「禁煙したいけれど、太るのが怖くて踏み出せない」「禁煙してから体重が増えてしまった」――そんなお悩みを抱えている方は少なくありません。実際に禁煙後の体重増加は多くの人が経験する現象であり、禁煙を続ける上での大きな障壁のひとつになっています。しかし、体重増加の仕組みを正しく理解し、適切な対策を講じることで、禁煙と体重管理を両立させることは十分に可能です。この記事では、禁煙後に体重が増えやすい理由から、食事・運動・生活習慣など多角的な視点での対策まで、医学的根拠に基づいて詳しく解説します。
目次
- 禁煙後に体重が増加するのはなぜ?
- 体重増加はどのくらい起こるのか
- 体重増加が心配でも禁煙すべき理由
- 食事面での体重増加対策
- 運動による体重管理のポイント
- 生活習慣の見直しで体重増加を防ぐ
- 禁煙補助薬と体重増加の関係
- 禁煙外来を活用するメリット
- まとめ

🎯 禁煙後に体重が増加するのはなぜ?
禁煙後に体重が増えるのは、決して意志が弱いからでも、食べ過ぎているからでもありません。たばこに含まれるニコチンや喫煙という行為そのものが、体の代謝や食欲のコントロールに深く関わっているため、それがなくなることで体に様々な変化が起こります。以下で、主な原因を詳しく見ていきましょう。
🦠 ニコチンによる代謝促進効果がなくなる
ニコチンには交感神経を刺激する作用があり、心拍数や血圧を上昇させることで基礎代謝を高める効果があります。研究によると、喫煙者は非喫煙者と比べて安静時のエネルギー消費量が約200kcal程度高いとされています。禁煙すると、このニコチンによる代謝促進効果が失われるため、同じ食事量・同じ活動量であっても、それ以前よりも消費カロリーが少なくなってしまいます。その結果、摂取カロリーが消費カロリーを上回りやすくなり、体重増加につながります。
👴 食欲が増加し、味覚・嗅覚が回復する
ニコチンは脳内の食欲抑制に関わる神経伝達物質(セロトニンやドーパミンなど)に影響を与えることで、食欲を抑える働きをしています。禁煙するとこの食欲抑制効果がなくなるため、多くの人が「以前より食欲が増した」と感じます。また、喫煙によって鈍くなっていた味覚や嗅覚が禁煙後2〜4週間ほどで徐々に回復し始めます。食べ物が以前より美味しく感じられるようになることで、食事量が増えやすくなります。これは禁煙による良い変化のひとつではありますが、体重管理という観点では注意が必要です。
🔸 口寂しさや手持ち無沙汰からの「口食い」
喫煙者にとって、たばこは単なる嗜好品ではなく、ストレス発散の手段や「手と口を動かす」という習慣的な行動でもあります。禁煙後はこの「何かを口にする」という行動への欲求が高まり、お菓子や甘いものを食べることでその代替をしようとする方が多くいます。心理的な側面から来るこの「口食い」は、カロリー過多につながりやすいため、意識的にコントロールすることが重要です。
💧 ストレスによる過食
禁煙直後はニコチン依存から来る離脱症状(禁断症状)が現れることが多く、イライラ感、集中力の低下、不安感などのストレスを感じやすくなります。このような精神的な緊張状態に置かれたとき、人は食べることで気持ちを落ち着かせようとする傾向があります。いわゆる「ストレス食い」です。禁煙によるストレスが過食につながり、結果として体重が増加するというパターンは非常によく見られます。
✨ 腸内環境の変化
近年の研究では、喫煙と腸内細菌叢の関係も注目されています。喫煙は腸内環境に影響を与えており、禁煙後に腸内細菌のバランスが変化することで、消化・吸収の効率が変わる可能性があります。また、ニコチンには腸の蠕動運動を促進する作用があるため、禁煙後は便秘になりやすい方もいます。便秘による腸内環境の悪化も、体重増加や体のむくみに影響することがあります。
