目次
- はじめに
- 足にできるイボとは何か
- 足底疣贅の原因と感染経路
- イボ・ウオノメ・タコの見分け方
- 足のイボを放置するとどうなるか
- 足のイボに対する治療法
- 液体窒素による冷凍凝固療法
- サリチル酸外用療法
- ヨクイニン内服療法
- その他の治療法
- 足のイボの予防法
- 皮膚科を受診するタイミング
- 大宮エリアで足のイボ治療を受けるなら
- 治療中の日常生活での注意点
- 足のイボに関するセルフチェック
- よくある質問
- まとめ
1. はじめに
足の裏や指に硬いできものができて、歩くたびに痛みを感じる方はいらっしゃいませんか。それは単なるタコやウオノメではなく、ウイルス性のイボかもしれません。
足にできるイボは医学用語で「足底疣贅(そくていゆうぜい)」と呼ばれ、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって引き起こされる皮膚の病気です。見た目がウオノメやタコと似ているため、自己判断で放置してしまったり、誤ったケアを続けてしまったりする方も少なくありません。
しかし、足のイボはウイルス感染症であるため、放置すると周囲に広がったり、他の人にうつしてしまったりする可能性があります。また、市販薬で自己治療を行うことで症状を悪化させてしまうケースも報告されています。
本記事では、足のイボの原因や症状、タコ・ウオノメとの見分け方、そして大宮エリアで受けられる治療法について詳しく解説いたします。足の裏の硬いできものでお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
2. 足にできるイボとは何か
足底疣贅の基本
足にできるイボは、正式には「足底疣贅(そくていゆうぜい)」と呼ばれます。これは尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)の一種で、足の裏という特殊な部位にできることから、独特の特徴を持っています。
尋常性疣贅は皮膚科を受診される方の中でも非常に多い疾患であり、ヒトパピローマウイルス(HPV)が皮膚の小さな傷から感染することで発症します。足の裏は体重がかかる部位であるため、他の部位にできるイボとは異なり、外側に盛り上がらずに皮膚の中に押し込まれるような形で成長していきます。
足底疣贅の見た目と特徴
足底疣贅には以下のような特徴があります。
まず、表面がザラザラしており、黄色みがかった角質で覆われていることが多いです。よく観察すると、中心部に黒い点々が見えることがあります。これは毛細血管が凝固したものであり、イボ内部に血流が供給されていた痕跡です。
大きさは数ミリメートルから1センチメートル程度のものが一般的ですが、放置することで次第に大きくなります。また、複数のイボが集まって融合し、敷石状の局面を形成することもあります。これは「モザイク疣贅」と呼ばれ、特に治療が難しいタイプとされています。
足底疣贅ができやすい部位としては、かかと、足の指の付け根、親指の付け根などが挙げられます。これらは歩行時に特に圧力がかかりやすい部位であり、小さな傷もできやすいことが関係しています。
子どもにも多い足のイボ
足のイボは大人だけでなく、子どもにもよく見られます。特に小学生から中学生くらいの年齢層に多く発症することが知られています。子どもは遊びやスポーツを通じて足に傷を負いやすく、プールや公共施設で裸足になる機会も多いため、ウイルスに感染するリスクが高くなります。
子どもの足にイボができた場合、「痛くない」という理由で放置されがちですが、成長とともに数が増えたり、大きくなったりすることがあります。早めの治療が重要です。
3. 足底疣贅の原因と感染経路
ヒトパピローマウイルス(HPV)とは
足のイボの原因となるのは、ヒトパピローマウイルス(Human Papillomavirus:HPV)というウイルスです。このウイルスには250種類以上の型があり、型によって感染しやすい部位や引き起こす症状が異なります。
足底疣贅を引き起こすのは主にHPV1型、2型、4型、27型、57型などです。これらは子宮頸がんの原因となる型(HPV16型、18型など)とは異なるウイルス型であり、足のイボががん化することは通常ありません。
HPVは皮膚の小さな傷から体内に侵入し、表皮の基底層と呼ばれる部分で増殖します。ウイルスに感染してから実際にイボとして目に見える症状が出るまでには、3か月から6か月程度の潜伏期間があるとされています。
