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大宮でイボ(疣)除去をお考えの方へ|種類別の原因・治療法を専門医が徹底解説

目次

  • イボ(疣)とは?基本的な知識
  • イボの種類と見分け方
  • ウイルス性イボ(尋常性疣贅)の特徴と原因
  • 老人性イボ(脂漏性角化症)の特徴と原因
  • 首イボ(軟性線維腫・アクロコルドン)の特徴と原因
  • 水イボ(伝染性軟属腫)の特徴と原因
  • イボの除去治療法
  • 液体窒素凍結療法
  • レーザー治療
  • 外科的切除
  • 薬物療法・内服治療
  • その他の治療法
  • イボ治療の流れと通院期間
  • 治療後のケアと注意点
  • イボを放置するとどうなる?
  • 大宮でイボ除去治療を受けるメリット
  • よくある質問(Q&A)
  • まとめ

はじめに

「手足にイボができてしまった」「首にポツポツとしたできものが増えてきた」「顔のシミだと思っていたものが盛り上がってきた」——このようなお悩みを抱えていらっしゃる方は少なくありません。イボ(疣)は非常に身近な皮膚トラブルのひとつですが、その種類や原因、適切な治療法については意外と知られていないことも多いのが現状です。

イボには大きく分けて、ウイルス感染によって生じるものと、加齢や体質によって生じるものがあります。それぞれ原因も治療法も異なるため、まずは正確な診断を受けることが大切です。自己判断で市販薬を使用したり、無理に取ろうとしたりすると、かえって症状が悪化したり、周囲に広がってしまったりすることもあります。

本記事では、大宮エリアでイボの除去治療をお考えの方に向けて、イボの種類別の特徴や原因、最新の治療法について詳しく解説いたします。アイシークリニック大宮院では、専門医が丁寧に診察を行い、患者様お一人おひとりに最適な治療プランをご提案しております。イボでお悩みの方は、ぜひ最後までお読みいただき、適切な治療への一歩を踏み出していただければ幸いです。


イボ(疣)とは?基本的な知識

イボとは、皮膚から盛り上がってできる小さなできものの総称です。医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれますが、一般的には「イボ」という俗称で広く知られています。

イボと一口に言っても、その原因や性質はさまざまです。日本皮膚科学会の尋常性疣贅診療ガイドラインでは、皮膚科におけるイボ(疣贅)の定義として、主にヒトパピローマウイルス(HPV)による感染症を指すとされています。しかし、一般の方が「イボ」と呼ぶものには、ウイルス性のイボ以外にも、加齢による老人性イボや、摩擦などで生じる首イボなど、さまざまな種類が含まれています。

イボの大きさは、直径1mm程度の小さなものから、数センチに及ぶものまでさまざまです。色も肌色から褐色、黒色まで多様であり、表面がザラザラしているものもあれば、滑らかなものもあります。発生する部位も、手足の指、足の裏、顔、首、体幹など全身に及びます。

重要なのは、イボの種類によって治療法が大きく異なるということです。ウイルス性のイボは他の部位や他の人に感染する可能性があるため、早期の治療が推奨されます。一方、老人性イボや首イボは良性腫瘍であり、必ずしも治療が必要というわけではありませんが、見た目の問題や日常生活での不便さから除去を希望される方も多くいらっしゃいます。

また、イボだと思っていたものが実は悪性腫瘍であったというケースもまれにあります。急に大きくなった、色が変わった、出血するようになったなどの変化がある場合は、必ず皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めいたします。


イボの種類と見分け方

イボには複数の種類があり、それぞれ原因や特徴が異なります。ここでは、代表的なイボの種類について解説いたします。

主なイボの分類

イボは大きく分けて、ウイルス感染によるものと、非ウイルス性のものに分類されます。

ウイルス性のイボには、尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)、扁平疣贅(へんぺいゆうぜい)、尖圭コンジローマ、伝染性軟属腫(水イボ)などがあります。これらはいずれもウイルスが原因であるため、適切に治療しないと自分の体の他の部位や、他の人に感染が広がる可能性があります。

非ウイルス性のイボには、脂漏性角化症(老人性イボ)、軟性線維腫(首イボ・アクロコルドン)、稗粒腫(はいりゅうしゅ)などがあります。これらは加齢や紫外線、摩擦などが原因で生じるもので、他の人に感染することはありません。

