目の周りや頬に、白くて小さなプツプツができていませんか。これは「稗粒腫(はいりゅうしゅ)」と呼ばれる良性の皮膚病変かもしれません。痛みやかゆみはないものの、顔の目立つ部分にできるため、見た目が気になって治療を検討される方も多くいらっしゃいます。
この記事では、稗粒腫の原因や症状、保険適用での除去治療について詳しく解説します。大宮エリアで稗粒腫の治療をお考えの方は、ぜひ参考にしてください。
目次
- 稗粒腫とは
- 稗粒腫の症状と特徴
- 稗粒腫ができる原因
- 稗粒腫と間違えやすい疾患
- 稗粒腫の診断方法
- 稗粒腫の治療法
- 保険適用での除去治療と費用
- 自費診療による治療法
- 大宮エリアでの皮膚科受診について
- 稗粒腫の予防とセルフケア
- よくある質問(Q&A)
- まとめ
1. 稗粒腫とは
稗粒腫(はいりゅうしゅ)は、皮膚の表面近くにできる直径1〜2mm程度の白色または黄白色の小さな粒状の良性腫瘍です。「ひりゅうしゅ」と読まれることもありますが、正式には「はいりゅうしゅ」と読みます。見た目が穀物の「稗(ひえ)」に似ていることから、この名前がつけられました。英語では「milia(ミリア)」または「milium(ミリウム)」と呼ばれています。
日本皮膚科学会の解説によると、稗粒腫はうぶ毛の毛穴の皮膚からできたもので、医学的には「表皮嚢腫(ひょうひのうしゅ)」の小さなものと考えられています。皮膚科でよく診られる粉瘤(ふんりゅう)が普通の毛穴から発生するのに対し、稗粒腫は産毛の毛穴から発生すると考えられています。
稗粒腫は良性の病変であり、放置しても健康上の問題を引き起こすことはありません。悪性化することもなく、周囲の人にうつる感染性の疾患でもありません。しかしながら、顔の目立つ部分にできることが多く、化粧で隠すことも難しいため、美容的な観点から除去を希望される方が少なくありません。
稗粒腫は年齢や性別を問わず発症しますが、特に新生児や成人女性、高齢者に多くみられる傾向があります。新生児の場合はおよそ40〜50%に認められるとの報告もありますが、生後数週間で自然に消失することがほとんどです。一方、成人にできた稗粒腫は自然に消えることは少なく、治療が必要となるケースが多くなっています。
2. 稗粒腫の症状と特徴
見た目の特徴
稗粒腫は以下のような外見的特徴を持っています。
まず、大きさは直径1〜2mm程度で、大きいものでも3mmを超えることは稀です。色は白色から黄白色で、表面は滑らかで光沢があります。触ると硬く、球状の粒が皮膚の表面から透けて見えるような状態です。1個だけできる場合もあれば、複数がまとまって出現することもあり、左右対称に現れることもあります。
好発部位
稗粒腫ができやすい部位は、主に以下の場所です。
最も多いのは目の周り(まぶた、目の下、目尻)で、次いで頬、額、鼻先、こめかみ、眉間、あごなど顔面全体に発生します。顔以外にも、体幹や四肢、陰部などにできることもありますが、顔面に比べると頻度は低くなっています。
年代によってできやすい部位が若干異なる傾向があり、高校生くらいまでの若い世代では目の周りにできることが圧倒的に多く、それ以降の年代では目の周りだけでなく額や頬など顔全体にできやすくなります。
自覚症状
稗粒腫には通常、自覚症状がありません。痛みやかゆみを伴うことはなく、炎症を起こすこともありません。触っても特に痛くなく、日常生活に支障をきたすこともありません。唯一の問題は見た目の変化であり、これが治療を希望される主な理由となっています。
白ニキビと見た目が似ていますが、ニキビのように炎症へ移行するリスクはありません。また、時間が経っても赤くなったり、膿を持ったりすることはありません。
3. 稗粒腫ができる原因
稗粒腫は発生の原因によって「原発性稗粒腫」と「続発性稗粒腫」の2種類に分類されます。
原発性稗粒腫
原発性稗粒腫は、特別な外的要因がなく自然に発生するタイプです。稗粒腫の多くはこの原発性に分類されます。
原発性稗粒腫の原因は完全には解明されていませんが、いくつかの要因が関係していると考えられています。まず、胎児期に皮膚の構造の一部が変化して袋状のものが作られ、そこに角質が溜まることで発生するという説があります。また、皮膚のターンオーバー(新陳代謝)の乱れが関連しているという説もあります。
