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ヘルペスとは?原因・症状・種類・治療法・予防まで徹底解説

唇の周りに小さな水ぶくれができて、チクチクとした痛みを感じたことはありませんか。疲れがたまったときや風邪をひいたときに、決まって同じような症状が出るという方も多いのではないでしょうか。これらの症状は「ヘルペス」と呼ばれるウイルス感染症である可能性があります。

ヘルペスは、非常に感染力が強く、日本人の成人の多くが感染しているとされる身近な病気です。一度感染すると、ウイルスが体内に潜伏し続け、免疫力が低下したときに繰り返し症状が現れるという特徴があります。しかし、適切な治療と予防法を知っておくことで、症状を抑え、日常生活への影響を最小限にすることができます。

本記事では、ヘルペスの基本的な知識から、原因となるウイルスの種類、代表的な症状、検査・診断方法、治療法、そして再発予防のポイントまで、幅広く解説していきます。ヘルペスに悩んでいる方や、予防法を知りたい方にとって、少しでもお役に立てれば幸いです。


目次

  1. ヘルペスとは何か
  2. ヘルペスウイルスの種類と特徴
  3. 単純ヘルペスウイルス感染症について
  4. 口唇ヘルペスの症状と経過
  5. 性器ヘルペスの症状と経過
  6. 帯状疱疹について
  7. その他のヘルペスウイルス感染症
  8. ヘルペスの感染経路と感染しやすい状況
  9. ヘルペスの検査と診断
  10. ヘルペスの治療法
  11. 再発を防ぐための日常生活のポイント
  12. ワクチンによる予防
  13. ヘルペスと合併症・重症化のリスク
  14. 妊娠・出産とヘルペス
  15. よくある質問と回答
  16. まとめ

1. ヘルペスとは何か

「ヘルペス」という言葉は、ギリシャ語で「這う」を意味する「herpein」に由来しています。これは、ヘルペスによる皮膚病変が、あたかも這うように広がっていく様子を表しています。

ヘルペスとは、小さな水ぶくれが集まってできる皮膚疾患の総称であり、一般的にはヘルペスウイルスによる感染症のことを指します。ヘルペスウイルスは非常に感染力が強く、皮膚や粘膜のどこにでも感染する可能性があります。

ヘルペスの大きな特徴は、一度感染するとウイルスが神経節の中に潜伏し、生涯にわたって体内に存在し続けることです。普段は免疫によってウイルスの活動が抑えられていますが、疲労やストレス、病気などで免疫力が低下すると、ウイルスが再び活性化して症状が現れます。この現象を「再発」または「再活性化」と呼びます。

症状が現れる部位や現れ方によって、「口唇ヘルペス」「性器ヘルペス」「帯状疱疹」などと呼び分けられています。これらは原因となるウイルスの種類が異なる場合もあれば、同じウイルスが異なる部位に感染した結果である場合もあります。

世界保健機関(WHO)の推計によると、50歳未満の人口の約67%(およそ37億人)が単純ヘルペスウイルス1型に感染しているとされており、ヘルペスは世界中で非常にありふれた感染症であることがわかります。


2. ヘルペスウイルスの種類と特徴

人に感染するヘルペスウイルスは、現在8種類が確認されています。これらはヘルペスウイルス科に属するDNA型ウイルスで、外側にエンベロープ(脂質二重膜)を持っています。ヘルペスウイルスはα(アルファ)、β(ベータ)、γ(ガンマ)の3つの亜科に分類されます。

以下に、8種類のヒトヘルペスウイルスとその特徴をまとめます。

単純ヘルペスウイルス1型(HSV-1、HHV-1)

αヘルペスウイルス亜科に属し、主に口唇ヘルペスやヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性角膜炎などの原因となります。唾液を介した飛沫感染や接触感染によって広がり、顔面の三叉神経節に潜伏感染します。

単純ヘルペスウイルス2型(HSV-2、HHV-2)

同じくαヘルペスウイルス亜科に属し、主に性器ヘルペスの原因となります。性的接触によって感染し、仙骨神経節に潜伏感染します。ただし、最近ではオーラルセックスの普及により、HSV-1が性器に、HSV-2が口唇に感染するケースも増えています。

水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV、HHV-3)

αヘルペスウイルス亜科に属し、初感染時には水痘(水ぼうそう)を引き起こします。治癒後も神経節に潜伏し、加齢や免疫低下によって再活性化すると帯状疱疹として発症します。

エプスタイン・バールウイルス(EBV、HHV-4)

γヘルペスウイルス亜科に属し、伝染性単核症(キス病)の原因となります。小児期の初感染はほとんど不顕性感染に終わりますが、思春期以降の初感染では発熱、咽頭痛、リンパ節腫脹などの症状が現れることがあります。バーキットリンパ腫など一部のがんとの関連も指摘されています。

サイトメガロウイルス(CMV、HHV-5)