イボとタコ・ウオノメの違い

イボと混同されやすいものに、タコ(胼胝腫)やウオノメ(鶏眼)があります。これらはイボとは異なる疾患であり、治療法も異なります。

イボは表皮が乳頭状に肥厚する疾患で、メスで表面を削ると点状の出血が見られるのが特徴です。これはイボの中で増殖した毛細血管によるものです。

一方、タコとウオノメは表皮の角質層が肥厚する疾患です。タコは比較的広い範囲に角質層の肥厚が生じており、皮膚が硬くなっていますがあまり痛みはありません。ウオノメは角質層がくさび状に肥厚しているため、圧迫すると痛みがあります。タコやウオノメは圧迫や摩擦によって生じるものであり、感染することはありません。

見た目だけでは判断が難しい場合もあるため、気になる症状がある場合は皮膚科での診察をお勧めいたします。当院では、ダーモスコピーという拡大鏡を用いて詳細に観察し、正確な診断を行っております。


ウイルス性イボ(尋常性疣贅)の特徴と原因

尋常性疣贅とは

尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)は、最も一般的なウイルス性イボです。「尋常性」とは「一般的な」という意味であり、「疣贅」とは「イボ」を指します。主にヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって生じます。

ヒトパピローマウイルスには150種類以上の型があり、感染するウイルスの型によってイボのできやすい場所や見た目が異なります。尋常性疣贅は主にHPV2型、27型、57型などの感染によって生じるとされています。

発症のメカニズム

ヒトパピローマウイルスは、皮膚の小さな傷口から侵入し、表皮の基底細胞に感染します。ウイルスに感染した角化細胞は分裂速度が速まるため、その部分の表皮が肥厚してイボとなります。

潜伏期間は1〜3か月程度と考えられていますが、潜伏感染することもあり、感染から半年以上経過してからイボとして症状が現れることもあります。また、イボの治療中に周囲に小さなイボが新たに現れてくることもあります。

症状と好発部位

尋常性疣贅は、手足の指、手のひら、足の裏、爪の周囲や爪の下などに好発します。特に爪の周囲はささくれが生じやすく、そこからウイルスが侵入してイボができやすい部位です。

見た目は、数mm〜1cm程度の硬い丘疹(きゅうしん)で、表面がザラザラしています。小さなイボは表面がつるつるして光って見えることもあります。足の裏にできたイボは体重がかかるため隆起せず、タコやウオノメと見間違えられることがあります。

イボの表面を少し削ると、点状の出血が見られます。これはウイルスによって増殖した毛細血管からの出血であり、イボを診断する際の重要な手がかりとなります。

感染経路と予防

尋常性疣贅は接触感染によって広がります。イボに直接触れることで感染するほか、イボに触れた手で自分の体の他の部位を触ると、そこにも感染が広がることがあります。また、家族間でタオルを共用することで感染することもあります。

予防のためには、イボに触れないこと、イボがある場合はタオルを共用しないこと、皮膚の傷をこまめにケアすることが大切です。また、乾燥した肌はバリア機能が低下しているため、日頃から保湿を心がけることも予防につながります。

自然治癒について

体にイボのウイルスに対する免疫(抗体)ができると、イボが自然に治ることがあります。しかし、免疫ができるまでの期間には個人差が大きく、放置していても何年経ってもイボが治らない人もいます。その間にイボは増え続け、大きくなり、他の部位や他の人への感染源となり続けます。

イボは小さく、数が少ないうちは比較的短期間で治療できますが、大型のものや多発したものは難治性となりやすいです。早期に適切な治療を受けることをお勧めいたします。


老人性イボ(脂漏性角化症)の特徴と原因

脂漏性角化症とは

脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)は、「老人性疣贅」「老人性イボ」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。皮膚の老化現象の一つとされ、加齢とともに増加します。早い人では20代後半から出現し始め、40代以降に増加することが多く、80代になるとほぼ全員に見られるようになります。

重要な点として、脂漏性角化症はウイルス性のイボではないため、他の人に感染することはありません。また、悪性化してがんになることもありません。

症状と好発部位

脂漏性角化症は、褐色から黒褐色の、やや盛り上がった病変として現れます。大きさは数mmから1〜2cm程度とさまざまで、表面はカサカサして硬く、ザラザラしているのが特徴です。

好発部位は、顔面、頭部、前胸部、上背部、手の甲など、日光に当たりやすい部位です。ただし、脇の下や体幹など、日光に当たらない部位にも発生することがあります。手のひらや足の裏にはできません。