通常、古い角質は皮膚のターンオーバーによって自然に剥がれ落ちますが、このサイクルが乱れることで角質がスムーズに排出されず、皮膚の中に溜まってしまうことがあります。加齢によってターンオーバーが遅くなることも、高齢者に稗粒腫が多い理由の一つと考えられています。
近年の皮膚科研究では、稗粒腫は毛包や汗腺開口部付近で起こる角化異常が関与していると報告されています。一部の方では体質的に稗粒腫ができやすい傾向があり、はっきりした誘因がないにもかかわらず繰り返すケースもあります。
先天性稗粒腫は原発性の一種で、生まれつき見られるものです。新生児の鼻周りや顔、頭皮にできることが多く、通常は数週間程度で自然に消退します。新生児にみられる稗粒腫は特に治療の必要がなく、経過観察で問題ありません。
続発性稗粒腫
続発性稗粒腫は、皮膚の炎症や外傷、医療行為などの皮膚ダメージの後に生じるタイプです。
続発性稗粒腫の主な原因としては、まず火傷や擦り傷、切り傷などの外傷が挙げられます。皮膚が損傷を受けて治癒する過程で、表皮内に角質が閉じ込められることがあります。特にまぶた周囲の手術後に稗粒腫が生じることがあります。
水ぼうそう(水痘)の痕にできることも多く、その他にも帯状疱疹や類天疱瘡などの水疱を形成する疾患の後に発生することがあります。アトピー性皮膚炎の患者さんでは、皮膚を繰り返しこすることによって稗粒腫ができやすくなることがあります。
ピーリングや強いスキンケア製品の使用後も注意が必要です。角質除去作用の強い化粧品などの使用後は、一時的に表皮のバリア機能が弱まり、稗粒腫が生じることがあります。
稀ではありますが、薬剤や先天性疾患と関連して稗粒腫が発症することもあります。稗粒腫の誘因となる薬剤としては、ステロイドの長期外用やハイドロキノン外用などが知られています。
続発性稗粒腫では、原因となった部位の皮膚が破壊され、治癒する際に角化細胞が表皮下で嚢腫状に増殖して発症すると考えられています。原発性と続発性で見た目の違いはほとんどありませんが、続発性の場合は自然に消失することもある一方で、長期間残ることもあります。
稗粒腫ができやすい人の特徴
以下のような方は稗粒腫ができやすい傾向があります。
乾燥肌やアトピー肌の方は、皮膚のバリア機能が低下しやすく、ターンオーバーが乱れやすいため注意が必要です。目をこする癖がある方や、洗顔時やメイク時に肌を強くこすってしまう方も、皮膚への刺激によって稗粒腫ができやすくなります。
加齢も要因の一つです。年齢を重ねると皮膚のターンオーバーが遅くなり、古い角質が溜まりやすくなります。また、油分の多いクリームや毛穴を詰まらせやすい化粧品を使用している方も、稗粒腫のリスクが高まる可能性があります。
紫外線を多く浴びる方も注意が必要です。紫外線は肌にダメージを与え、ターンオーバーを乱す原因となります。
4. 稗粒腫と間違えやすい疾患
稗粒腫は白く小さな粒状の皮膚隆起が特徴ですが、見た目が似ている疾患がいくつかあります。それぞれ原因や治療法が異なるため、正確な鑑別が重要です。
白ニキビ(面疱)
白ニキビは毛穴が白く盛り上がっている状態で、ニキビの初期段階です。稗粒腫と見た目が最も似ていますが、いくつかの違いがあります。
白ニキビは毛穴の中に皮脂が詰まって白く盛り上がって見えるのに対し、稗粒腫は角質成分が皮膚の浅い層に袋状に溜まることが原因です。白ニキビは炎症へ移行するリスクがあり、赤みや痛みを伴うことがありますが、稗粒腫には炎症がありません。
治療法も異なり、ニキビは外用薬が基本ですが、稗粒腫は内容物を除去する処置が必要となります。
汗管腫(かんかんしゅ)
汗管腫は、汗を出す管(エクリン汗腺)が増殖して隆起した良性腫瘍です。目の下にできやすいポツポツで、複数が集まっていることが多い点は稗粒腫と似ています。
しかし、稗粒腫が白色なのに対し、汗管腫は肌色に近い色をしています。また、稗粒腫は針で内容物を取り出すと白い角質の塊が排出されますが、汗管腫では白い内容物が出ることはありません。汗管腫は皮膚の深い部分にまで存在するため、稗粒腫よりも治療が困難です。
