脇のあせもは、夏場だけでなく年間を通じて悩まされる方が多い肌トラブルのひとつです。汗をかきやすい脇は、あせもが生じやすい部位であり、かゆみや赤みが続くと日常生活にも支障をきたすことがあります。市販薬にはさまざまな種類があるため、「どれを選べばいいのかわからない」と迷う方も少なくないでしょう。この記事では、脇のあせもに使える薬の種類や選び方、正しいケアの方法、さらに受診が必要なタイミングまでを詳しく解説します。
目次
- あせもとはどんな状態?脇にできやすい理由
- 脇のあせもの種類と症状の見分け方
- 脇のあせもに使う薬の種類
- 市販薬の選び方:成分別のポイント
- ステロイド外用薬について知っておきたいこと
- 脇のあせもを悪化させないための正しいケア方法
- あせもと間違えやすい脇の皮膚トラブル
- 市販薬で改善しない場合の受診のタイミング
- 皮膚科での治療内容とは
- まとめ
この記事のポイント
脇のあせもには症状に応じた市販薬(ステロイド・抗ヒスタミン・収れん剤)を選び、1〜2週間を目安に使用。改善しない場合はカンジダ症やかぶれの可能性もあるため皮膚科受診が重要。
🎯 あせもとはどんな状態?脇にできやすい理由
あせもは、医学的には「汗疹(かんしん)」と呼ばれる皮膚疾患です。大量の汗をかいたとき、汗管(汗を皮膚の外へ運ぶ管)が詰まることで、汗が皮膚の中にたまってしまい、炎症が起きる状態を指します。この状態になると、皮膚の表面に小さなブツブツや赤みが現れ、かゆみや刺激感を伴うことがあります。
脇は特にあせもができやすい部位です。その理由には、いくつかの解剖学的・環境的な要因があります。まず、脇は皮膚同士が密着する「間擦部位(かんさつぶい)」に当たるため、空気の通りが悪く蒸れやすい構造になっています。次に、脇の下には大量の汗腺(エクリン汗腺)が密集しており、少し動くだけでも多くの汗が分泌されます。さらに、衣服との摩擦、制汗剤などの使用、体毛による刺激なども汗管の詰まりを促進する要因となります。
夏場の高温多湿な環境ではとくに悪化しやすいですが、厚着をする冬場でも、室内の暖房による発汗で脇のあせもが起こることがあります。また、肥満気味の方や汗腺の機能が活発な子どもにも生じやすいとされています。
Q. 脇にあせもができやすい理由は何ですか?
脇は皮膚同士が密着する「間擦部位」で空気の通りが悪く蒸れやすい構造です。加えて汗腺が密集しており発汗量が多く、衣服との摩擦や制汗剤の使用も汗管の詰まりを促進します。これらの要因が重なり、あせもが生じやすい部位となっています。
📋 脇のあせもの種類と症状の見分け方
あせもにはいくつかの種類があり、それぞれ症状の現れ方が異なります。自分の症状がどのタイプに当たるかを把握することで、適切なケアや薬を選ぶ手がかりになります。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)は、汗管の最も浅い部分(角層内)が詰まることで生じるタイプです。直径1〜2mmの透明な小さな水疱(水ぶくれのような粒)が皮膚の表面に現れるのが特徴で、かゆみはほとんどありません。症状は比較的軽く、汗が減れば自然に治まることが多いです。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)は、最もよく見られるタイプです。汗管が皮膚の少し深い部分(表皮内)で詰まり、炎症を起こします。皮膚が赤くなり、細かいブツブツや丘疹(小さく盛り上がった発疹)が現れます。かゆみや刺激感を伴うことが多く、掻いてしまうとさらに悪化することがあります。「あせも」と聞いてイメージするのはこのタイプが多いでしょう。
深在性汗疹(しんざいせいかんしん)は、汗管が真皮という深い層で詰まるタイプです。肌色から白色の丘疹が現れますが、かゆみは少ない反面、汗が皮膚の外に出にくくなるため、汗をかけない範囲が広がると体温調節に影響が出ることもあります。このタイプは比較的まれです。