最初はシミ(老人性色素斑)だったものが、時間の経過とともに盛り上がって脂漏性角化症になることもあります。シミとの違いは、脂漏性角化症には凹凸があり、表面を触るとザラザラしている点です。

原因

脂漏性角化症ができる主な原因は、皮膚の老化と紫外線です。長年にわたる紫外線暴露により、皮膚の表皮基底細胞の遺伝子に異常が起こることで発生すると考えられています。

そのため、ゴルフ、登山、釣りなど屋外での活動を長年続けている方には、顔面に多数の脂漏性角化症が見られることが多いです。

遺伝的な要因も関与しているとされ、脂漏性角化症ができやすい体質の人とあまりできない体質の人がいます。

注意すべき点

脂漏性角化症は良性腫瘍であるため、必ずしも治療が必要というわけではありません。しかし、見た目が気になる場合や、衣類に擦れて不快感がある場合、かゆみがある場合などには除去をお勧めすることがあります。

注意が必要なのは、脂漏性角化症だと思っていたものが実は悪性腫瘍であるケースです。特に日光角化症(老人性角化症)は前がん状態とされており、脂漏性角化症と見分けがつきにくいことがあります。また、悪性黒色腫(メラノーマ)や基底細胞がんなどの皮膚がんが脂漏性角化症に似た外観を呈することもあります。

急に大きくなった、色が変わった、出血する、かゆみが強いなどの変化がある場合は、必ず皮膚科専門医の診察を受けてください。当院では必要に応じて組織検査(病理検査)を行い、正確な診断を行っております。

また、全身に急に老人性イボが増え、かゆみを伴う場合は、「Leser-Trelat(レーザー・トレラ)徴候」と呼ばれ、内臓悪性腫瘍(消化器がんやリンパ腫など)の皮膚症状として現れている可能性があります。このような場合は詳しい検査が必要となります。


首イボ(軟性線維腫・アクロコルドン)の特徴と原因

軟性線維腫とは

軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)は、首や脇の下、胸元などの皮膚が柔らかい部位にできやすい良性の皮膚腫瘍です。医学的には「アクロコルドン」または「スキンタッグ」とも呼ばれます。

首にたくさんできるポツポツとしたイボの多くは、この軟性線維腫です。ウイルス性のイボではないため、他の人に感染することはありません。

症状と特徴

軟性線維腫は、肌色から淡い褐色の、柔らかい丘疹として現れます。大きさは1〜3mm程度のものが多いですが、5mm以上に大きくなるものもあります。

形状は、平らなもの、少し盛り上がったもの、皮膚から飛び出して茎を持つもの(有茎性)などさまざまです。小さなものをアクロコルドンやスキンタッグ、やや大きなものを軟性線維腫と呼び分けることもあります。

多発することが多く、首周り全体に数十個から数百個できることもあります。通常は痛みやかゆみはありませんが、衣類やアクセサリーに引っかかったり、摩擦でねじれたりすると、炎症を起こして痛みや出血を伴うことがあります。

原因

軟性線維腫の原因は完全には解明されていませんが、以下の要因が関与していると考えられています。

加齢は最も大きな要因の一つです。30代頃から出現し始め、年齢とともに増加する傾向があります。皮膚のコラーゲンが減少し、皮膚がたるんで摩擦に弱くなることが一因とされています。

摩擦も重要な要因です。首、脇の下、鼠径部など、皮膚同士がこすれやすい部位に好発することから、慢性的な摩擦刺激が発症に関与していると考えられています。肥満の方に多く見られるのも、皮膚のたるみや摩擦が増えることが関係していると推測されています。

また、軟性線維腫が複数個存在する場合、糖尿病、脂質異常症、インスリン抵抗性症候群などの代謝疾患との関連が指摘されています。これらの疾患のスクリーニングが推奨されることもあります。

自己処理の危険性

「首イボを自分で取れないか」と考える方もいらっしゃいますが、自己処理はお勧めできません。

確かに、茎があって飛び出しているタイプの軟性線維腫は、物理的に取ろうと思えば取れるかもしれません。しかし、爪切りなどで切り取った場合、衛生面での問題があり、感染して傷口が化膿してしまう可能性があります。また、出血したり、かえって炎症を起こしたりして、症状を悪化させてしまうこともあります。