稗粒腫と汗管腫が混在している場合もあり、「稗粒腫様汗管腫」と呼ばれるタイプも存在します。この場合、汗管腫の上に稗粒腫のような白い内容物が現れますが、白い部分を取り除いても下に汗管腫が残るため、すぐに再発してしまいます。
粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造が形成され、その中に角質や皮脂が溜まる疾患です。表面が丸く膨らみ、中央に黒い点(開口部)が見られることがあります。
稗粒腫が皮膚のごく浅いところにできる小さな白い粒であるのに対して、粉瘤は数mmから数cmまで大きくなることがあり、触ると弾力のあるしこりを感じます。粉瘤は感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴うことがありますが、稗粒腫にはそのようなリスクはありません。
脂腺増殖症
脂腺増殖症は、皮脂を分泌する脂腺が増殖してできる良性腫瘍です。黄白色の丘疹で、中央がへこんでいることが特徴です。額や鼻、頬などに多くみられます。
脂漏性角化症(老人性イボ)
脂漏性角化症は加齢に伴ってできるイボで、小さいものは白く見えることがあり、肉眼では稗粒腫との区別がつかないことがあります。ダーモスコピー(皮膚拡大鏡)で観察することで鑑別できます。
エクリン汗嚢腫(かんのうしゅ)
エクリン汗嚢腫は、汗管の一部が拡張してできる良性腫瘍です。高温多湿の環境で一時的に目立つことがあり、季節や気温の変化で大きさが変わることが特徴です。汗管腫や稗粒腫と似ていますが、発汗時に悪化する点が異なります。
5. 稗粒腫の診断方法
稗粒腫の診断は、主に視診(見た目の観察)によって行われます。稗粒腫は特徴的な外観を持っているため、多くの場合は特別な検査をすることなく診断が可能です。
視診による診断
皮膚科専門医は、病変の大きさ、色、形状、分布パターンなどを観察して稗粒腫かどうかを判断します。稗粒腫は1〜2mmの白色または黄白色の硬い丘疹で、主に目の周りや頬にみられることが診断のポイントとなります。
ダーモスコピー検査
ダーモスコピー(dermoscopy)は、皮膚専用の拡大鏡を使用して皮膚の状態を詳しく観察する検査です。肉眼では見分けがつかない場合でも、ダーモスコピーで観察することで稗粒腫と他の疾患を区別できることがあります。
ダーモスコピーでは、稗粒腫の特徴的な所見として、均一な白色または黄白色の球状構造が確認できます。汗管腫や脂腺増殖症など、似たような外観を呈する疾患との鑑別に有用です。
試験的切開
鑑別が難しい場合は、試験的に小さく切開して内容物を確認することがあります。稗粒腫であれば、白色のケラチン(角質)の塊が排出されます。この方法は診断と治療を兼ねることができます。
病理検査(生検)
まれに、生検検査(組織を採取して顕微鏡で調べる検査)が行われることがあります。しかし、稗粒腫の診断のために生検が必要になることはほとんどありません。他の疾患との鑑別が困難な場合や、悪性腫瘍の可能性を除外する必要がある場合に限って行われます。
自己診断の注意点
ご自身で「稗粒腫だろう」と判断されている方もいらっしゃいますが、実際には汗管腫や脂腺増殖症など別の疾患である場合もあります。適切な治療を受けるためにも、皮膚科専門医による正確な診断を受けることをお勧めします。
6. 稀粒腫の治療法
稗粒腫は良性の病変であり、放置しても健康上の問題はありません。しかし、見た目が気になる場合や数が増えてきた場合には、いくつかの治療法があります。
経過観察
新生児にみられる稗粒腫は、生後数週間から数ヶ月で自然に消失することがほとんどです。成人の場合も、半年から1年程度かけて自然治癒することがありますが、長期間残存するケースも少なくありません。見た目が気にならない場合や、数が少ない場合は、経過観察を選択することも可能です。
穿刺・圧出法(保険適用)
最も標準的な治療法は、注射針などを使用して皮膚の表面に小さな穴を開け、内容物である角質の塊を押し出す方法です。「圧出法」「摘除」などと呼ばれ、保険診療として行うことができます。
