マスクを長時間着用していると、口周りや頬にニキビができやすくなったと感じている方は少なくありません。マスクの内側は呼気によって高温多湿になりやすく、皮脂の分泌が増えたり、雑菌が繁殖しやすい環境が生まれたりします。さらに布や不織布が肌に触れることで摩擦も加わり、肌のバリア機能が低下してニキビの悪化につながるケースもあります。この記事では、マスクの蒸れがなぜニキビを引き起こすのかを医学的な視点からわかりやすく解説し、日常生活の中で実践できる具体的な対策をご紹介します。
目次
- マスクの蒸れとニキビの関係とは
- マスクニキビができやすい部位と特徴
- マスクの蒸れがニキビを悪化させるメカニズム
- マスクの素材と蒸れの違い
- マスクニキビを防ぐための日常的なスキンケア
- マスクの正しい選び方・使い方
- 生活習慣の見直しで内側からニキビを予防する
- 市販薬や外用薬で対処できるケース
- 皮膚科・美容クリニックへの受診を検討すべきタイミング
- まとめ
この記事のポイント
マスクの蒸れによるニキビは、皮脂過剰・バリア機能低下・アクネ菌増殖・摩擦が複合的に生じる。適切な洗顔・保湿・マスク素材の選択・生活習慣改善が有効で、改善しない場合は皮膚科・美容クリニックへの早期受診が推奨される。
🎯 マスクの蒸れとニキビの関係とは
マスクを長時間着用することによって引き起こされるニキビは、「マスクニキビ」「マスクアクネ」などと呼ばれ、近年多くの方が悩まれている肌トラブルのひとつです。特にマスクが義務化・推奨されるようになって以降、皮膚科や美容クリニックへのニキビに関する相談が増えているという報告も国内外で見られます。
マスクの蒸れがニキビに関係するのは、単に「汗をかくから」という単純な理由だけではありません。皮脂の過剰分泌、毛穴の詰まり、細菌の繁殖、肌への摩擦、そして皮膚のバリア機能の低下が複合的に絡み合って発症します。これらの要因が重なると、アクネ菌(Cutibacterium acnes)が増殖しやすい環境が整い、炎症を伴うニキビへと発展することがあります。
また、マスクを外したあとに急激に皮膚が乾燥することも問題です。蒸れた状態から急に乾燥した空気にさらされると、肌は水分を失いやすくなり、皮脂を過剰に分泌して水分の蒸発を防ごうとします。この皮脂の過剰分泌がさらにニキビを悪化させる悪循環を生み出します。
Q. マスクの蒸れがニキビを引き起こすメカニズムは?
マスク内の高温多湿環境が皮膚の角層を膨潤させ、バリア機能が低下する「浸軟」が起こります。これによりアクネ菌が繁殖しやすい無酸素状態が生まれ、過剰な皮脂がコメドを形成し、炎症性ニキビへと進展します。摩擦も加わり複合的に発症します。
📋 マスクニキビができやすい部位と特徴
マスクニキビは、マスクが直接肌に触れる部分や、蒸れが生じやすい箇所に集中して現れます。代表的な部位としては以下のような場所が挙げられます。
まず口周りです。呼気がダイレクトにかかる口や鼻の下周辺は、特に温度と湿度が高くなりやすい場所です。皮脂腺が多い部位でもあるため、毛穴が詰まりやすくニキビができやすい傾向があります。
次に顎のラインです。マスクのワイヤーやゴムが当たる顎の周辺は摩擦が生じやすく、肌が刺激を受けて炎症を起こしやすい場所です。ホルモンバランスの乱れによるニキビも顎に出やすいため、複合的な要因が重なることもあります。
頬の下部にもニキビが集中しやすいです。マスクの生地が頬に密着する部分は、蒸れと摩擦が同時に発生します。特に不織布タイプのマスクは繊維の凹凸が肌を刺激することがあります。
マスクニキビの特徴としては、赤みを帯びた炎症性のニキビが複数まとまって出来ることが多く、かゆみを伴う場合もあります。また、通常のニキビと見分けがつきにくいことも多く、接触性皮膚炎(マスクによるかぶれ)と混同されるケースもあるため注意が必要です。
💊 マスクの蒸れがニキビを悪化させるメカニズム
