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日焼け止めのSPFとPAの意味とは?正しい選び方と使い方を解説

日焼け止めを選ぶとき、「SPF50+」や「PA++++」といった表示が目に入りますが、これらが具体的に何を意味しているか、正確に理解している方は意外と少ないかもしれません。数値が高ければ高いほど良いのか、どのシーンにどの製品を選べばよいのか、迷ってしまうことも多いでしょう。日焼け止めを上手に使いこなすためには、SPFとPAそれぞれの意味と、紫外線が肌に与える影響をきちんと知っておくことが大切です。この記事では、日焼け止めに表示されているSPFとPAの意味を基礎から丁寧に解説し、シーン別の選び方や正しい使い方についてもわかりやすくご紹介します。


目次

  1. 紫外線とは?UVAとUVBの違い
  2. SPFとは何か?その意味と数値の見方
  3. PAとは何か?その意味と「+」の数の見方
  4. SPFとPAの違いと関係性
  5. シーン別・肌質別の日焼け止めの選び方
  6. 日焼け止めの正しい塗り方と塗り直しのタイミング
  7. 日焼け止めに関するよくある誤解
  8. 肌へのダメージを防ぐためのスキンケアとの組み合わせ
  9. まとめ

この記事のポイント

日焼け止めのSPFはUVB防御、PAはUVA防御の指標。日常使いはSPF20〜30・PA++〜+++、屋外活動ではSPF50+・PA++++を選び、2〜3時間ごとの塗り直しが効果維持に不可欠。

🎯 紫外線とは?UVAとUVBの違い

日焼け止めの役割を理解するには、まず「紫外線」についての基礎知識が必要です。太陽から降り注ぐ光には、目に見える可視光線のほかに、紫外線(UV:Ultraviolet)と赤外線が含まれています。紫外線は波長の長さによっていくつかの種類に分類されますが、地表に届いて肌に影響を与えるものとして特に重要なのが「UVA」と「UVB」の2種類です。

UVAは波長が315〜400nmと比較的長い紫外線です。エネルギーはUVBより弱いものの、皮膚の奥深くの真皮層にまで到達することができます。UVAは即時型のシミや黒ずみを引き起こすだけでなく、コラーゲンやエラスチンといった皮膚の弾力を保つ成分にダメージを与え、長期的なシワやたるみの原因となります。また、ガラス窓を通過できるという特性があるため、屋内にいても紫外線対策が必要になることがあります。さらにUVAは雲の影響も受けにくく、曇りの日でも相当量が地表に届いています。

UVBは波長が280〜315nmと比較的短い紫外線です。エネルギーが強く、皮膚の表皮層に作用します。日焼けによる赤みや炎症(サンバーン)を引き起こすのは主にこのUVBです。強いUVBは皮膚細胞のDNAに直接ダメージを与えることがあり、皮膚がんリスクとの関連性も指摘されています。UVBはガラス窓をほとんど通過しないため、屋外での対策が特に重要です。また、季節や時間帯による変動が大きく、春から夏にかけての日中(10時〜14時頃)に最も強くなります。

このように、UVAとUVBはそれぞれ異なる作用で肌に影響を与えます。日焼け止めに表示されているSPFはUVBから、PAはUVAから肌を守る効果の指標となっています。この点を踏まえて、次からSPFとPAの意味を詳しく見ていきましょう。

Q. UVAとUVBはそれぞれ肌にどんな影響を与えますか?

UVAは波長が長く真皮層まで到達し、コラーゲンを破壊してシワやたるみなどの光老化を引き起こします。ガラスや雲を通過するため屋内・曇天でも注意が必要です。UVBは波長が短く表皮に作用し、日焼けによる赤みや炎症(サンバーン)の主な原因となります。

📋 SPFとは何か?その意味と数値の見方

SPFとは「Sun Protection Factor(サン・プロテクション・ファクター)」の略で、日本語では「紫外線防御指数」と訳されます。これはUVBから肌を守る効果の指標です。具体的には、日焼け止めを塗った状態でどれくらい時間が経ったときに肌が赤くなり始めるか(最小紅斑量)を、日焼け止めを塗っていない状態と比較して数値化したものです。