処置の手順としては、まず滅菌された細い注射針(27ゲージなど)で稗粒腫の上の皮膚に小さな穴を開けます。次に、専用のピンセットや面疱圧出器を使用して、白い角質の塊を押し出します。処置は短時間で終わり、出血もごくわずかです。
通常、局所麻酔は行わずに処置しますが、痛みが苦手な方や大きめの病変には、貼り付けるタイプの麻酔クリームを使用することがあります。処置後は軟膏を塗布し、必要に応じてテープで保護します。当日から洗顔や入浴が可能で、翌日からメイクもできることが多いです。
炭酸ガスレーザー治療(自費診療)
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を使用して稗粒腫を蒸散させる方法もあります。レーザーの熱エネルギーによって稗粒腫の組織を除去します。
炭酸ガスレーザー治療は自費診療となりますが、出血が少なく、傷口もきれいに仕上がるというメリットがあります。治療後は皮膚に赤みが生じたり、かさぶたができたりしますが、かさぶたは1〜2週間で剥がれ、赤みも数ヶ月で目立たなくなります。
ただし、レーザー治療を用いても針による穿刺・圧出法と治療結果に大きな差がないとの意見もあり、費用対効果を考慮して治療法を選択する必要があります。
ケミカルピーリング
軽度の化学剥離(ケミカルピーリング)により、皮膚の表面を滑らかにして稗粒腫を除去する方法もあります。AHA(フルーツ酸)やBHAなどのピーリング剤を使用します。
ケミカルピーリングは単独で稗粒腫を完全に除去することは難しいですが、再発予防や補助的な治療として用いられることがあります。繰り返し行うことで、滞留した古い角質がなくなり、稗粒腫ができにくくなる効果が期待できます。
外用薬
現在のところ、稗粒腫を確実に除去できる外用薬はありません。しかし、皮膚のターンオーバーを促進させる外用薬を予防的に使用することがあります。
ビタミンA誘導体のレチノイドクリームは、稗粒腫の治療や予防に役立つ場合があります。ただし、既存の稗粒腫に対する効果は限定的であり、主に再発予防として使用されます。
7. 保険適用での除去治療と費用
稗粒腫の除去治療は、穿刺・圧出法(摘除)であれば健康保険が適用されます。
保険点数と費用
稗粒腫摘除の保険点数は、診療報酬点数表において「J057-4 稗粒腫摘除」として定められています。
10箇所未満の摘除は74点で、3割負担の場合は約220円です。10箇所以上の摘除は148点で、3割負担の場合は約440円となります。
この費用は処置のみの金額であり、別途、初診料または再診料、処方料(外用薬の処方がある場合)などがかかります。総額では、3割負担の場合で初診時は1,000〜2,000円程度、再診時は500〜1,000円程度が目安となります。
保険診療における費用は全国一律で、医療機関による違いはありません。ただし、施設によって加算が認められている項目があるため、若干の差異が生じることはあります。
保険適用の条件
稗粒腫の摘除が保険適用となるのは、医師が医学的に必要と判断した場合です。純粋に美容目的のみの場合は自費診療となることがありますが、多くの皮膚科では稗粒腫の摘除を保険診療として行っています。
炭酸ガスレーザーを使用した治療は保険適用外となり、自費診療となります。
1回の処置で取れる数
1回の処置で摘除できる稗粒腫の数に明確な上限はありませんが、医療機関によって対応が異なります。多くの医療機関では、1回の処置で可能な限り多くの稗粒腫を摘除するようにしていますが、数が非常に多い場合は複数回に分けて処置することもあります。
例えば、30個の稗粒腫がある場合でも、「1回に15個摘除×2回」といった形で対応してもらえる医療機関もあります。事前に相談してみることをお勧めします。
処置当日の流れ
初診の場合は、まず診察で稗粒腫であることを確認します。医師が稗粒腫と診断した場合、その日のうちに処置ができることが多いですが、医療機関によっては後日予約制としているところもあります。
処置自体は10〜20分程度で終わることが多く、処置後は特に安静にする必要はありません。当日から入浴や洗顔も可能です。
