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老人性血管腫の「取り放題」プランとは?治療法から費用まで徹底解説

はじめに

鏡を見たときに、身体や顔に赤い小さな点々が増えていることに気づいたことはありませんか。これは「老人性血管腫」と呼ばれる良性の皮膚病変で、加齢とともに多くの方に現れる症状です。特に40代以降になると急激に増加し、50代以降では大半の方に何らかの形で見られるようになります。

老人性血管腫は医学的には全く問題のない良性腫瘍ですが、見た目が気になるという方も少なくありません。特に顔や首、腕など人目につきやすい部位に複数できると、美容的な悩みとなることがあります。また、数が多いと一つひとつ治療するには費用がかさむのではないかと心配される方もいらっしゃいます。

そこで注目されているのが「取り放題」という治療プランです。複数の老人性血管腫を定額で治療できるこのプランは、多くの血管腫にお悩みの方にとって経済的かつ効率的な選択肢となっています。

本記事では、老人性血管腫の基礎知識から治療方法、そして取り放題プランの詳細まで、アイシークリニック大宮院での治療を含めて詳しく解説していきます。

老人性血管腫とは

老人性血管腫の基本的な特徴

老人性血管腫(ろうじんせいけっかんしゅ)は、医学的には「cherry angioma(チェリー血管腫)」や「senile angioma(老人性血管腫)」とも呼ばれる良性の皮膚腫瘍です。毛細血管が増殖して塊を作ることで形成される病変で、通常は直径1~6mm程度の赤い丘疹として現れます。

名称に「老人性」という言葉が含まれていますが、必ずしも高齢者だけに現れるわけではありません。早い方では20代後半から出現し始め、加齢とともに徐々に数が増加していきます。日本皮膚科学会の報告によれば、40代以降の約75%以上の方に何らかの形で老人性血管腫が認められるとされています。

老人性血管腫の見た目と症状

老人性血管腫の典型的な特徴は以下の通りです:

色:鮮やかな赤色から暗赤色、時に紫がかった色調を呈します。これは血管の増殖によるもので、血液の色がそのまま皮膚表面に透けて見えている状態です。

大きさ:多くは1~3mm程度の小さな点状ですが、まれに6mmを超えるものもあります。時間とともにゆっくりと大きくなることがありますが、急激な増大は稀です。

形状:通常は円形または半球状に盛り上がっています。表面は滑らかで光沢があることが多く、触れると硬さを感じることもあります。

分布:体幹部(胸や腹部、背中)に最も多く見られますが、顔面、四肢、首など、ほぼ全身のどこにでも出現する可能性があります。

自覚症状:通常、痛みやかゆみなどの自覚症状はありません。ただし、衣類との摩擦で刺激を受ける部位にできた場合、まれに出血することがあります。

老人性血管腫ができる原因

老人性血管腫の正確な発生メカニズムは完全には解明されていませんが、現在考えられている主な原因は以下の通りです。

加齢による変化:最も大きな要因は加齢です。年齢を重ねると、皮膚の血管を構成する細胞の増殖制御機能が変化し、局所的に毛細血管が過剰に増殖することがあります。この現象は自然な老化プロセスの一部と考えられています。

遺伝的要因:家族内で老人性血管腫が多く見られる傾向があることから、遺伝的な素因が関与していると考えられています。ただし、特定の遺伝子異常が原因であることは確認されていません。

紫外線の影響:長年にわたる紫外線曝露が血管の変性を促進し、老人性血管腫の形成に関与している可能性が指摘されています。日光に当たりやすい部位に多く見られることもこの説を支持しています。

ホルモンバランスの変化:妊娠中に老人性血管腫が増加することがあることから、ホルモンバランスの変化も発生に関与していると考えられています。

微小外傷:慢性的な摩擦や小さな外傷が血管の増殖を刺激する可能性も示唆されています。

老人性血管腫と他の皮膚病変との見分け方

老人性血管腫は良性の病変ですが、時に他の皮膚病変と混同されることがあります。正確な診断のためには医療機関での診察が必要ですが、一般的な見分け方を知っておくことは有用です。

