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ロタウイルスは大人も感染する?症状や感染経路・予防法を詳しく解説

ロタウイルスは乳幼児の感染症として知られていますが、実は大人も感染することがあります。「子どもがロタウイルスに感染したけど、自分にもうつる可能性はあるの?」「大人が感染した場合、どんな症状が出るの?」と心配されている方も多いのではないでしょうか。大人のロタウイルス感染は、乳幼児と比べると症状が軽い傾向にありますが、激しい下痢や嘔吐などのつらい症状が現れることもあります。本記事では、大人がロタウイルスに感染した際の症状や感染経路、適切な対処法、そして家庭内での二次感染を防ぐための予防策について詳しく解説します。正しい知識を身につけて、ご自身やご家族の健康を守りましょう。


目次

  1. ロタウイルスとは?基本情報を理解しよう
  2. 大人もロタウイルスに感染する理由
  3. 大人がロタウイルスに感染した際の症状
  4. ロタウイルスの感染経路と潜伏期間
  5. 大人のロタウイルス感染の診断と治療法
  6. 家庭内での二次感染を防ぐ予防対策
  7. ロタウイルス感染時の食事と水分補給のポイント
  8. 大人のロタウイルス感染で注意すべき合併症
  9. 仕事への復帰はいつから可能か
  10. よくある質問

🦠 ロタウイルスとは?基本情報を理解しよう

ロタウイルスは、急性胃腸炎を引き起こすウイルスの一種です。特に乳幼児に多く見られる感染症ですが、あらゆる年齢層に感染する可能性があります。ここでは、ロタウイルスの基本的な特徴について解説します。

🔬 ロタウイルスの特徴

ロタウイルスは、レオウイルス科に属する二本鎖RNAウイルスです。電子顕微鏡で観察すると車輪(ラテン語でrota)のような形状をしていることから、この名前が付けられました。

ロタウイルスには複数の血清型が存在し、以下の特徴があります:

  • A群からH群までの8つのグループに分類
  • ヒトに感染するのは主にA群、B群、C群
  • 最も一般的なのはA群ロタウイルス

ロタウイルスは環境中での生存力が非常に強く、乾燥した表面でも数週間から数ヶ月間生存することができます。また、一般的な消毒用アルコールでは十分に不活化できないという特徴があり、感染力が非常に強いウイルスとして知られています。わずか10〜100個程度のウイルス粒子でも感染が成立するとされており、家庭内や施設内での集団感染が起こりやすいのはこのためです。

📊 流行時期と感染者数の推移

日本におけるロタウイルス感染症は、例年12月頃から増加し始め、3月から5月にかけてピークを迎えます。この時期は「冬季下痢症」や「白色便性下痢症」とも呼ばれる胃腸炎の流行期と重なります。

ただし、近年では2020年10月からロタウイルスワクチンが定期接種化されたことにより、乳幼児の感染者数は減少傾向にあります。国立感染症研究所のサーベイランスデータによると、ワクチン導入前は毎年約80万人の乳幼児がロタウイルス胃腸炎に罹患し、そのうち約7〜8万人が入院していたとされています。

ワクチンの普及により、重症例や入院患者数は大幅に減少していますが、大人の感染については依然として注意が必要です。特に、ワクチン接種を受けていない世代や、免疫力が低下している高齢者では、感染リスクが残っています。

❓ 大人もロタウイルスに感染する理由

「ロタウイルスは子どもの病気」というイメージをお持ちの方も多いかもしれませんが、大人も感染する可能性があります。なぜ大人でもロタウイルスに感染するのか、そのメカニズムについて詳しく見ていきましょう。

🔄 免疫の低下と再感染のメカニズム

多くの人は幼少期にロタウイルスに感染し、ある程度の免疫を獲得しています。この免疫により、成長後は感染しても重症化しにくくなります。しかし、ロタウイルスには複数の血清型が存在するため、過去に感染した型とは異なる型のウイルスに遭遇すると、再び感染する可能性があります。

また、獲得した免疫は永続的ではなく、時間の経過とともに徐々に低下していきます。以下の要因により免疫機能が低下している場合には、感染リスクが高まります:

  • ストレス
  • 疲労
  • 睡眠不足
  • 栄養状態の悪化
  • 高齢
  • 慢性疾患
  • 免疫抑制剤の使用

👶 子どもからの二次感染

大人がロタウイルスに感染する最も一般的なケースは、感染した子どもからの二次感染です。乳幼児がロタウイルスに感染すると、便中に大量のウイルスが排出されます。その量は1グラムあたり1兆個以上とも言われており、おむつ交換や看病を通じて、親や保育者に感染が広がりやすくなります。

高桑康太 医師・当院治療責任者

大人のロタウイルス感染は子どもからの二次感染が最も多いパターンです。完全に防ぐことは困難ですが、こまめな手洗いと適切な消毒により感染リスクを大幅に減らすことができます。特に子どもの看病時は、処理後の手洗いを徹底することが重要です。

特に、感染した子どもの世話をしている親御さんは、どんなに注意していてもウイルスに曝露される機会が多くなります。手洗いを徹底していても、ウイルスが目に見えないほど微量であっても感染が成立するため、完全に防ぐことは困難です。また、嘔吐物の処理時には、空気中に飛散したウイルスを吸い込んでしまうこともあります。

💼 職業的なリスク

以下の職種の方々は、ロタウイルスに感染するリスクが高くなります:

  • 保育士
  • 幼稚園教諭
  • 小児科の医療従事者
  • 介護職員

これらの職種では、たとえ十分な感染対策を講じていても、長期間にわたる曝露により感染する可能性が否定できません。

また、海外渡航者も注意が必要です。衛生環境が整っていない地域では、ロタウイルスを含む様々な病原体に感染するリスクが高まります。特に、発展途上国への渡航時には、飲食物を通じた感染に注意が必要です。

🤒 大人がロタウイルスに感染した際の症状

大人がロタウイルスに感染した場合、どのような症状が現れるのでしょうか。乳幼児と比較しながら、大人特有の症状の特徴について解説します。

💊 主な症状と経過

大人がロタウイルスに感染した場合の主な症状には、以下があります:

  • 水様性の下痢
  • 嘔吐
  • 腹痛
  • 発熱
  • 全身倦怠感

症状は通常、感染後1〜3日の潜伏期間を経て突然発症することが多いです。下痢は1日に数回から十数回に及ぶこともあり、水のような便が特徴的です。乳幼児の場合は白色または灰白色の便が見られることがありますが、大人の場合は必ずしもこのような特徴的な便色にはなりません。

嘔吐は発症初期に強く現れることが多く、食事どころか水分さえ受け付けないこともあります。腹痛は軽度から中等度で、腹部全体または上腹部に感じることが多いです。発熱は37〜38度台の微熱から中等度の発熱が見られますが、高熱になることは比較的少ないとされています。

症状は通常3〜7日程度で自然に改善していきます。ただし、下痢症状は嘔吐が治まった後も数日間続くことがあり、完全に回復するまでには1週間以上かかることもあります。

👶 乳幼児との症状の違い

大人のロタウイルス感染症は、一般的に乳幼児と比較すると軽症であることが多いです。これは、大人の多くが過去にロタウイルスに感染した経験があり、ある程度の免疫を持っているためです。

乳幼児では激しい嘔吐や下痢により脱水症状に陥りやすく、入院が必要になるケースも少なくありませんが、大人の場合は外来治療や自宅療養で回復することがほとんどです。

ただし、すべての大人が軽症で済むわけではありません。以下の場合には重症化することもあります:

  • 初めてロタウイルスに感染する大人
  • 過去の感染から長期間が経過して免疫が低下している場合
  • 基礎疾患により免疫機能が低下している場合

また、高齢者では脱水や電解質異常により重篤な状態に陥る危険性があるため、十分な注意が必要です。

😶 無症状感染について

大人のロタウイルス感染では、無症状または非常に軽い症状で経過するケースも少なくありません。これを不顕性感染と呼びます。不顕性感染の場合、本人は自覚症状がほとんどないにもかかわらず、便中にはウイルスが排出されており、周囲の人に感染を広げてしまう可能性があります。

