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手の甲のしもやけを治すには?原因・症状・治療法を解説

冬になると手の甲が赤くなり、かゆみや腫れが気になるという方は少なくありません。この症状は「しもやけ(凍瘡)」と呼ばれるもので、寒冷刺激によって引き起こされる皮膚のトラブルです。手の甲は外気にさらされやすく、しもやけが発生しやすい部位の一つです。かゆくてつらい、見た目も気になるという悩みを抱えている方のために、この記事では手の甲のしもやけについて、その原因・症状・治療法・予防法まで幅広く解説します。


目次

  1. しもやけとはどんな病気か
  2. 手の甲にしもやけができやすい理由
  3. 手の甲のしもやけの症状
  4. しもやけと他の皮膚トラブルの見分け方
  5. しもやけの原因とメカニズム
  6. 手の甲のしもやけを悪化させる要因
  7. しもやけの治療法(セルフケア・市販薬)
  8. 皮膚科・クリニックでの治療法
  9. 手の甲のしもやけを予防するためのポイント
  10. しもやけが繰り返す場合の対処法
  11. まとめ

この記事のポイント

手の甲のしもやけは寒冷刺激による血流障害が原因で、保温・保湿・ビタミンE外用薬でセルフケアが可能だが、重症例や繰り返す場合は皮膚科への受診が推奨される。

🎯 しもやけとはどんな病気か

しもやけは、医学用語では「凍瘡(とうそう)」と呼ばれる皮膚疾患の一つです。寒冷刺激によって血液の循環が悪くなり、皮膚に炎症が生じることで起こります。凍傷とは異なり、組織が壊死するほどの低温にさらされるわけではなく、比較的温度が低い環境(0℃〜10℃前後)と湿気の組み合わせによって引き起こされることが多いのが特徴です。

しもやけは主に冬場に多く見られ、特に寒暖差が大きい時期に発症しやすいといわれています。日本では11月頃から増え始め、1〜2月にピークを迎え、3〜4月にかけて徐々に治まるケースが多いです。子どもや若い女性、高齢者に多い傾向がありますが、大人でも発症します。

しもやけは一度かかると繰り返しやすいという特徴もあります。毎年冬になると症状が出る方は、体質的に血流が滞りやすいタイプである可能性があります。適切なケアと予防を続けることが重要です。

Q. しもやけが手の甲にできやすい理由は何ですか?

手の甲は外気に直接さらされる時間が長く、皮下脂肪が少ないため冷えの影響を受けやすい部位です。また心臓から遠い末梢に位置するため血流が届きにくく、寒冷刺激で血管が収縮するとさらに血流が低下します。水仕事が多い方は濡れた状態で冷気にさらされるリスクも高まります。

📋 手の甲にしもやけができやすい理由

人体の中でも手の甲は特にしもやけが発生しやすい部位です。その理由はいくつかあります。

まず、手の甲は日常生活の中で外気に直接さらされる時間が長い部位です。外出時はもちろん、室内でも手を使う機会が多く、寒冷な環境での露出頻度が高くなります。手袋をつけない場面も多く、冷たい外気に直接触れることで体温が奪われやすい状態が続きます。

次に、手の甲は皮下脂肪が少なく、皮膚が薄い部位です。皮下脂肪は体温を保持する断熱材のような役割を担っていますが、手の甲はこの脂肪層が薄いため、冷えの影響を受けやすくなっています。特に手の指の付け根や関節部分は皮膚が薄く、しもやけが生じやすいポイントです。

さらに、手の甲は末梢(体の末端部分)に位置しており、心臓から遠い部位です。血液は心臓から全身へ送り出されますが、末梢に届くころには血流が弱くなりやすく、特に寒い環境では血管が収縮してさらに血流が低下します。この血流の低下がしもやけの大きな原因となるため、末梢に位置する手の甲はしもやけが生じやすい場所なのです。

また、水仕事をする機会が多い方は、手が濡れた状態で冷気にさらされることが繰り返されます。水が蒸発する際に体の熱を奪うため、手の甲が冷えやすくなります。家事や飲食業など、日常的に水を扱う職種の方は特に注意が必要です。