感染経路
足のイボがどのようにしてうつるのか、感染経路について理解しておくことは予防にも役立ちます。
主な感染経路としては、直接接触と間接接触の2種類があります。直接接触とは、イボがある人の患部に直接触れることでウイルスが伝播するケースです。一方、間接接触とは、感染者が使用したタオル、スリッパ、バスマット、共用のシャワールームやプールの床などを介してウイルスが広がるケースを指します。
特に湿気の多い場所では、HPVが活性化しやすいとされています。プールサイド、温泉施設、スポーツジムのシャワールームなどは感染リスクが高い場所といえます。裸足で床に触れることで、足の裏の小さな傷からウイルスが侵入する可能性があります。
自家接種による拡大
足のイボは、自分自身の中でも感染が広がることがあります。これを「自家接種」と呼びます。
例えば、足にできたイボを触った手で別の場所を触ってしまうと、手指にもイボができてしまうことがあります。また、イボを自分で削ったり引っかいたりすることで、周囲の皮膚にウイルスが広がり、イボが増えてしまうケースも報告されています。
そのため、イボができたらできるだけ触らないようにすることが大切です。どうしても気になる場合は、早めに皮膚科を受診することをおすすめします。
感染しやすい人の特徴
HPVに感染しても、必ずしもイボが発症するわけではありません。免疫力が正常に働いていれば、ウイルスを排除できることもあります。
しかし、以下のような条件に当てはまる方は感染しやすい傾向があります。
免疫力が低下している方は、ウイルスに対する抵抗力が弱まっているため、感染・発症しやすくなります。アトピー性皮膚炎や手湿疹などで皮膚のバリア機能が低下している方も、ウイルスが侵入しやすい状態にあります。
また、子どもや高齢者は一般的に免疫機能が弱いため、イボができやすいとされています。足の裏に傷やささくれがある方、水虫がある方なども注意が必要です。
4. イボ・ウオノメ・タコの見分け方
混同されやすい3つの皮膚病変
足の裏にできる硬いできものといえば、イボ、ウオノメ、タコの3つが代表的です。これらは見た目が似ていることから、しばしば混同されがちですが、実際には原因も治療法も全く異なる別々の疾患です。
正しく見分けることは適切な治療を受けるうえで非常に重要です。日本皮膚科学会でも、この3つの鑑別について詳しく解説されています。
イボ(足底疣贅)の特徴
イボはウイルス感染によって引き起こされる疾患です。最も重要な鑑別ポイントは、表面を削ったときに点状の出血が見られることです。これは、イボの内部に栄養を供給するために毛細血管が発達しているためです。
イボの表面はザラザラとしており、皮膚の紋様(指紋のような線)を押し分けるように盛り上がっているのが特徴です。つまり、周囲の皮膚の紋様とイボの部分では線の流れが途切れているように見えます。
また、イボは1つだけでなく、複数できることが多いです。放置すると数が増えていくことがあり、「ウオノメが増えてきた」と訴える患者さんの多くは、実はイボであるケースがあります。
ウオノメ(鶏眼)の特徴
ウオノメは、医学用語では「鶏眼(けいがん)」と呼ばれます。皮膚への慢性的な圧迫や摩擦によって、角質が厚くなり、芯のように皮膚の内側に向かって食い込んでいく疾患です。
ウオノメの最大の特徴は痛みです。中心に硬い芯があり、歩いたり押したりすると、この芯が神経を刺激して鋭い痛みを感じます。表面を削っても、イボのような点状出血は見られません。
ウオノメは主に大人にできるもので、子どもにはほとんどできません。子どもの足の裏にウオノメのようなできものがある場合は、イボである可能性が高いと考えられます。
タコ(胼胝)の特徴
タコは、医学用語では「胼胝(べんち)」と呼ばれます。ウオノメと同様に、慢性的な刺激によって角質が厚くなったものですが、ウオノメのような芯はありません。
タコは刺激を受けた部位全体の皮膚が厚く硬くなり、やや黄色みを帯びて盛り上がります。ウオノメと違って痛みがないのが特徴で、むしろ感覚が鈍くなることもあります。
足の裏だけでなく、ペンダコ、座りダコなど、身体のさまざまな部位にできることがあります。
見分けるためのポイントまとめ
3つを見分けるためのポイントを整理すると、以下のようになります。
発症年齢については、イボは子どもから大人まで幅広い年齢層に見られます。ウオノメは主に成人に発症し、子どもにはほとんどできません。タコも成人に多い傾向があります。