このため、家族内にロタウイルス感染者がいる場合は、たとえ自分自身に症状がなくても、手洗いなどの感染対策を徹底することが重要です。特に、乳幼児や高齢者など重症化しやすい人が家庭内にいる場合には、より慎重な対応が求められます。

🔄 ロタウイルスの感染経路と潜伏期間

ロタウイルスはどのようにして人から人へと感染するのでしょうか。感染経路を正しく理解することで、効果的な予防対策を講じることができます。

👄 糞口感染(経口感染)

ロタウイルスの主な感染経路は糞口感染です。これは、感染者の便に含まれるウイルスが、直接的または間接的に口から体内に入ることで感染が成立する経路です。

具体的な感染パターンには以下があります:

  • 感染者の便を処理した後に十分な手洗いをしなかった場合
  • ウイルスが付着した手で調理した食品を食べた場合
  • 感染者が触れたドアノブやおもちゃなどを介した間接的な感染

感染者の便1グラム中には1兆個以上ものウイルスが含まれているとされており、そのうちわずか10〜100個程度でも感染が成立する可能性があります。このため、目に見えないほど微量のウイルスでも感染するリスクがあり、感染力が非常に強いウイルスとして知られています。

👋 接触感染と飛沫感染

接触感染は、ウイルスに汚染された物品を触った手で口や顔に触れることで起こります。汚染される可能性のある物品:

  • ドアノブ
  • 手すり
  • 蛇口
  • おもちゃ
  • テーブル
  • スマートフォン

ロタウイルスは環境中で長期間生存できるため、感染者が触れた場所にウイルスが付着したまま残存し、それを他の人が触ることで感染が広がります。

また、感染者が嘔吐した際には、嘔吐物から飛び散ったウイルスを含む飛沫が空気中に浮遊することがあります。この飛沫を吸い込んだり、飛沫が付着した場所に触れたりすることでも感染する可能性があります。嘔吐物の処理時には、マスクを着用し、適切な消毒を行うことが重要です。

⏰ 潜伏期間とウイルス排出期間

ロタウイルスの潜伏期間は通常1〜3日程度です。つまり、ウイルスに感染してから1〜3日後に症状が現れ始めます。ただし、潜伏期間中であっても便中にはウイルスが排出されており、他者に感染させる可能性があります。

ウイルスの排出期間:

  • 症状が出る2日ほど前から排出開始
  • 症状が治まった後も1〜2週間程度継続
  • まれに1ヶ月以上にわたって検出される場合もある

このため、症状が改善した後も、しばらくの間は手洗いを徹底するなどの感染対策を継続することが大切です。

🩺 大人のロタウイルス感染の診断と治療法

ロタウイルス感染症が疑われる場合、どのような検査が行われ、どのような治療が行われるのでしょうか。診断方法と治療法について解説します。

🔍 診断方法

ロタウイルス感染症の診断は、主に臨床症状と迅速診断キットによる検査で行われます。迅速診断キットは、便検体を用いてウイルス抗原を検出する方法で、15〜30分程度で結果が得られます。

ただし、大人の場合は便中のウイルス量が乳幼児よりも少ないことがあり、検査で陽性と出ないこともあります。通常、大人のロタウイルス胃腸炎では、症状と流行状況(家族内に感染者がいるなど)から臨床的に診断されることが多く、必ずしも検査を行わない場合もあります。

重症化の懸念がある場合や、他の疾患との鑑別が必要な場合には、血液検査や便培養検査などの追加検査が行われることもあります。

💊 治療の基本は対症療法

ロタウイルスに対する特効薬(抗ウイルス薬)は存在しないため、治療の基本は対症療法となります。対症療法とは、病気の原因を直接治療するのではなく、症状を和らげる治療法のことです。

主な治療内容:

  • 脱水の予防と治療
  • 症状の緩和
  • 電解質バランスの調整

脱水を予防するためには、経口補水液やスポーツドリンクなどで水分と電解質を補給することが重要です。嘔吐がひどくて水分が取れない場合や、脱水が進行している場合には、点滴による輸液が必要になることもあります。

症状緩和のために、整腸剤や制吐剤が処方されることもありますが、下痢止めの使用については慎重な判断が必要です。下痢はウイルスを体外に排出するための防御反応でもあるため、むやみに止めることは推奨されないこともあります。