基底細胞癌や悪性黒色腫などの皮膚癌との鑑別:老人性血管腫は通常、均一な赤色を呈し、境界が明瞭です。一方、皮膚癌は色調が不均一で、境界が不明瞭、潰瘍形成を伴うことがあります。また、老人性血管腫は圧迫すると一時的に色が薄くなりますが、皮膚癌ではこのような変化は見られません。

血管拡張性肉芽腫との鑑別:血管拡張性肉芽腫は老人性血管腫よりも急速に成長し、出血しやすい傾向があります。また、多くの場合、外傷後に発生します。

クモ状血管腫との鑑別:クモ状血管腫は中心部に拍動する赤い点があり、そこから放射状に細い血管が広がっているのが特徴です。老人性血管腫にはこのような放射状のパターンは見られません。

点状出血との鑑別:点状出血は皮下の微小な出血で、圧迫しても色が変わらず、通常は数日から数週間で自然に消失します。老人性血管腫は消失しません。

老人性血管腫の診断

診断方法

老人性血管腫の診断は、多くの場合、経験豊富な皮膚科医による視診のみで可能です。典型的な症例では、特別な検査は必要ありません。

視診:大きさ、色調、形状、分布などを観察します。ダーモスコピー(皮膚表面拡大鏡)を使用することで、より詳細な観察が可能になります。老人性血管腫に特徴的な血管構造のパターンを確認できます。

圧迫試験:病変部を透明なガラス板などで圧迫すると、血管内の血液が押し出され、一時的に色が薄くなります。この反応は老人性血管腫が血管性病変であることを示す重要な所見です。

必要に応じた追加検査:診断が困難な場合や悪性が疑われる場合には、皮膚生検(組織の一部を採取して顕微鏡で観察する検査)を行うこともあります。ただし、典型的な老人性血管腫では通常必要ありません。

診断の重要性

老人性血管腫は良性病変であり、医学的に治療の必要性はありません。しかし、自己判断で「これは老人性血管腫だ」と決めつけることは危険です。なぜなら、前述のように他の皮膚病変、特に悪性腫瘍と見た目が似ている場合があるからです。

特に以下のような場合には、必ず医療機関を受診し、専門医の診断を受けることが重要です:

急速に大きくなる病変 色調が不均一または黒色を含む病変 形状が不整な病変 潰瘍を形成している病変 出血しやすい病変 痛みを伴う病変

また、多数の老人性血管腫が短期間に出現した場合には、まれに内臓悪性腫瘍の存在を示唆するサインである可能性もあるため、総合的な検査が推奨されることがあります。

老人性血管腫の治療方法

老人性血管腫は良性病変であり、医学的には治療の必要性はありません。しかし、美容的な理由や、衣類との摩擦で出血しやすい場合など、患者さんの希望により治療が行われることがあります。現在、さまざまな治療方法が確立されており、それぞれに特徴があります。

炭酸ガスレーザー治療

炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)は、老人性血管腫の治療において最も一般的に用いられる方法の一つです。

治療原理:炭酸ガスレーザーは、水分に吸収される特性を持つ波長10,600nmの赤外線レーザーです。このレーザー光が照射されると、組織内の水分が瞬間的に気化し、病変組織を蒸散させることができます。老人性血管腫の場合、増殖した血管組織を選択的に除去することが可能です。

治療手順:まず、局所麻酔を行います(表面麻酔クリームまたは局所麻酔注射)。その後、レーザーを照射し、病変部を蒸散させます。1個あたりの治療時間は通常数秒から数十秒程度です。

メリット:

  • 精密な治療が可能で、周囲の正常組織へのダメージを最小限に抑えられる
  • 止血効果があり、出血のリスクが低い
  • 小さな病変から比較的大きな病変まで対応可能
  • 治療時間が短い

デメリット:

  • 治療後、一時的にかさぶたが形成される
  • 深い病変の場合、瘢痕(傷跡)が残る可能性がある
  • 色素沈着や色素脱失のリスクがある

治療後の経過:治療直後は赤みとわずかな腫れが見られます。数日でかさぶたが形成され、約1~2週間で自然に脱落します。その後、新しい皮膚が再生されますが、完全に周囲の皮膚と同化するまでには数ヶ月かかることがあります。

ロングパルスYAGレーザー治療

ロングパルスYAGレーザーは、主に血管性病変の治療に用いられるレーザーです。

治療原理:波長1,064nmのレーザー光を使用します。この波長は、血液中のヘモグロビンに選択的に吸収される特性があり、血管を選択的に破壊することができます。「選択的光熱融解理論」に基づいた治療法です。

治療の特徴:炭酸ガスレーザーと比較して、皮膚表面へのダメージが少なく、かさぶたの形成も最小限に抑えられます。そのため、ダウンタイム(治療後の回復期間)が短いことが特徴です。

メリット:

  • 皮膚表面へのダメージが少ない
  • かさぶたができにくい
  • 色素沈着のリスクが比較的低い
  • 治療直後からメイクが可能な場合もある

デメリット:

  • 深い病変や大きな病変には効果が限定的な場合がある
  • 完全に除去するために複数回の治療が必要になることがある
  • 治療時に輪ゴムで弾かれたような痛みを感じることがある

液体窒素凍結療法

液体窒素凍結療法は、マイナス196度の液体窒素を用いて病変組織を凍結破壊する治療法です。

治療原理:極低温による組織の凍結と融解を繰り返すことで、細胞を破壊します。凍結によって細胞内に氷晶が形成され、細胞膜が破壊されるとともに、微小血管が閉塞して組織が壊死します。

治療手順:綿棒に液体窒素を含ませ、病変部に直接押し当てる方法が一般的です。通常、10~30秒程度の凍結を1~3回繰り返します。

メリット:

  • 設備が比較的シンプルで、多くの皮膚科クリニックで実施可能
  • 治療費が比較的安価
  • 麻酔が不要

デメリット:

  • 治療時に刺すような痛みがある
  • 治療後に水疱(水ぶくれ)が形成されることがある
  • 色素沈着や色素脱失のリスクが高い
  • 深さの調整が難しく、不完全な除去や過剰な治療になることがある
  • 完全除去に複数回の治療が必要なことが多い

電気凝固法

電気凝固法は、高周波電流を用いて組織を凝固・切除する方法です。

治療原理:高周波電流を病変部に流すことで、ジュール熱が発生し、組織を凝固させます。同時に止血効果もあります。

治療手順:局所麻酔後、細い電極を病変部に接触させ、電流を流します。組織が凝固したら、必要に応じて物理的に除去します。

メリット:

  • 確実な止血が可能
  • 比較的大きな病変にも対応可能
  • 1回の治療で完全除去できることが多い

デメリット:

  • 治療後の痛みがやや強い場合がある
  • かさぶたの形成期間が比較的長い
  • 瘢痕が残るリスクがレーザーより高い
  • 色素沈着のリスクがある

切除術

大きな老人性血管腫や、他の方法で除去が困難な場合には、外科的切除を行うこともあります。

治療原理:メスを用いて病変を切除し、縫合します。病変を完全に除去できるとともに、病理組織検査が可能です。

適応:直径が6mmを超える大きな病変や、悪性が否定できない場合に選択されます。

メリット:

  • 確実な完全除去が可能
  • 病理組織検査により確定診断ができる
  • 再発のリスクが最も低い

デメリット:

  • 手術跡(縫合痕)が残る
  • 治療時間が長い
  • 抜糸が必要
  • ダウンタイムが長い
  • 小さな病変には過剰な治療となる

各治療法の比較と選択

治療方法の選択は、病変の大きさ、数、部位、患者さんの希望(ダウンタイムの許容度、費用など)を総合的に考慮して決定されます。

小さな病変(1~3mm):炭酸ガスレーザー、ロングパルスYAGレーザー、液体窒素凍結療法のいずれも適応となります。ダウンタイムを最小限にしたい場合はロングパルスYAGレーザー、確実な1回での除去を希望する場合は炭酸ガスレーザーが選ばれることが多いです。