さらに、自己判断で首イボだと思っていたものが、実はウイルス性のイボだったり、悪性腫瘍だったりするケースもあります。ウイルス性のイボの場合、自己処理で刺激することで周囲に感染が広がることがあります。

また、市販のイボ取りクリームや杏仁オイル、保湿クリームなどで軟性線維腫が改善するという医学的根拠はありません。「かえってかぶれてしまった」という声も少なくありません。

首イボでお悩みの場合は、自己処理をせず、皮膚科での適切な治療をお受けになることをお勧めいたします。


水イボ(伝染性軟属腫)の特徴と原因

伝染性軟属腫とは

伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)は、一般的に「水イボ」と呼ばれる皮膚感染症です。伝染性軟属腫ウイルス(ポックスウイルスの一種)の感染によって生じます。

主に7歳以下の子どもに多く見られますが、大人にも感染することがあります。特に皮膚のバリア機能が低下している方(アトピー性皮膚炎の方など)は感染しやすい傾向があります。

症状と特徴

水イボは、直径1〜5mm程度の、やや光沢のある肌色〜白っぽい円形の丘疹として現れます。表面は滑らかで、中央部に小さなくぼみ(臍窩)があるのが特徴です。水が入っているような光沢があることから「水イボ」と呼ばれますが、実際には液体ではなく、ウイルスと変性した表皮組織からなる白っぽい塊が入っています。

通常は痛みやかゆみはありませんが、体内でウイルスを排除しようとする免疫反応が起きると、炎症を起こしてかゆくなることがあります。この炎症は、イボが間もなく消えることを示している場合もあります。

好発部位は、首、脇の下、肘、体幹、膝の裏側など、皮膚が擦れやすい部位です。手のひらや足の裏にはできません。

感染経路

水イボは接触感染によって広がります。感染者の肌に直接触れることで感染するほか、ウイルスが付着したタオルやビート板などを介して感染することもあります。

特に注意が必要なのは、イボを引っかいた手で体の他の部位を触ることで、自分自身の体に感染が広がってしまうことです。また、兄弟姉妹と一緒にお風呂に入ることで感染が広がるケースも多く見られます。

潜伏期間は2週間から数か月とされています。

プールと水イボ

水イボとプールの関係については、誤解が多いところです。

日本小児皮膚科学会によると、水イボがあってもプールに入ること自体は問題ありません。プールの水で感染することは考えにくく、肌と肌の接触やタオル、ビート板の共用を避ければ、感染を予防できるとされています。

ただし、保育園、幼稚園、スイミングスクールなどの施設によっては、水イボのある子どものプール使用を制限しているところもあります。施設のルールに従っていただく必要がありますが、医学的にはプールを禁止する必要は必ずしもありません。

自然治癒と治療の選択

水イボは、体に免疫ができると自然に治ることがあります。健康な子どもの場合、6か月〜3年程度で自然治癒するとされています。

しかし、自然治癒を待つ間にイボが増え続けたり、他の子どもや家族に感染したりするリスクがあります。特にアトピー性皮膚炎のある子どもは、湿疹を掻くのと一緒に水イボを掻いてしまい、全身に無数に広がりやすい傾向があります。

個数が少ないうちに治療を行った方が、治療期間も短く、患者様の負担も少なくて済みます。治療するか、自然治癒を待つかは、お子様の状況や保護者様のご意向を踏まえて、医師と相談の上で決めることをお勧めいたします。


イボの除去治療法

イボの治療法はさまざまで、イボの種類、大きさ、数、部位、患者様のご年齢やご希望などによって最適な方法が異なります。ここでは、代表的な治療法について解説いたします。

液体窒素凍結療法

液体窒素凍結療法は、日本皮膚科学会の「尋常性疣贅診療ガイドライン2019」において、推奨度A(行うよう強く勧められる)とされている、最も標準的な治療法です。日本のほぼすべての皮膚科で行われています。

マイナス196℃の液体窒素を綿棒やスプレーを使ってイボに当て、イボの組織を凍結させて壊死させる方法です。凍結と融解を3回程度繰り返し、1〜2週間ごとに通院して治療を続けます。

