💬 「手のひらがムズムズ痒いのに、見た目は正常…」
そのかゆみ、放置すると内臓疾患や糖尿病のサインを見逃す可能性があります。
この記事では、湿疹なしで手のひらが痒い原因と、今すぐできる対処法をわかりやすく解説します。読めば「受診すべきか・様子見でいいか」が即わかります。
🚨 読まないと起きるリスク
- かゆみの本当の原因を見逃して症状が悪化
- 内臓・代謝系の病気の発見が遅れる
- 間違ったケアで症状をこじらせる
目次
- 手のひらのかゆみ(湿疹なし)とはどういう状態か
- 手のひらに湿疹なしでかゆみが起こる主な原因
- 乾燥・バリア機能の低下によるかゆみ
- アレルギー・接触性皮膚炎(見えない段階)
- 自律神経の乱れ・ストレスとの関係
- 内臓疾患が原因となるかゆみ(全身性掻痒症)
- 糖尿病と手のひらのかゆみ
- 薬の副作用として現れるかゆみ
- 汗疱(かんぽう)の初期症状との違い
- 自宅でできる対処法と予防策
- こんな症状があれば受診のサイン
- まとめ
💡 この記事のポイント
手のひらのかゆみ(湿疹なし)は、乾燥・アレルギー・ストレス・肝臓や腎臓などの内臓疾患・糖尿病・薬の副作用が主な原因。2週間以上続く場合や全身症状を伴う場合は専門医への受診が必要。
💡 手のひらのかゆみ(湿疹なし)とはどういう状態か
皮膚のかゆみは、医学的には「掻痒(そうよう)」と呼ばれます。通常、かゆみは皮膚に何らかの刺激が加わることで、表皮や真皮にある神経線維を介して脳に伝わり、「かきたい」という衝動を引き起こします。多くの場合、湿疹、蕁麻疹、虫刺されなど、目に見える皮膚の変化とともに現れますが、中には皮膚の表面に何も変化がないまま強いかゆみだけが続く「掻痒症」と呼ばれる状態があります。
手のひらは体の中でも特殊な部位です。足の裏と同様に、毛穴(毛嚢)が存在せず、代わりに汗腺(エクリン汗腺)が非常に密集しています。皮脂腺もないため、他の部位と比べると皮脂による保湿が行われにくく、乾燥しやすい性質があります。また、日常生活において物を持ったり触れたりすることが多く、摩擦や化学物質との接触が避けられない部位でもあります。
こうした手のひら特有の性質が、かゆみを引き起こしやすい環境を作り出しています。さらに、目に見える異常がない場合でも、皮膚の内部では炎症や刺激に対する反応が始まっていることがあり、かゆみはその「警告サイン」である場合もあります。
Q. 手のひらが痒いのに湿疹がない原因は何ですか?
手のひらに湿疹がないのにかゆみが続く主な原因は、皮膚の乾燥・バリア機能の低下、アレルギー反応の初期段階、ストレス・自律神経の乱れ、肝臓や腎臓などの内臓疾患、糖尿病、薬の副作用などです。複数の原因が重なるケースもあります。
📌 手のひらに湿疹なしでかゆみが起こる主な原因
手のひらが痒いのに見た目に変化がない場合、その原因はひとつではなく、複数の要因が重なっていることもあります。大きく分けると、次のような原因が考えられます。
- 皮膚の乾燥・バリア機能の低下
- アレルギー反応や接触刺激(初期段階)
- 自律神経の乱れやストレス
- 肝臓・腎臓・甲状腺などの内臓疾患
- 糖尿病による末梢神経障害
- 薬の副作用
- 汗疱(かんぽう)の発症前段階
それぞれについて、以下で詳しく解説していきます。
✨ 乾燥・バリア機能の低下によるかゆみ
最も一般的な原因のひとつが、皮膚の乾燥です。手のひらは皮脂腺を持たないため、顔や体幹に比べて皮脂による天然の保湿が行われません。特に冬の乾燥した季節や、頻繁な手洗い、アルコール消毒、食器洗いなどにより皮膚の水分と油分が奪われると、皮膚のバリア機能が低下します。
バリア機能が低下した状態では、外部からの刺激に対して敏感になり、普段は何でもない程度の乾燥や摩擦でもかゆみを感じやすくなります。この段階では見た目に明らかな湿疹や赤みが出ていないことも多く、「なぜかゆいのかわからない」という状態になりがちです。
乾燥によるかゆみは、特に以下のような状況で悪化しやすい傾向があります。
- 冬季の低湿度環境(暖房の効いた室内)
- 1日に何度も石けんで手を洗う習慣がある場合
- アルコール消毒を頻繁に使用している場合
- ゴム手袋やラテックス製品を長時間使用する職業の方
- 年齢とともに皮膚の保湿力が低下している場合(特に高齢者)
乾燥が原因の場合、保湿ケアを徹底することで改善が期待できます。ただし、見た目に何もないからといって放置していると、バリア機能がさらに低下して後から湿疹や炎症が出てくることもあるため、早めの対処が重要です。