8. 自費診療による治療法
保険診療以外にも、自費診療(自由診療)による治療法があります。美容的な仕上がりを重視する場合や、保険診療では対応できない治療を希望する場合に選択されます。
炭酸ガスレーザー治療
炭酸ガスレーザーによる稗粒腫の除去は自費診療となります。費用は医療機関によって異なりますが、1個あたり1,000〜5,500円程度が相場です。複数個をまとめて治療する場合の料金設定がある医療機関もあります。
レーザー治療のメリットとしては、出血がほとんどないこと、傷口がきれいに仕上がること、複数の稗粒腫を効率的に治療できることなどが挙げられます。一方、デメリットとしては、費用が高くなること、治療後に赤みや色素沈着が残る可能性があること、再発のリスクは針による摘除と変わらないことなどがあります。
レーザー治療の場合、照射前に局所麻酔の注射を行うため、穿刺時に痛みがありますが、レーザー照射中の痛みは麻酔でコントロールされます。治療後は1〜2週間程度かさぶたができ、その後数ヶ月かけて赤みが引いていきます。
費用の比較
保険診療と自費診療の費用を比較すると、以下のようになります。
保険診療(穿刺・圧出法)では、3割負担で処置料220〜440円に加えて、初診料・再診料、処方料などを合わせて総額1,000〜2,000円程度です。
自費診療(炭酸ガスレーザー)では、1個あたり1,000〜5,500円程度で、別途初診料2,200円、再診料550円などがかかります。複数個の場合は総額が大きくなります。
どちらの治療法を選択するかは、費用、治療の目的、医療機関の方針などを総合的に考慮して決めることになります。多くの専門家は、稗粒腫の治療には保険診療での穿刺・圧出法を第一選択として推奨しています。
9. 大宮エリアでの皮膚科受診について
大宮の医療環境
大宮は埼玉県さいたま市の中心的なエリアであり、JR各線や私鉄が乗り入れる交通の要所です。大宮駅周辺には多くの皮膚科クリニックや総合病院があり、稗粒腫の治療を受けられる医療機関が充実しています。
大宮エリアの皮膚科では、一般皮膚科診療から美容皮膚科まで幅広い診療を行っている施設が多く、患者様のニーズに合わせた治療を受けることができます。
医療機関選びのポイント
稗粒腫の治療で医療機関を選ぶ際のポイントをいくつかご紹介します。
まず、皮膚科専門医が在籍しているかを確認しましょう。稗粒腫は他の疾患と見た目が似ていることがあるため、正確な診断を受けることが重要です。日本皮膚科学会認定の皮膚科専門医であれば、適切な診断と治療が期待できます。
次に、保険診療に対応しているかどうかも確認が必要です。美容皮膚科専門のクリニックの場合、稗粒腫の治療が自費診療のみとなっている場合があります。費用を抑えたい場合は、保険診療に対応している医療機関を選びましょう。
また、処置の予約方法や待ち時間なども確認しておくと良いでしょう。稗粒腫の摘除は簡単な処置ですが、医療機関によっては予約制としているところもあります。事前に電話で確認してから受診することをお勧めします。
アイシークリニック大宮院について
アイシークリニック大宮院は、皮膚科・形成外科・美容皮膚科を専門とする医療機関です。稗粒腫の診断から治療まで、経験豊富な医師が対応いたします。
当院では、稗粒腫の除去を保険診療で行っております。患者様一人ひとりの症状や希望に合わせて、最適な治療法をご提案させていただきます。
大宮駅からのアクセスも良く、お仕事帰りやお買い物のついでにもご来院いただけます。稗粒腫でお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
10. 稗粒腫の予防とセルフケア
稗粒腫を完全に予防する方法は確立されていませんが、日常的なケアによって発症リスクを下げたり、再発を予防したりすることは可能です。
適切なスキンケア
稗粒腫の予防には、適切なスキンケアが重要です。
洗顔は肌に優しい洗顔料を選び、よく泡立ててから優しく洗いましょう。ゴシゴシと強くこすることは皮膚への刺激となり、稗粒腫の原因になる可能性があります。特に目の周りなどデリケートな部分は、指の腹でそっと撫でるように洗ってください。ぬるま湯で十分にすすぎ、洗顔料が残らないようにします。