💊 手の甲のしもやけの症状

手の甲のしもやけは、さまざまな症状として現れます。症状の程度によって、軽度から重度まで段階があります。

最もよく見られる症状は、皮膚の赤みや腫れです。手の甲の皮膚がじんわりと赤くなり、わずかに膨らんだように見えることがあります。この赤みは炎症によるもので、血流が悪化した後に急に温まったときなどに特に目立ちます。

かゆみも代表的な症状の一つです。しもやけによるかゆみは、暖かい場所に入ったときや、就寝時などに強くなる傾向があります。温度が上がることで血流が急に増加し、神経が刺激されるためかゆみが増強されます。このかゆみは我慢しにくいほど強くなることもあります。

また、かゆみだけでなく、ひりひりとした痛みや灼熱感を伴うこともあります。かゆみと痛みが混在した不快な感覚が続くため、日常生活でも不便を感じることが多いです。

症状が進行すると、皮膚の色が暗紫色や青みがかった赤色に変化することがあります。これは血流障害がより強くなっているサインです。さらに悪化すると、皮膚に水ぶくれができたり、皮膚が硬くなったり、ひび割れや潰瘍(皮膚が傷ついてただれた状態)を形成することもあります。このような状態になると、通常の市販薬やセルフケアでは対処が難しくなるため、皮膚科を受診することが重要です。

しもやけには、大きく分けて「樽柿型(たるがきがた)」と「多形紅斑型(たけいこうはんがた)」の2種類があります。樽柿型は腫れや赤みが目立つタイプで、子どもに多く見られます。多形紅斑型は皮膚に輪状や標的型の赤い斑点が現れるタイプで、成人に多い傾向があります。手の甲のしもやけは樽柿型が多いとされています。

Q. しもやけの症状はどのように進行しますか?

しもやけは最初に手の甲の赤みや腫れとして現れ、暖かい場所に入ると強いかゆみや灼熱感を伴います。症状が進むと皮膚が暗紫色に変色し、さらに悪化すると水ぶくれやひび割れ、潰瘍が生じることがあります。水ぶくれや潰瘍がみられる場合は速やかに皮膚科を受診してください。

🏥 しもやけと他の皮膚トラブルの見分け方

手の甲の赤みや腫れ、かゆみはしもやけ以外の原因でも起こります。正確な対処法を選ぶためにも、他の皮膚トラブルとの違いを理解しておくことは大切です。

まず、しもやけと混同されやすいのが「あかぎれ(皲裂)」です。あかぎれは皮膚が乾燥してひび割れた状態で、痛みやひりひり感が主な症状です。しもやけのような腫れや暗紫色への変色は通常見られません。あかぎれは主に乾燥が原因であり、保湿ケアが中心となります。一方、しもやけは血流の低下による炎症が主な原因であり、治療のアプローチが異なります。

次に「手湿疹(てしっしん)」との違いも重要です。手湿疹は接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎などによって引き起こされ、赤みやかゆみを伴います。しもやけと見た目が似ることがありますが、手湿疹は季節を問わず発症し、特定の物質への接触が引き金になることが多いです。しもやけは寒い季節に限定して発症し、温かい環境では症状が和らぐのが特徴です。

また、「蕁麻疹(じんましん)」も赤みやかゆみをもたらしますが、短時間で症状が出たり消えたりする点がしもやけとは異なります。しもやけは数週間にわたって症状が続くことが多く、寒い環境にいる間は症状が持続します。

さらに、膠原病(こうげんびょう)の一種である「全身性エリテマトーデス(SLE)」でも手の甲に赤みが出ることがあります。全身倦怠感や関節痛など、しもやけにはない全身症状を伴うことが多いため、区別は比較的しやすいですが、疑わしい場合は必ず医師に相談してください。

自分でしもやけかどうか判断できない場合や、症状が長引く場合は、皮膚科を受診して正確な診断を受けることが大切です。

⚠️ しもやけの原因とメカニズム

しもやけが起こる主な原因は、寒冷刺激による血流障害です。そのメカニズムを詳しく見ていきましょう。

人間の体は、体温を一定に保つためにさまざまな調節機能を持っています。寒冷刺激を受けると、体は体温を逃がさないために皮膚の血管を収縮させます。血管が収縮することで、皮膚表面に流れる血液の量が減り、体の深部に血液を集めて中心部の体温を維持しようとします。これ自体は正常な生理的反応ですが、この状態が長く続いたり、急に温まったりすることで問題が生じます。