🚨 医療機関を受診すべき症状

大人のロタウイルス感染症の多くは、自宅での安静と水分補給で回復します。しかし、以下のような症状がある場合には、医療機関を受診することをお勧めします:

  • 脱水症状(口の渇き、尿量の減少、めまい、ふらつきなど)
  • 高熱が続く場合
  • 血便が見られる場合
  • 激しい腹痛がある場合
  • 嘔吐が24時間以上続き水分が取れない場合
  • 症状が1週間以上改善しない場合

また、以下の方は重症化しやすいため、早めに医療機関に相談することが大切です:

  • 高齢者
  • 妊娠中の方
  • 糖尿病や腎臓病などの慢性疾患がある方
  • 免疫機能が低下している方

🏠 家庭内での二次感染を防ぐ予防対策

家族の一人がロタウイルスに感染した場合、家庭内での感染拡大を防ぐためにはどのような対策が必要でしょうか。効果的な予防策について詳しく解説します。

🧼 手洗いの徹底

ロタウイルスの感染予防において最も重要なのは、石けんと流水による手洗いです。ロタウイルスはアルコール消毒剤に対する抵抗性があり、一般的なアルコール消毒だけでは十分に不活化できないことがあります。そのため、物理的にウイルスを洗い流す手洗いが最も効果的な予防策となります。

手洗いのタイミング:

  • トイレの後
  • おむつ交換の後
  • 嘔吐物や便を処理した後
  • 食事の前
  • 調理の前後

正しい手洗いの方法:

  1. 流水で手を濡らす
  2. 石けんをよく泡立てる
  3. 手のひら、手の甲、指の間、指先、爪の間、手首までしっかりと洗う
  4. 30秒以上かけて洗う
  5. 流水で十分にすすぐ
  6. 清潔なタオルやペーパータオルで拭く

🧽 環境消毒の方法

ロタウイルスは環境中で長期間生存するため、感染者が触れた可能性のある場所の消毒が重要です。消毒には次亜塩素酸ナトリウム(家庭用塩素系漂白剤の成分)が効果的です。

消毒液の濃度:

  • 通常の環境消毒:0.02%(200ppm)程度
  • 嘔吐物や便で汚染された場所:0.1%(1000ppm)程度

消毒手順:

  1. ゴム手袋を着用
  2. 消毒液を布やペーパータオルに含ませる
  3. 汚染箇所を拭き取る
  4. 10分程度放置
  5. 水拭きをして消毒液を除去

重点的に消毒する場所:

  • ドアノブ
  • 蛇口
  • トイレの便座やレバー
  • 洗面台
  • テーブル

🤮 嘔吐物・便の適切な処理方法

感染者の嘔吐物や便を処理する際には、二次感染を防ぐための適切な手順を守ることが重要です。

準備するもの:

  • 使い捨ての手袋
  • マスク
  • ペーパータオル
  • 0.1%次亜塩素酸ナトリウム液
  • ビニール袋

処理手順:

  1. 手袋とマスクを着用
  2. ペーパータオルで外側から内側に向かって静かに拭き取る
  3. 拭き取った後、0.1%の次亜塩素酸ナトリウム液で消毒
  4. 10分程度放置後、水拭きする
  5. 使用済みのペーパータオル、手袋、マスクはビニール袋に入れて密封
  6. すぐにゴミとして廃棄
  7. 石けんと流水で手を洗う

また、嘔吐物が衣類に付着した場合は、他の洗濯物とは分けて洗い、可能であれば塩素系漂白剤を使用するか、85度以上のお湯で1分以上加熱することでウイルスを不活化できます。

🚿 タオル・食器の共有を避ける

感染者とタオルや食器を共有することで、ウイルスが広がる可能性があります。

対策:

  • 感染者専用のタオルを用意
  • 使い捨てのペーパータオルを使用
  • 感染者専用の食器を決める
  • 可能であれば使い捨ての食器を使用
  • 入浴は感染者を最後にする
  • 使用後は浴槽やシャワーホースを清掃・消毒

