せっかくニキビが治ったと思っても、茶色いシミや赤みが残ってしまうことに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。実は、その跡を悪化させている大きな原因のひとつが「紫外線」です。ニキビ跡の肌は通常よりもダメージを受けやすい状態にあり、紫外線を浴びると色素沈着が深くなったり、赤みがいつまでも引かなかったりすることがあります。本記事では、紫外線がニキビ跡に与える影響をわかりやすく説明するとともに、日常でできる正しいケア方法や医療機関での治療についても詳しくご紹介します。
目次
- ニキビ跡の種類と特徴
- 紫外線がニキビ跡を悪化させるメカニズム
- 色素沈着(PIH)と紫外線の関係
- 赤みのあるニキビ跡と紫外線の関係
- 凹凸のあるニキビ跡と紫外線の影響
- ニキビ跡の悪化を防ぐ日常ケアの基本
- 日焼け止めの正しい選び方と使い方
- 紫外線対策以外に気をつけたいスキンケア
- 医療機関で受けられるニキビ跡治療
- まとめ
この記事のポイント
紫外線はニキビ跡の色素沈着・赤み・凹み跡すべてを悪化させる。曇天・室内でもUVAは届くため、SPF30以上・PA+++以上の日焼け止めを毎日使用することが改善の基本。改善が難しい場合はアイシークリニックへの相談が有効。
🎯 ニキビ跡の種類と特徴
ニキビ跡と一口に言っても、その状態はいくつかの種類に分けられます。それぞれの特徴を正確に把握することが、適切なケアを選ぶうえで非常に重要です。
まず最もよく見られるのが「炎症後色素沈着(PIH:Post-Inflammatory Hyperpigmentation)」です。これは、ニキビの炎症が治まった後に、メラニン色素が過剰に産生されることで生じる茶色や黒っぽい色の跡です。紫外線を浴びることで大幅に悪化しやすいタイプであり、多くの方が悩む代表的なニキビ跡です。
次に「赤みのあるニキビ跡」があります。これは炎症によって毛細血管が拡張し、赤みが残った状態です。炎症後紅斑(PIE:Post-Inflammatory Erythema)とも呼ばれ、色素沈着とは異なるメカニズムで起こります。色は赤やピンク色で、特に肌の色が白い方に目立ちやすい傾向があります。
そして「凹み跡(クレーター跡)」があります。重度のニキビや、ニキビを無理に潰した場合などに真皮層まで損傷が及び、皮膚が凹んだ状態になったものです。アイスピック型(鋭く深い凹み)、ボックス型(縁がはっきりした四角い凹み)、ローリング型(なだらかなうねりのある凹み)の3種類に分類されます。
最後に「盛り上がった跡(肥厚性瘢痕・ケロイド)」があります。傷の治癒過程でコラーゲンが過剰に産生され、皮膚が盛り上がった状態です。ケロイドは元の傷の範囲を超えて広がる特徴があります。
このうち、紫外線によって特に悪化しやすいのは色素沈着と赤みのあるニキビ跡です。しかし、凹凸のある跡も間接的に紫外線の影響を受けることがあるため、すべてのタイプにおいて紫外線対策は欠かせません。