中等度の病変(3~6mm):炭酸ガスレーザーまたは電気凝固法が適しています。

大きな病変(6mm以上):電気凝固法または切除術が検討されます。

多数の病変:炭酸ガスレーザーが効率的です。後述する「取り放題」プランは、このような場合に特に有効です。

老人性血管腫「取り放題」プランとは

取り放題プランの概要

老人性血管腫の「取り放題」プランとは、定額料金で一定範囲内(または無制限)の老人性血管腫を治療できるプランのことです。個数制限を設けないことで、多数の病変を持つ患者さんにとって経済的負担を軽減できるシステムです。

従来の治療では、多くのクリニックが「1個あたり○○円」という料金設定をしていました。しかし、老人性血管腫は複数個できることが一般的で、特に体幹部に多数存在する場合、すべてを治療しようとすると高額な費用がかかってしまうという問題がありました。

この問題を解決するために考案されたのが「取り放題」プランです。一定の料金を支払うことで、指定された範囲内の老人性血管腫をすべて治療できるため、数を気にせず治療を受けることができます。

取り放題プランのメリット

経済的なメリット:最大のメリットは経済的な負担の軽減です。例えば、1個あたり5,000円の料金設定で20個の老人性血管腫を治療する場合、従来の方法では10万円かかりますが、取り放題プランであれば固定料金で治療できます。数が多ければ多いほど、1個あたりの単価が下がり、お得になります。

心理的なメリット:「あと何個まで治療できるか」「予算オーバーしないか」といった心配をする必要がありません。気になる病変をすべて治療できるという安心感があります。

効率的な治療:1回の来院で多数の病変を治療できるため、何度も通院する手間が省けます。時間的な効率も良くなります。

治療の完全性:「予算の都合で一部だけ治療」ということがなく、気になる病変をすべて除去できるため、治療後の満足度が高くなります。

取り放題プランの注意点

取り放題プランは魅力的な選択肢ですが、いくつかの注意点もあります。

範囲の制限:多くの場合、「上半身のみ」「顔面を除く」など、治療範囲に制限が設けられています。全身すべての老人性血管腫が対象となるわけではありません。契約前に対象範囲をしっかり確認することが重要です。

サイズの制限:「直径5mm以下」など、治療できる病変のサイズに制限がある場合があります。大きな病変は別料金となることがあります。

個数の実質的な上限:「取り放題」と銘打っていても、実際には「1回の施術で○○個まで」という制限がある場合もあります。施術時間や麻酔の安全性の観点から、現実的な個数制限が設けられていることがあります。

追加費用の可能性:麻酔代、アフターケア用品代、診察料などが別料金となる場合があります。総額でいくらかかるのか、事前に確認しましょう。

適応の判断:すべての赤い点々が老人性血管腫とは限りません。診察の結果、老人性血管腫ではないと判断された病変は治療対象外となります。

治療方法の指定:取り放題プランで使用できる治療方法が限定されている場合があります(例:炭酸ガスレーザーのみ、など)。

取り放題プランが向いている方

以下のような方には、取り放題プランが特に適しています:

多数の老人性血管腫がある方:10個以上の病変がある場合、通常料金と比較して経済的メリットが大きくなります。

体幹部に多くの病変がある方:胸や背中など、衣類で隠れる部分に多数の病変がある場合、一度に治療することで見た目の改善が期待できます。

これまで費用の面で治療を躊躇していた方:「費用が高額になりそうで治療に踏み切れなかった」という方にとって、取り放題プランは治療を開始する良いきっかけになります。

予防的な治療を希望する方:現時点で気になる病変だけでなく、今後大きくなる可能性のある小さな病変も含めて治療したい方に適しています。

アイシークリニック大宮院での老人性血管腫治療

アイシークリニック大宮院の特徴

アイシークリニック大宮院は、埼玉県さいたま市に位置する皮膚科・形成外科クリニックです。JR大宮駅から徒歩圏内という好立地にあり、埼玉県内はもちろん、東京都や近隣県からも多くの患者さんが来院されています。

