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しもやけに漢方は効果的?当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効能と治療法を医師が解説

冬になると手足の指先が赤く腫れてかゆくなる「しもやけ」に悩まされている方は少なくありません。しもやけは寒さによる血行不良が原因で起こる皮膚疾患ですが、毎年繰り返す方も多く、効果的な治療法を探している方も多いのではないでしょうか。

しもやけの治療には、西洋薬による対症療法だけでなく、漢方薬による体質改善も有効な選択肢です。特に「当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)」は、古くからしもやけに用いられてきた漢方薬として知られています。

本記事では、アイシークリニック大宮院の医師監修のもと、しもやけに対する漢方治療の効果や当帰四逆加呉茱萸生姜湯の特徴、服用時の注意点などを詳しく解説します。しもやけにお悩みの方はぜひ参考にしてください。


目次

  1. 📌 しもやけとは?原因とメカニズムを解説
  2. 💊 しもやけに漢方薬が効果的な理由
  3. 🔍 当帰四逆加呉茱萸生姜湯とは?構成生薬と効能
  4. 📝 当帰四逆加呉茱萸生姜湯の服用方法と注意点
  5. 🎯 しもやけに使われるその他の漢方薬
  6. 💡 漢方と西洋薬の併用について
  7. ⚠️ しもやけを予防する日常生活のポイント
  8. 🏥 しもやけで病院を受診する目安
  9. 📋 よくある質問
  10. 📚 参考文献

この記事のポイント

しもやけ(凍瘡)は寒冷刺激による末梢血行不良が原因で、漢方薬「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」が血行促進・体質改善に有効。アイシークリニック大宮院では西洋薬との併用治療を推奨している。

🎯 しもやけとは?原因とメカニズムを解説

この章では、しもやけの基本的なメカニズムと症状、発症しやすい人の特徴について詳しく解説します。

しもやけ(凍瘡)は、寒冷刺激によって末梢の血管が収縮と拡張を繰り返すことで起こる炎症性の皮膚疾患です。医学的には「凍瘡(とうそう)」と呼ばれ、手足の指先や耳たぶ、鼻先、かかとなど、体の末端部分に発症しやすい特徴があります。

🔸 しもやけの主な症状

しもやけの症状は、発症の程度や進行状況によって異なります。初期段階では皮膚が赤紫色に変色し、軽いかゆみを感じる程度ですが、症状が進行するとさまざまな不快な症状が現れます。

具体的には、患部が腫れて熱感を伴うようになり、かゆみが強くなります。特に暖かい場所に入ったときにかゆみが増強するのが特徴的です。さらに悪化すると、水疱(水ぶくれ)ができたり、皮膚がただれたりすることもあります。重症例では潰瘍を形成し、痛みを伴うこともあります。

🔸 しもやけが起こるメカニズム

しもやけは、寒冷刺激を受けた末梢血管の異常な反応によって引き起こされます。通常、寒さにさらされると血管は収縮して体温を逃がさないように働きます。しかし、寒暖差が激しい環境では血管の収縮と拡張が急激に繰り返されるため、血管壁に障害が生じます。

この血管障害によって血液の循環が悪くなると、組織に十分な酸素や栄養が行き渡らなくなります。同時に、血管の透過性が亢進して血漿成分が血管外に漏れ出し、炎症反応が起こります。これがしもやけの症状として現れるのです。

特に1日の気温差が10℃以上ある時期(晩秋から初冬、早春など)に発症しやすく、真冬よりもむしろ気温の変動が大きい季節に多く見られます。また、湿度が高い環境や、手足を濡れたままにしておくことも発症リスクを高めます。

🔸 しもやけになりやすい人の特徴

しもやけは誰でも発症する可能性がありますが、特になりやすい体質や条件があります。以下のような方は注意が必要です。

まず、もともと冷え性で手足の末端が冷えやすい方はしもやけになりやすい傾向があります。これは末梢の血液循環が悪いため、寒冷刺激の影響を受けやすいことが原因です。

また、低血圧の方や貧血気味の方も血行不良を起こしやすいため、しもやけのリスクが高くなります。女性は男性に比べて筋肉量が少なく、熱を産生しにくいことから、しもやけを発症する割合が高いとされています。