Q. 手のひらのかゆみと内臓疾患はどう関係しますか?
肝臓疾患による胆汁うっ滞では胆汁酸が血中に増加し手のひらにかゆみが生じます。慢性腎不全では老廃物蓄積が神経を刺激し、甲状腺疾患や悪性腫瘍もかゆみの原因となります。黄疸や体重減少など全身症状を伴う場合は速やかに内科を受診してください。
🔍 アレルギー・接触性皮膚炎(見えない段階)
アレルギーや接触性皮膚炎も、初期段階では湿疹が見えないままかゆみだけが先行することがあります。接触性皮膚炎には「刺激性接触性皮膚炎」と「アレルギー性接触性皮膚炎」の2種類があります。
刺激性接触性皮膚炎は、洗剤、消毒液、有機溶剤など、皮膚を直接刺激する物質に触れることで起こります。アレルギー性接触性皮膚炎は、ニッケル、ゴム(ラテックス)、化粧品成分、植物、食べ物など、特定の物質に対してアレルギー反応が起こるものです。
アレルギー性接触性皮膚炎の場合、原因物質に触れてから症状が出るまでに12〜48時間程度のタイムラグがあることが多く、「何に反応しているのかわからない」という状況になりやすいです。また、反応の強さによっては、最初はかゆみのみで皮膚の変化が出にくいこともあります。
食物アレルギーも見逃せない原因のひとつです。特定の食べ物を食べた後に手のひらがかゆくなる場合、食物アレルギーの初期症状として現れていることがあります。口腔アレルギー症候群(花粉との交差反応で起こる食物アレルギー)でも、口の周辺だけでなく手にかゆみが出ることが報告されています。
また、金属アレルギーがある場合、硬貨や金属製品に触れた後に手のひらがかゆくなることもあります。スマートフォンのケースや時計のバンドなどに含まれるニッケルやクロムが原因となることもあるため、使用している製品との関連を確認することも大切です。
💪 自律神経の乱れ・ストレスとの関係
精神的なストレスや自律神経の乱れが、皮膚のかゆみを引き起こすことがあります。これは「心身症」的なメカニズムによるもので、精神的な緊張や不安が皮膚神経を過敏にさせると考えられています。
ストレスがかかると、コルチゾールやアドレナリンなどのストレスホルモンが分泌され、免疫系や神経系に影響を与えます。皮膚には多くの神経線維が張り巡らされており、ストレス下では「サブスタンスP」と呼ばれる神経伝達物質が増加し、かゆみを感じやすくなる状態が作られます。また、ストレスによって皮膚のバリア機能自体も低下することが知られています。
「仕事が忙しいときだけ手のひらがかゆくなる」「緊張しているとむずむずする感じがある」という場合、ストレスや自律神経の乱れが関係している可能性があります。精神的なプレッシャーを感じると特に手に発汗が起こりやすい(いわゆる「精神性発汗」)ことも、かゆみの一因となることがあります。
また、かゆみを感じて皮膚をかくことがさらにストレスを生み、かゆみがますます悪化するという悪循環(かゆみ-掻破サイクル)に陥るケースもあります。ストレス管理や規則正しい生活習慣が、皮膚症状の改善に有効なことも少なくありません。
🎯 内臓疾患が原因となるかゆみ(全身性掻痒症)
皮膚に見た目の異常がないにもかかわらず全身、あるいは局所的にかゆみが続く場合、内臓の病気が背景にある可能性があります。これを「全身性掻痒症」と呼び、特に注意が必要な状態です。
かゆみを引き起こす可能性のある内臓疾患には以下のようなものがあります。
肝臓の病気(肝疾患)では、胆汁の流れが滞る「胆汁うっ滞」が起こると、胆汁に含まれる胆汁酸が血中に増加し、皮膚に沈着してかゆみを引き起こします。肝硬変、原発性胆汁性胆管炎(PBC)、胆石症などが代表的な原因疾患です。かゆみは特に夜間に強くなる傾向があり、手のひらや足の裏に集中することが知られています。
