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小鼻の赤みを美容医療で改善|原因・治療法・セルフケアを大宮の専門医が徹底解説

鏡を見るたびに気になる小鼻の赤み。メイクで隠そうとしても時間が経つと目立ってしまったり、人と話すときに視線が気になったりと、多くの方が悩んでいる肌トラブルのひとつです。特に大宮エリアにお住まいの方からも「なぜ小鼻だけが赤くなるの?」「これってセルフケアで治るの?」といったご相談を数多くいただいています。

本記事では、アイシークリニック大宮院の専門医が、小鼻の赤みの原因から具体的なセルフケア方法、美容医療での治療オプションまで詳しく解説していきます。あなたの小鼻の赤みの原因を見極め、適切なケアを始めるための参考にしていただければ幸いです。


目次

  1. 小鼻の赤みとは?その特徴と見分け方
  2. 小鼻が赤くなる主な原因
  3. 小鼻の赤みがもたらす影響
  4. 自宅でできるセルフケア方法
  5. 美容医療による小鼻の赤み治療
  6. 治療法の選び方と組み合わせ
  7. 治療を受ける際の注意点
  8. よくあるご質問(FAQ)
  9. まとめ

1. 小鼻の赤みとは?その特徴と見分け方

小鼻に赤みが出やすい理由

小鼻は顔の中でも特に赤みが出やすい部位として知られています。その理由として、以下のような解剖学的・生理学的特徴が挙げられます。

まず、小鼻の皮膚は非常に薄いという特徴があります。皮膚が薄いと、その下を走る毛細血管が透けて見えやすくなります。何らかの刺激や炎症によって血管が拡張すると、赤みとして表面に現れやすいのです。

次に、小鼻周辺には豊富な毛細血管が走っています。血管が密集している部位であるため、わずかな血流の変化でも赤みとして視認されやすくなります。

さらに、小鼻は日常的に刺激を受けやすい部位でもあります。鼻をかむ、触る、メイクやクレンジングでこするなど、無意識のうちに摩擦を与えていることが多く、これが赤みの原因となることがあります。紫外線も当たりやすく、環境的な負担も大きい場所といえます。

赤みの程度による分類

小鼻の赤みは、その程度や範囲によっていくつかのタイプに分類できます。

軽度の赤みは、わずかにピンク色がかっている程度で、メイクで十分にカバーできる状態です。疲れているときや乾燥しているときに目立つことがあります。

中等度の赤みは、はっきりとした赤色で、小鼻全体が赤く見える状態です。コンシーラーなどを使ってもカバーしきれないことがあります。

重度の赤みは、赤みが強く、毛細血管が目に見えて拡張している状態です。ほてりやヒリヒリ感を伴うこともあり、医療機関での治療が推奨されます。


2. 小鼻が赤くなる主な原因

小鼻の赤みの原因は人それぞれ異なりますが、代表的なものをいくつかご紹介します。正しい原因を特定することが、効果的な治療への第一歩となります。

毛細血管拡張症

毛細血管拡張症とは、皮膚の表面近くにある毛細血管が持続的に拡張し、皮膚表面から透けて見える状態のことです。この症状は、血管の拡張や血流の増加によって引き起こされます。

毛細血管拡張症の原因は明確には解明されていませんが、以下のような要因が関係していると考えられています。

遺伝的要因として、生まれつき皮膚が薄い方や色白の方は、血管が透けて見えやすい傾向があります。家族に同様の症状がある方も発症しやすいとされています。

加齢による影響も見逃せません。年齢とともに皮膚が薄くなり、コラーゲンやエラスチンが減少することで、血管が目立ちやすくなります。

紫外線への慢性的な曝露も重要な要因です。紫外線は皮膚の線維成分にダメージを与え、皮膚の萎縮を引き起こすことで血管が目立ちやすくなります。また、血管壁自体が脆くなり拡張しやすくなることも報告されています。