脇のあせもで最もよく見られるのは紅色汗疹であり、本記事では主にこのタイプを中心に解説を進めていきます。
💊 脇のあせもに使う薬の種類
脇のあせもに使用できる薬には、大きく分けて外用薬(塗り薬)と内服薬(飲み薬)があります。あせもに対しては主に外用薬が使われることが多く、症状の程度に応じて選択します。
外用薬の中で最も広く使われているのは、炎症を抑えるステロイド外用薬です。かゆみや赤みが強い場合に有効で、市販品から処方薬まで幅広いランク(強さ)のものがあります。
次に、抗ヒスタミン薬を含む外用薬があります。かゆみを抑えることを目的としたタイプで、ステロイドを使いたくない場合の選択肢となります。ただし、炎症そのものを抑える効果はステロイドより弱いため、症状が強い場合には効果不足になることもあります。
また、亜鉛華軟膏(さんかあえんなんこう)などの収れん・保護作用を持つ外用薬も使われることがあります。これらは皮膚を乾燥させ、炎症を落ち着かせる目的で使用されます。古くからあせもの治療に用いられてきた成分です。
カリドリア軟膏や尿素配合クリームなどは、皮膚を保護・柔軟にする目的で使われることがありますが、あせもに対しては刺激になる場合もあるため、使用前に医師や薬剤師に相談することをおすすめします。
内服薬としては、抗ヒスタミン薬(かゆみ止めの飲み薬)が補助的に使われることがあります。夜間のかゆみが強くて眠れない場合などに処方されることがありますが、市販の抗ヒスタミン薬を自己判断で使用する際には眠気などの副作用に注意が必要です。
Q. 脇のあせもに使う市販薬はどう選べばいいですか?
症状に合わせた成分選びが重要です。かゆみや赤みが強い場合はステロイド配合、かゆみのみの場合は抗ヒスタミン配合、じゅくじゅくしている場合は酸化亜鉛などの収れん成分配合の製品が適しています。症状の程度を見極めて製品を選ぶことが回復への近道です。
🏥 市販薬の選び方:成分別のポイント
ドラッグストアや薬局で手に入る市販のあせも薬には、さまざまな成分が含まれています。自分の症状に合ったものを選ぶために、主な成分とその特徴を理解しておきましょう。
抗炎症成分(ステロイド)について、市販薬で使用できるステロイドは比較的マイルドなランクに限られています。代表的なものはヒドロコルチゾン酢酸エステル(0.5%まで)で、「プレドニゾロン」や「デキサメタゾン」なども市販品に使用されています。炎症やかゆみが目立つ場合に適していますが、脇のような皮膚が薄く密閉されやすい部位では吸収率が高まるため、長期使用は避けるべきです。
抗ヒスタミン成分(かゆみ止め)としては、ジフェンヒドラミン塩酸塩やクロルフェニラミンマレイン酸塩などがあります。これらはかゆみを感じる神経の働きを抑える作用があります。ただし、外用の抗ヒスタミン薬は接触性皮膚炎(かぶれ)を起こすことがあるため、使用後に赤みが増したりかゆみが強くなった場合は使用を中止してください。
清涼感・消炎成分としては、メントール(l-メントール)やカンフルが配合されているものがあります。これらは皮膚に清涼感を与え、かゆみの不快感を和らげる効果があります。ただし、傷や炎症がひどい部位に使用すると刺激になることがあります。
収れん・乾燥成分としては、酸化亜鉛(亜鉛華)やタンニン酸などがあります。皮膚の表面を保護し、じゅくじゅくした状態を乾かす作用があります。水晶様汗疹や軽い紅色汗疹には有効ですが、皮膚が乾燥しすぎてしまう場合もあるため、バリア機能が低下している方は注意が必要です。
殺菌・抗菌成分としては、イソプロピルメチルフェノール(IPMP)やベンザルコニウム塩化物などが使われています。あせもが悪化して二次感染(細菌感染)を起こしている場合には有効ですが、通常のあせもには必ずしも必要ではありません。
市販薬を選ぶ際は、症状の程度を考慮することが大切です。かゆみや赤みが強い場合はステロイドを含む製品、かゆみのみの場合は抗ヒスタミン配合のもの、じゅくじゅくしている場合は収れん成分配合のものを選ぶのが一般的なガイドラインとなっています。

