手や足、顔などにできる「いぼ」は、多くの方が一度は経験したことのある身近な皮膚トラブルです。しかし、いぼには実にさまざまな種類があり、原因や適切な治療法も異なります。「放っておいても大丈夫なの?」「どの病院に行けばいいの?」「治療は痛い?」など、いぼに関する疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、与野エリア(さいたま市中央区)にお住まいの方に向けて、いぼの基礎知識から最新の治療法、日常生活での予防法まで、皮膚科専門医の視点から詳しく解説いたします。いぼでお悩みの方は、ぜひ最後までお読みください。
目次
- いぼとは何か
- いぼの種類と特徴
- いぼができる原因
- いぼの感染経路と感染しやすい場所
- いぼと間違えやすい皮膚疾患
- 皮膚科で行われるいぼの治療法
- いぼ治療の期間と通院頻度
- いぼの予防法と日常生活での注意点
- いぼができたときにやってはいけないこと
- 病院を受診すべきタイミング
- 与野エリアからアイシークリニック大宮院へのアクセス
- いぼに関するよくある質問
- まとめ
- 参考文献
1. いぼとは何か
「いぼ」とは、皮膚の表面にできる小さな突起状のできものの総称です。医学的には「疣贅(ゆうぜい)」と呼ばれ、その多くはウイルス感染によって引き起こされます。
いぼは非常にありふれた皮膚疾患であり、皮膚科外来を受診する患者さんの約4.5%がウイルス性いぼであるというデータがあります。特に若年層に多く見られ、6歳から10歳の小児では約23%、11歳から15歳では約17%という有病率が報告されています。
いぼは良性の皮膚腫瘍であり、基本的には命に関わるものではありません。しかし、見た目が気になったり、場所によっては痛みを伴ったり、他の部位や他の人にうつってしまう可能性があるため、適切な治療を受けることが推奨されます。
また、一見いぼに見えるものの中には、悪性腫瘍が含まれている場合もあるため、自己判断せずに皮膚科を受診することが大切です。
2. いぼの種類と特徴
いぼにはさまざまな種類があり、それぞれ原因や特徴、好発部位が異なります。大きく分けると、ウイルス性のいぼと非ウイルス性のいぼに分類できます。
2-1. ウイルス性のいぼ
尋常性疣贅(じんじょうせいゆうぜい)
最も一般的に見られるいぼで、ヒトパピローマウイルス(HPV)の感染によって発症します。手の指や手のひら、足の裏など、外傷を受けやすい部位にできることが多いです。
表面はざらざらしており、肌色から灰白色を呈します。初期は小さな突起ですが、放置すると数ミリメートルから1センチメートル程度まで大きくなることがあります。また、複数のいぼが集まって花キャベツのような形状になることもあります。
特に足の裏にできた尋常性疣贅は「足底疣贅(そくていゆうぜい)」と呼ばれ、体重がかかることで皮膚の中に押し込まれる形になり、歩行時に痛みを伴うことがあります。見た目がうおのめやたこに似ているため、間違えられることも少なくありません。
青年性扁平疣贅(せいねんせいへんぺいゆうぜい)
主に思春期以降の若い女性に多く見られるいぼです。顔や手の甲、膝下などにできやすく、皮膚面からの盛り上がりが少なく、表面が滑らかで平らなのが特徴です。
色は淡い褐色、ピンク色、または肌色で、直径は2ミリメートルから5ミリメートル程度の小さなものが多発します。ニキビやシミ、湿疹と間違われることもありますが、これもHPV感染によるウイルス性のいぼです。
顔面に多発することが多いため、美容面での悩みにつながりやすい傾向があります。
伝染性軟属腫(でんせんせいなんぞくしゅ)/ 水いぼ
伝染性軟属腫ウイルス(MCV)の感染によって発症するいぼで、一般的に「水いぼ」と呼ばれています。主に幼稚園児から小学校低学年の子どもに多く見られます。