子どもや高齢者も要注意です。子どもは皮膚が薄く血管の調節機能が未熟なため、高齢者は動脈硬化や血管の弾力性低下により、どちらもしもやけを起こしやすい状態にあります。

さらに、汗をかきやすい体質の方も注意が必要です。汗で濡れた皮膚が冷えることで、しもやけが起こりやすくなります。屋外で作業する機会が多い方や、水仕事が多い方も同様のリスクがあります。

冬の寒さ対策については、「大寒波の体調管理|ヒートショック・低体温症・感染症を予防する方法を解説」の記事も参考にしてください。

Q. しもやけが発症しやすい時期と原因は何ですか?

しもやけ(凍瘡)は、真冬よりも1日の気温差が10℃以上になる晩秋から初冬・早春に発症しやすい炎症性皮膚疾患です。寒冷刺激によって末梢血管が急激に収縮と拡張を繰り返すことで血管壁が傷つき、血行不良と炎症が起こります。

💊 しもやけに漢方薬が効果的な理由

ここでは、なぜ漢方薬がしもやけに効果的なのか、その理論と実際のメリットについて詳しく解説します。

しもやけの治療には西洋医学による対症療法と、漢方医学による体質改善の両方のアプローチがあります。漢方薬がしもやけに効果的とされる理由について詳しく解説します。

🔸 漢方医学における「冷え」の考え方

漢方医学では、しもやけを「血虚(けっきょ)」や「瘀血(おけつ)」、「陽虚(ようきょ)」といった体質の偏りと関連付けて考えます。血虚とは血液が不足している状態、瘀血とは血液の流れが滞っている状態、陽虚とは体を温める力が不足している状態を指します。

これらの状態が重なると、体の末端まで血液が十分に巡らなくなり、しもやけを起こしやすい体質になります。漢方薬は、これらの体質の偏りを改善することで、しもやけになりにくい体づくりを目指します。

🔸 西洋薬と漢方薬の違い

西洋薬によるしもやけの治療は、主に症状に対する対症療法が中心です。血管拡張薬やビタミンE製剤で血行を促進したり、ステロイド外用薬で炎症を抑えたりする方法が一般的です。これらの薬は即効性があり、急性期の症状緩和に優れています。

一方、漢方薬は体質そのものに働きかけて、しもやけになりにくい体質への改善を目指します。効果が現れるまでに時間がかかることもありますが、根本的な体質改善によって、しもやけの予防や再発防止が期待できます。

特に毎年しもやけを繰り返す方や、冷え性がひどい方には漢方薬による治療が適しているといえます。西洋薬で急性期の症状を抑えながら、漢方薬で体質改善を図るという併用療法も有効なアプローチです。

🔸 漢方薬に期待できる効果

しもやけに対する漢方薬の効果は、大きく分けて3つあります。

1つ目は、血行促進作用です。血流を改善する生薬が配合された漢方薬は、末梢の血液循環を良くして、手足の冷えを改善します。これにより、しもやけの症状緩和や予防につながります。

2つ目は、体を温める作用です。漢方医学では「温裏(おんり)」と呼ばれる作用で、体の内側から温める力を高めます。これにより、寒冷刺激に対する抵抗力が向上します。

3つ目は、炎症を鎮める作用です。すでに発症したしもやけの炎症を抑え、かゆみや腫れを軽減する効果が期待できます。


🔸 漢方薬に期待できる効果

🔍 当帰四逆加呉茱萸生姜湯とは?構成生薬と効能

この章では、しもやけに最も効果的とされる「当帰四逆加呉茱萸生姜湯」について、その歴史から成分、効能まで詳しく解説します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)は、しもやけに対して最もよく処方される漢方薬の一つです。その名前からもわかるように、「当帰四逆湯」という処方に「呉茱萸」と「生姜」を加えたものです。

🔸 当帰四逆加呉茱萸生姜湯の歴史

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、約1800年前の中国で著された「傷寒論(しょうかんろん)」という古典医学書に記載されている処方です。傷寒論は、漢の時代の名医・張仲景(ちょうちゅうけい)によって書かれたとされ、風邪や感染症の治療法をまとめた書物として知られています。