⚠️ ステロイド外用薬について知っておきたいこと
ステロイド外用薬は、あせもの炎症やかゆみに対して効果的な治療薬ですが、正しく使用するために知っておくべき基本的な知識があります。
ステロイド外用薬には、強さに応じて「ストロンゲスト」「ベリーストロング」「ストロング」「ミディアム」「ウィーク」という5つのランク(クラス)があります。市販薬として購入できるのは「ウィーク」または「ミディアム」クラスのものに限られており、強いランクのものは医師の処方が必要です。
脇のような皮膚が薄く、かつ密閉性が高い部位では、ステロイドの吸収率が他の部位(前腕や背中など)よりも高くなります。そのため、同じランクのステロイドでも効果が強く出やすく、副作用も起きやすくなるという点を理解しておく必要があります。
ステロイド外用薬を脇に使用する際の一般的な注意点として、連続使用は1〜2週間を目安にすることが推奨されています。長期使用により、皮膚が薄くなる(皮膚萎縮)、毛細血管が拡張して赤みが残る、ステロイド皮膚炎などの副作用が生じる可能性があります。また、感染を伴っている場合(細菌やカビの感染)にはステロイド単独では悪化することがあるため注意が必要です。
一方、ステロイド外用薬を適切に使用した場合の副作用は、一般的に考えられているほど多くはありません。「ステロイドは怖い薬」というイメージを持つ方もいますが、短期間・適切な量・適切な部位への使用であれば、安全性と有効性のバランスが取れた薬です。正しい知識のもとで使用することが大切です。
市販のステロイド薬を使用しても1週間以上経っても改善が見られない場合や、症状が悪化する場合は、自己判断で継続するのではなく、皮膚科を受診することをおすすめします。
Q. 脇のあせもと間違えやすい皮膚トラブルは何ですか?
脇には接触性皮膚炎(制汗剤や洗剤によるかぶれ)、毛包炎、カンジダ症などあせもと見た目が似た疾患が起こりやすいです。アイシークリニックでも市販薬が効かない患者様にカンジダ症や接触性皮膚炎が見つかるケースがあり、1〜2週間で改善しない場合は皮膚科受診が重要です。
🔍 脇のあせもを悪化させないための正しいケア方法
薬の使用と並行して、日常的なケアを適切に行うことがあせもの回復を早め、再発を防ぐために重要です。脇のあせもに対して効果的なセルフケアをご紹介します。
こまめな汗の処理が基本となります。汗をかいたら、なるべく早く拭き取ることが大切です。ただし、タオルでゴシゴシと強く拭くのは皮膚への摩擦刺激となり、かえってあせもを悪化させます。柔らかいタオルや清潔なガーゼを使って、押さえるように優しく汗を吸い取るようにしましょう。ウェットティッシュで拭く場合も、アルコール成分が含まれていないものを選ぶことをおすすめします。
正しい洗い方を心がけることも重要です。入浴時には、石けんやボディソープをよく泡立て、脇の部分を指のはらで優しく洗うようにします。ナイロンタオルやブラシなどで強くこすることは厳禁です。また、石けんの洗い残しが皮膚刺激になることもあるため、ぬるめのお湯でしっかりと洗い流してください。入浴後は清潔なタオルで水分を優しく拭き取り、なるべく早く薬を塗りましょう。
衣類の素材と着方を見直すことも効果的です。通気性がよく、汗を吸収しやすい素材(綿やガーゼ素材)の衣類を選ぶようにしましょう。化学繊維や合成繊維は汗を吸収しにくく、蒸れやすいため症状を悪化させることがあります。また、脇を締め付けるようなフィットした衣類も避け、ゆとりのあるデザインのものを選ぶことで通気性を確保できます。
室温・環境の管理も欠かせません。できる限り涼しい環境を保つことで発汗量を減らし、あせもの悪化を防ぐことができます。エアコンや扇風機を上手に活用し、室温が高くなりすぎないよう心がけましょう。就寝時も寝室の温度に注意し、必要であれば薄手のインナーやパジャマを着用して通気性を確保してください。