βヘルペスウイルス亜科に属し、通常は不顕性感染に終わります。しかし、免疫不全者や臓器移植患者では重度の日和見感染を引き起こすことがあります。また、妊婦が初感染した場合、胎児に先天性感染を起こす可能性があります。

ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)

βヘルペスウイルス亜科に属し、乳幼児の突発性発疹(三日熱)の原因として知られています。ほとんどの人が2歳までに初感染を経験し、成人の90%以上がこのウイルスを保有しています。

ヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)

同じくβヘルペスウイルス亜科に属し、HHV-6と同様に突発性発疹と関連しています。ただし、その病原性についてはまだ完全には解明されていません。

ヒトヘルペスウイルス8型(HHV-8)

γヘルペスウイルス亜科に属し、カポジ肉腫関連ヘルペスウイルス(KSHV)とも呼ばれます。エイズ患者などの免疫機能が低下している人に、カポジ肉腫やいくつかの種類のリンパ腫を引き起こすことがあります。

これら8種類のヘルペスウイルスに共通する大きな特徴は、初感染後に宿主細胞内に潜伏感染し、その後再活性化する可能性があることです。この潜伏感染という性質が、ヘルペスウイルス感染症を完全に治癒させることを難しくしている要因となっています。


3. 単純ヘルペスウイルス感染症について

単純ヘルペスウイルス(HSV)による感染症は、日常診療において最もよく遭遇するヘルペスウイルス感染症の一つです。HSVには1型と2型があり、いずれも皮膚や粘膜に水疱性病変を形成する特徴があります。

単純ヘルペスウイルスの基本的な性質

HSVは外径120~130nmの球状ウイルスで、外側から順にエンベロープ、テグメント、カプシド、コアという基本構造を持っています。約15万塩基対の二本鎖DNAを有し、約80種類のタンパク質をコードしています。

感染経路としては、病変部との直接接触が主ですが、唾液や性器分泌物を介した感染も起こります。重要なのは、症状がない状態でもウイルスが排出されている場合があり、その場合でも他者への感染が起こりうるという点です。

初感染と再発の違い

HSV感染症の臨床像は、初感染時と再発時で大きく異なります。

初感染時は、それまでHSVに対する免疫を持っていない状態で感染するため、症状が強く現れやすい傾向があります。高熱、全身倦怠感、リンパ節の腫れなどの全身症状を伴うことも珍しくありません。口腔内や性器に多数の潰瘍ができ、強い痛みを伴うことがあります。

一方、再発時は、すでにある程度の免疫を獲得しているため、初感染時に比べて症状は軽いことが多いです。通常は局所的な水疱やびらんにとどまり、全身症状を伴うことは少ないです。しかし、繰り返し再発することで、精神的な負担や日常生活への影響が問題となることがあります。

潜伏感染のメカニズム

HSVの大きな特徴は、初感染後に神経節の細胞内にDNAとして潜伏感染することです。HSV-1は主に顔面の三叉神経節に、HSV-2は主に仙骨神経節に潜伏します。

潜伏期間中、ウイルスは増殖せず、細胞性免疫によって活動が抑えられています。しかし、さまざまな誘因によって免疫能が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化し、神経を伝って皮膚表面まで移動し、再び水疱性病変を形成します。

再活性化の誘因としては、以下のようなものが知られています。

  • 疲労や睡眠不足
  • ストレス
  • 発熱を伴う感染症(風邪など)
  • 紫外線への過度の曝露
  • 月経
  • 外傷
  • 歯科治療
  • 免疫抑制状態(HIV感染、臓器移植後など)

4. 口唇ヘルペスの症状と経過

口唇ヘルペスは、単純ヘルペスウイルス感染症の中で最も患者数が多い病型です。主にHSV-1によって引き起こされ、唇や口の周りに水ぶくれができるのが特徴です。「熱の華(ねつのはな)」「熱性疱疹」とも呼ばれます。

初感染時の症状(ヘルペス性歯肉口内炎)

HSV-1の初感染は、多くの場合幼児期に起こります。初感染時に症状が現れる場合、ヘルペス性歯肉口内炎という形で発症することが多いです。

ヘルペス性歯肉口内炎では、以下のような症状が現れます。

  • 口腔内や歯ぐきに多数の痛みを伴う潰瘍ができる
  • 歯ぐきが赤く腫れ、出血しやすくなる
  • 38~40℃の高熱が出る
  • 全身倦怠感、頭痛
  • 顎の下のリンパ節が腫れる
  • 食べたり飲んだりすることが困難になる

これらの症状は10~14日程度で自然に治癒しますが、症状が強い場合は脱水状態になることもあるため、注意が必要です。ただし、初感染時に症状が出ないこと(不顕性感染)も多く、知らないうちに感染していることも少なくありません。

