夏場や秋口に「気づいたら肌に赤い点ができていた」「強いかゆみがあるのにどこで刺されたかわからない」という経験をしたことはありませんか?そのような症状はダニによる刺し跡の可能性があります。ダニは非常に小さく肉眼では確認しづらいため、刺されたことに気づきにくいのが特徴です。しかしその刺し跡は放置していると激しいかゆみや皮膚炎を引き起こし、かき壊すことで二次感染のリスクも高まります。この記事では、ダニに刺された跡の見た目の特徴を具体的に解説するとともに、他の虫刺されや皮膚疾患との見分け方、症状の経過、適切な対処法についてわかりやすく説明します。
目次
- ダニに刺された跡の基本的な見た目
- ダニの種類別・刺し跡の特徴
- 刺された直後から時間経過ごとの症状の変化
- 体のどこに刺されやすいか
- 他の虫刺されとの見分け方
- 皮膚疾患との見分け方
- ダニに刺されたときの正しい対処法
- 受診すべきタイミングと診療科
- ダニ刺されの予防策
- まとめ
この記事のポイント
ダニ刺されは1〜5mmの赤い丘疹が複数箇所に現れ、かゆみが遅れて数日続く。マダニ・ツツガムシは感染症リスクがあり、刺された後の発熱時は速やかに受診が必要。アイシークリニック大宮院では皮膚症状の診察・治療を行っている。
🎯 ダニに刺された跡の基本的な見た目
ダニに刺された跡は、一見するとただの「赤い点」や「虫刺され」に見えるため、見落とされがちです。しかし、ダニによる刺し跡にはいくつかの共通した特徴があります。
まず最も典型的な見た目として挙げられるのが、1〜5mm程度の赤みを帯びた小さな丘疹(きゅうしん)です。丘疹とは皮膚が盛り上がった状態のことで、蚊に刺されたときのような膨らみに似ていますが、ダニの場合はより小さく密集して現れることが多い傾向があります。
刺し跡の中央には小さな点(刺入点)が確認できることがあります。これはダニの口器が皮膚に刺さった痕で、虫眼鏡や拡大鏡を使うと確認しやすくなります。刺入点の周囲は赤みが広がり、わずかに腫れているように見えることもあります。
色については、刺された直後は淡い赤みですが、時間が経つにつれて赤みが濃くなったり、中心部が暗赤色・褐色に変化したりする場合があります。特にツツガムシやマダニのような特定のダニに刺された場合には、中央に壊死を伴う「刺し口」と呼ばれる特徴的な病変が形成されることがあります。
また、複数の刺し跡が近い範囲に集中していることも、ダニ刺されの大きな特徴です。一箇所に数個から十数個の赤い点が散在していたり、直線状・帯状に並んでいたりする場合は、ダニによる可能性が高いと考えられます。
Q. ダニに刺された跡の見た目の特徴は?
ダニに刺された跡は、1〜5mm程度の赤い丘疹(皮膚の盛り上がり)として現れ、中央に小さな刺入点が確認できることがあります。複数の刺し跡が近い範囲にまとまって出現する点が大きな特徴で、かゆみは刺された直後でなく、数時間〜1日後から強くなることが多いです。
📋 ダニの種類別・刺し跡の特徴
日本国内でヒトを刺すダニは主にいくつかの種類に分かれており、それぞれ刺し跡の形状や引き起こす症状が異なります。種類を把握しておくことで、より正確な対応が可能になります。
🦠 イエダニ
イエダニは家屋内に生息するダニで、ネズミに寄生することが多いのですが、ネズミが駆除されたあとや個体数が増えすぎた場合にヒトを吸血することがあります。刺し跡は1〜3mm程度の小さな赤い丘疹で、中央に刺入点が見られます。かゆみは強めで、複数箇所にまとまって現れることが多いです。腹部・太もも・わき腹など衣服に覆われた部位に現れやすく、特に就寝中に刺されるケースが多いため、朝起きたら刺し跡が増えているという状況になりやすいです。