寒暖差による影響として、暖かい場所と寒い場所を行き来することにより、毛細血管の拡張と収縮が繰り返されます。血管が拡張したまま戻らなくなると、持続的な赤みとして現れます。

飲酒やアルコールの摂取も血管を拡張させる要因となります。唐辛子に含まれるカプサイシンにも血管拡張作用があり、香辛料やアルコールなどの刺激物の摂取は、血流を増加させて毛細血管が広がりやすくなります。

酒さ(しゅさ)

酒さは、中年以降の女性に多く見られる原因不明の慢性炎症性疾患です。小鼻だけでなく、鼻全体や頬、額にも赤みが広がることがあり、「赤ら顔」と表現されることもあります。欧米人に多い疾患ですが、日本人でも増加傾向にあります。

酒さの原因ははっきりとは解明されていませんが、血管の異常な拡張反応、皮膚のバリア機能低下、ニキビダニ(デモデックス)の増殖、遺伝的要因などが関与していると考えられています。

酒さの悪化因子としては、アルコール、香辛料などの刺激物、温度変化、紫外線、ストレス、特定のスキンケア製品などが挙げられます。

酒さは臨床症状によって4つのステージに分類されます。

ステージ1(酒さ前駆期)では、頬と鼻の皮膚が紅潮し、通常よりも長く赤みが続きます。チクチクとした刺激感を伴うこともあります。

ステージ2(血管期)では、皮膚が赤く腫れたように見え、細い血管が皮膚の下に見える状態(毛細血管拡張)となります。

ステージ3(炎症期)では、しばしば小さな吹き出物が生じ、少量の膿を伴うこともあります。ニキビと見分けがつきにくい場合があります。

ステージ4(進行期)では、一部の人で鼻の周囲の皮膚が厚くなり、赤くなって「鼻瘤(びりゅう)」と呼ばれる状態になることがあります。

脂漏性皮膚炎

皮脂の分泌が盛んな鼻周りでは、皮脂をエサにしてカビの一種が繁殖することがあります。中でも「マラセチア」と呼ばれるカビは鼻・眉・耳・頭・脇など皮脂の多い部分で繁殖しやすく、「脂漏性皮膚炎」の原因となります。

脂漏性皮膚炎は、皮脂の分泌が活発な場所から「フケ」が出て、赤みやかゆみを伴う皮膚炎です。髪の毛の生え際、耳の後ろ、鼻の脇などに多く見られますが、顔全体に出る場合もあります。女性よりは男性に多い症状です。

脂漏性皮膚炎は、赤みだけでなくかゆみや乾燥、フケなどの症状が現れる場合があるため、単なる赤みではないと気づいたときはすぐに医療機関を受診するようにしましょう。

皮脂による炎症

小鼻は皮脂腺が多いため、過剰な皮脂分泌によって毛穴が詰まりやすい部位です。皮脂が蓄積して毛穴が詰まると、炎症が起こり、赤みが現れることがあります。

顔の中でも皮脂の分泌量が多い鼻周辺は、放置された皮脂が原因となって肌が炎症を起こしてしまうことがあります。鼻の他にも額や顎などで起きやすい症状ですが、炎症が慢性化しやすく、赤みやかゆみ、ニキビなどのトラブルにつながる場合もあります。

乾燥・紫外線によるダメージ

小鼻周りは皮膚が薄いため、乾燥や外部からの刺激を受けやすい部位です。特に、空気が乾燥していると肌の水分が失われ、赤みや炎症が生じやすくなります。

さらに、紫外線も肌にダメージを与え、毛細血管の拡張を引き起こします。紫外線を浴びると肌の内部に炎症が生じるため、小鼻の赤みが悪化する可能性も高くなります。そのため、日頃のスキンケアの見直しや紫外線対策を徹底することが大切です。

過度なスキンケアによる刺激

鼻の頭や小鼻は皮脂が多く分泌されやすく、放置してしまうと詰まり毛穴や黒ずみ毛穴の原因になります。こういった毛穴トラブルを防ぐため、日頃から丁寧に鼻を洗っている方も多いのではないでしょうか。