再発時の症状

口唇ヘルペスの再発は、多くの場合以下のような経過をたどります。

まず、再発する部位に前駆症状が現れます。チクチク、ピリピリ、ムズムズといった違和感や軽い痛み、かゆみを感じることが多いです。この前駆期は数時間から1日程度続きます。

その後、唇の縁や口の周りに赤みが現れ、小さな水ぶくれ(水疱)が集まって出現します。水疱は1~2日でピークに達し、その後破れてただれ(びらん)となります。

びらんは徐々にかさぶた(痂皮)となり、1~2週間程度で治癒します。通常、痕を残さずに治りますが、繰り返し再発するとわずかに色素沈着が残ることもあります。

再発の頻度には個人差がありますが、口唇ヘルペスの場合、平均して年に2回程度とされています。

口唇ヘルペスの注意点

口唇ヘルペスで注意すべき点をいくつか挙げます。

水疱の中には大量のウイルスが含まれているため、症状が出ている間は特に感染力が強くなります。患部を触った手で他の部位を触ると、そこにも感染が広がる可能性があります。

また、水疱が出ている時期に赤ちゃんや幼児、免疫力が低下している人との接触は避けるべきです。アトピー性皮膚炎など皮膚のバリア機能が低下している人では、HSVが広範囲に感染してカポジ水痘様発疹症という重症型を引き起こすことがあります。

食器やタオルの共用も、症状が出ている間は避けるようにしましょう。


5. 性器ヘルペスの症状と経過

性器ヘルペスは、性行為によって感染する性感染症の一つで、性器やその周辺に痛みを伴う水疱や潰瘍ができる病気です。主にHSV-2によって引き起こされますが、近年はオーラルセックスの普及により、HSV-1による性器ヘルペスも増加しています。

初感染時の症状

性器ヘルペスの初感染時は、口唇ヘルペスと同様に症状が強く現れやすいです。感染から2~10日程度の潜伏期間を経て発症します。

主な症状は以下の通りです。

  • 性器や肛門周囲に多数の小さな水疱が出現する
  • 水疱が破れてただれ(びらん)や潰瘍となる
  • 強い痛みやかゆみを伴う
  • 排尿時に痛みを感じる(特に女性)
  • 足の付け根(鼠径部)のリンパ節が腫れる
  • 発熱や全身倦怠感

女性では外陰部や腟、子宮頸部に、男性では亀頭や陰茎、陰嚢に病変が生じます。また、肛門周囲や臀部、太ももにも症状が現れることがあります。

初感染時の症状は2~4週間程度で治まりますが、症状が非常に強い場合は入院治療が必要になることもあります。

再発時の症状

性器ヘルペスは再発しやすい特徴があり、特にHSV-2による感染では再発頻度が高いとされています。データによると、女性で平均年7回、男性で平均年12回という報告もあります。

再発時は初感染時に比べて症状は軽いことが多く、水疱やびらんの数も少ない傾向があります。前駆症状としてピリピリ感やかゆみを感じることが多く、この段階で抗ウイルス薬を服用すると症状を軽減できることがあります。

再発時の症状は通常5~10日程度で治まります。

性器ヘルペスの心理的影響

性器ヘルペスは身体的な症状だけでなく、心理的な影響も大きい病気です。再発を繰り返すことによる精神的なストレス、パートナーへの感染の不安、性生活への影響などから、抑うつ状態になる方もいらっしゃいます。

しかし、適切な治療を受け、再発予防の方法を知ることで、多くの方がうまく付き合っていけるようになります。一人で悩まず、医療機関で相談することが大切です。

無症候性排泄

性器ヘルペスで重要なのは、症状がなくてもウイルスが排出されていることがあるという点です。これを「無症候性排泄」と呼びます。実際、性器ヘルペスの感染の多くは、相手に症状がない時期に起こっているとされています。

そのため、コンドームの使用は感染リスクを減らすのに役立ちますが、コンドームでカバーされない部位からの感染もあり得るため、完全に防ぐことは難しいです。


6. 帯状疱疹について

帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)の再活性化によって起こる感染症です。単純ヘルペスとは異なるウイルスが原因ですが、同じヘルペスウイルス科に属し、再活性化という共通の特徴を持っています。

帯状疱疹の発症メカニズム

帯状疱疹を理解するには、まず水痘(水ぼうそう)との関係を知る必要があります。

水痘・帯状疱疹ウイルスに初めて感染すると、水痘(水ぼうそう)として発症します。水痘は主に小児期にかかることが多く、全身に水疱を伴う発疹が出現する病気です。

水痘が治癒した後も、ウイルスは消滅せず、脊髄に近い神経節(後根神経節)に潜伏感染します。そして、加齢や疲労、ストレス、免疫抑制などによって免疫力が低下すると、潜伏していたウイルスが再活性化し、神経を伝って皮膚に到達し、帯状疱疹として発症します。

日本人の成人の90%以上が水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体を持っているとされ、つまりほとんどの人が帯状疱疹を発症するリスクを持っていることになります。