👴 ツメダニ
ツメダニは畳・カーペット・布団などに生息し、本来はコナダニなどを捕食しています。しかしコナダニが大量発生するとツメダニも増殖し、偶発的にヒトを刺すことがあります。刺し跡は1〜2mm程度の小さな紅斑(赤い発疹)で、かゆみが非常に強いのが特徴です。下肢・腰部・腹部など布団や畳に接触しやすい部位に集中して現れます。梅雨から夏にかけての高温多湿な時期に被害が多くなります。
🔸 マダニ
マダニは草むらや山林に生息し、野外活動時にヒトに取りつきます。マダニは吸血中に皮膚にしっかりとかみつくため、数時間から数日間同じ場所に張りついていることがあります。刺し跡は他のダニとは異なり、マダニ自体が皮膚に食い込んでいる状態が見られることがあります。マダニが脱落したあとには、中心部に潰瘍状の傷が残ることもあります。また、SFTSや日本紅斑熱などの感染症を媒介するリスクがある点で特に注意が必要です。
💧 ツツガムシ
ツツガムシはダニの幼虫の一種で、野山や河川敷などに生息します。刺された直後はほとんど症状がないため気づきにくいのですが、数日後に発熱・発疹・リンパ節腫脹が現れます。特徴的なのが「刺し口」と呼ばれる病変で、刺された箇所が壊死して黒色の痂皮(かさぶた)を形成します。これはツツガムシ病の診断において重要な所見です。ワキや鼠径部、耳の後ろなど皮膚の薄くて柔らかい部位に現れやすいです。
✨ コナダニ・チリダニ
コナダニやチリダニは直接ヒトを刺さないことが多いですが、大量発生すると皮膚への刺激やアレルギー反応を引き起こすことがあります。刺し跡というよりもアレルギー性の蕁麻疹や皮膚炎に近い症状として現れるため、厳密には「刺し跡」ではなく「反応」として捉えられます。
💊 刺された直後から時間経過ごとの症状の変化
ダニに刺された後の症状は、時間の経過とともに変化します。症状の推移を知っておくことで、適切なタイミングで対処することができます。
📌 刺された直後(0〜数時間)
多くの場合、刺された直後はほとんど自覚症状がありません。これはダニの唾液に含まれる麻酔様物質が痛みを感じさせにくくしているためです。肉眼で見ても小さな赤い点が確認できるかどうかという程度で、かゆみも軽微です。
▶️ 数時間〜1日後
刺入部位に赤みと腫れが現れ始め、かゆみが強くなってきます。この時期になって初めて「虫に刺されたかもしれない」と気づく人が多いです。刺し跡は1〜5mm程度の丘疹として視認できるようになり、周囲が薄い赤色の輪郭を示すことがあります。
🔹 2〜3日後
かゆみのピークを迎えることが多く、刺し跡の赤みも最も強くなります。掻いてしまうと皮膚が傷つき、浸出液が出たりかさぶたが形成されたりします。体質によっては水疱(水ぶくれ)が生じることもあります。
📍 1週間以降
適切に対処していれば、通常1〜2週間で症状は軽快します。しかし掻き壊している場合や体質によっては、色素沈着(茶色いシミのような痕)が残ることがあります。また、ダニ刺されに対して過敏反応が起きる体質の人では、1ヶ月以上かゆみが続くこともあります。これをダニ刺咬症の遷延化と呼びます。
💫 感染症を伴う場合
マダニやツツガムシに刺された場合、1〜2週間の潜伏期間を経て発熱・頭痛・発疹が現れることがあります。特にSFTS(重症熱性血小板減少症候群)は命に関わる重篤な感染症のため、マダニに刺された後に発熱が見られた場合は速やかに医療機関を受診してください。