痛みについては、イボは通常痛みがありませんが、大きくなると圧迫で痛むことがあります。ウオノメは歩行時などに鋭い痛みを伴います。タコは基本的に痛みがありません。
表面を削ったときの反応については、イボは点状の出血が見られます。ウオノメとタコでは出血しません。
皮膚の紋様については、イボは紋様を押し分けるように存在します。ウオノメとタコは紋様ごと盛り上がります。
数については、イボは増えていくことが多いです。ウオノメとタコは通常、刺激を受けている部位に限定されます。
自己判断が難しい場合は、皮膚科を受診して正確な診断を受けることをおすすめします。
5. 足のイボを放置するとどうなるか
イボが大きくなる
足のイボを放置しておくと、時間とともに大きくなっていきます。皮膚科の専門家によると、イボの大きさが2倍になると治療期間は4倍になってしまうという印象があるそうです。
小さいうちであれば比較的短期間で治療が完了することも多いですが、大きくなってからでは治療回数が増え、完治までに数か月から数年かかることもあります。
イボの数が増える
イボはウイルス感染症であるため、放置すると周囲の皮膚に感染が広がり、数が増えていくことがあります。1つだったイボがいつの間にか複数になっていた、というケースは珍しくありません。
複数のイボが融合してモザイク疣贅を形成すると、治療がさらに困難になります。
他の人にうつす可能性
イボは感染症であるため、家族や周囲の人にうつしてしまう可能性があります。特に同居している家族とは、バスマットやスリッパを共有していることが多く、知らないうちに感染を広げてしまうことがあります。
足の裏にイボがある場合は、できるだけ靴下を履いて生活し、バスマットやスリッパは他の人と共用しないようにすることが推奨されています。
痛みが生じる
足底疣贅は体重がかかる場所にできるため、大きくなると歩行時に痛みを感じるようになることがあります。靴を履いて歩くときや、長時間立っているときに不快感を覚えるようになります。
自然治癒の可能性もあるが時間がかかる
イボは免疫力によって自然に治ることもありますが、それには数か月から数年という長い時間がかかります。その間にイボが大きくなったり、増えたりするリスクもあるため、早めの治療が推奨されています。
6. 足のイボに対する治療法
治療の基本的な考え方
足のイボの治療は、日本皮膚科学会が発行する「尋常性疣贅診療ガイドライン2019」に基づいて行われます。このガイドラインでは、各治療法の推奨度がランク付けされており、科学的根拠に基づいた治療法の選択が可能になっています。
イボの治療において重要なのは、ウイルスに直接効く特効薬が存在しないということです。そのため、治療は主に感染した皮膚組織を物理的に除去するか、免疫力を活性化させてウイルスを排除するか、という2つのアプローチに分けられます。
治療には通常、ある程度の時間がかかります。1回の治療で完治することは稀であり、多くの場合、複数回の通院が必要になります。特に足の裏のイボは皮膚が厚いため、他の部位に比べて治りにくい傾向があります。
治療法の選択
治療法は、イボの大きさ、数、できている場所、患者さんの年齢や生活スタイルなどを考慮して選択されます。第一選択として液体窒素による冷凍凝固療法が行われることが多いですが、効果が不十分な場合には他の治療法を併用したり、切り替えたりすることもあります。
大切なのは、効果が不十分な治療を漫然と続けないことです。日本皮膚科学会のガイドラインでも、3か月ごとに治療効果を見直すことが推奨されています。
7. 液体窒素による冷凍凝固療法
冷凍凝固療法とは
液体窒素による冷凍凝固療法は、イボ治療の第一選択として最も広く行われている方法です。日本皮膚科学会のガイドラインでも推奨度Aランク(強く推奨)とされており、高い有効性が認められています。
この治療法では、マイナス196度という超低温の液体窒素を使用します。液体窒素を染み込ませた綿棒をイボに押し当て、凍結と解凍を数回繰り返します。これによってイボの組織が壊死し、かさぶたとなって剥がれ落ちます。同時に、局所的な炎症反応が起こることで免疫が活性化され、ウイルスの排除が促進されると考えられています。
治療の流れ
治療は通常、以下のような流れで行われます。
まず、イボの状態を確認し、必要に応じて表面の厚くなった角質を削ります。次に、液体窒素を染み込ませた綿棒やスプレーを使って、イボを数秒間凍結させます。この凍結と解凍のサイクルを3〜4回繰り返します。