帯状疱疹の症状と経過

帯状疱疹の典型的な症状は以下のような経過をたどります。

まず、発疹が出る2~3日前から、体の片側にピリピリした痛みや違和感、かゆみが現れます。この時点では原因がわからず、筋肉痛や神経痛と間違えられることもあります。

その後、痛みのある部位に赤い発疹(紅斑)が現れ、その上に小さな水疱が多数出現します。水疱は神経の走行に沿って帯状に並ぶのが特徴で、これが「帯状疱疹」という名前の由来です。

帯状疱疹の発疹は、必ず体の左右どちらか一方だけに出るのが特徴です。体の正中線を越えて両側に出ることは通常ありません。好発部位は胸部や腹部ですが、顔面や頭部、腕、脚にも生じることがあります。

水疱は約1週間でピークに達し、その後徐々にかさぶたになります。通常、発症から2~4週間で皮膚症状は治まります。

帯状疱疹の痛み

帯状疱疹の大きな特徴は、強い痛みを伴うことです。痛みの程度は人によって異なりますが、「刺すような痛み」「焼けるような痛み」「電気が走るような痛み」などと表現されることが多いです。

痛みは皮膚症状が出る前から始まり、発疹が治った後も続くことがあります。特に高齢者や帯状疱疹が重症だった方では、皮膚症状が治った後も数か月から数年にわたって痛みが続くことがあり、これを「帯状疱疹後神経痛(PHN)」と呼びます。

帯状疱疹後神経痛は、日常生活に大きな支障をきたすこともあり、帯状疱疹の最も深刻な合併症の一つとされています。

帯状疱疹の合併症

帯状疱疹には、帯状疱疹後神経痛以外にもいくつかの合併症があります。

帯状疱疹が顔面に生じた場合、目や耳に影響を及ぼすことがあります。目の周囲に帯状疱疹が生じた場合(眼部帯状疱疹)、角膜炎や虹彩炎を起こし、適切な治療を行わないと視力低下や失明につながる可能性があります。

耳の周囲に生じた場合(耳帯状疱疹、ラムゼイ・ハント症候群)、顔面神経麻痺、難聴、めまい、耳鳴りなどの症状が現れることがあります。

これらの合併症を防ぐためにも、帯状疱疹の症状に気づいたらできるだけ早く医療機関を受診することが重要です。

帯状疱疹の再発

単純ヘルペスが繰り返し再発しやすいのに対し、帯状疱疹は通常、生涯に一度しか発症しません。これは、帯状疱疹を発症すると水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫が強化されるためです。

ただし、再発する人も6%未満いるとされており、特に高齢者や免疫力が著しく低下している方では再発のリスクがあります。


7. その他のヘルペスウイルス感染症

8種類のヒトヘルペスウイルスのうち、単純ヘルペスウイルスと水痘・帯状疱疹ウイルス以外にも、さまざまな疾患を引き起こすウイルスがあります。

突発性発疹(三日熱)

突発性発疹は、主にヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)によって引き起こされる乳幼児の感染症です。生後6か月から2歳頃までの乳幼児に多く見られます。

症状としては、まず38~40℃の高熱が3~4日続き、解熱とともに全身に淡いピンク色の発疹が現れます。発疹は2~3日で自然に消失し、通常は後遺症なく治癒します。

ほとんどの人が2歳までにHHV-6に感染するため、成人のほぼ全員がこのウイルスを保有しています。

伝染性単核症

伝染性単核症は、エプスタイン・バールウイルス(EBV)によって引き起こされる感染症です。「キス病」とも呼ばれ、唾液を介して感染します。

小児期に感染した場合は無症状のことが多いですが、思春期以降に初感染した場合は、発熱、咽頭痛、頸部リンパ節の腫れ、肝脾腫などの症状が現れることがあります。

通常は1~3週間で自然に治癒しますが、まれに肝機能障害や脾臓破裂などの合併症を起こすことがあります。

サイトメガロウイルス感染症

サイトメガロウイルス(CMV)による感染症は、健康な成人では通常無症状です。しかし、臓器移植後の患者やHIV感染者など、免疫機能が低下している人では、間質性肺炎、網膜炎、消化管潰瘍など重度の日和見感染を引き起こすことがあります。

また、妊婦が妊娠中に初めてCMVに感染した場合、胎児に先天性感染を起こし、難聴や発達障害などの後遺症を残す可能性があります。


8. ヘルペスの感染経路と感染しやすい状況

ヘルペスウイルスの感染経路を理解することは、予防において非常に重要です。

主な感染経路

ヘルペスウイルスは、主に以下の経路で感染します。

接触感染は最も一般的な感染経路です。水疱や潰瘍などの病変部に直接触れることで感染します。また、病変部に触れた手で他の部位を触ることで、自分自身の体の別の場所に感染を広げてしまうこともあります。

