ニキビが治った後に残る赤みや色素沈着、凹凸といったニキビ跡は、多くの方が抱える肌の悩みです。特に、一度できてしまったニキビ跡は自然には消えにくく、メイクで隠しきれないほど目立つこともあります。与野エリアにお住まいの方からも、ニキビ跡の改善についてのご相談を多くいただいております。本記事では、ニキビ跡の種類や原因、そして最新の治療法まで、皮膚科専門の視点から詳しく解説します。正しい知識を身につけて、ニキビ跡のない美しい肌を目指しましょう。
目次
- ニキビ跡とは?基本的な知識
- ニキビ跡の種類と特徴
- ニキビ跡ができるメカニズム
- ニキビ跡が残りやすい人の特徴
- クリニックで受けられるニキビ跡治療
- 自宅でできるセルフケア
- ニキビ跡治療で気をつけたいポイント
- 与野エリアからのアクセスについて
- まとめ
- 参考文献
1. ニキビ跡とは?基本的な知識
ニキビ跡とは、ニキビの炎症が治まった後に肌に残る痕跡のことを指します。医学的には「瘢痕(はんこん)」や「炎症後色素沈着」「炎症後紅斑」などと呼ばれ、ニキビそのものとは異なる状態として区別されています。
ニキビは医学的には「尋常性痤瘡(じんじょうせいざそう)」と呼ばれる皮膚疾患であり、日本人の90%以上が生涯で一度は経験するといわれています。思春期に発症することが多いですが、成人してからも「大人ニキビ」として悩まされる方は少なくありません。
ニキビ自体は適切な治療によって改善が期待できますが、問題はニキビが治った後に残る「ニキビ跡」です。ニキビの炎症が真皮層にまで及ぶと、組織がダメージを受け、そのまま痕跡として残ってしまうことがあります。軽度のニキビ跡であれば時間の経過とともに自然に薄くなることもありますが、重度の場合は専門的な治療が必要になります。
ニキビ跡は見た目の問題だけでなく、精神的なストレスの原因にもなりかねません。特に顔に目立つニキビ跡があると、自己肯定感の低下やコミュニケーションへの消極性につながることもあります。早期に適切な対処を行うことが、ニキビ跡の改善において重要です。
2. ニキビ跡の種類と特徴
ニキビ跡には大きく分けて4つの種類があり、それぞれ原因や特徴、適した治療法が異なります。自分のニキビ跡がどのタイプに該当するかを把握することが、効果的な治療への第一歩となります。
2-1. 赤みのあるニキビ跡(炎症後紅斑)
炎症後紅斑(PIE:Post-Inflammatory Erythema)は、ニキビの炎症が治まった後に肌に残る赤みのことです。ニキビによる炎症で毛細血管が拡張したままの状態になっていることが原因で、赤みとして目に見えています。
この赤みは、ニキビが治った後も皮膚の下で毛細血管の修復作業が続いているために生じます。指で押すと赤みが一時的に薄くなるのが特徴で、これは血管に血液が一時的に流れなくなるためです。
軽度の赤みであれば、肌のターンオーバーによって数か月から半年程度で自然に改善することが多いです。しかし、炎症が強かった場合や繰り返しニキビができた部位では、赤みが長期間残ることもあります。
2-2. 色素沈着のあるニキビ跡(炎症後色素沈着)
炎症後色素沈着(PIH:Post-Inflammatory Hyperpigmentation)は、ニキビの炎症によってメラニンが過剰に生成され、皮膚に沈着した状態です。茶色や紫がかった色のシミとして残り、いわゆる「シミ」のような見た目になります。
炎症が起こると、肌を守ろうとしてメラノサイトの働きが活発になり、メラニンが大量に分泌されます。通常であれば、ターンオーバーによってメラニンは徐々に排出されますが、ターンオーバーが乱れていたり、紫外線を浴び続けたりすると、色素沈着として長く残ってしまいます。
