「自分がワキガだと子どもにも遺伝するのだろうか」「両親がワキガだから自分もワキガになってしまうのか」といった不安を抱える方は少なくありません。ワキガは医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、その発症には遺伝が深く関わっていることが分かっています。本記事では、ワキガと遺伝の関係性、遺伝する確率、遺伝以外の原因、そしてワキガの対処法や治療法まで、医師監修のもと詳しく解説します。ワキガでお悩みの方、またはお子様への遺伝が心配な方はぜひ参考にしてください。
目次
- ワキガとは何か
- ワキガの主な原因
- ワキガと遺伝の関係
- ワキガが遺伝する確率
- 遺伝以外のワキガの原因
- ワキガのセルフチェック方法
- ワキガの治療法
- 日常生活でできるワキガ対策
- ワキガの治療ならアイシークリニック大宮院へ
- よくある質問
🔬 ワキガとは何か
ワキガとは、脇の下から特有の強いにおいが発生する状態を指します。医学的には「腋臭症(えきしゅうしょう)」と呼ばれ、体質的な特徴の一つとして認識されています。
ワキガのにおいは、一般的な汗のにおいとは異なり、独特の刺激臭を伴うことが特徴です。このにおいは、以下のような表現がされます:
- 玉ねぎや長ネギのような硫黄系のにおい
- 酢やお酢のような酸っぱいにおい
- 香辛料のようなスパイシーなにおい
ワキガは病気ではなく体質であるため、健康上の問題を引き起こすことはありません。しかし、においが原因で日常生活や対人関係に支障をきたすケースも少なくなく、精神的な負担を感じている方も多くいらっしゃいます。
日本人のワキガの割合は約10〜15%程度とされており、欧米人(約70〜90%)と比較すると少数派であることから、日本では特にワキガに対する悩みが深刻化しやすい傾向にあります。
🧪 ワキガの主な原因
ワキガのにおいが発生する直接的な原因は、脇の下にある「アポクリン汗腺」から分泌される汗にあります。
人間の体には以下2種類の汗腺が存在します:
💧 エクリン汗腺の特徴
- 全身のほぼすべての部位に分布
- 主に体温調節のために汗を分泌
- 約99%が水分で構成
- 無色透明でほぼ無臭
🎯 アポクリン汗腺の特徴
- 脇の下、耳の中、乳輪周辺、陰部など限られた部位にのみ存在
- タンパク質、脂質、アンモニア、鉄分などの成分を含む汗を分泌
- 皮膚表面の常在菌によって分解されることでにおいが発生
つまり、ワキガのにおいはアポクリン汗腺から出た汗そのものが臭いのではなく、汗に含まれる成分が細菌によって分解される過程で生じるものなのです。
🧬 ワキガと遺伝の関係
ワキガは遺伝的な要因が大きく関与する体質です。アポクリン汗腺の数や大きさは、生まれたときからほぼ決まっており、これらの特徴は親から子へと遺伝することが科学的に明らかになっています。
📊 ワキガの遺伝形式
ワキガの遺伝は「優性遺伝(顕性遺伝)」の形式をとることが知られています。優性遺伝とは、両親のどちらか一方からその形質を持つ遺伝子を受け継ぐだけで、その特徴が子どもに現れやすい遺伝形式のことです。
具体的には、ワキガに関連する遺伝子として「ABCC11遺伝子」が特定されています。この遺伝子には以下の2種類があります:
- G型(湿型):アポクリン汗腺が活発に働きやすく、ワキガを発症しやすい
- A型(乾型):アポクリン汗腺の活動が低い
👂 耳垢のタイプとワキガの関係
このABCC11遺伝子は耳垢のタイプも決定しています:
- 湿型の耳垢(ベタベタした耳垢):ワキガ体質である可能性が高い
- 乾型の耳垢(カサカサした耳垢):ワキガ体質の可能性は低い