直径1ミリメートルから5ミリメートル程度の、光沢のあるドーム状のブツブツができます。中央がくぼんでいるのが特徴で、いぼの中にウイルスを含む白っぽい内容物があります。
体のあらゆる部位にできますが、特にわきの下、お腹、太ももの内側など、皮膚が薄くて擦れやすい部位に好発します。プールや集団生活で感染が広がりやすいです。
尖圭コンジローマ(せんけいこんじろーま)
HPV(主に6型、11型)の感染によって性器やその周辺にできるいぼです。性感染症の一つであり、主に性行為によって感染します。
外陰部や膣、陰茎、肛門周囲などに、カリフラワー状または鶏冠状の淡紅色のいぼが発生します。潜伏期間は3週間から8か月と幅があります。
2-2. 非ウイルス性のいぼ
脂漏性角化症(しろうせいかくかしょう)/ 老人性疣贅
加齢や紫外線の影響によってできるいぼで、「老人性いぼ」とも呼ばれます。30歳代後半から出現し始め、加齢とともに増加する傾向があります。
顔、首、手の甲、胸、背中など、紫外線を浴びやすい部位に好発します。色は肌色から褐色、黒色までさまざまで、表面はざらざらしていることが多いです。大きさは数ミリメートルから2センチメートル程度まであります。
良性の腫瘍であり、健康上の問題はありませんが、見た目が気になる場合は治療で除去することも可能です。
軟性線維腫(なんせいせんいしゅ)/ スキンタッグ
首やわきの下、胸元など、皮膚の柔らかい部位にできる小さな皮膚の突起です。皮膚から飛び出すような形状で、肌色から褐色を呈します。
加齢や肥満、遺伝的な要因、皮膚の摩擦などが原因と考えられています。ウイルス性ではないため、他の人にうつることはありません。
衣類やアクセサリーに引っかかって炎症を起こすことがあるため、気になる場合は皮膚科で相談するとよいでしょう。
3. いぼができる原因
いぼができる原因は、その種類によって異なります。
3-1. ウイルス感染
ウイルス性いぼの原因は、ヒトパピローマウイルス(HPV)や伝染性軟属腫ウイルス(MCV)などのウイルス感染です。
HPVは100種類以上の遺伝子型が存在し、型によって引き起こす症状が異なります。尋常性疣贅は主にHPV 2型、27型、57型などが原因となり、扁平疣贅はHPV 3型、10型などが関与しています。
これらのウイルスは、皮膚にできた小さな傷口から侵入し、表皮の基底細胞に感染します。感染した細胞が異常に増殖することで、皮膚の表面に突起状のいぼが形成されます。
潜伏期間は1か月から3か月程度とされていますが、半年以上経過してから症状が現れることもあります。
3-2. 加齢と紫外線
脂漏性角化症(老人性いぼ)は、加齢による皮膚の老化と、長年にわたる紫外線のダメージが主な原因です。
紫外線を浴びることで皮膚の細胞に異常が生じ、メラニン色素が増加して表皮が厚くなります。これが積み重なることで、いぼ状の隆起が形成されます。
屋外での活動が多い方や、日焼け止めなどの紫外線対策を怠りがちな方は、老人性いぼができやすい傾向があります。
3-3. 皮膚の摩擦と刺激
軟性線維腫(スキンタッグ)は、皮膚同士の摩擦や衣類との摩擦が繰り返されることで発生しやすくなります。
首周りやわきの下、鼠径部など、皮膚が擦れやすい部位に好発するのはこのためです。肥満の方は皮膚の摩擦が増えるため、スキンタッグができやすいとされています。
また、妊娠中はホルモンバランスの変化により、スキンタッグが増加することがあります。
3-4. 免疫力の低下
ウイルス性いぼは、免疫力が低下しているときに発症しやすくなります。
健康な状態であれば、体の免疫システムがウイルスの増殖を抑制し、感染しても自然に治癒することがあります。しかし、疲労やストレス、睡眠不足、栄養バランスの乱れなどで免疫力が低下すると、ウイルスが活性化して、いぼが発生しやすくなります。
