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春の紫外線が目に与える影響と正しいケア方法

暖かくなってくる春、「そろそろ日焼け止めを使い始めようかな」と思う方は多いでしょう。しかし、紫外線対策として肌のケアを意識する方は多い一方で、目への影響を意識している方はまだまだ少ないのが現状です。実は春の紫外線は、私たちの目に対しても無視できないほどのダメージを与えることがわかっています。目は常に外気にさらされており、肌のようにケアクリームで保護することができないため、適切な対策を知っておくことがとても重要です。この記事では、春に紫外線が強まる理由から、目への具体的な影響、そして日常生活で実践できる目の紫外線対策まで、わかりやすくご説明します。


目次

  1. 春は紫外線が特に強い季節?その理由を解説
  2. 紫外線が目に与える影響とは
  3. 紫外線による目の病気・症状
  4. 目に当たる紫外線量を左右する環境要因
  5. 子どもの目と紫外線:特に注意が必要な理由
  6. 目の紫外線対策:サングラスの選び方
  7. コンタクトレンズと紫外線対策
  8. 帽子・日傘の活用と生活習慣での対策
  9. 目の紫外線ダメージのサインと受診のタイミング
  10. まとめ

この記事のポイント

春の紫外線は目に白内障・翼状片・角膜炎などのリスクをもたらす。UV400対応サングラスの着用が最も効果的な対策であり、コンタクトのUVカット機能は補助的なものに過ぎない。子どもは特に紫外線の影響を受けやすく、早期からの対策と定期的な眼科受診が目の健康維持に重要である。

🎯 春は紫外線が特に強い季節?その理由を解説

「紫外線が強いのは夏」というイメージを持っている方が多いかもしれません。確かに、紫外線量が年間でピークを迎えるのは夏(6〜8月)です。しかし、春(3〜5月)の紫外線量も決して侮れません。気象庁や環境省のデータによると、4月・5月の紫外線量はすでに真夏に近い水準まで上昇しており、特に晴天が続く日には非常に高い値を示すことがあります。

春に紫外線が強くなる要因のひとつは、太陽の高度(南中高度)の上昇です。冬の間は太陽が低い位置にあるため、地球の大気層を長い距離通過して届きます。その間に紫外線は散乱・吸収されて弱まりますが、春になると太陽の高度が上がり、紫外線が大気層を通過する距離が短くなるため、より多くの紫外線が地表に届くようになります。

また、冬から春にかけて私たちの肌や目は長期間にわたって紫外線にほとんど当たっていない状態が続きます。いわば「紫外線に慣れていない」状態で突然強い紫外線にさらされることになるため、ダメージを受けやすい状態にあると言えます。さらに、春は花見やアウトドアなど屋外活動が増える季節でもあるため、紫外線を浴びる時間や機会も増加します。

加えて、春の空気は冬に比べて透明度が高い日も多く、曇り空でも紫外線は雲を透過して地表に届きます。「今日は曇っているから大丈夫」という油断が、思わぬ紫外線ダメージにつながることもあります。春こそ、意識的に紫外線対策を始めるべき季節なのです。

Q. 春に紫外線が強くなる理由は何ですか?

春は太陽の南中高度が上がることで、紫外線が大気層を通過する距離が短くなり、より多くの紫外線が地表に届きます。4月・5月の紫外線量はすでに真夏に近い水準に達しており、曇りの日でも晴天時の80〜90%程度の紫外線が降り注ぎます。

📋 紫外線が目に与える影響とは

紫外線(UV)は、波長の長さによってUV-A(320〜400nm)、UV-B(280〜320nm)、UV-C(100〜280nm)の3種類に分類されます。このうちUV-Cはほぼすべてオゾン層で吸収されるため、地表にはほとんど届きません。問題となるのはUV-AとUV-Bです。

目に届く紫外線の影響を理解するためには、まず光が目の中をどのように通過するかを知っておくと役立ちます。光は角膜(目の表面を覆う透明な膜)から入り、水晶体を通り抜けて網膜に届きます。紫外線も同様に角膜から入りますが、波長によって吸収される場所が異なります。

UV-Bは主に角膜と水晶体に吸収されます。角膜はUV-Bのほとんどを吸収するバリアの役割を果たしていますが、その分、角膜自体がダメージを受けやすくなります。一方、UV-Aはより波長が長いため、角膜を通過して水晶体まで届きます。水晶体はUV-Aの多くを吸収しますが、加齢とともにその機能は低下します。さらに、水晶体の機能が落ちた場合には一部のUV-Aが網膜にまで達することがあります。