マスクの蒸れがなぜニキビにつながるのか、そのメカニズムをより詳しく見ていきましょう。
皮膚の表面には皮脂膜と呼ばれる薄い膜があり、外部からの刺激や乾燥から肌を守るバリア機能を果たしています。マスクを長時間着けていると、内側の湿度が上昇し、皮膚が長時間高湿状態にさらされます。すると皮膚の角層が水分を過剰に吸収して膨潤し、本来の構造が乱れてバリア機能が低下します。この状態を「浸軟(しんなん)」と呼びます。
バリア機能が低下した皮膚は、外部からの刺激に対して敏感になるだけでなく、常在菌のバランスも崩れやすくなります。皮脂をエサにして増殖するアクネ菌は、毛穴に酸素が届きにくい閉塞した環境を好みます。マスクによって皮膚表面の換気が妨げられると、毛穴内が無酸素に近い状態になり、アクネ菌の増殖が促進されます。
さらに、マスク内の温度上昇は皮脂腺を刺激し、皮脂の分泌量を増加させます。過剰な皮脂は毛穴に詰まってコメド(面皰)を形成し、そこにアクネ菌が繁殖することで炎症性のニキビへと進展します。
また、マスクの繊維が肌と擦れることによる物理的な刺激も見逃せません。摩擦は角層を傷つけ、表皮細胞の増殖を促す一方で、毛孔の入り口を塞ぐ角栓形成にもつながります。こうしたさまざまな要因が連鎖的に作用することで、マスク着用によるニキビは生じやすくなります。
Q. マスクニキビに適した素材の選び方を教えてください。
マスクニキビには、吸湿性が高く肌触りの柔らかいコットン素材や、肌刺激が少ないシルク製マスクが適しています。不織布マスクを使用する場合は、内側にコットン素材のインナーマスクやガーゼを挟む方法も有効です。素材選びとスキンケアを併用することが大切です。
🏥 マスクの素材と蒸れの違い
マスクニキビ対策を考えるうえで、マスクの素材の違いも重要なポイントです。現在市販されているマスクの主な素材には、不織布、布(コットン・ポリエステルなど)、シルクなどがあり、それぞれ通気性や吸湿性が異なります。
不織布マスクは、ウイルスや花粉などを遮断するフィルター効果が高い反面、通気性が低く蒸れやすい傾向があります。また、繊維の表面が比較的粗いため、肌が敏感な方には摩擦刺激になることがあります。一方で使い捨てが原則のため、マスク自体の清潔さは保たれやすいという利点もあります。
布マスクの場合、コットン素材は吸湿性が高く肌触りが柔らかいため、摩擦刺激を軽減しやすいです。しかし、繰り返し使用するうちに皮脂や雑菌が繊維に蓄積することがあり、洗濯を怠ると逆に肌トラブルの原因になります。ポリエステル素材は速乾性が高いですが吸湿性は低く、蒸れやすい性質を持ちます。
シルク製マスクは肌への刺激が少なく、吸湿性にも優れているとされますが、価格が高く、洗濯・管理に手間がかかるというデメリットもあります。
マスクニキビに悩む方には、肌に直接触れる内側の素材がコットンや絹素材のもの、もしくは内側にコットン素材のインナーマスクを使用する方法も選択肢のひとつです。ただし、素材の選択だけでなく、適切なスキンケアや生活習慣の改善も同時に行うことが大切です。
⚠️ マスクニキビを防ぐための日常的なスキンケア
マスクニキビを予防・改善するためには、日常的なスキンケアの見直しが欠かせません。以下のポイントを意識してみましょう。
🦠 洗顔の方法を見直す
皮脂汚れや古い角質をしっかり落とすことはニキビ予防の基本ですが、洗いすぎは逆効果です。過度な洗顔は皮脂を必要以上に取り除き、肌の乾燥を招いて皮脂の過剰分泌を引き起こします。洗顔は1日2回を目安とし、洗顔料をよく泡立ててから優しく洗い、ぬるま湯でしっかりすすぎましょう。
また、帰宅後や長時間のマスク着用後には、できるだけ早めに洗顔を行い、皮膚の清潔を保つことが重要です。洗顔後はタオルで優しく押さえるように水気を取り、こすらないように注意してください。
👴 保湿ケアを怠らない