たとえばSPF1の意味を考えると、日焼け止めを塗っていない肌が10分で赤くなると仮定した場合、SPF1は10分×1=10分間、日焼けによる赤みを防げるという理論になります。同様に、SPF30であれば10分×30=300分(5時間)、SPF50であれば10分×50=500分(約8時間)という計算になります。ただし、これはあくまでも理論上の数値であり、実際には汗や皮脂、水への接触などによって効果が低下するため、そのままの時間帯で効果が持続するわけではありません。

SPFの数値が高いほど、UVBをカットする効果が高くなります。具体的な数値別のUVBカット率を見てみましょう。SPF10は約90%のUVBをカット、SPF20は約95%をカット、SPF30は約97%をカット、SPF50は約98%をカット、SPF50+(最高値)は約98%以上をカットするとされています。数値が上がるにつれてカット率が上がっていますが、SPF30以上ではその差が非常に小さくなっていることがわかります。

日本ではSPFの最大表示値として「SPF50+」が用いられています。これはSPF51以上の製品に対して使用される表示で、それ以上の数値は具体的に記載しないというルールが設けられています。この表示ルールは2011年に改定されたもので、それ以前は「SPF100」などの高い数値が表示されることもありましたが、消費者の誤解を防ぐために統一されました。

日常生活でSPF30以上の製品を使用すれば、多くのシーンで十分な効果が期待できます。一方で、強い日差しの下でのレジャーや長時間の屋外活動では、SPF50+の高い製品を選ぶことが推奨されます。ただし、SPF値が高い製品ほど肌への負担も大きくなることがあるため、日常使いには過度に高い数値を求めすぎないことも大切です。

💊 PAとは何か?その意味と「+」の数の見方

PAとは「Protection grade of UVA(プロテクション・グレード・オブ・UVA)」の略で、UVAから肌を守る効果の段階を示す指標です。PAは日本で独自に開発された表示方法で、国際的には必ずしも同じ基準が使われているわけではありません。欧州では「PPD(Persistent Pigment Darkening)」という数値が使われることが多く、アメリカではUVAの表示基準が日本とは異なります。

PAはPPD値をもとに算出され、「+」の数によって4段階で効果の強さを表しています。具体的には以下の通りです。

PA+はPPD値2以上4未満、PA++はPPD値4以上8未満、PA+++はPPD値8以上16未満、PA++++はPPD値16以上に相当します。PA+は日常の軽い外出や屋内作業で十分なレベルです。PA++は通勤・通学など日常的な外出に適しています。PA+++は屋外での作業や軽いレジャーに向いています。PA++++はマリンスポーツや登山など、長時間の屋外活動や強い紫外線が予想される場面に適しています。

PA++++という最高評価は2013年に新設された比較的新しい区分で、それ以前はPA+++が最高表示でした。強い日差しが予想される夏場や、アウトドアシーンではPA++++の製品を選ぶことで、より確実にUVAから肌を守ることができます。

UVAは前述の通り、シワやたるみといった光老化(フォトエイジング)の主な原因となります。シミや色素沈着にも深く関わっており、美容上の観点からもPA値は非常に重要な指標です。肌の老化を防ぎたい方や、シミ・そばかすが気になる方は、PA値の高い製品を意識して選ぶようにしましょう。

Q. SPFの数値はどのような基準で決まりますか?

SPFは「日焼け止めを塗った肌が赤くなるまでの時間」を「塗っていない肌が赤くなるまでの時間」で割った値です。SPF30はUVBを約97%、SPF50は約98%カットしますが、SPF30以上では差は非常に小さくなります。日本ではSPF51以上の製品は「SPF50+」と表示されます。

🏥 SPFとPAの違いと関係性

SPFとPAはどちらも日焼け止めの効果を示す指標ですが、それぞれが対応する紫外線の種類が異なります。SPFはUVBに対する防御効果、PAはUVAに対する防御効果を示しています。この2つは補完的な関係にあり、どちらか一方だけが高くても十分な紫外線対策にはなりません。

紫外線による肌への影響を大まかに分けると、「すぐに現れるもの(急性影響)」と「時間をかけて蓄積するもの(慢性影響)」に分類できます。急性影響の代表が日焼けによる赤み(サンバーン)で、これはUVBが主な原因です。一方、慢性影響として現れるシミ・シワ・たるみなどの光老化は、主にUVAの長期的な蓄積が原因です。