Q. マダニとツツガムシの刺し跡はどう違う?
マダニは吸血中に皮膚へ食い込み、脱落後に潰瘍状の傷が残ることがあります。ツツガムシは刺されてもすぐに症状が出にくく、数日後に刺し口が黒色のかさぶたになる「刺し口」が特徴です。どちらも発熱・発疹を伴う感染症を引き起こすリスクがあり、症状が出たら速やかな受診が必要です。
🏥 体のどこに刺されやすいか
ダニの種類や生活環境によって、刺されやすい体の部位には傾向があります。刺し跡が出やすい部位を知っておくことで、ダニ刺されかどうかの判断材料になります。
イエダニ・ツメダニなど家屋内のダニは、布団や衣服との接触が多い部位を刺す傾向があります。具体的には、腹部・腰部・太もも・わき腹・背中などです。就寝中に刺されるため、体幹部分(胴体)に多く現れます。
マダニは野外でズボンや靴下の隙間から侵入し、皮膚の薄くて柔らかい部位を好みます。足首・膝の裏・太ももの付け根・腰部・脇の下などに多く見られます。また、毛の生え際や耳の後ろにも食いつくことがあります。
ツツガムシも皮膚が柔らかく、衣服の隙間になりやすい部位を好みます。脇の下・鼠径部(足の付け根)・耳の後ろ・首筋・足首などに刺し口が形成されやすいです。
子どもの場合は頭部や顔面にも刺し跡が現れることがあります。大人と比べて皮膚が薄く柔らかいためダニが寄りつきやすく、また頭部が布団に接触する時間が長いことも関係しています。
⚠️ 他の虫刺されとの見分け方
ダニ刺されは、蚊・ノミ・南京虫(トコジラミ)など他の虫刺されと見た目が似ており、見分けるのが難しいことがあります。それぞれの特徴を比較することで、より正確な判断ができます。
🦠 蚊との違い
蚊に刺された場合、刺入直後から数分以内に強いかゆみと膨疹(蕁麻疹のような膨らみ)が現れます。これは即時型アレルギー反応によるもので、通常数時間から1日程度で自然に治まります。ダニ刺されはかゆみが遅れて現れ、数日間続くことが多い点で異なります。また、蚊に刺された跡は1箇所ずつ独立して現れることが多いですが、ダニ刺されは複数箇所がまとまって出る傾向があります。
👴 ノミとの違い
ノミに刺された跡は、ダニと非常に似ています。しかし、ノミは主に足首から膝にかけての下肢に集中して刺す傾向があります。また、ノミの刺し跡は中央に出血点を伴うことが多く、「ノミ刺されの三角形」と呼ばれる特徴的な配置(三点が三角形を形成する)を取ることがあります。ペットを飼っている家庭で足元を中心に多数の刺し跡がある場合は、ノミの可能性を考えると良いでしょう。
🔸 トコジラミ(南京虫)との違い
トコジラミに刺された跡は、複数の刺し跡が直線状または弧を描くように並ぶのが特徴です。「朝食・昼食・夕食」と例えられるように、一定間隔で3〜4箇所並ぶことがよく知られています。かゆみは強く、体幹から上腕にかけて現れやすいです。ホテルや旅行後に症状が出た場合はトコジラミの可能性も考慮します。
💧 ブヨとの違い
ブヨ(ブユ)に刺された跡は、出血を伴う激しい腫れと痛みが特徴です。刺し跡は大きく腫れ上がり、水疱が形成されることもあります。山間部や川沿いでの活動後に発症しやすく、主に露出した足首や手首などに現れます。ダニ刺されに比べて腫れが大きく、痛みを伴う点が異なります。