しかし、早く綺麗になりたいからと過度なスキンケアを行ってしまうと、デリケートな鼻周辺の肌への刺激となり、赤みの原因になります。毛穴の黒ずみや皮脂を落とそうと、過度なピーリングやゴシゴシこする洗顔には注意が必要です。

化粧品による刺激・アレルギー反応

化粧品やスキンケア製品、洗顔料などによる刺激やアレルギー反応で小鼻が赤くなることがあります。肌に合わない成分が含まれている製品を使い続けることで、慢性的な炎症を引き起こす可能性があります。

酒さ様皮膚炎

酒さ様皮膚炎は、ステロイド外用薬を長期間にわたり使用することで、顔面に酒さのような症状が現れることを指します。ステロイド外用薬の中止後に、数週間から数ヵ月にわたってリバウンドが起き、症状の増悪がみられることが特徴です。

酒さ様皮膚炎の治療は、使用しているステロイド外用薬を中止することが第一ですが、自己判断での中止は症状を悪化させる可能性があるため、必ず医師の指導のもとで行う必要があります。


3. 小鼻の赤みがもたらす影響

小鼻の赤みは見た目の問題だけでなく、さまざまな影響を及ぼす可能性があります。

顔全体の印象への影響

小鼻に赤みがあると膨張しているような印象になり、鼻のバランスが悪くなってしまいます。顔の中心にある鼻のバランスが崩れることで、顔全体が膨らんで見えてしまったり、鼻筋が低く見えてしまったりすることがあります。

また、小鼻の赤みは「生活感」を感じさせてしまったり、清潔感を損ねたりすることもあるため、できれば解消したいと考える方が多いのも事実です。

症状の慢性化リスク

鼻周りはメイクや洗顔、鼻をかむなどといった行動が刺激になりやすく、炎症が起こりやすい部位です。そのため、小鼻の赤みが炎症によって起こっている場合、症状が慢性化することで赤みが引かなくなってしまうことがあります。

また、赤みが出ている鼻へさらなる刺激を与え続けてしまうと、小鼻は赤い状態から回復しにくくなるだけでなく、頬や口周りまで炎症が広がってしまう可能性もあります。

皮膚疾患の悪化

小鼻の赤みが皮膚疾患(脂漏性皮膚炎、酒さなど)の場合、放置することで症状が悪化してしまう可能性があります。赤み以外に痛みやかゆみなどを伴う場合は、セルフケアを始める前に専門医へ相談することが重要です。


4. 自宅でできるセルフケア方法

小鼻の赤みを改善するには、毎日のスキンケアや生活習慣の見直しが大切です。毎日のケアの積み重ねで、赤みのできにくい肌に整えることができます。ただし、鼻周りの赤みをセルフスキンケアですぐに改善することは難しいため、コツコツ続けることが重要です。

正しい洗顔方法

どんなセルフケアを行う場合も、全ての基礎となるのが「正しい洗顔」です。汚れが落ちていなければ意味がない一方、過剰に洗いすぎても肌へ負担がかかってしまいます。

洗顔のポイントとして、まずお湯の温度は32度程度のぬるま湯を使用します。熱いお湯は肌の皮脂を落としすぎてしまうため避けましょう。

洗顔料はお湯と混ぜながらしっかり泡立て、肌に洗顔成分が直接つかないようにします。弱酸性の洗顔料をたっぷりと泡立て、指と肌の間に泡のクッションを置くようにして洗顔しましょう。