治療後はそのまま日常生活を送ることができ、入浴も可能です。ただし、強い反応が出ると水ぶくれや血豆ができることがあります。これはむしろイボに十分なダメージを与えられた証拠でもあり、治療効果が期待できるサインです。
治療間隔と期間
冷凍凝固療法は、1〜2週間に1回の頻度で行います。保険診療では月に4回まで(5日以上の間隔を空けて)という制限があります。
治療期間は、イボの大きさや数、できている場所によって大きく異なります。小さなイボであれば数回で治ることもありますが、足の裏の大きなイボの場合は数か月から、場合によっては1年以上かかることもあります。
研究では、治療間隔を4週間以上空けると有効性が下がるという報告もあるため、定期的な通院を続けることが重要です。
治療時の痛み
冷凍凝固療法は治療時に痛みを伴います。冷たさとともに、ジリジリとした痛みを感じることがあります。痛みの程度は個人差がありますが、子どもでも耐えられる程度であることが多いです。
治療後も数時間から1〜2日程度、痛みや違和感が続くことがあります。翌日に長時間歩く予定がある場合は、事前に医師に伝えておくと、治療の強さを調整してもらえることがあります。
8. サリチル酸外用療法
サリチル酸による治療
サリチル酸は、皮膚の角質を軟化させて剥離を促す作用を持つ薬剤です。イボ治療においては、古い角質とともにウイルスに感染した組織を除去し、同時に免疫反応を活性化させる効果が期待されています。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、サリチル酸外用療法も推奨される治療法として位置づけられています。液体窒素による冷凍凝固療法と併用することで、より高い効果が得られるとする報告もあります。
使用方法
サリチル酸は軟膏タイプと貼り薬タイプ(スピール膏)があります。足の裏のイボには、濃度50%のスピール膏が使用されることが一般的です。
使用方法としては、イボより少し小さめにスピール膏を切って患部に貼り、入浴時に剥がしてから軟らかくなった角質を削り、毎日貼り替えるという作業を繰り返します。
注意点
サリチル酸を使用する際には、イボ以外の健康な皮膚に薬剤が付着しないよう注意が必要です。健康な皮膚にサリチル酸が付着すると、皮膚がふやけてジクジクとした状態になったり、かえってイボが広がってしまったりすることがあります。
また、子どもは皮膚が薄いため、サリチル酸による副作用が出やすいことがあります。使用する際は医師の指導に従うことが大切です。
9. ヨクイニン内服療法
ヨクイニンとは
ヨクイニンは、ハトムギの種子から作られる生薬です。古くから民間療法としてイボ治療に用いられてきた歴史があり、江戸時代からイボ治療に使用されていたという記録も残っています。
現在では、医療用医薬品としてヨクイニンエキスが処方されており、尋常性疣贅および青年性扁平疣贅に対して保険適用が認められています。日本皮膚科学会のガイドラインでは、推奨度Bとして位置づけられています。
作用機序
ヨクイニンの作用機序は完全には解明されていませんが、免疫系を緩やかに活性化させることでウイルスの排除を促すと考えられています。また、肌のターンオーバー(新陳代謝)を促進する効果もあるとされています。
効果と服用期間
ヨクイニンの効果には個人差があります。全国的な調査では、627例中236例でイボが消失したという結果が報告されています。
年齢別の有効率を見ると、乳幼児で71%、学童で74%、青年で57%、成人で20%と、若い年齢層ほど効果が高い傾向があります。
服用期間については、ガイドラインでは3か月程度を目安に効果判定を行うことが推奨されています。効果が出るまでに時間がかかることがあるため、根気強く続けることが大切です。
副作用
ヨクイニンは比較的安全性の高い生薬ですが、まれに胃の不快感、下痢、発疹、かゆみなどの副作用が報告されています。また、イネ科アレルギーがある方は服用を避ける必要があります。妊娠中の方も、子宮収縮作用があるため服用を控えるか、事前に医師に相談することが推奨されています。
10. その他の治療法
炭酸ガスレーザー治療
冷凍凝固療法で十分な効果が得られない難治性のイボに対しては、炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)による治療が選択肢となることがあります。