Q. ニキビ跡の種類にはどんなものがありますか?
ニキビ跡には主に4種類あります。炎症後色素沈着(PIH)は茶色〜黒っぽい跡、炎症後紅斑(PIE)は赤みが残った状態、凹み跡(クレーター)は真皮層の損傷による陥没、盛り上がり跡(肥厚性瘢痕・ケロイド)はコラーゲン過剰産生による隆起です。
📋 紫外線がニキビ跡を悪化させるメカニズム
なぜ紫外線がニキビ跡を悪化させるのか、そのメカニズムを理解することで、日々のケアの重要性が見えてきます。
太陽光に含まれる紫外線には主にUVA(波長315〜400nm)とUVB(波長280〜315nm)の2種類があります。UVBは皮膚の表面に作用してサンバーン(日焼けによる赤み・炎症)を引き起こし、UVAは皮膚の奥深くまで届いてコラーゲンやエラスチンを傷つけ、長期的な皮膚老化や色素沈着の原因になります。
ニキビの炎症が起きた後の皮膚は、バリア機能が低下しており、通常の健康な肌よりも紫外線ダメージを受けやすい状態です。紫外線が当たるとメラノサイト(色素産生細胞)が刺激を受け、メラニンの生成が促進されます。このメラニンが蓄積することで、ニキビ跡の色素沈着はどんどん濃くなっていきます。
また、紫外線は皮膚に軽度の炎症反応を引き起こします。もともとニキビによって炎症が起きていた部位は、わずかな刺激でも炎症が再燃しやすく、これがさらなるメラニン産生を招く悪循環につながります。
さらに、UVAは真皮のコラーゲンやエラスチンを変性・分解させる酵素(マトリックスメタロプロテアーゼ:MMP)の産生を増加させます。ニキビ跡で皮膚が修復しようとしている最中に紫外線ダメージが加わると、正常な修復プロセスが妨げられ、凹み跡が残りやすくなることもあります。
このように、紫外線はニキビ跡に対して複合的なダメージを与え、色の悪化・炎症の再燃・構造的なダメージという三方向から状態を悪化させてしまうのです。
💊 色素沈着(PIH)と紫外線の関係
色素沈着(PIH)は、ニキビ跡の中でも特に紫外線の影響を大きく受けます。このメカニズムをより詳しく見ていきましょう。
ニキビの炎症が起きると、皮膚はダメージへの防御反応としてメラニンを産生します。本来メラニンは紫外線から皮膚を守るための物質ですが、炎症によって産生が過剰になると、これが色素沈着として皮膚に蓄積してしまいます。
この炎症後色素沈着が残っている状態でさらに紫外線を浴びると、メラノサイトが追加で刺激を受け、メラニンの産生がさらに促進されます。その結果、せっかく薄くなりかけていた茶色い跡が再び濃くなったり、広がったりすることがあります。
色素沈着に影響する紫外線の種類として、UVBは主に表皮のメラノサイトを刺激してメラニン産生を即座に増加させます。一方UVAは、すでに産生されているメラニン前駆体を酸化させて褐色に変化させる即時黒化と、数日後に現れる遅発黒化の両方を引き起こします。
特に注意が必要なのは、曇りの日や屋内でも紫外線の影響を受けるという点です。UVAは雲や窓ガラスを透過するため、「今日は曇りだから大丈夫」「家の中にいるから安心」という思い込みは危険です。ニキビ跡が残っている間は、季節や天気を問わず継続的な紫外線対策が必要です。
色素沈着は、適切なケアを続ければ数か月から1年程度で自然に薄くなることもありますが、紫外線対策を怠ると何年経っても改善しないケースも珍しくありません。日頃のUV対策が、色素沈着を改善するための最も基本的かつ重要なステップです。
Q. 紫外線がニキビ跡を悪化させる仕組みは?
紫外線はニキビ跡を三方向から悪化させます。UVBがメラノサイトを刺激してメラニン産生を促進し色素沈着を濃くします。UVAは真皮のコラーゲンを分解する酵素(MMP)を増加させ凹み跡の回復を妨げます。さらに炎症反応を再燃させ悪循環を招きます。
🏥 赤みのあるニキビ跡と紫外線の関係
赤みのあるニキビ跡(PIE)は、色素沈着とは異なるメカニズムで生じますが、やはり紫外線の影響を受けます。
炎症後紅斑(PIE)は、ニキビの炎症によって拡張した毛細血管が、炎症後もそのまま残ってしまうことで生じます。皮膚が薄くなった部分に赤みが透けて見える状態で、特にフェアスキンの方では目立ちやすい特徴があります。