寒冷刺激が繰り返されると、血管の調節機能がうまく働かなくなります。本来であれば温かい場所に移動したときに血管が拡張して血流が戻るのですが、血管の反応が遅延したり過剰になったりすることで、皮膚に炎症が生じます。血液の流れが急に戻ると、炎症性物質が放出され、かゆみや赤みの原因となります。

また、湿度が高い寒冷環境もしもやけを起こしやすくする要因です。0℃以下の乾燥した極寒では凍傷になるリスクがありますが、しもやけは0℃〜10℃程度の湿気のある環境で特に発生しやすいとされています。日本の冬は湿度が比較的高いため、しもやけが発生しやすい気候条件が整いやすい傾向があります。

遺伝的な素因も関係しています。血管の調節機能は個人差があり、もともと血流が滞りやすい体質の方はしもやけになりやすいです。また、貧血や低栄養状態、甲状腺機能低下症などの基礎疾患があると血液循環が悪くなりやすく、しもやけを繰り返す一因となることがあります。

🔍 手の甲のしもやけを悪化させる要因

しもやけの症状をさらに悪化させる要因がいくつかあります。これらを知ることで、日常生活の中で意識的に避けることができます。

一つ目は、急激な温度変化です。寒い場所から暖かい場所に急に移動したり、冷えた手を急にお湯で温めたりすることで、血管が急激に拡張してかゆみや炎症が強くなります。温度差が大きければ大きいほど血管への負担が増し、症状が悪化しやすくなります。

二つ目は、かくことによる皮膚へのダメージです。しもやけのかゆみはとても強く、ついかいてしまいたくなりますが、かくことで皮膚を傷つけてしまいます。皮膚に傷ができると細菌が侵入して感染を引き起こすリスクがあり、治りにくくなります。

三つ目は、長時間の冷気への露出です。手袋をせずに外出したり、冷たい水で長時間水仕事をすることは、手の甲をさらに冷やして症状を悪化させます。特に濡れた状態で冷気にさらされると、水の蒸発によって体温がさらに奪われるため注意が必要です。

四つ目は、喫煙です。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させる作用があります。もともと寒冷刺激で血管が収縮しているところにさらに血管収縮が加わることで、血流がより低下しやすくなります。喫煙習慣のある方はしもやけが治りにくくなる可能性があります。

五つ目は、不適切な保湿ケアや栄養不足です。皮膚のバリア機能が低下すると、外部刺激の影響を受けやすくなります。乾燥した皮膚はしもやけを起こしやすく、悪化もしやすいです。また、鉄分やビタミン類の不足は血流に影響を与えるため、食生活にも気を配ることが大切です。

Q. しもやけのセルフケアで有効な方法は何ですか?

しもやけのセルフケアには、37〜40℃程度のぬるま湯でゆっくり手を温める方法が有効です。急激な加温は症状を悪化させるため注意が必要です。保湿にはヘパリン類似物質や尿素配合のクリームが効果的で、ビタミンE配合の市販外用薬は血行促進とかゆみ緩和に役立ちます。かくことは皮膚を傷め悪化させるため避けましょう。

📝 しもやけの治療法(セルフケア・市販薬)

軽度のしもやけであれば、自宅でのセルフケアや市販薬によって改善できる場合があります。ただし、症状が重い場合や長期間改善しない場合は皮膚科を受診することが重要です。

セルフケアの基本は、手の甲を適切に温めることです。ただし、前述のように急激な加温は症状を悪化させる可能性があるため注意が必要です。ぬるめのお湯(37〜40℃程度)に手をゆっくり浸けて、じっくりと血行を促進させる方法が適しています。入浴時にもぬるめのお湯でゆっくり温まるようにしましょう。