📋 体重増加はどのくらい起こるのか
禁煙後の体重増加については、様々な研究データがあります。一般的に、禁煙後1年間で平均4〜5kg程度の体重増加が起こるとされています。ただしこれはあくまで平均値であり、個人差が大きいことも事実です。
禁煙後の体重増加は、最初の3ヶ月間に最も顕著に現れる傾向があります。この時期はニコチンの離脱症状が強く出やすく、食欲の増加や代謝の低下が重なるため、体重が増えやすい状態になっています。その後、半年〜1年かけて体重増加のペースは緩やかになり、多くの場合は1年を過ぎたあたりから体重が安定してきます。
また、禁煙前の喫煙本数が多い人ほど禁煙後の体重増加が大きくなる傾向があるという報告もあります。これは喫煙量が多いほどニコチンによる代謝促進効果が大きかったことを反映しています。一方で、禁煙後も適切な対策を講じることで体重増加を最小限に抑えられることも、多くの研究で示されています。
💊 体重増加が心配でも禁煙すべき理由
体重が増えることへの不安から禁煙を躊躇する方も多いですが、禁煙がもたらす健康上のメリットは、体重増加のデメリットをはるかに上回ります。この点を正しく理解しておくことが、禁煙へのモチベーション維持にもつながります。
📌 喫煙のリスクは肥満よりもはるかに大きい
喫煙は肺がん、口腔がん、食道がん、胃がん、膀胱がんなど多くのがんのリスクを大幅に高めます。また、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、心筋梗塞、脳卒中、動脈硬化など、命に関わる疾患の原因にもなります。一方、禁煙後に増加する体重は、適切な対策を取ることで管理できますし、仮に数キロ増えたとしても、喫煙を続けることによる健康被害とは比較にならないほど小さなリスクです。
▶️ 禁煙後の健康改善は速やかに始まる
禁煙を始めると、体の回復は驚くほど早く始まります。禁煙から20分後には血圧と脈拍が正常値に近づき、8時間後には血中の一酸化炭素濃度が下がります。24時間後には心筋梗塞のリスクが低下し始め、2週間〜3ヶ月後には血行が改善し肺機能が向上します。1年後には冠動脈疾患のリスクが喫煙者の半分になるなど、禁煙による健康改善は時間とともに着実に積み重なっていきます。体重のことを心配するあまり禁煙を諦めるのは、大きな健康上の機会損失と言えます。
🔹 禁煙と体重管理は同時に取り組める
禁煙と体重管理を同時に取り組むことは確かにハードルが高く感じられますが、医療機関のサポートや適切な方法を活用することで、両立は十分に可能です。「まず禁煙に成功してから体重を戻せばよい」と考えるより、禁煙と同時に体重管理の習慣を身につけることで、長期的な健康維持につながります。
🏥 食事面での体重増加対策
禁煙後の体重増加を防ぐために、食事の内容と食べ方を見直すことは非常に有効です。極端なカロリー制限は禁煙のストレスをさらに増大させてしまうため、無理なく続けられる食事管理を心がけることが大切です。
📍 低カロリーで満足感の高い食材を選ぶ
食欲が増加する禁煙初期は、食べる量を急に減らそうとしても長続きしません。それよりも、同じ量を食べるのであれば低カロリーで栄養価の高い食材を選ぶことが重要です。野菜、きのこ、海藻、こんにゃくなど食物繊維が豊富で低カロリーな食材を食事の中心に取り入れることで、満腹感を得ながらカロリーを抑えることができます。また、食物繊維には腸内環境を整える効果もあるため、禁煙後に起こりやすい便秘対策にもなります。
💫 たんぱく質をしっかり摂る