紫外線が赤みのあるニキビ跡に与える影響としては、まず紫外線による皮膚への刺激が血管を拡張させ、赤みを一時的に増強させることが挙げられます。また、紫外線が炎症反応を引き起こすことで、拡張した血管の修復・正常化が遅れる可能性があります。
さらに、赤みのあるニキビ跡の部位は皮膚のバリア機能が低下していることが多く、紫外線ダメージを受けやすい状態です。紫外線による酸化ストレスが加わることで、皮膚の修復に必要なコラーゲン産生が妨げられ、回復が遅れることもあります。
赤みのあるニキビ跡は、色素沈着に比べて一般的に消えるまでの期間が長くかかることがあります。紫外線対策を怠ると、その期間がさらに延長されてしまうため、根気強くUV対策を続けることが大切です。
⚠️ 凹凸のあるニキビ跡と紫外線の影響
凹み跡(クレーター跡)は、色素沈着や赤みと比較すると紫外線による直接的な悪化は起こりにくいとも言われますが、間接的な影響は無視できません。
凹み跡は真皮層のコラーゲンが失われることで生じます。紫外線はUVAによってコラーゲンを分解する酵素(MMP)の産生を促進させるため、もともとコラーゲンが少なくなっている凹み跡の部位に紫外線ダメージが加わると、さらにコラーゲンが失われて凹みが深くなる可能性があります。
また、凹み跡には色素沈着や赤みが合併していることも多く、その部分の悪化が全体的にニキビ跡を目立たせます。凹み跡自体は紫外線で悪化しにくくとも、合併する色素沈着が濃くなることで凹凸が視覚的により目立ってしまうという問題もあります。
さらに、ニキビ跡の治療(レーザー治療や光治療など)を受けている場合、治療後の皮膚は特に紫外線に敏感になっています。治療後に十分な紫外線対策をしないと、治療効果が十分に得られないばかりか、色素沈着がかえってひどくなる「炎症後色素沈着(反応性色素沈着)」が生じることがあります。
いずれのタイプのニキビ跡においても、日常的な紫外線対策は皮膚の状態を守り、自然な回復を促すための基礎となります。
Q. ニキビ跡向けの日焼け止めはどう選ぶべきですか?
ニキビ跡がある肌には、日常使いでSPF30以上・PA+++以上の日焼け止めが推奨されます。毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニック」表記のものを選び、テクスチャーはオイルフリーのジェルや乳液タイプが適しています。肌が敏感な方は酸化亜鉛・酸化チタン配合の散乱剤タイプが刺激になりにくいです。
🔍 ニキビ跡の悪化を防ぐ日常ケアの基本
紫外線によるニキビ跡の悪化を防ぐためには、日常のスキンケアでいくつかの基本的なことを習慣にすることが重要です。
まず最も基本となるのが、毎日の日焼け止め使用です。これについては次のセクションで詳しく説明しますが、日焼け止めは季節を問わず毎日塗ることが大切です。特にニキビ跡が残っている期間は、外出の予定がない日でも室内のUVA対策として使用することが理想的です。
次に、物理的な紫外線対策も組み合わせることが効果的です。日焼け止めだけに頼るのではなく、帽子の着用、UV加工のサングラス、長袖や薄手のUVカット素材の衣類なども活用しましょう。特に日差しの強い時間帯(10時〜14時頃)の外出はできるだけ控えるか、日陰を選んで歩くなど、行動面での対策も大切です。
また、洗顔の仕方も重要です。刺激の強い洗顔料や、ゴシゴシとこすり洗いする行為は、皮膚バリア機能をさらに低下させ、紫外線ダメージを受けやすくします。ニキビ跡がある部位は特にデリケートに扱い、ぬるま湯で優しく洗い流すことを意識してください。
保湿ケアも欠かせません。皮膚が乾燥するとバリア機能が低下し、紫外線ダメージを受けやすくなります。洗顔後は速やかに保湿剤を塗り、肌の水分バランスを整えることが、紫外線対策の土台になります。保湿成分としてはヒアルロン酸、セラミド、グリセリンなどが肌への刺激が少なくおすすめです。
さらに、ニキビを触ったり潰したりする習慣がある方は、それをやめることも大切です。炎症を悪化させると色素沈着が深くなりやすく、紫外線ダメージとの相乗効果でニキビ跡がより目立つことになります。
食生活や睡眠も皮膚の状態に影響します。抗酸化作用のあるビタミンCやビタミンE、皮膚の修復に必要なビタミンA(β-カロテン)などを含む食品を積極的に摂ることが、紫外線ダメージからの回復を助けます。また、十分な睡眠は成長ホルモンの分泌を促し、皮膚の修復を促進します。
