「毎年春になると肌荒れが気になる」「なんとなく肌がピリピリしてしまう」そんな経験をお持ちの方は少なくありません。実は、春は一年の中で最も敏感肌が悪化しやすい季節のひとつです。気温の変化、花粉の飛散、新生活によるストレスなど、肌を取り巻く環境が大きく変化するこの時期は、もともと敏感肌でない方でも肌トラブルを抱えやすくなります。本記事では、なぜ春に敏感肌が悪化するのかを医療的な視点から丁寧に解説し、今日から実践できるスキンケアの方法についてもご紹介します。肌の悩みを根本から理解して、春を快適に過ごすためのヒントをぜひ参考にしてください。
目次
- そもそも「敏感肌」とはどのような状態なのか
- 春に敏感肌が悪化する主な原因
- 花粉と肌荒れの関係:花粉皮膚炎とは
- 紫外線量の急増が肌に与えるダメージ
- 気温・湿度の変化が皮膚バリアに与える影響
- 新生活のストレスと肌荒れの意外な関係
- 春の敏感肌悪化を防ぐためのスキンケア方法
- 春に避けるべきNG行動と生活習慣
- こんな症状は受診のサイン:皮膚科・美容クリニックへ相談を
- まとめ
この記事のポイント
春の敏感肌悪化は花粉・紫外線急増・寒暖差・新生活ストレスが重なることが主因。低刺激洗顔・セラミド保湿・3月からの日焼け止めが基本対策で、2週間以上赤みが続く場合はアイシークリニック大宮院など皮膚科への早期受診が推奨される。
🎯 そもそも「敏感肌」とはどのような状態なのか
敏感肌という言葉は日常的によく使われますが、実は医学的に明確に定義された「病名」ではありません。一般的には、外部からの刺激に対して皮膚が過剰に反応しやすい状態を指します。具体的には、洗顔料や化粧水などのスキンケア製品を使ったときにピリピリと刺激を感じたり、気温の変化や摩擦だけで赤みやかゆみが出たりする状態です。
皮膚の最表層には「角質層」と呼ばれる層があり、ここが皮膚バリア機能の中心的な役割を担っています。健康な角質層は、外部からの刺激や異物の侵入を防ぎながら、皮膚内部の水分を逃がさないように働いています。この皮膚バリア機能が低下すると、外部の刺激が皮膚深部まで届きやすくなり、炎症反応や乾燥が引き起こされます。これが敏感肌の根本的な仕組みです。
皮膚バリア機能を支えているのは主に三つの要素です。ひとつ目は「天然保湿因子(NMF)」と呼ばれる水分を保持する成分群です。ふたつ目は「細胞間脂質(セラミドなど)」で、角質細胞同士を隙間なくつなぎ止める働きをしています。みっつ目は「皮脂膜」で、皮脂と汗が混ざって皮膚表面を覆う薄い膜です。これら三つが適切に機能していれば皮膚は外部刺激に対して強くなりますが、ひとつでも不足するとバリア機能が崩れ、敏感肌の状態になります。
敏感肌はアトピー性皮膚炎や接触性皮膚炎などの皮膚疾患とも関連していることがありますが、明らかな疾患がない場合でも起こります。特に日本人女性の半数以上が「自分は敏感肌だ」と感じているというデータもあり、現代においては非常に一般的な皮膚の状態といえます。
