はじめに
「このほくろ、大丈夫かな?」「最近、ほくろが大きくなってきた気がする」──そんな不安を感じたことはありませんか?
私たちの体にある「ほくろ」の多くは良性のものですが、中には命に関わる皮膚がんである「メラノーマ(悪性黒色腫)」が潜んでいることがあります。メラノーマは日本でも年々増加傾向にあり、早期発見が何よりも重要な疾患です。
この記事では、メラノーマとほくろの違い、危険なサインの見分け方、検査・治療方法まで、皮膚科専門医の視点から詳しく解説します。アイシークリニック大宮院では、皮膚腫瘍の診断・治療に豊富な経験を持つ医師が、丁寧な診察とダーモスコピー検査により、あなたの「ほくろ」の状態を正確に判断いたします。
メラノーマ(悪性黒色腫)とは
メラノーマの基礎知識
メラノーマは、皮膚の色素を作る細胞である「メラノサイト」ががん化して発生する悪性腫瘍です。日本語では「悪性黒色腫」と呼ばれ、皮膚がんの中でも特に悪性度が高く、転移しやすいという特徴があります。
国立がん研究センターの統計によれば、日本におけるメラノーマの罹患数は年間約4,000人で、近年増加傾向にあります。欧米諸国と比較すると発生率は低いものの、日本人特有の発生部位や型があることが知られています。
メラノーマの発生部位
日本人のメラノーマは、欧米人とは異なる特徴的な発生パターンを示します:
足の裏が最も多い 日本人のメラノーマの約30〜40%は足の裏に発生します。これは「末端黒子型メラノーマ」と呼ばれるタイプで、アジア人に特徴的な発生形態です。靴擦れやタコ、イボと間違えやすく、発見が遅れることがあります。
手のひら 足の裏に次いで多いのが手のひらです。こちらも末端黒子型メラノーマの一つで、特に爪の下に発生するケースもあります。
爪 爪の下に黒い縦線が現れる「爪甲色素線条」は、メラノーマの可能性があります。特に1本の指だけに現れる、幅が広くなる、爪の根元の皮膚まで色素が広がる場合は要注意です。
体幹・四肢 背中、胸、腕、脚などにも発生します。既存のほくろから発生することもあれば、新たに出現することもあります。
粘膜 口腔内、鼻腔、外陰部などの粘膜に発生することもあり、「粘膜型メラノーマ」と呼ばれます。発見が遅れやすく、予後が悪いタイプです。
メラノーマの危険性
メラノーマが「最も恐ろしい皮膚がん」と呼ばれる理由は、その転移のしやすさにあります。
リンパ節転移 メラノーマは比較的早期の段階でリンパ節に転移します。近くのリンパ節に転移すると、5年生存率は60〜80%程度に低下します。
遠隔転移 進行すると、肺、肝臓、脳、骨など全身の臓器に転移し、遠隔転移が認められると5年生存率は約20〜30%まで低下してしまいます。
早期発見の重要性 一方で、早期発見・早期治療ができれば、5年生存率は90%以上と非常に良好です。つまり、メラノーマは「早期に見つけられるかどうか」で予後が大きく変わる疾患なのです。
ほくろとメラノーマの違い
良性のほくろとは
ほくろ(医学的には「色素性母斑」)は、メラノサイトが増殖してできた良性の腫瘍です。多くの人は10〜40個程度のほくろを持っており、これ自体は全く問題ありません。
良性ほくろの特徴
- 左右対称の形
 - 境界がはっきりしている
 - 均一な色(茶色または黒色)
 - 直径が6mm以下
 - 大きさや形が変わらない
 - 表面が滑らか
 