📝 日焼け止めの正しい選び方と使い方
ニキビ跡がある方にとって、日焼け止めの選び方と使い方は非常に重要なポイントです。間違った選択をすると、ニキビを悪化させてしまうこともあります。
日焼け止めを選ぶ際にまず確認したいのが「SPF」と「PA」の値です。SPFはUVBを防ぐ指標で、数値が高いほど防御力が高まります。PAはUVAを防ぐ指標で、「+」の数が多いほど高い防御力を示します。ニキビ跡がある方には、日常使いにはSPF30以上・PA+++以上、海水浴やスポーツなど強い日差しを浴びる場面ではSPF50以上・PA++++のものが推奨されます。
ニキビ跡がある肌向けの日焼け止めを選ぶ際のポイントとして、「ノンコメドジェニック」の表記があるものを選ぶと良いでしょう。ノンコメドジェニックとは、毛穴を詰まらせにくい処方であることを示しており、ニキビができやすい肌にも使いやすい設計になっています。
テクスチャーについては、オイルフリーや水性のものが肌への負担が少ない傾向があります。クリームタイプよりもジェルタイプや乳液タイプの方がべたつきにくく、ニキビ跡のある脂性肌の方にも使いやすいことが多いです。
日焼け止めの成分は大きく「紫外線散乱剤(物理的フィルター)」と「紫外線吸収剤(化学的フィルター)」の2種類に分けられます。散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)は肌刺激が少なく敏感肌にも使いやすい反面、白浮きしやすいことがあります。吸収剤は白浮きが少なく使用感が良いですが、敏感肌の方には刺激になることもあります。自分の肌に合ったものを選ぶことが大切です。
使い方については、外出の15〜30分前に塗ることが推奨されます。吸収剤タイプは塗ってから効果が発揮されるまでに少し時間がかかるためです。また、量が少ないと十分な防御効果が得られません。顔全体には小豆大(約0.5〜1ml)の量を目安に、均一に伸ばすことが重要です。
日焼け止めは2〜3時間おきに塗り直すことが理想的です。汗や皮脂で落ちてしまうため、こまめに塗り直すことで効果を持続させることができます。特に屋外での活動が多い日や、汗をかく夏場は塗り直しが特に重要です。
クレンジングについても注意が必要です。日焼け止めのタイプによっては、通常の洗顔料だけでは落とし切れないものもあります。ウォータープルーフタイプなどはクレンジング剤を使って丁寧に落としましょう。ただし、クレンジング剤が肌への刺激になることもあるため、洗浄力が強すぎないものを選ぶことをおすすめします。
Q. 医療機関ではニキビ跡にどんな治療が受けられますか?
医療機関では色素沈着にフォトフェイシャル(IPL)やレーザートーニング、凹み跡にフラクショナルレーザーやダーマペン、ケミカルピーリングなどが選択肢となります。アイシークリニックでは症状や肌質に合わせた治療を提案しています。いずれの治療後も紫外線対策を徹底しないと効果が損なわれる場合があります。
💡 紫外線対策以外に気をつけたいスキンケア
紫外線対策はニキビ跡のケアにおいて非常に重要ですが、それだけでは十分ではありません。ニキビ跡の改善を助ける成分を含む製品を適切に使うことで、より効果的なケアが可能になります。
まず、ビタミンC(アスコルビン酸)誘導体を含む化粧品は、色素沈着のケアに広く使われています。ビタミンCにはメラニン産生を抑制する作用と、すでに生成されたメラニンを還元(脱色)する作用があります。また抗酸化作用によって紫外線ダメージからの回復も助けます。ただし、濃度や処方によっては肌刺激になることもあるため、最初は低濃度のものから始めることをおすすめします。
トラネキサム酸は、美白有効成分として厚生労働省に認められた成分で、メラノサイトの活性化を抑制する作用があります。比較的刺激が少なく、敏感肌の方にも使いやすい成分です。市販の医薬部外品にも配合されているものがあります。
ナイアシンアミド(ニコチンアミド)も色素沈着改善に効果があるとされる成分で、メラニンが表皮に移行するのを抑制する作用があります。保湿効果や皮脂分泌を調整する作用もあり、ニキビ肌との相性が良い成分です。
レチノール(ビタミンA誘導体)は、皮膚のターンオーバーを促進して色素沈着の改善を助けるほか、コラーゲン産生を促進して凹み跡の改善にも効果が期待できます。ただし、紫外線感受性を高める作用があるため、使用する場合は夜のみの使用が推奨され、翌朝の日焼け止め使用が必須となります。刺激が出やすい成分でもあるため、使用量や頻度には注意が必要です。