この処方は、「手足厥寒(てあしけつかん)」、つまり手足が冷え切っている状態に対して用いられてきました。日本でも古くから冷え性やしもやけの治療に用いられており、現在も医療用漢方製剤として保険適用で処方されています。

🔸 構成生薬とそれぞれの働き

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、9種類の生薬で構成されています。それぞれの生薬が持つ働きについて解説します。

📌 当帰(とうき)はセリ科の植物の根を乾燥させたもので、血液を補い血行を促進する作用があります。血虚を改善する代表的な生薬で、多くの婦人科系の漢方薬にも配合されています。

📌 桂皮(けいひ)はクスノキ科のシナモンの樹皮で、体を温めて血行を促進する作用があります。発汗作用もあり、風邪の初期にも用いられます。

📌 芍薬(しゃくやく)はボタン科の植物の根で、血液を補い筋肉の緊張を緩める作用があります。当帰との相乗効果で血行改善効果を高めます。

📌 細辛(さいしん)はウマノスズクサ科の植物で、体を温め痛みを和らげる作用があります。特に手足の冷えによる痛みに効果的です。

📌 木通(もくつう)はアケビ科の植物のつるで、水分代謝を調整し、むくみを改善する作用があります。血流の改善にも寄与します。

📌 甘草(かんぞう)はマメ科の植物の根で、他の生薬の作用を調和させ、炎症を抑える働きがあります。

📌 大棗(たいそう)はナツメの果実で、消化機能を整え、他の生薬の作用を穏やかにします。

📌 呉茱萸(ごしゅゆ)はミカン科の植物の果実で、強い温熱作用があり、体の深部から温めます。特に下腹部や手足の冷えに効果的です。

📌 生姜(しょうきょう)は生のショウガで、体を温め、胃腸の働きを助けます。呉茱萸との相乗効果で温熱作用が強まります。

🔸 当帰四逆加呉茱萸生姜湯の効能・効果

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、医療用医薬品として以下の効能・効果が認められています。

主な適応症として、しもやけ、頭痛、下腹部痛、腰痛、下痢、月経痛などがあります。これらはいずれも「冷え」が関係する症状であり、体を温めて血行を改善することで効果を発揮します。

特にしもやけに対しては、血行を促進して末梢の冷えを改善するとともに、炎症を抑えてかゆみや腫れを軽減する効果が期待できます。また、体質改善によって、しもやけの予防や再発防止にも効果があるとされています。

🔸 当帰四逆加呉茱萸生姜湯が適している人

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、漢方医学でいう「証(しょう)」が合う人に処方されます。この漢方薬が適しているのは、以下のような特徴を持つ方です。

体力が中程度以下で、手足の冷えが強い方が主な対象となります。特に手足の末端が冷えて紫色になりやすい方、冷えると痛みを感じる方に適しています。

また、顔色が青白い、貧血気味である、寒がりで厚着をしがちといった特徴がある方にも向いています。逆に、体力が充実していて暑がりの方、顔が赤くのぼせやすい方には適さないことがあります。

Q. 当帰四逆加呉茱萸生姜湯はどんな生薬で構成されていますか?

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は9種類の生薬で構成されています。血行を補う当帰・芍薬、体を温める桂皮・細辛・呉茱萸・生姜、水分代謝を助ける木通、炎症を抑える甘草、胃腸を整える大棗が配合されており、これらが相乗的に冷えと血行不良を改善します。

📝 当帰四逆加呉茱萸生姜湯の服用方法と注意点

ここでは、効果を最大限に発揮するための正しい服用方法と、安全に使用するための重要な注意点について解説します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯を効果的に服用するために、正しい飲み方や注意点について解説します。

🔸 服用方法

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、一般的に1日2〜3回に分けて服用します。医療用漢方製剤の場合は、エキス剤として顆粒状になっているものが多く、食前または食間(食事と食事の間、空腹時)に服用するのが基本です。

服用の際は、白湯(さゆ)または水で服用します。漢方薬は温かいお湯で溶かして服用すると効果が高まるとされていますが、特に当帰四逆加呉茱萸生姜湯のような温める作用を持つ漢方薬は、白湯で服用することで体を温める効果がより高まります。