また、アトピー性皮膚炎の方は皮膚のバリア機能が低下しているため、ウイルスが侵入しやすく、いぼに感染しやすい傾向があります。
4. いぼの感染経路と感染しやすい場所
ウイルス性いぼは人から人へ感染する可能性があります。感染経路を知っておくことで、予防に役立てることができます。
4-1. 直接接触による感染
いぼに直接触れることで、ウイルスが皮膚に付着し、小さな傷口から侵入して感染が成立します。
家族内で感染が広がることも珍しくありません。いぼができている人の手に触れたり、同じタオルを使用したりすることで、ウイルスがうつる可能性があります。
また、自分自身の体内でも感染が広がることがあります。いぼを触った手で他の部位に触れると、そこに新しいいぼができる「自家接種」という現象が起こります。
4-2. 間接接触による感染
プールや温泉施設、銭湯、スポーツジムなどでは、間接的な接触によってウイルスに感染することがあります。
プールの水自体ではウイルスは感染しませんが、タオル、浮き輪、ビート板などの共用物を介して感染が広がることがあります。また、脱衣所やシャワールームの床を裸足で歩くことで、足の裏に感染することもあります。
湿度の高い環境ではウイルスが活発になりやすく、皮膚がふやけてバリア機能が低下するため、感染リスクが高まります。
4-3. 感染しやすい条件
以下のような条件が揃うと、いぼに感染しやすくなります。
まず、皮膚に傷があることが挙げられます。ささくれ、あかぎれ、擦り傷など、どんなに小さな傷でもウイルスの侵入口となり得ます。
次に、皮膚の乾燥も感染リスクを高めます。乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、ウイルスが侵入しやすくなります。特に秋から冬にかけての乾燥する季節は注意が必要です。
また、免疫力の低下も感染しやすさに影響します。体調不良のときや、ストレスが溜まっているときは、普段以上に感染予防を意識しましょう。
5. いぼと間違えやすい皮膚疾患
いぼに似た見た目を持つ皮膚疾患はいくつかあります。適切な治療を受けるためには、正しい診断が不可欠です。
5-1. うおのめ(鶏眼)
うおのめは、皮膚の一部に繰り返し圧力や摩擦が加わることで、角質が厚くなり、円錐状に皮膚の内側に向かって成長したものです。
足の裏や指の関節部分にできることが多く、歩行時に痛みを伴います。中心部に半透明の芯があるのが特徴です。
足底疣贅との見分け方として、いぼには点状の出血点(血管の断端)が見られることがありますが、うおのめにはありません。
5-2. たこ(胼胝)
たこは、うおのめと同様に圧力や摩擦によって角質が厚くなったものですが、うおのめと違って皮膚の表面に向かって平らに広がります。
芯がなく、押しても痛みが少ないのが特徴です。靴が合っていなかったり、歩き方に癖があったりすると、たこができやすくなります。
5-3. ほくろ(色素性母斑)
ほくろは、メラニン色素を産生する細胞(メラノサイト)が増殖したもので、良性の腫瘍です。
いぼと違ってウイルス性ではなく、色が黒色から褐色であることが多いです。ただし、盛り上がったほくろは老人性いぼと間違えられることがあります。
急に大きくなったり、形が不整になったり、色にムラが出てきたりした場合は、悪性黒色腫(メラノーマ)の可能性もあるため、早めに皮膚科を受診してください。
5-4. 粉瘤(ふんりゅう)
粉瘤は、皮膚の下に袋状の構造物ができ、その中に角質や皮脂が溜まってしこりになったものです。
表面は皮膚に覆われており、いぼのように盛り上がって見えることがありますが、内部に内容物があるため、押すと弾力があります。感染を起こすと赤く腫れて痛みを伴います。
5-5. 悪性腫瘍