Q. ダニ刺されと蚊・ノミ刺されの見分け方は?
蚊に刺されると数分以内にかゆみと膨らみが生じ、通常1日で治まります。ノミ刺されは足首〜膝下の下肢に集中し、出血点を伴う傾向があります。ダニ刺されはかゆみの発症が遅く数日間続き、複数の刺し跡が体幹部にまとまって現れる点が蚊やノミとの主な違いです。
🔍 皮膚疾患との見分け方
ダニ刺されは虫刺されとの混同だけでなく、様々な皮膚疾患とも見た目が似ていることがあります。正確な診断には皮膚科での受診が必要ですが、基本的な違いを知っておくことが大切です。
✨ アトピー性皮膚炎との違い
アトピー性皮膚炎は慢性的に繰り返すかゆみを伴う皮膚炎で、ダニアレルゲンが悪化要因の一つとなっています。ダニ刺されとの違いとして、アトピー性皮膚炎は皮膚が乾燥してざらざらした状態(苔癬化)が見られ、肘の内側・膝の裏・首・顔など特定の部位に対称的に出やすい点が挙げられます。一方、ダニ刺されは非対称的・散在的に現れ、特定の季節や環境変化と連動することが多いです。
📌 蕁麻疹との違い
蕁麻疹は膨疹(地図状に広がる膨らみ)が数時間以内に消えるという特徴があります。ダニ刺されの場合、刺し跡は数日間から数週間残ることが多いため、皮疹が長く続く場合は蕁麻疹ではなくダニ刺されを疑うことが重要です。
▶️ 疥癬(かいせん)との違い
疥癬はヒゼンダニというダニが皮膚の表面に寄生することで起こる皮膚病です。厳密にはダニ刺されとは異なりますが、混同されることがあります。疥癬の特徴は、指の間・手首・わき・股などに小さな丘疹が多数出現し、夜間に特に強いかゆみが起こることです。また、「疥癬トンネル」と呼ばれるヒゼンダニが皮膚の中に掘ったトンネルが見られることもあります。介護施設や家族間での集団感染が起こりやすく、感染拡大を防ぐためにも早期診断が重要です。
🔹 水痘(みずぼうそう)との違い
水痘は水疱瘡ウイルスによる感染症で、全身に水疱を伴う発疹が現れます。ダニ刺されと異なり、発熱を伴うことが多く、体幹を中心に全身に広がる点が特徴です。また、複数の発疹が同時に様々なステージ(紅斑・丘疹・水疱・痂皮)で混在している状態が見られます。
📝 ダニに刺されたときの正しい対処法
ダニに刺されたと思われる場合、症状を悪化させないために正しい対処法を知っておくことが大切です。
📍 まずはダニを安全に取り除く(マダニの場合)
マダニが皮膚に食いついている状態の場合は、自分で無理に引き抜こうとするのは危険です。マダニの口器が皮膚の中に残ったり、内容物が逆流して感染リスクが高まったりする可能性があります。マダニが食いついているのを発見した場合は速やかに医療機関を受診し、専門的な処置を受けるようにしましょう。
もし医療機関にすぐ受診できない場合は、細い先端のピンセットを使い、皮膚のできるだけ近いところをつかんで、まっすぐ引き上げるようにして取り除きます。ねじったり、ぐらぐらさせたりしないように注意してください。アルコールやワセリンを塗ってから取り除く方法は、マダニが消化液を逆流させる可能性があるため推奨されていません。
💫 患部を清潔に保つ
刺し跡を石鹸と流水で優しく洗い、清潔に保ちましょう。強くこすると皮膚がさらに刺激を受けてしまうため、泡立てた石鹸で優しくなでる程度で十分です。洗った後は清潔なタオルで軽く押さえるようにして水気を取ります。
🦠 かゆみへの対処

かゆみが強い場合は、患部を冷やすことで一時的にかゆみを緩和できます。保冷剤をタオルに包んで患部に当てたり、冷水で濡らしたタオルを使ったりすると効果的です。市販の抗ヒスタミン剤入りの虫刺され薬や、ステロイド外用薬(市販品)を塗ることもかゆみの軽減に役立ちます。ただし、ステロイド外用薬を長期間広範囲に使用するのは避けてください。
👴 絶対にかき壊さない
かゆみが強くても、なるべく掻かないようにすることが重要です。掻き壊すと皮膚が傷つき、細菌が侵入して二次感染(とびひなど)を起こすリスクが高まります。就寝時は無意識に掻いてしまうことがあるため、患部を清潔なガーゼで保護したり、就寝前に抗ヒスタミン薬を服用したりすることも一つの方法です。
🔸 入浴時の注意
刺し跡が悪化している時期は、熱いお湯や長時間の入浴はかゆみを悪化させる原因になります。ぬるめのお湯(38〜40℃程度)で短時間の入浴にとどめ、入浴後は保湿クリームなどで皮膚を乾燥から守りましょう。
💧 経過観察と記録
マダニやツツガムシに刺された可能性がある場合は、刺されたとみられる日付・場所・刺し跡の状態をスマートフォンなどで記録しておくことを推奨します。後から医療機関を受診した際に、診断の重要な手がかりになります。