Q. 敏感肌とはどのような皮膚の状態ですか?
敏感肌とは医学的な病名ではなく、外部刺激に皮膚が過剰反応しやすい状態を指します。角質層のバリア機能を支えるセラミド・天然保湿因子・皮脂膜のいずれかが不足すると、刺激が皮膚深部まで届きやすくなり、赤みやかゆみ、ピリピリ感が生じます。
📋 春に敏感肌が悪化する主な原因
春という季節が敏感肌にとって過酷な理由は、複数の悪化要因が同時に重なることにあります。単一の原因によるものであれば対策も立てやすいのですが、春は肌にとってのストレス要因が多角的に押し寄せてくる時期です。
冬から春にかけての気温上昇は、皮膚の生理機能に大きな影響を与えます。冬の間は低気温・低湿度の環境に皮膚が順応していますが、春になって急に気温が上がると皮膚は急激な変化についていけず、バリア機能のバランスが崩れやすくなります。また、冬の間は皮脂分泌が少なかった状態から、春になって皮脂分泌が増加し始めるため、毛穴詰まりやニキビが出やすくなる方も多く見られます。
さらに春は花粉の飛散シーズンと重なります。スギやヒノキの花粉は鼻や目だけでなく、皮膚にも影響を与えることが分かっています。加えて、冬よりも紫外線量が急激に増加する時期でもあります。1月と比較して3月の紫外線量(UVB)は約3倍に増えるとされており、冬の間に紫外線対策を怠っていた皮膚には大きなダメージが蓄積されやすくなります。
このように、春の敏感肌悪化はひとつの原因によるものではなく、複数の環境変化が重なって起こる複合的な現象です。それぞれの原因を正確に理解することが、的確な対策につながります。
💊 花粉と肌荒れの関係:花粉皮膚炎とは
花粉症の症状といえば、くしゃみや鼻水、目のかゆみなどが代表的ですが、近年注目されているのが「花粉皮膚炎(かふんひふえん)」と呼ばれる皮膚症状です。花粉が皮膚に直接付着することで、炎症反応が引き起こされる状態です。
特に顔、首、手の甲など露出部分で症状が出やすく、かゆみ・赤み・ヒリヒリ感・小さなブツブツなどが現れます。これは花粉に含まれるタンパク質(アレルゲン)が皮膚バリアの隙間から侵入し、皮膚の免疫細胞を刺激することで炎症が起きるメカニズムによるものです。
特にアトピー性皮膚炎の方や、もともと皮膚バリア機能が低下している方は、花粉による皮膚への影響を受けやすいとされています。皮膚バリアが正常に機能している場合は花粉が侵入しにくいのですが、乾燥や摩擦によってバリアが崩れていると、わずかな花粉の接触でも強い炎症反応が出ることがあります。
花粉皮膚炎の特徴として、「花粉が多く飛んでいる日に症状が悪化する」「外出から帰宅した後に肌荒れが始まる」「洗顔後は一時的に症状が緩和する」などが挙げられます。花粉の飛散情報をこまめに確認しながら外出の際にはマスクや帽子、サングラスなどで皮膚への花粉の付着を減らすことが、症状悪化の予防につながります。
また、帰宅後は早めに洗顔を行い、顔に付着した花粉を洗い流すことが重要です。ただし、この際の洗顔も過度な刺激にならないよう、低刺激の洗顔料を使用してやさしく洗うことを心がけてください。強くこすることで皮膚バリアがさらに損傷し、悪循環に陥ることがあります。
Q. 花粉皮膚炎の症状と予防法を教えてください。
花粉皮膚炎は花粉が皮膚に付着し、含まれるタンパク質が炎症を引き起こす状態です。顔・首・手の甲にかゆみ・赤み・ヒリヒリ感が現れます。予防にはマスクや帽子で花粉の付着を減らし、帰宅後は低刺激の洗顔料でやさしく洗い流すことが重要です。
🏥 紫外線量の急増が肌に与えるダメージ
春に敏感肌が悪化するもうひとつの大きな要因が、紫外線量の急激な増加です。多くの方は夏に向けて紫外線対策を意識し始めますが、実は春から紫外線対策は始める必要があります。気象庁のデータによれば、3月から4月にかけて紫外線の強さ(特にUV-B)は急速に増加し、5月にはほぼ夏と同程度の紫外線量に達することもあります。