飛沫感染は、咳やくしゃみによって飛散した唾液に含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。特に水痘(水ぼうそう)は空気感染も起こすため、感染力が非常に強いです。

性行為感染は、性器ヘルペスの主な感染経路です。性器同士の接触だけでなく、オーラルセックスによっても感染します。

母子感染は、出産時に母親の産道でウイルスに接触することで起こります(産道感染)。まれに、妊娠中に胎盤を通じて感染することもあります。

無症状でも感染する可能性

重要なのは、ヘルペスウイルスは症状がなくても唾液や性器分泌物中に排出されていることがあり、その場合でも感染が起こりうるという点です。この「無症候性排泄」が、ヘルペスウイルスの感染拡大に大きく寄与しています。

感染しやすい状況

ヘルペスウイルスに感染しやすい状況としては、以下のようなものがあります。

  • 皮膚や粘膜に傷や湿疹がある場合
  • 免疫力が低下している場合
  • 乳幼児や高齢者
  • アトピー性皮膚炎の患者

特にアトピー性皮膚炎の患者では、皮膚のバリア機能が低下しているため、HSVに感染するとカポジ水痘様発疹症という重症型を引き起こすリスクがあります。


9. ヘルペスの検査と診断

ヘルペスの診断は、多くの場合、症状の観察(視診)によって行われます。特徴的な水疱や潰瘍の所見から、経験豊富な医師であれば比較的容易に診断できることが多いです。

視診による診断

口唇ヘルペスや性器ヘルペスでは、唇や性器周囲に集まって出現する小さな水疱が特徴的です。帯状疱疹では、体の片側に帯状に並ぶ水疱と、それに伴う痛みが診断の手がかりとなります。

しかし、症状が軽い場合や非典型的な場合、他の皮膚疾患との鑑別が難しい場合には、検査が必要になることがあります。

抗原検査

水疱の内容液や潰瘍の表面から細胞を採取し、ヘルペスウイルスの抗原を検出する検査です。迅速診断キットを用いることで、短時間で結果が得られます。

PCR法

ウイルスのDNAを検出する方法で、非常に感度が高いです。脳脊髄液中のウイルスDNAを検出することで、ヘルペス脳炎の診断に用いられます。

抗体検査

血液中のヘルペスウイルスに対する抗体を測定する検査です。過去の感染歴を調べるのに有用ですが、現在の症状が本当にヘルペスによるものかどうかを判断するのには向いていません。


10. ヘルペスの治療法

ヘルペスウイルス感染症の治療は、抗ウイルス薬による治療が基本となります。現時点では、神経節に潜伏しているウイルスを完全に排除する方法はありませんが、適切な治療によって症状を緩和し、病気の期間を短縮することができます。

抗ウイルス薬

ヘルペスウイルス感染症に使用される主な抗ウイルス薬には、以下のようなものがあります。

アシクロビルは、最初に開発された抗ヘルペスウイルス薬で、現在でも広く使用されています。ウイルスのDNA複製を阻害することで、ウイルスの増殖を抑えます。内服薬、軟膏、点滴などさまざまな剤形があります。

バラシクロビルは、アシクロビルのプロドラッグ(体内でアシクロビルに変換される)で、アシクロビルよりも吸収率が高いため、1日の服用回数を減らすことができます。

ファムシクロビルも同様にプロドラッグで、体内でペンシクロビルに変換されます。

これらの抗ウイルス薬は、ウイルスが増殖している時期に効果を発揮するため、症状が出始めたらできるだけ早く服用を開始することが重要です。理想的には、前駆症状(ピリピリ感など)を感じた段階で服用を開始すると、最も効果的です。

帯状疱疹の場合は、発疹が出てから72時間以内に抗ウイルス薬の服用を開始することが推奨されています。

再発抑制療法

性器ヘルペスなどで再発を繰り返す場合、毎日抗ウイルス薬を服用し続けることで再発を抑える「再発抑制療法」という方法があります。この治療法により、再発の頻度を大幅に減らすことができ、生活の質を改善することができます。

ただし、抗ウイルス薬を服用していても、ウイルスの排出が完全になくなるわけではないため、パートナーへの感染リスクがゼロになるわけではありません。

対症療法

抗ウイルス薬による治療と並行して、症状を和らげるための対症療法も行われます。

痛みに対しては、アセトアミノフェンや非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)などの鎮痛薬が使用されます。帯状疱疹の強い痛みに対しては、オピオイド系鎮痛薬が必要になることもあります。

