グルタチオンはこの肝臓の機能において中心的な役割を果たしています。

肝臓は、アルコール、薬物、環境汚染物質、食品添加物など、体内に入ってくる様々な有害物質を無毒化し、体外に排出する働きを持っています。グルタチオンは、これらの毒性物質と結合することで、無害な物質に変換する抱合反応を促進します。

特に注目されているのが、アルコール代謝における役割です。お酒を飲むと、体内でアセトアルデヒドという有害物質が生成されます。このアセトアルデヒドが二日酔いの主な原因となるのですが、グルタチオンはアセトアルデヒドの無毒化を促進することで、二日酔いの症状を軽減する効果が期待されています。

また、肝臓は多くの代謝反応が行われるため、酸化ストレスにさらされやすい臓器です。グルタチオンの抗酸化作用により、肝臓を酸化ダメージから保護し、肝機能を正常に保つことに貢献しています。

肝臓における免疫機能の調節にも、グルタチオンが関与していることが分かっています。肝臓には多くの免疫細胞が存在し、体内に侵入した病原体や異物に対して防御機能を発揮します。グルタチオンはこの免疫機能をサポートし、ウイルスや細菌に対する防御力を強化する働きがあります。

3. 美白・美肌効果

美容分野で特に注目されているのが、グルタチオンの美白効果です。この効果は、メラニン色素の生成を抑制する2つのメカニズムによって実現されます。

第一のメカニズムは、チロシナーゼという酵素の働きを阻害することです。紫外線を浴びると、皮膚の色素細胞(メラノサイト)が活性化し、チロシナーゼという酵素が働いてメラニン色素が生成されます。グルタチオンはこのチロシナーゼの活性を抑制することで、メラニンの過剰な生成を防ぎます。

第二のメカニズムは、メラニンの種類をコントロールすることです。メラニンには、色の濃いユーメラニンと色の薄いフェオメラニンの2種類があります。グルタチオンは、色の濃いユーメラニンの生成を抑制し、色の薄いフェオメラニンへの変換を促進することで、肌の色調を明るく導く効果があります。

これらの作用により、シミ、そばかす、肝斑、くすみなどの色素沈着の改善効果が期待できます。一部の研究では、肝斑患者の75%に改善効果が見られたという報告もあります。

グルタチオンの美白効果は、顔の皮膚だけでなく、全身の肌に作用します。点滴や内服によって体内に取り込まれたグルタチオンは、血流を通じて全身に運ばれるため、塗り薬では届きにくい部位の美白効果も期待できます。

4. 免疫力の向上

グルタチオンは、免疫システムの正常な機能維持にも重要な役割を果たしています。

免疫細胞の一つであるリンパ球には、Th1細胞とTh2細胞という2種類のヘルパーT細胞があります。Th2細胞が優位になると、花粉症、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのI型アレルギーが悪化しやすくなります。グルタチオンが十分に存在すると、Th1細胞が優位となり、免疫バランスが適切に保たれます。

また、グルタチオンは白血球の機能を活性化させ、ウイルスや細菌に対する防御力を高める効果があります。強い抗酸化作用により免疫細胞を酸化ストレスから守り、免疫機能の低下を防ぐことができます。

風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなる効果や、アレルギー性疾患の症状を軽減する効果も報告されています。

5. アンチエイジング効果

細胞の老化は、酸化、炎症、糖化という3つの要因が主な原因とされています。グルタチオンは、特に酸化による老化を防ぐ効果が高く、アンチエイジングの分野で注目されています。

体内の細胞は、日々の代謝活動によって発生する活性酸素によってダメージを受けます。このダメージが蓄積することで、細胞の機能が低下し、老化が進行します。グルタチオンの強力な抗酸化作用により、細胞を酸化ストレスから保護し、老化の進行を遅らせることができます。

特に注目されているのが、テロメアとの関係です。テロメアは染色体の末端にある構造で、細胞分裂のたびに短くなっていきます。ある一定の長さまで短くなると、それ以上細胞分裂ができなくなり、これが細胞老化の一つのメカニズムとされています。研究によると、グルタチオンがテロメラーゼという酵素の活性を制御することで、細胞の寿命延長に関与している可能性が示唆されています。

肌のシワやたるみといった見た目の老化だけでなく、血管、脳、内臓などの組織の老化も抑制する効果が期待されています。アルツハイマー型認知症の進行を抑制できる可能性も示されており、脳の健康維持という観点からも注目されています。

6. 疲労回復効果

グルタチオンは、疲労回復にも効果を発揮します。

細胞内のミトコンドリアは、エネルギーを産生する重要な器官ですが、同時に活性酸素が最も多く発生する場所でもあります。酸化ストレスによってミトコンドリアの機能が低下すると、エネルギー産生効率が悪化し、慢性的な疲労感につながります。