マスクの蒸れによる肌への影響を軽減するには、しっかりとした保湿ケアが重要です。バリア機能が整った肌は外部刺激に強く、ニキビができにくい状態を維持できます。
保湿には、ヒアルロン酸、セラミド、グリセリンなどの成分が含まれた化粧水や乳液を使用するのがおすすめです。ただし、油分が多すぎるクリームや、香料・アルコールが多く含まれた化粧品は毛穴を詰まらせたり肌を刺激したりする可能性があるため、ニキビが気になる方はノンコメドジェニックテスト済みの製品を選ぶと安心です。
マスクを着用する前には、保湿ケアをしっかり行いつつ、過剰なファンデーションやコンシーラーの使用は控えることも大切です。毛穴をふさぐ可能性があるため、マスク着用時はなるべくメイクを薄くする、またはマスクで隠れる部分はノーメイクにするという選択肢も有効です。
🔸 マスクを着ける前の肌ケア
マスクを着用する前に、スキンケアの油分が肌に十分なじんでいることを確認してください。化粧水や乳液を塗ってすぐにマスクを着けると、油分がマスクの繊維に吸われて効果が低下したり、毛穴を塞ぐ原因になったりすることがあります。スキンケア後は少し時間を置いてからマスクを着用するのが理想的です。
💧 マスクを外したときのケア
マスクを外した際、高温多湿だった肌が急激に乾燥した環境にさらされます。このタイミングで保湿ケアを補うことが効果的です。外出先でも、保湿ミストや化粧水シートなどを活用して肌の水分を補うとよいでしょう。また、マスクを外す際には肌をこすらないよう、丁寧に取り外すことも心がけてください。
Q. マスクニキビを防ぐ生活習慣のポイントは何ですか?
糖質・脂質の過剰摂取を控え、ビタミンA・B群・C・亜鉛を含む食事を心がけることが有効です。また、成長ホルモンが活発に分泌される夜10時〜深夜2時に眠れるよう生活リズムを整え、ストレス管理や適度な運動も皮脂分泌を抑制し、ニキビ予防に役立ちます。
🔍 マスクの正しい選び方・使い方
マスク自体の選び方や使い方を見直すことも、ニキビ対策において非常に有効です。
✨ サイズの合ったマスクを選ぶ
顔のサイズに合っていないマスクは、余分な摩擦を生む原因になります。大きすぎると動くたびに生地が肌と擦れ、小さすぎると密着しすぎて蒸れが増します。自分の顔のサイズに合ったマスクを選ぶことで、不必要な摩擦や蒸れを軽減できます。
📌 使い捨てマスクは毎日取り換える
使い捨てタイプの不織布マスクは、1日1枚を原則として使い捨てにしてください。同じマスクを何日も使い回すと、皮脂・汗・雑菌が繊維に蓄積し、それが肌に再び触れることでニキビを悪化させる可能性があります。
▶️ 布マスクはこまめに洗濯する
布マスクを使用している場合は、毎日洗濯を行い清潔な状態を保ちましょう。洗濯に使用する洗剤は、香料や添加物が少ない無添加タイプが肌に優しく、敏感肌の方に向いています。また、柔軟剤は肌に残留成分が付着する可能性があるため、ニキビが気になる方は使用を控えるのが無難です。
🔹 インナーマスクやガーゼを活用する
不織布マスクの内側にコットン素材のインナーマスクやガーゼを挟んで使用することで、直接肌に触れる素材を柔らかいものにできます。摩擦を軽減しつつ、汗や皮脂を吸収する効果も期待できます。ただし、二重にすることで蒸れが増す可能性もあるため、通気性を意識した工夫が必要です。
📍 可能な範囲でマスクを外す時間を作る
周囲の状況に配慮しながら、可能な場面ではマスクを一時的に外して皮膚を呼吸させる時間を設けることも有効です。屋外で人が少ない場所や、換気の良い環境での休憩時間などに意識的にマスクを外すことで、皮膚の蒸れを軽減できます。
📝 生活習慣の見直しで内側からニキビを予防する
ニキビは外からのケアだけでなく、体の内側からのアプローチも重要です。生活習慣を見直すことで、ホルモンバランスが整い、皮脂分泌が落ち着いてニキビができにくい体質に近づくことができます。
💫 食生活の改善