凍結によってイボの組織が破壊されると、かさぶたとなって自然に剥がれ落ちます。また、凍結による炎症反応がウイルスに対する免疫反応を活性化させる効果も期待できます。

メリットとしては、保険適用であること、手技が簡便で治療時間が短いこと、傷跡が残りにくいことなどが挙げられます。

デメリットとしては、治療時に痛みを伴うこと、複数回の通院が必要なこと、水疱や血豆ができることがあること、色素沈着が残ることがあることなどが挙げられます。特に足の裏や手のひらなど皮膚が厚い部位は治るまでに時間がかかります。治療期間は個人差がありますが、3〜6か月程度が一つの目安となります。

液体窒素凍結療法は、ウイルス性イボ(尋常性疣贅)だけでなく、老人性イボ(脂漏性角化症)や首イボ(軟性線維腫)の治療にも使用されます。

レーザー治療

レーザー治療は、特定の波長の光を照射することでイボの組織を蒸散させたり、破壊したりする方法です。日本皮膚科学会のガイドラインでは推奨度B(行うよう勧められる)とされています。

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、イボの組織を熱エネルギーで蒸散させて除去します。止血作用があるため出血が少なく、治療時間も短いのが特徴です。局所麻酔を行ってから照射するため、治療中の痛みは軽減されます。

老人性イボ(脂漏性角化症)の治療では、炭酸ガスレーザーが最も美しく仕上がる方法とされています。1回の治療で除去できることが多く、傷跡も目立ちにくい傾向があります。

色素レーザー(Vビームなど)は、イボに栄養を送る毛細血管を選択的に破壊することでイボにダメージを与える方法です。液体窒素療法で効果がなかった難治例に対して有効な場合があります。

レーザー治療のデメリットとしては、多くの場合保険適用外(自費)となること、費用が比較的高額になることがあることなどが挙げられます。

外科的切除

外科的切除は、局所麻酔を行った上でメスやハサミを使ってイボを切り取る方法です。

ウイルス性イボに対しては、日本皮膚科学会のガイドラインで「標準治療で効果がない場合の選択肢」として推奨度Bとされています。確実にイボを除去できる反面、切除後に傷跡が残りやすいというデメリットがあります。

首イボ(軟性線維腫)に対しては、小さなものであれば医療用ハサミで根元から切り取る方法が有効です。この方法は麻酔が不要で、痛みも少なく、出血も少ないため、小さな首イボには最適です。

やや大きなイボや、盛り上がりのあるイボに対しては、サージトロン(高周波メス)やラジオ波メスを使用することがあります。これらは切除と止血を同時に行えるため、出血が少なく、傷口も目立ちにくいというメリットがあります。

大きなイボの場合は、切除後に縫合が必要となることもあります。

薬物療法・内服治療

薬物療法には、外用薬(塗り薬)と内服薬があります。

サリチル酸外用薬は、皮膚を柔らかくして剥がす作用があり、イボの部分が柔らかくなって取れやすくなります。日本皮膚科学会のガイドラインで推奨度Aとされていますが、有効性は液体窒素療法より劣るとされています。貼り薬(スピール膏)として市販もされていますが、自己判断での使用はお勧めできません。正常な皮膚に付着すると皮膚トラブルの原因となることがあります。

ヨクイニンは、ハトムギの種子から抽出した生薬で、イボのウイルスに対する免疫を活性化させる作用があるとされています。日本皮膚科学会のガイドラインで推奨度Bとされています。液体窒素療法のような痛みを伴わないため、お子様にも使用しやすいのがメリットです。ただし、効果が現れるまでに数か月〜数年かかることがあり、単独では十分な効果が得られないことも多いため、他の治療法と併用することが一般的です。

なお、ヨクイニンはウイルス性イボには効果が期待できますが、軟性線維腫(首イボ)には効果がありません。軟性線維腫は免疫系の問題ではなく、皮膚の構造的な変化であるためです。

その他の治療法

モノクロール酢酸療法は、強力な酸をイボに塗布して腐食させる方法です。液体窒素療法よりも痛みが少ないため、小さなお子様に適した治療法です。週1回のペースで治療を繰り返すと、イボがかさぶたになって剥がれ落ちてきます。

ブレオマイシン局所注射は、抗がん剤であるブレオマイシンをイボに直接注射する方法です。液体窒素療法で治りにくい難治性のイボや、足の裏のイボに対して使用されることがあります。痛みを伴い、爪の周囲では爪の変形が起きることがあるため、他の治療法で効果がない場合の選択肢となります。

水イボ(伝染性軟属腫)に対しては、専用のピンセット(トラコーマ鑷子)でイボをつまみ取る方法が最も確実です。痛みがあるため、事前に局所麻酔薬のテープを貼ってから処置を行うことが多いです。