グリコール酸などのAHA(αヒドロキシ酸)は、古い角質を剥がしてターンオーバーを促進する作用があります。色素沈着の改善に有効ですが、過剰使用すると皮膚バリアが低下し、紫外線ダメージを受けやすくなる点に注意が必要です。使用中は特に丁寧な日焼け止め使用が求められます。
これらの成分を含む製品を使用する際は、必ず朝の日焼け止め使用とセットで考えることが大切です。せっかく良い成分を使っていても、紫外線対策を怠ると効果が十分に得られないばかりか、状態が悪化することもあります。
✨ 医療機関で受けられるニキビ跡治療

日常のケアに加えて、医療機関での専門的な治療を受けることで、ニキビ跡の改善を効率的に進めることができます。アイシークリニック大宮院でも、ニキビ跡に悩む方に向けたさまざまな治療を提供しています。主な治療法を紹介しますが、それぞれに紫外線対策との関係があることも合わせて押さえておきましょう。
フォトフェイシャル(IPL光治療)は、特定の波長域の光を照射して色素沈着や赤みを改善する治療です。メラニン色素を選択的に破壊し、血管への作用によって赤みを改善する効果が期待できます。治療後は光に敏感な状態になるため、施術後は特に念入りな日焼け止め使用が必要です。
レーザートーニングは、低出力のQスイッチNd:YAGレーザーを使用し、色素沈着を徐々に薄くしていく治療です。刺激が比較的少なく、繰り返し施術することで効果を高めることができます。レーザー治療後も同様に、日焼け止めによる徹底的な紫外線対策が不可欠です。
フラクショナルレーザーは、微細なレーザー光を規則的に照射して皮膚の再生を促す治療です。凹み跡に対して特に効果が期待でき、コラーゲンの再生を促進します。表皮から真皮に刺激を与える治療のため、治療後の皮膚は非常に紫外線に敏感になります。少なくとも治療後1〜2週間は強い日差しへの露出を避け、外出時には必ず日焼け止めを使用してください。
ケミカルピーリングは、グリコール酸やサリチル酸などの薬剤を使って古い角質を取り除き、皮膚のターンオーバーを促進する治療です。色素沈着の改善に効果があり、ニキビ予防にも働きかけます。ピーリング後は肌がデリケートになるため、治療直後から日焼け止めをしっかり使用することが重要です。
ダーマペンは微細な針で皮膚に小さな穴を開け、皮膚の自己修復力を利用してコラーゲン産生を促す治療です。凹み跡や毛穴の開きに効果が期待でき、薬剤の浸透も高めることができます。治療後の皮膚は特に刺激に敏感で、紫外線の影響を受けやすい状態になります。
内服薬・外用薬による治療も有効です。トレチノイン(ビタミンA誘導体)の外用薬は色素沈着改善とコラーゲン産生促進の両方に効果があり、医療機関でのみ処方可能です。ハイドロキノンクリームはメラニン産生抑制作用が高い外用薬で、色素沈着の改善に広く使われています。これらの外用薬は紫外線感受性を高めるため、使用中は特に日焼け止めが必須となります。
トランサミン(トラネキサム酸)やビタミンCの内服薬は、色素沈着の予防・改善に効果があり、外用薬と組み合わせて使用されることがあります。内服薬は全身から働きかけるため、外用薬のように局所的な刺激がなく使いやすいというメリットがあります。
医療機関での治療を受ける際は、必ず担当の医師や看護師に現在のスキンケア状況や日焼け止めの使用状況を伝えてください。治療効果を最大化し、副作用リスクを最小化するために、治療前後の紫外線対策についての具体的な指導を受けることが大切です。
なお、医療機関での治療は症状の種類や重さ、肌質によって最適な方法が異なります。自己判断で治療を選ぶのではなく、専門の医師による診察を受けたうえで、自分の状態に合った治療法を相談することをおすすめします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、ニキビ跡の色素沈着に悩んで来院される患者様の多くが、日常的な紫外線対策が不十分なまま過ごされていたケースが見受けられます。治療の効果を最大限に引き出すためには、レーザーやピーリングといった施術と並行して、曇りの日や室内でも欠かさない日焼け止めの使用が回復の土台となることをぜひ覚えておいてください。一人ひとりのニキビ跡の状態やライフスタイルに合わせたケアのご提案を心がけておりますので、どうぞお気軽にご相談ください。」