たんぱく質は三大栄養素の中で最も消化・吸収にエネルギーを必要とし(食事誘発性熱産生が高い)、満腹感も長続きします。鶏むね肉、魚、大豆製品、卵、低脂肪乳製品などのたんぱく質を積極的に取り入れることで、代謝の低下をある程度カバーしながら食べ過ぎを防ぐことができます。また、筋肉量の維持にもたんぱく質は欠かせないため、後述する運動との組み合わせでより効果的な体重管理が期待できます。
🦠 糖質と脂質の摂り方を見直す
禁煙後に増えやすい間食では、甘いお菓子や揚げ物などのスナック系が選ばれがちです。これらは糖質や脂質が高く、カロリーも高いため、体重増加の大きな要因になります。甘いものへの欲求がある場合は、砂糖の多いお菓子の代わりにフルーツ(量に注意)やナッツ類、ダークチョコレートなど比較的栄養価の高いものを選ぶようにしましょう。白米や白いパンなどの精製炭水化物より、玄米や全粒粉パンなど食物繊維が豊富な炭水化物を選ぶことも血糖値の急上昇を防ぎ、過食を抑える効果があります。
👴 食べる速度と食事の回数を意識する
脳が「満腹」と感じるまでには食事開始から約20分かかるとされているため、早食いは過食につながりやすいです。食事の際は一口ごとにしっかり噛み、食事時間を20〜30分以上かけるよう意識しましょう。また、1日3食を規則正しく摂ることで血糖値を安定させ、間食への欲求を減らすことができます。食事を抜くと次の食事で過食しやすくなるため、食事を抜くことは体重管理の観点からは逆効果になることがあります。
🔸 口寂しいときに活用したい代替食品
禁煙後に「口が寂しい」と感じたときに、低カロリーで口を動かせる代替品を用意しておくことも有効です。例えば、カロリーのないガム(キシリトールガムなど)、水やお茶、歯ごたえのある野菜スティック(きゅうり、セロリなど)などは、口を動かしたい欲求を満たしつつカロリーを抑えられます。ただし、ノンカロリーの甘い飲料は人工甘味料への依存や甘味への欲求を高める可能性もあるため、あくまで水やお茶を基本にすることをおすすめします。
💧 水分をこまめに摂る
水分をこまめに摂ることは、代謝を維持し体内の老廃物を排出する上で重要です。また、水を飲む習慣をつけることで、空腹感を紛らわせる効果も期待できます。禁煙外来では水分をよく摂ることをアドバイスすることが多く、ニコチンの代謝・排出を促す効果もあると言われています。1日1.5〜2リットルを目安に、カフェインや糖分の入っていない水やお茶で水分補給をするようにしましょう。
⚠️ 運動による体重管理のポイント
禁煙後の体重増加対策において、運動は非常に重要な役割を果たします。ニコチンによる代謝促進効果が失われる分を、運動によるカロリー消費で補うことができるだけでなく、運動にはストレス解消や睡眠改善など禁煙を続ける上でのメリットも数多くあります。
✨ 有酸素運動でカロリーを消費する
ウォーキング、ジョギング、水泳、サイクリングなどの有酸素運動は、脂肪をエネルギーとして燃焼させる効果があり、体重管理に直結します。禁煙直後は肺機能が改善途中であるため、激しい運動よりもウォーキングなどの軽度の有酸素運動から始めることをおすすめします。目安としては、1日30分程度のウォーキングを週5日行うことから始め、体力がついてきたら徐々に強度や時間を上げていくと良いでしょう。
有酸素運動のもう一つの大きなメリットは、禁煙による離脱症状の軽減効果です。運動によってエンドルフィンなどの「幸福ホルモン」が分泌されると、喫煙への渇望感が一時的に弱まることが研究で示されています。禁煙したい気持ちが揺らいだときに体を動かすことで、気分転換になり、禁煙継続の助けにもなります。
📌 筋力トレーニングで基礎代謝を上げる