メラノーマとほくろの決定的な違い
メラノーマと良性のほくろを見分けるために、世界中の皮膚科医が使用している「ABCDEルール」があります。これは5つの警告サインの頭文字を取ったもので、非常に有用な判断基準です。
メラノーマを見分けるABCDEルール
A – Asymmetry(非対称性)
良性のほくろ: 中心を通る線で左右に分けると、ほぼ対称の形をしています。
メラノーマ: 左右非対称で、いびつな形をしていることが多いです。片側だけが突出していたり、全体的にバランスが悪い形状を示します。
B – Border(境界)
良性のほくろ: 周囲の正常な皮膚との境界がはっきりしており、輪郭が滑らかです。
メラノーマ: 境界が不明瞭でギザギザしていたり、にじんだように見えたりします。正常な皮膚との境目がはっきりしません。
C – Color(色調)
良性のほくろ: 茶色や黒色など、色が均一です。
メラノーマ: 1つの病変の中に複数の色が混在します。黒色、茶色、灰色、赤色、白色、青色など、まだら模様になっていることが特徴的です。特に黒と茶色が混在し、濃淡がはっきりしている場合は要注意です。
D – Diameter(直径)
良性のほくろ: 多くは直径6mm以下です。
メラノーマ: 直径6mm以上のものが多く、さらに大きくなる傾向があります。ただし、6mm以下のメラノーマも存在するため、サイズだけで判断することはできません。
E – Evolving(変化)
良性のほくろ: 長期間にわたって大きさ、形、色がほとんど変わりません。
メラノーマ: 数週間から数ヶ月で明らかに変化します。大きくなる、盛り上がる、色が濃くなる、形が変わる、出血する、かゆみや痛みが出るなどの変化が見られます。
「変化」は最も重要なサイン ABCDEルールの中でも、特に「E(変化)」は重要です。どんなに小さくても、最近変化してきたほくろは必ず皮膚科専門医の診察を受けるべきです。
メラノーマの種類と特徴
メラノーマにはいくつかのタイプがあり、それぞれ特徴的な見た目や進行パターンを示します。
1. 末端黒子型メラノーマ(Acral Lentiginous Melanoma: ALM)
特徴
- 日本人に最も多いタイプ(全体の約40%)
 - 足の裏、手のひら、爪に発生
 - 初期は平らなシミのように見える
 - 徐々に拡大し、色調が不均一になる
 - 爪に発生した場合、黒い縦線として現れる
 
見分けるポイント 足の裏のほくろやシミで、以下の特徴があれば要注意:
- 大きさが7mm以上
 - 色が均一でなく、濃淡がある
 - 輪郭がギザギザしている
 - 徐々に大きくなっている
 
2. 表在拡大型メラノーマ(Superficial Spreading Melanoma: SSM)
特徴
- 欧米人に最も多いタイプ
 - 体幹や四肢に発生しやすい
 - 既存のほくろから発生することが多い
 - 初期は平らで、徐々に隆起する
 - 複数の色が混在する
 
3. 結節型メラノーマ(Nodular Melanoma: NM)
特徴
- 進行が速い悪性度の高いタイプ
 - 初期から盛り上がったしこりとして現れる
 - 黒色だけでなく、赤色や皮膚色のものもある
 - 出血しやすい
 - 男性の背中や頭部に多い
 
危険性 結節型は初期から真皮深層に浸潤するため、発見時にすでに進行していることが多く、予後が悪い傾向があります。
4. 悪性黒子型メラノーマ(Lentigo Maligna Melanoma: LMM)
特徴
- 高齢者の顔面に多い
 - 長年の紫外線曝露が原因
 - 大きな不規則なシミとして現れる
 - 進行は比較的ゆっくり
 
5. その他の稀なタイプ
粘膜型メラノーマ 口腔内、鼻腔内、外陰部などの粘膜に発生します。発見が遅れやすく、予後が悪い傾向があります。
無色素性メラノーマ 色素がないため、赤色や肌色に見えるメラノーマです。診断が非常に難しく、発見が遅れることがあります。
危険なほくろのチェックポイント
以下のような特徴があるほくろは、必ず皮膚科専門医の診察を受けてください。
見た目の変化
- 急に大きくなってきた
- 数ヶ月で明らかにサイズが増大
 - 周囲に色素が散らばってきた
 