📌 よくある質問
はい、必要です。UVAは雲や窓ガラスを透過するため、曇りの日や室内でもニキビ跡に影響を与えます。「曇りだから大丈夫」「家にいるから安心」という思い込みは危険です。ニキビ跡が残っている間は、季節・天気・場所を問わず毎日日焼け止めを使用することが大切です。
日常使いはSPF30以上・PA+++以上を目安に選びましょう。毛穴を詰まらせにくい「ノンコメドジェニック」表記のあるものが安心です。テクスチャーはオイルフリーのジェルや乳液タイプが肌への負担が少なくおすすめです。肌刺激が気になる方は紫外線散乱剤(酸化亜鉛・酸化チタン)配合のものを選ぶとよいでしょう。
適切な紫外線対策と日常ケアを続けることで、数か月から1年程度で自然に薄くなることがあります。ただし、紫外線対策を怠ると何年経っても改善しないケースも少なくありません。改善が思わしくない場合は、医療機関でのレーザー治療やケミカルピーリングなどの専門的な治療も選択肢のひとつです。
非常に重要です。フラクショナルレーザーやレーザートーニングなどの治療後は、皮膚が通常よりも紫外線に敏感な状態になっています。治療後に十分な紫外線対策をしないと、治療効果が十分に得られないばかりか、炎症後色素沈着がかえって悪化するリスクがあります。治療後は医師の指示に従い、念入りに日焼け止めを使用してください。
ビタミンC誘導体(メラニン産生抑制・抗酸化作用)、トラネキサム酸(メラノサイトの活性化抑制)、ナイアシンアミド(メラニンの表皮移行抑制・保湿)などが色素沈着ケアに有効とされています。ただし、これらの成分はどれも日焼け止めとセットで使用することが前提です。紫外線対策なしでは十分な効果が期待できません。
🎯 まとめ
紫外線はニキビ跡を悪化させる最も身近で重大な要因のひとつです。色素沈着(PIH)は紫外線によるメラニン産生の促進でさらに濃くなり、赤みのあるニキビ跡(PIE)は血管拡張の回復が遅れ、凹み跡はコラーゲン分解の促進によって改善が妨げられます。すべてのタイプのニキビ跡において、紫外線からの保護が回復への近道となります。
日常ケアの基本は、毎日欠かさない日焼け止め(SPF30以上・PA+++以上)の使用です。曇りの日や室内でもUVAは届くため、季節や天気に関わらず継続することが大切です。日焼け止めに加えて、帽子や衣類、日傘などの物理的対策を組み合わせることで、より高い防御効果が得られます。
スキンケアではビタミンC誘導体、トラネキサム酸、ナイアシンアミドなどを含む製品が色素沈着のケアに役立ちます。ただし、どのような美容成分を使う場合も、日焼け止めとセットで使用することが前提条件です。
日常ケアで改善が難しい場合は、医療機関での専門的な治療も選択肢となります。フォトフェイシャル、レーザー治療、ケミカルピーリング、ダーマペンなどの治療は、適切な紫外線対策と組み合わせることで高い効果が期待できます。アイシークリニック大宮院では、ニキビ跡の種類や状態に合わせた最適な治療法をご提案しています。一人で悩まず、まずは専門家に相談してみてください。
ニキビ跡の改善には時間がかかることもありますが、毎日の紫外線対策を地道に続けることが、将来の肌を守るための最も確実な方法です。今日から正しいUV対策を習慣にして、肌の回復をサポートしていきましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – ニキビ(尋常性痤瘡)の診療ガイドラインおよび炎症後色素沈着(PIH)・炎症後紅斑(PIE)の病態・分類・治療に関する学会公式情報
- 厚生労働省 – トラネキサム酸・ハイドロキノン・トレチノイン等の美白有効成分や医薬部外品・処方薬の承認・安全性情報、および紫外線対策に関する公式情報
- PubMed – 炎症後色素沈着(PIH)・炎症後紅斑(PIE)と紫外線の関係、UVA・UVBによるメラニン産生メカニズム、フラクショナルレーザー・IPL・ケミカルピーリング等の治療効果に関する国際的な査読済み学術文献
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務