紫外線が皮膚に与えるダメージには大きく分けてふたつの種類があります。ひとつはUV-Bによる急性反応で、皮膚の赤みや炎症(日焼け)を引き起こします。もうひとつはUV-Aによる慢性的なダメージで、皮膚の深部にまで届いてコラーゲンやエラスチンを破壊し、シワやたるみ、色素沈着(シミ)を引き起こします。
敏感肌の方にとって、紫外線は特に注意が必要です。紫外線によって皮膚に炎症が起きると、もともと過敏になっている皮膚の状態がさらに悪化します。炎症によって皮膚バリアがさらに傷つき、乾燥が進むという悪循環が生じます。また、紫外線による酸化ストレスが皮膚細胞のターンオーバー(新陳代謝)を乱すことも、敏感肌の悪化につながります。
春の紫外線対策で特に意識していただきたいのは、「曇りの日も紫外線対策が必要」という点です。曇りの日でも紫外線は晴天時の50〜80%程度降り注いでいます。また、「春は気温が低いから日焼けしにくい」と思い込んでいる方も多いですが、紫外線の強さと気温は直接関係ありません。春の冷涼な空気の中でも、紫外線は確実に皮膚にダメージを与えています。
敏感肌の方が紫外線対策を行う際には、日焼け止めの選び方にも注意が必要です。高SPF・高PA値の製品を選ぶことも大切ですが、それと同時に肌への刺激が少ない「ノンケミカル(紫外線散乱剤使用)」タイプの日焼け止めが適していることが多いです。
⚠️ 気温・湿度の変化が皮膚バリアに与える影響
春の気候の特徴として、寒暖差が大きいことが挙げられます。朝晩と昼間の気温差が10度以上になることも珍しくなく、この温度差が皮膚に大きな負担をかけます。
気温が上がると皮膚の血管が拡張し、皮脂分泌が活発になります。逆に気温が下がると皮膚の血行が悪くなり、皮脂分泌も減少します。春はこの変動が短時間のうちに繰り返されるため、皮膚が適切な状態を維持するのが困難になります。皮脂の分泌バランスが乱れることで、Tゾーンはベタつくのにほほや目の周りは乾燥するという「混合肌」的な状態に陥りやすくなります。
湿度についても同様です。冬は乾燥した空気によって皮膚の水分が失われやすい状態が続いていますが、春になると徐々に湿度が上がり始めます。ただし、春の前半は乾燥した日が多く、皮膚の水分量が回復しないまま気温だけが上昇することがあります。この状態では皮脂の分泌は増えていても水分が不足した「インナードライ」の状態になりやすく、皮膚バリアが正常に機能しません。
また、春は「黄砂」が飛散する時期でもあります。黄砂の微粒子は非常に細かく、皮膚の表面に付着して物理的に刺激を与えるだけでなく、黄砂に含まれる重金属や細菌・カビなどが皮膚に付着することで炎症反応を引き起こすことがあります。特に敏感肌の方や皮膚バリアが弱っている方は、黄砂の多い日の外出後は丁寧に皮膚を清潔にすることが大切です。
このような気温・湿度・外気の変化すべてが皮膚バリアに影響を与えています。春の肌荒れを予防するためには、日々の天気や気象情報に合わせてスキンケアを柔軟に変えることが重要です。
Q. 春のストレスが肌荒れを悪化させる仕組みは?
入学・就職などのストレスでコルチゾールが分泌されると、皮膚バリアに必要なセラミドや天然保湿因子の産生が妨げられます。また自律神経の乱れが皮膚血流を低下させ修復力が落ちます。睡眠不足が重なると成長ホルモンによる皮膚修復も滞り、肌荒れが長引きやすくなります。
🔍 新生活のストレスと肌荒れの意外な関係
春は入学・就職・転居・異動など、生活環境が大きく変わる時期です。こうした環境変化に伴うストレスが、敏感肌の悪化に深く関係していることが医学的に明らかになっています。
ストレスを受けると、体内では「コルチゾール」というストレスホルモンが分泌されます。コルチゾールは皮膚バリアの維持に必要なセラミドや天然保湿因子の産生を妨げることが分かっており、皮膚の防御機能を低下させます。また、ストレスは皮脂腺を刺激して皮脂の過剰分泌を促すことがあり、ニキビや毛穴トラブルの悪化にもつながります。