つまり、「今すぐ日焼けしたくない」という目的にはSPFが重要であり、「肌の老化を防ぎたい」「シミを予防したい」という長期的な肌ケアの観点ではPAが非常に重要になります。若いうちから光老化対策を意識することは、将来の肌の状態に大きく影響します。

また、SPFの数値とPAの+の数は必ずしも比例しているわけではありません。たとえば、SPFが高くてもPAが低い製品や、その逆の製品も存在します。製品を選ぶ際は両方の表示を確認して、バランスの取れたものを選ぶことが重要です。理想的には、使用シーンに合わせてSPFとPAを両方考慮して製品を選ぶようにしましょう。

なお、日焼け止め製品には「紫外線吸収剤」と「紫外線散乱剤」という2種類の成分が使われていることが多いです。紫外線吸収剤は紫外線を吸収して熱などに変換することで肌を守る成分で、高いSPF・PA値を得やすい反面、肌への刺激が懸念される場合があります。紫外線散乱剤(酸化亜鉛や酸化チタンなど)は紫外線を物理的に反射・散乱させることで肌を守る成分で、肌に優しい傾向がありますが、白浮きしやすいというデメリットがあります。近年は両者を組み合わせた製品や、使用感を改善した製品も多く登場しています。

⚠️ シーン別・肌質別の日焼け止めの選び方

日焼け止めは「数値が高ければ良い」というわけではなく、使うシーンや肌の状態に合わせて適切なものを選ぶことが大切です。ここでは、シーン別と肌質別にどのような日焼け止めを選べばよいかをご紹介します。

まず、シーン別の選び方についてです。日常的な外出(通勤・通学・買い物など)には、SPF20〜30、PA++〜PA+++程度の製品が適しています。肌への負担を抑えながらも十分な保護効果が得られます。化粧下地にUV機能が含まれているものも多く、日常使いに便利です。

屋外でのスポーツや長時間の外出、夏のレジャーでは、SPF50+、PA++++の製品を選ぶことをお勧めします。汗や水に強い「ウォータープルーフ」タイプの製品を選ぶと、活動中も効果が持続しやすくなります。ただし、ウォータープルーフ製品は落としにくいため、専用のクレンジングを使ってしっかり落とすことが大切です。

スキーやスノーボードなどの冬のウィンタースポーツでも、紫外線対策は必要です。雪は紫外線を反射するため、実際には夏のビーチに近いレベルの紫外線量になることがあります。SPF50+、PA++++の高い防御力の製品を選ぶようにしましょう。

屋内での日常生活では、SPF10〜20、PA++程度の製品でも十分です。ただし、デスクワークなどで窓際に座ることが多い場合は、ガラスを通過するUVAへの対策も意識しておくとよいでしょう。

次に、肌質別の選び方についてです。乾燥肌の方には、保湿成分を含んだクリームタイプやエマルジョン(乳液)タイプの日焼け止めがお勧めです。肌のうるおいを保ちながら紫外線から守ることができます。

脂性肌・混合肌の方には、ジェルタイプやさらっとしたテクスチャーのウォータータイプが向いています。べたつきが少なく、毛穴が詰まりにくい処方のものを選ぶとよいでしょう。

敏感肌の方や乳幼児には、刺激の少ない紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプの製品が適しています。香料・アルコール・防腐剤などが含まれていない低刺激性の製品を選ぶと、肌トラブルのリスクを下げることができます。ただし、紫外線散乱剤タイプは白浮きしやすい傾向があるため、製品によっては使用感に注意が必要です。

アトピー性皮膚炎や何らかの皮膚疾患がある方は、市販の製品を選ぶ前に皮膚科医に相談することをお勧めします。皮膚の状態によっては特定の成分が刺激になることがあり、専門家のアドバイスを受けることが安全です。

Q. 日焼け止めの正しい量と塗り直しの頻度は?

日焼け止めは使用量が少ないと表示されたSPF・PA効果が大幅に低下します。顔への使用はクリームタイプでパール2〜3粒程度が目安です。外出の15〜30分前に塗り、汗・皮脂・摩擦で効果が落ちるため2〜3時間ごとの塗り直しが必要です。SPFが高い製品でも塗り直しは欠かせません。