保湿ケアも重要です。乾燥した皮膚はしもやけの症状を悪化させるため、ハンドクリームや保湿剤をこまめに塗ることが助けになります。特に水仕事の後は皮膚の油分が失われやすいため、毎回保湿を行う習慣をつけることをおすすめします。尿素配合や、ヘパリン類似物質配合の市販クリームは保湿効果が高く、皮膚のバリア機能を高めるのに役立ちます。

手のマッサージも血行促進に効果的です。手の甲をやさしく揉んだり、手首から指先に向けてなでるようにマッサージすることで、血液の流れを促すことができます。力を入れすぎず、皮膚を傷めないよう注意しながら行いましょう。

市販薬としては、ビタミンE(トコフェロール)を含む外用薬が一般的に用いられます。ビタミンEには血行を促進する作用があり、しもやけのかゆみや炎症を緩和するのに役立ちます。市販のしもやけ用クリームや軟膏として薬局で購入できます。成分が合っているか、また使用方法を確認してから使用するようにしましょう。

内服薬としては、ビタミンE含有のサプリメントや市販薬を活用する方法もあります。血行促進作用が期待できますが、効果を実感するためにはある程度継続して服用することが必要です。

かゆみが強い場合は、市販の抗ヒスタミン成分を含む薬(内服・外用)を使用することもできます。ただし、これはあくまでかゆみを一時的に抑えるものであり、しもやけの根本的な治療ではありません。

なお、かゆくてもできるだけかかないようにすることが大切です。どうしても気になる場合は、清潔なタオルなどで優しく押さえるか、保冷剤をタオルで包んで軽く当てることでかゆみを和らげることができます。

💡 皮膚科・クリニックでの治療法

しもやけが重度の場合や、セルフケアで改善が見られない場合は皮膚科や医療クリニックを受診することをおすすめします。医師による診察のもとで、より効果的な治療を受けることができます。

皮膚科では、まず問診と視診によってしもやけの診断を確定します。場合によっては、血液検査などを行って膠原病などの基礎疾患がないかどうかを調べることもあります。

治療の中心となるのは外用薬の処方です。ステロイド外用薬は炎症を抑える効果があり、しもやけによる赤みや腫れ、かゆみに対して有効です。症状の程度に応じて、適切な強さのステロイド薬が処方されます。市販のステロイド薬より強力なものが処方されることもあります。

ヘパリン類似物質を含む外用薬も使用されます。ヘパリン類似物質には保湿作用だけでなく、血行促進作用もあるため、しもやけの症状改善に効果が期待できます。医療機関では市販品よりも高濃度のものが処方されることがあります。

内服薬としては、ビタミンE製剤(トコフェロール酢酸エステル)が処方されることがあります。血行を改善する作用があり、しもやけの症状緩和に役立ちます。また、症状が重い場合にはステロイドの内服薬が処方されることもありますが、副作用の観点から慎重に使用されます。

プロスタグランジン製剤(血管拡張薬)は、重症のしもやけに対して使用されることがあります。血管を拡張して血流を改善し、組織への酸素・栄養の供給を助けます。

また、近年では美容皮膚科や再生医療を取り扱うクリニックで、しもやけを含む皮膚の血流改善・炎症抑制を目的とした治療が行われることもあります。血行改善に関連した点滴療法やレーザー治療、光治療などが選択肢として挙げられることもありますが、これらはしもやけの標準治療ではなく、医師との相談のもとで検討するものです。

水ぶくれや潰瘍(かいよう)ができている場合は、感染予防のための処置が必要です。自己判断で潰瘍を触ったり潰したりせず、医師に診てもらうようにしましょう。

治療を行いながらも、原因となる寒冷刺激を避けること、保温・保湿を徹底することが治療効果を高めます。薬を使いつつ、日常生活でのセルフケアも並行して行うことが大切です。

Q. しもやけが毎年繰り返す場合はどうすればよいですか?

しもやけを毎年繰り返す場合、体質的な血流の滞りに加え、貧血・甲状腺機能低下症・膠原病などの基礎疾患が関与していることがあります。繰り返す症状を「仕方ない」と諦めず、早めに専門医へ相談することが重要です。