まれに、いぼに見えるものが悪性腫瘍(皮膚がん)である場合があります。
有棘細胞がん、基底細胞がん、悪性黒色腫などは、初期段階ではいぼのように見えることがあります。特に高齢者で、急速に大きくなる、出血しやすい、潰瘍ができるといった症状がある場合は、速やかに皮膚科を受診してください。
6. 皮膚科で行われるいぼの治療法
日本皮膚科学会の「尋常性疣贅診療ガイドライン2019」では、いぼの治療法について推奨度が示されています。ここでは、代表的な治療法について解説します。
6-1. 液体窒素凍結療法
液体窒素凍結療法は、日本皮膚科学会のガイドラインで最も強く推奨されている治療法(推奨度A)です。
マイナス196度の液体窒素を綿棒やスプレーでいぼに当て、凍結と融解を繰り返すことで、いぼの組織を壊死させます。治療後は水ぶくれや血豆ができることがありますが、数日後にかさぶたとなり、いぼと一緒に剥がれ落ちます。
保険適用の治療であり、費用負担が比較的少ないのがメリットです。ただし、1回の治療で完治することは少なく、1週間から2週間おきに繰り返し通院する必要があります。治療回数は、いぼの大きさや部位によって異なりますが、数回から数十回かかることもあります。
治療時には凍結による痛みを伴いますが、痛みの程度は個人差があります。お子さまや痛みに敏感な方には、治療の強さを調整するなどの配慮が行われます。
6-2. サリチル酸製剤(スピール膏)
サリチル酸は角質を柔らかくして剥がす作用があり、スピール膏として市販もされています。ガイドラインでは推奨度Bとされています。
足の裏など角質が厚い部位のいぼに対して、液体窒素療法と併用して使用されることが多いです。患部に貼り付けることで、分厚くなった皮膚が白くふやけて脱落し、いぼが小さくなっていきます。
自宅で毎日処置を続ける必要がありますが、痛みが少なく、液体窒素療法の補助療法として効果的です。
6-3. ヨクイニン内服
ヨクイニンは、ハトムギの種子から作られた漢方薬で、免疫調整効果があるとされています。ガイドラインでは推奨度Bとされています。
単独で使用することは少なく、液体窒素療法などと併用されます。即効性はありませんが、免疫力を高めることで、いぼの治癒を促進する効果が期待できます。
副作用が少なく、お子さまや妊婦さんにも比較的安全に使用できます。ただし、効果が現れるまでに時間がかかることがあり、2か月から3か月程度の継続服用が必要です。
6-4. 活性型ビタミンD3外用薬
乾癬の治療に使用されるビタミンD3軟膏が、いぼの治療にも応用されることがあります。
表皮の角化を正常化し、いぼの周辺の皮膚を柔らかくする効果があります。液体窒素療法と併用することで、治療効果を高めることができます。
毎日患部に塗布し、絆創膏やスピール膏で密封する方法が一般的です。
6-5. モノクロロ酢酸療法
モノクロロ酢酸は、角質を溶かす作用のある薬剤です。液体窒素療法の痛みに耐えられないお子さまなどに対して、代替療法として使用されることがあります。
痛みがほとんどないため、治療への恐怖心が強い方にも適しています。ただし、液体窒素療法と比較すると治療期間が長くなる傾向があります。
6-6. 炭酸ガスレーザー治療
炭酸ガスレーザー(CO2レーザー)を用いて、いぼを蒸散させる治療法です。
局所麻酔を行った上で、レーザーでいぼの組織を削り取ります。1回の治療で除去できることが多く、治療回数が少なくて済むのがメリットです。
ただし、保険適用外となる場合が多く、自費診療となることがあります。また、治療後に色素沈着や瘢痕が残る可能性があるため、顔など目立つ部位への使用は慎重に検討する必要があります。
6-7. 外科的切除
いぼをメスで切除する方法です。局所麻酔下で行われ、再発率が比較的低いのがメリットです。