さらに、ストレスは自律神経のバランスを乱します。自律神経は皮膚の血流や発汗、皮脂分泌などをコントロールしているため、自律神経が乱れると皮膚の機能全体に影響が及びます。特に交感神経が優位な状態が続くと皮膚の血流が減少し、皮膚細胞への栄養供給が低下します。これが皮膚の修復力低下につながり、肌荒れが治りにくくなります。
睡眠不足も敏感肌の悪化に大きく関わっています。睡眠中には成長ホルモンが分泌され、皮膚の細胞修復が活発に行われます。新生活が始まってリズムが乱れ、睡眠時間が短くなったり睡眠の質が落ちたりすると、皮膚の自己修復が追いつかなくなります。「春になると肌荒れが続いてなかなか治らない」と感じる方の多くは、この睡眠不足も一因となっているケースが少なくありません。
また、春は食生活が乱れやすい時期でもあります。新生活で外食が増えたり、忙しくて食事が不規則になったりすることで、皮膚に必要なビタミンやミネラルが不足しがちになります。特にビタミンA、ビタミンC、ビタミンE、亜鉛などは皮膚の健康維持に欠かせない栄養素であり、これらの不足が敏感肌の悪化を助長することがあります。
📝 春の敏感肌悪化を防ぐためのスキンケア方法
春の敏感肌対策として最も重要なのは、皮膚バリア機能を整え、保護することです。そのためのスキンケアの基本について、ステップごとに解説します。
洗顔は皮膚ケアの基本ですが、やりすぎは禁物です。洗浄力が強すぎる洗顔料は、必要な皮脂や天然保湿因子まで洗い流してしまいます。敏感肌の方には、アミノ酸系洗浄成分を使用したやさしい洗顔料がおすすめです。また、洗顔時の水温は32〜35℃程度のぬるま湯が適しています。熱いお湯は皮脂を過剰に取り除き、冷水は汚れが落ちにくく毛穴が引き締まりすぎるため、いずれも皮膚にとって負担になります。泡立てた泡でやさしく包み込むように洗い、すすぎもしっかりと行いましょう。
洗顔後の保湿ケアは春の敏感肌対策の核心です。洗顔後は皮膚が乾燥しやすい状態になっているため、なるべく早く(できれば洗顔後1分以内に)保湿を行うことが大切です。保湿成分としては、セラミド、ヒアルロン酸、アミノ酸、スクワランなどの高保湿成分が含まれた製品を選ぶと良いでしょう。特にセラミドは皮膚バリアの主要成分であり、敏感肌の方には積極的に取り入れたい成分です。
化粧水でしっかりと水分を補給した後、乳液やクリームで蓋をして水分の蒸発を防ぐ手順が基本です。春は夏に比べて気温が低い日もありますが、湿度が上がってきたからといって保湿を怠ると、インナードライの状態になりかねません。季節の変わり目は特に意識的に保湿を継続することが重要です。
日焼け止めの使用も春から必須です。敏感肌の方には「紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)」と表記されたもの、または低刺激テストを行っているとされる製品が適しています。日焼け止めは毎朝の保湿ケアの最後に、顔全体に均一に塗るよう心がけてください。また、外出先でも2〜3時間おきに塗り直すことで効果を持続させることができます。
春の敏感肌対策として意外と見落とされがちなのが、「スキンケアアイテムの数を絞る」という点です。新しい季節になると新製品を試したくなる気持ちは理解できますが、複数の新しいアイテムを一度に導入すると、どの製品が肌荒れの原因になっているか分からなくなります。春のスキンケアの見直しは、刺激の少ない低アレルギーテスト済みの製品に絞り、肌の状態が安定してから少しずつ変更していくことをおすすめします。
また、スキンケアの際の摩擦も敏感肌には大敵です。化粧水をコットンでパタパタとたたく行為や、タオルで顔を強くふく行為は皮膚への摩擦刺激となります。化粧水は手のひらで優しく押さえるように浸透させ、タオルは清潔なものを使って軽く押し当てるようにして水気を取るのが理想的です。