紫外線は活性酸素を発生させることで細胞にダメージを与えます。角膜の細胞が傷つけば表面のただれや炎症が起き、水晶体のタンパク質が変性すれば白内障の一因になります。また、網膜の中心部にある黄斑部が紫外線を含む光のダメージを受け続けることで、加齢黄斑変性などのリスクが高まる可能性も指摘されています。

目は皮膚とは異なり、自分自身で「紫外線を遮断するメラニン色素」を大量に産生するしくみを持っていません。また、まぶたの皮膚は顔の中でも特に薄く、日焼け止めが塗りにくい部位です。そのため、目とその周囲の組織は紫外線に対して特に無防備な状態にさらされているとも言えます。

💊 紫外線による目の病気・症状

紫外線が目に与える影響は、急性のものから慢性的に進行するものまでさまざまです。以下に、紫外線との関連が指摘されている主な目の疾患・症状をご紹介します。

🦠 雪目(紫外線角膜炎・電気性眼炎)

強い紫外線に長時間さらされることで、角膜表面に炎症が起きる急性の症状です。スキー場の雪面や砂浜など、紫外線が反射する環境で多く見られることから「雪目」とも呼ばれます。症状としては、目の激しい痛み、充血、涙が止まらない、光がまぶしくて目を開けられないなどが現れます。紫外線を浴びてから数時間後(多くは6〜10時間後)に突然症状が出ることが特徴です。春のアウトドアや登山なども原因となり得ます。多くの場合、数日で自然に回復しますが、眼科での適切な処置が回復を早めます。

👴 白内障

白内障は、目の中にある水晶体が濁ることで視力が低下する疾患です。老化が主な原因とされていますが、紫外線による酸化ストレスも水晶体のタンパク質変性を促進する要因のひとつとして、国内外の研究で示されています。長年にわたって紫外線を浴び続けることで、水晶体の劣化が加速し、白内障の発症時期が早まったり、進行が速まったりする可能性があります。白内障は初期段階では自覚症状がほとんどなく、徐々に視界がぼやけたり、光がにじんで見えたりするようになります。進行した場合は手術による治療が必要となります。

🔸 翼状片(よくじょうへん)

翼状片とは、白目(結膜)の組織が角膜上に三角形状に伸びてくる疾患です。屋外で長時間作業する方や、紫外線の強い地域に住む方に多く見られることから、紫外線が発症・進行に深く関わっていると考えられています。初期は自覚症状が少ないですが、進行すると充血、異物感、さらに視力への影響が出ることもあります。翼状片が角膜の中心(瞳孔)まで進行すると視力低下を引き起こすため、手術による切除が必要になります。手術後に再発することもあり、紫外線対策を継続することが重要です。

💧 瞼裂斑(けんれつはん)

瞼裂斑は、白目の黒目に近い部分(球結膜)に黄白色の盛り上がりが生じる状態です。翼状片と同様に紫外線や乾燥、ほこりなどの慢性的な刺激が原因とされています。多くの場合は無症状ですが、炎症を起こすと充血や異物感を生じることがあります。見た目が気になる場合や症状が強い場合には、点眼治療や手術が選択されることもあります。

✨ 加齢黄斑変性

網膜の中心部にある黄斑が傷つくことで、視野の中心部が見えにくくなる病気です。加齢とともにリスクが高まりますが、紫外線を含む光(特に短波長の青色光)の慢性的な蓄積がリスク因子のひとつとして挙げられています。視野の中心が歪む、暗くなる、直線が波打って見えるなどの症状が現れます。一度失われた視機能を回復させることは現代の医学でも困難なため、予防と早期発見がとても重要な疾患です。

📌 まぶたの皮膚がん

紫外線の影響は目そのものだけでなく、まぶたの皮膚にも及びます。まぶたは顔の中でも皮膚が薄く、紫外線ダメージを受けやすい部位です。長年にわたる紫外線の蓄積によって、眼周囲の皮膚に基底細胞がんや扁平上皮がんが発生することがあります。頻度は高くありませんが、まぶたに治りにくいできものやただれが生じた場合には、眼科や皮膚科を受診することをおすすめします。