無治療でも半年ほどで自然に軽快することが多いとされていますが、紫外線対策を怠ると改善が遅れたり、かえって悪化したりすることがあります。
2-3. 凹凸のあるニキビ跡(クレーター・瘢痕)
クレーター状のニキビ跡は、ニキビの炎症が真皮層にまで及び、皮膚組織が破壊された結果として残る凹凸です。「陥凹性瘢痕」とも呼ばれ、ニキビ跡の中でも最も治療が難しいタイプとされています。
赤ニキビや黄ニキビが重症化すると、アクネ菌だけでなく黄色ブドウ球菌なども関与して激しい炎症が起こります。この炎症によって真皮層のコラーゲンが破壊され、肌の構造が崩れたまま瘢痕化してしまうのです。真皮層はターンオーバーが行われないため、一度できてしまったクレーターは自然に回復することが非常に困難です。
クレーターには主に3つの形状があります。
1つ目は「アイスピック型」で、先端が鋭く深い穴のような形状をしています。毛穴が深くえぐれたような見た目で、比較的小さいながらも深いのが特徴です。
2つ目は「ボックス型」で、底が平らで辺がはっきりした箱型の凹みです。比較的広い範囲にわたって凹んでいることが多く、光の当たり方によって影ができやすいです。
3つ目は「ローリング型」で、なだらかに波打つような凹凸が特徴です。境界がぼんやりしていて、広い範囲に及ぶことが多いです。
2-4. 盛り上がったニキビ跡(肥厚性瘢痕・ケロイド)
肥厚性瘢痕やケロイドは、ニキビが治る過程でコラーゲンが過剰に生成され、皮膚が盛り上がってしまった状態です。ニキビによって壊された皮膚を修復しようとする働きが過剰になることで生じます。
肥厚性瘢痕は傷の範囲内にとどまりますが、ケロイドは元の傷の範囲を超えて広がることがあります。かゆみや痛みを伴うこともあり、見た目だけでなく不快な症状に悩まされる方も少なくありません。
ケロイドは体質による影響が大きく、胸や肩、あごなどにできやすい傾向があります。ケロイド体質の方は、ニキビができた段階で早めに治療を開始し、炎症を最小限に抑えることが重要です。
3. ニキビ跡ができるメカニズム
ニキビ跡を効果的に予防・治療するためには、なぜニキビ跡ができるのかを理解することが大切です。ここでは、ニキビの発症から跡が残るまでのメカニズムを詳しく解説します。
3-1. ニキビ発症のメカニズム
ニキビは、毛穴の詰まりから始まります。毛穴の奥には皮脂を分泌する皮脂腺があり、通常は皮脂が毛穴を通って肌表面に排出され、肌を守る役割を果たしています。
しかし、さまざまな原因により毛穴の周りの角質が厚くなると、毛穴の出口が狭くなります。すると、本来排出されるべき皮脂や古くなった角質が毛穴に詰まり、面皰(めんぽう)と呼ばれる状態になります。これがいわゆる「白ニキビ」や「黒ニキビ」の初期段階です。
毛穴が詰まった状態が続くと、毛穴の中に皮脂がどんどんたまっていきます。皮脂を栄養とするアクネ菌は酸素を嫌う嫌気性細菌であり、出口をなくした毛穴の中は格好の繁殖場所となります。
3-2. 炎症の発生と拡大
アクネ菌が増殖すると、酵素リパーゼを分泌して皮脂を分解します。この過程で生成される遊離脂肪酸が炎症を引き起こし、毛穴は赤く腫れ上がります。これが「赤ニキビ」の状態です。
炎症が起こると、免疫システムが反応してアクネ菌を排除しようとします。好中球やマクロファージといった免疫担当細胞が集まり、活性酸素やサイトカインを放出してアクネ菌と戦います。しかし、この免疫反応が過剰になると、アクネ菌だけでなく周囲の正常な組織もダメージを受けてしまいます。
炎症がさらに進行すると、アクネ菌に加えて黄色ブドウ球菌なども関与し、膿がたまった「黄ニキビ」の状態になります。この段階では、炎症が真皮層にまで及んでいることが多く、ニキビ跡が残るリスクが高まります。