帯状疱疹後神経痛に対しては、プレガバリン(リリカ)などの神経障害性疼痛治療薬や、抗うつ薬、神経ブロック注射などが用いられることがあります。

局所療法

口唇ヘルペスの軽症例では、アシクロビル軟膏やビダラビン軟膏などの外用薬のみで治療することもあります。ただし、外用薬の効果は内服薬に比べると限定的です。


11. 再発を防ぐための日常生活のポイント

ヘルペスは一度感染すると完全に治すことはできませんが、日常生活の中で再発を防ぐための工夫をすることで、症状の出現頻度を減らすことができます。

免疫力を維持する

ヘルペスウイルスは、免疫力が低下した時に再活性化しやすくなります。そのため、免疫力を維持することが再発予防の基本となります。

十分な睡眠をとることは非常に重要です。睡眠不足は免疫力を低下させる大きな要因となります。毎日7~8時間程度の睡眠を確保するようにしましょう。

バランスの良い食事も大切です。ビタミンやミネラル、タンパク質など、免疫機能を維持するために必要な栄養素をバランスよく摂取することを心がけましょう。

適度な運動も免疫力の維持に役立ちます。ただし、過度な運動はかえって免疫力を低下させることがあるため、自分の体力に合った運動を継続することが大切です。

ストレス管理

精神的なストレスも、ヘルペスの再発を誘発する大きな要因です。ストレスを完全に避けることは難しいですが、上手に発散する方法を見つけることが重要です。

趣味の時間を作る、リラクゼーション法を取り入れる、友人や家族との交流を大切にするなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

紫外線対策

強い紫外線は、口唇ヘルペスの再発を誘発することが知られています。屋外で活動する際は、日焼け止めを塗ったり、帽子をかぶったりするなどの紫外線対策を行いましょう。唇専用の日焼け止めリップクリームもあります。

風邪や感染症の予防

発熱を伴う風邪などの感染症は、ヘルペスの再発を誘発しやすいです。手洗い・うがいの励行、人混みを避ける、マスクの着用など、感染症予防の基本を心がけましょう。

前駆症状に注意する

ヘルペスの再発時には、水疱が出現する前にピリピリ感やムズムズ感などの前駆症状が現れることが多いです。この段階で抗ウイルス薬の服用を開始すると、症状を軽く抑えることができます。

再発を繰り返す方は、あらかじめ抗ウイルス薬を処方してもらっておき、前駆症状を感じたらすぐに服用できるようにしておくとよいでしょう。


12. ワクチンによる予防

現在、ヘルペスウイルス感染症に対して使用できるワクチンには限りがあります。

水痘ワクチン

水痘ワクチンは、水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)に対する生ワクチンです。日本では2014年から1~2歳の小児を対象に定期接種化されており、水痘の発症を予防します。

水痘ワクチンの普及により、小児の水痘患者数は大幅に減少しています。しかし、ワクチンを接種しても水痘・帯状疱疹ウイルスに対する免疫が完全ではないため、将来的に帯状疱疹を発症するリスクがゼロになるわけではありません。

帯状疱疹ワクチン

50歳以上の成人を対象とした帯状疱疹ワクチンがあります。2025年4月からは、65歳以上の方などを対象に定期接種化されています。

帯状疱疹ワクチンには2種類あります。

生ワクチン(乾燥弱毒生水痘ワクチン)は、水痘ワクチンと同じワクチンで、1回の皮下注射で接種が完了します。帯状疱疹の発症を約50%減少させ、帯状疱疹後神経痛のリスクも軽減するとされています。ただし、免疫抑制状態にある方には接種できません。

組換えワクチン(乾燥組換え帯状疱疹ワクチン)は、不活化ワクチンで、2か月以上の間隔をおいて2回筋肉内に接種します。帯状疱疹の発症予防効果は90%以上と高く、帯状疱疹後神経痛に対する効果も接種後3年時点で9割以上と報告されています。免疫抑制状態の方でも接種可能です。

どちらのワクチンを選択するかは、年齢、基礎疾患、費用などを考慮して、医師と相談の上で決定することが推奨されます。

単純ヘルペスワクチン

残念ながら、現時点では単純ヘルペスウイルスに対する有効なワクチンは実用化されていません。世界中で研究開発が進められていますが、まだ臨床での使用には至っていません。


13. ヘルペスと合併症・重症化のリスク

ヘルペスウイルス感染症は、多くの場合は適切な治療によって軽快しますが、一部のケースでは重篤な合併症を引き起こすことがあります。

ヘルペス脳炎

ヘルペス脳炎は、単純ヘルペスウイルス(主にHSV-1)が脳に感染して引き起こされる急性脳炎です。ウイルス性脳炎の中では最も頻度が高く、日本では年間約400例が発症すると推定されています。

症状としては、発熱、頭痛、意識障害、けいれん、人格変化、言語障害などが現れます。特に側頭葉が好発部位であるため、記憶障害や異常行動などの症状が出ることがあります。

ヘルペス脳炎は、治療が遅れると死亡率が高く、生存しても重い後遺症が残ることがあります。そのため、疑わしい症状があれば直ちに治療を開始することが重要です。早期に抗ウイルス薬(アシクロビル)の点滴治療を開始することで、予後を改善できます。