洗う時も拭くときもゴシゴシ擦らないことが重要です。指の腹を使って、優しくなでるようにするとよいでしょう。

洗顔成分を残さないようしっかりすすぎ、特にフェイスラインのすすぎ残しにも注意しましょう。

洗顔は朝1度、夜1度以上行う必要はありません。過度な洗顔は必要な皮脂まで落としてしまい、かえって肌トラブルの原因となります。

保湿ケアの徹底

洗顔後の肌は乾燥しやすいため、なるべくすぐにスキンケアをしてください。保湿された肌は、バリア機能が強化され、乾燥や外部の刺激を受けにくくなります。

化粧水で水分を補い、乳液で油分を補うとよいでしょう。乾燥肌がひどいときには、乾燥肌用のスキンケアアイテムや、美容液などを併用するのもおすすめです。

保湿力の高いセラミドやヒアルロン酸が配合されているスキンケアが特におすすめです。また、ベタつきやすい肌の人でも、肌の内側が乾燥しているインナードライ肌である可能性があります。化粧水や保湿クリームで肌をしっかり整えると、小鼻の赤みが軽減されやすくなるでしょう。

保湿ケアを行う際は、摩擦が起こらないように肌に優しく触れることも重要です。化粧水や乳液を顔の上で伸ばしてしまいがちですが、肌への刺激になるため避けましょう。化粧水や乳液を手に取ったら、両手にまんべんなく広げ、そのまま手のひらを顔に被せるようにして保湿します。

ビタミンC配合スキンケアの活用

小鼻の赤みを改善するには、ビタミンC配合のスキンケアがおすすめです。ビタミンCには、肌の炎症を抑えたり、毛穴を引き締めたりする働きがあります。

特に、ビタミンC誘導体は、肌への刺激が少なく、敏感肌の方でも使いやすい成分です。紫外線から肌を守る作用もあるため、朝のスキンケアに取り入れると良いでしょう。浸透力が高く、肌に馴染みやすいので、化粧水や美容液に使用してみてください。

紫外線対策

紫外線は毛細血管拡張症を悪化させる可能性があり、さまざまな肌トラブルの原因となります。小鼻の赤みが気になる方は、日常的に日焼け止めや日傘などを使用し、紫外線対策を心がけてください。

特に、酒さの改善にはスキンケアも重要です。適切に遮光し、低刺激性の洗顔料や保湿剤を使用しましょう。毎日使う日焼け止めは低刺激のものがおすすめです。

生活習慣の見直し

小鼻の赤みを改善するには、スキンケアだけでなく生活習慣の見直しも欠かせません。

食生活では、ビタミンB群やビタミンCは、肌の健康を維持するために欠かせない栄養素です。レバーや卵、果物、野菜などをバランスよく取り入れて、内側から肌を整えましょう。アルコールやカフェイン、香辛料は摂りすぎると、自律神経の乱れにつながります。また油分や糖分は、皮脂の過剰分泌の原因になるため、控えめを意識するとよいでしょう。

睡眠不足は肌の再生を妨げ、さまざまな肌トラブルの原因になります。小鼻の赤みを改善するだけでなく、健康的な肌を保つためにも、十分な睡眠を心がけましょう。

ストレスも自律神経の乱れを招き、血管の拡張につながる可能性があります。適度な運動やリラックスする時間を設けることも大切です。

メイクでの赤みカバー

根本的な改善を目指しながらも、日常生活では赤みをカバーするメイクテクニックも役立ちます。

赤みを隠したいときは、グリーンのコントロールカラーを用意しましょう。緑は赤の反対色にあたるため、赤みを上手にカバーできます。使い方は、グリーンの部分用コントロールカラーを少量手に取り、鼻周りの赤みが気になる部分に薄く、ムラなく伸ばします。厚く塗ってしまうと、色浮きしたり、ファンデーションが崩れやすくなったりするため、少量ずつ伸ばして様子をみましょう。

コントロールカラーを使った後は、赤みの目立つ部分に柔らかめのコンシーラーを使うのがおすすめです。黄みがかったベージュ系のコンシーラーを重ねると、自然に馴染みやすく、きれいにカバーできます。


5. 美容医療による小鼻の赤み治療

セルフケアだけでは限界がある場合や、赤みの根本原因が血管の拡張や慢性的な炎症の場合は、美容医療が効果的です。美容クリニックで行う施術は、セルフケアでは改善が難しい赤みにも働きかけることができます。