🔍 日焼け止めの正しい塗り方と塗り直しのタイミング

どれだけ高性能な日焼け止めを選んでも、正しく塗らなければ期待した効果は得られません。日焼け止めの効果を最大限に発揮させるための正しい塗り方と、塗り直しのタイミングについて解説します。

まず、使用量についてです。日焼け止めの効果はSPFやPA値の試験が行われる際の基準量(2mg/cm²)に基づいて表示されています。この量は実際の使用量よりかなり多く、一般的な使用量は試験時の半分以下とも言われています。使用量が少ないと、表示されているSPFやPAの効果が大幅に低下してしまいます。顔全体に塗る場合は、パール2〜3粒程度(クリームタイプの場合)を目安に、しっかりと量を使うことが大切です。

塗るタイミングは、外出の15〜30分前が理想とされています。紫外線吸収剤タイプの製品は、成分が肌になじんで効果を発揮するまでに多少の時間が必要なためです。紫外線散乱剤タイプの場合は塗ってすぐに効果を発揮しますが、外出前に余裕を持って塗ることを習慣にしておくとよいでしょう。

塗り方については、まず製品を手のひらに適量取り、顔全体に点置きしてから指の腹を使って丁寧に伸ばしていきます。目周りや鼻のキワ、耳の周辺など、塗り忘れが起きやすい部分にも注意が必要です。一度で均一に塗り広げるのが理想ですが、難しければ2回に分けて薄く塗り重ねる方法も効果的です。

塗り直しは日焼け止め効果を維持するために欠かせない手順です。汗や皮脂、摩擦によって日焼け止めは時間とともに落ちてしまいます。一般的には2〜3時間ごとに塗り直すことが推奨されています。特に屋外での活動中や、水に入った後(ウォータープルーフ製品でも)は早めに塗り直すようにしましょう。ただし、メイクをしている場合は直接塗り直しが難しいことも多いため、日焼け止め効果のあるパウダーやスプレータイプの製品を活用するのもひとつの方法です。

また、日焼け止めはクレンジングでしっかり落とすことも重要です。落とし残しがあると毛穴詰まりや肌荒れの原因になります。製品に記載されている落とし方を確認して、適切なクレンジング剤を使って洗い流してください。ウォータープルーフタイプは通常の洗顔料だけでは落としにくいことがあるため、専用のクレンジング剤を使いましょう。

📝 日焼け止めに関するよくある誤解

日焼け止めに関しては、さまざまな誤解が広まっています。正しい知識を身につけるために、よくある誤解をいくつか取り上げてご説明します。

誤解その1:「曇りの日は日焼けしない」

曇りの日でも、薄い雲であれば晴れた日の80〜90%程度の紫外線が地表に届くと言われています。完全に曇っていても50〜60%程度は届くとされています。さらにUVAはほぼ天候に左右されず、雨の日でも相当量が届いています。曇りだからといって日焼け止めを省略するのは避けた方がよいでしょう。

誤解その2:「日焼け止めは夏だけ必要」

UVBは確かに夏に最も強くなりますが、UVAは季節を問わず年間を通じて降り注いでいます。冬でも無視できない量のUVAが地表に届いており、長期的な光老化の観点からは年間を通じた対策が必要です。また、春先から紫外線量は急増し始めるため、4月頃からしっかりとした対策を始めることをお勧めします。

誤解その3:「SPFが高ければ塗り直す必要はない」

前述の通り、日焼け止めは汗や皮脂、摩擦によって時間とともに効果が低下します。SPFがいくら高くても、定期的な塗り直しは欠かせません。SPF50+の製品でも、2〜3時間後には効果が大幅に落ちている可能性があります。

誤解その4:「肌の黒い人は日焼け止めが必要ない」

肌の色が濃い方は、メラニン色素の量が多いため自然なUVB防御機能が高い傾向はありますが、それでもUVAによる光老化や皮膚へのダメージは受けます。肌の色に関わらず、すべての方に日焼け止めは有効です。