筋肉量を増やすことで基礎代謝を上げ、ニコチンがなくなることで低下した代謝を補うことができます。スクワット、腹筋、腕立て伏せなどの自重トレーニングや、ジムでのウエイトトレーニングを週2〜3回取り入れることで、筋肉量の維持・増加が期待できます。有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、より効率的な体重管理が可能になります。また、筋力トレーニングは骨密度の維持や姿勢改善にも役立つため、総合的な健康増進につながります。
▶️ 日常生活の中で活動量を増やす
まとまった運動の時間が取りにくい場合でも、日常生活の中で活動量を増やすことは体重管理に有効です。エレベーターの代わりに階段を使う、一駅手前で降りて歩く、電話中は立って話す、昼休みに散歩をするなど、生活の中に「小さな運動」を組み込む意識を持つだけで、1日の総消費カロリーは大きく変わります。「NEAT(非運動性活動熱産生)」と呼ばれるこの日常的な活動によるカロリー消費は、実は1日の総消費カロリーの中で大きな割合を占めています。
🔹 運動がつらいと感じたときは
禁煙直後は離脱症状による倦怠感や気力の低下から、運動に対するモチベーションが保ちにくいことがあります。そのような時期は無理に激しい運動をしようとせず、散歩や軽いストレッチなど体への負担が少ない活動から始めることが大切です。「運動しなければ」というプレッシャーが禁煙のストレスをさらに増やすことは逆効果なので、自分のペースで無理なく続けることを最優先にしましょう。
🔍 生活習慣の見直しで体重増加を防ぐ
食事と運動に加えて、生活習慣全般を見直すことも禁煙後の体重増加防止に大きく寄与します。特に睡眠とストレス管理は、食欲や代謝に直接影響するため重要です。
📍 十分な睡眠を確保する
睡眠不足は食欲を増進させるホルモン(グレリン)を増加させ、食欲を抑制するホルモン(レプチン)を減少させることが研究で示されています。また、睡眠が不足すると翌日の活動量も低下しやすく、代謝の低下にもつながります。禁煙直後は睡眠の質が変化することがありますが、就寝前のルーティンを整えたり(入浴、ストレッチなど)、寝室の環境を快適に保ったりすることで、睡眠の質を改善する努力をしましょう。1日7〜8時間の睡眠を目標にすることが、体重管理の観点からも推奨されます。
💫 ストレス管理の方法を複数持つ
禁煙中のストレスをうまくコントロールすることは、過食を防ぐ上でも、禁煙を続ける上でも非常に重要です。喫煙の代わりになるストレス解消法を複数持っておくことをおすすめします。深呼吸や瞑想(マインドフルネス)は、ストレスを感じたときに即座に実践できる方法です。深呼吸は副交感神経を優位にし、リラクゼーション効果をもたらします。また、趣味や好きな活動に時間を割くことも、ストレス発散と口寂しさの解消に役立ちます。友人や家族との会話、音楽を聴く、映画を観るなど、自分に合ったリラックス法を見つけましょう。
🦠 アルコールの摂取に注意する
禁煙中にストレス解消としてアルコールに頼ってしまう方がいますが、アルコール自体が高カロリーであることに加え、飲酒によって食欲が増進したり、判断力が低下して食べ過ぎてしまうリスクがあります。また、アルコールは喫煙欲求を高めることが知られており、禁煙の妨げになることもあります。禁煙中はアルコールの摂取量を意識的に控えることが体重管理と禁煙継続の両面から望ましいです。
👴 体重を定期的に記録する
体重の変化を定期的に記録することは、体重管理の意識を高める上で効果的です。毎日同じ時間(例えば、起床後、排泄後)に体重を測り記録することで、体重の変化傾向を把握できます。体重の変化を「見える化」することで、食事や運動の効果を実感しやすくなり、モチベーションの維持につながります。スマートフォンのアプリを活用すると、体重の記録と食事・運動の記録を一元管理できて便利です。ただし、日々の体重は水分量などによって1〜2kg程度変動することが普通ですので、日々の変動に一喜一憂せず、週単位・月単位のトレンドで判断するようにしましょう。