ヘルペス性角膜炎

単純ヘルペスウイルスが目の角膜に感染すると、ヘルペス性角膜炎を引き起こします。症状としては、目の痛み、涙が出る、光がまぶしい(羞明)、視力低下などがあります。

適切な治療を行わないと、角膜が濁って視力が著しく低下したり、最悪の場合は失明に至ることもあります。目に異常を感じたら、速やかに眼科を受診することが大切です。

カポジ水痘様発疹症

アトピー性皮膚炎などの皮膚疾患がある人がHSVに感染すると、広範囲にわたって水疱が多発するカポジ水痘様発疹症を発症することがあります。

高熱を伴い、重症化すると全身状態が悪化することがあります。特に乳幼児や免疫力が低下している方では注意が必要です。

播種性ヘルペス

免疫力が著しく低下している人(HIV感染者、臓器移植後の患者、がん治療中の患者など)では、ヘルペスウイルスが全身に広がる播種性ヘルペスを発症することがあります。

播種性ヘルペスでは、皮膚だけでなく、肝臓、肺、脳など複数の臓器に感染が及び、致命的となることもあります。


14. 妊娠・出産とヘルペス

妊娠中や出産時のヘルペスウイルス感染は、母体だけでなく胎児や新生児にも影響を及ぼす可能性があるため、特別な注意が必要です。

妊娠中の性器ヘルペス

妊娠中に性器ヘルペスを発症した場合、特に妊娠後期(28週以降)での初感染は注意が必要です。この時期に初感染を起こすと、分娩時に胎児に感染するリスクが高くなります。

一方、妊娠前から性器ヘルペスに感染している場合は、すでに母体に抗体があるため、胎児への感染リスクは比較的低いとされています。ただし、分娩時に活動性の病変(水疱や潰瘍)がある場合は、帝王切開が検討されることがあります。

新生児ヘルペス

新生児ヘルペスは、出産時に母親から赤ちゃんに感染することで発症します。感染は主に産道感染で起こりますが、まれに妊娠中に胎盤を通じて感染することもあります。

新生児ヘルペスには、以下の3つの病型があります。

表在型は、皮膚や目、口腔粘膜に限局した感染で、比較的予後は良好です。

中枢神経型は、脳や髄膜に感染が及ぶもので、けいれんや意識障害などの症状が現れます。治療が遅れると後遺症が残ることがあります。

全身型は、肝臓、肺、副腎などの複数の臓器に感染が及ぶもので、最も重症です。播種性血管内凝固(DIC)や多臓器不全を起こし、死亡することもあります。

新生児ヘルペスは早期診断・早期治療が非常に重要です。赤ちゃんに発熱、哺乳力低下、活気がない、皮膚に水疱があるなどの症状が見られたら、すぐに医療機関を受診してください。

妊娠中の注意点

妊娠中に性器ヘルペスの既往がある方や、パートナーに性器ヘルペスの既往がある方は、産婦人科医に相談しておくことが大切です。

分娩時の感染を防ぐために、妊娠後期に抗ウイルス薬の予防投与が行われることもあります。また、分娩時に活動性の病変がある場合は帝王切開が選択されることがあります。


15. よくある質問と回答

ヘルペスに関してよく寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. ヘルペスは一生治らないのですか?

一度ヘルペスウイルスに感染すると、ウイルスは神経節に潜伏し続けるため、現在の医学では完全に体内から排除することはできません。しかし、抗ウイルス薬による治療で症状を抑えることができ、多くの方が日常生活に支障なく過ごしています。

Q2. ヘルペスは他人にうつりますか?

はい、ヘルペスウイルスは感染力が強く、水疱や潰瘍に触れることで他人にうつります。また、症状がない時期でもウイルスが排出されていることがあり、その場合でも感染が起こる可能性があります。症状が出ている時は特に、患部に触れない、食器やタオルを共有しない、性行為を避けるなどの対策が必要です。

Q3. 口唇ヘルペスと性器ヘルペスは同じ病気ですか?

どちらも単純ヘルペスウイルスによる感染症ですが、原因となるウイルスの型と感染部位が異なります。口唇ヘルペスは主にHSV-1型によって引き起こされ、性器ヘルペスは主にHSV-2型によって引き起こされます。ただし、オーラルセックスなどによってHSV-1が性器に感染したり、HSV-2が口唇に感染したりすることもあります。

Q4. ヘルペスと帯状疱疹は同じですか?

ヘルペスと帯状疱疹はどちらもヘルペスウイルス科に属するウイルスによる感染症ですが、原因となるウイルスが異なります。単純ヘルペスは単純ヘルペスウイルス(HSV-1、HSV-2)によって起こり、帯状疱疹は水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)によって起こります。症状や再発のパターン、治療法にも違いがあります。

Q5. 再発を繰り返す場合はどうすればよいですか?