✨ 手の甲のしもやけを予防するためのポイント

しもやけは一度かかると繰り返しやすいため、予防が非常に重要です。毎年冬になると手の甲のしもやけに悩む方は、次のポイントを意識してみてください。

まず、手の甲を冷やさないための保温対策が基本です。外出時は手袋を着用しましょう。素材は保温性が高く、かつ蒸れにくいものを選ぶと理想的です。ウールや裏起毛素材の手袋は保温性が高くおすすめです。自転車や屋外での長時間の作業など、手袋が必要な場面では必ず使用するようにしましょう。

水仕事をする際は、ゴム手袋を使用することをおすすめします。水で手が濡れた状態が続くことを防ぎ、冷えや乾燥から手を守ることができます。ただし、長時間ゴム手袋を使用すると蒸れて別のトラブルを引き起こすことがあるため、内側に綿の手袋を重ねるなどの工夫をするとよいでしょう。

次に、保湿ケアを習慣にすることも大切です。毎日のスキンケアとして、手の甲にハンドクリームを塗るようにしましょう。保湿成分としてはセラミドやヒアルロン酸、尿素、グリセリンなどが含まれているものが効果的です。洗い物や手洗いの後は特に乾燥しやすいため、そのたびに保湿を行う習慣をつけることが予防につながります。

日ごろから血行を促進する生活習慣を取り入れることも有効です。適度な運動は全身の血流を促進します。特にウォーキングや軽い体操など、継続しやすい有酸素運動が効果的です。また、入浴時にしっかりと体を温め、湯船につかることで全身の血行を改善することも予防に役立ちます。

食生活の改善も欠かせません。ビタミンEは血行促進に役立ちます。ナッツ類、アボカド、カボチャ、植物油などに豊富に含まれているため、意識的に摂取しましょう。また、鉄分(ほうれん草、レバーなど)が不足すると貧血になり、血行が悪化するため、バランスの良い食事を心がけることが大切です。生姜や根菜類などの体を温める食材を積極的に取り入れることもおすすめです。

喫煙習慣のある方は、禁煙または本数を減らすことを検討してください。ニコチンには血管収縮作用があり、しもやけの予防・治療の妨げになります。

また、室内外の温度差を小さくすることも意識しましょう。外出から帰宅した際に急に暖房に当たったり、熱いものに触れたりすることを避けてください。室内の暖房温度を上げすぎず、適度な温度を保つことが理想的です。

しもやけが生じやすい季節(秋の終わり頃)から早めに保温・保湿ケアを始めることで、症状の発症を防ぎやすくなります。症状が出てから対処するよりも、事前の予防が効果的です。

📌 しもやけが繰り返す場合の対処法

毎年冬になると手の甲のしもやけを繰り返してしまう方は、体質的な問題や生活習慣、場合によっては基礎疾患が関与していることがあります。繰り返すしもやけには、より積極的な対策と医療機関へのアクセスが必要です。

しもやけが繰り返す場合、まず皮膚科を受診して原因を探ることをおすすめします。血液検査では、貧血の有無、甲状腺機能、膠原病(特に全身性エリテマトーデスや強皮症)などを調べることができます。これらの基礎疾患があると、血液循環が悪化しやすくなり、しもやけが起こりやすくなります。基礎疾患が見つかった場合は、その治療を優先することがしもやけの改善にもつながります。

「レイノー現象」という症状も、しもやけと関連して見られることがあります。レイノー現象とは、寒冷刺激やストレスによって手指の血管が過剰に収縮し、手指が白くなったり青くなったりする状態です。レイノー現象がある方はしもやけを繰り返しやすく、より積極的な治療が必要になることがあります。

慢性的に繰り返すしもやけには、医師の指導のもとで予防的な薬物療法を行うことも選択肢の一つです。冬になる前から内服薬(ビタミンE製剤など)を開始することで、発症を抑制したり、症状を軽減したりできる可能性があります。

生活習慣の見直しも重要です。十分な睡眠、バランスの良い食事、適度な運動、禁煙などを継続することで、体全体の血行が改善され、しもやけが繰り返すリスクを減らすことができます。特に日常的な保温・保湿ケアは毎年欠かさずに続けることが大切です。

また、ストレスも血行に影響することがあります。ストレスが強いと自律神経が乱れ、血管の調節機能に影響が出ることがあります。リラックスできる時間を意識的に作り、ストレスを軽減する工夫も取り入れてみてください。