服用量は年齢や症状によって異なりますので、医師の指示に従って服用してください。自己判断で増量したり減量したりしないようにしましょう。

🔸 効果が現れるまでの期間

漢方薬の効果が現れるまでの期間は、症状や体質によって個人差があります。当帰四逆加呉茱萸生姜湯の場合、しもやけの症状改善には通常1〜2週間程度で効果を実感し始める方が多いとされています。

ただし、これは急性期の症状改善の場合であり、体質改善を目的とする場合はより長期間の服用が必要になることがあります。しもやけになりにくい体質を作るためには、寒い季節を通して継続的に服用することが推奨されます。

効果を感じられない場合や、服用を続けても症状が改善しない場合は、証が合っていない可能性があります。その場合は医師に相談して、他の漢方薬への変更を検討することをおすすめします。

⚠️ 副作用と注意事項

⚠️ 注意!

漢方薬は一般的に副作用が少ないとされていますが、まったく副作用がないわけではありません。

最も注意が必要なのは、甘草による「偽アルドステロン症」です。甘草を含む漢方薬を長期間服用すると、むくみや血圧上昇、低カリウム血症などの症状が現れることがあります。特に高齢者や、他の甘草を含む漢方薬を併用している方は注意が必要です。

また、胃腸が弱い方では、服用後に胃もたれや食欲不振、吐き気などの消化器症状が現れることがあります。このような症状が続く場合は、食後に服用するか、医師に相談してください。

まれに、皮膚の発疹やかゆみなどのアレルギー反応が起こることもあります。服用後に異常を感じた場合は、すぐに服用を中止して医師に相談してください。

🚨 服用を避けるべき人

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、以下のような方には適さない場合があります。

暑がりで汗をかきやすい方、のぼせやすい方は、この漢方薬の温める作用が逆効果になることがあります。顔が赤くほてりやすい方、高血圧の方も注意が必要です。

妊娠中の方は、服用前に必ず医師に相談してください。当帰四逆加呉茱萸生姜湯に含まれる一部の生薬は、子宮を収縮させる作用があるとされています。

また、他の薬を服用している方、持病のある方も、必ず医師や薬剤師に相談してから服用を開始してください。

🎯 しもやけに使われるその他の漢方薬

当帰四逆加呉茱萸生姜湯以外にも、しもやけに効果的な漢方薬があります。体質や症状に応じて適切な漢方薬を選択することが重要です。

🔸 桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん)

桂枝茯苓丸は、瘀血(おけつ)を改善する代表的な漢方薬です。血液の流れが滞っている状態を改善し、血行を促進します。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯が「冷え」を主な対象とするのに対し、桂枝茯苓丸は「血の滞り」を主な対象とします。のぼせやすいけれど足は冷える、いわゆる「冷えのぼせ」がある方に適しています。

しもやけの患部が暗紫色になりやすい方、月経不順や月経痛を伴う方にも効果的とされています。

🔸 温経湯(うんけいとう)

温経湯は、血虚(血液不足)と瘀血(血の滞り)、そして冷えを同時に改善する漢方薬です。経絡(気血の通り道)を温めることからこの名前がつけられています。

手のひらがほてるのに手足の先は冷える、唇が乾燥しやすいといった症状がある方に適しています。婦人科系の漢方薬としても広く使われており、月経不順や不妊症にも用いられます。

🔸 加味逍遙散(かみしょうようさん)

加味逍遙散は、ストレスや自律神経の乱れが関与する冷えに効果的な漢方薬です。精神的なストレスが多い方、イライラしやすい方、不安感が強い方に向いています。

ストレスによって血流が悪くなり、しもやけが悪化しやすい方には、体質改善として加味逍遙散が処方されることがあります。

🔸 四物湯(しもつとう)

四物湯は、血液を補う「補血(ほけつ)」の基本処方とされる漢方薬です。当帰、芍薬、川芎(せんきゅう)、地黄(じおう)の4種類の生薬で構成されています。

貧血傾向があり、皮膚が乾燥しやすく、しもやけになりやすい方に適しています。血液を補うことで、末梢まで血液が行き渡りやすくなり、しもやけの予防・改善に効果を発揮します。