Q. 紫外線が原因で起こる目の病気にはどんなものがありますか?

紫外線が目に与える影響としては、角膜に炎症が起きる紫外線角膜炎(雪目)、水晶体が濁る白内障、結膜組織が角膜上に伸びる翼状片、網膜中心部が傷つく加齢黄斑変性などが挙げられます。急性症状から長年の蓄積で進行する慢性疾患まで多岐にわたります。

🏥 目に当たる紫外線量を左右する環境要因

同じ日でも、周囲の環境によって目に届く紫外線の量は大きく変わります。これを理解しておくことで、より効果的な対策を取ることができます。

まず注目すべきは、地面や周囲の物体からの「反射」です。新雪は紫外線を約80〜90%も反射すると言われており、スキーや雪山登山の際に目が受ける紫外線量は通常の数倍にもなります。砂浜や砂地も約15〜25%程度の紫外線を反射します。アスファルトは約10%前後ですが、水面は最大で50〜60%を反射することがあります。春の花見やピクニックなどで水辺に近い場所に長時間いる場合は特に注意が必要です。

高度も重要な要因です。山岳地帯では高度が1000m上がるごとに紫外線量が約10〜12%増加するとされています。春の登山は気温がまだ低く、つい油断しがちですが、紫外線量はかなり強くなっています。

時間帯も大切です。一日の中で紫外線が最も強い時間帯は午前10時から午後2時頃です。この時間帯に屋外にいる場合は、目の紫外線対策を特に意識しましょう。

また、曇りの日でも紫外線は侮れません。薄い雲であれば地表に届く紫外線量は晴れの日の80〜90%程度と言われています。「曇っているから目に当たる紫外線は少ない」という思い込みは危険です。一方、厚い積乱雲が空を覆う嵐の日などは紫外線量が大幅に低下します。

さらに、花粉が多い春の時期には目を細めることが増えますが、目を細めているからといって紫外線を完全にブロックできているわけではありません。目を細めた状態でも角膜や水晶体への紫外線ダメージは十分に起こり得ます。

⚠️ 子どもの目と紫外線:特に注意が必要な理由

紫外線による目へのダメージは年齢を問わず起こりますが、子どもは特に注意が必要です。その理由は複数あります。

まず、子どもの水晶体は大人に比べて透明度が高く、紫外線がより深く目の内部まで透過しやすい構造になっています。大人の水晶体は年齢とともに黄色みを帯びてくることで、自然なUVフィルターの役割を持つようになりますが、子どもの澄んだ水晶体にはその効果が十分ではありません。このため、同じ量の紫外線を浴びても、子どものほうが網膜や水晶体に届く紫外線量が多くなります。

次に、子どもは大人よりも屋外で過ごす時間が長く、紫外線を浴びる総量が多くなりがちです。また、幼いうちは目の保護に対する自覚が乏しいため、保護者が積極的に対策を取ってあげる必要があります。

生涯にわたって目が受ける紫外線の総量(累積紫外線曝露量)が白内障などの発症リスクに関係するという考え方もあります。子どものうちから紫外線対策を習慣化しておくことで、将来の目の健康を守ることにつながります。

子ども用のサングラスも市販されています。おもちゃのような品質ではなく、UV400(400nm以下の紫外線を99%以上カット)に対応した製品を選ぶことが重要です。また、子どもは成長に伴って視力が発達する時期でもあるため、眼科医に相談しながら適切なアイウェアを選ぶと安心です。

Q. 目の紫外線対策に効果的なサングラスの選び方を教えてください。

サングラス選びで最も重要なのは「UV400」対応かどうかの確認です。UV400はUV-AとUV-Bを99〜100%カットします。レンズの色が濃くてもUVカット加工がなければ逆に瞳孔が開いて危険です。目全体を覆う大きめのフレームやラップアラウンド型を選ぶとより効果的です。

🔍 目の紫外線対策:サングラスの選び方

目への紫外線対策として最も効果的なのは、UV対応のサングラスを着用することです。ただし、サングラスの種類や品質によって紫外線カット効果は大きく異なります。正しいサングラスを選ぶためのポイントをご紹介します。

▶️ UVカット性能を確認する

サングラスを選ぶ際に最も重要なのは、UVカット性能です。「UV400」という表示がある製品は、400nm以下の紫外線(UV-AとUV-Bの両方)を99〜100%カットします。これが目の紫外線対策として推奨される基準です。「UVカット」という表示だけでは具体的なカット率がわからない場合もあるため、UV400対応かどうかを確認するようにしましょう。