🍽️ ロタウイルス感染時の食事と水分補給のポイント

ロタウイルスに感染した際には、適切な食事と水分補給が回復を早める鍵となります。症状に合わせた食事の取り方について解説します。

💧 水分補給の重要性

下痢や嘔吐により体内の水分と電解質(ナトリウム、カリウムなど)が失われるため、脱水症状を予防・改善するための水分補給が最も重要です。特に嘔吐がある間は、一度に大量の水分を取ると再び吐いてしまうことがあるため、少量ずつこまめに摂取することがポイントです。

適している飲み物:

  • 経口補水液(ORS)
  • 水で2倍程度に薄めたスポーツドリンク
  • 塩分を含むスープ
  • 白湯

避けるべき飲み物:

  • コーヒー、紅茶(利尿作用があるため)
  • アルコール
  • 糖分が多すぎる飲料(ジュースや濃いスポーツドリンク)

経口補水液は、水分とともに適切な濃度の塩分と糖分が含まれており、腸からの水分吸収を効率よく促します。薬局やドラッグストアで市販されているほか、医療機関で処方されることもあります。

🥣 症状に合わせた食事内容

嘔吐がひどい間は、無理に食事を取る必要はありません。まずは水分補給を優先し、嘔吐が治まってきたら少しずつ食事を開始します。

回復段階別の食事:

嘔吐期(症状出現〜24時間程度)

  • 無理に食事を取らない
  • 水分補給を最優先

回復初期(嘔吐が治まってから)

  • おかゆ
  • うどん
  • パン(トーストなど)
  • バナナ
  • りんごのすりおろし
  • 温かいスープ
  • みそ汁

避けるべき食品:

  • 脂っこいもの
  • 揚げ物
  • 香辛料の強いもの
  • 乳製品(特に牛乳)
  • 生野菜
  • 繊維質の多い食品

乳製品については、ロタウイルス感染により一時的に乳糖不耐症になることがあるため、症状が落ち着くまでは控えることが望ましいです。食欲が回復してきたら、少しずつ通常の食事に戻していきますが、胃腸が完全に回復するまでには時間がかかることもあるため、無理をせず体調に合わせて進めることが大切です。

⚠️ 大人のロタウイルス感染で注意すべき合併症

大人のロタウイルス感染症は通常は軽症で済むことが多いですが、まれに合併症を引き起こすことがあります。注意すべき合併症について知っておきましょう。

💦 脱水症状

最も一般的かつ重要な合併症は脱水症状です。下痢や嘔吐により大量の水分と電解質が失われ、適切に補給されないと脱水状態に陥ります。

脱水症状の段階:

軽度の脱水

  • 口の渇き
  • 尿量の減少
  • 尿の色が濃くなる

中等度から重度の脱水

  • めまい、ふらつき
  • 動悸
  • 血圧低下
  • 意識障害

特に高齢者では、もともと脱水になりやすく、また脱水の症状を自覚しにくいことがあるため、注意が必要です。以下の症状があれば、すぐに医療機関を受診しましょう:

  • 尿量が著しく減少している
  • 皮膚の弾力性が低下している(つまんでもすぐに戻らない)
  • 意識がぼんやりしている

⚡ 電解質異常

脱水とともに注意すべきなのが電解質異常です。特にナトリウム、カリウム、塩素などの電解質バランスが崩れると、以下の症状が現れることがあります:

  • 筋肉のけいれん
  • 不整脈
  • 全身の脱力感

これらの症状がある場合は、自己判断で対処せず、医療機関を受診することが大切です。

🧠 その他の合併症

まれではありますが、ロタウイルス感染症に関連して、以下の合併症が報告されています:

  • けいれん
  • 脳症
  • 心筋炎

これらは主に乳幼児で報告されていますが、大人でも免疫機能が低下している場合には注意が必要です。以下の症状がある場合は、すぐに医療機関を受診してください:

  • 高熱が続く
  • 意識がおかしい
  • 胸の痛みや動悸がひどい

また、激しい嘔吐により食道や胃の粘膜が傷つき、吐血することがまれにあります(マロリー・ワイス症候群)。嘔吐物に血液が混じっている場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