💡 漢方薬の選び方

💡 ポイント

漢方薬は、同じ「しもやけ」という症状に対しても、その人の体質や全身状態によって適切な処方が異なります。

自己判断で漢方薬を選ぶのではなく、漢方に詳しい医師や薬剤師に相談することをおすすめします。

特に、市販の漢方薬を購入する際は、説明書をよく読み、自分の体質に合っているかどうかを確認してください。服用しても効果が感じられない場合や、副作用と思われる症状が現れた場合は、速やかに服用を中止して医療機関を受診してください。

Q. しもやけに漢方薬と西洋薬を併用する効果は?

アイシークリニック大宮院では、しもやけに対して漢方薬と西洋薬の併用治療を推奨しています。西洋薬の外用薬(ビタミンE軟膏・ステロイド剤など)で急性期のかゆみや腫れを速やかに抑えながら、漢方薬で血行促進・体質改善を図ることで、症状の早期緩和と再発予防の両方が期待できます。

💡 漢方と西洋薬の併用について

ここでは、漢方薬と西洋薬を安全かつ効果的に併用するためのポイントについて詳しく解説します。

しもやけの治療では、漢方薬と西洋薬を併用することで、より効果的な治療が期待できる場合があります。ここでは、併用のメリットと注意点について解説します。

🔸 西洋医学によるしもやけの治療

西洋医学では、しもやけに対して以下のような治療が行われます。

外用薬としては、血行を促進するビタミンE配合軟膏やヘパリン類似物質含有クリーム、炎症を抑えるステロイド外用薬などが使用されます。かゆみが強い場合は、抗ヒスタミン成分を含む外用薬も用いられます。

内服薬としては、血管を拡張して血流を改善するビタミンE製剤や、末梢循環改善薬が処方されることがあります。重症例では、プロスタグランジン製剤などの血管拡張薬が使用される場合もあります。

✨ 併用のメリット

漢方薬と西洋薬を併用することで、それぞれの長所を活かした治療が可能になります。

西洋薬の外用薬は、しもやけの患部に直接作用して、かゆみや腫れを速やかに抑えます。一方、漢方薬は内側から体質を改善し、しもやけになりにくい体づくりに貢献します。

急性期の症状が強い時期は西洋薬で症状を抑え、同時に漢方薬で体質改善を図ることで、症状の早期改善と再発予防の両方が期待できます。

⚠️ 併用時の注意点

漢方薬と西洋薬を併用する際には、いくつかの注意点があります。

まず、必ず医師や薬剤師に併用していることを伝えてください。漢方薬と西洋薬の組み合わせによっては、相互作用が起こる可能性があります。特に、持病があり他の薬を服用している方は注意が必要です。

また、複数の漢方薬を同時に服用することは避けてください。同じ生薬が重複して過剰摂取になったり、相反する作用を持つ生薬が含まれていたりする可能性があります。

市販の風邪薬や胃腸薬の中には、甘草が含まれているものがあります。当帰四逆加呉茱萸生姜湯にも甘草が含まれているため、これらを併用すると甘草の過剰摂取につながる恐れがあります。市販薬を使用する際も、成分を確認するようにしてください。

⚠️ しもやけを予防する日常生活のポイント

漢方薬による治療と並行して、日常生活での予防対策を行うことで、しもやけの発症や悪化を防ぐことができます。

🔸 保温対策を徹底する

しもやけ予防の基本は、手足を冷やさないことです。外出時は手袋や厚手の靴下、耳当てなどを着用し、末端部分を寒さから守りましょう。

特に注意したいのが、濡れた状態で冷やさないことです。汗をかいた靴下や手袋はすぐに取り替え、雨や雪で濡れた場合は速やかに乾かしてください。濡れた状態で冷えると、しもやけになるリスクが大幅に高まります。

室内でも足元は冷えやすいため、厚手の靴下やルームシューズを履くことをおすすめします。床暖房がない場合は、足元にカーペットや断熱マットを敷くと効果的です。

🔸 適度な運動で血行を促進する

運動不足は血行不良の原因となり、しもやけのリスクを高めます。日常的に適度な運動を行い、全身の血液循環を良くしましょう。

ウォーキングやストレッチ、軽い筋トレなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけてください。特に、ふくらはぎは「第二の心臓」と呼ばれ、下半身の血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしています。かかとの上げ下げ運動や、つま先立ちなどでふくらはぎを刺激すると、末梢の血行改善に効果的です。