3-3. 跡が残る仕組み
ニキビの炎症が真皮層にダメージを与えると、皮膚の構造が破壊されます。真皮層には線維芽細胞があり、コラーゲンやエラスチンといった肌のハリや弾力を保つ成分を生成しています。
炎症によってこれらの細胞や繊維が破壊されると、皮膚は修復しようとしてコラーゲンを増生します。しかし、この修復過程がうまくいかないと、コラーゲンが不足して凹みとなったり、逆に過剰に生成されて盛り上がったりしてしまいます。
また、炎症によって毛細血管が拡張したままになると赤みが残り、メラニンが過剰に生成されると色素沈着として残ります。
真皮層は表皮と異なりターンオーバーが行われないため、一度ダメージを受けると自然には回復しにくいのです。そのため、クレーター状のニキビ跡は特に治療が困難とされています。
4. ニキビ跡が残りやすい人の特徴
ニキビができても跡が残る人と残らない人がいるのはなぜでしょうか。ニキビ跡の残りやすさには、さまざまな要因が関係しています。
4-1. 体質的な要因
遺伝的な体質は、ニキビ跡の残りやすさに大きく影響します。ケロイド体質の方は、傷の修復過程でコラーゲンが過剰に生成されやすく、盛り上がったニキビ跡ができやすい傾向があります。
また、メラニンが生成されやすい肌質の方は、色素沈着が起こりやすいです。肌の色が濃い方は、炎症後の色素沈着が目立ちやすいこともあります。
皮脂の分泌量が多い方は、ニキビが重症化しやすく、結果としてニキビ跡も残りやすくなります。
4-2. ニキビの重症度
ニキビの重症度は、ニキビ跡が残るかどうかを左右する最も重要な要因の一つです。軽度の白ニキビや黒ニキビであれば、ほとんどの場合ニキビ跡は残りません。しかし、炎症を起こした赤ニキビや膿を持った黄ニキビは、跡が残るリスクが高くなります。
日本皮膚科学会のガイドラインでは、ニキビの重症度を片方の顔面にある炎症性皮疹の数で判定しています。
- 軽症:片方の顔面に炎症性皮疹が5個以下
- 中等症:片方の顔面に炎症性皮疹が6個以上20個以下
- 重症:片方の顔面に炎症性皮疹が21個以上50個以下
- 最重症:片方の顔面に炎症性皮疹が51個以上
重症度が高いほど、炎症が深部に及びやすく、ニキビ跡が残りやすくなります。
4-3. 不適切なケア
ニキビを自分で潰したり、強くこすったりする不適切なケアは、ニキビ跡が残る大きな原因となります。
ニキビを潰すと、皮膚のバリア機能が破壊され、細菌が侵入しやすくなります。その結果、炎症がさらに悪化し、真皮層へのダメージが拡大します。また、潰す際に強い力を加えると、皮膚組織が損傷し、ケロイド状のニキビ跡になる可能性もあります。
洗顔時にゴシゴシとこすったり、スクラブ入りの洗顔料で刺激を与えたりすることも、炎症を悪化させる原因となります。
4-4. ターンオーバーの乱れ
肌のターンオーバーが正常に機能していないと、ニキビ跡の改善が遅れます。ターンオーバーとは、新しい皮膚細胞が生まれて古い細胞が剥がれ落ちるサイクルのことで、正常であれば約28日周期で行われます。
睡眠不足、栄養の偏り、ストレス、加齢などによってターンオーバーが乱れると、古い細胞がなかなか剥がれず、メラニンの排出も滞ります。その結果、赤みや色素沈着が長く残ってしまいます。
4-5. 紫外線の影響
紫外線は、ニキビ跡の改善を妨げる大きな要因です。紫外線を浴びると、肌を守ろうとしてメラニンが生成されます。ニキビ跡の色素沈着がある状態で紫外線を浴び続けると、メラニンがさらに増えて色素沈着が濃くなってしまいます。
また、紫外線は炎症を悪化させる作用もあります。赤みが残っている状態で日焼けをすると、炎症が長引いて色素沈着に移行しやすくなります。