糖質や脂質が多い食事は皮脂分泌を増加させ、ニキビを悪化させる可能性があります。揚げ物、スナック菓子、チョコレートや甘い飲み物などを過剰に摂取している場合は、摂取量を控えることを意識してみましょう。
一方、ビタミンA(皮膚の新陳代謝を促進)、ビタミンB2・B6(皮脂分泌の調整)、ビタミンC(抗酸化・コラーゲン生成)、亜鉛(皮膚再生・抗炎症)などの栄養素はニキビ予防に有用とされています。これらを含む緑黄色野菜、豆類、魚介類、ナッツ類などをバランス良く取り入れた食事を心がけましょう。
また、腸内環境の乱れも肌荒れやニキビに影響するとされています。食物繊維や発酵食品を積極的に摂ることで腸内フローラを整え、肌の状態を改善することが期待できます。
🦠 十分な睡眠を確保する
睡眠不足はホルモンバランスを乱し、皮脂分泌の増加や肌のターンオーバーの乱れを招きます。特に夜10時から深夜2時の間は「肌のゴールデンタイム」とも呼ばれ、成長ホルモンが活発に分泌されて細胞の修復が行われます。この時間帯に眠れるよう生活リズムを整えることが、ニキビ予防に効果的です。
成人に必要な睡眠時間の目安は7〜9時間とされています。睡眠の質を高めるために、就寝前のスマートフォンやパソコンの使用を控え、入浴などでリラックスする習慣をつけることもおすすめです。
👴 ストレスを適切に管理する
ストレスは副腎皮質からコルチゾールと呼ばれるホルモンの分泌を増加させ、皮脂腺を刺激して皮脂分泌を促進します。これがニキビの悪化につながることが知られています。日常的に適度な運動を取り入れる、趣味の時間を確保する、深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法を実践するなど、自分に合ったストレス解消法を見つけることが大切です。
🔸 適度な運動と水分補給
適度な運動は血行を促進し、ホルモンバランスを整える効果があります。ただし、運動後は汗が皮膚に残ったままにならないよう、速やかに洗顔・シャワーで汗を流すことが大切です。汗にはアンモニアや塩分などの成分が含まれており、長時間皮膚に残ると刺激となってニキビを悪化させることがあります。
また、水分を十分に摂ることで肌の内側から潤いを保ち、ターンオーバーを促す効果が期待できます。1日に1.5〜2リットル程度の水分補給を意識しましょう。
Q. マスクニキビで皮膚科や美容クリニックを受診する目安は?
セルフケアや市販薬を続けても2〜3週間以上改善しない場合、膿を持つ重度の炎症がある場合、ニキビ痕の赤みやクレーターが気になる場合は受診の目安です。アイシークリニックでは、外用薬の処方やケミカルピーリング・レーザー治療など、症状に応じた専門的なケアを提供しています。
💡 市販薬や外用薬で対処できるケース
軽度のマスクニキビであれば、市販薬や薬局で手に入る外用薬を使ってセルフケアで対処できる場合があります。ニキビ治療に用いられる成分としては以下のものがあります。
💧 イブプロフェンピコノール・イソプロピルメチルフェノール含有製剤
国内で市販されているニキビ治療薬の多くには、炎症を抑えるイブプロフェンピコノールや、殺菌作用のあるイソプロピルメチルフェノールが含まれています。炎症性ニキビの赤みや腫れを抑えるために使用されます。ただし、広い範囲に使用するのではなく、ニキビの部位にピンポイントで使用するのが基本です。
✨ レゾルシン・硫黄配合製剤

レゾルシンや硫黄は、古くからニキビ治療に用いられてきた成分です。皮脂の分泌を抑制し、角質を柔らかくすることでコメドの改善を助けます。
📌 過酸化ベンゾイル
近年、日本でも市販薬として入手できるようになった過酸化ベンゾイルは、強力な殺菌作用でアクネ菌を直接死滅させる効果があります。コメドの改善にも効果的とされており、海外では長年ニキビ治療の標準的な薬として使用されてきました。使用初期に乾燥や発赤が生じることがあるため、低濃度から試すことが推奨されます。
▶️ ニキビパッチ(ハイドロコロイドパッチ)