🔹 レンズの濃さと目への影響

レンズの色が濃いほど紫外線をカットするわけではないという点は、意外と知られていません。レンズの濃さ(可視光線透過率)と紫外線カット率は別物です。色が薄いレンズでもUV400に対応していれば、紫外線は十分にカットできます。逆に、UVカット加工がされていない濃いサングラスは危険です。なぜなら、暗いレンズによって瞳孔が開いた状態で紫外線が入り込み、通常よりも多くの紫外線が目の奥に達してしまう可能性があるためです。

📍 フレームの形状を考える

サングラスのフレームが小さいと、レンズの周囲から紫外線が入り込んでしまいます。目全体をカバーできる大きめのフレームや、ラップアラウンド型(顔に沿ってカーブしたデザイン)のサングラスは、側面からの紫外線も遮断できるためより効果的です。特にアウトドア活動時や日差しが強い季節には、この点を意識して選ぶとよいでしょう。

💫 偏光レンズの活用

偏光レンズとは、水面や路面からの反射光(ギラつき)を効果的にカットするレンズです。釣りやドライブ、海や雪山などでの使用に特に適しています。視界が見やすくなるだけでなく、目の疲労軽減にもつながります。UV400対応の偏光レンズを選ぶことで、紫外線対策と眩しさ対策を同時に行えます。

🦠 購入場所と品質管理

サングラスは眼鏡専門店や眼科医院での購入が最も安心です。品質が保証された製品を選びやすく、顔の形に合ったフィッティングのアドバイスも受けられます。100円ショップやファッション雑貨店で販売されているサングラスはUVカット性能が不明確なものも含まれているため、注意が必要です。

📝 コンタクトレンズと紫外線対策

コンタクトレンズを使用している方も多いと思いますが、コンタクトレンズと紫外線対策の関係についてもご説明します。

現在、UV-A・UV-Bの両方をカットする機能を持った「UVカットコンタクトレンズ」が市販されています。コンタクトレンズでUVカット機能が付いているものは、水晶体や網膜に届く紫外線を一定程度減らす効果が期待できます。ただし、コンタクトレンズは角膜全体を覆うものの、白目(結膜)や眼周囲の組織はレンズの外側に露出しています。つまり、コンタクトレンズだけで目全体への紫外線対策を賄うことはできません。

日本コンタクトレンズ学会などは、UVカットコンタクトレンズはあくまでも補助的な紫外線対策として位置付けており、サングラスや帽子などとの併用を推奨しています。「UVカットコンタクトをしているからサングラスは不要」という考え方は避けるべきです。

また、コンタクトレンズ自体が目の表面の乾燥を引き起こしやすいため、乾燥した春の空気との相乗効果で目のバリア機能が低下するケースもあります。コンタクトレンズ使用者は、定期的な目の休息と適切な点眼薬(人工涙液など)の使用、そして定期的な眼科受診を心がけましょう。

Q. 子どもの目が紫外線ダメージを受けやすい理由は何ですか?

子どもの水晶体は大人より透明度が高く、紫外線が網膜など目の内部まで届きやすい構造です。大人の水晶体は加齢により自然なUVフィルター機能を持ちますが、子どもにはその効果がありません。屋外活動時間も長いため、保護者がUV400対応のサングラスを用意するなど、積極的な対策が必要です。

💡 帽子・日傘の活用と生活習慣での対策

サングラスだけが目の紫外線対策ではありません。生活習慣の中で取り入れられるさまざまな対策を組み合わせることで、より高い予防効果を得ることができます。

👴 帽子のつばと日傘の効果

つばの幅が10cm以上ある帽子は、サングラスを使用していない場合でも目への直接の紫外線をかなりカットすることができます。ただし、帽子では地面や周囲からの反射光はカットできないため、やはりサングラスとの組み合わせが理想的です。

日傘もUVカット加工が施されたものを使用することで、顔全体への紫外線を大きく減らすことができます。女性の方には特に取り入れやすい対策です。最近では男性用の日傘も普及してきています。日傘は雨傘との兼用タイプも多いため、一本常に携帯しておくと便利です。