5. クリニックで受けられるニキビ跡治療
ニキビ跡の種類や程度によっては、セルフケアだけでは十分な改善が難しいことがあります。クリニックでは、さまざまな最新治療を組み合わせることで、効果的にニキビ跡を改善することができます。
5-1. ダーマペン
ダーマペンは、極細の針で肌に微細な穴を開け、皮膚の自然治癒力を利用してニキビ跡を改善する治療法です。アメリカのFDA(日本の厚生労働省にあたる機関)より承認を得ており、世界的に広く行われている治療です。
ダーマペンで肌に小さな傷をつけると、その傷を修復しようとして線維芽細胞が活性化し、コラーゲンやエラスチンの生成が促進されます。これにより、クレーター状のニキビ跡の凹みがふっくらと改善されたり、肌のハリや弾力が向上したりする効果が期待できます。
また、ダーマペンで開けた穴から美容成分を導入することで、より高い効果を得ることができます。成長因子やヒアルロン酸、ビタミンCなどを肌の奥深くまで届けることが可能です。
治療回数の目安は、ニキビ跡の種類や程度によって異なります。色素沈着タイプであれば3回程度、クレータータイプであれば5回以上の施術が推奨されることが多いです。施術間隔は3〜4週間程度空けることが望ましいとされています。
ダウンタイムとしては、施術後に赤みや腫れ、ヒリヒリ感が生じることがありますが、通常は数日から1週間程度で落ち着きます。
5-2. フラクショナルレーザー
フラクショナルレーザーは、レーザーを格子状に照射して肌に微細な穴を開け、皮膚の再生を促す治療法です。炭酸ガスレーザーやエルビウムヤグレーザーなどが使用されます。
レーザーの熱エネルギーによって皮膚が収縮し、引き締め効果が得られます。同時に、ダメージを受けた部分が再生される過程でコラーゲンが増生され、クレーター状のニキビ跡が改善されます。
フラクショナルレーザーは、特にクレーター状のニキビ跡に対して高い効果が期待できる治療法です。研究では、炭酸ガスレーザーによる治療で25〜81%の改善が見られたというデータもあります。
ただし、レーザー治療には色素沈着や赤みが長期間続くリスクもあります。特に日本人を含むアジア人は色素沈着が起こりやすいため、施術後のケアや紫外線対策が重要です。
5-3. ケミカルピーリング
ケミカルピーリングは、酸性の薬剤を肌に塗布して古い角質を除去し、ターンオーバーを促進する治療法です。グリコール酸やサリチル酸、トリクロロ酢酸などの薬剤が使用されます。
表皮の角質を取り除くことで、新しい皮膚細胞の生成が促され、色素沈着や赤みの改善が期待できます。また、毛穴の詰まりを解消してニキビの予防効果も得られます。
ただし、一般的なケミカルピーリングは表皮に作用するものがほとんどであり、真皮層にダメージが及んでいるクレーター状のニキビ跡には効果が限定的です。クレーター治療には、より深い層に作用するピーリング剤や他の治療との併用が検討されます。
5-4. レーザートーニング
レーザートーニングは、低出力のレーザーを照射してメラニンを少しずつ分解し、色素沈着を改善する治療法です。特にQスイッチYAGレーザーやピコレーザーが使用されます。
肝斑の治療にも用いられる方法で、ダウンタイムが少なく、日常生活に支障をきたしにくいのが特徴です。色素沈着タイプのニキビ跡に適しており、複数回の施術を重ねることで徐々に改善が見られます。
5-5. 赤み専用レーザー治療
ニキビ跡の赤みに対しては、色素レーザー(Vビームなど)が効果的です。主に赤い色素に吸収される波長595nmのレーザー光を照射することで、拡張した毛細血管を縮小させ、赤みを改善します。