 - 色が変わってきた
- 濃くなった
 - 部分的に色が抜けた
 - 複数の色が混在するようになった
 
 - 形が変わってきた
- いびつになった
 - 境界がぼやけてきた
 - 盛り上がってきた
 
 
症状の出現
- 出血する
- 特にぶつけていないのに出血
 - 繰り返し出血する
 - かさぶたができる
 
 - かゆみや痛みがある
- 持続的なかゆみ
 - 痛みを感じる
 - ヒリヒリする
 
 
位置と状況
- 刺激を受けやすい場所にある
- 足の裏(靴に当たる部分)
 - ベルトが当たる腰
 - ブラジャーに擦れる部分
 
 - 新しく出現した黒いできもの
- 大人になってから新たに出現
 - 急速に大きくなる
 
 
特に注意すべきケース
以下の場合は特に注意が必要です:
- 50歳以上で新しいほくろができた
 - 家族にメラノーマの既往がある
 - 日焼けによる水ぶくれを繰り返した経験がある
 - 免疫抑制剤を服用している
 - 多数(50個以上)のほくろがある
 
メラノーマの診断方法
視診とダーモスコピー検査
ダーモスコピーとは ダーモスコープという特殊な拡大鏡を使って、皮膚表面の構造や色素の分布を詳しく観察する検査です。痛みはなく、数分で終わる非侵襲的な検査で、メラノーマの診断精度を大幅に向上させます。
アイシークリニック大宮院では、最新のダーモスコピー機器を使用し、経験豊富な医師が丁寧に診察します。
ダーモスコピーで見えるもの
- 色素の分布パターン
 - 血管構造
 - 皮膚の深層構造
 - メラノーマに特徴的な所見
 
良性のほくろとメラノーマでは、ダーモスコピーで観察される構造が大きく異なります。専門医はこれらのパターンを読み取り、悪性度を判断します。
生検(組織検査)
ダーモスコピーで悪性が疑われる場合、確定診断のために生検を行います。
生検の方法
- 全切除生検 最も推奨される方法です。病変全体を切除して病理検査に提出します。メラノーマの確定診断と同時に、浸潤の深さ(ブレスロー厚)を正確に測定できます。
 - パンチ生検 小さな円筒形の器具で病変の一部を採取します。全切除が困難な場合に選択されることがあります。
 
病理検査の重要性 採取した組織を顕微鏡で詳しく調べることで、以下の情報が得られます:
- メラノーマかどうかの確定診断
 - メラノーマのタイプ
 - 浸潤の深さ(ブレスロー厚)
 - 分裂速度(核分裂像)
 - 潰瘍の有無
 
これらの情報は、治療方針を決定する上で非常に重要です。
画像検査
メラノーマと診断された場合、転移の有無を調べるために以下の検査を行います。
センチネルリンパ節生検 メラノーマから最初に転移する可能性のあるリンパ節(センチネルリンパ節)を同定し、転移の有無を調べる検査です。
CT検査・MRI検査 遠隔転移の有無を調べます。
PET-CT検査 全身の転移巣を検出するための検査です。
メラノーマの治療方法
メラノーマの治療は、病期(ステージ)によって異なります。
早期メラノーマの治療(ステージ0〜II)
外科的切除 早期のメラノーマは、外科的切除が基本です。メラノーマの周囲に適切な安全域(マージン)を確保して切除します。
切除範囲の目安
- ブレスロー厚が1mm以下: 1cmのマージン
 - ブレスロー厚が1〜2mm: 1〜2cmのマージン
 - ブレスロー厚が2mm以上: 2cmのマージン
 
日本皮膚科学会の「皮膚悪性腫瘍ガイドライン」でも、適切な切除マージンの確保が推奨されています。
センチネルリンパ節生検 ブレスロー厚が1mm以上の場合、センチネルリンパ節生検を検討します。転移が見つかった場合は、リンパ節郭清を追加することがあります。
進行メラノーマの治療(ステージIII〜IV)
手術療法 可能であれば、原発巣とリンパ節転移を外科的に切除します。
薬物療法
近年、メラノーマの薬物療法は大きく進歩しています。
- 免疫チェックポイント阻害薬
- ニボルマブ(オプジーボ)
 - イピリムマブ(ヤーボイ)
 - ペムブロリズマブ(キイトルーダ)
 