グルタチオンは、ミトコンドリアを酸化ストレスから保護し、効率的なエネルギー産生をサポートします。これにより、疲労感の軽減や体力の回復促進効果が期待できます。

グルタチオン点滴を受けた患者の多くが、投与後数時間以内に疲労感の軽減を実感すると報告されています。定期的に点滴を受けることで、この効果の持続時間が徐々に延びていくことも知られています。

7. その他の効果

グルタチオンには、上記以外にも様々な効果が報告されています。

パーキンソン病の治療への応用も注目されています。パーキンソン病患者では、脳の黒質という部分のグルタチオン濃度が著しく低下していることが分かっています。高用量のグルタチオン点滴療法により、手の震え、歩行障害、動作緩慢などの症状が改善したという報告があります。

また、脂質代謝の改善効果も示されています。グルタチオンは、脂質の合成や分解を適切に調節することで、正常な脂質代謝を促進します。これにより、脂質異常症のリスクが減少し、生活習慣病の予防にもつながります。

がん予防の観点からも、グルタチオンの役割が研究されています。グルタチオンは、がん細胞を排除する力があることが示唆されており、体内のグルタチオン量が低下すると、がん細胞が増殖しやすくなる可能性が指摘されています。

グルタチオンを含む食品

植物性食品

グルタチオンは様々な食品に含まれていますが、特に新鮮な野菜に多く含まれています。

食品衛生学雑誌の研究によると、植物性食品54種を調査した結果、グルタチオン含有量は0.07~28.7mg/100gの範囲にあることが分かっています。

グルタチオンを多く含む野菜として、以下のものが挙げられます:

  • ほうれん草
  • キャベツ
  • シロナ
  • パセリ
  • きゅうり
  • かぼちゃ
  • トマト
  • さやえんどう
  • そら豆
  • えのきたけ

これらの野菜を日々の食事に取り入れることで、自然にグルタチオンを補給することができます。特にトマトジュースなどは手軽に摂取できる方法としておすすめです。

動物性食品

動物性食品では、特に肝臓や肉類にグルタチオンが豊富に含まれています:

  • 豚レバー
  • 牛肉
  • 豚肉
  • 酵母(パン酵母など)

植物性食品と比較すると、動物性食品の方がグルタチオンの含有量が多い傾向にあります。動物の肝臓には、植物性食品の約10倍のグルタチオンが含まれているとされています。

食品からの摂取の注意点

ただし、食品中のグルタチオンは、鮮度や調理方法によって含有量が大きく変化します。新鮮な状態で、できるだけ加熱を控えめにすることで、グルタチオンをより多く摂取できます。

また、かつてはグルタチオンを経口摂取しても、胃腸でアミノ酸に分解されてしまうと考えられていましたが、最近の研究では、グルタチオンのまま吸収されて効果を発揮することが分かってきています。ただし、吸収率は点滴や注射に比べると低いため、より高い効果を求める場合は医療機関での施術を検討することも選択肢の一つです。

グルタチオンの摂取方法

1. サプリメントでの摂取

日本では、グルタチオンは医薬品成分として指定されているため、純粋なグルタチオンをサプリメントとして販売することは原則として認められていません。

ただし、例外としてグルタチオンを天然に含有する酵母(トルラ酵母)を使用したサプリメントは販売が可能です。トルラ酵母には約10%程度のグルタチオンが含まれていると推測されており、一定の効果は期待できますが、高濃度のグルタチオンを摂取したい場合は、やや量が不足する可能性があります。

サプリメントを選ぶ際は、品質の確かな製品を選び、メーカーの推奨する用量を守ることが大切です。

2. 医療機関での内服薬

医療機関では、グルタチオンの内服薬(タチオン錠など)が処方されることがあります。医師の診察を受けた上で処方されるため、安全性が高く、適切な用量での使用が可能です。

通常、成人では1回50~100mgを1日1~3回経口投与します。美容目的での使用の場合、効果を実感するまでには3ヶ月以上の継続的な服用が推奨されることが多いです。

ただし、美容目的での使用は保険適用外となり、自由診療での扱いとなります。費用は医療機関によって異なりますが、1ヶ月あたり数千円程度が一般的です。

3. 点滴・注射による投与

グルタチオンを最も効率的に体内に取り込む方法が、点滴や注射による投与です。

血管に直接グルタチオンを投与することで、胃腸での分解を受けることなく、血中濃度を一気に高めることができます。このため、即効性があり、効果を実感しやすいという特徴があります。

グルタチオン点滴(白玉点滴)では、1回600~1,200mg程度のグルタチオンを投与するのが一般的です。施術時間は20~30分程度で、多くの方が投与後数時間以内に疲労感の軽減を実感します。