この治療では、レーザーでイボの組織を蒸散させて除去します。局所麻酔を行ったうえで施術するため、治療中の痛みは抑えられます。1回の治療で7〜8割の確率で治癒するという報告もあり、短期間での治療完了を目指す方には適した方法といえます。
ただし、足の裏のイボは根が深いことが多く、1回で完治しない場合は複数回の施術が必要になることがあります。また、治療後は皮膚にくり抜いたような凹みができるため、傷が塞がるまでの3〜4週間は軟膏を塗ってガーゼで保護する必要があります。
モノクロロ酢酸療法
モノクロロ酢酸は、強い腐食作用を持つ薬剤で、イボの組織を化学的に壊死させる治療法です。特に液体窒素では水ぶくれを作りにくい大きなイボや、足の裏の角質が厚い部分にあるイボに対して効果的とされています。
治療では、モノクロロ酢酸を患部に塗布し、壊死した組織をカミソリで削り取るという作業を繰り返します。液体窒素に比べて痛みが少ないという利点もあり、痛みに敏感な方や子どもの治療に用いられることがあります。
ブレオマイシン局所注入療法
ブレオマイシンは抗がん剤の一種ですが、イボに直接注入することで効果を発揮します。特に足の裏の難治性イボに対して高い効果があるとされ、最短2回の注射(約1か月半)で治癒したという報告もあります。
ただし、注射時に強い痛みを伴うことが難点です。他の治療法で効果が得られなかった場合の選択肢として位置づけられています。
接触免疫療法(DPCP療法)
DPCPという化学物質を塗布することで、かぶれの反応を利用してイボに対する免疫を活性化させる治療法です。痛みがほとんどないため、多発するイボや痛みに弱い患者さんに適しています。
外科的切除
メスを使ってイボを切除する方法もあります。ただし、足の裏は傷の治りが遅く、術後の痛みも考慮すると、積極的に選択されることは少ない治療法です。
11. 足のイボの予防法
感染予防の基本
足のイボを予防するためには、ヒトパピローマウイルスへの感染を避けることが重要です。以下のポイントを意識することで、感染リスクを減らすことができます。
まず、足元の清潔さを保つことが大切です。外出先から帰宅したら、石鹸で足をしっかり洗う習慣をつけましょう。特に指の間は汚れが溜まりやすいので、丁寧に洗うようにします。
公共施設での注意点
プールやスポーツジム、温泉施設など、裸足になる機会がある場所では特に注意が必要です。共用のシャワールームやプールサイドでは、できるだけサンダルやビーチサンダルを履くようにしましょう。
また、他の人が使用したタオルやスリッパの共用は避け、自分専用のものを使用することをおすすめします。
傷の管理
HPVは皮膚の小さな傷から侵入します。そのため、足の裏に傷やささくれがある場合は、絆創膏などで覆って保護することが効果的です。
水虫がある方は、皮膚のバリア機能が低下しているため、イボにも感染しやすい状態にあります。水虫の治療も並行して行うことが大切です。
免疫力の維持
免疫力が低下していると、ウイルスに感染しやすくなります。バランスの取れた食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレスの管理など、健康的な生活習慣を心がけることが予防につながります。
すでにイボがある場合の拡大防止
すでに足にイボができている場合は、他の部位や他の人への感染拡大を防ぐことが重要です。
イボには触らないようにし、どうしても気になる場合は早めに皮膚科を受診しましょう。自分で削ったり、いじったりすることは、イボを広げる原因になります。
家庭内での感染を防ぐためには、バスマットやスリッパの共用を避け、できるだけ靴下を履いて生活することが推奨されています。
12. 皮膚科を受診するタイミング
早期受診のメリット
足の裏に気になるできものを見つけたら、できるだけ早く皮膚科を受診することをおすすめします。
前述のとおり、イボは小さいうちに治療を始めれば比較的短期間で治ることが多いですが、大きくなってからでは治療期間が長くなります。また、数が増えてからでは治療の負担も増加します。
自己判断でイボコロリなどの市販薬を使用したり、自分で削ったりすることで症状を悪化させてしまうケースも報告されています。正確な診断を受け、適切な治療を行うことが重要です。
受診すべき症状
以下のような症状がある場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