 - 分子標的薬 BRAF遺伝子変異がある場合(日本人メラノーマの約30%)、分子標的薬が有効です。
- ダブラフェニブ+トラメチニブ
 - ベムラフェニブ+コビメチニブ
 
 - 化学療法 上記の治療が効かない場合や使用できない場合に検討されます。
 
放射線療法 脳転移や骨転移に対して、症状緩和のために行われることがあります。
アイシークリニック大宮院での対応
当院では、ダーモスコピーによる詳細な診察を行い、メラノーマが疑われる場合は速やかに切除・病理検査を実施します。進行したメラノーマが見つかった場合は、適切な高次医療機関へ迅速に紹介し、最適な治療が受けられるようサポートいたします。
メラノーマの予後とステージ
メラノーマの予後は、発見時の病期(ステージ)によって大きく異なります。
ステージ分類
ステージ0(上皮内メラノーマ)
- 表皮内にとどまる
 - 5年生存率: ほぼ100%
 
ステージI
- 腫瘍の厚さが2mm以下
 - リンパ節転移なし
 - 5年生存率: 90〜95%
 
ステージII
- 腫瘍の厚さが2mm以上、または潰瘍あり
 - リンパ節転移なし
 - 5年生存率: 65〜80%
 
ステージIII
- リンパ節転移あり
 - 5年生存率: 40〜70%
 
ステージIV
- 遠隔転移あり
 - 5年生存率: 10〜30%
 
このように、早期発見できれば予後は極めて良好ですが、進行すると厳しくなります。だからこそ、日頃からほくろの変化に注意し、気になることがあればすぐに受診することが重要なのです。
メラノーマの予防と早期発見
紫外線対策
紫外線はメラノーマの発生リスクを高める最も重要な環境因子です。
日常生活での紫外線対策
- 日焼け止めの使用
- SPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを使用
 - 2〜3時間ごとに塗り直す
 - 曇りの日も使用する
 
 - 防御グッズの活用
- 帽子(つばの広いもの)
 - サングラス(UV400カット)
 - 長袖の衣服
 - 日傘
 
 - 時間帯の配慮
- 午前10時〜午後2時の外出を避ける
 - この時間帯は紫外線が最も強い
 
 - 日焼けサロンは避ける
- 人工的な紫外線もメラノーマのリスクを高める
 
 
厚生労働省も、紫外線対策の重要性について啓発を行っています。
セルフチェックの方法
月に1回、自分の体をくまなくチェックする習慣をつけましょう。
セルフチェックの手順
- 準備
- 明るい部屋で行う
 - 全身が映る鏡と手鏡を用意
 - 記録用のノートや写真
 
 - 顔と頭皮
- 顔全体をチェック
 - 髪をかき分けて頭皮も確認
 - 耳の前後も忘れずに
 
 - 首と胸部
- 首の前後
 - 鎖骨周辺
 - 胸部全体
 
 - 腕と手
- 腕の内側・外側
 - 手のひら、手の甲
 - 指の間、爪
 
 - 体幹
- 手鏡を使って背中をチェック
 - 脇の下
 - 腹部、腰部
 
 - 下肢と足
- 太もも、ふくらはぎ
 - 足の裏(座って詳しく見る)
 - 足の指の間、爪
 
 - 外陰部
- 見にくい部分も手鏡を使ってチェック
 
 
記録の重要性 気になるほくろは写真を撮って記録しておくと、変化を客観的に判断できます。日付も記録しておきましょう。
定期的な皮膚科受診
以下のような方は、定期的に皮膚科専門医の診察を受けることをお勧めします。
- 50個以上のほくろがある
 - 大きなほくろ(直径5mm以上)が複数ある
 - 家族にメラノーマの既往がある
 - 過去に日焼けによる水ぶくれを繰り返した
 - 免疫抑制状態にある
 