Q. ダニ刺されの予防に家庭でできることは?
家庭内のダニ対策として、室内湿度を60%以下に保つことが基本です。寝具は定期的に洗濯・天日干し後に掃除機をかけ、布団乾燥機の活用も効果的です。カーペットへの定期的な掃除機がけや、ぬいぐるみの洗濯・冷凍処理も有効で、ネズミがいる場合はイエダニ対策としてネズミ駆除を優先してください。
💡 受診すべきタイミングと診療科
ダニ刺されの多くは市販薬で対処できますが、以下のような場合は早めに医療機関を受診することが重要です。
✨ すぐに受診すべきケース
マダニが皮膚に食いついている状態が確認できた場合は、できるだけ早く医療機関を受診してください。また、刺されてから数日〜2週間以内に発熱・頭痛・筋肉痛・発疹が現れた場合は、SFTSや日本紅斑熱・ツツガムシ病などの感染症の可能性があるため、緊急受診が必要です。特に高熱(38℃以上)・意識の変容・激しい頭痛を伴う場合は救急受診を検討してください。
刺し跡がどんどん広がり、熱を持って腫れている場合や、刺し跡から膿が出ている場合も受診が必要です。これらは細菌による二次感染が起きているサインです。
📌 数日以内に受診すべきケース
かゆみが非常に強く、市販の薬では効果が感じられない場合や、かき壊して皮膚がただれてきた場合は、皮膚科を受診して適切な治療を受けることをお勧めします。また、家族複数人が同様の症状を訴えている場合は、疥癬や集団でのダニ被害の可能性があるため、早めの診断と原因の特定が重要です。
▶️ 受診する診療科
ダニ刺されの基本的な治療は皮膚科で行います。皮膚科ではダニ刺されかどうかの診断を行うとともに、症状の程度に応じてステロイド外用薬・抗ヒスタミン薬(内服)・抗生物質などが処方されます。
感染症が疑われる場合は内科や感染症科での受診が必要になることもあります。特にツツガムシ病やSFTSなどは適切な治療が遅れると命に関わる場合があるため、疑わしい症状がある場合は迷わず受診してください。
アイシークリニック大宮院では、ダニ刺されによる皮膚症状の診察・治療を行っています。症状が気になる方はお気軽にご相談ください。
✨ ダニ刺されの予防策
ダニ刺されは適切な予防策を講じることで、被害を大幅に減らすことができます。家庭内と屋外それぞれの環境に合わせた対策を実施しましょう。
🔹 家庭内でのダニ対策
ダニは高温多湿な環境を好むため、室内の湿度を60%以下に保つことが基本的な対策になります。エアコンや除湿機を活用して湿度管理をすることが効果的です。
寝具は定期的に洗濯し、天日干しをすることでダニの繁殖を抑えることができます。ただし、天日干しだけではダニを完全に死滅させることはできないため、乾燥後に掃除機をかけてダニの死骸やフンを吸い取ることが重要です。布団乾燥機を使うとさらに効果的です。
カーペットや畳は定期的に掃除機をかけましょう。一箇所を念入りにゆっくりかけることがポイントです。ダニの繁殖を防ぐためにはカーペットをフローリングに替えることも一つの選択肢です。
ぬいぐるみやクッションなどもダニの温床になりやすいため、洗えるものは定期的に洗濯し、洗えないものはビニール袋に入れて数日間冷凍庫に入れるとダニを死滅させる効果があります。
ネズミがいる場合はネズミ駆除を優先することでイエダニの被害を防ぐことができます。ネズミを駆除する際は、同時にダニ対策も行うことが重要です。
📍 屋外でのマダニ対策
山林・草むら・河川敷などマダニが生息する環境に入る際は、肌の露出を最小限にすることが基本です。長袖・長ズボンを着用し、靴下はズボンの裾にしっかりかぶせて肌が露出しないようにしましょう。薄い色の服を着ると、マダニが付着した際に発見しやすくなります。
虫除けスプレー(DEET配合のもの)を露出している肌や衣服に使用することも効果的です。ただし、子どもへの使用は年齢に応じた濃度・使用量の制限があるため、製品の指示に従ってください。
野外活動後は必ず全身をチェックし、マダニが食いついていないか確認しましょう。特に足首・膝の裏・太もも・股・脇の下・耳の後ろなどを念入りに確認してください。入浴時にシャワーを浴びながら確認するのが効果的です。