足の裏に硬いできものがある場合は、イボ、ウオノメ、タコのいずれかの可能性があります。自己判断が難しい場合は、専門医の診断を受けましょう。
魚の目だと思っていたものが増えてきた場合は、実はイボである可能性が高いです。ウオノメは通常、刺激を受けている部位に限定されるため、数が増えることはあまりありません。
歩くと痛みを感じるようになった場合も受診のタイミングです。生活の質に影響を与える症状は、早めに対処することが大切です。
受診時の準備
皮膚科を受診する際は、いつ頃から症状があるか、どのような変化があったかなどを伝えられるよう準備しておくと、診察がスムーズに進みます。また、これまでに自分で行ったケアがあれば、それも伝えるようにしましょう。
13. 大宮エリアで足のイボ治療を受けるなら
アイシークリニック大宮院について
大宮駅周辺で足のイボの治療をお考えの方には、アイシークリニック大宮院がおすすめです。
当院では、専門医による丁寧な診察のもと、患者さん一人ひとりの症状や生活スタイルに合わせた治療計画をご提案いたします。足底疣贅の治療経験も豊富であり、液体窒素による冷凍凝固療法をはじめとする各種治療法に対応しております。
治療は長期にわたることも多い足のイボですが、当院では患者さんが安心して通院を続けられるよう、丁寧な説明とサポートを心がけております。
アクセス
アイシークリニック大宮院は、JR大宮駅から徒歩圏内に位置しており、通院にも便利な立地となっております。お仕事帰りや買い物のついでにもお立ち寄りいただけます。
足の裏のできものが気になる方、なかなか治らないイボでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
14. 治療中の日常生活での注意点
入浴について
液体窒素による治療を受けた当日でも、入浴は可能です。ただし、患部を強くこすったり、長時間湯船に浸かったりすることは避けましょう。
水ぶくれや血豆ができている場合は、無理に破らないようにしてください。自然に破れた場合は、清潔に保ち、必要に応じて絆創膏やガーゼで保護します。気になる症状がある場合は、次回の受診時に医師に相談するか、早めに受診してください。
運動やスポーツについて
治療後も通常の生活を送ることができますが、治療した部位に強い負担がかかる運動は、治療後数日間は控えたほうがよい場合があります。特に足の裏のイボを治療した場合、長時間の歩行やランニングなどは、痛みや不快感を増すことがあります。
スポーツをされている方は、治療のタイミングについて事前に医師と相談することをおすすめします。大会や重要な試合の直前は避けるなど、スケジュールを調整することで、治療と日常生活の両立が可能です。
仕事への影響
デスクワークの方であれば、治療当日からお仕事を続けることができます。立ち仕事や歩き回ることが多いお仕事の方は、治療後に多少の不快感を感じることがあるかもしれませんが、多くの場合、通常通りの業務が可能です。
どうしても心配な場合は、治療を週末前に受けるなど、スケジュールを工夫することも一つの方法です。
靴の選び方
イボの治療中は、足に負担がかかりにくい靴を選ぶことをおすすめします。クッション性のある靴、締め付けの少ない靴を履くことで、治療部位への刺激を減らすことができます。
ハイヒールやサイズの合わない靴は、足への負担が大きくなるため、治療中はできるだけ避けたほうがよいでしょう。
家族への配慮
イボはウイルス感染症であるため、同居している家族への感染を防ぐ配慮も大切です。
バスマットやスリッパ、タオルなどは家族と共用せず、できるだけ個人専用のものを使用してください。足の裏にイボがある場合は、家の中でも靴下を履いて過ごすことで、床を介した感染リスクを減らすことができます。
治療を開始すれば、ウイルスの感染力は低下するとされていますので、過度に心配する必要はありません。日常的な衛生管理を心がけることが大切です。
治療のモチベーション維持
イボの治療は長期にわたることが多く、なかなか効果が見えないと感じることもあるかもしれません。しかし、治療を途中で中断してしまうと、また元の状態に戻ってしまうことがあります。
治療の経過を写真で記録しておくと、少しずつでも改善していることが確認でき、モチベーションの維持に役立ちます。また、治療についての疑問や不安があれば、遠慮なく医師に相談してください。
15. 足のイボに関するセルフチェック
こんな症状はありませんか?