デスクワークなど長時間同じ姿勢が続く場合は、1時間に1回程度は立ち上がって体を動かすようにしましょう。

🔸 入浴で体を温める

入浴は全身を温め、血行を促進する効果的な方法です。シャワーだけで済ませず、湯船にゆっくりつかる習慣をつけましょう。

お湯の温度は38〜40℃程度のぬるめに設定し、10〜15分程度つかるのがおすすめです。熱すぎるお湯は逆に体の表面だけが温まり、体の芯まで温まりにくくなります。また、入浴後は体が冷えないうちに就寝するか、厚手の靴下を履くなどの対策をとりましょう。

炭酸入浴剤や生姜を入れた入浴は、血行促進効果が高まるとされています。しもやけ予防の一助として取り入れてみてはいかがでしょうか。

🔸 食事で体を温める

食事の内容も、しもやけ予防に関係しています。体を温める食材を積極的に取り入れ、体を冷やす食材は控えめにしましょう。

体を温める食材としては、生姜、ネギ、にんにく、ニラ、唐辛子などの香味野菜や、羊肉、牛肉、鶏肉などの肉類、鮭、エビ、カニなどの魚介類が挙げられます。根菜類(大根、人参、ゴボウなど)も体を温める効果があるとされています。

逆に、体を冷やすとされる食材には、キュウリ、トマト、ナスなどの夏野菜や、バナナ、スイカなどの南国の果物があります。これらは冬場は控えめにするか、加熱調理して食べることをおすすめします。

また、冷たい飲み物や食べ物は体を内側から冷やしますので、なるべく温かいものを摂るようにしましょう。

🚫 禁煙を心がける

タバコに含まれるニコチンは、血管を収縮させて血行を悪くする作用があります。喫煙習慣がある方は、しもやけになりやすい傾向があります。

しもやけを予防・改善するためには、禁煙が効果的です。禁煙が難しい場合は、少しずつでも本数を減らす努力をしてみてください。

✋ マッサージで末梢の血行を促す

手足の指先をマッサージすることで、末梢の血行を促進できます。入浴中や就寝前など、リラックスした時間にマッサージを行う習慣をつけましょう。

指の根元から指先に向かって、軽く揉みほぐすようにマッサージします。爪の周りを軽く押すのも効果的です。ただし、すでにしもやけができている部分は、強くこすったり揉んだりすると悪化する恐れがあるため、やさしく触れる程度にとどめてください。

低体温症の予防も含め、冬の体調管理については、「低体温症の症状とは?初期症状から重症化のサインまで医師が解説」もご参照ください。

Q. しもやけを予防するための日常生活での対策は?

しもやけ予防には、手袋・厚手の靴下で末端を保温し、濡れたままにしないことが基本です。また、ふくらはぎを刺激する運動で血行を促進し、38〜40℃のぬるめの湯船に10〜15分つかる習慣が効果的です。生姜・ネギなど体を温める食材を積極的に摂り、喫煙は血管収縮を招くため禁煙も重要です。

🏥 しもやけで病院を受診する目安

軽度のしもやけは、保温対策やセルフケアで改善することも多いですが、症状が重い場合や長引く場合は医療機関を受診することをおすすめします。

🚨 受診が必要な症状

以下のような症状がある場合は、早めに皮膚科を受診してください。

まず、水疱(水ぶくれ)ができている場合は受診が必要です。水疱は破れると感染症のリスクが高まるため、適切な処置が必要です。自分でつぶしたりせず、医療機関で処置を受けてください。

皮膚がただれている、潰瘍ができている場合も要注意です。重症のしもやけは壊疽(えそ)に進行する可能性があるため、速やかに受診してください。

強い痛みがある場合、感覚がなくなっている場合も危険なサインです。神経や組織が障害されている可能性があります。

市販薬やセルフケアを2週間以上続けても改善しない場合、症状が悪化している場合も受診をおすすめします。

また、しもやけ以外の病気(膠原病、末梢動脈疾患など)が隠れている可能性もあります。毎年しもやけを繰り返す方、季節を問わずしもやけのような症状が出る方は、一度精密検査を受けることをおすすめします。