アイシークリニック大宮院では、ほくろの定期チェックも承っております。ダーモスコピーによる詳細な観察で、わずかな変化も見逃しません。

よくある質問
はい、ほくろの数が多い人は、メラノーマの発生リスクがやや高いことが知られています。特に50個以上のほくろがある場合、定期的な皮膚科受診が推奨されます。ただし、ほくろが多いこと自体は病気ではなく、ほとんどのほくろは生涯良性のままです。重要なのは、「変化」に気づくことです。
生まれつきのほくろ(先天性色素性母斑)の多くは良性です。しかし、直径が20cm以上の巨大なものや、多数の毛が生えているものは、まれにメラノーマが発生することがあります。大きさや見た目に変化がないか、定期的にチェックすることが大切です。
Q3: 子どものほくろも注意が必要ですか?
小児のメラノーマは非常に稀ですが、ゼロではありません。特に思春期以降は注意が必要です。子どものほくろで以下のような特徴があれば、小児皮膚科の受診をお勧めします:
- 急速に大きくなる
 - 出血する
 - かゆみや痛みがある
 - 直径が6mm以上
 
Q4: ほくろを刺激するとがんになりますか?
「ほくろを刺激すると がんになる」という俗説がありますが、これは正確ではありません。良性のほくろが外的刺激だけでメラノーマに変化することは基本的にありません。ただし、慢性的な刺激を受けている部位にメラノーマが発生しやすいという傾向はあります。また、既にメラノーマが存在する場合、刺激によって出血したり、転移を促進する可能性があります。
Q5: ほくろの除去手術でメラノーマを予防できますか?
通常の良性ほくろを予防的に全て除去する必要はありません。しかし、以下のような場合は、除去を検討することがあります:
- メラノーマのリスクが高い形態のほくろ
 - 常に刺激を受ける場所にあるほくろ
 - ダーモスコピーで非典型的な所見があるほくろ
 
Q6: 足の裏のほくろは全て危険ですか?
いいえ、足の裏のほくろ全てが危険というわけではありません。多くは良性です。しかし、日本人のメラノーマは足の裏に多く発生するため、特に注意深く観察する必要があります。足の裏のほくろは、少なくとも一度は皮膚科専門医に診てもらうことをお勧めします。
Q7: メラノーマは遺伝しますか?
メラノーマの約10%は家族性(遺伝性)と考えられています。家族にメラノーマの既往がある場合、発症リスクは2〜3倍高くなります。ただし、多くのメラノーマは散発性(遺伝ではない)です。家族歴がある方は、特に注意深くセルフチェックを行い、定期的に皮膚科を受診してください。
Q8: メラノーマの初期症状はありますか?
初期のメラノーマには、痛みやかゆみなどの自覚症状がないことがほとんどです。だからこそ、見た目の変化に気づくことが重要なのです。ABCDEルールに該当する変化があれば、自覚症状がなくても受診してください。
Q9: 日焼けサロンは安全ですか?
いいえ、日焼けサロンの人工紫外線もメラノーマのリスクを高めることが多くの研究で示されています。世界保健機関(WHO)も、日焼けサロンの使用を控えるよう勧告しています。特に若年での使用は、リスクが高まります。
Q10: メラノーマと診断されたら、すぐに治療が必要ですか?
はい、メラノーマは進行が速い場合があるため、診断後は速やかに治療を開始する必要があります。ただし、初期のメラノーマであれば、適切な切除で根治が期待できます。診断後の不安や疑問については、担当医とよく相談してください。
アイシークリニック大宮院のほくろ診療
当院の特徴
経験豊富な専門医 アイシークリニック大宮院では、皮膚腫瘍の診断・治療に精通した医師が診察を担当します。多数の症例経験に基づく確かな診断力で、あなたの不安にお応えします。
最新のダーモスコピー検査 高性能なダーモスコピー機器を使用し、肉眼では見えない皮膚の微細な構造まで観察します。痛みのない検査で、わずか数分で完了します。
日帰り手術が可能 メラノーマが疑われる病変や、不安なほくろの切除は、原則として日帰り手術で対応可能です。切除した組織は必ず病理検査に提出し、確定診断を行います。
丁寧な説明とアフターケア 検査結果や治療方針について、専門用語を避けて分かりやすく説明いたします。術後のケアや定期観察についても、きめ細かくサポートします。
こんな方はぜひご相談ください
- ほくろが大きくなってきた
 - ほくろの色が変わってきた
 - ほくろから出血した
 - 新しいほくろができた
 - 足の裏のほくろが気になる
 - ほくろの定期チェックを受けたい
 - 家族にメラノーマの既往がある
 - セルフチェックで気になるほくろを見つけた
 