洗顔後は保湿を忘れずに行いましょう。化粧水で水分を補給し、乳液やクリームで油分を補って水分の蒸発を防ぎます。稗粒腫ができやすい方は、油分が多すぎるものよりも、さっぱりとした使用感の保湿剤を選ぶのがおすすめです。セラミドやヒアルロン酸など、肌のバリア機能を高める成分が含まれたものを選ぶと良いでしょう。
肌を清潔に保つことで毛穴の詰まりを防ぎ、適切な保湿は肌のバリア機能を正常に保ち、ターンオーバーを整える助けになります。
ターンオーバーを整える
稗粒腫はターンオーバーの乱れによって形成されやすいと考えられています。ターンオーバーを正常化させることが、予防の第一歩です。
ピーリングは、特殊な薬剤を皮膚に塗布することで古い角質を除去するケア方法です。AHA(フルーツ酸)やBHA(サリチル酸)などの角質ケア成分を含む化粧品を取り入れることで、古い角質の排出を促すことができます。
ただし、ピーリングのやりすぎは逆効果です。強すぎるピーリングは皮膚のバリア機能を弱め、かえって稗粒腫ができやすくなることがあります。週に1〜2回程度、肌の状態を見ながら行いましょう。敏感肌の方や肌に合わない場合は、皮膚科でプロのピーリングを受けることをお勧めします。
ビタミンA誘導体(レチノール、レチノイン酸など)を含む化粧品も、ターンオーバーを促進する効果が期待できます。
紫外線対策
紫外線は肌にダメージを与え、ターンオーバーを乱す原因となります。これにより稗粒腫ができやすくなることがあります。
一年を通して紫外線対策をしっかり行いましょう。外出時は日焼け止めを塗るだけでなく、帽子や日傘、サングラスなども活用して、物理的に紫外線を遮断しましょう。特に目の周りはデリケートなので、UVカット機能のあるサングラスが効果的です。
肌への刺激を避ける
肌をこする刺激は稗粒腫の原因となることがあります。以下の点に注意しましょう。
目をこする癖がある方は、意識的に控えるようにしましょう。アレルギーなどで目がかゆい場合は、根本的な治療を行うことが大切です。
メイク時やクレンジング時も、肌を強くこすらないように注意してください。アイメイクを落とす際は、専用のリムーバーを使用し、コットンで優しく拭き取りましょう。
油分の多い化粧品や毛穴詰まりを起こしやすい成分が含まれるケアオイル(例えばココナッツオイルなど)の使用を控えることも効果的です。
生活習慣の改善
皮膚のターンオーバーは、生活習慣にも大きく影響を受けます。
十分な睡眠をとることは、肌の再生に欠かせません。睡眠中に成長ホルモンが分泌され、肌の新陳代謝が促進されます。
バランスの取れた食事も重要です。タンパク質、ビタミン類、ミネラルなど、肌の健康に必要な栄養素を十分に摂取しましょう。特にビタミンA、ビタミンC、ビタミンEは肌の健康維持に役立ちます。
喫煙は肌の老化を促進し、ターンオーバーを乱す原因となります。稗粒腫の予防の観点からも、禁煙をお勧めします。
自己処理は避ける
稗粒腫を自分で取ろうとして、針やピンセットで無理に潰そうとする方もいらっしゃいますが、これは避けるべきです。
自己処理では、皮膚を傷つけて傷跡が残ったり、炎症や感染を引き起こしたりするリスクがあります。また、不衛生な器具を使用することで、色素沈着や瘢痕の原因になることもあります。
稗粒腫は医療機関で安全に除去できる病変です。気になる場合は、必ず皮膚科を受診してください。

11. よくある質問(Q&A)
稗粒腫は良性の病変であり、放置しても健康上の問題はありません。悪性化することもなく、周囲の人にうつることもありません。ただし、自然に消えることは少なく、美容的に気になる場合は除去治療を検討されることをお勧めします。
保険診療での穿刺・圧出法は、通常、局所麻酔なしで行われます。針で皮膚に小さな穴を開ける際や、内容物を押し出す際に多少の痛みを感じることがありますが、我慢できる程度の痛みです。痛みが苦手な方には、麻酔クリームを使用することも可能です。
Q3: 稗粒腫は再発しますか?