Vビームレーザー治療

Vビームは、厚生労働省が認可した医療用レーザー機器で、色素レーザーの一種に分類されます。小鼻の赤み治療において、最も広く用いられている治療法のひとつです。

治療の仕組み

Vビームは波長595nmのレーザー光を照射します。この波長のレーザーは、赤い色に吸収される特徴を持ち、血液中のヘモグロビンに選択的に反応します。

レーザーを照射すると血液の中にあるヘモグロビンの赤い色素に反応し、血管を破壊します。これにより毛細血管の拡張や増殖を抑え、赤ら顔を治療する仕組みです。周囲の正常な細胞を傷つけることはほぼないため、安全性の高い治療といえます。

また、Vビームは皮脂腺にもダメージを与えるのが特徴です。皮脂腺へダメージを与え皮脂の過剰分泌を抑制することで、赤ら顔の原因のひとつであるニキビの予防もできます。さらに、真皮層にあるコラーゲンやエラスチンなどを生成する線維芽細胞を刺激し、肌のハリやツヤをアップする効果も期待できます。

治療回数と間隔

Vビームの治療回数は肌の状態や症状によって異なります。毛細血管拡張症の場合2〜3回、赤ニキビやニキビ跡の赤みには5回以上の治療が必要な場合があります。

一般的に1カ月に1度のペースで施術を行うケースが多いため、改善するまで半年ほどかかる場合もあります。ただし鼻部については、頬よりも回数を重ねる必要があります。鼻の毛細血管拡張症は治療に対してかなり抵抗性があり、相当の回数が必要となってきます。

毛細血管拡張症と診断された場合は保険適用となり、3ヶ月に1回の間隔で治療が可能です。保険適用外の場合は、2週間以上の間隔をあければ照射可能で、自費診療ではより短期間で治療を進めることができます。

ダウンタイムと副作用

Vビームは比較的ダウンタイムが少ないレーザーといわれています。レーザー照射時には冷却ガスを噴射するため、痛みやダウンタイムの軽減につながります。

施術後は一時的に赤みが増しますが、徐々に落ち着いてきます。赤みや腫れは1日〜1週間程度で軽快するのが一般的です。毛細血管拡張症の場合は強い出力でレーザーを照射するため、約1週間はむくみや腫れがあらわれやすくなりますが、鼻に照射するときには、ほとんどの場合むくみや腫れはみられません。

当日からメイクも可能ですが、施術後は紫外線対策を十分に行うことが重要です。

IPL(光治療・フォトフェイシャル)

IPL(Intense Pulsed Light)は、広範囲の光エネルギーを使用して肌の赤みを改善する治療法です。フォトフェイシャルとも呼ばれ、皮膚科医療ではゴールドスタンダードといわれ、多くの専門医からも支持されています。

治療の仕組み

IPLは複数の波長を持つ光の集合体であり、メラニンやヘモグロビンに反応することで熱エネルギーに変わり、それぞれにダメージを与えます。その結果、皮膚のターンオーバーを促し、シミ・そばかすその他お肌の悩みを解消していきます。

血管レーザーと異なり、IPLは色素沈着にもアプローチするため、赤みと同時に肌のトーンを均一にする効果も期待できます。正常な肌細胞は傷つけることなくターゲットのみに作用するため、大きなダウンタイムがない点も魅力です。

Vビームとの違い

Vビームは皮膚内の赤い色素(ヘモグロビンなど)に反応して、毛細血管拡張や血管腫、赤ら顔などを改善するレーザー治療です。一方フォトフェイシャルは、ヘモグロビンの他、メラニン色素など他の色素にもアプローチするため、赤み以外のシミやそばかす等の改善も期待できます。

赤みの治療効果としてはVビームの方が強力ですが、複合的な肌悩みがある場合はIPLの方が適している場合もあります。医師と相談して最適な治療を選択することが大切です。

治療回数と間隔

IPL治療は1回の施術でも効果を実感できますが、より良い効果を得るために、通常3〜4週間に1度、3〜6回の治療をおすすめしています。レーザー治療などに比べてマイルドな治療ですので、回数を重ねることでより良い効果が得られます。