液体窒素療法で改善しない難治性のいぼや、大きないぼに対して選択されることがあります。保険適用の治療です。
7. いぼ治療の期間と通院頻度
いぼの治療期間は、いぼの種類、大きさ、数、できている部位、患者さんの免疫状態などによって大きく異なります。
一般的な目安として、液体窒素療法の場合、1週間から2週間に1回の通院を続け、数週間から数か月で完治を目指します。足の裏など角質が厚い部位のいぼや、多発しているいぼは、治療期間が長くなる傾向があります。
治療中に最も大切なことは、「あきらめずに通院を続けること」です。途中で治療を中断してしまうと、いぼが再び大きくなったり、増えたりしてしまうことがあります。
また、いぼが完全に消失したように見えても、ウイルスが皮膚の深部に残っていると再発することがあります。医師の判断で「完治」と言われるまで、治療を継続することが重要です。
8. いぼの予防法と日常生活での注意点
いぼを予防するためには、ウイルスへの感染を防ぐことと、皮膚のバリア機能を維持することが大切です。
8-1. 皮膚の保湿を心がける
乾燥した皮膚はバリア機能が低下し、ウイルスが侵入しやすくなります。特に秋から冬にかけての乾燥する季節は、保湿クリームなどでスキンケアを行いましょう。
お風呂上がりや手を洗った後は、肌が乾燥しやすいタイミングです。こまめに保湿することで、皮膚のバリア機能を維持できます。
8-2. 傷のケアを丁寧に行う
ささくれやあかぎれ、擦り傷などの小さな傷は、ウイルスの侵入口となります。傷ができたら、清潔に保ち、絆創膏などで保護しましょう。
特に手荒れしやすい方は、保護用の手袋を使用するなど、傷を作らないための予防も大切です。
8-3. タオルやスリッパの共用を避ける
家族内でいぼに感染している人がいる場合、タオルやバスマット、スリッパなどの共用は避けましょう。
また、プールや温泉施設を利用する際は、タオル、浮き輪、ビート板などを共用しないように注意します。
8-4. プールや温泉後のケア
プールや温泉から上がった後は、シャワーで体をよく洗い流し、しっかりと保湿ケアを行いましょう。
プールの塩素や温泉の成分によって皮膚のバリア機能が低下することがあるため、入浴後のスキンケアは特に重要です。
8-5. 免疫力を維持する
バランスの良い食事、十分な睡眠、適度な運動、ストレス管理など、健康的な生活習慣を心がけることで、免疫力を維持できます。
免疫力が低下すると、ウイルスに感染しやすくなるだけでなく、すでにあるいぼが悪化したり、増えたりする原因にもなります。
8-6. 紫外線対策
老人性いぼ(脂漏性角化症)の予防には、紫外線対策が効果的です。
日焼け止めを塗る、帽子や日傘を使用する、長袖の衣服を着用するなど、日常的に紫外線から肌を守る習慣をつけましょう。
9. いぼができたときにやってはいけないこと
いぼができてしまったときに、誤った対処をすると、症状が悪化したり、感染が広がったりする原因になります。以下のことは絶対に避けてください。
9-1. いぼを触る、いじる
いぼが気になるからといって、触ったりいじったりするのは禁物です。
いぼを触った手で他の部位に触れると、ウイルスが広がって新しいいぼができる「自家接種」が起こります。また、爪などでいぼを引っ掻くと、周囲の皮膚に傷がつき、そこからさらに感染が広がる可能性があります。
9-2. 自分でいぼを削る、切る
いぼを自分で削ったり、はさみやカッターなどで切り取ろうとしたりするのは非常に危険です。
出血や感染のリスクがあるだけでなく、いぼが残って再発したり、傷跡が残ったりする可能性があります。いぼの除去は必ず皮膚科で行ってもらいましょう。
9-3. 市販薬を長期間使用し続ける