アイシークリニックは、粉瘤(アテローム)や脂肪腫などの皮膚・皮下腫瘍の日帰り手術を専門としており、豊富な症例数と高い技術力を誇ります。老人性血管腫の治療においても、この経験と技術が活かされています。

大宮院で提供される老人性血管腫治療

アイシークリニック大宮院では、老人性血管腫の治療として主に炭酸ガスレーザー治療を提供しています。最新のCO2レーザー機器を導入しており、精密かつ安全な治療が可能です。

治療の特徴:

  • 経験豊富な医師による診断と治療
  • 痛みを最小限に抑えるための丁寧な麻酔処置
  • 短時間での効率的な治療
  • 治療後のアフターケアも充実

取り放題プランの有無については、クリニックに直接お問い合わせいただくことをお勧めします。料金体系は時期によって変更される場合がありますので、最新の情報は公式ウェブサイトまたは電話でご確認ください。

治療の流れ

アイシークリニック大宮院での老人性血管腫治療の一般的な流れは以下の通りです。

初診・カウンセリング: まず、医師による診察を受けます。病変が老人性血管腫であることを確認し、治療の必要性や適切な方法について説明を受けます。この時、治療に関する不安や疑問があれば、遠慮なく質問しましょう。また、取り放題プランを希望する場合は、対象範囲や料金について詳細な説明を受けます。

治療日の予約: 診察後、治療を希望する場合は治療日の予約を取ります。クリニックの混雑状況にもよりますが、比較的早い時期に予約できることが多いです。

治療当日: 予約時間にクリニックを訪れます。まず、治療部位の写真撮影を行います(治療前後の比較のため)。その後、治療室に移動し、治療を受けます。

麻酔:表面麻酔クリームを塗布するか、局所麻酔注射を行います。麻酔が効くまで数分待ちます。

レーザー照射:医師が一つひとつの病変に対して丁寧にレーザーを照射します。取り放題プランで多数の病変を治療する場合でも、すべて丁寧に処置されます。

治療後の処置:照射部位に軟膏を塗布し、必要に応じて保護テープを貼ります。

治療後の説明とアフターケア: 治療後のケア方法について詳しい説明を受けます。軟膏や保護テープが処方される場合があります。また、次回の診察日(1~2週間後が一般的)を予約します。

経過観察: 予約した日にクリニックを訪れ、治療部位の経過を確認してもらいます。問題がなければ、これで治療は終了です。何か異常があれば、適切な処置を受けます。

治療時間と通院回数

1回の治療時間: 治療する病変の数にもよりますが、10~20個程度であれば、麻酔から治療完了まで30分~1時間程度です。取り放題プランで50個以上の多数の病変を治療する場合は、1~2時間程度かかることもあります。

通院回数: 基本的には、初診、治療日、経過観察の3回の通院で完結します。ただし、非常に大きな病変や深い病変の場合、完全に除去するために複数回の治療が必要になることもあります。

治療費用について

老人性血管腫の治療は基本的に保険適用外(自費診療)となります。なぜなら、医学的には治療の必要性がない良性病変であり、主に美容目的での治療となるためです。

費用の目安: 一般的なクリニックでは、1個あたり3,000円~10,000円程度の料金設定が多いです。取り放題プランの場合、50,000円~150,000円程度の定額料金が設定されていることが多いようです(範囲や条件により異なります)。

アイシークリニック大宮院での具体的な料金については、直接クリニックにお問い合わせください。初診料、再診料、麻酔代などが別途必要かどうかも確認しましょう。

治療後のケアと注意点

治療直後のケア

治療直後から数日間は、以下のようなケアが重要です。

患部を清潔に保つ: 洗顔や入浴は通常通り行えますが、患部を強くこすらないよう注意してください。優しく洗い、清潔なタオルで軽く押さえるようにして水分を取ります。

軟膏の塗布: 処方された軟膏を指示通りに塗布します。通常、1日2回程度、かさぶたが取れるまで続けます。軟膏には創傷治癒を促進し、感染を予防する効果があります。

保護テープの使用: 顔面など目立つ部位の場合、医療用の保護テープを貼ることで、かさぶたを保護し、外部刺激から守ることができます。テープは毎日交換し、清潔を保ちます。