腎臓の病気(慢性腎不全・透析)でも強いかゆみが現れることがあります。腎機能が低下すると、老廃物が体内に蓄積し、皮膚の神経を刺激してかゆみを引き起こします。透析患者さんの多くが「透析掻痒症」に悩んでいます。
甲状腺の病気、特に甲状腺機能亢進症(バセドウ病)では、代謝が亢進して皮膚の血行が増加し、乾燥や過敏な状態が生まれることでかゆみが起こることがあります。逆に甲状腺機能低下症では皮膚が乾燥しやすくなり、かゆみの原因となることがあります。
血液疾患では、真性赤血球増多症(本態性血小板血症などの骨髄増殖性腫瘍)において、入浴後に強いかゆみが起こる「水源性掻痒症」が知られています。手のひらだけでなく全身に及ぶことがありますが、入浴後に特に悪化する場合は注意が必要です。
悪性腫瘍(がん)でもかゆみが現れることがあります。ホジキンリンパ腫などのリンパ腫、膵臓がん、消化器がんなどが原因としてあげられることがあります。全身性のかゆみが続いている場合は、見過ごしてはいけないサインである可能性があります。
Q. 糖尿病が手のひらのかゆみを引き起こす仕組みは?
糖尿病による手のひらのかゆみには主に3つの仕組みがあります。高血糖による皮膚の乾燥、末梢神経障害による感覚異常・かゆみ、免疫低下によるカンジダ感染です。特に夜間に強くなる傾向があり、糖尿病がある方は血糖管理の確認と合わせて専門医への相談が推奨されます。

💡 糖尿病と手のひらのかゆみ
糖尿病は、皮膚のかゆみと深い関連がある疾患のひとつです。糖尿病による手のひらのかゆみには、いくつかのメカニズムが考えられます。
まず、高血糖状態が続くと皮膚が乾燥しやすくなります。これは、血糖値が高いことで頻尿が起こり体内の水分が失われやすくなること、また皮膚の汗腺や皮脂腺の機能が低下することによります。乾燥した皮膚はかゆみを生じやすく、手のひらも例外ではありません。
次に、糖尿病の合併症として末梢神経障害があります。高血糖が長期間続くと、手足の末梢神経が傷つき、しびれや感覚異常、灼熱感とともにかゆみが現れることがあります。糖尿病性神経障害によるかゆみは、手や足に多く現れ、特に夜間に強くなることが多いです。
さらに、糖尿病では免疫機能が低下するため、カンジダ(真菌)などによる感染症が起こりやすくなります。カンジダ感染は指の間や手のひらにも発生することがあり、初期段階ではかゆみのみで皮膚の変化が目立たないこともあります。
糖尿病がある方、または血糖値が高めと指摘されたことがある方で、手のひらのかゆみが続く場合は、血糖管理の状態を確認するとともに、皮膚科や内科に相談することをおすすめします。
📌 薬の副作用として現れるかゆみ
服用している薬が、かゆみを引き起こすことがあります。薬による皮膚症状には、湿疹や蕁麻疹を伴うものと、かゆみのみが先行するものがあります。
薬剤性のかゆみを引き起こしやすい薬には以下のようなものがあります。
- 降圧薬(ACE阻害薬など)
- 抗生物質(ペニシリン系、セフェム系など)
- 非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs:ロキソプロフェン、イブプロフェンなど)
- 利尿薬
- 抗がん剤
- オピオイド系鎮痛薬(モルヒネなど)
- スタチン系コレステロール低下薬
薬剤性のかゆみは、薬を飲み始めてすぐに起こることもありますが、数週間から数か月後に現れることもあります。また、同じ薬を以前は問題なく使えていたのに、ある時から急にかゆみが出るようになることもあります。
新しく薬を飲み始めてからかゆみが出るようになった場合は、自己判断で薬を中止せず、必ず処方した医師や薬剤師に相談してください。代替薬に変更することで改善する場合があります。