イボ治療の流れと通院期間

初診時の流れ

イボ治療は、まず正確な診断から始まります。

問診では、いつ頃からイボがあるか、増えているか、痛みやかゆみはあるか、過去にイボの治療を受けたことがあるかなどをお聞きします。

視診では、イボの外観、大きさ、数、部位などを確認します。必要に応じて、ダーモスコピーという拡大鏡を使用して詳細に観察します。ウイルスによって増殖した毛細血管を確認することで、ウイルス性イボの診断が可能です。

診断がついたら、イボの種類や状態に応じた治療法をご説明し、患者様と相談の上で治療方針を決定します。

多くの場合、初診日から治療を開始することが可能です。

通院期間の目安

イボ治療は1回で完治することは稀で、多くの場合は複数回の通院が必要です。

ウイルス性イボ(尋常性疣贅)の場合、液体窒素療法では1〜2週間ごとに通院し、3〜6か月程度で完治することが多いです。ただし、イボの大きさ、深さ、部位、個数によって治療期間は大きく異なります。足の裏や手のひらなど皮膚が厚い部位は、治療期間が長くなる傾向があります。

老人性イボ(脂漏性角化症)の場合、液体窒素療法では複数回の治療が必要なことが多いですが、炭酸ガスレーザー治療では1回で除去できることもあります。

首イボ(軟性線維腫)の場合、個数が少なければ1回の治療で除去できることもありますが、多数ある場合は複数回に分けて治療することがあります。

水イボ(伝染性軟属腫)の場合、免疫ができるまでは新しいイボが出現し続けることがあるため、定期的に通院してイボの数を減らしていく必要があります。

治療費の目安

イボ治療の費用は、治療法やイボの状態によって異なります。

液体窒素療法、サリチル酸外用、ヨクイニン内服、外科的切除などは保険適用となります。3割負担の場合、1回の治療費は数百円〜数千円程度が目安です。

レーザー治療は多くの場合自費診療となります。費用はイボの数や大きさによって異なりますが、1個あたり数千円〜1万円程度が目安です。

詳しい費用については、初診時にお見積もりをお出しいたしますので、お気軽にご相談ください。


治療後のケアと注意点

液体窒素療法後のケア

液体窒素療法後は、治療部位に水疱(水ぶくれ)や血豆ができることがあります。これは正常な反応であり、1〜2週間で自然に吸収されます。

水疱ができた場合は、ご自身で潰さないようにしてください。潰すと感染のリスクが高まります。また、水疱により痛みがある場合もありますが、通常は数日で治まります。

治療当日から入浴は可能ですが、治療部位を強くこすらないようにしてください。

もし痛みが強い場合や、水疱に感染が起きた場合(膿が出る、赤みが広がる、熱を持つなど)は、早めに受診してください。

レーザー治療後のケア

レーザー治療後は、治療部位に軟膏を塗り、テープで保護することが多いです。1〜2日間はテープを貼ったままにして、傷を保護してください。

治療後は赤みやかさぶたができますが、1〜2週間で自然に剥がれ落ちます。かさぶたを無理に剥がさないようにしてください。

治療部位が治るまでは、化粧(顔の場合)は控えることをお勧めします。また、紫外線による色素沈着を防ぐため、日焼け止めを塗るなどの紫外線対策を行ってください。

再発予防について

ウイルス性イボは、治療後も再発することがあります。これは、目に見えないところにウイルスが潜んでいる場合があるためです。治療完了後も、定期的に観察し、再発の兆候がないかチェックすることが大切です。

再発予防のためには、皮膚のバリア機能を高めることが重要です。乾燥した肌はウイルスが侵入しやすいため、日頃から保湿を心がけてください。また、皮膚の傷はこまめにケアし、清潔に保つようにしてください。

老人性イボ(脂漏性角化症)や首イボ(軟性線維腫)は、治療した部位が再発することは稀ですが、他の部位に新たなイボができることはあります。これらは加齢や紫外線などが原因であるため、紫外線対策や皮膚の摩擦を減らすことが予防につながります。


イボを放置するとどうなる?