💫 アレルギー体質の方の注意点
アレルギー体質やアトピー性皮膚炎のある方は、ダニ刺されに対して過剰に反応することがあります。日常的なダニアレルゲン対策として、アレルゲン免疫療法(ダニ舌下免疫療法)を検討することも一つの選択肢です。この治療はアレルギー専門医に相談の上で行ってください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、夏から秋にかけてダニ刺されを主訴に来院される患者さまが増える傾向にあり、蚊やノミ刺されと見分けがつかずに長期間放置してしまったケースも少なくありません。特にマダニやツツガムシに刺された場合は、発熱や発疹を伴う感染症へと進展するリスクがあるため、野外活動後に刺し跡を発見した際は自己判断せず、早めにご受診いただくことを強くお勧めします。かゆみが続く・刺し跡が広がるなど少しでも気になる症状があれば、どうぞ安心してご相談ください。」
📌 よくある質問
ダニに刺された跡は、1〜5mm程度の赤い丘疹(盛り上がり)として現れることが多く、中央に小さな刺入点が確認できる場合があります。複数の刺し跡が近い範囲にまとまって現れる点が大きな特徴です。かゆみは刺された直後ではなく、数時間〜1日後から強くなることが多いです。
蚊に刺された場合は刺された直後から数分以内に強いかゆみと膨らみが現れ、通常1日程度で治まります。一方、ダニ刺されはかゆみが遅れて現れ数日間続くことが多く、複数の刺し跡がまとまって出る傾向があります。症状が数日以上続く場合はダニ刺されを疑いましょう。
マダニが皮膚に食いついている場合、自分で無理に引き抜こうとするのは危険です。口器が皮膚内に残ったり、感染リスクが高まったりする恐れがあります。アルコールやワセリンを塗る方法も推奨されていません。発見したらできるだけ早く医療機関を受診し、専門的な処置を受けてください。
刺されてから数日〜2週間以内に発熱・頭痛・発疹が現れた場合は、SFTSやツツガムシ病などの感染症が疑われるため、速やかに受診が必要です。また、刺し跡が広がって熱を持つ・膿が出るなど二次感染のサインが見られる場合も早めに皮膚科を受診してください。
室内の湿度を60%以下に保つことが基本的な対策です。寝具は定期的に洗濯・天日干しをした後に掃除機をかけ、布団乾燥機の活用も効果的です。カーペットへの定期的な掃除機がけや、ぬいぐるみ・クッションの洗濯なども重要です。ネズミがいる場合はイエダニ対策としてネズミ駆除を優先しましょう。
🎯 まとめ
ダニに刺された跡は、1〜5mm程度の赤い丘疹として現れることが多く、中央に小さな刺入点が確認できる場合があります。複数箇所がまとまって現れる点や、かゆみが遅れて現れ数日間続く点が蚊などの他の虫刺されとの大きな違いです。
ダニには種類があり、イエダニ・ツメダニ・マダニ・ツツガムシそれぞれで刺し跡の特徴や現れやすい部位が異なります。特にマダニ・ツツガムシに刺された場合は、感染症を引き起こすリスクがあるため、刺されたあとに発熱・発疹などの症状が現れた場合は速やかに医療機関を受診することが不可欠です。
日常的な予防としては、寝具の清潔管理・室内の湿度管理・野外活動時の肌の露出防止が基本になります。「もしかしてダニに刺されたかな?」と思われる症状がある場合や、症状が改善しない場合は、自己判断せずに皮膚科への受診をお勧めします。早期の適切な治療により、症状の悪化や感染症への進展を防ぐことができます。
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📚 参考文献
- 厚生労働省 – マダニ対策・SFTS(重症熱性血小板減少症候群)やツツガムシ病などダニ媒介感染症に関する予防・対処法の公式情報
- 国立感染症研究所 – ツツガムシ病・日本紅斑熱・SFTSなどダニ媒介感染症の病原体・症状・疫学・診断に関する詳細情報
- 日本皮膚科学会 – ダニ刺咬症・疥癬を含む虫刺されによる皮膚症状の診断基準・治療方針および皮膚科的対処法に関する学会公式情報
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務