稗粒腫は一度治療しても、同じような部位に再発することがあります。体質的にできやすい方は、繰り返し治療が必要になることもあります。再発予防のためには、適切なスキンケアや生活習慣の改善が大切です。
Q4: 稗粒腫とニキビの見分け方は?
稗粒腫とニキビ(特に白ニキビ)は見た目が似ていますが、いくつかの違いがあります。稗粒腫は炎症がなく、痛みやかゆみを伴いません。また、稗粒腫は時間が経っても赤くなったり、膿を持ったりすることはありません。判断が難しい場合は、皮膚科を受診して正確な診断を受けることをお勧めします。
Q5: 稗粒腫の除去後、どのくらいで傷が治りますか?
保険診療での穿刺・圧出法の場合、処置後1週間程度で小さなかさぶたとなり、その後自然に剥がれて傷は治ります。傷跡はほとんど残りません。炭酸ガスレーザーの場合は、かさぶたが1〜2週間で剥がれ、赤みが完全に引くまでには数ヶ月かかることがあります。
Q6: 稗粒腫は子どもでも除去できますか?
子どもでも稗粒腫の除去は可能ですが、処置中に動かずにじっとしていられることが条件となります。未成年の場合は保護者の同伴と同意が必要な医療機関がほとんどです。また、乳幼児の稗粒腫は自然に消えることが多いため、経過観察を選択することも多いです。
Q7: 稗粒腫の除去に予約は必要ですか?
医療機関によって異なります。診察当日にそのまま処置ができるところもあれば、後日予約制としているところもあります。事前に電話で確認してから受診することをお勧めします。
Q8: 1回の処置で何個まで取れますか?
明確な上限はありませんが、医療機関の方針や処置にかかる時間によって異なります。多くの医療機関では1回で複数個の摘除に対応していますが、数が非常に多い場合は複数回に分けることがあります。
Q9: 稗粒腫を自分で取っても大丈夫ですか?
自分で稗粒腫を取ることはお勧めしません。不衛生な器具を使用したり、無理に潰そうとしたりすると、皮膚を傷つけて傷跡が残ったり、炎症や感染を引き起こしたりするリスクがあります。稗粒腫の除去は、清潔な環境で適切な器具を使用して行う必要があるため、必ず医療機関で受けてください。
Q10: 稗粒腫ができやすい体質は治りますか?
稗粒腫ができやすい体質そのものを完全に治すことは難しいですが、適切なスキンケアや生活習慣の改善によって、発症頻度を減らすことは可能です。ピーリングやビタミンA誘導体を含む化粧品の使用など、ターンオーバーを整えるケアを継続することが大切です。
12. まとめ
稗粒腫は、皮膚の表面近くにできる白くて小さな良性の病変です。痛みやかゆみはなく、放置しても健康上の問題はありませんが、顔の目立つ部分にできることが多いため、美容的な観点から治療を希望される方が多くいらっしゃいます。
稗粒腫の除去治療は、穿刺・圧出法であれば健康保険が適用され、3割負担で220〜440円(処置料のみ)と非常に低コストで受けることができます。処置は短時間で終わり、傷跡もほとんど残りません。
大宮エリアには稗粒腫の治療に対応できる皮膚科が多数あり、アイシークリニック大宮院でも保険診療での除去治療を行っております。
稗粒腫かな?と思ったら、まずは専門医の診察を受けることをお勧めします。正確な診断を受けたうえで、適切な治療法を選択することが大切です。
予防のためには、適切なスキンケアでターンオーバーを整え、肌への刺激を避けることが重要です。紫外線対策や生活習慣の改善も、稗粒腫の予防に役立ちます。
稗粒腫でお悩みの方、気になる症状がある方は、お気軽にアイシークリニック大宮院までご相談ください。経験豊富な医師が、患者様一人ひとりに最適な治療をご提案いたします。
参考文献
- アテローム(粉瘤) Q10 – 皮膚科Q&A(公益社団法人日本皮膚科学会)
- 稗粒腫について|メディカルノート
- 稗粒腫【イシャチョク】
- 稗粒腫とは?症状・原因・治療・病院の診療科目|病気スコープ
- 稗粒腫ができる原因とは?ニキビとは違う!スキンケアや食生活で予防を|病気スコープ
- 稗粒腫は自分で取れる?自然に治るの?ターンオーバーを整える方法とは|病気スコープ
- J057-4 稗粒腫摘除|今日の臨床サポート
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務