サリチル酸を含むいぼ取り用の市販薬は、適切に使用すれば効果が期待できます。しかし、数週間使用しても改善しない場合は、いぼではない可能性や、市販薬では対応できない種類のいぼである可能性があります。
自己判断で長期間使用し続けるのではなく、皮膚科を受診して正しい診断を受けることが大切です。
9-4. 放置する
「痛くないから」「小さいから」といって、いぼを放置するのは良くありません。
放置している間に、いぼが大きくなったり、数が増えたり、他の部位や家族にうつしてしまったりする可能性があります。早期に治療を開始すれば、治療回数も少なくて済みます。
10. 病院を受診すべきタイミング
以下のような場合は、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
10-1. いぼが増えている、大きくなっている
いぼの数が増えたり、大きくなったりしている場合は、早めの治療が必要です。放置すると、さらに症状が悪化する可能性があります。
10-2. 痛みやかゆみがある
いぼ自体は通常、痛みやかゆみを伴いませんが、足の裏にできたいぼは歩行時に痛むことがあります。また、いぼを掻いてしまって炎症を起こした場合は、かゆみや痛みが出ることがあります。
10-3. 出血している、潰瘍ができている
いぼから出血したり、潰瘍ができたりしている場合は、悪性腫瘍の可能性も含めて、速やかに皮膚科を受診してください。
10-4. 顔など目立つ部位にできた
顔にできたいぼは見た目が気になるだけでなく、自己処置によって傷跡が残るリスクも高いため、早めに専門医に相談しましょう。
10-5. 市販薬で改善しない
市販のいぼ取り薬を使用しても改善しない場合は、いぼではない可能性や、専門的な治療が必要ないぼである可能性があります。
10-6. いぼかどうか分からない
皮膚にできたものがいぼなのか、他の皮膚疾患なのか判断できない場合は、自己判断せずに皮膚科を受診してください。
11. 与野エリアからアイシークリニック大宮院へのアクセス
与野エリア(さいたま市中央区)にお住まいの方で、いぼの治療をお考えの方は、アイシークリニック大宮院へお気軽にご相談ください。
与野エリアは、かつての与野市にあたる地域で、2001年に浦和市、大宮市と合併してさいたま市が誕生しました。2003年の政令指定都市移行に伴い、旧与野市域はさいたま市中央区となっています。
与野エリアからアイシークリニック大宮院へは、電車でのアクセスが便利です。
JR埼京線をご利用の場合、与野本町駅、北与野駅、南与野駅のいずれからも、大宮駅まで乗り換えなしでアクセスできます。所要時間は約5分から10分程度です。
JR京浜東北線をご利用の場合、与野駅またはさいたま新都心駅から大宮駅まで、こちらも乗り換えなしで数分でアクセス可能です。
与野エリアは大宮との交通アクセスが非常に良好で、日常の通勤・通学圏内にあります。与野本町やさいたま新都心周辺からは、バスでのアクセスも可能です。
いぼでお悩みの方は、お気軽にお問い合わせください。

12. いぼに関するよくある質問
ウイルス性いぼは、免疫力が高まると自然に消失することがあります。10年から20年という長い期間をかけて、ウイルスに対する免疫ができてくると、いぼが自然に治癒することもあります。
しかし、いつ治るか予測することは難しく、その間に症状が悪化したり、他の部位や人にうつしてしまったりするリスクがあります。早期に治療を開始することをお勧めします。
ウイルス性のいぼは、直接的または間接的な接触によって他の人にうつる可能性があります。
タオルやスリッパの共用を避け、いぼができている部位は絆創膏などで覆うことで、感染拡大を防ぐことができます。
一方、老人性いぼ(脂漏性角化症)や軟性線維腫(スキンタッグ)はウイルス性ではないため、他の人にうつることはありません。
Q3. いぼがあってもプールに入れますか?