Q. 皮膚科受診が必要な春の肌トラブルの目安は?
市販のスキンケアを続けても赤みや炎症が2週間以上改善しない場合、湿疹が広範囲に広がる場合、強いかゆみで睡眠が妨げられる場合は早めの受診が推奨されます。アイシークリニック大宮院では皮膚の状態に合わせた個別アドバイスと科学的根拠に基づいた治療で敏感肌をサポートしています。
💡 春に避けるべきNG行動と生活習慣
春の敏感肌ケアでは、何をするかと同様に「何を避けるか」も非常に重要です。悪気なく行っているスキンケアや生活習慣が、実は肌荒れを悪化させていることがあります。
まず避けたいのは、過度な角質ケアです。春になると皮膚がゴワついたり、くすんで見えたりすることから、スクラブや角質除去シートを使いたくなる方もいるかもしれません。しかし、敏感肌の状態にある春にこれらを使用すると、必要な角質まで除去してしまい、皮膚バリア機能をさらに低下させる恐れがあります。特にスクラブ剤や酸系の角質ケア(AHAやBHAを含む製品)は、皮膚が敏感になっている時期には慎重に使用する必要があります。
アルコール(エタノール)が高濃度に含まれたスキンケア製品も避けた方が良いでしょう。アルコールは確かに清涼感をもたらしたり、べたつきを抑えたりする効果がありますが、揮発する際に皮膚の水分も奪ってしまいます。敏感肌の方の皮膚は炎症を起こしやすいため、アルコールによる刺激で悪化する可能性があります。製品を選ぶ際には成分表示を確認し、「エタノール」や「アルコール」が上位に記載されていないものを選ぶのが安心です。
熱いシャワーや入浴も注意が必要です。42℃以上の熱いお湯は皮膚の保護に必要な皮脂を過剰に取り除き、バリア機能を低下させます。春でも入浴時のお湯の温度は38〜40℃程度に保ち、長時間の入浴や半身浴は皮膚の乾燥を促進するため、短めにまとめることが理想です。また、入浴後は素早く保湿を行うことを習慣づけましょう。
食生活においては、辛い食べ物、アルコール、砂糖の多い食品など、炎症を助長する可能性がある食品の過剰摂取は控えめにすることをおすすめします。逆に、オメガ3脂肪酸(青魚やクルミに多く含まれる)、緑黄色野菜に含まれるビタミン類、発酵食品などは皮膚の炎症を抑え、健康な皮膚環境を維持するのに役立つとされています。
睡眠の確保も肌荒れ対策として欠かせません。成人では1日7〜8時間の睡眠が理想とされていますが、新生活が始まる春はこれが難しいことも多いでしょう。せめて就寝・起床時間を一定にそろえることで、自律神経のバランスを整えることが皮膚にとっても良い影響をもたらします。
ストレス管理も忘れずに行いましょう。適度な運動、趣味の時間を確保すること、深呼吸やストレッチなどのリラクゼーション法は、コルチゾールの過剰分泌を抑えて皮膚の状態を改善する効果が期待できます。
✨ こんな症状は受診のサイン:皮膚科・美容クリニックへ相談を

春の敏感肌悪化はある程度は季節的なものですが、症状の程度によっては自己ケアだけでは対応が難しく、専門家への相談が必要なケースもあります。以下のような症状が見られる場合は、皮膚科や美容皮膚科クリニックへの受診を検討してください。
市販のスキンケア製品でケアを続けているにもかかわらず赤みや炎症が2週間以上続く場合、湿疹や皮膚炎が皮膚の広い範囲に広がっている場合、水ぶくれや滲出液を伴う症状がある場合、かゆみが強くて睡眠が妨げられる場合などは、自己判断での対応には限界があります。これらの症状は、接触性皮膚炎やアトピー性皮膚炎の悪化、あるいは花粉皮膚炎などが重篤化している可能性があります。
また、春の紫外線によって生じたシミやくすみが気になる場合、スキンケアだけでは改善が難しいニキビ跡の色素沈着などについては、美容皮膚科クリニックでの専門的な治療が効果的です。レーザー治療やイオン導入、ピーリングなど、皮膚科学に基づいた施術によって、敏感肌の根本的な改善をサポートすることができます。
敏感肌の悩みは「たいしたことない」と思って我慢されている方も多いですが、早めに専門家に相談することで症状の悪化を防ぎ、より快適な生活を取り戻すことができます。「どのスキンケア製品を選べばいいか分からない」「市販品を試してもなかなか改善しない」という段階でも、皮膚科や美容クリニックへの相談を遠慮なく活用してください。
皮膚科では、症状に応じてステロイド外用薬や抗アレルギー薬、保湿剤の処方が行われます。また、アレルギー検査によって原因物質を特定することも可能です。原因が明確になれば、的確な回避策をとることができ、毎年春になるたびに繰り返す肌トラブルを根本から改善できる可能性があります。