誤解その5:「日焼け止めは肌に悪い」

日焼け止めに含まれる成分が肌に合わない方がいることは確かですが、適切な製品を選んで正しく使えば、多くの場合、日焼けによるダメージの方が肌への悪影響は大きいです。紫外線は肌の老化やシミ・しわの原因となるだけでなく、皮膚がんのリスク因子でもあります。肌への負担が心配な方は、成分に注意しながら自分の肌に合う製品を皮膚科医に相談して探してみるとよいでしょう。

誤解その6:「日焼けをすると健康的」

かつては日焼けが健康的なイメージと結びついていた時代もありましたが、医学的には紫外線の過度な曝露は皮膚の老化促進、免疫機能の低下、皮膚がんリスクの増加につながると考えられています。適度な日光浴はビタミンD産生に役立つ面もありますが、長時間の強い紫外線への曝露は避けることが推奨されます。

Q. 敏感肌や皮膚疾患がある場合の日焼け止めの選び方は?

敏感肌の方には、紫外線を物理的に反射・散乱させる「紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプ」が適しています。香料・アルコール・防腐剤を含まない低刺激性製品を選ぶことで肌トラブルのリスクを軽減できます。アトピーや皮膚疾患がある方は、市販品を選ぶ前に皮膚科専門医への相談をお勧めします。

💡 肌へのダメージを防ぐためのスキンケアとの組み合わせ

日焼け止めは紫外線対策の中心となる手段ですが、それだけに頼るのではなく、スキンケアや生活習慣と組み合わせることで、より効果的に肌を守ることができます。

紫外線対策として帽子・サングラス・UVカット機能付きの衣類といった物理的な遮蔽も非常に有効です。つばの広い帽子をかぶるだけで顔への紫外線量を大幅に減らすことができます。特に紫外線が強い時間帯(10時〜14時頃)の外出時には、これらを日焼け止めと併用することをお勧めします。

スキンケア面では、紫外線ケアに効果的な成分を含む製品を活用することも有益です。ビタミンC(アスコルビン酸)はメラニン生成を抑制する作用があり、シミの予防や改善に役立てられています。抗酸化成分(ビタミンE、ポリフェノールなど)は、紫外線によって発生する活性酸素から肌を守る働きが期待されています。ナイアシンアミドも色素沈着の予防に有効とされる成分です。

日焼けをしてしまった後のアフターケアも重要です。日焼け後は肌が炎症を起こしている状態のため、しっかりと冷却した後に保湿を行うことが基本です。日焼け後に使用するローション(アフターサン製品)には、炎症を和らげる成分が含まれているものもあります。日焼けによる赤みや痛みがひどい場合は、皮膚科で適切な治療を受けることをお勧めします。

食事面では、抗酸化物質を豊富に含む食品(緑黄色野菜、果物、ナッツ類など)を積極的に摂ることで、紫外線によるダメージを内側から軽減する助けになると考えられています。ビタミンCやビタミンEを含む食品は特に注目されており、バランスの良い食事は肌の健康維持に欠かせません。

また、既にシミやそばかすが気になる方や、光老化による肌の変化に悩んでいる方には、美容皮膚科での専門的なケアを受けることも選択肢のひとつです。レーザー治療やトーニング、イオン導入など、さまざまな治療法が肌の状態に応じて提案されます。日焼け止めや日常ケアと医療的なアプローチを組み合わせることで、より高い効果が期待できます。

さらに、紫外線対策は一時的なものではなく、長期的に継続することが大切です。若い年齢からの習慣的な紫外線対策が、将来の肌状態に大きな差をもたらします。毎日のルーティンとして日焼け止めを塗る習慣を身につけることが、肌の健康と若々しさを保つ上で最も重要なポイントといえるでしょう。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、日焼け止めを「夏だけ」「屋外のみ」使用しているという患者様が非常に多く、UVAによる光老化が静かに進行しているケースを日々拝見しています。SPFとPAはそれぞれ異なる紫外線から肌を守る指標であり、どちらか一方だけでは十分な対策とは言えないため、ご自身の生活スタイルに合わせてバランスよく選ぶことが大切です。肌の状態や合う成分には個人差がありますので、製品選びで迷われている方や敏感肌・皮膚疾患をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。」

✨ よくある質問

SPFとPAの数値はどちらを重視して選べばよいですか?