このレーザーは炎症性の赤ニキビや赤ら顔の治療にも用いられます。熱刺激によって線維芽細胞が活性化し、コラーゲン生成が促進されるため、肌のハリやツヤの向上も期待できます。
5-6. サブシジョン
サブシジョンは、クレーター状のニキビ跡に対して行われる治療法で、特にローリング型やボックス型の凹みに効果的です。
クレーターの凹みは、真皮層の瘢痕組織が皮下組織や筋膜に癒着していることで引っ張られ、くぼんでいます。サブシジョンでは、特殊な針を皮下に挿入して、この癒着している線維を切断します。癒着がなくなることで、凹んでいた部分がふっくらと持ち上がります。
サブシジョンは単独で行われることもありますが、ダーマペンやフラクショナルレーザーと組み合わせることで、より高い効果が期待できます。
5-7. ヒアルロン酸注入
深いクレーターに対しては、ヒアルロン酸を直接注入して凹みを埋める方法もあります。即効性があり、施術直後から効果を実感できるのが特徴です。
ただし、ヒアルロン酸は徐々に体内に吸収されるため、効果は永続的ではありません。効果を維持するためには、定期的な再注入が必要となります。
5-8. イオン導入・エレクトロポレーション
イオン導入やエレクトロポレーションは、電気の力を利用して美容成分を肌の奥深くまで浸透させる治療法です。ビタミンCやトラネキサム酸などの有効成分を効率よく導入することで、色素沈着や赤みの改善、肌質の向上が期待できます。
これらの治療は単独でも行われますが、ダーマペンやピーリングの後に行うことで、より高い効果を得ることができます。
6. 自宅でできるセルフケア
軽度のニキビ跡であれば、日々のセルフケアによって改善が期待できます。また、クリニックでの治療効果を高めるためにも、適切なセルフケアを継続することが大切です。
6-1. 正しい洗顔
ニキビ跡ケアの基本は、毎日の正しい洗顔です。ただし、ゴシゴシと力を入れて洗うのは逆効果です。肌への摩擦は炎症を悪化させたり、色素沈着を濃くしたりする原因になります。
洗顔料はしっかりと泡立て、泡を顔の上で転がすようにやさしく洗います。すすぎは32〜34℃程度のぬるま湯で行い、洗顔料が残らないよう丁寧にすすぎましょう。熱いお湯は必要な皮脂まで洗い流してしまい、乾燥を招きます。
洗顔後はタオルでゴシゴシ拭かず、やさしく押さえるようにして水分を吸い取ります。
6-2. 保湿ケア
ニキビ跡がある肌は、バリア機能が低下している状態です。バリア機能が低下すると、外部からの刺激を受けやすくなり、炎症が悪化して赤みが長引く可能性があります。保湿ケアは、肌のバリア機能を回復させ、ニキビ跡を改善するために重要です。
化粧水で肌に水分を補給した後、乳液やクリームで油分を補い、水分の蒸発を防ぎましょう。セラミドやヒアルロン酸などの保湿成分が配合された製品がおすすめです。
ニキビができやすい方は、「ノンコメドジェニックテスト済み」と表示された製品を選ぶと安心です。これは、ニキビになりにくいかどうかをテストで確認済みの製品です。
6-3. 紫外線対策
紫外線対策は、ニキビ跡ケアにおいて非常に重要です。紫外線を浴びると、メラニンの生成が促進され、色素沈着が悪化します。また、炎症を悪化させる作用もあるため、赤みが残っている状態での日焼けは特に注意が必要です。
日焼け止めは、日常生活であればSPF30・PA+++程度を目安に選びましょう。屋外でのレジャーや長時間の外出時には、より高いSPF値のものを使用します。
日焼け止めだけでなく、帽子や日傘、サングラスなども活用して、物理的に紫外線を遮ることも効果的です。
6-4. ビタミンの摂取
ニキビ跡の改善には、ビタミンの摂取も効果的です。