✨ 汗疱(かんぽう)の初期症状との違い
汗疱(かんぽう)は、手のひらや足の裏に小さな水ぶくれが多数できる皮膚疾患で、かゆみを伴うことが多いです。「異汗性湿疹(いかんせいしっしん)」とも呼ばれます。春から夏にかけて悪化しやすく、発汗との関係が指摘されていますが、詳しい原因はまだ完全には解明されていません。
汗疱の初期段階では、小さな水ぶくれが出る前にかゆみや熱感、むずむず感が先行することがあります。この段階では「かゆいのに湿疹がない」ように見えますが、数日後に手のひらや指の側面に透明な小水疱(粟粒大の水ぶくれ)が現れてきます。
汗疱は以下のような特徴があります。
- 手のひら・足の裏・指の側面に小さな透明な水ぶくれができる
- 水ぶくれは表皮の深い層にあるため、触っても潰れにくい
- 強いかゆみを伴うことが多い
- 春〜夏に悪化する傾向がある
- ストレスや発汗過多、金属アレルギーなどが誘因になることがある
- 水ぶくれが乾燥してかさぶたになり、皮が剥けることがある
かゆみの後に手のひらに水ぶくれが出てきた場合は、汗疱を疑ってください。ステロイド外用薬による治療が有効ですが、範囲が広い場合や繰り返す場合は皮膚科で診断を受けることをおすすめします。
汗疱と手白癬(手の水虫)は見た目が似ていることがあります。水虫の場合も初期にかゆみが先行することがあり、後から水ぶくれや皮むけが起こります。自己判断で市販の水虫薬を使い続けると、炎症が悪化するリスクもあるため、専門医の診断を受けることが大切です。
Q. 手のひらのかゆみで病院を受診すべき目安は?
かゆみが2週間以上続く場合、市販薬で改善しない場合、夜間のかゆみで眠れない場合は皮膚科への受診を検討してください。黄疸・体重減少・動悸など全身症状を伴う場合は内臓疾患の可能性があり、内科や総合診療科への早急な受診が必要です。
🔍 自宅でできる対処法と予防策
原因を確認しながら、自宅でできる対処法をご紹介します。ただし、症状が長引いたり悪化したりする場合は、自己対処に限界がありますので、早めに医療機関を受診してください。
✅ 保湿ケアを徹底する
乾燥が原因と考えられる場合、こまめな保湿が最も基本的な対策です。手を洗った後は水分をしっかり拭き取り、すぐにハンドクリームや保湿剤を塗ることが大切です。ヘパリン類似物質含有のクリーム(ヒルドイドなど)は保湿力が高く、処方または市販で入手できます。尿素配合の保湿剤は角質をやわらかくする効果がありますが、荒れた皮膚に使うとしみることがあるため注意が必要です。
就寝前にたっぷりと保湿クリームを塗り、薄手のコットン手袋をして寝る「手のひらラップ保湿」も効果的です。ただし、蒸れすぎると逆効果になることがあるため、吸湿性の高い素材を選びましょう。
📝 刺激になりやすいものを避ける
洗剤、消毒液、化学物質などとの接触を減らすことで、刺激性接触性皮膚炎を予防できます。家事や水仕事の際はゴム手袋を使用するとよいですが、ゴムアレルギーがある方はラテックスフリーのニトリル手袋を選んでください。ゴム手袋の中に薄手のコットン手袋を重ねて使うと、蒸れによる刺激も軽減できます。
手洗いの際は、できれば低刺激性の無香料・無着色の石けんを使い、ぬるめのお湯で洗うようにしましょう。熱いお湯は皮脂を過剰に落として乾燥を悪化させます。また、アルコール消毒液の頻繁な使用も皮膚を乾燥させるため、必要に応じて保湿の頻度を増やしてください。
🔸 かかない工夫をする
かゆみを感じてもかいてしまうと、皮膚への刺激でさらにかゆみが増す(かゆみ-掻破サイクル)ため、できるだけかかないようにすることが大切です。かゆいときには保冷剤などで軽く冷やすことで、かゆみを一時的に和らげることができます。強くこすったり掻いたりすることは避けてください。