🔸 受診する診療科

しもやけは皮膚の病気ですので、基本的には皮膚科を受診します。皮膚科では、症状の程度に応じた外用薬や内服薬の処方を受けることができます。

漢方薬による治療を希望する場合は、漢方外来のある医療機関や、漢方に詳しい医師のいる内科を受診するとよいでしょう。体質に合った漢方薬を処方してもらうことができます。

冷え性が強い場合や、全身的な不調がある場合は、内科を受診して全身状態を確認してもらうことも大切です。貧血や甲状腺機能低下症など、冷えの原因となる病気が隠れていないかチェックしてもらいましょう。

手荒れがひどい場合の対処法については、「手荒れがひどい時は皮膚科へ|受診の目安や治療法・セルフケアを解説」の記事も参考になさってください。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太医師(当院治療責任者)より

「アイシークリニック大宮院では、冬から初春にかけてしもやけの患者さんが増加する傾向にあります。特に冷え性を自覚されている女性や、水仕事が多い方からのご相談が目立ちます。当院では、患者さんの体質や生活環境をしっかりとお聞きした上で、西洋薬と漢方薬を組み合わせた治療をご提案しています。当帰四逆加呉茱萸生姜湯をはじめとする漢方薬は、しもやけの症状改善だけでなく、冷えにくい体質づくりにも効果が期待できます。毎年しもやけに悩まされている方は、症状が出る前の早めの時期からの予防的な服用もおすすめしています。お気軽にご相談ください。」

📋 よくある質問

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は市販で購入できますか?

当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、医療用医薬品として病院で処方されるものと、一般用医薬品(市販薬)として薬局やドラッグストアで購入できるものがあります。市販薬は手軽に入手できますが、効果を最大限に発揮するには体質に合っているかどうかが重要です。初めて服用する場合や、効果を感じにくい場合は、医師に相談して処方を受けることをおすすめします。

当帰四逆加呉茱萸生姜湯はどのくらいの期間服用すればよいですか?

症状改善の目的であれば、通常1〜2週間程度で効果を実感し始める方が多いです。ただし、体質改善や予防目的の場合は、寒い季節を通して継続的に服用することが推奨されます。長期服用する場合は、副作用の確認のため定期的に医師の診察を受けることをおすすめします。効果や服用期間については個人差がありますので、医師に相談しながら調整してください。

漢方薬でしもやけを予防することはできますか?

はい、漢方薬による体質改善によって、しもやけになりにくい体づくりが期待できます。毎年しもやけを繰り返す方は、症状が出る前の秋口から漢方薬を服用し始めることで、予防効果が期待できます。当帰四逆加呉茱萸生姜湯は、血行を促進し体を温める作用があるため、冷えによるしもやけの予防に適しています。

しもやけに漢方薬と西洋薬を併用しても大丈夫ですか?

基本的には漢方薬と西洋薬の併用は可能です。急性期の症状には西洋薬の外用薬で対処し、同時に漢方薬で体質改善を図るという治療法は効果的なアプローチです。ただし、併用する場合は必ず医師や薬剤師に相談してください。特に他の持病があり、複数の薬を服用している方は、相互作用のリスクがあるため注意が必要です。

子どもや妊婦も当帰四逆加呉茱萸生姜湯を服用できますか?

子どもへの投与は可能ですが、年齢に応じた用量調整が必要です。医師の指示に従って服用してください。妊娠中の方については、一部の生薬が子宮収縮作用を持つ可能性があるため、服用前に必ず医師に相談してください。授乳中の方も、念のため医師に相談してから服用することをおすすめします。

しもやけがかゆい時はどうすればよいですか?

かゆみが強い時は、患部を冷やすことで一時的にかゆみを和らげることができます。ただし、冷やしすぎは逆効果になるため、氷などで直接冷やすのは避け、冷たいタオルを当てる程度にしてください。かきむしると症状が悪化するため、爪を短く切っておくことも大切です。市販のかゆみ止め外用薬を使用する方法もありますが、症状が強い場合は皮膚科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。


📚 参考文献

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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