紫外線対策: 治療後の皮膚は紫外線に対して敏感になっています。外出時は日焼け止めを使用し、帽子や日傘で紫外線から患部を守りましょう。これは色素沈着の予防に重要です。

治療後の経過

治療後の一般的な経過は以下の通りです。

治療直後~3日目: 患部は赤く腫れ、軽い痛みを感じることがあります。市販の鎮痛剤で対応できる程度の痛みです。この時期は、患部に刺激を与えないよう注意してください。

3日目~1週間: かさぶたが形成されます。かさぶたは自然に取れるのを待つことが重要です。無理に剥がすと、出血したり、傷跡が残ったりする原因となります。

1週間~2週間: かさぶたが自然に脱落します。この時期に経過観察のための診察を受けることが多いです。かさぶたが取れた後は、ピンク色の新しい皮膚が現れます。

2週間~3ヶ月: 新しい皮膚が徐々に周囲の正常皮膚と同じ色調に近づいていきます。この期間中も紫外線対策を続けることが重要です。

3ヶ月以降: ほとんどの場合、目立たなくなります。ただし、完全に周囲と同化するまでには6ヶ月~1年かかることもあります。

起こりうる合併症と対処法

老人性血管腫の治療は比較的安全な処置ですが、まれに以下のような合併症が起こることがあります。

色素沈着: 治療後の炎症反応により、一時的に患部が茶色くなることがあります。これは「炎症後色素沈着」と呼ばれ、数ヶ月から1年程度で自然に薄くなることがほとんどです。予防のためには、治療後の紫外線対策が重要です。色素沈着が気になる場合は、美白剤(ハイドロキノンなど)の使用が検討されることもあります。

色素脱失: 逆に、治療部位の色が周囲より白くなることもあります。これは、レーザーや凍結療法によりメラニン細胞がダメージを受けた場合に起こります。自然に改善することもありますが、完全には元に戻らない場合もあります。

瘢痕形成: 深くまで治療した場合や、患部を掻いたりして炎症が長引いた場合、傷跡(瘢痕)が残ることがあります。特に体質的に傷跡が残りやすい方(ケロイド体質)は注意が必要です。事前に医師に体質を伝えておきましょう。

感染: まれに、治療部位に細菌感染が起こることがあります。患部の赤み、腫れ、痛みが増強したり、膿が出たりする場合は感染の可能性があります。すぐにクリニックに連絡し、診察を受けてください。抗生物質の内服や外用が必要になることがあります。

再発: 老人性血管腫は、治療により除去されても、新たに別の場所に出現することがあります。これは「再発」というより、加齢による新たな発生です。気になる場合は、再度治療を受けることができます。

こんな時はすぐに受診を

以下のような症状が現れた場合は、すぐにクリニックに連絡し、診察を受けてください。

患部の赤み、腫れ、痛みが日に日に増強する 黄色や緑色の膿が出る 発熱がある かさぶたを剥がしてしまい、出血が止まらない 異常な痒みがある 治療部位が黒く変色する

これらは、感染や過剰な炎症反応の可能性を示唆する症状です。早期に適切な処置を受けることで、合併症を最小限に抑えることができます。

よくある質問(FAQ)

Q1: 老人性血管腫は放置すると癌になりますか?

A: いいえ、老人性血管腫が悪性化(癌化)することはありません。老人性血管腫は良性の血管性腫瘍であり、放置しても健康上の問題は生じません。ただし、「老人性血管腫だと思っていたものが実は別の病変だった」という可能性もあるため、自己判断せずに一度は医療機関で診断を受けることをお勧めします。

Q2: 治療後、再発することはありますか?