ウイルス性いぼがあっても、プールの水を介して感染することはありません。そのため、プールに入ること自体は禁止されていません。
ただし、タオル、浮き輪、ビート板などの共用は避け、いぼができている部位はラッシュガードや防水性の絆創膏で覆うようにしましょう。また、プール後はシャワーで体を洗い、保湿ケアを行うことが大切です。
Q4. 液体窒素療法は痛いですか?
液体窒素療法は、凍結による痛みを伴います。痛みの程度は個人差があり、いぼの部位や大きさによっても異なります。
足の裏など神経が敏感な部位は痛みを感じやすい傾向があります。痛みに敏感な方やお子さまの場合は、医師に相談して、治療の強さを調整してもらうことができます。
Q5. 治療後に再発することはありますか?
いぼは、治療後に再発することがあります。特に、いぼのウイルスが皮膚の深部に残っている場合や、治療を途中で中断してしまった場合は、再発のリスクが高くなります。
また、皮膚に小さな傷がある状態でウイルスに再度感染すると、新たにいぼができることもあります。治療後も、皮膚のケアと予防を継続することが大切です。
Q6. 子どものいぼはどう対処すればいいですか?
お子さまのいぼも、基本的には大人と同じ治療法が適用されます。ただし、液体窒素療法の痛みに耐えられない場合は、モノクロロ酢酸療法やヨクイニン内服など、痛みの少ない治療法を選択することもあります。
お子さまは自分でいぼを触ったり引っ掻いたりしやすいため、いぼが広がりやすい傾向があります。早めに皮膚科を受診し、適切な治療を開始することをお勧めします。
Q7. 妊娠中でもいぼの治療はできますか?
妊娠中でも、液体窒素療法などの局所的な治療は可能です。ただし、一部の外用薬や内服薬は妊娠中の使用が制限される場合があります。
妊娠中の方は、必ず医師に妊娠していることを伝えた上で、治療方針を相談してください。
Q8. 老人性いぼは取らなくても大丈夫ですか?
老人性いぼ(脂漏性角化症)は良性の腫瘍であり、健康上の問題はありません。見た目が気にならなければ、必ずしも治療する必要はありません。
ただし、衣類に引っかかって炎症を起こしたり、見た目が気になったりする場合は、皮膚科で除去することができます。また、老人性いぼに見えるものが実は悪性腫瘍であるケースもまれにあるため、急に大きくなったり、色や形が変化したりした場合は、皮膚科を受診してください。
13. まとめ
いぼは非常にありふれた皮膚疾患ですが、その種類や原因はさまざまです。ウイルス性のいぼは早期に治療を開始することで、治療期間を短縮し、感染拡大を防ぐことができます。
いぼの治療は皮膚科で行われ、日本皮膚科学会のガイドラインに基づいた標準的な治療が提供されます。液体窒素凍結療法が第一選択となることが多いですが、いぼの種類や部位、患者さんの状態に応じて、最適な治療法が選択されます。
日常生活では、皮膚の保湿を心がけ、傷をつくらないように注意することで、いぼの予防につながります。また、いぼができてしまった場合は、触ったり自分で削ったりせず、早めに皮膚科を受診することが大切です。
与野エリア(さいたま市中央区)にお住まいの方で、いぼでお悩みの方は、アイシークリニック大宮院へお気軽にご相談ください。経験豊富な専門医が、一人ひとりの症状に合わせた適切な治療をご提案いたします。
14. 参考文献
- 尋常性疣贅診療ガイドライン2019(第1版)- J-STAGE
- 尋常性疣贅診療ガイドライン2019(第1版)- Mindsガイドラインライブラリ
- 一般公開ガイドライン|公益社団法人日本皮膚科学会
- ヒトパピローマウイルス感染症とは|厚生労働省
- ヒトパピローマウイルス感染症~子宮頸がんとHPVワクチン~|厚生労働省
- さいたま市エリアガイド|VISIT SAITAMA CITY
- 与野市 – Wikipedia
監修者医師
高桑 康太 医師
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務