制汗剤の使い方にも注意が必要です。制汗剤はあせも予防に活用される場合もありますが、すでにあせもが発症している状態で使用すると、汗管をさらに詰まらせたり皮膚刺激になったりすることがあります。あせもが出ている間は制汗剤の使用を控え、症状が落ち着いてから再開するかどうかを検討しましょう。使用する場合はスプレータイプよりもロールオンやスティックタイプのほうが皮膚への刺激が少ない場合があります。
掻くことを避けることも重要です。かゆみが強いとついつい掻いてしまいがちですが、掻くことで皮膚のバリア機能がさらに低下し、二次感染や湿疹への移行を引き起こすことがあります。かゆみを感じたときは、冷やしたタオルや保冷剤をタオルで包んで患部に当てるだけでも一時的に症状が和らぎます。
📝 あせもと間違えやすい脇の皮膚トラブル
脇に生じる皮膚トラブルはあせもだけではありません。症状が似ているものの、原因や治療が異なるケースがあるため、正しく見分けることが大切です。
接触性皮膚炎(かぶれ)は、特定の物質が皮膚に触れることで起こるアレルギー性または刺激性の炎症です。脇の場合、制汗剤・デオドラント製品、衣類の繊維、洗濯洗剤の残留成分などが原因になることがあります。あせもと似た赤みやかゆみが現れますが、使用している製品を変えた後に症状が出た場合はかぶれを疑いましょう。原因物質を特定して取り除くことが治療の基本となります。
毛包炎(もうほうえん)は、脇の毛穴(毛包)に細菌が感染して生じる炎症です。脇の毛を剃ったり抜いたりした後に、赤い丘疹や膿を含む小さな吹き出物が現れることが多いです。あせもとの違いは、毛穴を中心とした炎症であること、膿を伴うことがあることなどです。抗菌成分を含む外用薬が有効な場合もありますが、重症の場合は抗生物質の内服が必要なこともあります。
カンジダ症は、カンジダというカビ(真菌)が引き起こす感染症です。脇のような蒸れやすい間擦部位はカンジダが繁殖しやすく、あせもと見た目が似ていることがあります。特徴として、周囲に小さな衛星病変(離れた場所に点在する小さな発疹)を伴うことや、皮膚の境界が比較的くっきりしていることがあります。ステロイドが効かない、または悪化するあせもの場合はカンジダ症の可能性を考慮する必要があります。抗真菌薬による治療が必要です。
化膿性汗腺炎(かのうせいかんせんえん)は、比較的まれですが重要な疾患です。脇の汗腺周辺に炎症が繰り返し起こり、痛みを伴うしこりや膿瘍(うみのたまり)が生じます。慢性的に繰り返す傾向があり、適切な医療的管理が必要です。自己判断での治療は避け、皮膚科への受診が不可欠です。
アトピー性皮膚炎の場合も、脇を含む間擦部位に症状が出ることがあります。もともとアトピーの体質がある方では、あせもの刺激がきっかけとなってアトピーが悪化するケースもあります。慢性的な経過をたどる場合や、子どものころからアレルギー疾患がある場合は、アトピー性皮膚炎の可能性も念頭に置くことが大切です。
Q. 脇のあせもを悪化させないセルフケアを教えてください
汗をかいたら柔らかいタオルで押さえるように拭き取り、入浴時は泡立てた石けんで指のはらを使って優しく洗うことが基本です。綿素材など通気性の良い衣類を選び、エアコンで室温を管理して発汗を抑えることも重要です。かゆくても掻かず冷やしたタオルで対処しましょう。
💡 市販薬で改善しない場合の受診のタイミング
軽度のあせもであれば市販薬とセルフケアで改善することも多いですが、以下のような状況では早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
市販薬を1〜2週間使用しても症状が改善しない、あるいは悪化している場合は受診のサインです。正しく使用しているにもかかわらず効果が見られない場合、あせも以外の疾患(カンジダ症、かぶれ、毛包炎など)の可能性があります。原因を正確に特定することが、適切な治療への近道となります。