美白効果を目的とする場合は、通い始めてから2~3ヶ月後に効果を実感することが多く、その後は月に1~2回程度のメンテナンスが推奨されます。効果の持続時間は個人差がありますが、最初は2日程度、継続することで徐々に延長し、10日間程度持続するケースもあります。

注射の場合は、点滴よりも短時間で施術が完了しますが、一度に投与できる量が少ないため、効果の持続時間は点滴よりも短い傾向があります。

点滴や注射は保険適用外の自由診療となるため、費用は医療機関によって異なりますが、1回5,000~15,000円程度が相場です。

グルタチオンと相性の良い成分

グルタチオンの効果をより高めるために、以下の成分と一緒に摂取することが推奨されています。

ビタミンC

ビタミンCは、グルタチオンとともに強力な抗酸化ネットワークを形成します。グルタチオンは酸化したビタミンCを還元型に戻す働きがあり、ビタミンCの抗酸化作用を持続させます。逆に、ビタミンCもグルタチオンの働きをサポートするため、相乗効果が期待できます。

美白点滴などでは、グルタチオンとビタミンCを組み合わせて投与することが一般的です。

ビタミンE

ビタミンEもまた、グルタチオンによって再生される抗酸化物質です。グルタチオンは酸化型ビタミンEを還元型に戻すことで、ビタミンEの抗酸化力を持続させます。

アルファリポ酸

アルファリポ酸は、グルタチオンやビタミンC、ビタミンEとともに抗酸化ネットワークを構成する物質です。これらを一緒に摂取することで、より高い抗酸化効果が期待できます。

ビタミンB群

ビタミンB6やナイアシンなどのビタミンB群は、アミノ酸の代謝を助ける補酵素として働きます。グルタチオンがアミノ酸から合成される際や、グルタチオンが体内で利用される際に、ビタミンB群のサポートが重要です。

Nアセチルシステイン

Nアセチルシステイン(NAC)は、グルタチオンの構成成分であるシステインの誘導体です。体内に吸収されやすく、グルタチオンの合成を促進する効果があります。

オメガ3脂肪酸

オメガ3脂肪酸は、炎症を軽減し、グルタチオン値の改善に役立つとされています。サケ、マグロなどの脂肪の多い魚や、カニ、牡蠣などに含まれています。

グルタチオンの安全性と副作用

一般的な安全性

グルタチオンは、体内に元々存在する物質であり、基本的には安全性が高いとされています。40年以上にわたって医薬品として使用されてきた実績があり、厚生労働省によって医療用医薬品として認可されていることも、その安全性を裏付けています。

食品から摂取する場合は、過剰摂取になりにくいため、一般的な食事であれば副作用の心配はほとんどありません。

医薬品としての副作用

医療機関で処方される内服薬や、点滴・注射として投与される場合には、まれに以下のような副作用が報告されています:

  • 食欲不振
  • 悪心・嘔吐
  • 発疹
  • 腹痛
  • 下痢

これらの副作用の発現頻度は0.1%未満と非常に低く、多くの場合、軽度で一過性のものです。

アナフィラキシーのリスク

極めてまれなケースとして、アナフィラキシー(重度のアレルギー反応)が起こる可能性があります。顔面蒼白、血圧低下、脈拍の異常などの症状が現れた場合は、すぐに医療機関を受診する必要があります。

ただし、アナフィラキシーの発生頻度は非常に低く、また多くの医薬品で起こりうるリスクであるため、グルタチオンが特別に危険な成分というわけではありません。

妊娠中の使用

グルタチオンは、妊娠悪阻の治療にも使用されており、妊婦でも使用できる薬剤です。ただし、妊娠中や授乳中にグルタチオン点滴を受ける際は、必ず医師に相談してください。

注意が必要なケース

以下のような方は、グルタチオンの使用について医師に相談することをおすすめします:

  • 喘息のある方
  • アレルギー体質の方
  • 他の薬を服用している方
  • 持病のある方

また、点滴や注射の場合、血管痛や注射部位の痛みを感じることがあります。これらは一般的には軽度で一過性のものですが、強い痛みを感じた場合は医師や看護師に伝えましょう。

グルタチオンを効果的に摂取するためのポイント

1. バランスの良い食事

グルタチオンを食品から摂取する際は、特定の食品だけに偏らず、バランスの良い食事を心がけることが大切です。グルタチオンを多く含む野菜や肉類を日々の食事に取り入れつつ、ビタミンやミネラルなどの他の栄養素もしっかりと摂取しましょう。

2. 新鮮な食材を選ぶ

グルタチオンの含有量は、食品の鮮度によって変化します。できるだけ新鮮な野菜や肉を選び、購入後は早めに調理することをおすすめします。

3. 調理方法の工夫

グルタチオンは加熱によって減少する傾向があります。生で食べられる野菜は生で、加熱する場合は短時間で調理することで、グルタチオンの損失を最小限に抑えることができます。

4. 継続的な摂取

グルタチオンの効果を実感するためには、継続的な摂取が重要です。特に美白効果を目的とする場合、2~3ヶ月以上の継続が推奨されます。

5. 生活習慣の改善

グルタチオンの効果を最大限に引き出すためには、健康的な生活習慣も大切です。適度な運動、質の良い睡眠、ストレスの軽減などにより、体内でのグルタチオン合成も促進されます。

6. 医師への相談

グルタチオン点滴や内服薬を検討している場合は、必ず医師に相談しましょう。自分の体質や健康状態に合った最適な摂取方法を提案してもらえます。

よくある質問

Q1. グルタチオンを摂取すると白髪が増えますか?