ご自身の足の状態をチェックしてみましょう。以下の項目に当てはまる場合は、皮膚科の受診をおすすめします。
足の裏や指に硬いできものがある、表面がザラザラしている、できものが増えてきた、歩くと痛みを感じることがある、表面に黒い点々が見える、削ると出血する、子どもの足にウオノメのようなものがある、タコやウオノメだと思っていたものがなかなか治らない、これらの症状がある場合は、イボの可能性があります。
セルフケアは要注意
足のできものを自己判断で削ったり、市販薬で治療しようとしたりすることは、症状を悪化させる原因になることがあります。
特に、イボをウオノメやタコと間違えて自分で削ってしまうと、ウイルスが周囲に広がり、イボが増えてしまうことがあります。また、イボコロリなどの市販薬を使用することで、かえって症状が悪化してしまうケースも報告されています。
自己判断での処置は避け、まずは皮膚科で正確な診断を受けることが大切です。

16. よくある質問
A. ウイルス性イボは、免疫力によって自然に治ることがあります。しかし、それには数か月から数年という長い時間がかかることがあり、その間にイボが大きくなったり、増えたりするリスクがあります。早めに治療を始めることをおすすめします。
A. はい、イボはヒトパピローマウイルスによる感染症であるため、他の人にうつる可能性があります。直接接触だけでなく、タオルやバスマットの共用を通じて間接的に感染することもあります。ただし、感染力がそれほど高いわけではないため、日常生活で神経質になりすぎる必要はありません。
Q. 市販薬でイボは治せますか?
A. 市販のイボ治療薬(サリチル酸製剤や凍結スプレーなど)で治るケースもありますが、足の裏のイボは皮膚が厚いため効果が不十分なことが多いです。また、イボをウオノメやタコと間違えて市販薬を使用し、症状を悪化させてしまうこともあります。正確な診断を受けたうえで適切な治療を行うことが大切です。
Q. 治療にはどのくらいの期間がかかりますか?
A. 治療期間はイボの大きさ、数、できている場所によって大きく異なります。小さなイボであれば数回の治療で治ることもありますが、足の裏の大きなイボの場合は数か月から1年以上かかることもあります。根気強く治療を続けることが重要です。
Q. 治療は痛いですか?
A. 液体窒素による冷凍凝固療法は、治療時に冷たさとともに痛みを感じることがあります。痛みの程度は個人差がありますが、多くの方が耐えられる程度です。痛みが心配な場合は、治療前に医師にご相談ください。痛みの少ない治療法もありますので、状況に応じて対応いたします。
Q. 治療後にまた再発することはありますか?
A. イボは治療後に再発することがあります。これはウイルスの潜伏期間が3〜6か月あるためで、治療時に見えていなかったウイルスが後から症状として現れることがあります。再発した場合は、早めに再治療を行うことが大切です。
Q. 子どものイボも治療できますか?
A. はい、お子さんのイボも治療可能です。当院では、お子さんでも安心して治療を受けられるよう配慮しております。痛みに敏感なお子さんには、痛みの少ない治療法を選択することもできます。
17. まとめ
足にできるイボ(足底疣贅)は、ヒトパピローマウイルスの感染によって引き起こされる皮膚疾患です。見た目がウオノメやタコと似ているため混同されやすいですが、ウイルス感染症であるため、放置すると数が増えたり、他の人にうつしたりする可能性があります。
足のイボの治療には、液体窒素による冷凍凝固療法が第一選択として広く用いられています。そのほかにも、サリチル酸外用療法、ヨクイニン内服療法、レーザー治療など、さまざまな治療法があります。治療期間は個人差がありますが、早期に治療を始めることで治療期間を短縮できる可能性があります。
予防のためには、足元の清潔を保つこと、公共施設ではサンダルを履くこと、傷を適切に管理すること、免疫力を維持することが大切です。
足の裏の硬いできものが気になる方、なかなか治らないイボでお悩みの方は、ぜひ皮膚科を受診して正確な診断を受けてください。大宮エリアにお住まいの方は、アイシークリニック大宮院にお気軽にご相談ください。経験豊富な医師が、患者さん一人ひとりに最適な治療をご提案いたします。
参考文献
- イボとミズイボ、ウオノメとタコ─どう違うのですか?─|皮膚科Q&A|公益社団法人日本皮膚科学会
- 疣贅(いぼ)|MSDマニュアル家庭版
- 疣贅|MSDマニュアルプロフェッショナル版
- いぼ(尋常性疣贅)|ひふ研|第一三共ヘルスケア
- 尋常性疣贅診療ガイドライン2019(第1版)|Mindsガイドラインライブラリ
- 一般公開ガイドライン|公益社団法人日本皮膚科学会
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務