患部がじゅくじゅくしていたり、膿が出ていたり、触ると痛みがある場合は二次感染(細菌感染)を起こしている可能性があります。このような場合、一般的なあせも薬では対応できず、抗菌薬が必要になることがあります。自己判断での対処は症状を長引かせることがあるため、速やかに受診してください。
発熱を伴う場合、リンパ節が腫れている場合も受診が必要です。これらは感染が広がっているサインである可能性があり、内服の抗生物質が必要になるケースもあります。
症状が広範囲に及ぶ場合や、脇以外にも全身にわたって広がっている場合も受診が望ましいです。広範囲のあせもや湿疹はセルフケアだけでは管理が難しく、医師の指導のもとで適切な薬を使用することが重要です。
また、子どもの脇にあせもができた場合、大人と比較して皮膚が薄くデリケートなため、市販薬の使用には慎重な判断が必要です。特に乳幼児では、症状が軽くても早めに小児科や皮膚科を受診することをおすすめします。
妊娠中や授乳中の方も、使用できる薬に制限があるため自己判断での市販薬使用は避け、医師に相談の上で治療方針を決めることが大切です。
✨ 皮膚科での治療内容とは

皮膚科を受診した場合、どのような診察・治療が行われるのかをご説明します。受診のハードルを下げるためにも、事前に治療の流れを把握しておくことは有益です。
まず、問診と視診が行われます。いつから症状が出ているか、かゆみや痛みの程度、使用している薬や化粧品・制汗剤、既往歴(アトピーやアレルギーなど)について確認されます。視診では患部の状態を医師が直接確認し、あせもかどうか、他の皮膚疾患との鑑別を行います。必要に応じてダーモスコープ(皮膚を拡大して見る器具)を使用することもあります。
カンジダ症などが疑われる場合は、皮膚の一部をスタンプ法などで採取し、顕微鏡検査(KOH検査)でカビの有無を確認することがあります。細菌感染が疑われる場合は、細菌培養検査が行われることもあります。
治療薬の処方では、市販薬よりも幅広いランクや種類の薬が処方されます。炎症の程度や部位に応じて、適切な強さのステロイド外用薬が選択されます。脇のような特殊な部位では、ステロイドの吸収率が高いことを考慮して、ミディアムランク以下の薬が選ばれることが多いです。感染を伴う場合は、抗生物質軟膏や抗真菌薬が処方されます。
近年では、非ステロイド系の抗炎症外用薬(コレクチム軟膏やモイゼルト軟膏など)も使用できるようになっており、ステロイドを使用しにくい部位や状況でも効果的な治療が可能になっています。これらの薬は医師の処方が必要ですが、皮膚萎縮のリスクがなく、長期使用に比較的向いているとされています。
かゆみが強い場合は、内服の抗ヒスタミン薬が処方されることもあります。就寝前にかゆみで目が覚めてしまうほどの症状がある場合は、夜間に服用する薬が処方されることもあります。
治療と並行して、医師や看護師からスキンケア指導を受けることも皮膚科受診の重要なメリットのひとつです。日常生活での注意点、正しい洗い方、保湿の仕方、衣類の選び方など、個々の生活習慣に合わせたアドバイスを受けることができます。
なお、アイシークリニック大宮院では、皮膚科領域のトラブルについても対応しております。脇のあせもやその他の皮膚症状でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。医師が丁寧に診察し、症状に合った適切な治療方針をご提案します。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、脇のあせもと思って受診された患者様の中に、カンジダ症や接触性皮膚炎など別の疾患が原因となっているケースも少なくなく、市販薬で改善しない場合は早めにご受診いただくことが大切だと実感しています。最近の傾向として、ステロイド外用薬への不安から使用をためらい、症状を長引かせてしまう方もいらっしゃいますが、適切な強さのものを正しい期間・用法で使えば安全性と有効性のバランスに優れた治療が可能です。脇は薬の吸収率が高い部位ですので、ご自身での判断に迷われた際はどうぞお気軽にご相談ください。丁寧に診察し、お一人おひとりの症状や生活スタイルに合った治療とケアをご提案いたします。」