ポテンツァ

ポテンツァは、マイクロニードルと高周波(RF)を組み合わせた新しいコンセプトの治療機器です。赤ら顔やニキビ跡の赤み改善に効果が期待できる治療方法として注目されています。

治療の仕組み

ポテンツァは細い針を皮膚に刺し、針先から高周波を照射して有効成分を肌に注入する方法です。高周波エネルギーを皮膚の浅い部分から深い部分にまでマイルドに照射することで、赤ら顔の原因となっている血管が新しく作られる働き(血管新生)を抑えます。

赤ら顔は体の外からや体の中からの様々な刺激が原因となり、皮膚に炎症が起こってしまい血管が増え、赤みがでてしまいます。ポテンツァは赤みの原因となっている血管のある真皮にアプローチし、ラジオ波を加えることで血管新生をブロックすることができます。

また、皮脂の過剰分泌を抑える効果もあり、ニキビができにくい肌状態へと導きます。マイクロニードルを肌に刺すこと、皮膚に高周波のエネルギーを入れることで皮膚の線維芽細胞が刺激され、コラーゲンやエラスチンなど肌にとって大切な成分が産生されます。

治療回数と間隔

効果を実感するタイミングには個人差がありますが、施術頻度と施術回数については、4〜6週間に1回の頻度で、3回以上の施術が目安です。

ポテンツァの高周波には止血作用があり、従来のマイクロニードル治療と比較してダウンタイムが短いのが特徴です。赤みや腫れは当日中におさまることが多く、ほとんどが2日以内に治ります。

ロングパルスYAGレーザー

ロングパルスYAGレーザー(ジェネシスなど)は、血管にある赤みに反応するレーザーで、紅斑毛細血管拡張型の赤ら顔・酒さに対して効果を発揮します。

レーザー光をシャワーのように肌に照射することで、表皮に損傷を与えずに深部の毛細血管に作用して赤みを改善します。パルス色素レーザーと比べて、照射中の痛みはほとんどなく、皮下出血のダウンタイムも少ないため治療直後からメイクが可能です。

外用薬・内服薬による治療

赤みの原因が酒さや脂漏性皮膚炎などの皮膚疾患の場合、外用薬や内服薬による治療が効果的です。

メトロニダゾール(ロゼックスゲル)

菌の増殖を抑え、強い殺菌作用を発揮する「メトロニダゾール」を主成分とした塗り薬です。酒さの要因とされている、表皮ブドウ球菌、「ニキビダニ」と呼ばれる毛包虫などを殺菌することができ、効果的に酒さの改善を目指せます。

副作用が少ないのも特徴で、世界80以上の国で使用されている安全性の高い薬剤です。日本では、2022年5月より保険適応となりました。

イベルメクチンクリーム

ニキビダニを減らして酒さの症状を治療します。肌のボツボツとした症状には、メトロニダゾールよりも効果が高いといわれています。

アゼライン酸

アゼライン酸は、皮脂を溶かす効果があります。毛穴詰まりの原因である皮脂をおだやかに溶かすことで、皮脂分泌、毛穴状態を整えます。また、抗菌活性、炎症軽減効果もあり、酒さのぶつぶつした症状の緩和が期待できます。

アゼライン酸は、皮膚への刺激が少ないため、妊娠中・授乳中の方、妊娠希望の方でも安全に使用できるのが大きな特徴です。

内服薬

外用薬と併せて、ロキシスロマイシン、塩酸ミノサイクリンなどのテトラサイクリン系抗生物質を内服することがあります。炎症を抑える効果があり、赤みやブツブツの改善に用いられます。低用量を継続して服用することが多いです。