SPFとPAはそれぞれ異なる紫外線(UVBとUVA)から肌を守る指標であり、どちらか一方だけでは十分な対策とは言えません。「日焼けによる赤みを防ぎたい」場合はSPF、「シミや光老化を予防したい」場合はPAが特に重要です。使用シーンに合わせて両方をバランスよく確認して選ぶことが大切です。

日常使いにはSPFとPAはどのくらいの数値が適切ですか?

通勤・通学・買い物などの日常的な外出であれば、SPF20〜30・PA++〜PA+++程度の製品で十分な効果が期待できます。SPF30以上になるとUVBカット率の差はごくわずかになるため、肌への負担を考慮すると、日常使いでは過度に高い数値を求めすぎないことも大切です。

曇りの日や冬でも日焼け止めは必要ですか?

はい、必要です。曇りの日でも紫外線は雲を通過し、晴れた日の50〜90%程度が地表に届きます。また、UVAは季節を問わず年間を通じて降り注いでおり、冬でも光老化の原因となります。「曇りだから不要」「冬だから不要」という判断は避け、年間を通じた継続的な対策をお勧めします。

日焼け止めはどのくらいの頻度で塗り直す必要がありますか?

汗・皮脂・摩擦などによって日焼け止めの効果は時間とともに低下するため、一般的には2〜3時間ごとの塗り直しが推奨されています。SPFが高い製品でも同様です。メイクをしている場合は、UV効果のあるパウダーやスプレータイプの製品を活用するとスムーズに塗り直しができます。

敏感肌の場合、日焼け止めはどのように選べばよいですか?

敏感肌の方には、紫外線を物理的に反射・散乱させる「紫外線散乱剤(ノンケミカル)タイプ」の製品が適しています。香料・アルコール・防腐剤などが含まれていない低刺激性の製品を選ぶと肌トラブルのリスクを軽減できます。アトピーや皮膚疾患がある方は、市販品を選ぶ前に当院などの専門医へご相談されることをお勧めします。

📌 まとめ

今回は、日焼け止めに表示されているSPFとPAの意味から、正しい選び方・使い方まで詳しく解説しました。最後に要点を整理しておきましょう。

SPFはUVBから肌を守る指数で、数値が高いほどUVBのカット率が高くなります。ただしSPF30を超えると差は小さくなるため、日常使いではSPF30程度でも十分な場合があります。

PAはUVAから肌を守る指標で、「+」の数が多いほど防御効果が高くなります。PA+からPA++++の4段階があり、光老化やシミの予防を考えるうえで非常に重要な指標です。

日焼け止めを選ぶ際は、使用するシーンや肌質に合わせてSPFとPAの両方を考慮することが大切です。日常生活ではSPF20〜30・PA++〜PA+++程度、マリンスポーツや登山などのアウトドアシーンではSPF50+・PA++++の高い製品を選ぶとよいでしょう。

正しい使い方として、適切な量を外出15〜30分前に塗り、2〜3時間ごとに塗り直すことが基本です。塗り残しのないよう丁寧に塗り、1日の終わりにはしっかりとクレンジングを行いましょう。

紫外線対策は日焼け止めだけでなく、帽子や衣類による遮蔽、スキンケアとの組み合わせ、バランスの取れた食事と合わせて行うことでより効果的になります。また、曇りの日や冬でも油断せず、年間を通じた継続的な対策が肌の健康を守る近道です。

日焼けによるシミや光老化が気になる方、肌の状態についてより詳しく相談したい方は、ぜひ皮膚科や美容皮膚科の専門家にご相談ください。正しい知識と適切なケアで、健やかな肌を長く保っていきましょう。

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📚 参考文献

  • 日本皮膚科学会 – 日本皮膚科学会による光線性皮膚疾患・光老化に関するガイドラインおよびUVA・UVBが皮膚に与える影響(サンバーン・光老化・皮膚がんリスク)についての専門的根拠
  • WHO(世界保健機関) – WHOによる紫外線(UV放射)に関するファクトシート。UVA・UVBの分類、皮膚・健康への影響、日焼け止めを含む紫外線防護策の国際的な推奨基準の根拠
  • 厚生労働省 – 日焼け止め製品(サンスクリーン剤)のSPF・PA表示ルールや化粧品規制に関する薬事行政上の根拠。SPF50+表示への改定経緯を含む日本国内の表示基準の公的情報

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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