⚡ 市販薬の使い方
軽度の乾燥性かゆみであれば、市販の保湿系ハンドクリームやかゆみ止めクリーム(抗ヒスタミン薬配合のもの)を活用できます。ただし、ステロイド配合の市販薬は長期間・広範囲に使用すると皮膚が薄くなるなどの副作用が出ることがあるため、使用方法をよく確認して使いすぎに注意してください。
市販薬を使っても1〜2週間で改善しない場合、または悪化している場合は医療機関を受診することをおすすめします。
🌟 生活習慣を整える

ストレスや自律神経の乱れが関係している場合は、生活習慣の改善も重要です。十分な睡眠を確保すること、規則正しい食事をとること、適度な運動をすること、リラクゼーションの時間を作ることが基本です。入浴はシャワーだけでなくぬるめのお湯にゆっくり浸かることで自律神経を整える効果もありますが、熱すぎるお湯はかゆみを悪化させるため注意してください。
アルコールや香辛料などの刺激物は皮膚の血管を拡張させてかゆみを悪化させることがあります。かゆみがひどい時期は控えめにすることが望ましいです。
💬 食事との関係を確認する
食物アレルギーが疑われる場合は、かゆみが出るタイミングと食事内容の関係を記録してみましょう。食事日記をつけることで、原因食物の特定につながることがあります。ただし、自己判断で食品を完全除去することは栄養不足のリスクがあるため、アレルギー専門医に相談したうえで行うことをおすすめします。
💪 こんな症状があれば受診のサイン
自宅での対処で改善しない場合や、以下のような症状がある場合は早めに医療機関を受診してください。
✅ 皮膚科・アレルギー科への受診を検討すべきケース
- 2週間以上かゆみが続いている
- 市販薬を使っても改善しない
- かゆみが悪化してきた
- かいた後に傷や二次感染(化膿など)が生じた
- 水ぶくれや皮むけが出てきた
- 特定のものに触れた後に必ずかゆくなる
- 夜間のかゆみが強くて眠れない
📝 内科・総合診療科への受診を検討すべきケース
- 黄疸(皮膚や白目が黄色い)を伴う場合
- 体重減少、疲労感、食欲不振を伴う場合
- 尿が泡立つ、尿量が減るなど腎機能低下を疑う症状がある場合
- 動悸、手の震え、体重変化など甲状腺異常を疑う症状がある場合
- 糖尿病と診断されている、または血糖値が高いと指摘された場合
- 入浴後に全身が強くかゆくなる場合
- 夜間に限定したかゆみが続く場合
- リンパ節が腫れている場合
なお、受診する科は症状によって異なります。皮膚に関係する症状はまず皮膚科を受診するのが基本ですが、上記のような全身症状を伴う場合は内科や総合診療科にも相談することをおすすめします。複数の科をまたいで診ることが必要なケースもあります。
受診の際には、かゆみが始まった時期、かゆみの場所(手のひら全体か指先か、両手か片手かなど)、悪化するタイミング(入浴後、食後、ストレス時など)、仕事や生活での化学物質・金属との接触、服用中の薬、基礎疾患、アレルギーの既往、などを事前にまとめておくとスムーズに診察が進みます。
また、皮膚科では「パッチテスト」と呼ばれる接触アレルギーの検査や、「プリックテスト」などのアレルギー検査を行うことで原因物質を特定できる場合があります。内臓疾患が疑われる場合は血液検査や尿検査、超音波検査などが行われることがあります。正確な診断を受けることで、適切な治療につながります。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「手のひらがかゆいけれど見た目には何も異常がない」というお悩みで来院される患者さんが少なくなく、丁寧に問診を重ねると、乾燥やストレスといった身近な原因から、肝臓・腎臓・糖尿病などの内臓疾患が背景に潜んでいるケースまで、実にさまざまな原因が見つかります。かゆみは皮膚が発する大切なサインであり、「見た目に異常がないから大丈夫」と放置せず、2週間以上続くようであればぜひ早めにご相談ください。患者さん一人ひとりの生活背景や体の状態をしっかり確認したうえで、原因に合った適切なケアをご提案いたします。」