重症例にはイソトレチノインの内服が検討されることもあります。ビタミンA誘導体の飲み薬で、酒さのボツボツや繰り返しできるニキビなどに効果が期待できます。


6. 治療法の選び方と組み合わせ

小鼻の赤みの治療は、原因や症状の程度、患者様のご希望に応じて最適な方法を選択することが重要です。

症状別おすすめ治療

毛細血管拡張症による赤みには、Vビームレーザーが第一選択となります。毛細血管が拡張して赤みが出ている場合はVビーム治療をまず試す方針でよいでしょう。保険適用で治療を受けられる可能性もあります。

酒さによる赤みには、外用薬(メトロニダゾール、イベルメクチン)や内服薬を基本としつつ、Vビームやポテンツァを組み合わせると効果的です。特に酒さ・赤ら顔ではイベルメクチンクリームを使用しながらVビームを行うと効果が高いことが報告されています。

ニキビ跡の赤みには、VビームやIPL、ポテンツァが効果的です。ニキビの炎症により増加した毛細血管を破壊し、減少させることで赤みを改善します。

複合的な肌悩み(赤み+シミ+くすみなど)がある場合は、IPL(フォトフェイシャル)が適しています。複数の色素にアプローチできるため、総合的な肌質改善が期待できます。

併用療法の効果

小鼻の赤みの治療では、複数の治療を組み合わせることでより高い効果が期待できます。

例えば、Vビームで毛細血管にアプローチしながら、外用薬で炎症を抑える併用療法が効果的です。また、ポテンツァとVビームを組み合わせることで、血管新生の抑制と既存の拡張血管の破壊を同時に行うことができます。

医師と相談しながら、症状に合った最適な治療計画を立てることが大切です。


7. 治療を受ける際の注意点

治療前の注意点

日焼けをしている方や日焼けの予定がある方は、レーザー治療を見送る必要がある場合があります。妊娠中の方や妊娠の可能性がある方も、一部の治療は受けられません。

現在治療中の疾患がある方、服用中の薬がある方は、必ず事前に医師にお伝えください。特に血液をサラサラにする薬(抗凝固薬、抗血小板薬など)を飲まれている方は注意が必要です。

治療後のケア

治療後は肌がデリケートな状態になっています。以下のポイントに注意してアフターケアを行いましょう。

紫外線対策を徹底してください。治療後1ヶ月くらいはSPF30以上の日焼け止めを使うようにしましょう。日焼け止めや日傘、帽子などを活用し、紫外線対策を徹底してください。

保湿ケアをしっかり行いましょう。治療後の肌は一時的にバリア機能が低下しており、乾燥しやすい状態です。化粧水やクリームでしっかりと保湿するようにしてください。

肌への刺激を避けてください。強くこすったり、ピーリングやスクラブなど刺激の強いケアは控えましょう。

温熱刺激に注意してください。酒さの場合、温熱刺激で赤みやほてり、痒みが悪化することがあります。熱いお湯は避けてぬるま湯で洗うようにし、長風呂やサウナは控えましょう。

生活習慣の改善

治療効果を最大限に発揮し、再発を防ぐためには、生活習慣の見直しも重要です。

悪化因子を避けることが大切です。暑さ、寒さなどの生活環境、アルコールや香辛料など刺激の強い食べ物、医薬品や化粧品など、生活の中で原因となっているものを見つけ、それらをできるだけ避けた生活を心がけましょう。

寒暖差に注意してください。冬の暖房による大きな寒暖差は、赤みが悪化する原因のひとつです。急激な温度変化を避けるよう心がけましょう。


8. よくあるご質問(FAQ)

Q1. 小鼻の赤みはセルフケアだけで治りますか?

軽度の赤みであれば、正しいスキンケアや生活習慣の改善で軽減できる可能性があります。しかし、毛細血管拡張症や酒さなど、血管の異常が原因の場合は、セルフケアだけでは根本的な改善は難しいことが多いです。長期間改善が見られない場合は、専門医への相談をおすすめします。

Q2. Vビームは痛いですか?

Vビームは施術時に輪ゴムで弾かれたような痛みがあります。ただし、最新機種では冷却ガスを噴射しながら照射するため、痛みはかなり軽減されています。痛みに不安のある方は、麻酔クリームを塗布することも可能です。

Q3. 治療は何回くらい必要ですか?