🔸 禁煙の強いトリガーとなる場面を避ける
禁煙後に喫煙への渇望が強く出る状況(ストレスがかかる場面、飲み会、コーヒーを飲む時間など)は、同時に過食や間食が増えやすい状況でもあります。そのような場面を事前に想定して、代替行動(深呼吸、ガムを噛む、その場を離れるなど)を準備しておくことで、喫煙欲求と過食の両方をコントロールしやすくなります。
📝 禁煙補助薬と体重増加の関係
禁煙を行う際には、禁煙補助薬を使用する方法があります。現在、医療機関で処方される主な禁煙補助薬には、ニコチン代替療法(ニコチンパッチやニコチンガム)とバレニクリン(チャンピックス)があります。これらの薬は禁煙成功率を高めるだけでなく、体重増加への影響も研究されています。
💧 ニコチン代替療法と体重増加
ニコチンパッチやニコチンガムなどのニコチン代替療法は、禁煙後のニコチン切れによる離脱症状を緩和するとともに、ニコチンによる代謝促進効果をある程度維持することで、体重増加を抑える効果が期待されます。ただし、ニコチン代替療法を使用している間は体重増加が抑えられても、使用を終了した後に体重が増えてくることがあるため、ニコチン代替療法の使用期間中から食事・運動の習慣を整えておくことが重要です。
✨ バレニクリン(チャンピックス)と体重増加
バレニクリンは、脳内のニコチン受容体に作用してニコチンへの渇望感や離脱症状を緩和する薬です。複数の研究で、バレニクリンを使用して禁煙した場合の体重増加は、禁煙補助薬を使わずに禁煙した場合と比較してやや少ない傾向が示されています。また、バレニクリンには食欲を抑制する効果がある可能性も研究されています。ただし、バレニクリンは医師の診察と処方が必要な薬であり、副作用や使用上の注意点もありますので、必ず医療機関を受診して相談の上で使用してください。
なお、2024年現在、日本では新型コロナウイルス感染症の影響などによりバレニクリン(チャンピックス)の供給が停止されている時期がありましたが、最新の供給状況については医療機関にご確認ください。現在は代替薬やその他の禁煙補助薬の使用が中心となっている場合があります。
📌 禁煙補助薬はあくまでサポートツール
禁煙補助薬は禁煙を成功させるための重要なサポートツールですが、それだけで体重増加を完全に防げるわけではありません。補助薬の使用と並行して、前述した食事管理や運動、生活習慣の改善に取り組むことが、禁煙成功と体重管理の両立につながります。どの禁煙補助薬が自分に合っているかは個人差がありますので、禁煙外来を受診して医師と相談することをおすすめします。
💡 禁煙外来を活用するメリット
禁煙を自力で行おうとすると、離脱症状や喫煙への強い渇望に勝てず再喫煙してしまうケースが少なくありません。禁煙外来を受診することで、専門家のサポートを受けながら科学的に効果が認められた方法で禁煙を進めることができます。
▶️ 禁煙外来とはどんなところか
禁煙外来は、禁煙を希望する患者さんに対して医師や看護師などの医療スタッフが禁煙指導と薬物療法を行う専門外来です。日本では一定の条件を満たす場合に健康保険が適用され、12週間・5回の診察を通じて禁煙をサポートします(保険適用の条件については医療機関にご確認ください)。
禁煙外来では、禁煙開始前の呼気一酸化炭素濃度の測定や問診によって喫煙状況を評価し、一人ひとりに合った禁煙プランを立てます。また、禁煙中の経過を定期的にチェックし、困りごとや疑問に医師や看護師が答えてくれるため、一人で禁煙するよりも成功率が高まります。