イボを放置した場合にどうなるかは、イボの種類によって異なります。

ウイルス性イボの場合

ウイルス性イボを放置すると、以下のようなリスクがあります。

まず、イボが大きくなる可能性があります。感染した部位でウイルスが増殖を続け、周囲の角化細胞に感染を広げていくため、イボは徐々に大きくなります。

次に、イボの数が増える可能性があります。離れた場所にも飛び火して、イボが多発することがあります。特に自分でイボを触った手で他の部位を触ると、そこに感染が広がりやすくなります。

また、他の人に感染させるリスクがあります。家族やパートナー、友人などにイボをうつしてしまう可能性があります。

体に免疫ができると自然に治ることもありますが、いつ治るかは予測できません。その間、イボは増え続け、治療が難しくなる可能性があります。

イボは小さく、数が少ないうちに治療する方が、治療期間も短く、患者様の負担も少なくて済みます。

老人性イボの場合

老人性イボ(脂漏性角化症)を放置しても、悪性化することはありません。ただし、自然に消えることもありません。時間の経過とともに少しずつ大きくなったり、数が増えたりする傾向があります。

見た目が気にならなければ放置しても問題ありませんが、衣類に擦れて不快感がある場合や、美容的に気になる場合は除去をお勧めします。

ただし、前述のとおり、脂漏性角化症だと思っていたものが実は悪性腫瘍であるケースもあります。急な変化がある場合は、必ず皮膚科専門医の診察を受けてください。

首イボの場合

首イボ(軟性線維腫)を放置しても、悪性化することはありません。ただし、自然に消えることもなく、加齢とともに増える傾向があります。

衣類やアクセサリーに引っかかって炎症を起こしたり、見た目が気になったりする場合は、除去をお勧めします。

水イボの場合

水イボは、免疫ができれば自然に治ることがあります。しかし、その間にイボが増え続けたり、他の子どもや家族に感染したりするリスクがあります。

特にアトピー性皮膚炎のあるお子様は、イボが全身に広がりやすく、治療も難しくなることがあります。早めに治療を開始することをお勧めします。


大宮でイボ除去治療を受けるメリット

アクセスの良さ

大宮は埼玉県の交通の要衝であり、JR各線、東武野田線(アーバンパークライン)、ニューシャトルなど複数の路線が乗り入れています。埼玉県内はもちろん、東京方面からのアクセスも良好です。

イボ治療は複数回の通院が必要なことが多いため、通いやすい場所にあるクリニックを選ぶことは重要です。大宮駅周辺には多くの皮膚科・形成外科があり、患者様のライフスタイルに合わせて選択することができます。

専門医による診療

イボの治療は、正確な診断と適切な治療法の選択が重要です。イボだと思っていたものが実は別の疾患であったり、悪性腫瘍であったりするケースもあります。

アイシークリニック大宮院では、皮膚科・形成外科の専門医が丁寧に診察を行い、患者様お一人おひとりに最適な治療法をご提案しております。ダーモスコピー検査により正確な診断を行い、必要に応じて病理検査も実施いたします。

充実した治療設備

アイシークリニックでは、液体窒素凍結療法はもちろん、レーザー治療、外科的切除など、複数の治療法をご用意しております。イボの種類や状態、患者様のご希望に応じて、最適な治療法をご提案いたします。

また、液体窒素療法で効果がなかった難治例に対しても、他の治療法を組み合わせることで対応が可能です。

丁寧な説明とフォローアップ

イボ治療は、患者様のご理解とご協力が不可欠です。当院では、治療法のメリット・デメリット、治療期間の目安、費用などについて、事前に丁寧にご説明いたします。

治療後のケアについてもしっかりとご説明し、再発予防のためのアドバイスもいたします。治療中に気になることがあれば、いつでもご相談ください。


よくある質問(Q&A)

Q1. イボは自分で取っても大丈夫ですか?

A. 自分でイボを取ることはお勧めできません。衛生面の問題から感染のリスクがあり、かえって症状を悪化させたり、周囲に感染を広げたりすることがあります。また、イボだと思っていたものが悪性腫瘍である可能性もあります。必ず専門医の診察を受けてから、適切な治療を受けてください。

Q2. 市販のイボ取り薬は効果がありますか?

A. 市販のイボ取り薬(サリチル酸を含む貼り薬など)は、ウイルス性イボに対しては一定の効果が期待できます。ただし、自己判断で使用すると、正常な皮膚を傷つけてしまったり、イボの種類を見誤って効果がない治療を続けてしまったりするリスクがあります。また、老人性イボや首イボには効果がありません。まずは皮膚科を受診し、正確な診断を受けることをお勧めします。

Q3. 液体窒素療法は痛いですか?