ビタミンCは、メラニンの生成を抑制する作用があり、色素沈着の改善に役立ちます。また、コラーゲンの生成を促進する働きもあるため、クレーター状のニキビ跡の改善にも効果が期待できます。レモン、キウイ、ブロッコリー、パプリカなどに多く含まれています。
ビタミンB群は、肌の新陳代謝を促進する作用があります。ターンオーバーを正常化し、ニキビ跡の改善をサポートします。豚肉、レバー、卵、納豆などに多く含まれています。
ビタミンAは、皮膚や粘膜の健康を維持する働きがあり、肌の再生を促進します。レバー、にんじん、ほうれん草などに多く含まれています。
バランスの良い食事を心がけ、必要に応じてサプリメントも活用しましょう。
6-5. 十分な睡眠
質の良い睡眠は、肌の再生に欠かせません。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復やターンオーバーが活発に行われます。
睡眠不足が続くと、ターンオーバーが乱れ、ニキビ跡の改善が遅れます。また、ストレスホルモンの分泌が増え、皮脂の分泌が過剰になってニキビができやすくなります。
理想的な睡眠時間は個人差がありますが、7〜8時間程度を目安に、質の良い睡眠を心がけましょう。就寝前のスマートフォンやパソコンの使用は、睡眠の質を低下させるため控えめにしましょう。
6-6. ストレス管理
ストレスは、ニキビやニキビ跡の悪化に大きく影響します。ストレスを感じると、副腎皮質ホルモンや男性ホルモンの分泌が増え、皮脂の分泌が過剰になります。また、ストレスによってターンオーバーが乱れ、ニキビ跡の改善が遅れることもあります。
適度な運動や趣味の時間、リラックスできる入浴など、自分に合ったストレス解消法を見つけて実践しましょう。
6-7. ニキビを触らない・潰さない
ニキビができても、絶対に触ったり潰したりしないようにしましょう。手には雑菌が付着しており、ニキビに触れることで炎症が悪化します。また、潰すことで皮膚組織が損傷し、ニキビ跡が残りやすくなります。
ニキビができた場合は、早めに皮膚科を受診して適切な治療を受けることをおすすめします。
7. ニキビ跡治療で気をつけたいポイント
ニキビ跡の治療を成功させるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
7-1. 早期治療の重要性
ニキビ跡の治療は、早ければ早いほど効果が出やすいです。時間が経つとニキビ跡が定着し、改善に時間がかかるようになります。
特にクレーター状のニキビ跡は、放置するとさらに深くなったり、凹凸が定着したりすることがあります。気になるニキビ跡がある場合は、早めに専門医に相談することをおすすめします。
また、現在進行形でニキビがある場合は、まずニキビの治療を優先しましょう。ニキビが繰り返しできている状態でニキビ跡の治療を行っても、新たなニキビ跡ができてしまい、効果が十分に得られません。
7-2. ニキビ跡の種類に合った治療法を選ぶ
ニキビ跡には種類があり、それぞれ適した治療法が異なります。自己判断で治療法を選ぶと、効果が得られなかったり、かえって悪化したりする可能性があります。
クリニックでは、医師がニキビ跡の種類や程度を正確に診断し、最適な治療法を提案します。複数の治療を組み合わせることで、より効果的な改善が期待できることもあります。
7-3. 継続的な治療が必要
ニキビ跡の治療は、一度の施術で劇的に改善することは稀です。特にクレーター状のニキビ跡は、複数回の施術を重ねることで徐々に改善していきます。
治療期間は、ニキビ跡の種類や程度によって異なりますが、数か月から1年以上かかることもあります。焦らずに、医師の指示に従って継続的に治療を受けることが大切です。
7-4. アフターケアの徹底