炎症を起こしたニキビに貼ることで、患部の保護と滲出液の吸収、さらに湿潤環境を保つことで治癒を促進するハイドロコロイドパッチも人気があります。マスクで覆われる部分のニキビに使用すれば、マスクとの摩擦から患部を保護する効果も期待できます。
ただし、いずれの市販薬も使用前には必ず説明書を確認し、用法・用量を守って使用してください。症状が改善しない場合や悪化した場合は、自己判断での対処を続けずに医療機関を受診することをおすすめします。
✨ 皮膚科・美容クリニックへの受診を検討すべきタイミング
セルフケアや市販薬での対処に限界を感じたとき、あるいは以下のような状況にあるときは、皮膚科や美容クリニックへの受診を検討しましょう。
🔹 ニキビが長期間改善しない場合
セルフケアを続けても2〜3週間以上改善が見られない場合や、新しいニキビが次々と出てくる場合は、専門家による診断と適切な治療が必要なサインです。自己流のケアを続けることで悪化したり、ニキビ痕が残るリスクが高まったりすることもあります。
📍 炎症が強くニキビが膿んでいる場合
皮膚の深いところまで炎症が及んだ「嚢腫(のうしゅ)」や「硬結(こうけつ)」と呼ばれる重度のニキビは、市販薬ではコントロールが難しいことが多く、跡が残りやすい状態です。このような場合は早めに医療機関を受診し、適切な内服薬や外用薬、場合によっては局所注射などの処置を受けることが推奨されます。
💫 ニキビ痕が気になる場合
ニキビが治ったあとに赤みや色素沈着、クレーター状の瘢痕(はんこん)が残っている場合は、美容皮膚科・美容クリニックでの治療が有効です。ケミカルピーリング、レーザー治療、フォトフェイシャル(IPL)などの専門的な施術によって、ニキビ痕を改善することが期待できます。
🦠 皮膚科での治療薬について
皮膚科では、ニキビの状態に応じてさまざまな治療薬が処方されます。外用薬としては、過酸化ベンゾイル製剤、アダパレン(レチノイド系)、クリンダマイシン(抗菌薬)、またはこれらの配合薬が用いられることが多いです。重症例では内服の抗菌薬が処方されることもあります。
また、ホルモンバランスの乱れが原因のニキビに対しては、婦人科との連携でホルモン療法が検討される場合もあります。
大切なのは、症状の程度や原因に合わせた適切な治療を受けることです。自己判断での長期的なセルフケアはニキビ痕を残すリスクを高める場合があるため、気になる方はお早めに専門家に相談することをおすすめします。
👴 美容クリニックでのケアの選択肢
美容クリニックでは、ニキビの予防・改善から痕のケアまで、より美容的な観点からトータルでアプローチすることが可能です。代表的な施術としては以下のものがあります。
ケミカルピーリングは、グリコール酸やサリチル酸などの薬剤を使用して古い角質を溶かし、毛穴の詰まりを解消するとともに肌のターンオーバーを促進する施術です。マスクニキビの原因のひとつである毛穴の詰まりを改善する効果が期待できます。
レーザー治療は、ニキビの炎症を抑えたり、皮脂腺の過活動を抑制したりするために活用されます。また、ニキビ痕のクレーターや色素沈着の改善にもレーザーが用いられることがあります。
光治療(IPL・フォトフェイシャル)は、特定の波長の光を照射することで炎症を起こした皮膚を改善し、赤みや色素沈着を薄くする効果が期待できます。ニキビが落ち着いてきた段階での痕ケアとして活用されることが多い施術です。
いずれの施術も、肌の状態や目的によって適切な方法が異なります。施術前に必ずカウンセリングを受け、自分の肌に合った治療法を医師と相談のうえ選択してください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、マスク着用が日常化して以降、口周りや顎のラインにニキビができたとご相談にいらっしゃる患者様が明らかに増えており、蒸れ・摩擦・バリア機能低下が複合的に絡み合うマスクニキビの特性をふまえた丁寧な診察を心がけております。セルフケアや市販薬で改善が思わしくない場合でも、適切な外用薬の処方や専門的なスキンケア指導によって症状が落ち着くケースは多くありますので、「このくらいで受診してもよいのか」と迷われている方もどうぞお気軽にご相談ください。ニキビ痕を残さないためにも、早めのアプローチがとても大切です。」