🔸 行動時間を工夫する

紫外線が最も強い時間帯(午前10時〜午後2時)に長時間屋外にいることを避けるだけでも、目への紫外線ダメージを減らすことができます。やむを得ず外出する際には、前述のサングラス・帽子・日傘を組み合わせて対策を取ることをおすすめします。

💧 抗酸化栄養素の摂取

紫外線によるダメージの一因は活性酸素です。体内の抗酸化システムを強化することは、紫外線ダメージの軽減に間接的に貢献する可能性があります。目の健康に良いとされる栄養素として、ルテインやゼアキサンチン(緑黄色野菜に多く含まれる)、ビタミンC・ビタミンE、亜鉛などが挙げられます。これらはバランスの良い食事から摂取するのが基本ですが、サプリメントで補うことも選択肢のひとつです。ただし、栄養素の摂取が紫外線ダメージを完全に防ぐわけではないため、物理的な紫外線対策(サングラスなど)と組み合わせることが大切です。

✨ スマートフォン・パソコンのブルーライト対策も

紫外線に近い波長域の光として、ブルーライト(380〜500nm)の問題もあります。ブルーライトは太陽光にも含まれますが、スマートフォンやパソコンの画面からも発生します。春は屋外での紫外線対策と合わせて、デジタル機器の使用時間を見直すことも目の健康管理の観点からは有益です。画面の明るさを適切に調整したり、20分ごとに遠くを見るなどの目の休憩を取り入れたりすることを心がけましょう。

✨ 目の紫外線ダメージのサインと受診のタイミング

目の紫外線による影響の多くは、長年の蓄積によってゆっくりと現れます。そのため「目が痛くない」「見え方に問題ない」と感じている段階でも、すでに何らかのダメージが始まっていることがあります。以下のような症状や変化に気づいた場合には、眼科への受診をおすすめします。

急性のサインとしては、屋外で長時間過ごした後に目の激しい痛み、涙が止まらない、目を開けていられないほどの眩しさ、充血などが挙げられます。これらは紫外線角膜炎(雪目)の可能性があり、早めの眼科受診が必要です。

慢性的なサインとしては、以下のようなものがあります。視界がかすんだり、ぼやけたりする、光がにじんで見える(特に夜間)、視野の中心部が暗くなったり、歪んで見えたりする(加齢黄斑変性の可能性)、黒目の端に白や黄色がかった三角形の組織が伸びてきた(翼状片の可能性)、白目に黄白色の盛り上がりが生じた(瞼裂斑の可能性)などです。

また、まぶたに治りにくいできものやただれ、色素の変化が見られる場合も眼科または皮膚科を受診することをおすすめします。

目の疾患の多くは、早期発見・早期治療によって症状の進行を抑えたり、視機能の低下を最小限に留めたりすることが可能です。「少し気になるかな」という段階で受診することをためらわないようにしましょう。特に40歳以上の方は、自覚症状がなくても年に1回程度の眼科検診を受けることが目の健康管理の観点から推奨されます。

眼科では視力検査に加え、眼底検査(網膜や視神経の状態を確認)、細隙灯顕微鏡検査(角膜・水晶体・結膜の状態を確認)などを通じて、紫外線によるダメージの有無を確認することができます。定期的な眼科受診を習慣にすることで、目の変化を早期にとらえることができます。

👨‍⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】

高桑康太 医師(当院治療責任者)より

「当院では、春先になると「目がしみる」「充血がひかない」といったお悩みでご来院される患者様が増える傾向にあり、紫外線との関連が疑われるケースも少なくありません。肌の日焼け対策は意識されていても、目への紫外線対策はまだ見落とされがちですが、角膜や水晶体へのダメージは長年にわたって静かに蓄積されるため、自覚症状が出る前からの予防が何より大切です。UV400対応のサングラスと定期的な眼科受診を習慣にしていただくことで、大切な目の健康を長く守っていただけますので、気になることがあればどうぞお気軽にご相談ください。」

📌 よくある質問

春の紫外線は夏と比べてどのくらい強いですか?

気象庁や環境省のデータによると、4月・5月の紫外線量はすでに真夏に近い水準まで上昇しています。春は太陽の高度が上がり大気層を通過する距離が短くなるため、より多くの紫外線が地表に届きます。また、曇り空でも晴れの日の80〜90%程度の紫外線が届くため、油断は禁物です。

サングラスを選ぶときに最も重要なポイントは何ですか?