再発を頻繁に繰り返す場合は、再発抑制療法を検討することができます。これは毎日少量の抗ウイルス薬を服用し続けることで、再発の頻度を減らす治療法です。医師と相談の上、ご自身に合った治療法を見つけることが大切です。

Q6. ヘルペスの市販薬はありますか?

口唇ヘルペスの再発に対しては、アシクロビルを含む市販の外用薬(軟膏やクリーム)が薬局で購入できます。ただし、初めての発症の場合や、症状が重い場合、性器ヘルペスの場合などは、医療機関を受診して適切な治療を受けることが推奨されます。

Q7. お風呂やプールでうつりますか?

通常、お風呂やプールの水を介してヘルペスがうつることはありません。ヘルペスウイルスは宿主外では長時間生存できないためです。ただし、タオルの共用や、プールサイドでの直接的な接触には注意が必要です。


16. まとめ

本記事では、ヘルペスに関する基本的な知識から、種類、症状、治療法、予防法まで幅広く解説してきました。最後に、重要なポイントをまとめます。

ヘルペスは、ヘルペスウイルスによって引き起こされる感染症の総称で、人に感染するヘルペスウイルスは8種類あります。その中でも、単純ヘルペスウイルス1型・2型による口唇ヘルペスや性器ヘルペス、水痘・帯状疱疹ウイルスによる帯状疱疹が特に一般的です。

ヘルペスウイルスの最大の特徴は、一度感染すると神経節に潜伏し、免疫力が低下した時に再活性化して症状を引き起こすことです。そのため、現在の医学ではウイルスを完全に排除することはできませんが、抗ウイルス薬による適切な治療によって症状をコントロールすることができます。

再発を予防するためには、十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動、ストレス管理など、免疫力を維持するための生活習慣が重要です。また、前駆症状を感じたら早めに治療を開始することで、症状を軽く抑えることができます。

帯状疱疹については、2025年4月から65歳以上の方などを対象にワクチンの定期接種が始まっています。帯状疱疹後神経痛などの合併症を予防するためにも、対象となる方はワクチン接種を検討されることをお勧めします。

ヘルペスに関して気になる症状がある場合や、再発を繰り返して困っている場合は、一人で悩まず医療機関を受診してください。適切な診断と治療を受けることで、ヘルペスとうまく付き合いながら、快適な日常生活を送ることができます。


参考文献


図表:ヘルペスウイルスの種類と主な疾患

ウイルス名別名亜科主な疾患
単純ヘルペスウイルス1型HSV-1、HHV-1αヘルペス口唇ヘルペス、ヘルペス性歯肉口内炎、ヘルペス性角膜炎、ヘルペス脳炎
単純ヘルペスウイルス2型HSV-2、HHV-2αヘルペス性器ヘルペス、新生児ヘルペス
水痘・帯状疱疹ウイルスVZV、HHV-3αヘルペス水痘(水ぼうそう)、帯状疱疹
エプスタイン・バールウイルスEBV、HHV-4γヘルペス伝染性単核症、バーキットリンパ腫
サイトメガロウイルスCMV、HHV-5βヘルペスサイトメガロウイルス感染症、先天性CMV感染症
ヒトヘルペスウイルス6型HHV-6βヘルペス突発性発疹
ヒトヘルペスウイルス7型HHV-7βヘルペス突発性発疹
ヒトヘルペスウイルス8型HHV-8、KSHVγヘルペスカポジ肉腫

図表:抗ヘルペスウイルス薬の種類と特徴

薬剤名剤形用法・用量(一般的な例)主な適応
アシクロビル内服、外用、点滴内服:1回200-800mg、1日5回(疾患により異なる)単純ヘルペス、帯状疱疹、水痘
バラシクロビル内服1回500-1000mg、1日2-3回(疾患により異なる)単純ヘルペス、帯状疱疹、水痘
ファムシクロビル内服1回250-500mg、1日3回(疾患により異なる)単純ヘルペス、帯状疱疹

※用法・用量は疾患や症状の程度によって異なります。必ず医師の指示に従ってください。


図表:帯状疱疹ワクチンの比較

項目生ワクチン(ビケン)組換えワクチン(シングリックス)
ワクチンの種類生ワクチン不活化ワクチン
接種回数1回2回(2か月以上の間隔)
接種方法皮下注射筋肉内注射
帯状疱疹発症予防効果約50%90%以上
帯状疱疹後神経痛予防効果(3年時点)約60%90%以上
免疫抑制状態の方への接種不可可能
主な副反応注射部位の発赤・腫れなど注射部位の痛み・腫れ、筋肉痛、疲労感など

※2025年4月より65歳の方などを対象に定期接種化されています。詳細は医療機関にご相談ください。


本記事は一般的な医療情報の提供を目的としており、個別の診断や治療を行うものではありません。症状がある場合は、必ず医療機関を受診して専門家の診察を受けてください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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