📌 よくある質問
マスクニキビは、呼気が直接かかる口周りや鼻の下、マスクのワイヤーやゴムが当たる顎のライン、マスク生地が密着する頬の下部に集中して現れやすいです。これらの部位は蒸れ・摩擦・皮脂分泌が重なりやすく、炎症性のニキビが複数まとまって出来ることが多い傾向があります。
肌への刺激が少ないコットン素材や、吸湿性に優れたシルク製のマスクが向いています。不織布マスクを使用する場合は、内側にコットン素材のインナーマスクやガーゼを挟む方法も効果的です。ただし、素材の選択だけでなく、適切なスキンケアや生活習慣の改善と組み合わせることが大切です。
洗顔は1日2回を目安に泡立てた洗顔料で優しく行い、洗いすぎに注意することが基本です。洗顔後はセラミドやヒアルロン酸を含む化粧水・乳液でしっかり保湿し、バリア機能を整えましょう。マスク着用前はスキンケアをなじませてから装着し、外した後は保湿ミストなどで水分補給を補うことも効果的です。
軽度のマスクニキビであれば、炎症を抑えるイブプロフェンピコノール配合薬や、殺菌作用のある過酸化ベンゾイル配合薬、患部を保護するハイドロコロイドパッチなどの市販薬で対処できる場合があります。ただし、2〜3週間使用しても改善しない場合や症状が悪化した場合は、自己判断を続けず医療機関への受診をおすすめします。
セルフケアや市販薬を続けても2〜3週間以上改善が見られない場合、新しいニキビが次々と出てくる場合、膿を持つ重度の炎症がある場合は受診の目安です。また、ニキビ痕の赤みやクレーターが気になる場合は美容クリニックでのケミカルピーリングやレーザー治療も選択肢になります。当院では、マスクニキビのご相談を専門スタッフが承っております。
🎯 まとめ
マスクの蒸れによるニキビは、皮脂の過剰分泌、バリア機能の低下、アクネ菌の増殖、摩擦刺激など複数の要因が重なって起こります。そのため、対策も一点集中ではなく、スキンケア・マスクの選び方・生活習慣の改善を組み合わせて総合的に取り組むことが大切です。
日々のスキンケアでは、優しい洗顔と十分な保湿を基本として、マスク着用前後のケアを丁寧に行うことが重要です。マスク自体は自分の顔のサイズに合ったもの、肌に優しい素材のものを選び、清潔な状態を保つことを習慣にしましょう。食事・睡眠・ストレス管理など生活習慣の見直しも、ニキビができにくい体質づくりに大きく貢献します。
それでも改善が見られない場合や、ニキビが重症化している場合は、迷わず皮膚科や美容クリニックを受診してください。専門的な診断と治療を受けることで、ニキビ痕を残さず効果的に改善できる可能性が高まります。アイシークリニック大宮院では、マスクニキビをはじめとした肌トラブルについて専門スタッフがご相談を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ニキビ(尋常性痤瘡)の診療ガイドラインに基づく、アクネ菌の増殖メカニズム・炎症性ニキビの分類・外用薬(過酸化ベンゾイル・アダパレン・抗菌薬)の治療指針に関する医学的根拠
- 厚生労働省 – 皮膚の健康管理およびセルフケアに関する公式情報、マスク着用に関連する皮膚トラブルへの対処方針、市販薬の適正使用に関するガイダンス
- PubMed – マスク着用による皮膚バリア機能低下・浸軟(maceration)・皮脂分泌増加・Cutibacterium acnesの増殖メカニズムに関する国際的な査読済み臨床研究論文群
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務