グルタチオンの摂取によって白髪が増えるという科学的な根拠はありません。グルタチオンにはメラニンの生成を抑制する効果がありますが、これは皮膚のメラニン生成に作用するものであり、直接的に白髪の増加につながるわけではありません。
むしろ、グルタチオンの強力な抗酸化作用は、毛髪の成長を促し、艶やコシを改善するなど、毛髪の健康維持に寄与する可能性があります。

Q2. グルタチオンとタチオンは何が違いますか?

タチオンは商品名であり、その主成分がグルタチオンです。つまり、タチオンとグルタチオンは同一成分を含んでいます。そのため、同時に服用することは避けてください。

Q3. グルタチオン点滴の効果はどのくらい持続しますか?

効果の持続時間には個人差がありますが、最初は2日程度で効果が薄れることが多いです。しかし、定期的に点滴を受けることで、効果の持続時間が徐々に延長し、5日から10日程度持続するようになることもあります。

Q4. グルタチオンは経口摂取でも効果がありますか?

はい、経口摂取でも効果があることが分かっています。以前は胃腸で分解されてしまうと考えられていましたが、最近の研究で、グルタチオンのまま吸収されて効果を発揮することが明らかになっています。ただし、点滴に比べると吸収率は低いため、より高い効果を求める場合は点滴が推奨されます。

Q5. グルタチオンはがん予防に効果がありますか?

グルタチオンは、がん細胞を排除する力があることが示唆されており、体内のグルタチオン量が低下すると、がん細胞が増殖しやすくなる可能性が指摘されています。ただし、がん予防効果については、さらなる研究が必要な段階です。

Q6. どのくらいの頻度で点滴を受けるべきですか?

目的によって推奨される頻度は異なります。美白目的の場合、最初は週1~2回程度、効果を実感した後は月1~2回程度のメンテナンスが一般的です。疲労回復目的の場合も同様の頻度が推奨されます。個人の状態に応じて調整が必要ですので、医師と相談して決めましょう。

Q7. グルタチオンは何歳から摂取できますか?

グルタチオンは体内に元々存在する物質であり、食品から摂取する場合は年齢制限はありません。ただし、サプリメントや医療機関での施術を受ける場合は、医師に相談することをおすすめします。

まとめ

グルタチオンは、私たちの体内で生命維持に欠かせない重要な役割を果たしている物質です。強力な抗酸化作用、肝機能のサポート、美白効果、免疫力の向上、アンチエイジング効果など、多岐にわたる効果が期待できます。

日本では40年以上にわたって医薬品として使用されてきた実績があり、安全性についても一定の信頼性が確立されています。ただし、美容目的での使用については保険適用外となります。

グルタチオンの摂取方法には、食品からの摂取、サプリメント、内服薬、点滴・注射など、様々な選択肢があります。それぞれにメリットとデメリットがあるため、自分の目的や生活スタイルに合った方法を選ぶことが大切です。

グルタチオンは万能薬ではありませんが、バランスの取れた食事、適度な運動、質の高い睡眠といった健康的な生活習慣の補助として活用することで、美容と健康の維持に役立つ可能性があります。

グルタチオン点滴や内服薬を検討している方は、まず信頼できる医療機関で医師に相談することをおすすめします。自分の体質や健康状態に合った最適な方法を提案してもらい、安全かつ効果的にグルタチオンを活用していきましょう。

参考文献

  1. 中川一夫, 池内真理, 次田陽子: 植物性食品材料中のグルタチオン含有量. 食品衛生学雑誌. 1986, 27 (4), 425-427.
  2. 厚生労働省: 食薬区分における成分本質(原材料)の取扱いの例示の一部改正について. 令和3年11月1日
  3. オーソモレキュラー栄養医学研究所: グルタチオン. 2021年6月3日
  4. 鈴木光雄, 渡部俊彦, 小笠原綾子, 三上健, 松本達二: グルタチオンのメラニン合成阻害機構. 薬学雑誌 128(8), 2008, p.1203-1207
  5. 日本薬局方外医薬品規格第三部: グルタチオン100mg錠
  6. 早石修 他: グルタチオン研究の進歩. 診断と治療社, 1969, p.1-37

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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