🎯 よくある質問
主な原因として、皮膚の乾燥・バリア機能の低下、アレルギー反応の初期段階、ストレス・自律神経の乱れ、肝臓・腎臓・甲状腺などの内臓疾患、糖尿病、薬の副作用、汗疱の前段階などが挙げられます。複数の原因が重なっている場合もあるため、症状が続く場合は専門医への相談をおすすめします。
保湿ケアを徹底することが基本です。手洗い後はすぐにハンドクリームを塗り、就寝前にたっぷりと保湿剤を塗ってコットン手袋をはめる方法も効果的です。かゆいときは保冷剤で冷やして対処し、強くかくのは避けましょう。洗剤や消毒液との接触を減らすことも重要です。
はい、あります。肝臓の病気による胆汁うっ滞、慢性腎不全、甲状腺疾患、血液疾患、悪性腫瘍などが原因となることがあります。これらは「全身性掻痒症」と呼ばれる状態で、黄疸・体重減少・疲労感などの全身症状を伴う場合は、早めに内科または総合診療科を受診してください。
かゆみが2週間以上続く場合、市販薬を使っても改善しない場合、水ぶくれや皮むけが出てきた場合、夜間のかゆみで眠れない場合は受診を検討してください。また、黄疸・体重減少・動悸など全身症状を伴う場合は、内臓疾患の可能性もあるため早急な受診が必要です。
はい、関係があります。高血糖が続くと皮膚が乾燥しやすくなるほか、末梢神経障害によるしびれや感覚異常とともにかゆみが現れることがあります。また免疫機能の低下でカンジダ感染が起こりやすくなり、初期はかゆみのみのこともあります。糖尿病がある方は血糖管理の確認と合わせて専門医にご相談ください。
💡 まとめ
手のひらが痒いのに湿疹がない状態は、乾燥・バリア機能の低下、アレルギー反応の初期、ストレス・自律神経の乱れ、内臓疾患(肝臓・腎臓・甲状腺・血液疾患など)、糖尿病、薬の副作用、汗疱の前段階など、さまざまな原因によって引き起こされます。
かゆみは「見えない異常のサイン」であることも多く、特に全身性の内臓疾患が潜んでいる場合には早期発見が重要です。軽い乾燥性かゆみであれば保湿ケアや刺激の回避で改善することも多いですが、2週間以上続く場合や全身症状を伴う場合は自己判断で様子をみるのではなく、専門医への受診をためらわないことが大切です。
アイシークリニック大宮院では、皮膚に関するさまざまなお悩みに対応しています。「なんとなくかゆいけど原因がわからない」という段階でも、お気軽にご相談ください。適切な検査と診断により、かゆみの原因を突き止め、一人ひとりに合った治療法をご提案します。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 掻痒症(かゆみ)の定義・メカニズム・皮膚疾患としての分類に関する情報。接触性皮膚炎・汗疱・乾燥性皮膚炎などの診断基準や治療指針の参照元として使用。
- 厚生労働省 – 糖尿病の合併症(末梢神経障害・皮膚乾燥)に関する情報。糖尿病と皮膚かゆみの関連性、血糖管理の重要性についての根拠資料として使用。
- PubMed – 全身性掻痒症と内臓疾患(肝疾患・慢性腎不全・甲状腺疾患・悪性腫瘍など)との関連を示す国際医学文献。かゆみのメカニズム(胆汁酸・神経障害・ストレスホルモン)に関するエビデンスの参照元として使用。
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務