A. 液体窒素療法は、マイナス196℃の超低温をイボに当てるため、治療時に痛みを伴います。痛みの感じ方には個人差があり、「チクチクする程度」という方もいれば、「かなり痛い」とおっしゃる方もいます。痛みは通常、治療後数時間〜翌日には治まります。当院では、患者様とコミュニケーションを取りながら、耐えられる範囲で治療を行っております。

Q4. 子どものイボ治療はできますか?

A. はい、お子様のイボ治療も行っております。お子様の場合、痛みへの恐怖心が強いこともあるため、できるだけ痛みの少ない治療法を選択するよう心がけております。水イボの場合は、局所麻酔薬のテープを事前に貼ってから処置を行うことで、痛みを軽減できます。ウイルス性イボの場合は、液体窒素療法のほか、モノクロール酢酸療法やヨクイニン内服など、痛みの少ない方法を組み合わせることもあります。

Q5. イボ治療は保険が適用されますか?

A. イボの種類と治療法によって異なります。ウイルス性イボ(尋常性疣贅)の液体窒素療法、外科的切除、ヨクイニン内服などは保険適用となります。老人性イボ(脂漏性角化症)の液体窒素療法も保険適用です。一方、美容目的でのレーザー治療は自費診療となることが多いです。詳しくは初診時にご説明いたしますので、お気軽にご相談ください。

Q6. イボ治療にはどのくらいの期間がかかりますか?

A. イボの種類、大きさ、数、部位などによって治療期間は大きく異なります。ウイルス性イボの液体窒素療法の場合、1〜2週間ごとに通院し、3〜6か月程度で完治することが多いですが、難治例では1年以上かかることもあります。老人性イボや首イボのレーザー治療の場合は、1〜数回の治療で除去できることが多いです。

Q7. 治療後にイボが再発することはありますか?

A. ウイルス性イボは、目に見えないところにウイルスが潜んでいる場合、治療後に再発することがあります。再発した場合は、再度治療を行います。再発を防ぐためには、皮膚の保湿を心がけ、バリア機能を高めることが大切です。老人性イボや首イボは、治療した部位が再発することは稀ですが、他の部位に新たなイボができることはあります。

Q8. イボがあるとプールに入れませんか?

A. ウイルス性イボや水イボがあっても、医学的にはプールに入ること自体は問題ありません。ただし、他の人への感染を防ぐため、イボを防水性のばんそうこうで覆う、タオルやビート板を共用しないなどの配慮が必要です。また、施設によっては独自のルールがある場合がありますので、事前に確認してください。


まとめ

イボ(疣)は非常に身近な皮膚トラブルですが、その種類はさまざまであり、適切な治療を受けることが大切です。

ウイルス性イボ(尋常性疣贅)は、ヒトパピローマウイルスの感染によって生じ、放置すると大きくなったり、数が増えたり、他の人に感染したりするリスクがあります。小さく、数が少ないうちに治療することで、短期間で完治することができます。

老人性イボ(脂漏性角化症)は、加齢と紫外線によって生じる良性腫瘍です。悪性化することはありませんが、見た目が気になる場合は除去することができます。

首イボ(軟性線維腫)は、皮膚の摩擦などによって生じる良性腫瘍です。他の人に感染することはありませんが、衣類やアクセサリーに引っかかって不快な場合は除去をお勧めします。

水イボ(伝染性軟属腫)は、伝染性軟属腫ウイルスの感染によって生じ、主にお子様に見られます。自然治癒することもありますが、感染を広げないために治療を行うことも選択肢の一つです。

イボの治療法としては、液体窒素凍結療法が最も一般的ですが、レーザー治療、外科的切除、薬物療法など、さまざまな選択肢があります。イボの種類や状態、患者様のご希望に応じて、最適な治療法を選択することが重要です。

イボでお悩みの方は、自己判断で市販薬を使用したり、無理に取ろうとしたりせず、まずは専門医の診察を受けることをお勧めいたします。正確な診断と適切な治療により、イボのお悩みを解決いたします。

アイシークリニック大宮院では、経験豊富な医師が丁寧に診察を行い、患者様お一人おひとりに最適な治療をご提案いたします。大宮駅からのアクセスも良好で、お仕事帰りやお買い物のついでにも通いやすい立地です。イボのことでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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