💼 仕事への復帰はいつから可能か

ロタウイルスに感染した場合、仕事はいつから再開できるのでしょうか。復帰のタイミングと注意点について解説します。

📋 法的な出勤停止期間はない

ロタウイルス感染症は、学校保健安全法で出席停止が定められている疾患ではありません。また、労働安全衛生法でも特に出勤停止期間は定められていません。そのため、法的には症状が改善すれば出勤は可能ということになります。

ただし、ロタウイルスは症状が治まった後もしばらくの間、便中にウイルスが排出され続けます。そのため、職場の規則や慣例、また自分の仕事内容によっては、より長い休養が求められることもあります。

📅 復帰の目安

一般的な復帰の目安としては、嘔吐や下痢の症状が治まり、普通の食事が取れるようになってからが望ましいとされています。具体的には、症状が治まってから少なくとも24〜48時間以上経過していることが一つの目安です。

職業別の復帰時期:

一般的な事務職など

  • 症状が治まってから24〜48時間後
  • 普通の食事が取れる状態

食品を取り扱う仕事

  • 症状が完全に回復してから
  • 医師の診断を受けることが推奨
  • 厚生労働省の「大量調理施設衛生管理マニュアル」に従う

医療・介護職

  • 症状が完全に回復してから
  • 十分な感染対策ができる状態
  • 産業医や感染管理担当者への相談が推奨

判断に迷う場合は、かかりつけ医や産業医に相談することをお勧めします。

⚠️ 復帰後の注意点

仕事に復帰した後も、症状が治まってから1〜2週間程度は、便中にウイルスが排出されている可能性があります。この期間は、以下の点に注意しましょう:

  • トイレの後の手洗いを特に徹底する
  • 周囲への感染拡大を防ぐよう心がける
  • 体力が完全に回復していない場合は無理をしない
  • 体調に合わせて仕事量を調整する
⚠️ 復帰後の注意点

❓ よくある質問

大人がロタウイルスに感染した場合、何日で治りますか?

大人のロタウイルス感染症は、通常3〜7日程度で自然に回復します。ただし、下痢症状は嘔吐が治まった後も数日間続くことがあり、完全に体調が戻るまでには1週間から10日程度かかることもあります。高齢者や基礎疾患のある方は回復に時間がかかることがあるため、症状が長引く場合は医療機関に相談しましょう。

ロタウイルスとノロウイルスの違いは何ですか?

ロタウイルスとノロウイルスはどちらもウイルス性胃腸炎を引き起こしますが、いくつかの違いがあります。ロタウイルスは主に乳幼児に多く、冬から春にかけて流行し、白色便が特徴的です。一方、ノロウイルスはあらゆる年齢層に感染し、秋から冬にかけて流行します。また、ロタウイルスにはワクチンがありますが、ノロウイルスには現時点でワクチンはありません。

大人でもロタウイルスのワクチンは接種できますか?

ロタウイルスワクチンは乳児専用であり、大人が接種することはできません。ロタウイルスワクチンは生後6週から接種を開始し、生後32週までに接種を完了する必要があります。大人の場合は、ほとんどの人が幼少期にロタウイルスに感染して免疫を獲得しているため、ワクチン接種の対象とはなっていません。

ロタウイルスに感染している間、家族にうつさないためにはどうすればいいですか?

家族への感染を防ぐためには、こまめな手洗い、トイレや洗面所の消毒、タオルや食器の共有を避けることが重要です。嘔吐物や便の処理時は手袋とマスクを着用し、処理後は次亜塩素酸ナトリウム溶液で消毒しましょう。また、感染者は入浴を最後にする、可能であれば別室で過ごすなどの対策も有効です。

ロタウイルス感染中に市販の下痢止めを使ってもいいですか?

ロタウイルス感染中に市販の下痢止めを使用することは、基本的にはお勧めしません。下痢は体がウイルスを排出しようとする防御反応であり、むやみに止めるとウイルスの排出が遅れる可能性があります。また、一部の下痢止めは腸の動きを抑制するため、症状を悪化させることもあります。整腸剤は使用しても問題ありませんが、判断に迷う場合は薬剤師や医師に相談しましょう。


📚 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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