A: 適切に治療された老人性血管腫が同じ場所に再発することはまれです。ただし、老人性血管腫ができやすい体質の方は、新たに別の場所に新しい血管腫が出現することはあります。これは厳密には「再発」ではなく、「新規発生」です。

Q3: 妊娠中や授乳中でも治療を受けられますか?

A: 老人性血管腫の治療に使用される局所麻酔は、妊娠中や授乳中でも比較的安全とされています。ただし、妊娠中はホルモンバランスの変化により皮膚が敏感になっていることや、治療後の色素沈着のリスクが高まる可能性があります。緊急性のない美容目的の治療であれば、出産・授乳が終わってから受けることをお勧めします。どうしても治療を希望する場合は、産婦人科医と皮膚科医の両方に相談してください。

Q4: 子供にも老人性血管腫はできますか?

A: 「老人性」という名称がついていますが、若年者にも発生することがあります。ただし、子供の場合は比較的まれです。子供に赤い丘疹が見られる場合、老人性血管腫以外の可能性も考えられますので、必ず小児科または皮膚科で診察を受けてください。

Q5: 顔にある老人性血管腫も治療できますか?

A: はい、治療可能です。ただし、顔面は目立つ部位であるため、瘢痕や色素沈着などの合併症のリスクについて、より慎重に検討する必要があります。経験豊富な医師に相談し、リスクとベネフィットを十分に理解した上で治療を受けることをお勧めします。

Q6: 取り放題プランでは、どのくらいの個数まで治療できますか?

A: クリニックにより異なりますが、多くの場合、対象範囲内であれば個数制限はありません。ただし、1回の施術で安全に治療できる個数には限界があります(麻酔の使用量、施術時間などの観点から)。非常に多数の病変がある場合は、複数回に分けて治療することもあります。詳細はクリニックに直接お問い合わせください。

Q7: 保険は適用されますか?

A: 老人性血管腫の治療は、基本的に保険適用外(自費診療)となります。これは、老人性血管腫が医学的に治療の必要性のない良性病変であり、主に美容目的での治療となるためです。ただし、衣類との摩擦で頻繁に出血するなど、医学的な理由がある場合は保険適用となることもあります。診察時に医師に相談してください。

Q8: 痛みはありますか?

A: 治療時は局所麻酔を使用するため、ほとんど痛みを感じません。麻酔注射の際にチクっとした痛みがありますが、表面麻酔クリームを使用することで、これも軽減できます。治療後は、軽い痛みや違和感を感じることがありますが、通常は市販の鎮痛剤で対応できる程度です。

Q9: 治療後、すぐに仕事に復帰できますか?

A: 多くの場合、治療当日から通常の生活が可能です。ただし、治療部位が目立つ場所(顔など)で、かつ多数の病変を治療した場合は、赤みや腫れが数日間続くことがあります。大切な予定がある場合は、その数週間前までに治療を完了させることをお勧めします。

Q10: 治療後、運動や入浴は可能ですか?

A: 軽い入浴(シャワー)は治療当日から可能です。ただし、患部を強くこすったり、長時間湯船に浸かったりすることは、数日間避けてください。激しい運動や飲酒は、血行が良くなって出血や腫れのリスクが高まるため、2~3日間は控えることをお勧めします。

老人性血管腫の予防は可能か

予防の現実性

残念ながら、老人性血管腫の発生を完全に予防する方法は現在のところ確立されていません。老人性血管腫は主に加齢に伴う自然な変化の一つであり、ある程度は避けられない現象と考えられています。