日本人の約80〜85%は乾型の耳垢を持っており、これは日本人にワキガが少ない理由の一つとして考えられています。
📈 ワキガが遺伝する確率
ワキガが子どもに遺伝する確率は、両親のワキガ体質の有無によって異なります:
👪 両親ともにワキガ体質の場合
約75〜90%の確率で子どもがワキガ体質を受け継ぐとされています。これは非常に高い確率であり、ほとんどの場合、子どももワキガ体質になる可能性があることを意味します。
👨👩👧👦 片方の親がワキガ体質の場合
約50〜75%の確率で子どもがワキガ体質を受け継ぐとされています。優性遺伝の特性上、片方の親からワキガ関連の遺伝子を受け継ぐだけでも、ワキガ体質になる可能性があります。
🏠 両親ともにワキガ体質でない場合
両親がともにワキガ体質でない場合でも、ワキガ体質の子どもが生まれる可能性はゼロではありません。これは、両親が劣性遺伝子として潜在的にワキガ関連の遺伝子を保有している場合に起こりえます。ただし、この確率は非常に低いとされています。
🔄 隔世遺伝について
ワキガは隔世遺伝することもあります。祖父母の代にワキガ体質の人がいた場合、両親にワキガの症状がなくても、子どもにワキガ体質が現れることがあります。
🍽️ 遺伝以外のワキガの原因
ワキガの主な原因は遺伝ですが、それ以外にも症状を悪化させたり、発症のきっかけとなったりする要因があります:
⚖️ ホルモンバランスの変化
- 思春期:性ホルモン分泌の活発化により症状が現れ始める
- 女性の月経周期、妊娠、出産、更年期:ホルモンバランスの変化により症状が変動
🥩 食生活
以下の食品は症状を悪化させる可能性があります:
- 動物性タンパク質や脂質の多い食事
- にんにくや玉ねぎなどの香りの強い食材
- アルコール、カフェイン
- 香辛料
😰 ストレス
精神的なストレスは自律神経に影響を与え、アポクリン汗腺からの発汗を促進することがあります。
⚖️ その他の要因
- 肥満:発汗量の増加と通気性の悪化
- 衛生状態:細菌の繁殖によるにおいの悪化
- 喫煙:ニコチンによる発汗促進
✅ ワキガのセルフチェック方法
自分がワキガ体質かどうかを判断するためのチェック項目をご紹介します:
👂 耳垢のタイプを確認する
ベタベタした湿った耳垢の場合、ワキガ体質である可能性が高いです。
👨👩👧👦 家族にワキガの人がいるか確認する
ワキガは遺伝性が高いため、家族にワキガ体質の人がいる場合は要注意です。
👕 衣類の脇部分に黄ばみがつくか確認する
アポクリン汗腺から分泌される汗に含まれるリポフスチンという色素成分により、衣類に黄色いシミが残ります。
💦 その他のチェックポイント
- 脇汗の量が多い
- 脇毛が濃い、または量が多い
- ガーゼテストでにおいを確認
🏥 ワキガの治療法
ワキガの症状が気になる場合、症状の程度や患者様の希望によって、最適な治療法は異なります:
💊 外用薬による治療
- 塩化アルミニウム含有制汗剤
- 抗菌作用のある外用薬
💉 ボトックス注射
- 効果持続期間:約4〜6ヶ月
- ダウンタイムがほとんどない
- 重度の多汗症には保険適用の場合あり
🔥 レーザー治療
- 皮膚を切開せずに治療可能
- 傷跡が残りにくい
- ダウンタイムが比較的短い
⚡ ミラドライ
- マイクロ波を使用して汗腺を破壊
- 一度の施術で高い効果が期待
- 半永久的な効果
🔪 手術療法
重度のワキガに対する手術法:
- 剪除法:直接目で確認しながらアポクリン汗腺を除去(保険適用の場合あり)
- 吸引法:細い管を挿入して汗腺を吸引除去
- 超音波法:超音波で汗腺を破壊・吸引
🏠 日常生活でできるワキガ対策
医療機関での治療と並行して、日常生活でのワキガ対策も重要です:
🚿 脇の下を清潔に保つ
- 毎日の入浴時にしっかりと洗浄
- 汗をかいたらこまめに拭き取る
- 抗菌作用のある石鹸やボディソープを使用
🧴 制汗剤やデオドラントを活用
- スプレータイプ、ロールオンタイプ、クリームタイプなど
- 清潔な状態の肌に塗布することが重要
👔 通気性の良い衣類を選ぶ
- 綿や麻などの天然素材
- 汗取りパッドの使用
- こまめな着替え
🥗 食生活を見直す
- 野菜や果物、魚を中心としたバランスの良い食事
- 動物性脂肪の摂取を控える
- アルコール摂取の制限
😌 その他の対策
- ストレス管理:十分な睡眠、適度な運動
- 脇毛の処理:細菌の繁殖防止
- 適度な運動:汗腺機能の正常化
🏥 ワキガの治療ならアイシークリニック大宮院へ
ワキガは遺伝的な要因が大きいため、日常生活での対策だけでは十分に改善されない場合があります。においが気になって日常生活に支障をきたしている方、セルフケアでは効果を実感できない方は、専門の医療機関への相談をお勧めします。
アイシークリニック大宮院では、ワキガ治療の経験豊富な医師が、患者様一人ひとりの症状や希望に合わせた最適な治療法をご提案いたします。ボトックス注射による手軽な治療から、根本的な改善を目指す手術療法まで、幅広い治療オプションをご用意しております。
ワキガは決して恥ずかしいことではなく、適切な治療によって改善が可能な体質です。一人で悩まずに、まずはお気軽にご相談ください。カウンセリングでは、患者様のお悩みをしっかりとお聞きした上で、治療の選択肢やメリット・デメリット、費用などについて詳しくご説明いたします。

❓ よくある質問
ワキガが必ず遺伝するとは限りません。両親ともにワキガ体質の場合は約75〜90%、片親がワキガ体質の場合は約50〜75%の確率で遺伝するとされていますが、遺伝子を受け継いでも症状が現れない場合もあります。
はい、可能性はあります。両親が潜在的にワキガ関連の遺伝子を保有している場合や、隔世遺伝によって祖父母の世代からワキガ体質が受け継がれる場合があります。ただし、この確率は低いとされています。
ワキガの症状は思春期(10代前半〜中盤)に現れ始めることが多いです。これは、性ホルモンの分泌が活発になり、アポクリン汗腺の活動が活発化するためです。ただし、症状の発現時期には個人差があります。
ワキガは体質であるため、自然に完治することは基本的にありません。ただし、加齢に伴いホルモン分泌が減少すると、アポクリン汗腺の活動も低下し、においが軽減されることがあります。根本的な改善を希望する場合は、医療機関での治療をお勧めします。
ワキガ(腋臭症)の手術療法は、医師が治療の必要性を認めた場合、保険適用となることがあります。ただし、ボトックス注射やレーザー治療などは自費診療となる場合が多いです。詳しくは医療機関にご相談ください。
子どものワキガも治療は可能ですが、成長期はホルモンバランスが変化する時期であるため、治療のタイミングは慎重に判断する必要があります。まずは制汗剤などのセルフケアから始め、症状が強い場合や精神的な負担が大きい場合は、医師に相談することをお勧めします。
参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務
医師・当院治療責任者
ワキガは体質的な特徴であり、決して恥ずかしがることではありません。アポクリン汗腺の数や活動性は遺伝によってほぼ決まるため、生活習慣の改善だけでは根本的な解決が困難な場合があります。お悩みの程度に応じて、適切な治療法を選択することで確実な改善が期待できますので、一人で悩まずにご相談いただければと思います。