受診の流れ
- ご予約 お電話またはWebからご予約ください。
 - 問診 気になる症状や経過について詳しくお伺いします。
 - 視診・ダーモスコピー検査 気になる部位を詳しく観察します。必要に応じて全身のほくろもチェックします。
 - 診断・説明 検査結果について、分かりやすく説明します。
 - 治療(必要な場合) 生検や切除が必要な場合、日程を相談して実施します。
 - 病理検査結果の説明 切除した場合、約1〜2週間後に病理検査の結果をお伝えします。
 - フォローアップ 必要に応じて、定期的な経過観察を行います。
 
まとめ
メラノーマは早期発見が何よりも重要な疾患です。この記事でお伝えしたポイントをもう一度まとめます。
重要なポイント
- ABCDEルールを覚えましょう
- Asymmetry(非対称)
 - Border(境界の不明瞭さ)
 - Color(色の不均一)
 - Diameter(直径6mm以上)
 - Evolving(変化)
 
 - 月に一度のセルフチェック 全身のほくろを定期的にチェックする習慣をつけましょう。
 - 変化に気づいたらすぐ受診 「様子を見よう」と思わず、早めに皮膚科専門医を受診してください。
 - 紫外線対策を徹底 日焼け止め、帽子、長袖などで紫外線から肌を守りましょう。
 - 足の裏も忘れずに 日本人のメラノーマは足の裏に多く発生します。
 - 定期的な皮膚科受診 リスクが高い方は、定期的にプロのチェックを受けましょう。
 
メラノーマは怖い病気ですが、早期に発見すれば90%以上が治癒します。「このほくろ、大丈夫かな?」と少しでも不安に思ったら、それは受診のサインです。躊躇せずに、皮膚科専門医にご相談ください。
アイシークリニック大宮院は、あなたの皮膚の健康を守るパートナーです。ほくろに関する不安や疑問、どんな小さなことでも、お気軽にご相談ください。経験豊富な医師とスタッフが、丁寧に対応いたします。
あなたの健康と笑顔を守るため、私たちはここにいます。
参考文献
- 国立がん研究センター がん情報サービス「皮膚がん(メラノーマ)」
https://ganjoho.jp/public/cancer/melanoma/index.html - 日本皮膚科学会「皮膚悪性腫瘍診療ガイドライン メラノーマ」
https://www.dermatol.or.jp/modules/guideline/ - 厚生労働省「紫外線環境保健マニュアル」
https://www.env.go.jp/chemi/matsigaisen2020/matsigaisen2020.pdf - 日本臨床皮膚科医会「皮膚がん(ほくろのがん・メラノーマ)」
https://www.jocd.org/ - がん研究会有明病院「メラノーマ(悪性黒色腫)」
 - 日本癌治療学会「メラノーマ診療ガイドライン」
 
この記事は医療情報の提供を目的としており、特定の診断や治療を推奨するものではありません。気になる症状がある場合は、必ず医療機関を受診してください。
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
 - 2009年 東京逓信病院勤務
 - 2012年 東京警察病院勤務
 - 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
 - 2019年 当院治療責任者就任
 
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
 - 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
 - 2012年 東京逓信病院勤務
 - 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
 - 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務