しかし、以下のような生活習慣により、発生を遅らせたり、数を減らしたりできる可能性があります。

紫外線対策

紫外線は皮膚の老化を促進し、血管の変性にも関与していると考えられています。日常的な紫外線対策は、老人性血管腫の予防にも有効かもしれません。

日焼け止めの使用:外出時は、SPF30以上、PA+++以上の日焼け止めを使用しましょう。2~3時間ごとに塗り直すことが理想的です。

防御グッズの活用:帽子、日傘、長袖の衣類などを活用して、物理的に紫外線を遮断しましょう。

紫外線の強い時間帯を避ける:午前10時から午後2時は紫外線が最も強い時間帯です。この時間帯の長時間の外出は避けるか、しっかりと対策を行いましょう。

抗酸化対策

酸化ストレスは皮膚の老化や血管の変性に関与しています。抗酸化作用のある生活習慣を心がけることで、皮膚の健康を保つことができます。

バランスの取れた食事:ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなど、抗酸化物質を豊富に含む食品を積極的に摂取しましょう。野菜、果物、ナッツ類、緑茶などがお勧めです。

禁煙:喫煙は体内の酸化ストレスを増加させ、皮膚の老化を促進します。健康な皮膚を保つためにも、禁煙が推奨されます。

適度な運動:適度な運動は血行を促進し、皮膚の健康維持に役立ちます。ただし、過度な運動は逆に酸化ストレスを増やすこともあるため、適度が重要です。

スキンケア

健康な皮膚を維持することは、様々な皮膚トラブルの予防につながります。

保湿:乾燥は皮膚のバリア機能を低下させます。適切な保湿を心がけましょう。

優しい洗顔:強くこすったり、刺激の強い洗顔料を使用したりすると、皮膚にダメージを与えます。優しく洗顔することが大切です。

定期的な皮膚チェック

老人性血管腫自体は無害ですが、皮膚の変化を定期的にチェックすることで、他の皮膚疾患の早期発見につながります。

月に1回程度、全身の皮膚を鏡でチェックする習慣をつけましょう。新しくできた病変、急速に大きくなる病変、形や色が変化する病変などがあれば、早めに皮膚科を受診してください。

まとめ

老人性血管腫は、加齢とともに多くの方に現れる良性の皮膚病変です。医学的には治療の必要はありませんが、美容的な理由から治療を希望される方も少なくありません。

現在、炭酸ガスレーザー、ロングパルスYAGレーザー、液体窒素凍結療法、電気凝固法など、様々な治療方法が確立されており、それぞれに特徴があります。特に炭酸ガスレーザーは、精密で効果的な治療が可能であり、多くのクリニックで採用されています。

多数の老人性血管腫にお悩みの方には、「取り放題」プランが経済的かつ効率的な選択肢となります。定額料金で複数の病変を治療できるため、数を気にせず気になる病変をすべて除去することが可能です。

アイシークリニック大宮院では、豊富な経験と高い技術力を持つ医師が老人性血管腫の治療を行っています。JR大宮駅からのアクセスも良く、埼玉県内外から多くの患者さんが来院されています。

老人性血管腫の治療を検討されている方は、まずは専門医の診察を受けることをお勧めします。正確な診断を受け、ご自身の症状や希望に合った最適な治療方法を選択してください。

取り放題プランを含む具体的な料金や治療内容については、アイシークリニック大宮院に直接お問い合わせいただくことで、最新かつ詳細な情報を得ることができます。

美容的な悩みを解消し、自信を持った毎日を送るために、適切な治療を受けることは素晴らしい選択です。気になる老人性血管腫がある方は、ぜひ一度専門医にご相談ください。

参考文献

本記事の作成にあたり、以下の信頼できる情報源を参考にしました。

  1. 日本皮膚科学会 日本における皮膚科学の専門学会として、皮膚疾患に関する最新の医学的知見を提供しています。
  2. 厚生労働省 日本の医療制度や医療安全に関する公式情報を提供しています。
  3. 日本形成外科学会 形成外科領域における専門的な情報と治療ガイドラインを提供しています。
  4. 日本レーザー医学会 レーザー治療に関する科学的根拠と臨床応用についての情報を提供しています。
  5. 日本美容皮膚科学会 美容皮膚科領域における専門的な知識と最新の治療法について情報を提供しています。

※本記事の内容は、2025年時点での一般的な医学的知見に基づいていますが、医療技術は日々進歩しています。実際の治療を受ける際は、必ず医療機関で最新の情報と専門医の診察を受けてください。

監修者医師

高桑 康太 医師

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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