📌 よくある質問
市販のステロイド外用薬を脇に使用する場合、1〜2週間を目安にしてください。脇は皮膚が薄く薬の吸収率が高いため、長期使用すると皮膚が薄くなる・赤みが残るなどの副作用が生じる可能性があります。1週間以上使用しても改善が見られない場合は、皮膚科への受診をおすすめします。
あせもが発症している間は制汗剤の使用を控えることをおすすめします。すでにあせもが出ている状態で制汗剤を使用すると、汗管をさらに詰まらせたり皮膚への刺激になったりする可能性があります。症状が落ち着いてから再開を検討し、使用する場合はスプレーよりロールオンやスティックタイプが刺激の少ない選択肢です。
あせもと見た目が似た別の皮膚トラブルが原因の可能性があります。脇には接触性皮膚炎(かぶれ)・毛包炎・カンジダ症など、あせもと症状が似た疾患が起こりやすく、それぞれ治療法が異なります。当院でも市販薬で改善しない患者様にカンジダ症や接触性皮膚炎が見つかるケースがあるため、1〜2週間で改善しない場合は皮膚科を受診してください。
適切な強さのものを正しい期間・用法で使用すれば、安全性と有効性のバランスに優れた治療が可能です。市販薬で購入できるのは比較的マイルドなランクに限られています。ただし脇は薬の吸収率が高い部位のため、使用量・期間に注意が必要です。不安がある場合は自己判断せず、皮膚科医に相談することをおすすめします。
以下のセルフケアが効果的です。①汗をかいたら柔らかいタオルで押さえるように優しく拭き取る、②入浴時は泡立てた石けんで指のはらを使って優しく洗う、③綿やガーゼなど通気性の良い素材の衣類を選ぶ、④エアコンを活用して室温を下げ発汗量を抑える、⑤かゆくても掻かず、冷やしたタオルで患部を冷やして対処する。薬との併用でより早い回復が期待できます。
🎯 まとめ
脇のあせもは、汗腺が密集し蒸れやすい脇の構造から生じやすい皮膚トラブルです。最もよく見られる紅色汗疹では、赤みやかゆみを伴うブツブツが現れ、日常生活の質に影響を与えることもあります。
市販薬を選ぶ際は、症状に合わせて成分を確認し、ステロイド配合のものはあくまでも短期使用を基本とすることが大切です。脇は皮膚が薄く薬の吸収率が高いため、使用量や期間に注意しながら使用してください。
薬の使用と並行して、汗をこまめに拭き取る、通気性のよい衣類を選ぶ、皮膚を強くこすらないなどのセルフケアを実践することが、症状の回復と再発予防につながります。
あせもと思っていた症状が、実はかぶれや毛包炎、カンジダ症など別の疾患である場合もあります。市販薬を1〜2週間使用しても改善が見られない場合や、症状が悪化する場合、膿が出ているような場合は自己判断で対処し続けず、皮膚科を受診するようにしましょう。適切な診断と治療を受けることで、症状を早期に改善し、快適な日常生活を取り戻すことができます。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 汗疹(あせも)の定義・種類・症状・治療方針に関する医学的根拠。紅色汗疹・水晶様汗疹・深在性汗疹の分類、ステロイド外用薬の適切な使用方法、カンジダ症や接触性皮膚炎との鑑別診断に関する専門的情報の参照元として活用。
- 厚生労働省 – 市販のステロイド外用薬の成分・ランク分類・使用上の注意事項に関する情報。ヒドロコルチゾン酢酸エステルをはじめとする市販薬成分の規制・安全性・適正使用に関する公的根拠として参照。
- PubMed – あせも(Miliaria)の病態生理、汗管閉塞メカニズム、外用薬治療の有効性・安全性に関する国際的な臨床研究・査読論文。脇部位におけるステロイド吸収率の差異や非ステロイド系抗炎症薬の有効性に関するエビデンスの参照元として活用。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務