🔹 体重管理についても相談できる
禁煙外来では、禁煙そのものへのサポートだけでなく、禁煙後の体重増加に関する不安や対策についても相談することができます。医師や管理栄養士(クリニックによっては栄養指導を行っている場合もあります)から、個人の生活スタイルに合った具体的なアドバイスを得ることができます。禁煙と体重管理の両方を専門家の視点からサポートしてもらえることは、禁煙外来を利用する大きなメリットのひとつです。
📍 禁煙成功率が格段に高まる
研究データによると、意志力だけで禁煙に成功できる割合は約5〜7%程度とされています。一方、禁煙外来で薬物療法を受けながら禁煙した場合の成功率は30〜35%程度まで高まるとされており、専門的なサポートを受けることの効果は明らかです。禁煙外来を受診することは、体重管理を含めた禁煙後の生活全般をより良いものにするための、賢い選択肢と言えるでしょう。
💫 アイシークリニック大宮院の禁煙外来について
アイシークリニック大宮院では、禁煙を希望される患者さんに対して丁寧な診察と適切な治療を提供しています。禁煙後の体重増加に関するご不安についても、診察の中でご相談いただけますので、禁煙に踏み出せずにいる方、一人での禁煙に挫折してしまった方は、まずは気軽にご相談ください。禁煙は健康に関する最も重要な決断のひとつです。専門スタッフが皆さんの禁煙成功を全力でサポートします。
👨⚕️ 当院での診療傾向【医師コメント】
高桑康太 医師(当院治療責任者)より
「当院では、「太るのが怖くて禁煙に踏み出せない」とおっしゃる患者さんのお声を非常に多くいただきます。確かに禁煙後の体重増加は避けられない側面がありますが、ニコチンによる代謝への影響や食欲の変化を事前に正しく理解した上で、食事・運動・生活習慣の対策を丁寧に組み合わせることで、体重増加を最小限に抑えながら禁煙を続けていただくことは十分に可能です。体重への不安を抱えたまま一人で悩まず、禁煙外来ではそのご不安にも寄り添いながら一人ひとりに合ったサポートをご提供しますので、まずはお気軽にご相談ください。」
✨ よくある質問
一般的に、禁煙後1年間で平均4〜5kg程度の体重増加が起こるとされています。特に最初の3ヶ月間に最も増えやすく、その後は緩やかになり、1年を過ぎると安定してくる傾向があります。ただし個人差が大きく、適切な食事・運動管理を行うことで増加を最小限に抑えることが可能です。
主な原因は複数あります。①ニコチンによる代謝促進効果がなくなり、1日約200kcal消費量が減少する、②食欲抑制効果がなくなり食欲が増す、③味覚・嗅覚の回復で食べ物が美味しく感じられる、④口寂しさやストレスによる間食の増加、⑤腸内環境の変化による便秘などが挙げられます。
はい、禁煙すべきです。喫煙は肺がんや心筋梗塞、脳卒中など命に関わる疾患の大きなリスク要因であり、そのリスクは数キロの体重増加とは比較にならないほど深刻です。禁煙開始から24時間以内に健康改善が始まり、1年後には冠動脈疾患リスクが半減するなど、得られる健康メリットは非常に大きいです。
極端なカロリー制限は禁煙のストレスを増大させるため避け、以下の工夫がおすすめです。野菜・きのこ・海藻など低カロリーで食物繊維豊富な食材を中心にする、鶏むね肉や魚などたんぱく質をしっかり摂る、甘いお菓子の代わりにナッツやキシリトールガムで口寂しさを対処する、食事はゆっくりよく噛んで20〜30分かけて食べることが大切です。
はい、相談いただけます。アイシークリニックの禁煙外来では、禁煙サポートに加え、体重増加に関する不安や対策についても医師が丁寧にアドバイスします。禁煙補助薬の活用や、個人の生活スタイルに合った食事・運動の指導も受けられるため、一人で禁煙するより成功率が大幅に高まります。体重への不安がある方もお気軽にご相談ください。