アイシークリニック大宮院では、皮膚の状態に合わせた個別のアドバイスや、科学的根拠に基づいた美容皮膚科的アプローチで敏感肌のお悩みをサポートしております。春の肌トラブルでお困りの際は、お気軽にご相談ください。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、春になると敏感肌の悩みを抱えて来院される患者様が増える傾向があり、花粉・紫外線・寒暖差・新生活のストレスといった複数の要因が重なることで、もともと肌が丈夫な方でも皮膚バリアが崩れやすくなることを実感しています。市販のスキンケアで対応しようと試みたものの改善せず、症状が長引いてからご来院されるケースも少なくないため、2週間以上赤みや炎症が続く場合は早めにご相談いただくことをおすすめします。春の肌トラブルは適切なケアと治療によって必ずコントロールできますので、一人で抱え込まず、どうぞお気軽に当院へお越しください。」
📌 よくある質問
春は花粉の飛散、紫外線量の急増、寒暖差による気温・湿度の変化、新生活によるストレスや睡眠不足など、複数の悪化要因が同時に重なる季節です。これらが互いに影響し合って皮膚バリア機能を低下させるため、もともと敏感肌でない方でも肌トラブルを起こしやすくなります。
はい、花粉が皮膚に直接付着することで「花粉皮膚炎」と呼ばれる症状が起こることがあります。顔・首・手の甲などにかゆみ・赤み・ヒリヒリ感が現れるのが特徴です。外出時はマスクや帽子で花粉の付着を防ぎ、帰宅後は低刺激の洗顔料でやさしく洗い流すことが大切です。
3月から始めることをおすすめします。3月のUV-Bは1月と比較して約3倍に増加し、5月にはほぼ夏と同程度の紫外線量に達することもあります。敏感肌の方には、肌への刺激が少ない紫外線吸収剤不使用(ノンケミカル)タイプの日焼け止めが適しています。
アミノ酸系洗浄成分のやさしい洗顔料を使い、32〜35℃のぬるま湯で洗顔することが基本です。洗顔後は1分以内にセラミドやヒアルロン酸を含む保湿アイテムで水分を補い、乳液やクリームで蓋をして水分蒸発を防ぎましょう。摩擦を避け、手のひらでやさしく押さえるように塗布することが重要です。
市販品でケアを続けても赤みや炎症が2週間以上続く場合、湿疹が広範囲に広がる場合、水ぶくれや強いかゆみで睡眠が妨げられる場合は、早めの受診をおすすめします。アイシークリニック大宮院では、皮膚の状態に合わせた個別アドバイスや科学的根拠に基づいた治療で敏感肌のお悩みをサポートしています。
🎯 まとめ
春に敏感肌が悪化する原因は、花粉の飛散、紫外線量の急増、寒暖差による気温・湿度の変化、新生活によるストレスや生活リズムの乱れなど、複数の要因が重なることによるものです。これらは互いに関連し合っており、ひとつを対策するだけでは不十分なことも多いです。
対策の基本は皮膚バリア機能を整えることです。低刺激の洗顔料でやさしく洗い、高保湿成分を含む化粧水・乳液・クリームで確実に保湿を行い、春から紫外線対策を習慣にすることが皮膚を守る基盤となります。また、過度な角質ケアやアルコール成分の多い製品、熱すぎるお湯の使用などは避けることが大切です。
生活習慣の面では、十分な睡眠とバランスの取れた食事、適度なストレス管理が皮膚の健康維持に直結します。春の変化に皮膚が追いつけるよう、内側と外側の両方からサポートすることが大切です。
それでも症状が改善しない場合や、強い炎症・広範囲の湿疹などが出た場合は、専門家への相談を積極的に検討してください。自分の皮膚の状態を正しく理解し、適切なケアを続けることで、春の敏感肌トラブルは必ずコントロールできます。今年の春は正しい知識を武器に、健康で美しい肌を維持していきましょう。
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📚 参考文献
- 日本皮膚科学会 – 敏感肌・アトピー性皮膚炎・接触性皮膚炎の診断基準および皮膚バリア機能に関する診療ガイドライン
- 厚生労働省 – 皮膚の健康管理・紫外線対策および花粉症対策に関する公式情報
- PubMed – 皮膚バリア機能・敏感肌の季節的変化・花粉皮膚炎・紫外線ダメージに関する国際的な査読済み医学論文
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務