繰り返すしもやけは「仕方がない」と諦めるのではなく、専門医に相談することで改善できる可能性があります。毎年つらい症状に悩まされている方は、ぜひ一度医療機関を訪れてみてください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「冬になると手の甲のしもやけを訴えて来院される患者さまが増える傾向にあり、特に水仕事の多い方や血行が滞りやすい体質の方に繰り返しやすいケースが多く見受けられます。しもやけは「冬の軽い肌荒れ」と軽視されがちですが、放置すると水ぶくれや潰瘍へと悪化することもあるため、かゆみや赤みが続くようであれば早めにご相談いただくことをお勧めします。毎年繰り返している方には基礎疾患が関与している場合もございますので皮膚科への受診をおすすめします。」

🎯 よくある質問

しもやけと凍傷はどう違うのですか?

しもやけ(凍瘡)は0℃〜10℃程度の湿気のある環境で血流障害により皮膚に炎症が生じる疾患です。一方、凍傷は極低温にさらされることで組織が壊死するほどのダメージを受けた状態を指します。しもやけは組織の壊死には至らない点が大きな違いです。

手のしもやけのかゆみを和らげる方法はありますか?

かゆくても強くかくことは皮膚を傷つけ、悪化・感染の原因になるため避けてください。かゆみを和らげるには、清潔なタオルで優しく押さえるか、タオルで包んだ保冷剤を軽く当てる方法が有効です。市販の抗ヒスタミン成分を含む外用薬の使用も一時的な緩和に役立ちます。

しもやけは市販薬で治せますか?皮膚科に行くべきですか?

軽度であれば、ビタミンE配合の外用薬や保湿クリームなど市販薬とセルフケアで改善できる場合があります。ただし、症状が長引く場合、水ぶくれや潰瘍が生じている場合、または毎年繰り返す場合は皮膚科の受診をお勧めします。

しもやけを毎年繰り返すのはなぜですか?

毎年繰り返す場合、体質的に血流が滞りやすいことが主な原因として考えられます。加えて、貧血・甲状腺機能低下症・膠原病などの基礎疾患が関与していることもあります。

しもやけの予防に効果的な食べ物や生活習慣はありますか?

血行促進に役立つビタミンEを多く含むナッツ類・アボカド・カボチャや、貧血予防に効果的な鉄分を含むほうれん草・レバーを積極的に摂りましょう。生姜や根菜類など体を温める食材もおすすめです。また、適度な運動・入浴による保温、こまめな保湿ケア、禁煙も予防に有効です。

📋 まとめ

手の甲のしもやけは、寒冷刺激による血流障害が引き起こす皮膚の炎症性疾患です。赤みや腫れ、強いかゆみや痛みが特徴で、毎年冬になると繰り返す方も少なくありません。手の甲は外気にさらされやすく、皮下脂肪も少ないため、特にしもやけが生じやすい部位です。

軽度のしもやけであれば、手袋による保温、ハンドクリームによる保湿、市販のビタミンE含有外用薬などを使ったセルフケアで改善できることがあります。しかし、症状が重い場合や長期間改善しない場合、または水ぶくれや潰瘍が生じている場合は、皮膚科を受診することが重要です。

皮膚科ではステロイド外用薬やヘパリン類似物質、ビタミンE製剤などによる治療が行われます。また、繰り返すしもやけの場合は基礎疾患の有無を確認することも大切です。

予防のためには、冬になる前から保温・保湿ケアを習慣にし、適度な運動やバランスの良い食事で血行を促進することが効果的です。毎年しもやけに悩んでいる方は、早めのケアと専門家への相談が症状の軽減・改善につながります。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – しもやけ(凍瘡)の定義・症状・治療法・分類(樽柿型・多形紅斑型)に関する皮膚科専門医による解説
  • 厚生労働省 – 皮膚疾患における寒冷刺激・血行障害のメカニズム、冬季の皮膚トラブル予防に関する健康情報
  • PubMed – 凍瘡(Pernio/Chilblains)の病態・治療・予防に関する国際的な臨床研究および査読論文

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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