📌 まとめ
禁煙後の体重増加は、ニコチンによる代謝促進効果の喪失、食欲の増加、味覚・嗅覚の回復、口寂しさからの間食、ストレスによる過食など、複数の要因が絡み合って起こる生理的・心理的な現象です。多くの場合、禁煙後1年間で平均4〜5kg程度の体重増加が見られますが、適切な対策を講じることでその影響を最小限に抑えることができます。
食事面では、低カロリーで栄養価の高い食材を選び、たんぱく質をしっかり摂り、糖質・脂質の摂り方を見直すことが大切です。運動面では、有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせることで、代謝を維持・向上させながら体重を管理できます。生活習慣の面では、十分な睡眠の確保、ストレス管理、アルコールの節制なども体重増加防止に重要です。
また、禁煙補助薬の活用や禁煙外来への受診は、禁煙の成功率を高めながら体重管理をサポートする上でも有効な手段です。体重が少し増えることへの不安から禁煙を躊躇するより、禁煙によって得られる多大な健康上のメリットに目を向け、専門家のサポートも活用しながら禁煙に踏み出すことが、長期的な健康のために最善の選択です。禁煙の道のりは簡単ではありませんが、正しい知識と適切なサポートがあれば、体重管理と禁煙を両立させながら健康な生活を手に入れることは必ずできます。今日から一歩踏み出してみましょう。
📚 関連記事
- 新年度の緊張を乗り越える方法|ストレス対処法と心のケア
- 副腎疲労の回復にかかる期間はどれくらい?症状改善までの目安と治療法
- 睡眠時無呼吸症候群の検査費用と検査方法を徹底解説
- 春の冷え性対策完全ガイド|女性のための体質改善法
📚 参考文献
- 厚生労働省 – 禁煙支援・たばこ対策に関する公式情報。禁煙外来の保険適用条件、ニコチン依存症の治療、禁煙補助薬に関する行政ガイドラインの参照に使用
- WHO(世界保健機関) – たばこの健康リスク、喫煙による疾患リスク(がん・心疾患・COPDなど)、禁煙後の健康回復タイムラインに関する国際的なエビデンスの参照に使用
- PubMed – 禁煙後の体重増加メカニズム(ニコチンの代謝促進効果・食欲抑制効果)、平均体重増加量(4〜5kg)、禁煙補助薬(バレニクリン・ニコチン代替療法)と体重増加の関係に関する医学的研究論文の参照に使用
監修者医師
高桑 康太 医師
保有資格
ミラドライ認定医
略歴
- 2009年 東京大学医学部医学科卒業
- 2009年 東京逓信病院勤務
- 2012年 東京警察病院勤務
- 2012年 東京大学医学部附属病院勤務
- 2019年 当院治療責任者就任
- 皮膚腫瘍・皮膚外科領域で15年以上の臨床経験と30,000件超の手術実績を持ち、医学的根拠に基づき監修を担当
- 専門分野:皮膚腫瘍、皮膚外科、皮膚科、形成外科
- 臨床実績(2024年時点) 皮膚腫瘍・皮膚外科手術:30,000件以上、腋臭症治療:2,000件以上、酒さ・赤ら顔治療:1,000件以上
- 監修領域 皮膚腫瘍(ほくろ・粉瘤・脂肪腫など)、皮膚外科手術、皮膚がん、一般医療コラムに関する医療情報
佐藤 昌樹 医師
保有資格
日本整形外科学会整形外科専門医
略歴
- 2010年 筑波大学医学専門学群医学類卒業
- 2012年 東京大学医学部付属病院勤務
- 2012年 東京逓信病院勤務
- 2013年 独立行政法人労働者健康安全機構 横浜労災病院勤務
- 2015年 国立研究開発法人 国立国際医療研究センター病院勤務を経て当院勤務