症状や治療法によって異なります。Vビームの場合、毛細血管拡張症であれば2〜3回、赤ニキビやニキビ跡の赤みには5回以上必要なこともあります。小鼻は特に治療回数が必要な部位とされており、頬よりも多くの回数を要することが一般的です。

Q4. 治療後すぐにメイクはできますか?

多くの治療では、施術当日からメイクが可能です。ただし、出力を強くした場合や肌の状態によっては、翌日以降をおすすめすることもあります。詳しくは医師の指示に従ってください。

Q5. 保険は適用されますか?

毛細血管拡張症と診断された場合、Vビームによる治療は保険適用となります。ただし、美容目的の場合は自費診療となります。酒さの場合も症状によって保険適用となることがあります。詳しくは診察時にお尋ねください。

Q6. 治療効果はいつ頃から実感できますか?

Vビームの場合、施術直後は一時的に赤みが増すことがありますが、1〜2週間程度で効果を実感できることが多いです。ポテンツァの場合は、施術後1〜3ヶ月で効果を実感しやすいとされています。

Q7. 再発することはありますか?

一度改善した赤みが再発する可能性はあります。特に、悪化因子(紫外線、寒暖差、アルコール、刺激物など)への曝露が続く場合や、生活習慣が改善されない場合は再発のリスクがあります。定期的なメンテナンス治療と日常のケアを継続することが大切です。


9. まとめ

小鼻の赤みは、毛細血管の拡張、炎症、皮膚疾患など、さまざまな原因によって引き起こされます。原因を正しく特定し、それに適した治療を選択することが改善への近道です。

セルフケアとして、正しい洗顔と保湿、ビタミンC配合スキンケアの活用、紫外線対策、生活習慣の見直しが基本となります。しかし、毛細血管拡張症や酒さなど、血管の異常が原因の場合はセルフケアだけでは限界があり、美容医療による治療が効果的です。

美容医療では、Vビームレーザー、IPL(光治療)、ポテンツァ、外用薬・内服薬など、症状に応じたさまざまな治療オプションがあります。これらを単独で、あるいは組み合わせて使用することで、より高い治療効果が期待できます。

アイシークリニック大宮院では、専門医が患者様お一人おひとりの症状を丁寧に診察し、最適な治療プランをご提案いたします。小鼻の赤みでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。


参考文献

  1. 日本皮膚科学会「酒さ診療ガイドライン」 https://www.dermatol.or.jp/
  2. 厚生労働科学研究費補助金難治性疾患等政策研究事業「血管腫・血管奇形・リンパ管奇形 診療ガイドライン 2017 第2版」
  3. 清水 宏「あたらしい皮膚科学第3版」中山書店 2018
  4. 持田ヘルスケア株式会社「酒さ(しゅさ)とは?赤ら顔の症状や原因、治療方法について」 https://hc.mochida.co.jp/skincare/atopic/atopic23.html
  5. MSDマニュアル家庭版「酒さ」 https://www.msdmanuals.com/ja-jp/home/17-皮膚の病気/にきびと関連疾患/酒さ
  6. 大正製薬「肌の赤みを抑えるには?赤みの原因とスキンケアについて」 https://taisho-beauty.jp/TB/shop/pages/article016.aspx
  7. 田辺三菱製薬「酒さ様皮膚炎の症状・原因・治療法」ヒフノコトサイト https://hc.mt-pharma.co.jp/hifunokoto/solution/1981

アイシークリニック大宮院のご案内

アイシークリニック大宮院では、小鼻の赤みをはじめとするさまざまな肌のお悩みに対応しております。皮膚科専門医による丁寧な診察と、最新の医療機器を用いた治療で、患者様のお悩み解決をサポートいたします。

お肌の状態や赤みの原因は人それぞれ異なります。まずはお気軽にご相談ください。患者様一人ひとりに最適な治療プランをご提案いたします。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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