治療後のアフターケアは、効果を最大限に引き出すために重要です。多くの治療では、施術後に赤みや腫れ、皮むけなどが生じます。これらは正常な反応であり、適切なケアを行うことで回復していきます。
施術後は、紫外線対策を徹底し、保湿をしっかり行いましょう。また、刺激の強いスキンケア製品や、ピーリング作用のある製品の使用は控えましょう。
医師から指示されたアフターケアの方法を守り、何か異常があればすぐに相談しましょう。
7-5. 生活習慣の改善
治療効果を高め、ニキビの再発を防ぐためには、生活習慣の改善も重要です。バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理など、日々の生活を見直しましょう。
また、喫煙は血行を悪化させ、肌の再生を妨げます。飲酒も過度になると肝機能に影響し、肌のターンオーバーを乱す原因となります。可能であれば禁煙し、飲酒は控えめにすることをおすすめします。
8. 与野エリアからのアクセスについて
与野エリアにお住まいの方でニキビ跡にお悩みの方は、ぜひアイシークリニック大宮院にご相談ください。
与野は、2001年に旧浦和市・旧大宮市とともに合併してさいたま市となり、現在はさいたま市中央区として知られています。JR埼京線の与野本町駅、北与野駅、南与野駅、そしてJR京浜東北線の与野駅など、複数の駅があり、大宮駅へのアクセスも良好です。
与野駅からは、JR京浜東北線で大宮駅まで約5分、2駅で到着します。与野本町駅や北与野駅からは、JR埼京線でさいたま新都心駅を経由して大宮駅にアクセスできます。
大宮駅は、JR各線をはじめ、東武アーバンパークライン、ニューシャトルなど複数の路線が乗り入れる埼玉県最大のターミナル駅です。与野エリアからだけでなく、浦和、川口、上尾、川越など周辺エリアからも通院しやすい立地となっています。
アイシークリニック大宮院では、経験豊富な医師がお一人おひとりのニキビ跡の状態を丁寧に診察し、最適な治療プランをご提案いたします。ダーマペンやフラクショナルレーザー、ケミカルピーリングなど、さまざまな治療を取り揃えており、ニキビ跡の種類や程度に合わせた治療が可能です。
ニキビ跡でお悩みの方は、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。

9. まとめ
ニキビ跡は、多くの方が抱える肌の悩みですが、適切な治療とケアによって改善が期待できます。
ニキビ跡には、赤みタイプ、色素沈着タイプ、クレータータイプ、ケロイドタイプの4種類があり、それぞれ原因と適した治療法が異なります。自分のニキビ跡がどのタイプかを把握し、適切なアプローチを選ぶことが大切です。
軽度の赤みや色素沈着であれば、正しいスキンケアや生活習慣の改善によって、数か月から1年程度で自然に改善することも多いです。一方、クレーター状のニキビ跡は自然回復が難しく、クリニックでの専門的な治療が必要になります。
ニキビ跡の治療には、ダーマペン、フラクショナルレーザー、ケミカルピーリング、サブシジョンなど、さまざまな方法があります。これらを単独または組み合わせて使用することで、より効果的な改善が期待できます。
治療を成功させるためには、早期に専門医に相談すること、継続的に治療を受けること、アフターケアを徹底すること、そして生活習慣を改善することが重要です。
与野エリアにお住まいでニキビ跡にお悩みの方は、大宮駅からすぐのアイシークリニック大宮院にぜひご相談ください。経験豊富な医師が、あなたに最適な治療をご提案いたします。
ニキビ跡のない、自信の持てる美しい肌を目指して、今日から一歩を踏み出しましょう。
参考文献
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務