最も重要なのはUVカット性能です。「UV400」と表示された製品を選ぶことで、UV-AとUV-Bの両方を99〜100%カットできます。また、レンズの色が濃いほど紫外線をカットするわけではないため、色の濃さではなくUV400対応かどうかを必ず確認してください。フレームは目全体を覆う大きめのものが効果的です。

UVカットコンタクトレンズだけで目の紫外線対策は十分ですか?

UVカットコンタクトレンズのみでは十分とは言えません。コンタクトレンズは角膜をカバーしますが、白目や眼の周囲の組織はレンズの外側に露出しています。日本コンタクトレンズ学会もUVカットコンタクトはあくまで補助的な対策と位置付けており、サングラスや帽子との併用を推奨しています。

子どもの目が紫外線の影響を受けやすい理由は何ですか?

子どもの水晶体は大人に比べて透明度が高く、紫外線が目の内部まで透過しやすい構造になっています。大人の水晶体は年齢とともに自然なUVフィルターの役割を持つようになりますが、子どもにはその効果が不十分です。また、屋外で過ごす時間が長く紫外線を浴びる総量が多いため、保護者が積極的に対策を取ることが重要です。

目の紫外線ダメージはどのような症状で気づけますか?また、いつ受診すべきですか?

急性のサインとして、屋外活動後の目の激しい痛み・充血・強い眩しさがあります。慢性的なサインとしては、視界のかすみ、視野中心部の歪み、黒目付近への三角形の組織の広がりなどが挙げられます。気になる症状がある場合は早めに眼科を受診してください。当院では春先に紫外線との関連が疑われる症状でご来院される患者様も多く、お気軽にご相談いただけます。

🎯 まとめ

春の紫外線は私たちの目に対してさまざまな影響を及ぼします。角膜炎(雪目)などの急性症状から、白内障・翼状片・加齢黄斑変性といった慢性疾患まで、紫外線は目の健康を長期的に脅かす存在です。特に春は、紫外線量が急増する一方で対策意識が低くなりやすい季節であるため、意識的に目の紫外線対策を始めることが大切です。

目の紫外線対策の基本は、UV400対応のサングラスの着用です。フレームの大きさや形状にも注意を払い、目全体をしっかりカバーできるものを選びましょう。サングラスに加えて、つばの広い帽子や日傘を活用することでより効果的な対策が取れます。コンタクトレンズのUVカット機能はあくまで補助的なものであり、サングラスに代わるものではありません。また、抗酸化栄養素を含むバランスの良い食事も、目の健康を内側から支えます。

子どもの目は大人よりも紫外線の影響を受けやすいため、保護者が積極的に紫外線対策を取り入れてあげることが重要です。生涯にわたる紫外線への総曝露量を減らす取り組みは、将来の目の健康を守ることにもつながります。

目の変化や異常を感じた場合、あるいは定期的な眼科検診のために、ぜひお気軽に眼科を受診してください。アイシークリニック大宮院では、目に関するさまざまなお悩みや不安に対して、丁寧な診察と適切なアドバイスを提供しています。春から始める目の紫外線対策について、ぜひご相談ください。

📚 関連記事

📚 参考文献

  • 厚生労働省 – 紫外線による健康被害および目への影響に関する情報。紫外線の種類(UV-A・UV-B)と身体への作用、白内障や角膜炎などの疾患リスクについての公的な医療情報として参照。
  • WHO(世界保健機関) – 紫外線(UV)放射が眼や皮膚に与える影響、白内障・翼状片・加齢黄斑変性などの疾患リスク、および子どもを含む年齢層への紫外線対策に関する国際的なエビデンスとして参照。
  • PubMed – 紫外線曝露と白内障・加齢黄斑変性・翼状片・紫外線角膜炎などの眼疾患との関連性を示す国内外の査読済み医学研究論文群。UVカットサングラスの効果や累積紫外線曝露量と発症リスクの関係についての科学的根拠として参照。

監修者医師

高桑 康太 医師

保有資格

ミラドライ認定医

略歴

  • 2009年 東京大学医学部医学科卒業
  • 2009年 東京逓信病院勤務
  • 2012年 東京警察病院勤務
  • 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
  • 2019年 当院治療責任者就任
  • 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
  • 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
  • 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
  • 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報

佐藤 昌樹 医師

保有資格

日本整形外科学会整形外科専門医

略歴

  • 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
  • 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
  • 2012年 東京逓信病院勤務
  • 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
  • 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務

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